JP4215869B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薬液またはリンス液(薬液およびリンス液を総称して処理液という)を貯留する処理槽に、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの薄板状の被処理基板(以下単に基板という)を浸漬して基板に所定の処理を施す基板処理方法および基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などを用いた精密電子基板の製造プロセスにおいては、基板を処理液に浸漬して種々の表面処理を施している。このような表面処理においては、エッチング液やフォトレジスト膜剥離液などの薬液を貯留した薬液槽とリンス液である純水を貯留した水洗槽とを有し、薬液槽さらに水洗槽に順次基板を浸漬して、薬液槽にて基板に薬液処理を施した後に、さらに、水洗槽にて基板に付着した薬液やパーティクルを洗い流すリンス処理をしている。
【0003】
このリンス処理には、薬液槽で付着した薬液を基板から素早く水洗する機能水洗処理があり、この機能水洗処理について以下に説明する。
【0004】
図8(a)〜図8(e)は、従来の機能水洗処理における各工程を模式的に示す薬液処理部、機能水洗処理部の縦断面図であり、(a)はウエハ上昇状態、(b)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態、(c)は急速排液およびシャワー出力状態、(d)はアップフローおよびシャワー出力状態、(e)はオーバーフロー状態を示している。
【0005】
図8(a)に示すように、薬液槽62の昇降手段としてのリフタ(図示せず)から搬送用ロボット(図示せず)に受け渡された複数の半導体ウエハ(以下、単にウエハという)63は、搬送用ロボットによって機能水洗槽61のリフタ65に受け渡される。リフタ65は下降して、複数のウエハ63をそれぞれ下方から3つのウエハガイド64の溝部分で所定間隔(例えばノーマルピッチP=6.00mm、またはハーフピッチP/2)毎に受けて保持した状態で、複数のウエハ63をウエハガイド64と共に機能水洗槽61内の純水中に浸漬する。このように、ウエハ63を純水内に浸漬させた状態で、図8(b)に示すように、機能水洗槽61内の底部の両側に配設された純水供給部66から純水を供給し続けて機能水洗槽61の上部開口端61aから純水をオーバーフローさせて、薬液処理時にウエハ63に付着した薬液、および薬液処理により発生した物質(パーティクル)を純水と共に槽外に流し出すようにしている。
【0006】
さらに、所定時間、オーバーフローさせた後に、図8(c)に示すように、一時的に、その純水供給部66からの純水の供給を停止すると共に、機能水洗槽61の側壁下部に配設されている排液口67を開口して、薬液やパーティクルが混じった槽内全液の急速排液を行うようにしている。このとき、ウエハ63の表面が親水性の場合には、これと同時または所定時間後(急速排液でウエハ53が空気に晒され始めるまでの時間内)に、機能水洗槽61の上部開口端61aの上方位置に互いに対向して配設されたシャワーパイプ68の各ノズル部(図示せず)から純水をウエハ63の表面上側部分に向けてシャワーさせるようにしたことで、ウエハ63の表面が部分的に空気中に晒されるのを防止して自然酸化膜の成長を抑制するようになっている。
【0007】
さらに、このシャワー出力状態で槽内全液の急速排液完了後に、図8(d)に示すように、機能水洗槽61内の底部の排液口67を閉鎖して、両側の各純水供給部66から純水をそれぞれ供給して機能水洗槽61内に純水をアップフローさせつつ満たすことで、槽内の純水への置換効率を高めるようにしている。
【0008】
さらに、図8(e)に示すように、機能水洗槽61内の底部の各純水供給部66から純水の供給をさらに継続することで、機能水洗槽61の上部開口端61aから純水をオーバーフローさせてウエハ63の表面に付着した薬液やパーティクルを純水と共に槽外に流し出すようになっている。
【0009】
その後、上記と同様に、図9(a)〜図9(c)に示しように、時間T1で図8(c)の純水供給停止、槽内全液の急速排液(排液口67オープン)およびシャワー出力、時間T2で図8(d)の純水供給によるアップフローおよびシャワー出力、排液停止(排液口67クローズ)、さらに、時間T3で図8(e)の純水供給によるオーバーフロー、シャワー停止および排液停止(排液口67クローズ)の図8(c)〜図8(e)の各ステップを所定回数だけ繰り返して、薬液やパーティクルをウエハ63の表面上から素早く取り除くことでウエハ63に対する薬液の影響を防止する機能水洗処理を終了するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の構成では、図10(a)に示すように、槽内の複数のウエハ63は、それぞれその下側3個所をウエハガイド64の各保持用溝部64aに抜き差し自在な状態で差し込むことにより、つまり、ウエハ63は、それぞれの下側に対してのみ所定間隔を保持するように動きを規制することによって、所定ピッチで順次並べられて隣接配置されている。このため、図8(c)に示す槽内全液の急速排液時に、一気に排液されることによる液面71の急激な低下に伴って、また、排液口67へ向かって急に流れる液の勢いも複雑に作用して、図10(b)に示すようにウエハ63の動きを規制されていない上側が互いに引き寄せられて、ウエハガイド64の保持用溝部64aに当接するウエハ63の下端部63aを中心としてウエハ63の表面が互いに傾いて接触してしまうという問題を有していた。特に、ウエハ63の表面が親水性の場合には、ウエハ63の表面に水分を残した状態で互いに接触してくっついてしまうので、くっついたウエハ63同士を剥がそうとしても剥がれにくく、無理に剥がそうとするとウエハ63に傷をつけたり割れたりするという問題を有していた。また、ウエハ63同士がくっつくことによりパーティクルを発生したり、一方のウエハ63に付着しているパーティクルが他方のウエハ63に付着するという問題を有していた。特に、複数のウエハ63の保持間隔がハーフピッチP/2(搬送用キャリアにおいて収容されている基板相互間のピッチをPとした際にその半分のピッチ)の場合には、この問題は顕著に表れる。
【0011】
以上のように、複数のウエハ63をそれぞれ下方から3つのウエハガイド64の保持用溝部64aでそれぞれ保持しているが、上記のようなウエハ63同士のくっつきを解決するために、その溝構造を鋭角状のV溝としてウエハ63を強固に保持する構造にすると、一気に排液されることによる液面71の急激な低下に伴ってウエハ63の上側が互いに引き寄せられて傾くように作用することで、ウエハ63にひびが入ったり割れたりして破損してしまうという問題を有していた。
【0012】
また、水洗槽61内に複数のウエハ63を固定するための溝構造部を形成したガイドを設け、ウエハ63同士のくっつきを防止することも考えられるが、その溝付きのガイドという部材が別途必要であると共に、そのガイドとウエハガイド64の保持用溝部64aとの位置調整も困難であり、しかも、そのガイドによって水洗槽61内の液流れが阻害されて処理液置換特性も悪化するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、上記したような溝付きのガイドを別途必要せず、槽内全液の急速排液時に基板同士のくっつきを防止して基板の損傷を防止することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬する浸漬工程と、処理槽から処理液を排液する排液工程とからなる基板処理方法であって、前記排液工程において、前記処理槽内の処理液の液面が、基板上端に至ると第1の排液速度で当該処理液を排液し、前記処理槽内の処理液の排液を開始してから当該処理液の液面が前記基板上端に至るまでの間と、当該処理液の液面が、前記基板の上側の一部が露出する位置となったとき以降とを、前記第1の排液速度より高速である第2の排液速度で当該処理液を排液するものである。
