JP4219154B2 - 血液適合性高分子を用いた医療用器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液適合性高分子およびそれを用いた医療用器具に関し、より詳しくは、血小板の粘着および活性化の抑制効果を有し、表面に抗凝固剤であるヘパリンを安定に存在させることができる血液適合性高分子およびそれを用いた医療用器具に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、ステント、人工肺用膜および人工血管等への利用が期待されている。生体にとって異物である合成材料を生体内組織や血液と接触させて使用することとなるため、医用材料が生体適合性を有していることが要求される。この際に使用される生体適合性は、目的や使用方法によって意味が異なるが、以下に例を挙げて説明する。
【0003】
医用材料を血液と接触する材料として使用する場合、(a)血液凝固の抑制、(b)血小板の粘着および活性化の抑制が生体適合性として重要な項目となる。例えば、比較的短時間血液と接触する体外循環用医用材料(人工腎臓や血漿分離用膜など)として使用する場合、一般にヘパリンやクエン酸ナトリウム等の抗凝固剤を同時に使用するため、(b)に記載した血小板の活性化の抑制が重要な課題となっていた。
血小板の粘着および活性化の抑制については、ミクロ相分離した表面(以下、ミクロ相分離表面と略す)や親水性表面、特に水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面が優れており、ポリプロピレンなどの疎水性表面は劣っているといわれている(例えば、非特許文献1、2参照。)。しかし、ミクロ相分離構造を有するミクロ相分離表面は、適度な相分離状態にコントロールすることにより良好な血液適合性を発現することが可能となるが、そのような相分離を作製できる条件が限られており、用途に制限のあるものであった。また、水溶性高分子を表面に結合させたゲル化表面では、血小板の粘着は抑制されるが、材料表面で活性化された血小板や微小血栓が体内に返還され、しばしば異常な血球成分(血小板)の変動が観察されることがあった。
以上より、従来の生体内組織や血液と接触させて使用することとなる医用材料においては、血小板の粘着および活性化の抑制といった機能を満たす合成高分子材料を容易に得ることができなかった。
【0004】
また、従来の血液適合性高分子の表面として、上記したミクロ相分離表面、親水性表面およびゲル化表面や生体分子固定表面、生体膜類似表面が知られているが、その血液適合性発現の理由として、表面自由エネルギー、電荷、分子運動性、親水疎水のバランスなどのパラメーターが提唱されている。しかし、血液適合性との明確な相関は得られておらず、血液適合性発現のメカニズムについても不明であった。したがって、血液適合性高分子を容易に合成し得ることはできなかった。
【0005】
一方、生命現象の反応場となっている水分子に着目すると、水分子は蛋白質や細胞の接着形態や機能発現の場を形成しており、この水分子の構造やダイナミクスが生体適合性に大きな影響を与えると考えられている(例えば、非特許文献3参照。)。
そこで、本発明者らは、蛋白質などの生体成分との相互作用が弱い理由について検討するために、生体適合性材料として報告され、医療用器具へも展開されている材料であるポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(以下、PMEAと略す)について、表面に存在する水分子に着目し、示差走査熱量計(以下、DSCと略す)を用いて、平衡含水状態のPMEAの水の構造を調べ報告している(例えば、非特許文献4参照。)。
【0006】
上記非特許文献4では、PMEAが、−100℃からの昇温過程で水の低温結晶化に基づくコールドクリスタリゼーション(以下、CCと略す)に由来するシャープな発熱ピークが−40℃付近に安定して観測される状態の水(以下、中間水という)を有していることが記載されている。この低温結晶化は非晶質の氷から結晶性の氷への転位であり、高分子鎖と特定の相互作用により組織化された水であると考えられている。
以上のように、PMEA中の水の構造に特徴が見られ、発熱ピークとして観測される中間水状態の水の量が、血小板の粘着および活性化に強く影響を及ぼしていることが明らかとなった。
【0007】
また、生体成分は血液中で水和殻を形成し安定化されているが、材料表面の不凍水などが直接この水和殻に接触し、これを攪乱あるいは破壊すると、生体成分の材料表面への吸着および活性化の引き金となると考えられている。
PMEA表面では、上述の中間水が、生体成分の水和殻と材料表面の不凍水層の間に存在し両者が直接触れることがないため、活性化が起きないと考えられた。なお、中間水は生体成分の水和殻を破壊するほどの強固なネットワーク構造は有していないものの、高分子鎖に弱く束縛された水である。
【0008】
一方、血液と接触する医療用器具において血液と医療用器具表面の接触以外で起こり得る反応として、医療用器具内での血液の停滞による血液凝固反応が問題となり、上記(a)に記載した血液凝固の抑制も重要な課題となっている。貝原らは、血液が停滞した場合、赤血球膜表面を介した凝固内因系の活性化について報告している(非特許文献5参照。)。
