JP4216079B2 - 群形態の補強構造体を備えたタイヤ - Google Patents
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Description
タイヤが例えばより大きい荷重またはより激しい衝撃などにさらされるかもしれない或る特定の用途では、剛性、衝撃強さなどのような幾つかの特性を改良することができることが望ましいことはわかる。しかも、タイヤ製造方法の或る工程を自動化し易くするために、構成要素のうちのいくつかの要素の性質および/または配置を変更することが有利であることはわかる。
最後に、コスト要求は益々厳しくなりつつあり、また製品の絶え間なく高まっている技術を考慮して、益々得がたくなっている生産性ゲインを必要としている。従って、品質レベルを維持しながら、速い速度でタイヤを製造することができるいずれかの方法および装置が可能性として有利である。
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成する第1フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第1フィラメントの2つの横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成する第2フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第2フィラメントの2つの横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−第1フィラメントおよび第2フィラメントの夫々の進路が、クラウンとビードとの間で、第1フィラメント及びこの第1フィラメントに隣接する第2フィラメントから構成されたフィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となるように、配置されている。
しかも、フィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となるように配置したことにより、フィラメントを互いに非常に近接して配置し、かくしてコード密度の増大に寄与することが可能である。これは多数の機械的特性について有利な効果がある。かくして、例えば、弾性率、引張り強さなどを高めることが可能である。
コードが対で或いは任意の他の群分け形態で敷設されるかぎり、敷設時間が短縮され、かくしてコストを低減する。
敷設時間は、コードが群として敷設されるなら、3分割することができる。また、敷設密度は同一群のコードの実質的に同様な接近した進路により増大し得る。
好ましくは、実質的に周方向の進路に沿ったコードの少なくとも1つが、ビードの高さにおいて上記補強構造体に実質的に隣接して配置される。
他の有利な実施例によれば、少なくとも2つの別々な群の「進み」部分および「戻り」部分はコードのメッシュパターンを形成するように交差している。例えば、実質的に平行な進路の一部はタイヤの一方の側で周方向にずれた進み進路および戻り進路の形態で軌道を形成するように配置されている。上記軌道は有利にはV字形またはU字形である。進み部分および戻り部分の一方は一連の併置フィラメントの他の進み部分または戻り部分に沿って延びてこれらのフィラメントに交差している。このような形状の結果、半径方向位置によりおよび/またはフィラメント各々の傾斜により多少広い角度で交差したフィラメントの編組が得られる。
タイヤは単一の層を備えてもよい。このタイヤの単一の構造および製造によれば、特に構成要素の数の減少に因り、コストを低減することが可能である。
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成している第1フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第1フィラメントの2つ横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成し、ビード各々の帯域で各側に配置された自由端部を有する第2フィラメントを備えており、
−第1フィラメントおよび第2フィラメントの夫々の進路が、クラウンとビードとの間で、第1フィラメント及びこの第1フィラメントに隣接する第2フィラメントから構成されたフィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となるように、配置されている。
有利には、本発明によるタイヤは、例えば、実質的に剛性でまたは膨らまし可能であり、輪郭が最終製品の輪郭に実施的に対応するコアに直接、異なる構成要素を順次敷設するタイヤ製造方法の手段により製造し得る。
実質的に剛性でまたは膨らまし可能であり、輪郭が最終製品の輪郭に実施的に対応するコアに直接、異なる構成要素を順次敷設するこのような自動化方法を使用して製造されたタイヤの場合、2つ(またはそれ以上)のコードよりなるコード群を敷設することが特に有利である。例えば、その結果、補強構造体の敷設時間が非常に短縮される。
