JP4214337B2 - 尿分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄手段を有し、試薬パッドを利用した尿分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
全自動尿化学分析装置においては、一般に、検査対象としての尿をノズルから吸引し、その尿をノズルから試薬パッドに滴下することにより、試薬パッドの反応に基づいて尿の検査を行なっている。また、試薬パッドへの尿の滴下が終了し、次の検体としての尿を吸引する前に、ノズルを含む尿の流路を洗浄液により洗浄している。このように洗浄を行うのは、たとえば検体が血尿であった場合、尿中のヘモグロビンが流路中に残留し、洗浄を行わないと、次の検体としての尿が正常な尿であったとしても、その中にヘモグロビンが混ざり込むので、試薬パッドによる検査の結果、血尿と誤判定されてしまうためである。
【0003】
このような洗浄を良好に行うために、従来、超音波振動子を用いてノズルを振動させ、ノズルに付着した検体を振り落とす構成の分注ノズル洗浄装置が提案されている(特開平5−1983号公報参照)。
【0004】
ところが、このような装置では、超音波振動子によりノズルを振動させるための構成が複雑なものとなり、製造コストの上昇を招くと同時に、装置の小型化、軽量化の妨げとなることがあった。
【0005】
また、他の例では、ブラシによりノズルを洗浄する構成のピペット洗浄装置が提案されている(実開平6−15772号公報参照)。
【0006】
このような装置においても、超音波振動を利用する場合と同様に、ブラシを回転および移動させるための構成が複雑なものとなり、製造コストの上昇を招くと同時に、装置の小型化、軽量化の妨げとなることがあった。
【0007】
そこで、装置の構成を複雑化させない洗浄方法としては、たとえば、各検体の検査毎に、充分な量の洗浄液で充分に時間をかけて洗浄を行うという方法が考えられる。
【0008】
ところが、全ての検体中における充分な洗浄が必要な高濃度の血尿の検体の割合は、たとえば1パーセント以下という低い値であり、このように稀な検体に対処するために、全ての検体に対して過剰な洗浄を行うことは、検査効率を大幅に低下させてしまう結果となる。特に、ヘモグロビンの場合、正常な尿中に含まれるヘモグロビンの濃度と、血尿中に含まれるヘモグロビンの濃度との差が著しく、たとえば10000倍以上の場合もある。したがって、このような高濃度の血尿に対処するためには、洗浄能力を充分に高める必要があり、全ての検体に対してこのような高い洗浄能力での洗浄を行った場合、検査効率が著しく低下するのである。
【0009】
一方、検査装置以外の技術分野では、たとえば、洗浄の初期に洗浄液の透過率により洗浄条件を決定し、洗浄中における洗浄液の透過率に応じて洗浄条件を補正する構成の食器の洗浄機が提案されている(特開平5−211976号公報参照。
【0010】
ところが、このような構成を尿分析装置に採用した場合、次のような問題が発生する。
【0011】
先ず第1に、洗浄中に洗浄液をモニタするために、洗浄中に洗浄液の透過率を測定する必要があることから、洗浄動作を一時中断しなければならず、このため洗浄時間が長くなってしまう。
【0012】
第2に、食器洗浄機や洗濯機などのバッチ処理を行う装置では、随時洗浄時間を長くしても問題はないが、尿分析装置では連続動作で複数の検体を測定するので、測定中に洗浄時間を変更すると他の検体の測定動作に影響を及ぼす結果となり、好ましくない。
【0013】
なお、試薬パッドにより尿中のヘモグロビン濃度を検出し、洗浄の制御を行う方法も考えられるが、以下の理由により適さない。第1の理由として、充分な洗浄を必要とする血尿の濃度は試薬パッドの検出限界より遥かに高濃度であり、試薬パッドの反応を利用する方法では必要以上に充分な洗浄を行い効率が悪くなる。第2の理由として、試薬パッドの反応には一定の時間を必要とし、その反応の終了時まで充分な洗浄が必要かどうかわからないために装置の処理能力が著しく低下してしまうという問題がある。
