JP4214431B2 - キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は瓶等の容器の口部に装着して用いるキャップに関する。特にそれを装着した容器の分別回収に適したキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のキャップとしては一般に図12及び図13に示すような構造のものが提案されている。同図において14は合成樹脂製の中栓であり、15は同じく外蓋である。そして中栓14は突条1を有する筒部2、スコア3を形成した頂壁5を有し、4は通口形成部であり、前記突条1は容器20の凹条21に係合している。22は内筒、23はプルリング、8は前記突条1の下で周方向に形成された薄肉状の弱化ラインである。
【0003】
24は切欠きであり、前記筒部2下端部9から上向きに形成され、その上端から前記弱化ライン8に対し薄肉状の上向き弱化ライン25が接続させられている。
26は容器20のビード、27は摘みを示す。
又同種のキャップとして図14及び図15に示すようなものも提案されている。同図において図12及び13に示すものと同一図面符号のものは同一名称であり、同一機能を果たすものであるので説明を省略する。
同図において28は摘み27の内側に設けられた突起である。この突起28は容器20の表面に圧接して摘み27を同表面から離し、図15から容易に理解できるように周方向において開口し、摘み27を摘み易く形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし図12及び図13に示すようなキャップは次に述べるような問題を有している。それは摘み27が摘みにくいのである。摘み27は容器20表面に密接しているため爪を摘み27と容器20の表面の間に押し込むのがやや困難であり、面倒である。又強く爪を押し込むため指肉と爪の間に摘み27が押し込まれ、怪我をする場合がある。又そのキャップが同図に示すようにビード26の形成されている容器に装着された場合、同ビード26が障害となり、一層摘み27と容器20の表面との間に爪を差し込むのが困難になるのである。
又図14及び図15に示すキャップは容器に装着する際に打栓機の前方において、整列して進行し供給されるが、その進行中に図15に示すように摘み27相互がいわゆる咬み合い、係合し、もつれ合って供給ができず、このため打栓作業が停止する場合がある。
【0005】
この発明は上記のような種々の問題を解決して、弱化ライン8の下の筒部2の除去に際して、摘みと容器の表面との間に爪を差し込むのが容易にでき、又強く爪を摘み部と容器の間に押し込むことによる怪我を防止することができ、しかも打栓機に供給する際に整列機上で摘み部27相互がいわゆる咬み合うことがなく、従ってもつれ合って供給ができずに打栓作業の停止されることのないキャップを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するこの発明について述べるとそれは、合成樹脂により形成され、容器口部の外周の凹条と係合する突条1を有する筒部2に、一体に形成された、スコア3により通口形成部4を区画された頂壁5;前記筒部2の、突条1の下に形成された穴状の欠如部6;該欠如部6の左右方向の一端部7から前記突条1の下でかつ周方向に形成された弱化ライン8;前記欠如部6の下縁13から前記筒部2の下端部9に達して設けられた弱化線10;前記欠如部6と前記下端部9間の筒部2の内側に設けられた突起11;該突起11により前記欠如部6の上縁12よりも半径方向外方に位置させられた前記欠如部6の下縁13;該下縁13と前記下端部9間に形成された摘み部18;上記各構成により形成された中栓14と該中栓14の上に装着される外蓋15;から成ることを特徴とするキャップである。
又、突起11は弱化線10に接して、又は弱化線10の近傍に位置して設けられている前記キャップである。
又、欠如部6は周方向に細長く形成されている前記キャップである。
又、突起11は弱化線10の片側に形成されている前記キャップである。
又、突起11は弱化線10の両側に形成されている前記キャップである。
又、突起11は上方が下方より肉厚となる傾斜を有して形成されている前記キャップである。
又、突起11は欠如部6と筒部2の下端部9との間の、中間より上の位置に形成されている前記キャップである。
又、弱化ライン8はその末端部16が欠如部6の他端部17に至る途中で終了している前記キャップである。
又、弱化ライン8はその末端部16が欠如部6の他端部17に達して形成されている前記キャップである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図5において14は合成樹脂製の、一例としてポリエチレンにより形成された中栓であり、ヒンジ30を介して一体に外蓋15を有している。但しこの外蓋15は上記のようにヒンジによって設けられるものに限らず、図示は省略するが螺合によるもの、又は係合によるもの等であっても差し支えなく、それ等を含むものである。
又図において中栓14は円筒状の筒部2とその上方に一体に形成された頂壁5を有しており、筒部2はその内面に容器20の口部の外周に形成された凹条21に圧接係合する突条1を有している。
