JP4216427B2 - 研磨ポイント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジン樹脂やポリカーボネート樹脂、或いは金、銀、パラジウム、コバルト又はチタンを含有する合金等を研磨する際に用いる研磨ポイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被研磨物の凹部など細部の加工には、ゴム又は軟質樹脂に研磨砥粒を混合撹拌してポイント型に成形して成る研磨材(以下、研磨ポイントと記す。)が用いられている。この様な研磨ポイントは、ロケット状の形から比較的小径の軌道を以て砥粒が旋回しつつ被研磨面を研削していくので、細かいデリケートな作業に適するとして歯科技工用として用いられることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ロケット状という研磨ポイントの形は、体積の割に表面積、即ち、放熱面積が狭いので、加工の継続に連れて熱が蓄積し、当該研磨ポイントと常時接触する研磨対象をも加熱することとなる。この様な作業の研磨対象は、通常、先に記した樹脂や合金等を素材とするものであり、研磨ポイント自体もゴムや軟質樹脂を素材とするものであるから、熱を帯びることによって相互が軟化することとなり、作業性の悪化、ひいては製品の品質低下を招来することにもなる。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みて成されたものであって、研磨ポイント自体並びに研磨対象に加わる熱を実用に支障のない程度にまで低減させることができる研磨ポイントの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明による研磨ポイントは、ゴム又は軟質樹脂に研磨砥粒を混合撹拌して成形して成る回転体形状のコアに軸ピンを回転不能に装着した研磨ポイントにおいて、当該コアのほぼ全長に亘る表面に、前記軸ピンに対して傾斜した切り込みを軸方向の同位について二筋又は三筋平均的に形成したことを特徴とする。
【0006】
ゴム又は軟質樹脂とは、一般的にエラストマーと呼ばれるたぐいであり、定形化した状態で外力が加わると変形するが、その外力が消失するともとの定型状態に復元する性質を持った素材を言う。好ましくは加工時の摩擦熱程度では変性しない素材を選択するのが望ましく、具体的にはシリコンラバー或いはポリウレタンと呼ばれるものが挙げられる。砥粒としては、研磨対象や求められる粒度によっても異なるが、アルミナ系砥粒、炭化珪素系砥粒の他、ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素等の超砥粒と呼ばれるものが挙げられる。
【0007】
尚、切り込みの入れ方で、軸方向の同位について二筋又は三筋を平均的に形成するとは、最も好ましい例としては、各切り込みが前記軸ピンを軸として回転対称の関係となるように形成することが挙げられるが、少なくともそれに近い位置関係及び切り込み形状を具備したものとする。軸方向の同位について二筋又は三筋というのは、仮に当該コアをその軸方向、即ち前記軸ピンの長手方向に分割したとすれば、分割された個々の部位にほぼ回転対称に配置された切り込みが二筋又は三筋存在するという意味であり、当該コアに形成されている切り込みの全数が二筋又は三筋であることを意味するものではない。従って、軸方向の範囲によって二筋設けられている範囲と三筋設けられている範囲が存在しても良く、極一部に切り込みのない部分が残存していても良い。切り込みの形状も、断面が矩形のもの、三角形のもの、最深部が丸みを帯びたもの等から適宜選択すれば良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による研磨ポイントの実施の形態を図面に基づき説明する。
図1に示す研磨ポイントは、シリコンゴムに研磨砥粒を混合撹拌して成る研磨素材を先細りのロケット状に成形したコア1を形成し、当該コア1に、研磨装置本体の出力軸と連結する軸ピン2を、当該コア1に対して回転不能となるように装着したものである。
【0009】
前記コア1には、当該コア1の表面にその全長に亘る一連の傾斜した切り込み3が二筋形成してあり、その深さは、コア1の十分な強度を確保すべく、当該切り込み3の最深部と前記軸ピン2の表面とのクリアランスが、当該コア断面の最大半径の約1/3で一定となるように設定されている。
【0010】
この様に、軸方向の同位についてたった二筋といった少ない切り込みであっても、これらを形成することによって、放熱面積が格段に広くなり、更に、当該研磨ポイントの回転によって当該放熱面が絶えず新規な空気と接触することとなって、事実上円盤型の研磨材にもひけをとらない放熱効果を得ることとなる。しかも、全表面積に対する切り込みの開口面積は極小さいものであり、軸方向の同位においてコアが分断される箇所も少ないから、研磨材としての機能も、精度、強度全ての面で支障無いものとなる。
【0011】
【発明の効果】
以上の如く、本発明による研磨ポイントを使用すれば、加工の継続に連れて熱が蓄積し易い形状であるにも関わらず、摩擦によって生じる熱が好適に放散され、当該研磨ポイントと常時接触する研磨対象を加熱することも解消される。而して、研磨対象及び研磨ポイントを変性させることなく、前記ロケット状という細部の加工に適した形状が有効利用できることによって、作業性並びに作業効率が向上し、製品の品質向上に寄与することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)(ハ)
本発明による研磨ポイントの一例を示す正面図、後面図及び側面図である。
【図2】本発明による研磨ポイントの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 コア
2 軸ピン
3 切り込み

Claims (1)

  1. ゴム又は軟質樹脂に研磨砥粒を混合撹拌して成形してなる回転体形状のコア(1)に、軸ピン(2)を回転不能に装着した研磨ポイントにおいて、当該コア(1)のほぼ全長に亘る表面に、前記軸ピン(2)に対して傾斜した切り込み(3)を、軸ピン(1)の長手方向の同じ部位に二筋又は三筋ほぼ回転対称に形成し、当該切り込み(3)の最深部と前記軸ピン(2)の表面とのクリアランスが、当該コア断面の最大半径の1/3で一定となる様にした研磨ポイント。
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