JP4217238B2 - 動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置およびこれを搭載し車軸が前記駆動軸に接続されて走行する車両並びに内燃機関と共に車両に搭載され車軸に接続された駆動軸を駆動する駆動装置,動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、プラネタリギヤのサンギヤ,キャリア,リングギヤにそれぞれエンジンのクランクシャフト,第1モータ,駆動軸が接続されると共に駆動軸に第2モータが接続されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、第1モータにより回生される電力により第2モータが駆動されるよう第1モータと第2モータとを制御することによりエンジンから出力される動力をトルク変換して駆動軸に出力している。第1モータと第2モータの制御は、第1モータの回転軸と第2モータの回転軸とにそれぞれ取り付けられたレゾルバにより検出される回転位置に基づいて行なわれている。
また、プラネタリギヤのサンギヤ,キャリア,リングギヤにそれぞれエンジンのクランクシャフト,第1モータ,駆動軸が接続されると共に変速機を介して駆動軸に第2モータが接続されたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、車速に応じて変速機のクラッチの係合状態を切り替えることによって第2モータからの動力を車速に応じた動力として出力している。
特開平9−308012号公報 特開2002−225578号公報
ところで、前者のタイプの動力出力装置では、レゾルバによって検出された第1モータの回転軸の回転位置と第2モータの回転軸(駆動軸)の回転位置とに基づいてエンジンのクランク角を演算することができ、また、後者のタイプの動力出力装置でも、変速機のクラッチが係合されて第2モータと駆動軸とを接続してるときには第2モータの回転軸の回転位置を駆動軸の回転位置として考えることができるから、同様に、第1モータの回転軸の回転位置と第2モータの回転軸の回転位置とに基づいてエンジンのクランク角を演算することができる。こうして演算されたクランク角は、エンジンの運転状態を制御する際に用いることができる。しかしながら、後者のタイプの動力出力装置では、例えば変速機の異常によってクラッチの係合が解除されると、第2モータの回転軸の回転位置が駆動軸の回転位置に対応するものとはならなくなるため、クランク角を正常に演算することができなくなる。このため、こうした不適切なクランク角を用いてエンジンや第1モータの制御を行なうものとすると、適正な制御を行なうことができない。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、内燃機関の運転状態をより適正に制御することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動を抑制すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することを目的の一つとする。さらに、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関をより正確に目標停止位置に停止すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する車両並びに駆動装置,動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記第3の軸に接続され、動力を入出力可能な第1の電動機と、
動力を入出力可能な第2の電動機と、
前記第2の電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、該第2の電動機の回転軸と該駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段と、
前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、
前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、
前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、
前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する機関状態制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御し、第2の電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御する。したがって、動力出力手段が正常に動力を伝達することができる通常時に機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態を所定の運転状態とすることができる。また、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時に機関回転位置算出手段により算出される不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて調整が行なわれるのを防止することができる。この結果、内燃機関の運転状態をより適正に制御することができる。
こうした本発明の動力出力装置において、前記機関状態制御手段は、前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて該内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制すると共に該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制せずに該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動を抑制すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記機関状態制御手段は、前記内燃機関のモータリングに伴って前記駆動軸に出力される動力が前記第2の電動機から出力する動力により打ち消されるよう該第2の電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関のモータリングに伴って予期しない動力が駆動軸に作用するのを抑制することができる。