【0008】
3は無端状のスコアであり、これにより通口形成部4が形成されている。
そして前記突条1の下に、筒部2の内面に薄肉状の弱化ライン8が、前記突条1に沿って形成されており、かつ又筒部2の一部には図示のように突条1の下に、横方向に細長く穴状の欠如部6が形成されており、前記弱化ライン8は前記欠如部6の周方向の一端部7に接続して居り、かつ筒部2を周回して多端部17に接続して形成されている。なおこの弱化ライン8は図4に示すように前記一端部7に接続してのち、周方向に延伸して形成され、前記他端部17に達せずに、その途中で終了して構成されてもよく、このような構成も含むものである。そして前記欠如部6の下縁13から筒部2の下端部9に至る薄肉状の弱化線10が形成されている。この弱化線10は薄肉状の外に図示しないミシン目状であってもよく、又は小孔の連続したものでもよく、要するに、破断し易く線状に形成された部分であれば差し支えはない。
【0009】
次に11は前記筒部2の内面で欠如部6の下方に、かつ前記弱化線10に接して、又はその近傍に設けられた突起である。そしてこの突起11は図5に示すように上部が下部よりも厚く形成されている。或いは又図6に示すように、欠如部6の下方の筒部2の巾の中央部より上に設けられている。これらにより図示のように上方が開き、爪を入れ易くなっている。又この突起11は図1、図2に示すように弱化線10の片側に設けられたものと、図7に示すように弱化線10の両側に形成されてもよい。そして上記突起11により、前記欠如部6の下縁13は上縁12より半径方向外方に位置させられており、摘み部18が形成されている。
【0010】
従ってこのキャップを装着した容器の回収の際に、この下縁13と容器20の表面の間に爪を差し込んで上記下縁13下部の摘み部18を摘むのが容易である。即ち前記従来のように容器20と密接した摘み27の間に無理に爪を押し込む面倒さとそれによる怪我を防止できる。又図11に示すように容器に打栓の際に打栓機に供給される整列機上でキャップ相互が接触しても、摘み部18は前記従来例に示すものと異り周方向に開口してなく、上向きに開口しているため相互に咬み合うことがなく、係合し合わない。このためキャップ相互がもつれて打栓作業が停止してしまうのを防止できる。
【0011】
なお22は内筒であり、頂壁5と前記筒部2により容器1の口部を内外から圧接挟持している。又31は注出筒、23はプルリング、32は外蓋15の閉止の際にその係合部33と係止する係止部、34は鍔部を示す。又図5において35は突起11の肉厚部であり、下部36より肉厚に形成されている。
このように形成されたキャップは容器20に装着され、消費者等の使用者が使用する場合は外蓋15を開いてプルリング23を引っ張り、スコア3を破断し、通口を形成して容器20内の図示しない内容品を注出して使用する。その内容品を消費して容器20を回収する際は、図5に示すように欠如部6の下縁13と容器20の表面との間の隙間に爪37を差し込み、それにより摘み部18を摘んで、下方に引っ張り、弱化線10を破断しついで周方向に引っ張り弱化ライン8を破断する。なおこの場合弱化線10の上端には破断開始用の切り欠き38が形成されてあり、このため破断開始が容易にできる。
【0012】
次に弱化ライン8より下の部分を除去したならば図8に示すように素手39でキャップを掴み、一部分から前記突条1を前記凹条21から外し、それを次第に全周に及ぼして外し取るのである。又その外図9に示すように栓抜き40により外し取る。又弱化ライン8が欠如部6の他端部17に達しないものは、破断が弱化ライン8の末端に達したならば、図10に示すように破断した筒部2を掴み、上方に引っ張り、このキャップを外すのである。この場合破断した筒部2の部分は比較的長いから図示のように掴みしろが長くなり、充分に強く掴むことができ、そうしてこれを上方に引っ張ることにより、このキャップを容易に外すことができる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明は前記のように構成され、欠如部6の下縁13は上向きで、かつ上縁12よりも半径方向外方に位置させられたことにより、自然の状態で下向きとなっている人差し指の爪をそのままの状態で、かつ欠如部6に余裕を持って差し込むことができ、前記従来のように爪と指肉の間に摘み27を突き差して怪我をするのを防止できる。
次に前記差し込みと同一の一連の動作で下方に引いて弱化線10を破断できる。又爪を差し込む欠如部6は上方に開口していて、周方向に開口していないため。打栓機に供給する整列機上で、キャップ相互が周方向において咬み合ってしまって打栓作業が停止されてしまうのを防止することができる。
【0014】
請求項2の発明は前記のように構成されたことにより、突起11の部分は剛性が高く形成されており、弱化線10破断の際に変形しないため弱化線10の破断を容易にすることができる。
請求項3の発明は前記のように構成されたことにより、欠如部6に指の爪を差し込む際に容易に差し込むことができ、かつ又周方向に即ち弱化ラインの破断の始まりを同じ方向のため容易にすることができる。
【0015】
請求項4の発明は前記のように構成されたことにより簡単な構造にもかかわらず欠如部6の下縁13を上縁12より半径方向外方に位置させることができ、欠如部6に爪を差し込み易くすることができる。
