JP2006013713A - ラインフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型、低背化を図ることができると共に、特にコモンモードノイズの低減に優れたラインフィルタを提供する。
【解決手段】 それぞれ第1および第2の開口部11A,11Bを有する平板状の複数の基板10−1〜10−6が一体的に積層され、コア20が、それら積層された複数の基板10−1〜10−6を貫通するように第1および第2の開口部11A,11Bに挿入される。第3層〜第6層目までの基板10−3〜10−6上において、第1および第2の開口部11A,11Bのそれぞれの周囲には、第1および第2のコイル用導体が形成されている。第1および第2のコイル用導体31,32とコア20とでコモンモードチョークコイルが形成される。最上層の基板10−1の空き領域には、各回路部品が実装される。以上のような基本構造により、小型、低背化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 それぞれ第1および第2の開口部11A,11Bを有する平板状の複数の基板10−1〜10−6が一体的に積層され、コア20が、それら積層された複数の基板10−1〜10−6を貫通するように第1および第2の開口部11A,11Bに挿入される。第3層〜第6層目までの基板10−3〜10−6上において、第1および第2の開口部11A,11Bのそれぞれの周囲には、第1および第2のコイル用導体が形成されている。第1および第2のコイル用導体31,32とコア20とでコモンモードチョークコイルが形成される。最上層の基板10−1の空き領域には、各回路部品が実装される。以上のような基本構造により、小型、低背化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電源ラインや信号ラインなどの導電線上を伝搬するノイズを抑制するラインフィルタに関する。
スイッチング電源、インバータ、照明機器の点灯回路等のパワーエレクトロニクス機器は、電力の変換を行う電力変換回路を有している。電力変換回路は、直流を矩形波の交流に変換するスイッチング回路を有している。そのため、電力変換回路は、スイッチング回路のスイッチング周波数と等しい周波数のリップル電圧や、スイッチング回路のスイッチング動作に伴うノイズを発生させる。このリップル電圧やノイズは他の機器に悪影響を与える。そのため、電力変換回路と他の機器あるいは線路との間には、リップル電圧やノイズを低減する手段を設ける必要がある。
また、最近、家庭内における通信ネットワークを構築する際に用いられる通信技術として電力線通信が有望視され、その開発が進められている。電力線通信は、電力線に高周波信号を重畳して通信を行う。この電力線通信では、電力線に接続された種々の電気・電子機器の動作によって、電力線上にノイズが発生し、このことが、エラーレートの増加等の通信品質の低下を招く。そのため、電力線上のノイズを低減する手段が必要になる。また、電力線通信では、屋内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを阻止する必要がある。
これらのノイズを抑制するために、電源ラインや信号ラインなどにラインフィルタを設けることが有効である。なお、2本の導電線を伝搬するノイズには、2本の導電線の間で電位差を生じさせるノーマルモード(ディファレンシャルモード)ノイズと、2本の導電線を同じ位相で伝搬するコモンモードノイズとがある。
特許文献1には、配線基板にトロイダルタイプのコモンモードチョークコイルを装着してノイズフィルタを構成した例が記載されている。また特許文献2には、配線基板にボビンタイプのコモンモードチョークコイルを装着してノイズフィルタを構成した例が記載されている。
また特許文献3には、渦巻状の導体パターンを有する平板状のプリントコイルを複数枚積層し、これらのプリントコイルの導体パターンの中心部をコアで貫通すると共に、各プリントコイルの導体パターンを電気的に接続し、さらに、積層されたプリントコイルの上部と下部とをプリントコイルとは独立した部品実装板で挟み、これら部品実装板にフィルタ回路用の電子部品を実装したプリントコイル形ラインフィルタが記載されている。
実開平5−6820号公報
特開平7−15269号公報
特開平6−349647号公報
近年の電子機器の小型化に伴い、ラインフィルタも小型化することが望まれる。特に電源ラインに用いられるラインフィルタの場合には、電源回路周辺に設けられることが多く、空冷ファンからの空気の流れを阻害しないために低背化することが望まれる。しかしながら、上記特許文献1,2に記載のように、単にトロイダルタイプやボビンタイプのコイルを配線基板に実装する構造では小型、低背化を図りにくいという問題がある。
一方、特許文献3に記載の構造では、平板状のプリントコイルを用いることで、特許文献1,2に記載の構造に比べれば小型、低背化しやすいと考えられる。しかしながら、特許文献3では、当該文献の図1等を見ても明らかなように、各プリントコイル間が構造的に一体化されておらず、単にプリントコイルを高さ方向に配置しただけであり、ラインフィルタとして十分に小型化したとはいえず、未だ改善の余地が残されている。また、特許文献3により実現されるのは、当該文献の図2および図8に示されているように、平衡型インダクタ(ラインフィルタL1)と、その前後に接続されたコンデンサCX1,CX2,CY1,CY2とによって構成されたフィルタ回路であるが、このような回路構成では、十分にコモンモードノイズを低減し得ないという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型、低背化を図ることができると共に、特にコモンモードノイズの低減に優れたラインフィルタを提供することにある。