【0014】
【発明の開示】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、装置の構成を複雑化させることなく、しかも検査速度を低下させことなく、全体として洗浄能力を向上させることができる尿分析装置を提供することを、その課題とする。
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0016】
本発明の第1の側面によれば、検査対象としての尿をノズルから吸引し、その尿をノズルから試薬パッドに滴下することにより、試薬パッドの反応に基づいて尿の検査を行い、試薬パッドへの尿の滴下が終了したときに、ノズルを含む尿の流路を洗浄液により洗浄する洗浄手段を有する尿分析装置であって、試薬パッドに尿を滴下する前に、ノズルから吸引された尿に含まれる所定成分の濃度を検出する濃度検出手段と、濃度検出手段による検出結果に基づいて、洗浄手段による洗浄能力を変化させる洗浄能力制御手段とを備えたことを特徴とする、尿分析装置が提供される。
【0017】
好ましい実施形態によれば、洗浄能力制御手段は、濃度検出手段による検出結果に応じて、洗浄手段による洗浄回数を変化させる。
【0018】
他の好ましい実施形態によれば、洗浄能力制御手段は、濃度検出手段による検出結果に応じて、洗浄手段による洗浄液の使用量を変化させる。
【0019】
他の好ましい実施形態によれば、濃度検出手段は、所定波長の光による尿の吸光度に基づいて所定成分の濃度を検出する。
【0020】
他の好ましい実施形態によれば、濃度検出手段は、尿の吸光度を複数の波長について測定し、それらの測定結果に基づいて尿に含まれる所定成分の濃度を演算することにより、所定成分以外の成分による検出誤差を低減させる。
【0021】
他の好ましい実施形態によれば、ノズルから吸引された尿の温度を測定する温度測定手段を有し、洗浄能力制御手段は、濃度検出手段による検出結果と温度測定手段による測定結果とに基づいて、洗浄手段による洗浄能力を変化させる。
【0022】
他の好ましい実施形態によれば、濃度検出手段は、尿に含まれるヘモグロビンの濃度を検出する。
【0023】
他の好ましい実施形態によれば、濃度検出手段は、尿に含まれるグルコースの濃度を検出する。
【0024】
他の好ましい実施形態によれば、濃度検出手段は、尿に含まれるタンパク質の濃度を検出する。
【0025】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る尿分析装置を採用した全自動尿化学分析装置の外観斜視図であって、この全自動尿化学分析装置は、本体部1、試験紙供給部2、サンプル供給部3、およびボトルユニット4を備えている。本体部1には、表示部5、操作部6、およびプリンタ部7が設けられている。
【0028】
本体部1には、移動可能なノズルが配置されており、このノズルは、サンプル供給部3に載置された検体としての尿を収容する容器から尿を吸引し、サンプル供給部3に移送された試験紙に設置された複数の試薬パッドに尿を滴下すなわち点着する。
【0029】
このとき、ノズルにより吸引された尿のヘモグロビン濃度が測定され、その測定結果と、ボトルユニット4に収容されている洗浄液の温度とに基づいて、後の洗浄工程における洗浄能力が決定される。
【0030】
尿を滴下された試薬パッドは、本体部1の内部に設置された光学系により色などを測定され、その測定結果に基づいて検査結果が判定されて、検査結果はプリンタ部7により印字出力される。
【0031】
一方、試薬パッドへの尿の点着が終了すると、ノズルを含む尿の流路が洗浄液により洗浄される。このとき、上記のように決定された洗浄能力で洗浄が行なわれる。
【0032】
図2は、図1に示す全自動尿化学分析装置の回路ブロック図であって、CPU11は、ROM12、RAM13、EEPROM14、およびインターフェイス回路15とバス線16により相互に接続されている。インターフェイス回路15には、表示部5、操作部6、プリンタ部7、モータ駆動部21、ポンプ駆動部22、バルブ駆動部23、発光ダイオード24、ホトダイオード25,26、および温度センサ27が接続されている。