請求項5の発明は前記のように構成されたことにより、弱化線10の両側の剛性が高められているこよにより、弱化線10破断の際その両側は変形せず、即ち伸びがないため、弱化線10に応力集中が起き易いから弱化線10の破断を容易にすることができる。
【0016】
請求項6及び請求項7の発明は共に前記のように構成されたことにより、簡単な構造にもかかわらず、摘み部18を上部が下部より半径方向外方に位置するように傾斜させることができ、欠如部6に爪を差し入れ易くすることができる。
従って摘み部18を摘み易くすることができる。
請求項8の発明は前記のように構成されたことにより、弱化線10及び弱化ライン8を共に破断した場合、摘み部18に続く、前記弱化ライン8の下方の筒部2の部分は比較的長い形態のためこれを充分に強く掴むことができ、従ってこれを掴んで上方に引っ張れば強く付勢でき、容易にキャップを外し取ることができる。このため栓抜き等がなくても素手で外すことができる。
【0017】
請求項9の発明は前記のように構成されたことにより、摘み部18を摘んで外方に引っ張れば、弱化線10が破断しついで弱化ライン8が欠如部6の両端に亘って破断するため、弱化ライン8より下方の筒部2を除去することが容易にできる。この状態はキャップの突条が容器の凹条に係合している部分はキャップの下端部の位置となるため、部分的に外すことが容易となり、そうして外した部分を全体に及ぼすように力を加えれば素手で容易に外すことができる。
又栓抜きを用いて破断した弱化ライン8の部分と、この中栓の上部に亘って掛けて容易に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示し、キャップを容器に装着した場合の正面図である。
【図2】図1に示すキャップの腰部の斜視図である。
【図3】図1のA−A線矢視断面図である。
【図4】この発明の他の実施例を示し、キャップを容器に装着した際の部分断面図である。
【図5】図1に示すキャップの作用を説明する図である。
【図6】この発明の更に他の実施例を示し、図5と同様の部分を示す図である。
【図7】この発明の更に他の実施例を示し、図1に相当する図である。
【図8】この発明のキャップを容器から外す場合を示し、素手により外す場合の説明図である。
【図9】同じく栓抜きを用いて容器から外す場合の説明図である。
【図10】図4に示すキャップを容器から外す場合の説明図である。
【図11】この発明のキャップが、打栓機に供給される途中の整列機上で接触する場合の一例を示す平面図である。
【図12】従来のキャップの、容器の装着した場合の断面図である。
【図13】図12に示すキャップの正面図である。
【図14】図1と異なる従来のキャップの正面図である。
【図15】図14に示す従来のキャップが、打栓機に供給される途中の整列機上で、摘み相互が係合し、もつれ合って打栓機の作業を停止させる状態の表面図である。
【符号の説明】
1 突条
2 筒部
3 スコア
4 通口形成部
5 頂壁
6 欠如部
7 一端部
8 弱化ライン
9 下端部
10 弱化線
11 突起
12 上縁
13 下縁
14 中栓
15 外蓋
16 末端部
17 他端部
18 摘み部

Claims (9)

  1. 合成樹脂により形成され、容器口部の外周の凹条と係合する突条1を有する筒部2に、一体に形成された、スコア3により通口形成部4を区画された頂壁5;前記筒部2の、突条1の下に形成された穴状の欠如部6;該欠如部6の左右方向の一端部7から前記突条1の下でかつ周方向に形成された弱化ライン8;前記欠如部6の下縁13から前記筒部2の下端部9に達して設けられた弱化線10;前記欠如部6と前記下端部9間の筒部2の内側に設けられた突起11;該突起11により前記欠如部6の上縁12よりも半径方向外方に位置させられた前記欠如部6の下縁13;該下縁13と前記下端部9間に形成された摘み部18;上記各構成により形成された中栓14と該中栓14の上に装着される外蓋15;から成ることを特徴とするキャップ。
  2. 突起11は弱化線10に接して、又は弱化線10の近傍に位置して設けられている請求項1記載のキャップ。
  3. 欠如部6は周方向に細長く形成されている請求項1又は2記載のキャップ。
  4. 突起11は弱化線10の片側に形成されている請求項1、2又は3記載のキャップ。
  5. 突起11は弱化線10の両側に形成されている請求項1、2又は3記載のキャップ。
  6. 突起11は上方が下方より肉厚となる傾斜を有して形成されている請求項1、2、3、4又は5記載のキャップ。
  7. 突起11は欠如部6と筒部2の下端部9との間の、中間より上の位置に形成されている請求項1、2、3、4又は5記載のキャップ。
  8. 弱化ライン8はその末端部16が欠如部6の他端部17に至る途中で終了している請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のキャップ。
  9. 弱化ライン8はその末端部16が欠如部6の他端部17に達して形成されている請求項1、2、3、4、5、6、又は7記載のキャップ。
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