また、本発明の動力出力装置において、前記機関状態制御手段は、前記内燃機関の運転停止要求がなされたとき、前記通常時には前記第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の回転数を抑制すると共に該内燃機関の回転停止直前に前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記第1の電動機から出力するトルクを調整することにより該内燃機関が目標停止位置で停止するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく前記第1の電動機から出力するトルクの調整を行なわずに該第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の運転が停止されるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関をより正確に目標停止位置に停止すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる。この目標停止位置を次回の内燃機関の始動に適した位置に定めるものとすれば、内燃機関の始動性をより向上させることができる。この態様の本発明の動力出力装置において、前記機関状態制御手段は、前記第1の電動機から前記内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクの出力に伴って前記駆動軸に出力される動力が前記第2の電動機から出力する動力により打ち消されるよう該第2の電動機を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の運転の停止に伴って予期しない動力が駆動軸に作用するのを抑制することができる。
本発明の車両は、
上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、該内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に接続され動力を入出力可能な第1の電動機と、動力を入出力可能な第2の電動機と、前記第2の電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され該第2の電動機の回転軸と該駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段と、前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する機関状態制御手段とを備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の車両によれば、上述した各態様のいずれかの本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果と同様の効果、例えば、内燃機関の運転状態をより適正に制御することができる効果や内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動を抑制すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる効果、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関をより正確に目標停止位置に停止すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる効果などを奏することができる。
本発明の駆動装置は、
内燃機関と共に車両に搭載され、車軸に接続された駆動軸を駆動する駆動装置であって、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記第3の軸に接続され、動力を入出力可能な第1の電動機と、
動力を入出力可能な第2の電動機と、
前記第2の電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、該第2の電動機の回転軸と該駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段と、
前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、
前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、
前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、
前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する機関状態制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御し、第2の電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御する。したがって、動力出力手段が正常に動力を伝達することができる通常時に機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態を所定の運転状態とすることができる。また、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時に機関回転位置算出手段により算出される不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて調整が行なわれるのを防止することができる。この結果、内燃機関の運転状態をより適正に制御することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
内燃機関と、該内燃機関の出力軸と駆動軸と第3の軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に接続され動力を入出力可能な第1の電動機と、前記駆動軸に直接または間接に接続され動力を入出力可能な第2の電動機と、前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御することを特徴とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法によれば、内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御し、第2の電動機の回転軸と駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して内燃機関の運転状態が所定の運転状態とされるよう少なくとも内燃機関と第1の電動機とを制御する。したがって、動力出力手段が正常に動力を伝達することができる通常時に機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って内燃機関の運転状態を所定の運転状態とすることができる。また、動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時に機関回転位置算出手段により算出される不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて調整が行なわれるのを防止することができる。この結果、内燃機関の運転状態をより適正に制御することができる。
こうした本発明の動力出力装置の制御方法において、前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて該内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制すると共に該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制せずに該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御するものとすることもできる。こうすれば、内燃機関をモータリングして始動する際、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動することにより内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動を抑制すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる。