【0033】
CPU(central processing unit )11は、ROM12に格納されてRAM13に読み込まれたプログラムに基づいて動作し、全自動尿化学分析装置の全体を制御する。
【0034】
ROM(read only memory)12には、CPU11を動作させるためのプログラムやデータが格納されている。
【0035】
RAM(random access memory)13は、CPU1にワーク領域を提供するとともに、各種のデータやプログラムを一時的に記憶する。
【0036】
EEPROM14は、各種の設定データなどを記憶する。
【0037】
インターフェイス回路15は、CPU1と各種回路との間の通信を制御する。
【0038】
表示部5は、LCD(liquid crystal display)や発光ダイオードなどを備えており、CPU11により制御されて各種の情報を表示する。
【0039】
操作部6は、キースイッチ群などを備えており、使用者の操作に応じた操作信号をCPU11に供給する。
【0040】
プリンタ部7は、CPU11により制御されて、検査結果などを記録用紙に印字する。
【0041】
モータ駆動部21は、CPU11により制御されて、ノズル、試験紙、あるいは検体としての尿を収容する容器などを移動させるための複数のモータを駆動する。
【0042】
ポンプ駆動部22は、CPU11により制御されて、ノズルによる吸引や洗浄を行うための複数のポンプを駆動する。
【0043】
バルブ駆動部23は、CPU11により制御されて、ノズルによる吸引や洗浄を行うための複数のバルブを駆動する。
【0044】
発光ダイオード24は、CPU11により制御されて、ノズルにより吸引された尿のヘモグロビン濃度や濁度を測定するために、測定用の光を放射する。
【0045】
ホトダイオード25は、発光ダイオード24から放射された光のうち、尿を透過した光を受光し、その受光量に応じた検出信号をCPU11に供給する。
【0046】
ホトダイオード26は、発光ダイオード24から放射された光のうち、尿により散乱された光を受光し、その受光量に応じた検出信号をCPU11に供給する。
【0047】
温度センサ27は、洗浄液の温度を検出し、検出信号をCPU11に供給する。
【0048】
なお、図示していないが、インターフェイス回路15には、検査結果のデータを出力するための任意数の出力端子、試験紙に印刷されたバーコードを読み取ってそのデータをCPU11に供給するバーコードリーダ、洗浄液の残量が所定量以下になったことを検出して検出信号をCPU11に供給する液切れセンサなどが接続されている。
【0049】
図3は、図1に示す全自動尿化学分析装置におけるノズル洗浄部の概略構成図であって、ノズル31は、比重計測部32およびヘモグロビン濃度検出部33を介して点着ポンプ34に接続されている。点着ポンプ34は、三方切替弁35の常閉ポート35cに接続されている。三方切替弁35の常開ポート35oは、洗浄液ボトル36に接続されており、三方切替弁35の共通ポート35mは、吸引ポンプ37に接続されている。
【0050】
ノズル31を洗浄するための洗浄槽41の底部は、開閉バルブ42を介して吸排切替ボトル43に接続されており、洗浄槽41の頂部は、開閉バルブ44を介して吸排切替ボトル43に接続されている。廃液槽45は、開閉バルブ46を介して吸排切替ボトル43に接続されている。吸排切替ボトル43は、三方切替弁47を介してエアポンプ48の吸引ポート48aに接続されており、エアポンプ48の排気ポート48bは、三方切替弁49を介して吸排切替ボトル43に接続されている。
【0051】
ノズル31は、モータ駆動部21によって水平方向および上下方向に移動させられる。
【0052】
点着ポンプ34、吸引ポンプ37、およびエアポンプ48は、ポンプ駆動部22によって駆動される。
【0053】
三方切替弁35,47,49、および開閉バルブ42,44,46は、バルブ駆動部23により駆動される。
【0054】