本発明によるラインフィルタは、それぞれ第1および第2の開口部を有し、各層における第1および第2の開口部が互いに対応するように一体的に積層された複数の基板と、複数の基板のうち少なくとも2つの基板上において、第1および第2の開口部のそれぞれの周囲に形成された第1および第2のコイル用導体と、第1および第2のコイル用導体が形成された各基板に設けられ、隣接する基板間の第1のコイル用導体同士を接続する第1の層間接続部、および隣接する基板間の第2のコイル用導体同士を接続する第2の層間接続部と、複数の基板を貫通するように第1および第2の開口部に挿入され、第1および第2のコイル用導体と共にコモンモードチョークコイルを形成するコアと、複数の基板における、第1および第2のコイル用導体が形成されていない空き領域に実装された第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子とを備えている。そして、第1のキャパシタの一端が第1の層間接続部に接続されると共に、第2のキャパシタの一端が第2の層間接続部に接続され、第1および第2のキャパシタの他端が、インダクタンス素子を介して接地されているものである。
本発明によるラインフィルタにおいて、複数の基板における、第1および第2のコイル用導体が形成されていない空き領域に形成された導体によるグランドパターンをさらに備え、第1および第2のキャパシタの他端が、インダクタンス素子の一端に共通接続されると共に、インダクタンス素子の他端がグランドパターンに接続され、接地されていても良い。
この場合さらに、グランドパターンが形成された基板に隣接する他の基板上において、グランドパターンに対向するように形成された導体による配線パターンと、グランドパターンと配線パターンとによる浮遊容量により形成され、インダクタンス素子に対して並列接続される第3のキャパシタとをさらに備え、第1および第2のキャパシタの他端が、配線パターンを介してインダクタンス素子の一端に共通接続されると共に、インダクタンス素子の他端がグランドパターンに接続され、接地されていても良い。
また、インダクタンス素子に対して並列接続される抵抗素子をさらに備え、第1および第2のキャパシタの他端が、配線パターンを介してインダクタンス素子および抵抗素子の一端に共通接続されると共に、インダクタンス素子および抵抗素子の他端がグランドパターンに共通接続され、接地されていても良い。
また、本発明によるラインフィルタにおいて、第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子が、同一基板の同一面上に実装されていても良い。さらに、第1および第2のキャパシタが、同一基板の同一面上において互いに対称的に配置されていても良い。
本発明によるラインフィルタにおいて、コアは、第1および第2の開口部に挿入される凸部を有する第1のコアと、第1のコアの凸部の底面において第1のコアと一体化される第2のコアとで構成され、第1のコアが、以下の条件を満足するような形状となっていることが好ましい。
L>W
ただし、Lは第1のコア内部に形成される磁路に対して直交する第1の方向での第1のコアの外径、Wは第1のコアの凸部の幅(第1の方向に直交する第2の方向での第1のコアの凸部の外径)を示す。
L>W
ただし、Lは第1のコア内部に形成される磁路に対して直交する第1の方向での第1のコアの外径、Wは第1のコアの凸部の幅(第1の方向に直交する第2の方向での第1のコアの凸部の外径)を示す。
また、本発明によるラインフィルタにおいて、第1のキャパシタの一端が接続される第1の層間接続部を境界として、第1のコイル用導体とコアとで第1および第2のインダクタが形成されると共に、第1および第2のインダクタのインダクタンスが同一の値となるような位置に第1の層間接続部が設けられていることが好ましい。また、第2のキャパシタの一端が接続される第2の層間接続部を境界として、第2のコイル用導体とコアとで第3および第4のインダクタが形成されると共に、第3および第4のインダクタのインダクタンスが同一の値となるような位置に第2の層間接続部が設けられていることが好ましい。
本発明によるラインフィルタでは、それぞれ第1および第2の開口部を有する複数の基板が、各層において第1および第2の開口部が互いに対応するように一体的に積層され、コアが、それら積層された複数の基板を貫通するように第1および第2の開口部に挿入される。少なくとも2つの基板上において第1および第2の開口部のそれぞれの周囲には、第1および第2のコイル用導体が形成される。隣接する基板間の第1のコイル用導体同士は基板に設けられた第1の層間接続部によって接続され、隣接する基板間の第2のコイル用導体同士は第2の層間接続部によって接続される。これら第1および第2のコイル用導体とコアとでコモンモードチョークコイルが形成される。複数の基板における、第1および第2のコイル用導体が形成されていない空き領域には、第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子が実装される。以上のような基本構造により、小型、低背化が容易となる。