【0015】
この方法により、排液にともなって基板全体を浸漬していた処理液の液面は、少なくとも基板の上端まで下がってからは、基板の一部が液面より出るまでの間、第1の排液速度で排液される。基板の一部が液面から出てからは、第2の排液速度で排液される。前記第1の排液速度での排液は、基板同士が接触してくっつくことのない排液である。前記第2の排液速度は、前記第1の速度より高速であるが、基板の一部が処理液中から出てからの排液であるから、液の流れによって基板の上端同士が接触することは起こり難く、高速排液であるが、基板同士がくっつくことはない。このように排液速度を変更する排液工程であるから、基板の表面同士の接触によるくっつきがなくなって基板の損傷が防止される。この方法によれば、排液処理にかかる時間を短縮化できる。
【0016】
本願請求項2に記載の発明は、ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置であって、処理液を前記処理槽から排液可能であり、排液速度を変更可能な排液手段と、前記処理槽内の処理液の液面が、前記基板上端に至ると第1の排液速度で当該処理液を排液し、前記処理槽内の処理液の排液を開始してから当該処理液の液面が前記基板上端に至るまでの間と、当該処理液の液面が、前記基板の上側の一部が露出する位置となったとき以降とを、前記第1の排液速度より高速である第2の排液速度で当該処理液を排液するように、前記排液手段を制御する制御手段と、を備えたものである。
【0017】
この構成により、基板全体を浸漬していた処理液の液面が、基板の上端位置から、基板の一部が液面より出る位置までの区間は、第1の排液速度で排液される。前記区間から下では、第2の排液速度で排液される。前記第1の排液速度での排液は、基板同士が接触してくっつくことのない排液である。前記第2の排液速度は、前記第1の速度より高速であるが、基板の一部が処理液中から出てからの排液であるから、液の流れによって基板の上端同士が接触することは起り難く、高速排液であるが、基板同士がくっつくことはない。このように排液速度を変更するように排液手段を制御するから、基板の表面同士の接触によるくっつきがなくなって基板の損傷が防止される。基板の表面同士の接触によるくっつきがなくなって基板の損傷が防止される。これによれば、排液処理にかかる時間を短縮化できる。
【0018】
本願請求項3に記載の発明は、ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、第1の排液速度で排液する第1排液手段と、第1の排液速度より急速な第2の排液速度で排液する第2排液手段とを有し、排液速度を可変させて、前記処理槽内の処理液を排液可能に構成される排液手段と、前記処理液の液面が、基板上端より下で、基板下端より上位置にて、前記第1排液手段による第1の排液速度での排液から、前記第2排液手段による第2の排液速度での排液に切り換えるように、前記第1排液手段と前記第2排液手段を制御する制御手段とを備え、前記第1排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた第1の開口面積を有して当該処理槽内の処理液を第1の排液速度で排液する第1排液口と、この第1排液口に連結され、前記処理槽の外側に接続された配管部材と、この配管部材の途中に配設された第1バルブ部材とを有し、前記第2排液手段は、前記第1の開口面積より大きい第2の開口面積を有するように前記処理槽の壁面に設けられて当該処理槽内の処理液を第1の排液速度より急速な第2の排液速度で排液する第2排液口と、この第2排液口に連結され、前記処理槽の外側に接続された配管部材と、この配管部材の途中に配設された第2バルブ部材とを有し、前記制御手段は、前記処理液の液面が、基板上端より下で、基板下端より上位置にて、前記第2バルブ部材を閉状態にして前記第1バルブ部材を開状態にすることによる第1の排液速度での排液から、前記第1バルブ部材を閉状態にして前記第2バルブ部材を開状態にすることによる第2の排液速度での排液に切り換えるものである。
【0019】
この構成により、基板同士のくっつきを防止するべく、第1排液手段と第2排液手段を切り換えるだけの簡単な構成およびその制御としている。
【0020】
本願請求項4に記載の発明は、ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、複数段階に排液速度を変更可能な可変排液手段で構成され、前記処理液を前記処理槽から排液する排液手段と、前記排液手段を制御し、前記処理液の液面が基板上端より下で基板下端より上となる位置にて、排液速度を第1の排液速度から段階的に順次上げていき、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に到達させる制御手段とを有し、前記可変排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた所定の開口面積を有する排液口と、前記排液口を塞ぐためのバルブ部材と、を備え、前記制御手段は、前記バルブ部材と前記排液口とによって形成される隙間の大きさが複数段階に変化するように前記バルブ部材の移動を制御して、第1の排液速度から排液速度を段階的に順次上げて第2の排液速度に到達させるものである。
【0021】
本願請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の基板処理装置であって、前記可変排液手段は、内包する流体の圧力により前記バルブ部材の位置を移動させるシリンダを複数段階に更に備え、前記制御手段は、前記流体に圧力を加える前記シリンダの数を複数段階に変えるように制御することにより前記バルブ部材の位置を複数段階に移動させるものである。
【0022】
本願請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の基板処理装置であって、前記可変排液手段は、前記バルブ部材の位置を前記壁面と略並行に回転移動させる、前記バルブ部材に接続されたモータを更に備え、前記制御手段は、前記モータを動作させて前記バルブ部材を複数段階に回転移動させ、前記バルブ部材によって塞がれていない前記排液口の部分の大きさを複数段階に変化させるものである。
【0023】
これらの構成では、第1排液手段と第2排液手段を設けずに、複数段階の排液速度が可変可能な可変排液手段だけを用いるので、部品点数が少なく、かつ、基板同士が互いにくっつかない程度に、液面低下に伴って排液速度を速くすることで、処理液面外に基板の所定の一部を位置させて急速排液するまでの排液時間が効率よく排液されて、排液処理にかかる時間が短縮化され得る。
【0024】