図4は、ヘモグロビン濃度検出部33の概略断面図であって、ヘモグロビン濃度検出部33には、発光ダイオード24、ホトダイオード25、およびホトダイオード26が設置されている。発光ダイオード24とホトダイオード25とは、透明な樹脂管あるいはガラス管からなる尿の流路51を挟んで相対向しており、ホトダイオード26は、発光ダイオード24とホトダイオード25とを結ぶ直線に対して直交する状態で流路51に対向している。
【0055】
次に動作を説明する。尿の吸引に際しては、ノズル31が、尿を収容した容器の上方位置まで移動し、下降する。そして三方切替弁35が、常閉ポート35cと共通ポート35mとが連通する状態に切り替えられ、吸引ポンプ37が吸引方向に駆動される。これにより、ノズル31から尿が吸引され、点着ポンプ34に尿が供給される。
【0056】
このとき、比重計測部32により尿の比重が測定され、また、ヘモグロビン濃度検出部33により尿のヘモグロビン濃度が測定される。比重計測部32においては、周知の方法で、光学系を利用して比重の測定が行われる。
【0057】
ヘモグロビン濃度検出部33においては、ホトダイオード26により尿の濁度が測定され、その結果を利用して、ホトダイオード25により尿のヘモグロビン濃度が測定される。
【0058】
すなわち、発光ダイオード24は、マルチタイプの発光ダイオードであって、ほぼ565nmの波長の光とほぼ660nmの波長の光とを選択的に放射することが可能である。そして、先ず発光ダイオード24からほぼ660nmの波長の光を放射させる。これにより、レンズ付きのPINダイオードからなるホトダイオード26が、尿からの散乱光を受光し、その受光光量に応じた検出電流を出力する。この検出電流は、ヘモグロビン濃度検出部33に備えられた演算増幅器を含む電流−電圧変換回路によって電圧に変換され、さらにインターフェイス回路15に備えられたA/D変換回路によってディジタルデータに変換されて、CPU11に供給される。これによりCPU11が、予めEEPROM14に記憶されている検量線データに基づいて、尿の濁度を演算する。
【0059】
図5に、尿の吸光度と電流−電圧変換回路の出力電圧との関係を示す。
【0060】
図6に、ホルマジンを照射した場合における光源の波長と吸光度との関係を示す。
【0061】
図7に、精製水および各種濃度のホルマジンからなる試料を作製し、それら試料を流路51に通した場合の、電流−電圧変換回路の出力、標準偏差などを示す。
【0062】
次に、発光ダイオード24からほぼ565nmの波長の光を放射させる。これにより、レンズ付きのPINダイオードからなるホトダイオード25が、尿からの透過光を受光し、その受光光量に応じた検出電流を出力する。この検出電流は、ヘモグロビン濃度検出部33に備えられた演算増幅器を含む電流−電圧変換回路およびゲイン補正回路によって電圧に変換され、さらにインターフェイス回路15に備えられたA/D変換回路によってディジタルデータに変換されて、CPU11に供給される。これによりCPU11が、ホトダイオード25からの検出電流に基づくデータから先に求めた濁度のデータを減算し、その結果に基づいて、予めEEPROM14に記憶されている検量線データを利用して尿のヘモグロビン濃度を演算する。
【0063】
図8に、尿中におけるヘモグロビン濃度と吸光度との関係を示す。
【0064】
図9に、尿のヘモグロビン濃度と吸光度、平均吸光度、標準偏差などとの関係を示す。なお、基準尿の吸光度を0としている。
【0065】
図10は、全血添加尿および実尿の吸収スペクトルを示しており、実線61〜63が実尿、実線64〜67が全血添加尿、実線68が基準尿である。また、実線64はヘモグロビン濃度が100mg/dl、実線65はヘモグロビン濃度が50mg/dl、実線66はヘモグロビン濃度が40mg/dl、実線67はヘモグロビン濃度が30mg/dlの全血添加尿である。実線63は濁った実尿である。
【0066】