また、本発明の動力出力装置の制御方法において、前記内燃機関の運転停止要求がなされたとき、前記通常時には前記第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の回転数を抑制すると共に該内燃機関の回転停止直前に前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記第1の電動機から出力するトルクを調整することにより該内燃機関が目標停止位置で停止するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく前記第1の電動機から出力するトルクの調整を行なわずに該第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の運転が停止されるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御するものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機を駆動して内燃機関をより正確に目標停止位置に停止すると共に不適切な内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて第1の電動機が駆動されるのを防止することができる。この目標停止位置を次回の内燃機関の始動に適した位置に定めるものとすれば、内燃機関の始動性をより向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、クランク角センサ23からのクランクシャフト26のクランク角CAなどのエンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力とを統合してリングギヤ32に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに機械的に接続されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力されることになる。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達可能に構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフ状態としてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。なお、ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22を始動する際の動作とエンジン22の運転を停止する際の動作について説明する。まず、エンジン22を始動する際の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動が指示されたときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
始動時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,エンジン22の始動開始時からの経過時間t,異常判定フラグFfなどの制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランク角センサ23により検出され演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、始動開始時からの経過時間tは、エンジン22の始動が開始されてから、図示しないタイマにより計測された時間を入力するものとした。異常判定フラグFfは、変速機60の異常の有無を値として持つフラグであり、図示しない変速機異常判定ルーチンにより変速機60の異常を判定して正常のときには値0が異常のときには値1が設定されてRAM76の所定領域に書き込まれたものを読み込むことによって入力するものとした。変速機60の異常判定は、例えば、リングギヤ軸32aの回転数Nrに変速機60の現在のギヤ比を乗じたものとモータMG2の回転数Nm2とを比較して両者が一致するか否かを判定することにより行なうことができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数を乗じることにより求めることができる。また、モータMG2の回転数Nm2は、回転位置検出センサ44により検出されたモータMG2の回転角θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力して用いることができる。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。
次に、始動時制御ルーチンの実行が初回のとき(エンジン22の始動指示がなされて初めて始動時制御ルーチンが実行されるとき)には(ステップS120)、入力した異常判定フラグFfの値を調べ(ステップS130)、異常判定フラグFfが値1のときには制振禁止フラグFvに値1を設定し(ステップS140)、始動時制御ルーチンの実行が初回でないときや異常判定フラグFfが値0のときにはそのまま次の処理に進む。ここで、制振禁止フラグFvは、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制する処理を禁止するかを値として持つフラグであり、変速機60に異常が生じており異常判定フラグFfが値1のときに値1が設定され、エンジン22の始動が完了したときに値0が設定される。
いま、変速機60に異常が生じておらず異常判定フラグFfに値0が設定されているときを考えると、制振禁止フラグFvには値0が設定されている。制振禁止フラグFvが値0のときには(ステップS150)、以下のステップS160〜S220の処理を行なう。即ち、まず、入力したエンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間tとに基づいてモータリングトルクTmを設定する(ステップS160)。ここで、モータリングトルクTmは、エンジン22を始動する際にモータMG1によりエンジン22をモータリングする際のトルクであり、実施例では、エンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間tとモータリングトルクTmとの関係を予め求めてモータリングトルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、エンジン22の回転数Neと始動開始時からの経過時間tとが与えられると記憶したマップから対応するモータリングトルクTmを導出して設定するものとした。モータリングトルク設定用マップの一例を図4に示す。モータリングトルク設定用マップでは、図示するように、エンジン22の始動指示がなされた時間t11の直後からレート処理を用いて迅速に比較的大きなトルクをモータリングトルクTmに設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振帯回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t12にエンジン22を安定して点火開始回転数Nfire以上でモータリングすることができるトルクをモータリングトルクTmに設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。ここで、点火開始回転数Nfireは、実施例では共振回転数帯より余裕をもって大きな回転数(例えば1000rpm,1200rpmなど)に設定されている。そして、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至った時間t13からレート処理を用いて迅速にモータリングトルクTmを値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t14に終了する。このように、エンジン22の始動指示がなされた直後に大きなトルクをモータリングトルクTmに設定してエンジン22をモータリングすることにより、迅速にエンジン22を点火開始回転数Nfire以上に回転させて始動することができる。