本願請求項7に記載の発明は、ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、処理液を前記処理槽から排液可能に構成され、排液速度を変更可能な排液手段と、この排液手段を制御して、処理液の液面が基板上端より下で基板下端より上となる位置にて、前記処理液の排液速度を、第1の排液速度から、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に変更するよう制御する制御手段とを備え、前記排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた複数の排液口と、これらの複数の排液口にそれぞれ連結され、前記処理槽の外側に接続された複数の配管部材と、各配管部材の途中にそれぞれ配設された複数のバルブ部材とを備え、前記制御手段は、処理槽内の処理液の液面が、基板上端より下で基板下端より上位置にて、第1の個数の前記バルブ部材を開状態に制御することによる第1の排液速度での排液から、第1の個数よりも多い数の第2の個数の前記バルブ部材を開状態に制御することによる第2の排液速度で排液するように排液手段を制御するものである。
【0025】
この構成により、第1の排液速度から第2の排液速度への切り替えは、複数個の備える排液手段のうち、排液状態にある排液手段の個数を増加することで行い、増加させる個数を加減することで、増加する程度を簡単に調節できる。
【0026】
本願請求項8に記載の発明は、請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記制御手段は、前記処理槽内の処理液の液面が基板上端に至るまでは前記第2の排液速度で前記処理槽内の処理済み液を急速排液させるように制御するものである。
【0027】
この構成により、排液処理にかかる時間がさらに短縮化され得る。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0029】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1における基板処理方法を実施するに好適な基板処理装置を組み込んでなるウエットステーションの概略構成を示す平面図であり、矢印Fで示される面が装置の正面である。
【0030】
図1において、ウエットステーション1は、複数のウエハ2を収容したキャリア3から、各処理槽へウエハ2を搬送するための搬送ロボット(図示せず)に対して複数のウエハ2を一括して移載する搬入側のウエハ移替部5と、これとは逆に、搬送ロボットからキャリア3に複数のウエハ2を一括して移載する搬出側のウエハ移替部6と、このウエハ移替部5に隣接し、薬液または純水である各種処理液をそれぞれ貯留した複数の処理槽にわたってウエハ2を順次浸漬させることによりウエハ2に薬液処理や水洗処理などの一連の各種処理が施される処理ユニット7と、この処理ユニット7と搬出側のウエハ移替部6との間に配設され、処理ユニット7で処理後のウエハ2をスピン乾燥させる乾燥部8とを有している。
【0031】
この処理ユニット7は、これらの各処理槽に複数のウエハ2を搬送するための搬送用ロボット(図示せず)のハンド部分を洗浄するハンド洗浄部9と、このハンド洗浄部9側に隣接し、例えば窒化膜除去用の薬液として燐酸溶液などを貯留した薬液槽を有し、この薬液槽にウエハ2を浸漬することで薬液処理する第1の燐酸処理部10と、この燐酸処理部10側に隣接し、これと同様の窒化膜除去用の薬液として燐酸溶液を貯留した薬液槽を有し、この薬液槽にウエハ2を浸漬することで薬液処理する第2の燐酸処理部11と、本発明の基板処理装置の一実施形態であって、この燐酸処理部11側に隣接し、ウエハ2に付いた燐酸やパーティクルを素早く水洗する機能水洗処理部12と、この機能水洗処理部12側に隣接し、ウエハ2を最終的に水洗する最終水洗処理部13とを処理工程順に有している。
【0032】
ここで、第1および第2の燐酸処理部10,11を設けたのは、これらの燐酸処理部10,11による薬液処理としての窒化膜除去処理が他の処理部による処理に比べて時間がかかるため、処理タクトを短縮するべく並行して窒化膜除去処理を行うためである。また、機能水洗処理部12を設けたのは、ウエハ2に付いていた燐酸が槽内に残っていると窒化膜除去機能が進行するので、純水中に燐酸溶液の付いたウエハ2を浸漬させた直後に一気に急速排液しつつ、新たなる純水と置換することで、ウエハ2から離脱した燐酸溶液の純水に対する濃度を素早くかつ急激に低下させて窒化膜除去機能の進行を停止させるためである。
【0033】
図2は図1の機能水洗処理部12の概略構成を示す模式図である。
【0034】
図2において、この機能水洗処理部12は、内部に満たされた純水中に複数のウエハ2が浸漬自在なように上方を開放した処理槽としての水洗槽21と、この水洗槽21の内部にオーバーフロー用の純水を供給する純水供給手段22と、搬送ロボットから受け渡される複数のウエハ2を保持した状態で水洗槽21内の純水内に搬送する昇降手段としてのリフタ24と、水洗槽21内でウエハ2に水洗処理を施した後の処理済み液(本実施形態では純水に燐酸が混じった溶液)を水洗槽21から低速排液速度で低速排液させる第1排液手段25aと、この第1排液手段25aによる排液速度よりも高排液速度で排液させる第2排液手段25bと、純水をウエハ2の表面上側部分に向けてシャワーするシャワー手段26と、この第1排液手段25aを制御して水洗槽21内の処理済み液を排液させて水洗槽21内の処理液面外に少なくともウエハ2の一部を露出させた後に、第2排液手段25bを制御して水洗槽21内の処理済み液を急速排液させる制御手段27とを有している。
【0035】
この純水供給手段22は、水洗槽21内の底部に対向して配設され、純水吐出用の複数のノズル口(図示せず)が、浸漬されたウエハ2の方向に向けて配設された一対の筒状部材28と、これら一対の筒状部材28に連結され純水を通す配管部材29と、その配管部材29の途中に配設された流量調節用のバルブ部材30とを有し、バルブ部材30を開状態とすることで配管部材29さらに一対の筒状部材28の複数のノズル口(図示せず)を介して、純水を供給し続けて水洗槽21の上部開口端21aから純水をオーバーフローさせ、薬液処理時にウエハ2の表面に付着した薬液やパーティクルを純水と共に槽外に流し出すように構成している。
【0036】
また、リフタ24は、複数のウエハ2をそれぞれ下方から3つのウエハガイド23(本発明に係るガイド部材に相当する)の溝部分で所定間隔(ハーフピッチP/2)毎に受けて保持した状態で、水洗槽21内のリンス液である純水内に浸漬させて水洗処理する位置Aと水洗槽21外の上方にウエハ2およびウエハガイド23を位置させるウエハ受渡し位置との間を上下に昇降するように構成している。
【0037】
さらに、低速排液速度の第1排液手段25aは、浸漬される複数のウエハ2の表面と対向した水洗槽21の側壁の最下部分に配設された低速排液用に開口面積の小さい排液口31aと、この排液口31aに連結され処理済み液を排液するべく通す細い配管部材32aと、この配管部材32aの途中に配設された流量調節用のバルブ部材33aとを有しており、低速排液時にはバルブ部材33aを開口することで水洗槽21内の処理済み液を遅くではあるが、基板の上端同士が接近してくっつくことがない速さで排液可能であり、また、ウエハ2の浸漬およびオーバーフロー時にはバルブ部材33aを閉止することで水洗槽21内の処理済み液をオーバーフローさせて槽外に流し出すようにしている。また、高速排液速度の第2排液手段25bは、浸漬される複数のウエハ2の表面と対向した水洗槽21の側壁の最下部分に、前記低速排液用の開口面積よりも大きい排液口31bと、この排液口31bに連結され処理済み液を排液するべく通す太い配管部材32bと、この配管部材32bの途中に配設された流量調節用のバルブ部材33bとを有しており、急速排液時にはバルブ部材33bを開口することで水洗槽21内の処理済み液を短時間で急速排液可能であり、また、ウエハ2の浸漬およびオーバーフロー時にはバルブ部材33bを閉止することで水洗槽21内の処理済み液をオーバーフローさせて槽外に流し出すようにしている。