また、第1のキャパシタの一端を第1の層間接続部に接続すると共に、第2のキャパシタの一端を第2の層間接続部に接続し、さらに、第1および第2のキャパシタの他端を、インダクタンス素子を介して接地することで、例えばコモンモードチョークコイルの入出力端にキャパシタを接続するような従来のラインフィルタの回路構成に比べて、コモンモードノイズの低減に優れたフィルタ回路が実現可能となる。
また、インダクタンス素子に対して並列接続される第3のキャパシタをさらに備えるようにした場合には、そのインダクタンス素子と第3のキャパシタとで並列共振回路が形成され、コモンモードノイズがより効果的に低減される。
また、コアを、第1および第2の開口部に挿入される凸部を有する第1のコアと、第1のコアの凸部の底面において第1のコアと一体化される第2のコアとで構成し、第1のコアをL>Wの条件を満足するような形状にした場合には、それらのコアと第1および第2のコイル用導体とで形成されるコモンモードチョークコイルに関し、磁路長を延ばすことなくコアの分割面を大きくして(磁気抵抗を小さくして)、インダクタンス値が効率的に高められる。
本発明のラインフィルタによれば、互いに一体的に積層される複数の基板のうち少なくとも2つの基板上における、第1および第2の開口部のそれぞれの周囲に第1および第2のコイル用導体を形成すると共に、隣接する基板間のコイル用導体同士を層間接続部で接続し、さらに、第1および第2の開口部にコアを挿入することでコモンモードチョークコイルを形成し、基板の空き領域に第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子を実装するようにしたので、小型、低背化を図ることができる。また、第1のキャパシタの一端を第1の層間接続部に接続すると共に、第2のキャパシタの一端を第2の層間接続部に接続し、さらに、第1および第2のキャパシタの他端を、インダクタンス素子を介して接地するようにしたので、例えばコモンモードチョークコイルの入出力端にキャパシタを接続するような従来のラインフィルタの回路構成に比べて、コモンモードノイズの低減に優れたフィルタ回路を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係るラインフィルタは、電源ラインや信号ラインなどに接続され、例えば電力変換回路が発生するリップル電圧やノイズを低減する手段として利用される。また、電力線通信において電力線上のノイズを低減したり、室内電力線上の通信信号が屋外電力線に漏洩することを防止する手段としても利用可能である。
図1は、このラインフィルタの全体構成を示し、図2は、このラインフィルタの各構成要素を分解して示した図である。図5は、このラインフィルタの等価回路を示している。このラインフィルタは、平板状の複数の基板10−1〜10−6と、磁性材料よりなるコア20とを備えている。複数の基板10−1〜10−6は、それぞれ開口部11を有し、各層における開口部11が互いに対応するように各層が密着して一体的に積層されている。図3(A)〜図3(C)には、それぞれ上から第1層〜第3層目までの基板10−1〜10−3の平面構成を示し、図4(A)〜図4(C)には、それぞれ上から第4層〜第6層目までの基板10−4〜10−6の平面構成を示す。開口部11は、より詳しくは第1および第2の開口部11A,11Bで構成され、それら第1および第2の開口部11A,11Bが、各基板10−1〜10−6の中央部に並列して設けられている。
コア20は、複数の基板10−1〜10−6を貫通するように第1および第2の開口部11A,11Bに挿入されている。コア20は、より詳しくは図2に示したように、第1のコア20Aと、この第1のコア20Aに一体化される第2のコア20Bとで構成されている。第2のコア20Bは、平板状となっている。第1のコア20Aは、図のzy方向の断面がコ字状(またはU字状)となっており、対向する2辺に凸部21を有している。この凸部21を上層側から各基板10−1〜10−6の第1および第2の開口部11A,11Bに挿入することで、第1のコア20Aが各基板10−1〜10−6に実装されている。第2のコア20Bは、最下層の基板10−6の裏面側において凸部21の底面21Sに接着されることで、第1のコア20Aに一体化されている。これにより、第1のコア20Aと第2のコア20Bとで全体として、図のzy断面方向に矩形環状のコア20が形成されている。
第1のコア20Aは、次の条件を満足するような形状となっている。
L>W
ただし、Lは、図2に示したように第1のコア20A内部に形成される磁路に対して直交する第1の方向(図のx方向)での第1のコアの外径を示す。Wは第1のコア20Aの凸部21の幅(第1の方向に直交する第2の方向(図のy方向)での第1のコア20Aの凸部21の外径)を示す。
L>W
ただし、Lは、図2に示したように第1のコア20A内部に形成される磁路に対して直交する第1の方向(図のx方向)での第1のコアの外径を示す。Wは第1のコア20Aの凸部21の幅(第1の方向に直交する第2の方向(図のy方向)での第1のコア20Aの凸部21の外径)を示す。