このように、尿における光の吸収は、ヘモグロビン濃度だけに起因するものではなく、濁度にも起因する。すなわち、実際に測定した尿の吸光度から濁度に起因する吸光度を減算した値がヘモグロビン濃度に起因する吸光度に相当する。このため、実際に測定した尿の吸光度から濁度に起因する吸光度を減算すべく、ホトダイオード25により565nmの吸光度と660nmの吸光度を求め、両者の差が小さいときには濁度に起因する吸光度の変化と見なしているのである。このようにすることにより、薬尿、濃い色調尿、混濁尿などのヘモグロビン濃度を正確に求めることができる。
【0067】
上記の演算の結果、尿のヘモグロビン濃度が閾値を越えた場合、CPU11が、その旨をRAM13に記憶させる。これは、ノズル31などの洗浄に際しての洗浄能力を通常よりも高くするためである。閾値は、温度センサ27によって検出される洗浄液の温度に応じて、複数種類用意されている。
【0068】
点着に際しては、CPU11によりモータ駆動部21が制御されて、ノズル31が試験紙の試薬パッド上に移動する。そして、CPU11によりポンプ駆動部22が制御されて、点着ポンプ34が駆動され、ノズル31から所定量の尿が試薬パッドに点着される。このような動作が試験紙に設置された試薬パッドの数だけ繰り返され、点着工程が終了する。
【0069】
尿を点着された各試薬パッドは、光を用いた周知の方法により分析され、CPU11によりプリンタ部7が制御されて、分析結果がプリンタ部7により記録用紙に印刷されるとともに、必要に応じて表示部5に表示される。
【0070】
一方、点着の終了後、CPU11によりモータ駆動部21が制御されて、ノズル31が洗浄槽41上に移動し、下降する。これによりノズル31は、全体が洗浄槽41の内部に位置することになる。そして、CPU11によりバルブ駆動部23が制御され、三方切替弁35の常開ポート35oと共通ポート35mとが連通した状態で、CPU11によりポンプ駆動部22が制御され、吸引ポンプ37が吸引方向に駆動される。これにより、吸引ポンプ37に所定量の洗浄液が吸引される。
【0071】
そして、CPU11によりバルブ駆動部23が制御され、三方切替弁35の常閉ポート35cと共通ポート35mとが連通し、かつ開閉バルブ42,44が開成し、開閉バルブ46が閉成し、かつ三方切替弁47がエアポンプ48の吸引ポート48aと吸排切替ボトル43とを連通させ、三方切替弁49がエアポンプ48の排気ポート48bと大気とを連通させる。さらに、CPU11によりポンプ駆動部22が制御され、エアポンプ48が駆動されるとともに、吸引ポンプ37が吐出方向に駆動される。これにより、吸引ポンプ37の内部に収容された洗浄液が、ノズル31を含む尿の流路を通ってノズル31から洗浄槽41の内部に吐出される。このとき、吸排切替ボトル43の内部はエアポンプ48により吸引されているので、洗浄槽41の内部に吐出された洗浄液は負圧により吸排切替ボトル43の内部に吸引される。また、洗浄槽41の内部のノズル31は、洗浄液により外壁も洗浄される。
【0072】
この後、CPU11によりバルブ駆動部23が制御されて、開閉バルブ46が開成され、開閉バルブ42,44が閉成されて、かつ三方切替弁47がエアポンプ48の吸引ポート48aと大気とを連通させ、三方切替弁49がエアポンプ48の排気ポート48bと吸排切替ボトル43とを連通させる。これにより、吸排切替ボトル43の内部が正圧になり、吸排切替ボトル43の内部の洗浄液が廃液として廃液槽45の内部に吐出される。
【0073】
ここで、CPU11により尿中のヘモグロビン濃度が閾値を越えていると判断され、その旨がRAM13に記憶されている場合、上記の洗浄動作が2回繰り返される。したがって、ノズル31を含む尿の流路が洗浄液により強力に洗浄され、ヘモグロビンの残留を良好に防止できる。この結果、次の検体の分析時に、その前の検体に含まれていたヘモグロビンに起因する誤判定を生じることがない。
【0074】
このように、検体のヘモグロビン濃度が閾値を越えている場合にのみ、洗浄動作を2回繰り返すようにしたので、装置の構成を複雑化させることなく、しかも検査速度を低下させことなく、全体として洗浄能力を向上させることができる。
【0075】
すなわち、洗浄を2回繰り返すだけであるので、装置の構成は何ら変更する必要がなく、ROM12に記憶されているプログラムの変更だけで対処可能であることから、装置の製作コストの上昇や大型化を招くことがない。