残りとして、「半径方向上方に」または「半径方向上方」は最も大きい半径に向かっての意味である。
ゴム混合物の「弾性率」とは、常温における10%程度の伸長の単軸方向変形時に得られる正割伸長率を意味するものと理解されよう。
カーカス型の補強構造体はそのコードが90°だけではなく、使用している用語によれば90°に近い角度で配置される場合には半径方向であると言える。
また、同じビードワイヤが更にビードをリムに挟持する機能をも果たすことも知られている。好ましくは在来型のビードワイヤを使用しない本願に記載した形状では、特にシートに最も近い周方向コードの巻きによって挟持機能も確保される。
いくつかの変形例が示すように、一般にビードまたはタイヤの底帯域に他の要素を付設することによって本発明を使用することができることは言わなくて済む。同様に、同一種類の補強構造体を増やすことによって、或いは他の種類の補強構造体を追加することによって本発明を使用することができる。
側壁部3の半径方向内側部分には、適当な形態および寸法のリムに取付けられるために設けられたビードが位置決めされている。
補強構造体の完全な固定を確保するために、好ましくは、層状の複合ビードが形成される。ビード4内には、周方向に配向されたコード60が補強構造体のコードコードアライメント間に配置されている。これらのコード60はタイヤの種類および/または所望の特性に応じて、図面に示すように積重ね体状61、または複数の隣接積重ね体状、またはパケット状に配置されており、或いは任意の適当な配列で配置されている。
また、異なる特性を有する複数の混合物を使用して複数の帯域を構成することが可能であり、混合物とその結果生じる配列との組合せは事実上制限されない。しかしながら、コードの配列と補強構造体との交差帯域に弾性率の高い混合物を存在させることが有利である。非制限的な例として、このような混合物の弾性率は15ないし25MPaに達してもよいし、あるいはそれを超えてもよく、或る場合には、40MPaに達してもよいし、あるいはそれを超えてもよい。
高弾性率のこの混合物は有利には補強構造体5の隣接部分と直接接触するように配列される。在来の形状では、カーカス層(ゴム混合物層に含浸されたコード)が設けられる。
その結果、高弾性率の混合物と補強構造体の一部との間に位置決めされる低弾性率の混合物の薄い中間層が生じる。直接接触によれば、従ってこの低弾性率の混合物薄層の存在なしに、帯域における高弾性率の混合物の存在の衝撃が増幅される。実際、慣例的な低弾性率の薄層はエネルギの損失を引起し、機械特性の悪化の原因となることがある。
補強コードをできるだけ正確に位置決めするために、タイヤを剛性支持体、例えば、その内側キャビティの形状を強いる剛性コアに構築することが非常に有利である。このコアには、タイヤの輪郭をタイヤ構築中に折り曲げこと無しに最終位置に直接配置されるタイヤの構成要素すべてが、最終構造が必要とする順序で付設される。この構築は例えばヨーロッパ特許第0580055号に記載されている装置や、カーカス補強コードの敷設のためのフランス特許出願第00/01394号に記載されている装置、およびゴム組成物の敷設のためのヨーロッパ特許第0264600号に記載されている装置を使用してもよい。タイヤは米国特許第4,895,692号に記載されているように成形され、加硫されてもよい。
部分14、15の各々において、群は各々の一部(進路)16が、第1フィラメント及び第2フィラメントの進路が互いに実質的に平行となり、この群の一部(進路)16において、同一群の2つの隣接フィラメントが実質的に平行な軌道に沿って移動している。
これらの2つの例では、1つの同一群10のフィラメントのうちの2つの隣接フィラメント間の周方向距離は各々が2つの別々の群に属する2つの隣接フィラメント間の距離より小さい。
実質的に子午線方向軌道と事実上同様なコードの実質的に半径方向の軌道に因り、所定のピッチPについて、コードの2つの隣接群間の周方向距離はタイヤの底部領域とクラウンの領域との間で実質的に一様に変化している。最も頻繁には、タイヤの底部領域におけるより小さい半径に因り、そこにおけるフィラメントは互いにより接近している。クラウンに近づくにつれて、半径は大きくなり、フィラメントはそれらの間により大きい周方向空間を有する。図2ないし図7はこの内容をはっきり示している。何故なら、これらのフィラメントは、クラウン帯域が第1半径R上にあり、ビード4の帯域が第1半径Rより小さい他の半径r上に位置決めされように、空間位置を占めるようになっている配列の平面における突起であるからである。タイヤの実質的に環状面体状形態により、この種類の半径の変化を必然的にしている。従って、Rとrとの間の一定なコード間距離を有することは事実上考えられない。
工業的生産率および生産性の制約は今日では非常に高い製造速度が要求されるようなものであり、敷設の規則性が完全ではないことを意味している。しかも、製品の機械的要求は、精度に関するかぎり、何ら最終品質に悪影響することなしに或る限界を緩和している。かくして、本発明によれば、タイヤは規則性が図に示すほど完全ではないコード軌道を有するコード配列を備えていてもよい。