上から第3層〜第6層目までの基板10−3〜10−6には、第1および第2のコイル用導体31,32が積層されている(図3(C)および図4(A)〜(C)参照)。第1および第2のコイル用導体31,32は、第1および第2の開口部11A,11Bのそれぞれの周囲に環状にパターン形成されている。第1および第2のコイル用導体31,32は、図示したように、各層において互いに対称的にパターン形成されている。第1および第2のコイル用導体31,32とコア20とで、コモンモードチョークコイルが形成されている。
各基板10−3〜10−6には、隣接する基板間において第1のコイル用導体31同士を接続するための層間接続用の貫通穴53A,54Aが設けられている。貫通穴54Aはもう一方の貫通穴53Aに対して内側(第1の開口部11A側)に設けられ、もう一方の貫通穴53Aは各基板10−3〜10−6の外周側に設けられている。各層の第1のコイル用導体31は、貫通穴53A,54Aによって交互に接続されている。すなわち、6層目の基板10−6における第1のコイル用導体31と、5層目の基板10−5における第1のコイル用導体31とが内側の貫通穴54Aを介して接続されている。5層目の基板10−5における第1のコイル用導体31と、4層目の基板10−4における第1のコイル用導体31とが外側の貫通穴53Aを介して接続されている。4層目の基板10−4における第1のコイル用導体31と、3層目の基板10−3における第1のコイル用導体31とが内側の貫通穴54Aを介して接続されている。
このようにして第1のコイル用導体31が第3層〜第6層目まで連続的に接続され、コモンモードチョークコイルの一方の巻線を形成している。ここで、各層において第1のコイル用導体31の導体パターンがほぼ同一の長さであるとすれば、5層目と4層目の中間接続部分P1が、第1のコイル用導体31によって形成された一方の巻線の中点位置となる。この場合、中間接続部分P1を境界として、第6層から中間接続部分P1までの第1のコイル用導体31とコア20とで、図5の等価回路における第1のインダクタL1が形成され、中間接続部分P1から第3層までの第1のコイル用導体31とコア20とで第2のインダクタL2が形成される。この場合、第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは同一の値となる。このような中間接続部分P1が、本発明における「第1の層間接続部」の一具体例に相当する。
各基板10−3〜10−6には、また、隣接する基板間において第2のコイル用導体32同士を接続するための層間接続用の貫通穴53B,54Bが設けられている。貫通穴54Bはもう一方の貫通穴53Bに対して内側(第2の開口部11B側)に設けられ、もう一方の貫通穴53Bは各基板10−3〜10−6の外周側に設けられている。各層の第2のコイル用導体32も、第1のコイル用導体31と同様、貫通穴53B,54Bによって交互に接続されることにより、第3層〜第6層目まで連続的に接続され、コモンモードチョークコイルの他方の巻線を形成している。
ここで、各層において第2のコイル用導体32の導体パターンがほぼ同一の長さであるとすれば、5層目と4層目の中間接続部分P3が、第2のコイル用導体32によって形成された他方の巻線の中点位置となる。この場合、中間接続部分P3を境界として、第6層から中間接続部分P3までの第2のコイル用導体32とコア20とで、図5の等価回路における第3のインダクタL3が形成され、中間接続部分P3から第3層までの第2のコイル用導体32とコア20とで第4のインダクタL4が形成される。この場合、第3および第4のインダクタL3,L4のインダクタンスは同一の値となる。このような中間接続部分P3が、本発明における「第2の層間接続部」の一具体例に相当する。
各層間の導通は、例えば各貫通穴53A,54Aおよび53B,54Bにそれぞれ導電性のピンを接続することや、各貫通穴の内面に導電性のメッキを施すことにより行うことができる。なお、第1および第2のコイル用導体31,32の形成パターン(巻き方)や各層間の接続位置の関係は、図示したものに限定されず、他の形態を採りうる。
第2層目の基板10−2の表面には、導体によるグランドパターン12Bが形成されている(図3(B))。最上層の基板10−1の表面には、グランドパターン12Bに対向するように、導体による配線パターン12Aが形成されている。これらグランドパターン12Bと配線パターン12Aとによる浮遊容量により、図5の等価回路における第3のキャパシタC3が形成されている。第1および第2層目の基板10−1,10−2には、上記第1および第2のコイル用導体31,32の中間接続部分P1に対応する位置に貫通穴53A,53Bが設けられている。最上層の基板10−1の表面において、貫通穴53A,53Bの周囲には後述する第1および第2のキャパシタC1,C2との接続用の配線パターンが設けられている。