このような医療用器具内での血液の停滞による血液凝固反応に対し、PMEAなどの非生理活性な高分子材料では、その反応を抑制することができない問題があった。
【0009】
【非特許文献1】
アンドレード(Andrade JD)、他4名,サーフェス アンドブラッド コンパティビリティー(Surface and Blood Compatibility),「トランスアクションズ オブ アメリカンソサエティ オブ アーティフィシャル インターナル オーガンズ(Transactions of American Society of Artificial Internal Organs)」,(米国),1987,第XXXIII号,p.75−84
【非特許文献2】
竹本喜一著,「高分子と医療」,三田出版会,1989,p.73
【非特許文献3】
ラトナー(Ratner BD)、外3名,セル アドヒージョン トゥ ポリメリック マテリアルズ(Cell adhesion to polymeric materials),「ジャーナル オブ バイオメディカルマテリアル リサーチ(Journal Biomedical Material Research)」,(米国),1975,第9巻,p.407−422
【非特許文献4】
タナカ(Tanaka M)、他6名,コールドクリスタリゼーションオブ ウォーター イン ハイドレーテッド ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(PMEA)(Cold Crystallization of water in hydrated Poly(2−methoxyethylacrylate)(PMEA)),「ポリマー インターナショナル(Polymer International),(米国),2000,第49巻,p.1709−1713
【非特許文献5】
貝原真,生体・人工材料の抗血栓性・抗凝固性のレオロジー的評価,「血栓止血誌」,2000,第11巻,第6号,p.521−530
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題に対する1つの解決手段として、PMEA中にヘパリンを存在させようと試みたが、PMEA中には安定に存在させることができなかった。そこで、PMEA表面に、抗凝固剤であるヘパリンと長鎖アルキルアンモニウム塩のイオン性複合体(以下、イオンコンプレックスともいう)を混在させることによって、PMEAによる血小板の粘着抑制作用と、ヘパリンの抗凝固作用を持たせることが考えられた。しかし、PMEAは含水時の平衡含水率が9%であるため、生理的な条件下で、PMEA中にイオンコンプレックスを安定に存在させることができなかった。
そのため、本発明は、血小板の粘着および活性化を抑制する血液適合性材料として、特定の平衡含水率を有する血液適合性高分子を提供し、また該血液適合性高分子とヘパリンとを血液と接触する表面に有する医療用器具の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を解決すべく、CCに由来する発熱ピークを示す中間水を有し、血小板の粘着を抑制する血液適合性材料において、平衡含水率を制御することにより、平衡含水率が小さい材料表面にヘパリンのイオンコンプレックスを安定に存在させることで、血小板の粘着および活性化の抑制作用と、抗凝固作用を併せもつことを可能にすることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(6)の血液適合性高分子を用いた医療用器具を提供する。
【0019】
(1)含水時の平衡含水率が3〜8%であり、示差走査熱量計(DSC)測定における昇温過程において0℃以下で水の低温結晶化に基づく発熱ピークが観測される状態の水(中間水)を有することができ、ガラス転移点が0℃以下であることを特徴とする水不溶性の血液適合性高分子と、ヘパリンとを、血液と接触する表面に有し、
上記血液適合性高分子が、下記構造式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子であることを特徴とする医療用器具(第2の態様)。
【化2】
【0021】
(2)上記血液適合性高分子が、アルコキシアルキルアクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であることを特徴とする上記(1)に記載の医療用器具。
【0022】
(3)上記低温結晶化に基づく発熱ピークの発熱量が、1.0J/g以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の医療用器具。
【0023】
(4)上記血液適合性高分子の含水時のガラス転移点が、−80〜−10℃であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医療用器具。
【0024】
(5)上記ヘパリンが、ヘパリンとアルキルアンモニウム塩とを反応させたイオン性複合体であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の医療用器具。