そして、エンジン22のクランクシャフト26の回転角の基準位置をパルス出力するクランク角センサ23に含まれるGセンサからの初回の基準パルス(モータリングによりエンジン22が回転を始めてから初めての基準パルス)が入力されたか否かを判定し(ステップS170)、初回の基準パルスの入力がないと判定されると、モータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とに基づいてハイブリッド用電子制御ユニット70により始動時制御ルーチンと並行して実行される図5に例示するクランク角演算処理により演算されたエンジン22のクランク角CAを入力する(ステップS180)。図5のクランク角演算処理では、Gセンサからの基準パルスが入力されたときに(ステップS300)、クランク角CAやモータMG1,MG2の変位角Δθm1,Δθm2をリセットし(ステップS310)、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータ回転角θm1,θm2をモータECU40から入力して(ステップS320)リセットされてからのモータMG1,MG2の変位角Δθm1,Δθm2を計算し(ステップS330)、計算した変位角Δθm1,Δθm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(1)によりクランク角CAを計算することにより行なわれる(ステップS340)。なお、計算したエンジン22のクランク角CAが720°以上のときには720°未満となるよう調節する(ステップS350,360)。これは4サイクルエンジンの1サイクルが720°であることに基づく。いま、始動時制御ルーチンで初回の基準パルスの入力がないときを考えているから、前回エンジン22が運転されていたときに入力された基準パルスを基準としてモータMG1,MG2の回転角θm1,θm2に基づく変位角Δθm1,Δθm2によりクランク角CAが求められる。これにより、エンジン22が停止している状態でGセンサからの基準パルスの入力がないためにクランク角センサ23によりクランク角CAを検出することができないときでも正確にクランク角CAを把握することができる。
CA=(ρ・Δθm1+Δθm2)/(1+ρ) (1)
エンジン22のクランク角CAを求めると、求めたクランク角CAに基づいて制振トルクTvを設定し(ステップS200)、設定したモータリングトルクTmと制振トルクTvとの和をモータMG1のトルク指令Tm1*に設定すると共に(ステップS210)、モータリングトルクTmをサンギヤ31に作用させることによりリングギヤ軸32aに作用するトルクをキャンセルしつつステップS110で設定した要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに作用するよう次式(2)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。ここで、制振トルクTvは、エンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動とクランク角CAとの関係を実験などにより求め、トルク脈動を抑制するための逆位相のトルクを制振トルクTvとして求めて制振トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、クランク角CAが与えられると記憶したマップから対応する制振トルクTvを導出して設定するものとした。制振トルク設定用マップの一例を図6に示す。このように、モータMG1のトルク指令Tm1*をモータリングトルクTmと制振トルクTvとの和として求めてモータMG1を駆動することにより、エンジン22をモータリングすると共にエンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制することができる。エンジン22をモータリングしている際の動力分配統合機構30の回転数およびトルクの力学的な関係を説明するための共線図の一例を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を変速機60のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22をモータリングする際にリングギヤ32に作用するトルクと、そのトルクをキャンセルしつつ要求トルクTr*を出力するためにモータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。なお、式(2)は、この共線図から容易に求めることができる。
Tm2*=(Tr*+Tm/ρ)/Gr (2)
モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS230)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*に見合うトルクが出力されるようインバータ41,42のスイッチング素子をスイッチング制御する。トルク指令Tm1*,Tm2*を送信すると、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至っているか否かを判定し(ステップS240)、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至っていないときにはそのまま始動時制御ルーチンを終了する。
始動時制御ルーチンの実行が繰り返されてステップS170でGセンサからの初回の基準パルスが入力されると、以降はクランク角センサ23を使用できる状態となるから、クランク角センサ23により検出されたクランク角CAをエンジンECU24から通信により入力して(ステップS190)、入力したクランク角CAに基づいて制振制御を実行してエンジン22のモータリングを継続する(ステップS200〜S230)。こうしてエンジン22をモータリングすることによってエンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfireに至ると(ステップS240)、燃料噴射制御や点火制御を開始して(ステップS250)、エンジン22が完爆したか否かを判定する(ステップS260)。エンジン22が完爆していないときにはそのまま始動時制御ルーチンを終了し、エンジン22が完爆したときには制振禁止フラグFvを値0にリセットして(ステップS270)、始動時制御ルーチンを終了する。