最上層の基板10−1の表面にはまた、一対の入力端子1A,1Bと、一対の出力端子2A,2Bと、グランド端子5とが設けられている。一対の入力端子1A,1Bは、それぞれ基板10−1の第1の辺に沿って所定の間隔を空けて配置されている。グランド端子5は、一対の入力端子1A,1Bの間に配置されている。一方、一対の出力端子2A,2Bは、基板10−1の第1の辺に対向する第2の辺に沿って所定の間隔を空けて配置されている。入力端子1A,1Bの配置部分にはそれぞれ、層間接続用の貫通穴51A,51Bが設けられている。出力端子2A,2Bの配置部分にもそれぞれ、層間接続用の貫通穴52A,52Bが設けられている。グランド端子5の配置部分にも、層間接続用の貫通穴55が設けられている。これらの貫通穴51A,51Bおよび52A,52B、ならびに55は、他の基板10−2〜10−6にも設けられている。各層間の導通は、例えば各貫通穴に導電性のピンを接続することや、各貫通穴の内面に導電性のメッキを施すことにより行うことができる。
基板10−1の表面には、回路部品(チップ部品)として、第1および第2のキャパシタC1,C2、インダクタンス素子(第5のインダクタL5)、ならびに抵抗素子R1が実装されている。第1および第2のキャパシタC1,C2は、コア20を挟んで対向するように、それぞれ基板10−1の第3および第4の辺に沿った空き領域に実装され、第5のインダクタL5および抵抗素子R1は、同じく基板10−1の空き領域であってグランド端子5の近傍に配置されている。すなわち、これらの回路部品は同一基板の同一面上に実装されている。また第1および第2のキャパシタC1,C2は互いに対称的に配置されている。第5のインダクタL5は、本発明における「インダクタンス素子」の一具体例に対応し、抵抗素子R1は、本発明における「抵抗素子」の一具体例に対応する。
各回路要素の接続関係は以下のとおりである。一方の入力端子1Aには、各層の貫通穴51Aを介して最下層の基板10−6上の第1のコイル用導体31の一端(図4(C))が接続されている。同様に他方の入力端子1Bには、各層の貫通穴51Bを介して最下層の基板10−6上の第2のコイル用導体32の一端が接続されている。また、一方の出力端子2Aには、各層の貫通穴52Aを介して第3層の基板10−3上の第1のコイル用導体31の一端(図3(C))が接続されている。同様に他方の出力端子2Bには、各層の貫通穴52Bを介して第3層の基板10−3上の第2のコイル用導体32の一端が接続されている。
また、第1のキャパシタC1の一端が、貫通穴53Aを介して第1のコイル用導体31における4層および5層間の中間接続部分P1(図4(A),(B))に接続されている。同様に第2のキャパシタC2の一端が、貫通穴53Bを介して第2のコイル用導体32における4層および5層間の中間接続部分P3に接続されている。
第1および第2のキャパシタC1,C2の他端は、配線パターン12Aを介して第5のインダクタL5および抵抗素子R1の一端に共通接続されている。第5のインダクタL5および抵抗素子R1の他端は、グランド端子5の貫通穴55を介して第2層のグランドパターン12B(図3(B))に共通接続され、接地されている。これにより、第1および第2のキャパシタC1,C2の他端が、第5のインダクタL5および抵抗素子R1、ならびに第3のキャパシタC3を介して接地されている。
なお、各基板10−1〜10−6に設ける貫通穴は、本来、各層間の導通のための必要最低限の位置にのみ設ければ良い。例えば出力端子2A,2Bに接続するための貫通穴52A,52Bについては、導通のみを考慮すると第4層〜第6層目の基板10−4〜10−6には必ずしも設ける必要はない。しかしながら、本実施の形態では、各基板10−1〜10−6においてほぼ同様の位置に同一の貫通穴を設けている。これにより、各基板10−1〜10−6の製造、加工が容易となる。また、上層から下層まで各基板10−1〜10−6をすべて貫通するような貫通穴が形成されることで、このラインフィルタを他の回路基板に実装することが容易となる。例えば、入力端子1A,1Bに対応する貫通穴51A,51Bと、出力端子2A,2Bに対応する貫通穴52A,52Bとにそれぞれ、導通を兼ねた実装用のピンを挿入して他の回路基板に容易に実装することができる。
このような接続関係により、図5の等価回路で示されるフィルタ回路が実現されている。このフィルタ回路は、一対の入力端子1A,1Bと、出力端子2A,2Bと、グランド端子5とを備えている。このフィルタ回路はさらに、一方の入力端子1Aと一方の出力端子2Aとの間に直列的に挿入された第1および第2のインダクタL1,L2を備えている。このフィルタ回路はさらに、他方の入力端子1Bと他方の出力端子2Bとの間に直列的に挿入され、第1および第2のインダクタL1,L2と協働してコモンモードノイズを抑制する第3および第4のインダクタL3,L4とを備えている。
第1および第2のインダクタL1,L2は、互いに電磁気的に結合されている。第3および第4のインダクタL3,L4も同様に、互いに電磁気的に結合されている。上述したように第1のコイル用導体31により形成された一方の巻線の途中に接続点(中間接続部分P1)を設け、その巻線の一方の端部から接続点までを第1の巻線部分31aとして第1のインダクタL1が形成され、同様に、その巻線の他方の端部から接続点までを第2の巻線部分31bとして第2のインダクタL2が形成されている。第3および第4のインダクタL3,L4についても同様に、第2のコイル用導体32により形成された他方の巻線の途中に接続点(中間接続部分P3)を設け、その他方の巻線の一方の端部から接続点までを第3の巻線部分32aとして第3のインダクタL3が形成され、その他方の巻線の他方の端部から接続点までを第4の巻線部分32bとして第4のインダクタL4が形成されている。ここで、第1および第2のインダクタL1,L2のインダクタンスは同一の値であることがフィルタとしてより性能上、好ましい。第3および第4のインダクタL3,L4のインダクタンスも、同一の値にすることが好ましい。より好ましくは、第1および第2のインダクタL1,L2、ならびに第3および第4のインダクタL3,L4のすべてのインダクタンスを同一の値にすると良い。