【0025】
(6)上記医療用器具が、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、人工肺用膜、人工血管、カテーテル、およびステントからなる群より選択される少なくとも1つに用いられていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の医療用器具。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の血液適合性高分子およびそれを用いた医療用器具について詳細に説明する。
本発明の第1の態様に係る血液適合性高分子は、含水時の平衡含水率が3〜8%であり、中間水を有することができ、ガラス転移点が0℃以下であることを特徴とする水不溶性の血液適合性高分子である。
ここで、中間水とは、上述したように、0℃以下で水の低温結晶化に基づくCCに由来する発熱ピークを示す状態の水のことである。具体的には、例えば、DSC測定における昇温過程において、0℃以下に発熱ピークが観測される低温結晶化した特異な結晶構造を有する状態の水のことである。
【0027】
上記血液適合性高分子は、ヘパリンを含有することが、生理活性(抗凝固作用)を発現するという理由から好ましい。
ここで、上記ヘパリンは、水不溶性のヘパリンであれば特に限定されず、陰イオン性の硫酸基を有するヘパリンと陽イオン性の界面活性剤とを反応させたイオンコンプレックス、陰イオン性の硫酸基を有するヘパリンとアルキルアンモニウム塩と反応させたイオンコンプレックスであることが好ましい。
ここで、上記陽イオン性の界面活性剤としては、具体的には、例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルホスホニウム塩等が挙げられ、これらのうち、アルキルアンモニウム塩を用いることが好ましい。該アルキルアンモニウム塩としては、具体的には、例えば、炭素数8〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数8〜18のジアルキルジメチルアンモニウム塩、炭素数8〜18のトリアルキルモノメチルアンモニウム塩、炭素数8〜18のテトラアルキルアンモニウム塩、炭素数8〜18のモノアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらのうち、炭素数8〜18のジアルキルジメチルアンモニウム塩、炭素数8〜18のモノアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0028】
ヘパリンを含有する血液適合性高分子は、具体的には、例えば、上記血液適合性高分子と上記ヘパリンとを混合させた混合物として得ることができる。後述する実施例に示すように、上記混合物をポリエチレンテレフタレートの板にコーティングした被コート板を作製し、該被コート板をトルイジンブルーで染色させ、染色時の反射吸光度を測定することで、被コート板表面のヘパリンの含有量を確認することができる。
また、上記被コート板を生理食塩水中に浸漬させることにより、浸漬前後の被コート板における保持するヘパリンの含有量を反射吸光度で比較することができる。含有するヘパリンが生理活性(抗凝固作用)を充分に発現するためには、生理食塩水浸漬後における被コート板表面の反射吸光度が、浸漬前の反射吸光度と比較して、同程度であることが望ましい。これは、ヘパリンが安定に存在していることを示しているため好ましい。
【0029】
上記血液適合性高分子は、下記構造式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子であることが好ましく、該合成高分子としては、具体的には、後述するように、テトラヒドロフルフリルアクリレート(以下、THFAと略す)を重合成分として含有させて得られる合成高分子等が挙げられる。
【0030】
【化3】
【0031】
上記式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子としては、具体的には、例えば、THFAの単独重合体、または、THFAと重合可能な複種類のモノマーのランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体等が挙げられる。
THFAと共重合し得る単量体(以下、共重合性単量体ともいう)としては、具体的には、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノイソプロピルアクリレート、ジアミノメチルアクリレート、ジアミノエチルアクリレート、ジアミノブチルアクリレート、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジアミノメチルメタクリレート、ジアミノエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタアクリレート、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
【0032】