図8は各群10がバイアスタイヤ(非ラジアル)の進路に沿って3つのコード5よりなる変形例の側面図を示している。第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行である群の一部16は、実質的に1つのビードから他のビードまで延びてもよい。低い半径rから外側半径Rまで通るために、ビードからクラウンに向かうグループ間の増大距離により寸法の補償が生じる。種々の変形例(図示せず)によれば、1群あたりのコードの数は異なってもよく、例えば、2つのコード、4つのコードまたはそれ以上でもよい。
第1「進み」部分の角度φと同じ半径方向位置で測定した場合、「戻り」部分15は「進み」部分と比較して逆の角度(−φ)をなしている。角度φは場合に応じて例えば5度と45度との間で変化し得る。図9の左側部分は理解し易くするために他の群から分離された群10の進路の例をはっきり示している。同図の右側部分は補強構造体を構成する群10が周方向に並んで配置されている場合の配列を示している。この部分では、「戻り」部分が「進み」部分の上側または下側を通ることによって織りパターンまたは格子パターンを構成していることがわかる。このような織りパターンまたはメッシュパターンは特に有利な機械特性をもたらす。例えば、
−補強体の構造の厚さの減少(より少ない質量)、
−ケーブルが互いにより接近している(移動により引起される撓み時に剛性がわずかに大きくなり、(コアに向かって)内側の層(またはコード)の圧縮がわずかである)、
−コードを正および負の角度で敷設するための製造工程が単一である。
図8ないし図10に示す例では、コード5の群の第1フィラメントと第2フィラメントが互いに実質的に平行な一部16が、実質的にタイヤの1つのビードから他のビードまで延びる。種々の変形例(図示せず)によれば、これらの部分16は例えば、1つの赤道部から他の赤道部の方へ、或いは第1側壁部の任意の点から他の側壁部の対称の点の方へに制限される。
図12cに示すように、この変形例では、コード群の「進み」部分14および「戻り」部分15は有利には他のコード群の少なくとも1つの「進み」部分14および/または「戻り」部分15によって間隔を隔てられて分離されている。
付設前に、コードは同じ群のコード間に設けられる距離に実質的に対応する距離で互いのすぐ近傍に配置される。混合物に対するコードの付設のために、敷設手段が敷設すべきコードがタイヤにおいて辿るはずの進路に沿って例えば1つのビードから他のビードまで空間内を移動する。
かくして、1つのコード群は付設のために敷設手段により所定の進路に沿って案内される。敷設はこの群をコードを受入れるようになっている製品から実質的に極小の距離まで案内することにより、或いは予め付設されたゴム混合物と接触するまで圧縮するか、或いは適当な工具により敷設力を加えることにより行う。この混合物は好ましくは接着性であり、かくしてコードとゴム混合物との間にわずかな接触が生じると、コード群を適所に保持することができる。従って、コード群はタイヤの1つのビードから他のビードまで案内される側壁部およびクラウンにわたって移動する。ビードの半径方向下部分まで敷設されて「進み」部分を構成すると、コード群を周方向または角方向に移動するように案内してコード群を「進み」部分に実質的に隣接した進路における輪郭にわたって移動して反対側ビードまで延びる「戻り」部分を形成することができる。
かくして、敷設中のコードの偶発摺動または変位が回避される。
図13cはスライダーが反対側から到達したときの同じタイヤを示しており、ガイド54はコードを肩部の領域へ移送する。反対側の側壁部に沿った敷設および対応する連結部の形成は第1側壁部について先に述べた場合と同様に行われる。
図13dは新しい「進み」部分を形成するためにスライダー51およびガイド手段の戻りを示している。
Claims (11)
- 基部がリムシートに取付けられるようになっているビードにタイヤの各側で固定されるカーカス型の少なくとも1つの補強構造体と、クラウン補強体とを備えており、各ビードが側壁部により外側に向けて半径方向に延長されており、側壁部がトレッドに外側に向けて半径方向に接合しており、前記補強構造体が、
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成する第1フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第1フィラメントの2つの横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成する第2フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第2フィラメントの2つの横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−第1フィラメントおよび第2フィラメントの夫々の進路が、クラウンとビードとの間で、第1フィラメント及びこの第1フィラメントに隣接する第2フィラメントから構成されたフィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となるように、配置されていることを特徴とするタイヤ。 - 上記第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となる上記フィラメント群の一部は、クラウンと固定帯域との間における上記第1および第2フィラメントの総進路の少なくとも実質的に25%を占めることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