次に、変速機60に異常が生じて異常判定フラグFfに値1が設定されている場合を考える。この場合、制振禁止フラグFvには値1が設定されている。したがって、ステップS150で制振禁止フラグFvが値1と判定され、エンジン22の回転数Neや始動開始時からの経過時間tに基づいてモータリングトルク設定用マップからモータリングトルクTmを設定し(ステップS280)、設定したモータリングトルクTmをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定し(ステップS290)、設定したトルク指令Tm1*に基づいて前述した式(2)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定して(ステップS295)、ステップS230以降の処理を実行する。即ち、モータMG1のトルク指令Tm1*には、エンジン22をモータリングするためのトルクのみを考慮し、エンジン22のモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制するための制振トルクTvについては考慮しないのである。制振トルクTvは、エンジン22のクランク角CAに基づいて設定され、エンジン22のモータリングの開始直後ではGセンサからの初回の基準パルスの入力がなくクランク角センサ23によってエンジン22のクランク角CAを検出できないためにモータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とから演算により求めたクランク角CAが用いられる。変速機60に異常が生じてブレーキB1,B2の係合が解除されると、モータMG2の回転角θm2とリングギヤ軸32aの回転角とが対応しないものとなるから、モータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とから演算されるクランク角CAは実際とは異なる不適切な値をとる。このため、この値をもって制振トルクTvを設定してモータMG1によりエンジン22をモータリングすると、エンジン22のモータリングの際に生じるトルク脈動を却って悪化させてしまう。実施例では、変速機60に異常が生じたときにモータMG1による制振制御を行なわないことにより、モータMG1による制振制御が不適切なクランク角CAに基づいて行なわれるのを防止しているのである。
次に、エンジン22の運転を停止させる際の動作について説明する。図8は、実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転停止が指示されたときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、この停止時制御ルーチンによる処理の開始と同時に、エンジンECU24によりエンジン22における燃料噴射の停止などが行なわれる。
停止時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、始動時制御ルーチンのステップS100,S110の処理と同様に、アクセル開度Accや車速V,エンジン22の回転数Ne,異常判定フラグFfなどのデータを入力し(ステップS400)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する(ステップS410)。
続いて、エンジン22の回転数Neに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS420)。ここで、トルク指令Tm1*は、エンジン22の回転数をスムーズに減少させると共にエンジン22の停止後にピストンを保持するためにモータMG1から出力するトルクとなるよう設定するものとした。エンジン22の回転数NeとモータMG1のトルク指令Tm1*との関係の一例を図9に示す。図示するように、トルク指令Tm1*は、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達するまではエンジン22の回転数を抑制する制動トルクとして設定され、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達したタイミング(時間tstp)でピストンを保持するトルクに切り替わるように設定されている。ここで、停止直前回転数Nstpは、エンジン22が停止する直前の回転数として予め設定されたものであり、実施例では、およそエンジン22の圧縮工程間の角度(例えば、4気筒のエンジンの場合には180°CAなど)を回転して停止するようエンジン22の回転数(例えば、300rpmなど)を実験などにより求めて予め設定しておくものとした。
そして、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達していないときには(ステップS430)、要求トルクTr*とモータMG1のトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(3)によりモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*を設定し(ステップS510)、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS520)、エンジン22が完全に停止したか否かを判定する(ステップS530)。いま、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達していない場合を考えているから、ステップS530でエンジン22が完全に停止していないと判定されてそのまま停止時制御ルーチンを終了する。エンジン22の運転を停止している際の動力分配統合機構30の回転数およびトルクの力学的な関係を説明するための共線図の一例を図10に示す。図示するように、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22の運転を停止する際にモータMG1からのトルクTm1*の出力に伴ってリングギヤ軸32aに作用するトルクと、そのトルクをキャンセルしつつ要求トルクTr*を出力するためにモータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。なお、式(3)は、この共線図から容易に求めることができる。
Tm2*=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