これらの共重合性単量体は、得られる共重合体の含水時における平衡含水率が3〜8%の範囲であり、DSC測定における昇温過程において、0℃以下の水の低温結晶化に基づくCCによる発熱ピークを示す、すなわち得られる共重合体が中間水を有している範囲で使用される。
得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれであってもよく、ラジカル重合やイオン重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法で使用できる。
例えば、得られる共重合体がランダム共重合体である場合において、THFAと共重合する単量体よりなるホモポリマーが、ポリテトラヒドロフルフリルアクリレート(以下、PTHFAと略す)より親水性である場合、THFAに対する該単量体の混合割合は30mol%以下であることが好ましい。このような単量体としては、具体的には、アクリルアミド系誘導体に示すような、ホモポリマーが水溶性である単量体を例示することができる。また、THFAに対する該単量体の混合割合は、得られる共重合体の含水時における平衡含水率が、8%以下になるようにする必要がある。平衡含水率がこの範囲であると、生理的条件下において、得られる共重合体に水不溶性ヘパリンを安定に存在させることができるため好ましい。
【0033】
一方、THFAと共重合する単量体が、アルキル(メタ)アクリレートなどの疎水性単量体である場合、THFAに対する該単量体の混合割合が85mol%未満であると、平衡含水率が3〜4. 7%となり発熱ピークが観測されるため好ましい。
このようにして得られる上記式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子の数平均分子量は10,000〜300,000、好ましくは30,000〜100,000である。
【0034】
また、上記血液適合性高分子は、アルコキシアルキルアクリレートと、該アルコキシアルキルアクリレートより疎水性なモノマーであるアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であってもよく、具体的には、下記一般式(2)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子が例示される。
【0035】
【化4】
【0036】
式中、R1 は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1〜2のアルキレンを表し、R2 は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1〜2のアルキルを表し、R3 はHまたはCH3 を表す。
上記アルコキシアルキルアクリレートとしては、具体的には、例えば、メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシプロピルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート、エトキシブチルアクリレート、プロポキシメチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシブチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、プロポキシメチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート等が挙げられる。これらのうち、経済性や操作性の点より、特にメトキシエチルアクリレートが好ましい。
【0037】
上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタアクリレート等が挙げられる。
【0038】
これらのアルキル(メタ)アクリレートは、得られる共重合体の含水時における平衡含水率が3〜8%の範囲であり、DSC測定における昇温過程において、0℃以下の水の低温結晶化に基づくCCによる発熱ピークを示す範囲で使用される。
得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれであってもよく、ラジカル重合やイオン重合、マクロマーを利用した重合等の公知の方法で使用できる。
また、上記アルコキシアルキルアクリレートに対する上記アルキル(メタ)アクリレートの混合割合が15〜85mol%の範囲であると、平衡含水率が3〜8%となり発熱ピークが観測されるため好ましい。
このようにして得られる、上記アルコキシアルキルアクリレートと上記アルキル(メタ)アクリレートとの共重合体の数平均分子量は10,000〜300,000、好ましくは30,000〜100,000である。
【0039】
本発明の第1の態様に係る上記血液適合性高分子は、含水時のDSC測定における昇温過程において、0℃以下で水の低温結晶化に基づく発熱ピークを示し、該発熱ピークの発熱量が、1.0J/g以上であることが好ましく、3. 0J/g以上であることがより好ましい。CCに由来する発熱ピークの発熱量がこの範囲であると、中間水量が十分に存在するという理由から好ましい。
【0040】