【0076】
しかも、ヘモグロビン濃度が閾値を越えている場合にのみ、洗浄動作を2回繰り返すので、ヘモグロビン濃度が閾値を越える検体は全体の1パーセント未満程度であることから、全体としての検査速度はほとんど低下しない。
【0077】
なお、温度変化による発光ダイオード24の発光光量の変化が無視できない場合、洗浄液の透過光量などを測定して発光光量を調整すればよい。
【0078】
また、光学系の機器間差やヘモグロビン濃度検出部33の汚染などによるホトダイオード25,26の受光光量の減少が無視できない場合、濁度標準液などを用いて透過光量および散乱光量のキャリブレーションを行なえばよい。
【0079】
また、発光ダイオード24の放射光のピーク波長の機器間差が無視できない場合、色素液などを用いて透過光量のキャリブレーションを行なえばよい。
【0080】
図11〜図16に実験結果を示す。この実験は、上記全自動尿化学分析装置を用いて、多数の試料を順次点着し、試料を変える毎に洗浄液により洗浄して、点着された試験紙の反射率を測定したものである。また、図11〜図13は、上記のようにヘモグロビン濃度が閾値を越えている場合には2回の洗浄を行なった結果であり、図中のLは通常尿、Hは血尿、Wは洗浄液自体を表している。血尿の濃度は、全血で75mg/dl,100mg/dl,500mg/dl,1000mg/dlである。図14〜図16は、比較のために、2回の洗浄を行なわず、従来装置の場合と同様に全ての各試料について1回の洗浄を行なった結果である。また、図11,図14は洗浄液の温度が摂氏25度、図12,図15は洗浄液の温度が摂氏10度、図13,図16は洗浄液の温度が摂氏5度である。ただし、洗浄液の温度による閾値の変更は行なっていない。
【0081】
なお、上記実施形態においては、ヘモグロビン濃度が閾値を越えている場合、2回の洗浄を行なうように構成したが、使用する洗浄液の量を増加させて1回の洗浄を行なうように構成してもよい。さらには、閾値を複数設定し、ヘモグロビン濃度に応じて洗浄能力を多段階に変化させるように構成してもよい。また、閾値を設定せず、ヘモグロビン濃度に応じて洗浄能力をアナログ的に変化させるように構成してもよい。たとえば、ヘモグロビン濃度と洗浄液の量とを比例させるのである。
【0082】
また、上記実施形態においては、洗浄液の温度に基づいて閾値を変更したが、必ずしもこのように構成する必要はない。
【0083】
また、上記実施形態においては、ヘモグロビン濃度を検出して洗浄能力を変化させたが、グルコース濃度を検出して洗浄能力を変化させてもよいし、タンパク質濃度を検出して洗浄能力を変化させてもよい。あるいは、ヘモグロビン濃度とグルコース濃度とタンパク質濃度とのうちのいずれか2以上を測定し、いずれか1以上の濃度が閾値を越えていれば、洗浄能力を高めるように構成してもよい。このとき、グルコースやタンパク質を検出するために用いる光は、近赤外光、特に1300nmから1750nmの間の1波長若しくは複数の波長の組み合わせが好ましい。要するに、洗浄不足により次の検体の分析に影響を与える可能性のある成分について、その濃度を測定し、その測定結果に基づいて洗浄能力を変化させるようにすればよいのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る尿分析装置を採用した全自動尿化学分析装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す全自動尿化学分析装置の回路ブロック図である。
【図3】図1に示す全自動尿化学分析装置におけるノズル洗浄部の概略構成図である。
【図4】図1に示す全自動尿化学分析装置におけるヘモグロビン濃度検出部の概略断面図である。
【図5】尿の吸光度と電流−電圧変換回路の出力電圧との関係を示す説明図である。
【図6】ホルマジンを照射した場合における光源の波長と吸光度との関係を示す説明図である。
【図7】精製水および各種濃度のホルマジンからなる試料を作製し、それら試料を流路に通した場合の、電流−電圧変換回路の出力、標準偏差などを示す説明図である。