【0038】
さらに、シャワー手段26は、水洗槽21の上部開口端21aの上方位置に互に対向して配設され、純水吐出用の複数のノズル口(図示せず)が斜め下方(ウエハ2の方向)に向けて配設された一対の筒状部材34と、これら一対の筒状部材34に連結され純水を通す配管部材35と、その配管部材35の途中に配設された流量調節用のバルブ部材36とを有し、対向した一対の筒状部材34の各ノズル口(図示せず)から純水をウエハ2の表面上側部分に向けてシャワーすることで、ウエハ2の表面が部分的に空気中に晒されるのを防止して自然酸化膜の成長を抑制するようになっている。
【0039】
さらに、制御手段27はシーケンサやマイクロコンピュータなどで構成されており、シーケンサやマイクロコンピュータからの制御信号でバルブ部材30,33a,33b,36をそれぞれ開閉制御することで、水洗槽21内の純水の液面より上方にウエハ2の上側の一部が出る位置になるまでは、第1排液手段25aによる低速排液速度で排液させるように制御し、しかる後に、水洗槽21内の処理済み液を第2排液手段25bによる急速排液速度で排液させるように液面低下速度を制御する構成となっている。
【0040】
つまり、制御手段27は両バルブ部材30,33a,33bの電磁バルブ制御端子にそれぞれ接続されており、バルブ部材30を閉止状態に制御してオーバーフロー用の純水供給を停止させてから、バルブ部材33aを開放状態に制御して純水面外にウエハ2の上側の一部が位置するように排液させて液面を低下させた後に、バルブ部材33bを開放状態に制御して急速排液するようになっている。また、制御手段27はバルブ部材36の電磁バルブ制御端子にも接続されており、純水の液面より上方にウエハ2の上端側が出ないうちに、バルブ部材36を開放状態に制御してシャワー手段26によるシャワー処理を行うようになっている。
【0041】
また、ウエハ2が最もくっつき易い上側をどの程度純水面外に位置させるまで低排液速度で排液するかについては、ウエハ2の並び方向の基板配列ピッチ、その他種々の諸条件に左右され、例えば、基板配列ピッチが狭いほど排液速度を遅くする必要がある。このときの低排液速度とは、ウエハ2の上端が純水の水面下の位置から排液する場合に、ウエハ2の上端がくっつかないようにして最大限許容される排液速度であり、また、上記急速排液速度とは、ウエハ2の上側が純水面外に出た水面位置から排液する場合に、ウエハ2の最上端がくっつかないようにして最大限許容される排液速度である。
【0042】
上記構成により、以下、その動作を説明する。
【0043】
まず、クリーンルーム内にウエットステーション1が設置されており、オペレータは、正面方向からこのウエハ搬入側のウエハ移載部5における第1のテーブル上に各キャリア3をそれぞれ載置する。その後、オペレータによるスイッチ操作で駆動を開始して、複数のウエハ2を収容したキャリア3から搬送ロボット(図示せず)に複数のウエハ2を一括して移載する。
【0044】
次に、複数のウエハ2を、搬送用ロボットのロボットハンドによって、複数のウエハ2は一括してリフタ24に受渡されてリフタ24で処理ユニット7の各処理槽内の処理液に浸漬されるように順次搬送されて各種処理がそれぞれ施される。
【0045】
この処理ユニット7におけるリンス処理には、薬液槽で付着した薬液をウエハ2から素早く水洗する機能水洗処理部12があり、この機能水洗処理部12の動作について以下に詳細に説明する。
【0046】
図3(a)〜図3(e)は、図1の機能水洗処理部12における各工程を模式的に示す縦断面図であり、(a)はウエハ上昇状態、(b)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態から低速排液状態およびシャワー出力状態になる状態、(c)は低速排液状態から急速排液状態になる状態、(d)はアップフロー状態、(e)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態を示している。
【0047】
図3(a)に示すように、燐酸処理部11から搬送用ロボット(図示せず)で搬送してリフタ24に受渡し、リフタ24は、複数のウエハ2をそれぞれ下方から3つのウエハガイド23の溝部分で所定間隔毎に受けて保持した状態で、複数のウエハ2をウエハガイド23と共に水洗槽21内の純水中に浸漬する。このとき、制御手段27はバルブ部材30を開放状態に制御すると共にバルブ部材33a,33bを閉止状態に制御して、水洗槽21内の底部の両側に配設された純水供給部の一対の筒状部材28の各ノズル部(図示せず)から純水を、浸漬させた各ウエハ2に向けて供給し続けて水洗槽21の上部開口端21aから純水をオーバーフローさせ、薬液処理時にウエハ2の表面に付着した薬液、および薬液処理で発生した物質(パーティクル)を純水で洗って槽外に流し出す。
【0048】
さらに、制御手段27は、所定時間だけオーバーフローさせるように制御した後に、ウエハ2の表面が親水性の場合において、図3(b)に示すように、バルブ部材30を閉止状態に制御して一対の筒状部材28からの純水供給を停止すると共に、バルブ部材33aを開放状態に制御して排液口31aから低排液速度で排液させる。さらに、制御手段27は、ウエハ2の上端部が水面から露出する前に、シャワー用のバルブ部材36を開放状態に制御すればよいが、本実施形態1では、排液口31aからの低速排液開始時に、シャワー手段26の、対向した一対の筒状部材34の各ノズル口(図示せず)から純水をウエハ2の表面上側部分に向けてシャワーすることで、ウエハ2の表面が空気に晒されるのを防止するようにしている。このとき、制御手段27は、図4(a)〜図4(d)にその一例を示すように、時間T1で、排液口31aから処理済み液の低速排液を行うバルブ部材33aと、シャワー用のバルブ部材36とは開放状態となり、かつ、バルブ部材30は閉止状態に制御されて筒状部材28からのオーバーフロー用の純水の供給が停止される。
【0049】
さらに、水洗槽21内の純水の液面上方にウエハ2の上側の所定の一部を位置させるまで水面が低下した後に、図3(c)に示すように、制御手段27は、バルブ部材33aを閉止状態に制御して排液口31aからの排液を停止すると共に、バルブ部材33bを開放状態に制御して排液口31bから急速排液速度で排液させる。このとき、制御手段27は、図4(a)〜図4(d)にその一例を示すように、時間T2で、排液口31aから処理済み液の低速排液を行うバルブ部材33aは閉止状態となり、その代り、排液口31bから処理済み液の急速排液を行うバルブ部材33bは開放状態となる。また、バルブ部材30は閉止状態のままに制御されて一対の筒状部材28からのオーバーフロー用の純水の供給は停止したままである。
【0050】