また、本発明の血液適合性高分子の含水時の平衡含水率は、3〜8%であり、好ましくは4. 5〜7. 5%である。平衡含水率がこの範囲であると、上述したように、CCに由来する発熱ピークが観測することができ、さらに水不溶性ヘパリンを安定に存在させることができるため好ましい。
ここで、平衡含水率は以下の測定方法で求められる。
高分子を水中で膨潤させた後に、該高分子を所定量を秤量し、あらかじめ重量を測定した酸化アルミパンの底に薄く広げる。酸化アルミパン+該高分子の重量測定後、アルミパンにピンホールをあけ、真空乾燥後、その重量減少分を含水量として求めた。平衡含水率(Wc)は以下の式で求められる。
Wc(%)={(W1 −W0 )/W1 }×100
(式中、W0 はサンプルの乾燥重量(g)、W1 は含水サンプルの重量(g)を表す。)
さらに、上記高分子に含水する水のガラス転移点は、−80〜−10℃であることが好ましく、−80〜−20℃であることがより好ましい。
【0041】
本発明の第2の態様に係る医療用器具は、上述した第1の態様に係る血液適合性高分子とヘパリンとを血液と接触する表面に有する医療用器具である。
したがって、本発明の第2の態様に係る医療用器具は、含水時の平衡含水率が3〜8%であり、中間水を有することができ、ガラス転移点が0℃以下であることを特徴とする水不溶性の血液適合性高分子と、ヘパリンとを血液と接触する表面に有する医療用器具である。
ここで、血液適合性高分子としては、上述したように、上記式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子を用いることが好ましく、アルコキシアルキルアクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であってもよい。
また、上記ヘパリンとしては、上述したように、水不溶性のヘパリンであれば特に限定されず、陰イオン性の硫酸基を有するヘパリンと陽イオン性の界面活性剤とを反応させたイオンコンプレックス、陰イオン性の硫酸基を有するヘパリンとアルキルアンモニウム塩と反応させたイオンコンプレックスであることが好ましい。
【0042】
ここで、第1の態様に係る血液適合性高分子とヘパリンとを血液と接触する表面に有するとは、含水時において中間水とヘパリンとを血液と接触する表面に有することであり、このような形態を有する医療用器具であれば、生体適合性に優れ、さらに生理活性(抗凝固作用)を有することから好ましい。
このことは、中間水を有する血液適合性高分子、具体的には上記式(1)で表されるモノマー単位(単量体単位)を有する合成高分子(例えば、PTHFA)と、ヘパリンとの混合物をコーティングした被コート板表面の血小板粘着試験の結果、および該被コート板表面の生理食塩水浸漬前後のヘパリン含有量から確認することができる。
【0043】
また、本発明の医療用器具は、中間水とヘパリンとを血液と接触する該医療用器具の表面に有していれば特に限定されない。
上記中間水およびヘパリンを血液と接触する該医療用器具の表面に保持する方法としては、上記中間水およびヘパリンが、血液と接触する医用器具の表面に存在するような方法であれば特に限定されない。具体的には、例えば、本発明の第1の態様に係る含水時に中間水を有する血液適合性高分子と上記ヘパリンとを混合させた混合物を被覆することによって、中間水およびヘパリンを血液と接触する該医療用器具の表面に保持することが挙げられる。
【0044】
ここで、本発明の医療用器具の形態としては、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、人工肺用膜、人工血管、カテーテルおよびステント等を例示することができる。
また、基材としては、目的とする医療用器具により異なるが、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ピニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ハロゲン化ポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
THFA20gをジオキサン100gに溶解させ、これに開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)をモノマーであるTHFAに対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでTHFAのラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として重合体であるPTHFAを得た。
【0046】
(実施例2)
2−メトキシエチルアクリレート13gとメチルアクリレート0.86gとをジオキサン70gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマー総重量に対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として、2−メトキシエチルアクリレートとメチルアクリレートとの比率が10対1のモル比である重合体(PMEA−MA(10:1))を得た。