【図8】尿中におけるヘモグロビン濃度と吸光度との関係を示す説明図である。
【図9】尿のヘモグロビン濃度と吸光度、平均吸光度、標準偏差などとの関係を示す説明図である。
【図10】全血添加尿および実尿の吸収スペクトルを示す説明図である。
【図11】洗浄液温度が摂氏25度で追加洗浄を施した場合の実験結果を示す説明図である。
【図12】洗浄液温度が摂氏10度で追加洗浄を施した場合の実験結果を示す説明図である。
【図13】洗浄液温度が摂氏5度で追加洗浄を施した場合の実験結果を示す説明図である。
【図14】洗浄液温度が摂氏25度で追加洗浄を施さない場合の実験結果を示す説明図である。
【図15】洗浄液温度が摂氏10度で追加洗浄を施さない場合の実験結果を示す説明図である。
【図16】洗浄液温度が摂氏5度で追加洗浄を施さない場合の実験結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体部
2 試験紙供給部
3 サンプル供給部
4 ボトルユニット
5 表示部
6 操作部
7 プリンタ部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 EEPROM
15 インターフェイス回路
16 バス線
21 モータ駆動部
22 ポンプ駆動部
23 バルブ駆動部
24 発光ダイオード
25 ホトダイオード
26 ホトダイオード
27 温度センサ
31 ノズル
32 比重計測部
33 ヘモグロビン濃度検出部
34 点着ポンプ
35 三方切替弁
36 洗浄液ボトル
37 吸引ポンプ
41 洗浄槽
42 開閉バルブ
43 吸排切替ボトル
44 開閉バルブ
45 廃液槽
46 開閉バルブ
47 三方切替弁
48 エアポンプ
49 三方切替弁
51 流路

Claims (9)

  1. 検査対象としての尿をノズルから吸引し、その尿を前記ノズルから試薬パッドに滴下することにより、前記試薬パッドの反応に基づいて尿の検査を行い、
    前記試薬パッドへの尿の滴下が終了したときに、前記ノズルを含む尿の流路を洗浄液により洗浄する洗浄手段を有する尿分析装置であって、
    前記試薬パッドに尿を滴下する前に、前記ノズルから吸引された尿に含まれる所定成分の濃度を検出する濃度検出手段と、
    前記濃度検出手段による検出結果に基づいて、前記洗浄手段による洗浄能力を変化させる洗浄能力制御手段とを備えたことを特徴とする、尿分析装置。
  2. 前記洗浄能力制御手段は、前記濃度検出手段による検出結果に応じて、前記洗浄手段による洗浄回数を変化させる、請求項1に記載の尿分析装置。
  3. 前記洗浄能力制御手段は、前記濃度検出手段による検出結果に応じて、前記洗浄手段による洗浄液の使用量を変化させる、請求項1または2に記載の尿分析装置。
  4. 前記濃度検出手段は、所定波長の光による尿の吸光度に基づいて所定成分の濃度を検出する、請求項1ないし3のいずれかに記載の尿分析装置。
  5. 前記濃度検出手段は、尿の吸光度を複数の波長について測定し、それらの測定結果に基づいて尿に含まれる所定成分の濃度を演算することにより、所定成分以外の成分による検出誤差を低減させる、請求項4に記載の尿分析装置。
  6. 前記ノズルから吸引された尿の温度を測定する温度測定手段を有し、
    前記洗浄能力制御手段は、前記濃度検出手段による検出結果と前記温度測定手段による測定結果とに基づいて、前記洗浄手段による洗浄能力を変化させる、請求項1ないし5のいずれかに記載の尿分析装置。
  7. 前記濃度検出手段は、前記尿に含まれるヘモグロビンの濃度を検出する、請求項1ないし6のいずれかに記載の尿分析装置。
  8. 前記濃度検出手段は、前記尿に含まれるグルコースの濃度を検出する、請求項1ないし7のいずれかに記載の尿分析装置。
  9. 前記濃度検出手段は、前記尿に含まれるタンパク質の濃度を検出する、請求項1ないし8のいずれかに記載の尿分析装置。
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