一方、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達しているときには(ステップS430)、初回(エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達した直後の1回)のみ異常判定フラグFfの値を調べ(ステップS440,S450)、異常判定フラグFfが値1のときには、調整禁止フラグFaに値1を設定し(ステップS460)、初回でないときや異常判定フラグFfが値0のときにはそのまま次の処理に進む。ここで、調整禁止フラグFaは、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達した直後に異常判定フラグFfが値1のときには値1が設定され、エンジン22が完全に停止したときに値0が設定される。いま、変速機60に異常が生じておらず異常判定フラグFfが値0のときを考えると、調整禁止フラグFaには値0が設定されている。調整禁止フラグFaが値0のときには(ステップS470)、前述した図5のクランク角演算処理により演算されたクランク角CAを入力し(ステップS480)、入力したクランク角CAに基づいて調整トルクTadjを設定し(ステップS490)、ステップS420で設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に調整トルクTadjを加えてトルク指令Tm1*を再設定する(ステップS500)。ここで、調整トルクTadjは、ステップS410で設定したトルク指令Tm1*でモータMG1を駆動してエンジン22を停止した場合にエンジン22が目標停止位置(例えば圧縮行程の上死点付近)で停止すると予測されるときには値0が設定され、エンジン22の目標停止位置を超えると予測されるときにはエンジン22の回転数を抑制するよう設定され、エンジン22の目標停止位置に届かないと予測されるときにはエンジン22の回転を促進するよう設定される。調整トルクTadjは、実施例では、クランク角CAと調整トルクTadjとの関係を実験などにより予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、クランク角CAが与えられるとマップから対応する調整トルクTadjを導出して設定するものとした。
一方、エンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに達したときに変速機60の異常により異常判定フラグFfに値1が設定されていると、調整禁止フラグFaには値1が設定されるから、ステップS470で調整禁止フラグFaが値1と判定され、調整トルクTadjによるトルク指令Tm1*の調整は行なわずに次の処理に進む。このように、調整禁止フラグFaが値1のとき、即ち、変速機60に異常が生じているときに調整トルクTadjによるトルク指令Tm1*の調整を行なわないのは、調整トルクTadjはエンジン22のクランク角CAに基づいて設定されるが、前述したように変速機60に異常が生じているときにはモータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とに基づいて演算されるクランク角CAは不適切な値をとるから、この不適切なクランク角CAによって調整トルクTadjが設定されるのを防止するためである。
こうしてトルク指令Tm1*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*と要求トルクTr*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて前述した式(3)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS510)、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS520)、本ルーチンを繰り返し実行されてエンジン22が完全に停止されたことが確認されたときに(ステップS530)、調整禁止フラグFaに値1が設定されているときには調整禁止フラグFaを値0にリセットして(ステップS540)、停止時制御ルーチンを終了する。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の始動時に変速機60に異常が生じていないときには、モータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とに基づいて演算されるエンジン22のクランク角CAに基づいてエンジン22をモータリングする際に生じるトルク脈動を抑制する制振トルクTvを設定すると共にこの制振トルクTvを考慮してモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22をモータリングし、エンジン22の始動時に変速機60に異常が生じているときには、制振トルクTvを考慮せずにモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してエンジン22をモータリングするから、通常時には制振トルクTvを考慮してエンジン22のモータリングに伴って生じるトルク脈動を抑制することができ、変速機60の異常時には不適切なクランク角CAによって制振トルクTvが設定されてエンジン22がモータリングされるのを防止することができる。この結果、エンジン22の始動をより適正に行なうことができる。もとより、エンジン22のモータリングに伴ってリングギヤ軸32aに作用するトルクをモータMG2から出力するトルクによりキャンセルするからリングギヤ軸32aには要求トルクTr*を出力することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の運転停止時に変速機60に異常が生じていないときには、モータMG1によりエンジン22の回転数を抑制すると共にエンジン22の回転数Neが停止直前回転数Nstpに至ったときにモータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とに基づいて演算されるエンジン22のクランク角CAに基づいて調整トルクTadjを設定してエンジン22が目標停止位置に停止するようモータMG1を駆動し、エンジン22の運転停止時に変速機60に異常が生じているときには、調整トルクTadjを考慮せずにモータMG1によりエンジン22の回転数を抑制するようモータMG1を駆動するから、通常時には調整トルクTadjによりエンジン22をより正確に目標停止位置に停止することができ、変速機60の異常時には不適切なクランク角CAによって調整トルクTadjが設定されてエンジン22が停止するのを防止することができる。この結果、エンジン22の運転停止をより適正に行なうことができる。もとより、エンジン22の運転停止に伴ってリングギヤ軸32aに作用するトルクをモータMG2から出力するトルクによりキャンセルするからリングギヤ軸32aには要求トルクTr*を出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図3の始動時制御ルーチンのステップS170でGセンサから初回に基準パルスが入力された以降はクランク角センサ23により検出されたクランク角CAに基づいて制振トルクTvを設定するものとしたが、Gセンサから初回に基準パルスが入力された以降であってもモータMG1の回転角θm1とモータMG2の回転角θm2とに基づいて図4に例示するクランク角演算処理により演算されたクランク角CAに基づいて制振トルクTvを設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、Hi,Loの2段の変速段をもって変速可能な変速機60を用いるものとしたが、3段以上の変速段をもって変速可能な変速機を用いるものとしてもよい。また、変速機に限られず、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとを接続する通常のクラッチを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、動力出力装置の製造産業や自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータリングトルク設定用マップの一例を示す説明図である。 