JP4122847B2 - 不正開封防止キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピルファープルーフ機能を有すると共に、分別回収を容易に行なえるようにした不正開封防止キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるピルファープルーフ機能を有するキャップとして、壜本体の口筒外周に螺合するキャップ本体の下端に、複数の細い接続片を介して、口筒外周の係止突条に抜け出し不能に係止するリングを連結して構成され、開封時のキャップ螺脱操作により上記接続片が破断されて、口筒の下部に残るリングと螺脱するキャップ本体とに分離し、これによりキャップが開封されたことを判別できるようにした不正開封防止キャップが広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、廃棄物のリサイクル利用の見地から、この種のキャップと壜本体とが異なる材質の場合、上記リングも壜本体から取外して分別回収する必要があるが、上記した従来技術にあっては、リングが係止突条により容易に抜け出し不能な状態で、壜本体の口筒下部に残るため、分別回収に当って、このリングを壜本体から容易に取外すことができない、と云う問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、開封判別用のリングを壜本体から容易に取外しできるようにすることを技術的課題とし、もってこの種の不正開封防止キャップの分別回収を、容易にかつ迅速に行なえるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
周筒の内周面に、壜本体の口筒外周面の螺旋条に螺合する螺条が刻設されたキャップ本体を有すること、
キャップ本体の周筒の下端に、破断可能な複数本の接続片と、この接続片より太い比較的強固な一本の連結片とを介して連結され、この連結片の螺脱方向側近傍の上端部に、破断可能な肉薄溝状の弱化部を設けると共に、連結片の螺合方向側近辺部分を除く内周面部分に、壜本体の口筒外周面の係止突条に下方から係止する複数の係止爪片を周方向に設けた開封判別用のリングを有すること、
にある。
【0006】
キャップの開封に際し、キャップを螺脱回転させると、キャップ本体が回転上昇変位するのに対し、リングはその係止爪片が壜本体の係止突条に係止して上昇を阻止されるため、両者を連結している部材のうち、破断し易い接続片は破断される。
【0007】
これに対して、連結片は接続片より太くて比較的強固であり、かつその近辺部分には係止爪片が設けてないので、連結片に加わる力は比較的小さく、従って連結片は破断することなく、リングの連結部分を上方へ引っ張るため、その近傍の弱化部が破断される(図5参照)。
【0008】
次いで、そのままキャップ本体を螺脱させれば、連結片で連結された状態でリングも壜本体の口筒から簡単に外れるため、リングの取り外しに特別の操作を要することなく、キャップの分別回収を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、複数の係止爪片を、弱化部の螺脱方向側近傍から螺脱方向へ密から粗の状態になるように配設した、ことを加えたものである。
【0010】
この請求項2記載の発明にあっては、キャップの螺脱開封時に、係止爪片の係止により連結片に加わる力をより軽減することができ、これにより連結片の破断を確実に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
キャップ本体1は、その周筒2の内周面に、壜本体11の口筒12の外周面に刻設された螺旋条13に螺合する螺条3が刻設されていると共に、周筒2の下端面には、螺合方向側に垂直状の係止面を有する複数の係止片4が突設されている。
【0012】
開封判別用のリング7は、周筒2の下位に、複数本の破断可能な細い接続片5と、この接続片5より太い比較的強固な一本の連結片6と、を介して連結されており、この連結片6の螺脱方向側近傍の上端部に、破断可能な肉薄溝状の弱化部8がリング壁の全幅方向に形成されていると共に、内周面の所定の範囲には、壜本体11の口筒12の外周面下部に周設された係止突条14に下方から係止する複数の係止爪片9が一体設されている。
【0013】
この係止爪片9は、キャップの螺脱による開封時に、連結片6を破断するような力がリング7に加わらないように、連結片6の螺合方向側近辺のリング内周面、例えば図3に示すように、弱化部8から螺合方向側へ内周長の1/6〜1/4程度の部分には設けないのが良く、かつまた同じ理由により、係止爪片9を、弱化部8の螺脱方向側近傍から、この方向へ密から粗の状態になるように設けるのが良い。
【0014】
また、リング壁の上端面には、キャップ本体1の係止片4の螺脱方向側の係止面に当接、係止するストッパ片10を突設し、これにより、内容物充填後、壜本体11の口筒12にキャップを螺合組付けする際に、接続片5が破断してしまうことを防止している。
【0015】
なお、図示実施例にあっては、リング7のリング壁の全幅範囲に亘って形成された弱化部8は、リング7の上端部に破断可能な肉薄部分を残存形成した状態で、残部を切り欠きとした構造とすることにより、その破断が容易である構成となっているが、弱化部8全域を破断可能な肉薄部分で構成しても良い。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、キャップを螺脱開封操作すると、キャップ本体と開封判別用のリングとを連結している接続片と、リングの弱化部は破断されるが、連結片は破断されないので、そのままキャップ本体を螺脱させれば、連結片で連結された状態でリングも壜本体の口筒から簡単に外れるため、リングの取外しに特別の操作を要することなく、この種の不正開封防止キャップの分別回収を容易にかつ迅速に行なうことができる。
【0017】
請求項2記載の発明にあっては、キャップの螺脱開封時に、係止突条に対する係止爪片の係止により連結片に加わる力をより軽減することができ、これにより連結片の破断を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、全体斜視図。
【図2】図1に示した実施例の、壜本体に組付けた状態の半縦断面図。
【図3】図2中、A−A線で切断矢視したリング部分の全体平面図。
【図4】図1に示した実施例の、要部拡大斜視図。
【図5】図1に示した実施例の、キャップ取外し状態を示す要部拡大斜視図。
【符号の説明】
1 ; キャップ本体
2 ; 周筒
3 ; 螺条
4 ; 係止片
5 ; 接続片
6 ; 連結片
7 ; リング
8 ; 弱化部
9 ; 係止爪片
10 ; ストッパ片
11 ; 壜本体
12 ; 口筒
13 ; 螺旋条
14 ; 係止突条

Claims (2)

  1. 周筒(2)の内周面に、壜本体(11)の口筒(12)外周面の螺旋条(13)に螺合する螺条(3)が刻設されたキャップ本体(1)と、前記周筒(2)の下端に、破断可能な複数本の接続片(5)と、該接続片(5)よりも太い比較的強固な一本の連結片(6)とを介して連結され、該連結片(6)の螺脱方向側近傍の上端部に、破断可能な肉薄溝状の弱化部(8)を設けると共に、該連結片(6)の螺合方向側近辺部分を除く内周面部分に、壜本体(11)の口筒(12)外周面の係止突条(14)に下方から係止する複数の係止爪片(9)を周方向に設けた開封判別用のリング(7)と、から成る不正開封防止キャップ。
  2. 複数の係止爪片(9)を、弱化部(8)の螺脱方向近傍から螺脱方向へ密から粗の状態になるように配設した、請求項1記載の不正開封防止キャップ。
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