第1および第2のインダクタL1,L2を構成する巻線(第1のコイル用導体31)と、第3および第4のインダクタL3,L4を構成する巻線(第2のコイル用導体32)は、共通のコア20に巻かれ、協働してコモンモードノイズを抑制するように互いに結合している。すなわち、それらの巻線は、それらにノーマルモードの電流が流れたときに各巻線を流れる電流によってコア20に誘起される磁束が互いに相殺されるような向きにコア20に巻かれている。このように、それらの巻線およびコア20は、コモンモードノイズを抑制し、ノーマルモード信号を通過させるコモンモードチョークコイルを構成している。
このフィルタ回路はさらに、一端が中間接続部分P1に接続された第1のキャパシタC1と、一端が中間接続部分P3に接続された第2のキャパシタC2と、一端が第1および第2のキャパシタC1,C2の各他端に接続され、他端がグランド端子5に接続された回路部分41とを備えている。回路部分41は、第5のインダクタL5、第3のキャパシタC3、および抵抗素子R1を有し、それらが互いに並列的に接続されている。
直列に接続された第1のキャパシタC1と回路部分41は、一端が中間接続部分P1に接続され、他端が接地された第1の直列回路を構成している。また、直列に接続された第2のキャパシタC2と回路部分41は、一端が中間接続部分P3に接続され、他端が接地された第2の直列回路を構成している。このように、このフィルタ回路では、第1の直列回路と第2の直列回路とで回路部分41が共通になっている。
次に、本実施の形態に係るラインフィルタの作用、効果について説明する。
まず、図5の等価回路で示されるフィルタ回路としての作用を説明する。始めに、入力端子1A,1Bにコモンモードの電圧Viが印加された場合について説明する。この場合、第1のインダクタL1の一方の端部(中間接続部分P1とは逆側の端部)とアース間、および第3のインダクタL3の一方の端部(中間接続部分P3とは逆側の端部)とアース間に等しい電圧Viが発生する。第1のインダクタL1の一方の端部とアース間に発生した電圧Viは、第1のインダクタL1と第1の直列回路(第1のキャパシタC1と回路部分41)とによって分圧され、第1のインダクタL1の両端間と第1の直列回路の両端間とに、それぞれ所定の電圧が発生する。なお、図中の矢印は、その先の方が高い電位であることを表している。同様に、第3のインダクタL3の一方の端部とアース間に発生した電圧Viは、第3のインダクタL3と第2の直列回路(第2のキャパシタC2と回路部分41)とによって分圧され、第3のインダクタL3の両端間と第2の直列回路の両端間とに、それぞれ所定の電圧が発生する。第1のインダクタL1と第2のインダクタL2は互いに電磁気的に結合されているので、第1のインダクタL1の両端間に発生した電圧に応じて、第2のインダクタL2の両端間に所定の電圧が発生する。第2のインダクタL2の他方の端部(中間接続部分P1とは逆側の端部)とアース間の電圧、すなわち端子2Aとアース間の電圧Voは、第2のインダクタL2に発生する電圧と第1の直列回路に発生する電圧との総和で表されるが、これらの電圧は逆向きであることから互いに打ち消し合い、その結果、第1のインダクタL1の一方の端部とアース間に発生した電圧、すなわち端子1Aとアース間に発生した電圧Viよりも小さくなる。
同様に、第3のインダクタL3と第4のインダクタL4は互いに電磁気的に結合されているので、第3のインダクタL3の両端間に発生した電圧に応じて、第4のインダクタL4の両端間に所定の電圧が発生する。その結果、第4のインダクタL4の他方の端部(中間接続部分P3とは逆側の端部)とアース間の電圧、すなわち端子2Bとアース間の電圧Voは、第3のインダクタL3の一方の端部とアース間に発生した電圧、すなわち端子1Bとアース間に発生した電圧Viよりも小さくなる。このようにして、入力端子1A,1Bにコモンモードの電圧が印加された場合には、出力端子2A,2Bに発生するコモンモードの電圧は、入力端子1A,1Bに印加されたコモンモードの電圧よりも小さくなる。
また、このフィルタ回路において、出力端子2A,2Bにコモンモードの電圧が印加された場合も、上記の説明と同様にして、入力端子1A,1Bに発生するコモンモードの電圧は、出力端子2A,2Bに印加されたコモンモードの電圧よりも小さくなる。このように、このフィルタ回路によれば、入力端子1A,1Bにコモンモードノイズが印加された場合と、出力端子2A,2Bにコモンモードノイズが印加された場合のいずれの場合にも、コモンモードノイズを抑制することができる。