クランク角演算処理の一例を示すフローチャートである。 クランク角CAと制振トルクTvとの関係の一例を示すマップである。 エンジン22をモータリングしている際の動力分配統合機構30の回転数とトルクの力学的な関係を説明するための共線図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22の回転数NeとモータMG1のトルク指令Tm1*との関係の一例を示す説明図である。 エンジン22の運転を停止している際の動力分配統合機構30の回転数とトルクの力学的な関係を説明するための共線図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランク角センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b 駆動輪、39c,39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61 サンギヤ、62 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64 キャリア、65 サンギヤ、66 リングギヤ、67 ピニオンギヤ、68 キャリア、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (7)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記第3の軸に接続され、動力を入出力可能な第1の電動機と、
    動力を入出力可能な第2の電動機と、
    前記第2の電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、該第2の電動機の回転軸と該駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段と、
    前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、
    前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、
    前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する機関状態制御手段と
    を備える動力出力装置。
  2. 前記機関状態制御手段は、前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて該内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制すると共に該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記内燃機関を始動する際に該内燃機関の回転に伴って生じるトルク脈動を抑制せずに該内燃機関がモータリングされて始動するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  3. 前記機関状態制御手段は、前記内燃機関のモータリングに伴って前記駆動軸に出力される動力が前記第2の電動機から出力する動力により打ち消されるよう該第2の電動機を制御する手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 前記機関状態制御手段は、前記内燃機関の運転停止要求がなされたとき、前記通常時には前記第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の回転数を抑制すると共に該内燃機関の回転停止直前に前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて前記第1の電動機から出力するトルクを調整することにより該内燃機関が目標停止位置で停止するよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記非通常時には前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく前記第1の電動機から出力するトルクの調整を行なわずに該第1の電動機から該内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクを出力することにより該内燃機関の運転が停止されるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する手段である請求項1ないし3いずれか記載の動力出力装置。
  5. 前記機関状態制御手段は、前記第1の電動機から前記内燃機関の回転数を抑制させる方向のトルクの出力に伴って前記駆動軸に出力される動力が前記第2の電動機から出力する動力により打ち消されるよう該第2の電動機を制御する手段である請求項4記載の動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に接続されて走行する車両。
  7. 内燃機関と共に車両に搭載され、車軸に接続された駆動軸を駆動する駆動装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸の回転数が決定されると残余の1軸の回転数が決定され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記第3の軸に接続され、動力を入出力可能な第1の電動機と、
    動力を入出力可能な第2の電動機と、
    前記第2の電動機の回転軸と前記駆動軸とに接続され、該第2の電動機の回転軸と該駆動軸との動力の伝達を行なう動力伝達手段と、
    前記第1の電動機の回転子の回転位置を検出する第1の電動機回転位置検出手段と、
    前記第2の電動機の回転子の回転位置を検出する第2の電動機回転位置検出手段と、
    前記第1の電動機回転位置検出手段により検出される第1の電動機の回転子の回転位置と前記第2の電動機回転位置検出手段により検出される第2の電動機の回転子の回転位置とに基づいて前記内燃機関の出力軸の回転位置を算出する機関回転位置算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を所定の運転状態とする要求がなされたとき、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができる通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を伴って該内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御し、前記動力伝達手段が正常に動力を伝達することができない非通常時には、前記機関回転位置算出手段により算出される内燃機関の出力軸の回転位置に基づく調整を禁止して前記内燃機関の運転状態が前記所定の運転状態とされるよう少なくとも該内燃機関と前記第1の電動機とを制御する機関状態制御手段と
    を備える駆動装置。
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