このとき、水面の低下によって水洗槽21内の純水面外にウエハ2の上側の所定の一部が位置する時点で排液速度を低速排液から急速排液に切り換えるが、本実施形態1では直径200mmのウエハ2の場合にその上側の40mm部分(直径に対する露出比率20パーセント)を純水面外に位置する時点で排液速度を切り換える。この場合、槽内全液の低速排液時および急速排液時の液面低下に伴うウエハ2同士のくっつきをなくすことができてウエハ2の表面の損傷を防止することができた。急速排液時に、ウエハ2の液面から出る部分を多くするほど、ウエハ2同士のくっつきによるウエハ2の損傷をより確実に防止することができる。つまり、ウエハ2の高さ方向に対する排液時の液面高さ位置を低くすることでウエハ2同士のくっつきをより確実に軽減することができる。したがって、純水面外にウエハ2の上側を出す寸法(露出比率)は、ウエハ2間距離(基板配列ピッチ)やその材質、厚ささらには保持状態にもよるが、実験的に急速排液時に少なくともウエハ2同士が互いに傾いてくっつかない程度の寸法(露出比率)である。
【0051】
さらに、制御手段27は、急速排液制御の後に、シャワー出力制御を保持した状態で、図3(d)に示すように、バルブ部材30を開口状態に制御してオーバーフロー用の純水を供給してアップフローさせ、ウエハ2全体が純水内に浸漬されるまで、シャワー手段26によるシャワー状態を継続する。図4(a)〜図4(c)にその一例を示すように、時間T3でバルブ部材33bも閉止状態に制御して、水洗槽21の底部の側壁部分に配設されている排液口31bから、処理済み液(薬液が混じった槽内全液)の急速排液を停止すると共に、バルブ部材30を開放状態に制御されて一対の筒状部材28からオーバーフロー用の純水を供給する。
【0052】
このとき、制御が複雑化するが、排液時の液面の下降に伴うウエハ2への物理的負荷をより緩和するべく、排液による液面低下に合わせるようにリフタ24を複数のウエハ2と共に下降させるように制御すれば、排液速度をより高くして排液時間がより早くなり得る。さらに、ウエハ2が純水内に浸漬されるのに十分な時間T4まで、シャワー手段26によるシャワー状態を継続する。つまり、このシャワーは、ウエハ2の上端が水没するまでシャワー出力を継続するように制御すればよい。
【0053】
その後、図3(e)に示すように、水洗槽21内の一対の筒状部材28の各ノズル部から純水をそれぞれ供給し続けることで、水洗槽21の上部開口端21aから純水をオーバーフローさせてウエハ2の表面に付着した薬液、および薬液処理で発生した物質(パーティクル)を純水と共に槽外に流し出す。
【0054】
さらに、上記と同様にして、制御手段27がバルブ部材30,33a,33b,36をそれぞれ制御することで、ウエハ浸漬およびオーバーフローとその停止、低速排液およびシャワー出力、急速排液、アップフローとその後のシャワー出力停止、さらにオーバーフローの各ステップを所定回数だけ繰り返して、ウエハ2の表面上から薬液およびパーティクルを素早く取り除くことで、ウエハ2に対する薬液の影響を防止する機能水洗処理を終了する。
【0055】
さらに、最終水洗処理部13でウエハ2を最終的に水洗し、最終水洗処理部13で処理した複数のウエハ2を乾燥部8でスピン乾燥する。このようにして、所定の表面処理がなされスピン乾燥された複数のウエハ2は搬出側のウエハ移替部6に搬送用ロボット(図示せず)で搬送されて回収され、搬出側のウエハ移替部6において、上記ウエハ移替部5の場合とは逆に、2個の搬送用のキャリア3に2つのウエハ群に分けられて前後のキャリア3内にそれぞれ移し替えられることになる。オペレータは、処理済みの複数のウエハ2が収容された2つのキャリア3を搬出すればよい。
【0056】
したがって、各基板である複数のウエハ2はそれぞれその下方からリフタ24のウエハガイド23の溝部分で受けられて保持されているために、槽内全液の急速排液時における急激な液面の低下に伴って各ウエハ2の上側が互いに引き寄せられるように力が働き、各ウエハ2はそれぞれ上側ほど傾ける力の影響を受けやすくウエハ2同士がくっつきやすいが、制御手段27はバルブ部材33aを開放制御して、排液口31aからの排液による液面の低下によって水洗槽21内の純水面外に少なくともウエハ2の上側の所定の一部を位置させた後に、バルブ部材33bを開放制御して水洗槽21内の処置済み処理液を排液口31bから急速排液するため、その急速排液による液面の低下に伴う各ウエハ2の上側を引き寄せる力は、処理液の液面上方に出たウエハ2に対する純水の液面のより低い位置から働くようになってより軽減されて、ウエハ2の保持間隔がハーフピッチと狭くなった場合にも、従来のように水洗槽21内にガイドを取り付けるというような仕様変更をすることなく、ウエハ2の表面同士の接触によるくっつきがなくなってウエハ2の損傷を防止することができる。しかも、このようなウエハ2同士のくっつきを防止するべく、第1排液手段25aと第2排液手段25bを制御手段27で切り換えるだけの簡単な構成およびその制御とすることができる。
【0057】
なお、上記実施形態1では、水洗槽21内でウエハ2に水洗処理を施した処理済み液を水洗槽21から急速排液速度で急速排液させる第2排液手段25bと、この急速排液速度よりも低排液速度で排液させる第1排液手段25aとを設け、ウエハ2同士がくっつかない程度にウエハ2の上側が水面上に出た時点で第1排液手段25aから第2排液手段25bに切り換えるように制御する構成としたが、このように第1排液手段と第2排液手段を選択的に駆動させるのではなく、第1排液手段だけで排液する駆動と、第1排液手段と第2排液手段の双方で排液するように駆動することを切り換えるように構成することもできる。この場合には、第1排液手段および第2排液手段の排液能力(排液速度)は同等であってもよい。また、排液能力(排液速度)を2段階だけではなく3段階以上に構成することもできる。この場合には、排液能力(排液速度)が3段階以上の複数段階になるように複数の排液手段を選択的に駆動させるようにすればよい。
【0058】
(実施形態2)
上記実施形態1では、第1排液手段と第2排液手段の排液能力(排液速度)を選択的に駆動制御するように構成したが、本実施形態2では、排液手段の排液能力(排液速度)が多段階に駆動制御可能な可変排液手段を用いた場合である。なお、実施形態2では本発明の説明を簡略化するために2段階に排液速度を駆動制御可能な可変排液手段を用いた場合について説明する。また、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図5は本発明の実施形態2における基板処理装置の水洗槽41の縦断面図であり、本発明の可変排液手段を説明するために大きく図示している。
【0060】
図5において、水洗槽41の側壁底部にはナット部材42付きの筒状部材43で構成される排液口44が設けられており、この排液口44に可変排液手段としての急速排液バルブ本体45が取り付けられている。この急速排液バルブ本体45は、筒状部材43の端部に嵌合させ、ナット部材42の内ねじを急速排液バルブ本体45先端の外ねじ部45aに螺合させることで取り付けられている。
【0061】
この筒状の急速排液バルブ本体45の一端側の内部には、第1シリンダ46が固定部材47で固定されており、この第1シリンダ46のロッドに直列に第2シリンダ48が固定され、第2シリンダ48のロッド先端にはバルブ部材49が設けられている。このバルブ部材49による排液口44の閉止時には、液流れの乱れ防止のために、槽内面が面一になるように構成されている。また、これらの第1シリンダ46および第2シリンダ48の駆動源はエアー圧であっても油圧であってもよい。これらのエアー圧または油圧を制御してロッドの伸縮を駆動制御する制御手段としてのシリンダ駆動制御部50が設けられており、シリンダ駆動制御部50と第1シリンダ46および第2シリンダ48とは配管接続されている。
【0062】