- 上記第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となる上記フィラメント群の一部は、クラウンと固定帯域との間における上記第1および第2フィラメントの総進路の実質的に30%〜80%を占めることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ。
- 上記第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となる上記フィラメント群の一部は、側壁部において、固定帯域の実質的に半径方向外方に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
- 上記第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となる上記フィラメント群の一部は、側壁部の赤道部の半径方向外方に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
- 一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的にタイヤの1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成している第3フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第3フィラメントの2つの横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、第1フィラメント、第2フィラメントおよび第3フィラメントの夫々の進路が、クラウンとビードとの間で、第1フィラメント、第2フィラメント及びこれらの第1及び第2フィラメントに隣接する第3フィラメントから構成されたフィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント、第2フィラメント及び第3フィラメントが互いに実質的に平行となるように、配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれかの1項に記載のタイヤ。
- 基部がリムシートに取付けられるようになっているビードにタイヤの各側で固定されるカーカス型の少なくとも1つの補強構造体を備えており、各ビードが側壁部により外側に向けて半径方向に延長されており、側壁部が外側に向けて半径方向にトレッドに接合しており、前記補強構造体が、
−一方では、クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成している第1フィラメントと、他方では、ビードの高さにおいて第1フィラメントの2つ横部分を接合しているU字形連結部とを備えており、
−クラウンおよび側壁部の高さにおいて実質的に1つのビードから他のビードまで延びている一連の横部分を形成し、ビード各々の帯域で各側に配置された自由端部を有する第2フィラメントを備えており、
−第1フィラメントおよび第2フィラメントの夫々の進路が、クラウンとビードとの間 で、第1フィラメント及びこの第1フィラメントに隣接する第2フィラメントから構成されたフィラメント群の少なくとも一部が、第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となるように、配置されていることを特徴とするタイヤ。 - 上記第1フィラメント及び第2フィラメントが互いに実質的に平行となる上記フィラメント群の一部は、実質的に最短距離となるような軌道を辿ることを特徴とする請求項1ないし7のうちのいずれか1項に記載のタイヤ。
- 少なくとも2つの別々な群の「進み」部分および「戻り」部分はコードのメッシュパターンを形成するように交差していることを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれか1項に記載のタイヤ。
- 実質的に周方向進路に沿ったコードの少なくとも1つが、ビードの高さにおいて上記補強構造体に実質的に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれか1項に記載のタイヤ。
- ビードはコードの一部が協働するビードワイヤを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれか1項に記載のタイヤ。
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