このフィルタ回路によれば、比較的簡単な構成で、しかも大きなインダクタンスを有するコイルを用いることなく、広い周波数範囲において効果的にコモンモードノイズを抑制することができる。特に、このフィルタ回路では、回路部分41として、第5のインダクタL5と第3のキャパシタC3とを含む並列回路を設けていることにより、第5のインダクタL5と第3のキャパシタC3とによる共振点付近において、例えば回路部分41を第5のインダクタL5のみにした場合と比べてコモンモードのノイズ成分がより効果的に抑制される。したがって、その並列回路による共振点を例えば高周波領域に設定することで、特に高周波領域におけるノイズ成分を部分的に、より効果的に抑制することができる。
次に、このラインフィルタの構造的な利点、効果について説明する。このラインフィルタでは、それぞれ第1および第2の開口部11A,11Bを有する平板状の複数の基板10−1〜10−6が、各層において第1および第2の開口部11A,11Bが互いに対応するように一体的に積層され、コア20が、それら積層された複数の基板10−1〜10−6を貫通するように第1および第2の開口部11A,11Bに挿入される。特に、上から第3層〜第6層目までの基板10−3〜10−6上において、第1および第2の開口部11A,11Bのそれぞれの周囲には、第1および第2のコイル用導体31,32が形成される。そして、隣接する基板間の第1のコイル用導体31同士は層間接続用の貫通穴53A,54Aによって交互に接続され、同様に、隣接する基板間の第2のコイル用導体32同士は貫通穴53B,54Bによって接続される。これら第1および第2のコイル用導体31,32とコア20とでコモンモードチョークコイルが形成される。最上層の基板10−1の空き領域には、各回路部品が実装される。以上のような基本構造により、小型、低背化を図ることができる。
また、第1のコイル用導体31により形成された一方の巻線の途中に接続点(中間接続部分P1)を設け、その接続点を第1のキャパシタC1の一端に接続すると共に、第2のコイル用導体32により形成された他方の巻線の途中に接続点(中間接続部分P3)を設け、その接続点を第2のキャパシタC2の一端に接続し、さらに第1および第2のキャパシタC1,C2の他端を、インダクタンス素子(第5のインダクタL5)等を介して接地するようにしたので、図5に示したフィルタ回路を実現できる。これにより、例えばコモンモードチョークコイルの入出力端にキャパシタを接続するような従来のラインフィルタの回路構成に比べて、コモンモードノイズの低減に優れたフィルタ回路を実現できる。
また、入力端子1A,1Bなどの各端子と、第1および第2のキャパシタC1,C2などの各回路部品との配置の最適化を行ったことで、各基板の空き領域を効率的に利用しつつ、それぞれの部品間の結合が抑えられ、特性の劣化を防止できる。特に、図示した配置により、第1および第2のキャパシタC1,C2、第5のインダクタL5およびグランド端子5の配線距離を短くできるので、特性劣化が防止される。
さらに、コア20を、凸部21を有する第1のコア20Aとこれに一体化される第2のコア20Bとで構成し、第1のコア20AをL>Wの条件を満足するような形状にしたことで、コア20と第1および第2のコイル用導体31,32とで形成されるコモンモードチョークコイルに関し、磁路長を延ばすことなくコア20の分割面(第1のコア20Aの底面20S)の面積を大きくして(磁気抵抗を小さくして)、インダクタンス値を効率的に高めることができる。
図6は、このラインフィルタにおけるノイズの減衰量の周波数特性の一例をグラフ化して示したものである。横軸は周波数(Hz)を表し、縦軸は減衰量(ゲイン)(dB)を表している。実線はコモンモードノイズの減衰特性、破線はノーマルノイズの減衰特性を示している。このラインフィルタでは、300kHz〜30MHzの広い周波数範囲においてノイズが良好に低減されている。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば上記実施の形態では、第1および第2のキャパシタC1,C2、第5のインダクタL5、ならびに抵抗素子R1がすべて同一基板の同一面上に実装されているものとして説明したが、一部の回路部品を他の基板上に実装しても良い。例えば、第5のインダクタL5ならびに抵抗素子R1を最下部層の基板の裏面に実装するなどしても良い。
また、コイル用導体が形成される基板の数は4つに限らず、少なくとも2以上であれば良い。また、回路部品が実装される基板とコイル用導体31,32が形成される基板とを別々にすることなく、例えばコイル用導体31,32が形成された基板の空き領域に回路部品を実装するようにしても良い。
また、図5の等価回路における回路部分41は、少なくとも第5のインダクタL5を有していればフィルタとして十分機能する。すなわち、本発明のノイズフィルタは、第3のキャパシタC3および抵抗素子R1の少なくとも一方を構成要素から省いたものであっても良い。
また上記実施の形態では、コア20を、図2に示したように、断面がコ字状(またはU字状)の第1のコア20Aと、平板状の第2のコア20Bとで構成したが、コア20の構成はこれに限らない。例えば第2のコア20Bも第1のコア20Aと同様、コ字状(またはU字状)に構成しても良い。