これらの第1シリンダ46および第2シリンダ48のロッドを伸縮制御することで、このバルブ部材49で排液口44を開閉すると共に、バルブ部材49と排液口44で排液量を制御することができるようになっている。つまり、第1シリンダ46および第2シリンダ48のロッドを伸長制御することで、急速排液速度を得ることができ、また、第1シリンダ46および第2シリンダ48のロッドを短縮制御することで、排液口44を閉止制御することができ、さらには、第1シリンダ46および第2シリンダ48の一方のロッドを短縮制御で他方のロッドを伸長制御することで、急速排液速度よりも低い低排液速度を得ることができるようになっている。
【0063】
このように、急速排液バルブ本体45は、2段階に排液速度を可変可能な可変排液手段で構成されており、シリンダ駆動制御部50は、少なくとも水洗槽41内の液面がウエハ2の上端から、急速排液バルブ本体45の第1シリンダ46および第2シリンダ48の一方のロッドを伸長制御することで、排液口44とバルブ部材49との隙間を小さく設定して、急速排液速度よりも低い低排液速度で水洗槽41内の処理済み液を排液させて水洗槽41内の液面外に少なくともウエハ2の所定の一部を位置させた後に、急速排液バルブ本体45の第1シリンダ46および第2シリンダ48の他方のロッドも伸長制御することで、排液口44とバルブ部材49との隙間を大きく設定して、急速排液速度で水洗槽41内の処理済み液を急速排液させるように制御する構成としている。
【0064】
上記構成により、上記実施形態1の第1排液手段25aと第2排液手段25bを設けずに、複数段階(本実施形態2では2段階)の排液速度が可変可能な可変排液手段としての急速排液バルブ本体45を用いているため、ウエハ2同士が互いにくっつかない上記実施形態1の効果に加えて、そのための部品点数を少なくすることができる。また、本実施形態2では示していないが、排液速度を複数段階に可変可能な可変排液手段とすれば、ウエハ2同士が互いにくっつかない程度に、液面低下に伴って排液速度を速くすることで、液面外にウエハ2の所定の一部を位置させて急速排液するまでの排液をより効率よく行うことができて、排液処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0065】
なお、上記実施形態2では、排液口44および急速排液バルブ本体45を水洗槽41の側壁底部に設けたが、その底面部分に設けることもできる。また、上記実施形態2では、第1シリンダ46および第2シリンダ48のロッドに直にバルブ部材49を固定したが、可変排液手段を水洗槽41の底面部分に設けた場合に、第1シリンダのロッドを、第1クランクアームを介してその底面の大開閉用の第1バルブ部材に連結すると共に、第2シリンダのロッドを第2クランクアームを介してその小開閉用の第2バルブ部材に連結するように構成することもできる。
【0066】
(実施形態3)
上記実施形態2では、第1シリンダ46および第2シリンダ48のロッドの伸縮制御によって、ウエハ2の互いのくっつきをなくすべく、排液口44とバルブ部材49との隙間を複数段階(ここでは2段階)に制御するように構成したが、これらの第1シリンダ46および第2シリンダ48とバルブ部材49の代りに、本実施形態3では、モータと回転バルブ部材を用いるように構成した場合である。なお、実施形態3では上記実施形態2と同様に発明の説明を簡略化するために2段階に排液速度を駆動制御可能な可変排液手段を用いた場合について説明する。また、上記実施形態1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図6は本発明の実施形態3における基板処理装置の水洗槽51の縦断面図、図7は図6の回転バルブの平面図であり、本発明の可変排液手段を説明するために大きく図示している。
【0068】
図6において、水洗槽51の側壁底部にはナット部材52付きの筒状部材53で構成される後述する大孔と小孔よりなる排液口54が設けられており、この排液口54に可変排液手段としての急速排液バルブ本体55が取り付けられている。この急速排液バルブ本体55は、筒状部材53の端部に嵌合させ、ナット部材52の内ねじを急速排液バルブ本体55先端の外ねじ部55aに螺合させることで取り付けられている。
【0069】
この筒状の急速排液バルブ本体55の一端側の内部には、モータ56が防水カバー56aで覆われた状態で固定部材57を介して固定され、このモータ56の回転軸56b先端は回転バルブ部材58の中央に固定されており、モータ56の回転軸56bを介してその回動力を回転バルブ部材58に伝達させて回動させるようにしている。
【0070】
また、この排液口54としては、筒状部材53の内径を縮小するように鍔状縁部材53aに、図7の点線に示すように、大孔54aと小孔54bが対称位置にそれぞれ4個づつ形成されている。この上に重なるように、大孔54aと同径の孔58aが対称位置にそれぞれ4個づつ形成された回転バルブ部材58が回転自在に設けられており、回転バルブ部材58が回転駆動でその孔58aと大孔54aとが重なったときに急速排液速度を得ることが可能となり、また、その孔58aと小孔54bとが重なったときに急速排液速度よりも低い低排液速度を得ることが可能となるようになっている。また、回転バルブ部材58の孔58aが大孔54aと小孔54b共に重ならないときには、排液口54に対する閉止状態となる構成である。さらに、この回転バルブ部材58は、水洗槽51内の純水の圧力によって鍔状縁部材53aに押えつけられる構造となっており、水洗槽51内外の密閉度が高い構造である。また、このモータ56を回動制御する制御手段としてのモータ駆動制御部59が設けられており、このモータ駆動制御部59とモータ56とは信号線および電力線で接続されている。
【0071】
このモータ駆動制御部59でモータ56を介して回転バルブ部材58の回動角度およびその方向を制御することで、この回転バルブ部材58の孔58aで排液口54の孔58aまたは小孔54bを選択的に開閉して排液量および排液停止を制御することができるようになっている。
【0072】
このように、急速排液バルブ本体55は、2段階に排液速度を可変可能な可変排液手段で構成されており、モータ駆動制御部59は、少なくとも水洗槽51内の液面がウエハ2の上端から、急速排液バルブ本体55内のモータ56を所定角度制御することで、回転バルブ部材58の孔58aを排液口54の小孔54bと重ねて開口面積を小さく設定して、急速排液速度よりも低い低排液速度で水洗槽51内の処理済み液を排液させて水洗槽51内の液面外に少なくともウエハ2の所定の一部を位置させた後に、急速排液バルブ本体55内のモータ56を所定角度回動制御することで、回転バルブ部材58の孔58aを排液口54の大孔54aと重ねて開口面積を大きく設定して、急速排液速度で水洗槽51内の処理済み液を急速排液させるように制御する構成としている。
【0073】
上記構成により、上記実施形態1の第1排液手段25aと第2排液手段25bを設けずに、複数段階(本実施形態3では2段階)の排液速度が可変可能な可変排液手段としての急速排液バルブ本体55を用いているため、ウエハ2同士が互いにくっつかない上記実施形態1の効果に加えて、そのための部品点数を少なくすることができる。また、本実施形態3では示していないが、排液速度を複数段階に可変可能な可変排液手段とすれば、ウエハ2同士が互いにくっつかない程度に、液面低下に伴って排液速度を速くすることで、液面外にウエハ2の所定の一部を位置させて急速排液するまでの排液をより効率よく行うことができて、排液処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0074】