【0047】
(実施例3)
2−メトキシエチルアクリレート23.4gとブチルメタアクリレート2.84gとをジオキサン130gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマー総重量に対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として、2−メトキシエチルアクリレートとブチルメタアクリレートとの比率が9対1のモル比である重合体(PMEA−BMA(9:1))を得た。
【0048】
(実施例4)
2−メトキシエチルアクリレート23. 4gとブチルメタアクリレート5. 68gとをジオキサン150gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマー総重量に対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として、2−メトキシエチルアクリレートとブチルメタアクリレートとの比率が5対1のモル比である重合体(PMEA−BMA(5:1))を得た。
【0049】
(比較例1)
ヒドロキシエチルメタクリレート20gをジオキサン100gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマーであるヒドロキシエチルメタクリレートに対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として重合体であるポリヒドロキシエチルメタアクリレート(PHEMA)を得た。
【0050】
(比較例2)
ブチルメタアクリレート20gをジオキサン100gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマーであるブチルメタアクリレートに対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として重合体であるポリブチルメタアクリレート(PBMA)を得た。
【0051】
血小板の粘着抑制能とCCの関係を調べるために、実施例1〜4および比較例1、2で得られた各重合体について、血小板の粘着試験、DSCを用いたCCに由来する発熱ピークの発熱量測定を行った。その結果を下記表1に示す。
(血小板粘着試験)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた各重合体をポリエチレンテレフタレート板上にキャストし、コート被膜を形成させた。それらの材料表面にクエン酸ナトリウムで抗凝固したヒト新鮮多血小板血漿を30分間接触させ、生理食塩水でリンスし、グルタルアルデヒドで固定した後、0.5mm2 に粘着した血小板数を電子顕微鏡で観察した。血小板の形態変化の進行度により、1→2→3型に分類して、MS(モルフォロジカルスコア) を以下のように定義して血液との適合性の評価を行った。
MS=n1 ×1+n2 ×2+n3 ×3
(式中、nl は1型の血小板数、n2 は2型の血小板数、n3 は3型の血小板数を表す。)
【0052】
(平衡含水率の測定)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた各重合体を7日間水中に浸して膨潤させた。含水させた各重合体を所定量(3〜5mg程度)を秤量し、あらかじめ重量を測定した酸化アルミパンの底に薄く広げた。酸化アルミパン+該高分子の重量測定後、アルミパンにピンホールをあけ、真空乾燥後、その重量減少分を平衡含水率として上述した平衡含水率の測定方法と同様の方法で求めた。すなわち、平衡含水率(Wc)は以下の式で求められる。
Wc(%)={(W1 −W0 )/W1 }×100
(式中、W0 はサンプルの乾燥重量(g)、W1 は含水サンプルの重量(g)を表す。)
【0053】
(コールドクリスタリゼーションによる発熱量の測定)
実施例1〜4および比較例1、2で得られた各重合体を7日間水中に浸して膨潤させた。含水させた各重合体を所定量を秤量し、あらかじめ重量を測定した酸化アルミパンの底に薄く広げた。DSC (DSC−50、島津製作所社製) を用いて、降温速度2.5℃/min.で室温から−100℃まで冷却した後、ついで10分間ホールドした後、昇温速度2.5℃/min.で−100℃から50℃まで測定を行った。下記表1に、CCに由来する発熱ピークの発熱量(CCの発熱量)を示す。実施例1〜4については、0℃以下に発熱ピークが観測された。また、実施例1により得られたPTHFAのDSC測定による昇温曲線を図1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示すように、CCに由来する発熱ピークを有する重合体をコート被膜した表面は、発熱ピークを示さない重合体をコート被膜した表面と比べ、血小板の粘着を著しく抑制していることが分かった。
【0056】
(実施例5)