C1…第1のキャパシタ、C2…第2のキャパシタ、C3…第3のキャパシタ、L1…第1のインダクタ、L2…第2のインダクタ、L3…第3のインダクタ、L4…第4のインダクタ、L5…第5のインダクタ(インダクタンス素子)、R1…抵抗素子、1A,1B…入力端子、2A,2B…出力端子、5…グランド端子、10−1〜10−6…基板、11A…第1の開口部、11B…第2の開口部、12A…配線パターン、12B…グランドパターン、31…第1のコイル用導体(巻線)、32…第2のコイル用導体(巻線)、20…コア、21…第1のコア、22…第2のコア、51A,51B,52A,52B,53A,53B,54A,54B,55…貫通穴。
Claims (8)
- それぞれ第1および第2の開口部を有し、各層における前記第1および第2の開口部が互いに対応するように一体的に積層された複数の基板と、
前記複数の基板のうち少なくとも2つの基板上において、前記第1および第2の開口部のそれぞれの周囲に形成された第1および第2のコイル用導体と、
前記第1および第2のコイル用導体が形成された各基板に設けられ、隣接する基板間の前記第1のコイル用導体同士を接続する第1の層間接続部、および隣接する基板間の前記第2のコイル用導体同士を接続する第2の層間接続部と、
前記複数の基板を貫通するように前記第1および第2の開口部に挿入され、前記第1および第2のコイル用導体と共にコモンモードチョークコイルを形成するコアと、
前記複数の基板における、前記第1および第2のコイル用導体が形成されていない空き領域に実装された第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子と
を備え、
前記第1のキャパシタの一端が前記第1の層間接続部に接続されると共に、前記第2のキャパシタの一端が前記第2の層間接続部に接続され、前記第1および第2のキャパシタの他端が、前記インダクタンス素子を介して接地されている
ことを特徴とするラインフィルタ。 - 前記複数の基板における、前記第1および第2のコイル用導体が形成されていない空き領域に形成された導体によるグランドパターンをさらに備え、
前記第1および第2のキャパシタの他端が、前記インダクタンス素子の一端に共通接続されると共に、前記インダクタンス素子の他端が前記グランドパターンに接続され、接地されている
ことを特徴とする請求項1に記載のラインフィルタ。 - 前記第1および第2のキャパシタ、ならびにインダクタンス素子が、同一基板の同一面上に実装されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のラインフィルタ。 - 前記第1および第2のキャパシタが、同一基板の同一面上において互いに対称的に配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のラインフィルタ。 - 前記グランドパターンが形成された基板に隣接する他の基板上において、前記グランドパターンに対向するように形成された導体による配線パターンと、
前記グランドパターンと前記配線パターンとによる浮遊容量により形成され、前記インダクタンス素子に対して並列接続される第3のキャパシタと
をさらに備え、
前記第1および第2のキャパシタの他端が、前記配線パターンを介して前記インダクタンス素子の一端に共通接続されると共に、前記インダクタンス素子の他端が前記グランドパターンに接続され、接地されている
ことを特徴とする請求項2に記載のラインフィルタ。 - 前記インダクタンス素子に対して並列接続される抵抗素子をさらに備え、
前記第1および第2のキャパシタの他端が、前記配線パターンを介して前記インダクタンス素子および前記抵抗素子の一端に共通接続されると共に、前記インダクタンス素子および前記抵抗素子の他端が前記グランドパターンに共通接続され、接地されている
ことを特徴とする請求項5に記載のラインフィルタ。 - 前記コアは、前記第1および第2の開口部に挿入される凸部を有する第1のコアと、前記第1のコアの凸部の底面において前記第1のコアと一体化される第2のコアとで構成され、
前記第1のコアが、以下の条件を満足するような形状となっている
L>W
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のラインフィルタ。
ただし、
L:第1のコア内部に形成される磁路に対して直交する第1の方向での第1のコアの外径
W:第1のコアの凸部の幅(第1の方向に直交する第2の方向での第1のコアの凸部の外径) - 前記第1のキャパシタの一端が接続される前記第1の層間接続部を境界として、前記第1のコイル用導体と前記コアとで第1および第2のインダクタが形成されると共に、前記第1および第2のインダクタのインダクタンスが同一の値となるような位置に前記第1の層間接続部が設けられ、
前記第2のキャパシタの一端が接続される前記第2の層間接続部を境界として、前記第2のコイル用導体と前記コアとで第3および第4のインダクタが形成されると共に、前記第3および第4のインダクタのインダクタンスが同一の値となるような位置に前記第2の層間接続部が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のラインフィルタ。
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- 2004-06-23 JP JP2004185386A patent/JP2006013713A/ja active Pending
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