なお、上記実施形態3でも、排液口54および急速排液バルブ本体55を水洗槽51の側壁底部に設けたが、その底面部分に設けることもできる。
【0075】
なお、上記実施形態1〜3では、処理槽内の処理液面が基板上端に至るまでの間も低速排液処理としたが、処理槽内の処理液面が基板上端に至るまでは急速排液速度で処理槽内の処理済み液を急速排液させるようにすれば、排液処理にかかる時間をさらに短縮化することができる。
【0076】
なお、上記実施形態1〜3のウエットステーション1は、本発明に係る機能水洗処理部12が適用される多槽式基板処理装置の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、多槽式基板処理装置だけではなく、単槽式基板処理装置に対しても、処理液の急速排液を行って処理液を置換する場合に適用可能なことはいうまでもないことである。また、例えば、上記実施形態1,2では本発明を機能水洗処理部12に適応したが、機能水洗処理部12に限らず処理液の置換時に適応され、例えば燐酸処理部10,11に本発明を適応してもよい。さらに、上記実施形態1,2の処理ユニット7では、一連の各種薬液処理として、窒化膜除去処理の槽構成について説明してきたが、この窒化膜除去処理の他に、レジスト剥離処理、酸化膜エッチング処理、ライトエッチング処理および拡散前洗浄処理などの各種薬液処理であってもよいことは言うまでもないことである。
【0077】
このように、本発明は、例えば同一槽で機能水洗処理以外に薬液処理も行う所謂ワンバス式の基板処理装置にも適応可能である。本発明にかかる基板処理装置の適応範囲は、本実施形態1〜3による機能水洗処理部12に限定されず、基板を浸漬させて処理する基板処理装置全般に適応可能である。
【0078】
また、上記実施形態1〜3では、水洗槽21内の処置済み処理液を急速排液する前に、水洗槽21内の処理液面外にウエハ2の上側を位置させ、このとき、ウエハ2の表面が空気に晒されるのを防止するために、シャワー手段26によってウエハ2の表面にシャワーを行ったが、これに限らず、シャワー手段26の代りに窒素パージするようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の方法によれば、処理槽から処理液を排液する工程にて、処理槽内の処理液の液面が、基板上端より下で基板下端より上の間に、処理液排液速度を、第1の排液速度から、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に変更するので、処理液の液面は次のように下がる。すなわち、基板全体を浸漬していた処理液の液面が、少なくとも基板の上端まで下がってからは、基板の一部が処理液の液面から出るまでの間、基板同士が接触してくっつくことが起こり難い第1の排液速度で排液され、基板の一部が液面から出てからは、第1の排液速度より高速の第2の排液速度で排液される。かかる第2の排液速度での排液は、基板の一部が処理液中から出ているので、液の流れによって基板の上端同士が接触することは起こり難く、高速排液であるが、基板同士がくっつくことはなく、基板の表面同士の接触によるくっつきによる基板の損傷が防止される。また、処理槽内の処理液の液面が基板上端に至るまでは急速排液速度で処理槽内の処理済み液を急速排液させるため、排液処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0080】
また、本発明の請求項2に記載の装置によれば、排液速度を変更可能な排液手段を有し、処理液の液面が、基板上端より下で基板下端より上の位置にて、排液速度を、第1の排液速度から、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に変更するよう制御する制御手段を有するので、処理液の液面は次のように下がる。すなわち、基板全体を浸漬していた処理液の液面が、基板の上端位置から、基板の一部が液面より出る位置までの区間は、基板同士が接触してくっつくことが起こり難い第1の排液速度で排液され、この区間から下では、第1の排液速度より高速の第2の排液速度で排液される。かかる第2の排液速度での排液は、基板の一部が処理液中から出ているので、液の流れによって基板の上端同士が接触することは起こり難く、高速の排液であるが、基板同士がくっつくことはなく、基板の表面同士の接触によるくっつきによる基板の損傷が防止される。また、処理槽内の処理液の液面が基板上端に至るまでは急速排液速度で処理槽内の処理済み液を急速排液させるため、排液処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0081】
また、本発明の請求項3によれば、基板同士のくっつきを防止するべく、第1排液手段と第2排液手段を切り換えるだけの簡単な構成およびその制御とすることができる。
【0082】
さらに、本発明の請求項4,5,6によれば、第1排液手段と第2排液手段を設けずに、複数段階の排液速度が可変可能な可変排液手段だけを用いるため、基板同士が互いにくっつかない請求項1の効果に加えて、そのための部品点数を少なくすることができる。また、排液速度を複数段階に可変可能な可変排液手段とすれば、基板同士が互いにくっつかない程度に、液面低下に伴って排液速度を順次速くするようにすれば、処理液面外に基板の所定の一部を位置させて急速排液するまでの排液時間をより効率よく排液することができて、排液処理にかかる時間を短縮化することができる。
【0083】
また、本発明の請求項7によれば、排液手段を複数個で構成し、制御手段は、第1の個数の排液手段を制御することによる第1の排液速度での排液から、第1の個数よりも多い数の第2の個数の排液手段を制御することによる第2の排液速度で排液するように排液手段を制御するようにしたので、第1の排液速度から第2の排液速度への切り替えは、複数個の備える排液手段のうち、排液状態にある排液手段の個数を増加することで行い、増加させる個数を加減することで、増加する程度を簡単に調節できる。
【0084】
さらに、本発明の請求項8によれば、処理槽内の処理液の液面が基板上端に至るまでは急速排液速度で処理槽内の処理済み液を急速排液させるため、排液処理にかかる時間をさらに短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1における基板処理装置を組み込んでなるウエットステーションの概略構成を示す平面図である。
【図2】 図1の機能水洗処理部の構成を示す模式図である。
【図3】 図1の機能水洗処理部における各工程を模式的に示す縦断面図であり、(a)はウエハ上昇状態、(b)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態から低速排液状態およびシャワー出力状態になる状態、(c)は低速排液状態から急速排液状態になる状態、(d)はアップフロー状態、(e)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態を示す図である。
【図4】 (a)はオーバーフロー用の純水供給、(b)はシャワー出力、(c)は低速排液、(d)は急速排液の制御を示す動作タイミング図である。
【図5】 本発明の実施形態2における基板処理装置の水洗槽の縦断面図である。
【図6】 本発明の実施形態3における基板処理装置の水洗槽の縦断面図である。
【図7】 図6の回転バルブの平面図である。
【図8】 従来の機能水洗処理における各工程を模式的に示す薬液処理部、機能水洗処理部の縦断面図であり、(a)はウエハ上昇状態、(b)はウエハ浸漬およびオーバーフロー状態、(c)は急速排液およびシャワー出力状態、(d)はアップフローおよびシャワー出力状態、(e)はオーバーフロー状態を示す図である。