ヘパリンナトリウム塩(サイエンティフィックプロテインラボ社製)10gを50mlの蒸留水に溶解させたヘパリン水溶液およびベンザルコニウムクロライド(東京化成社製)10gを50mlの蒸留水に溶解させたベンザルコニウムクロライド水溶液を作製した。上記ベンザルコニウムクロライド水溶液を上記ヘパリン水溶液中に滴下することにより、ヘパリンの硫酸基とベンザルコニウムクロライドのアンモニウムのイオン結合によって生成した水不溶性のヘパリンコンプレックスを、ろ過回収後、真空乾燥し水分を除去し、白色の粉状物として得た。
テトラヒドロフラン50gに、該ヘパリンコンプレックス0. 1gと実施例1と同様の方法で合成したPTHFA(平衡含水率4. 7%)0. 5gとを溶解させたテトラヒドロフラン溶液を調製し、該テトラヒドロフラン溶液をポリエチレンテレフタレート板上にキャストし、乾燥し、コート被膜を作成した。
【0057】
(比較例3)
2−メトキシエチルアクリレート20gをジオキサン100gに溶解させ、これに開始剤であるAIBNをモノマーである2−メトキシエチルアクリレートに対して0. 1重量%相当量を添加し、窒素雰囲気下80℃で8時間加熱攪拌することでラジカル重合を行った。
反応終了後、得られたポリマー溶液を貧溶媒であるヘキサン中に滴下させ、沈殿物として重合体であるポリ(2−メトキシエチルアクリレート)を得た。
テトラヒドロフラン50gに、実施例5と同様の方法で合成したヘパリンコンプレックス0. 1gと上記ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(平衡含水率9%)0. 5gとを溶解させたテトラヒドロフラン溶液を調製し、該テトラヒドロフラン溶液をポリエチレンテレフタレート板上にキャストし、乾燥し、コート被膜を作成した。
【0058】
コートされたヘパリンの安定性を、生理食塩水中に、実施例5および比較例3で作成したコート被膜(ポリマー+ヘパリンコンプレックスコート板)を24時間浸漬させ、浸漬前後におけるヘパリンの付着量の変化をヘパリンの硫酸基と親和性が高いカチオン性の色素であるトルイジンブルーを用いてヘパリンを染色させることにより確認し、浸漬前後における染色時の反射吸収光度により評価した。
また、実施例5および比較例3で作成したコート被膜について、上記血小板粘着試験を行い、血液との適合性の評価を行った。その結果を下記表2に示す。
図2に実施例5で作成したコート被膜表面の血小板粘着試験結果を表す電子顕微鏡写真を示し、図3に未コートのポリエチレンテレフタレート板表面の血小板粘着試験結果を表す電子顕微鏡写真を示す。
【0059】
【表2】
【0060】
表2に示すように、平衡含水率の少ないPTHFAを使用した場合の方が、反射吸光度に変化が見られず、ヘパリンコンプレックスが材料表面に安定に存在でき、MS(モルフォロジカルスコア) の結果および図2に示す電子顕微鏡写真から、血小板の粘着および活性化を抑制することが分かった。
【0061】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、血液適合性高分子および該血液適合性高分子とヘパリンとを血液と接触する表面に有する医療用器具である。血液と接触した際に、中間水の存在により、血小板の粘着および活性化を抑制することから生体適合性に優れており、さらに、ヘパリンの存在で生理活性(抗凝固作用)も発現することから、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、人工肺用膜および人工血管等の医療用器具の材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DSC測定によるPTHFAの昇温曲線である。
【図2】 図2は、PTHFAとヘパリンとの混合物をコーティングしたコート被膜表面の血小板粘着試験結果を表す電子顕微鏡写真である。
【図3】 図3は、未コートのポリエチレンテレフタレート板表面の血小板粘着試験結果を表す電子顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 前記血液適合性高分子が、アルコキシアルキルアクリレートとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の医療用器具。
- 前記低温結晶化に基づく発熱ピークの発熱量が、1.0J/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用器具。
- 前記血液適合性高分子の含水時のガラス転移点が、−80〜−10℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用器具。
- 前記ヘパリンが、ヘパリンとアルキルアンモニウム塩とを反応させたイオン性複合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の医療用器具。
- 前記医療用器具が、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、人工肺用膜、人工血管、カテーテルおよびステントからなる群より選択される少なくとも1つに用いられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医療用器具。
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