【図9】 (a)はオーバーフロー用の純水供給、(b)はシャワー出力、(c)は急速排液の制御を示す動作タイミング図である。
【図10】 (a)は図8(a)の複数のウエハおよびウエハガイドの保持用溝部の一部縦断面図、(b)は液面の急激な低下によるウエハ同士のくっつき状態を示すウエハおよびウエハガイドの保持用溝部の一部縦断面図である。
【符号の説明】
1 ウエットステーション
2 半導体ウエハ
7 処理ユニット
12 機能水洗処理部
21,41,51 水洗槽
21a 上部開口端
22 純水供給手段
23 ウエハガイド
25a,25b 排液手段
26 シャワー手段
27 制御手段
28,34 筒状部材
30,33a,33b,36 バルブ部材
31a,31b,44,54 排液口
42,52 ナット部材
43,53 筒状部材
45,55 急速排液バルブ本体
45a,55a 外ねじ部
46 第1シリンダ
47,57 固定部材
48 第2シリンダ
49 バルブ部材
50 シリンダ駆動制御部
56 モータ
58 回転バルブ部材
59 モータ駆動制御部
Claims (8)
- ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬する浸漬工程と、処理槽から処理液を排液する排液工程とからなる基板処理方法であって、
前記排液工程において、前記処理槽内の処理液の液面が、基板上端に至ると第1の排液速度で当該処理液を排液し、
前記処理槽内の処理液の排液を開始してから当該処理液の液面が前記基板上端に至るまでの間と、当該処理液の液面が、前記基板の上側の一部が露出する位置となったとき以降とを、前記第1の排液速度より高速である第2の排液速度で当該処理液を排液する基板処理方法。 - ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置であって、
処理液を前記処理槽から排液可能であり、排液速度を変更可能な排液手段と、前記処理槽内の処理液の液面が、前記基板上端に至ると第1の排液速度で当該処理液を排液し、前記処理槽内の処理液の排液を開始してから当該処理液の液面が前記基板上端に至るまでの間と、当該処理液の液面が、前記基板の上側の一部が露出する位置となったとき以降とを、前記第1の排液速度より高速である第2の排液速度で当該処理液を排液するように、前記排液手段を制御する制御手段と、を備えた基板処理装置。 - ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、
第1の排液速度で排液する第1排液手段と、第1の排液速度より急速な第2の排液速度で排液する第2排液手段とを有し、排液速度を可変させて、前記処理槽内の処理液を排液可能に構成される排液手段と、
前記処理液の液面が、基板上端より下で、基板下端より上位置にて、前記第1排液手段による第1の排液速度での排液から、前記第2排液手段による第2の排液速度での排液に切り換えるように、前記第1排液手段と前記第2排液手段を制御する制御手段とを備え、
前記第1排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた第1の開口面積を有して当該処理槽内の処理液を第1の排液速度で排液する第1排液口と、この第1排液口に連結され、前記処理槽の外側に接続された配管部材と、この配管部材の途中に配設された第1バルブ部材とを有し、
前記第2排液手段は、前記第1の開口面積より大きい第2の開口面積を有するように前記処理槽の壁面に設けられて当該処理槽内の処理液を第1の排液速度より急速な第2の排液速度で排液する第2排液口と、この第2排液口に連結され、前記処理槽の外側に接続された配管部材と、この配管部材の途中に配設された第2バルブ部材とを有し、
前記制御手段は、前記処理液の液面が、基板上端より下で、基板下端より上位置にて、前記第2バルブ部材を閉状態にして前記第1バルブ部材を開状態にすることによる第1の排液速度での排液から、前記第1バルブ部材を閉状態にして前記第2バルブ部材を開状態にすることによる第2の排液速度での排液に切り換える基板処理装置。 - ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、
複数段階に排液速度を変更可能な可変排液手段で構成され、前記処理液を前記処理槽から排液する排液手段と、
前記排液手段を制御し、前記処理液の液面が基板上端より下で基板下端より上となる位置にて、排液速度を第1の排液速度から段階的に順次上げていき、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に到達させる制御手段とを有し、
前記可変排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた所定の開口面積を有する排液口と、前記排液口を塞ぐためのバルブ部材と、を備え、
前記制御手段は、前記バルブ部材と前記排液口とによって形成される隙間の大きさが複数段階に変化するように前記バルブ部材の移動を制御して、第1の排液速度から排液速度を段階的に順次上げて第2の排液速度に到達させる基板処理装置。 - 前記可変排液手段は、内包する流体の圧力により前記バルブ部材の位置を移動させるシリンダを複数段階に更に備え、
前記制御手段は、前記流体に圧力を加える前記シリンダの数を複数段階に変えるように制御することにより前記バルブ部材の位置を複数段階に移動させる請求項4に記載の基板処理装置。 - 前記可変排液手段は、前記バルブ部材の位置を前記壁面と略並行に回転移動させる、前記バルブ部材に接続されたモータを更に備え、
前記制御手段は、前記モータを動作させて前記バルブ部材を複数段階に回転移動させ、前記バルブ部材によって塞がれていない前記排液口の部分の大きさを複数段階に変化させる請求項4に記載の基板処理装置。 - ガイド部材に形成された溝に基板の下部を差し込むことにより、複数枚の基板を互いに所定ピッチで隣接させた立直姿勢にして複数枚の基板の下部のみを前記ガイド部材により保持した状態で処理槽内の処理液中に浸漬させて処理を施す基板処理装置において、
処理液を前記処理槽から排液可能に構成され、排液速度を変更可能な排液手段と、
この排液手段を制御して、処理液の液面が基板上端より下で基板下端より上となる位置にて、前記処理液の排液速度を、第1の排液速度から、第1の排液速度より高速である第2の排液速度に変更するよう制御する制御手段とを備え、
前記排液手段は、前記処理槽の壁面に設けられた複数の排液口と、これらの複数の排液口にそれぞれ連結され、前記処理槽の外側に接続された複数の配管部材と、各配管部材の途中にそれぞれ配設された複数のバルブ部材とを備え、
前記制御手段は、処理槽内の処理液の液面が、基板上端より下で基板下端より上位置にて、第1の個数の前記バルブ部材を開状態に制御することによる第1の排液速度での排液から、第1の個数よりも多い数の第2の個数の前記バルブ部材を開状態に制御することによる第2の排液速度で排液するように排液手段を制御する基板処理装置。 - 前記制御手段は、前記処理槽内の処理液の液面が基板上端に至るまでは前記第2の排液速度で前記処理槽内の処理済み液を急速排液させるように制御する請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の基板処理装置。
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