JP4213354B2 - 油圧式摩擦クラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、船舶などにおいて油圧式摩擦クラッチを介して機関からの動力をプロペラに伝達する際に、その動力の伝達を変化させるためにクラッチのすべりを利用するところの油圧式摩擦クラッチの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の高速船は、高速機関を用いているためにアイドル回転数が高く、また、スリムな船体形状をしているために、機関の回転数をアイドル回転の状態にまで下げても、船の速度を充分に落とすことができなかったり、また、クラッチ結合の際に思わぬ急発進をすることがある。したがって、船舶に低速が求められる離、接岸や漁労時における操船性に問題があった。
【0003】
すなわち、従来は、クラッチ切換弁の切換レバーの嵌、脱を頻繁に行うか、もしくは、ハンドルまたはダイヤルで操作できる、クラッチのスリップを制御するスリップ制御装置(トローリング装置)を備えることにより、所要の微速を得ていた。後者の油圧式摩擦クラッチのスリップを制御する制御装置としては、例えば、実公昭55−39148号公報に記載された「クラッチ制御装置」などが知られ、各種の漁船において既に利用されており、また、微速運転を行う機会の少ない船舶では、トローリング装置の価格が高いこともあり、前者の手法が採用されている。
【0004】
このような油圧式摩擦クラッチのスリップ制御装置を採用していない舶用減速逆転機の油圧回路の例が図3に示され、採用している舶用減速逆転機の例が図4に示されている。図3および4において、図示されていない機関からの動力は、同じく図示されていない歯車機構を介して油圧式摩擦クラッチである前進クラッチ1または後進クラッチ2の入力側1aまたは2aに伝達され、いずれかのクラッチ1,2が結合されると、クラッチの出力側と一体に回転する小歯車3回転し、この小歯車3とかみ合う大歯車4を介して出力軸5を回転し、この出力軸5に取り付けられたプロペラ6を前進方向もしくは後進方向に回転させる。
【0005】
今、作動油ポンプ7により、舶用減速逆転機のサンプタンク8から吸い上げられた作動油は、油圧調整弁9で所定の圧力に調整された後、前後進切換弁11を経由し、この前後進切換弁11で選択されたクラッチのピストン室12または13に供給される。かくして、圧力を調整された作動油は、押圧装置を構成するピストン14または15を押し、クラッチ板16、16を圧着して摩擦結合させる。したがって、ピストン室12または13に供給される作動油の圧力を調節することにより、直結運転とスリップ運転とに分けることができる。
【0006】
直結運転とスリップ運転とを選択するための作動油の圧力変更の設定は、図4に示される定速度制御弁10の操作レバーHにより行われ、図3に示される、このような定速度制御弁10を有しない油圧式摩擦クラッチでは作動油の圧力変更の設定を行うことができず、ピストン室12または13に供給される圧力は直結結合となる高圧のみである。したがって、図3に示される場合には、前進後進切換弁11の操作レバーLの操作によりクラッチの嵌脱を繰り返えし、直結運転を断続してプロペラの回転速度が高くなり過ぎるのを抑えることにより微速運転が行われる。
【0007】
これに対し、図4に示される定速度制御弁10を有する油圧式摩擦クラッチにおいては、定速度制御弁10の操作レバーH(図5参照)の操作により所要の微速運転が行われる。すなわち、図5に示されるように、操作レバーHのキー溝Haに大ピストン17に形成された径方向のピン孔17aに収容されているピン18が係合しているので、操作レバーHを低速位置に回動すると、操作レバーHとともに大ピストン17が回動する。大ピストン17が回動すると、大ピストン17に形成された斜めの切欠溝17bが弁本体Bに設けられたドレン孔19につながり、大ピストン室20とドレン孔19とが連通するので、大ピストン室20に供給される作動油の圧力は低下する。大ピストン室20の作動油の圧力が低下すると、スプリング22により付勢されている大ピストン17は図4の右方向に移動し、同時に小ピストン21も右方向に移動し、作動油路27を通るポンプ7からの作動油は、小ピストン21の環状溝28への通路が狭まり、環状溝28とドレン孔29が連通することとなるので、作動油路30から切換弁11および作動油路31を経由してクラッチ1または2のピストン室12または13に供給される作動油の圧力は低下し、各ピストン14または15のクラッチ板16、16に対する押圧力が低下する。かくして、クラッチ1または2はスリップ運転状態となる。
【0008】
この時の大ピストン17の位置は、大ピストン室20への背圧回路38からの供給油量とドレン孔19からの排出油量とのバランスで決まり、小ピストン21は、小ピストン21の側面に作用するスプリング22の付勢力と小室23および環状溝28に供給される圧油による押圧力とがバランスする位置で静止する。なお、ドレン孔19の開口面積は、操作レバーHの回動角度により変化するので、大ピストン室20内の作動油の圧力は操作レバー16の回動角度すなわち操作角度に依存する。
【0009】
また、操作レバーHを直結位置に操作すると、大ピストン17が回転し、大ピストン17に形成された切欠溝17bがドレン孔19とつながらなくなるので、大ピストン室20の作動油の圧力は油圧調整弁9で調整された作動油の圧力となる。かくして、大ピストン17が左方に移動すると共に小ピストン21も左方に移動し、環状溝28の通路が低速位置の場合より広まるので、作動油ポンプ7からの作動油は作動油路27から小ピストン21の環状溝28を介して作動油路30,31からクラッチ1,2のピストン室12,13に入り、大きな押圧力を油圧式押圧装置であるピストン14,15に与え、前後進クラッチ1および2はスリップのない直結運転状態となる。
【0010】
さらに、舶用減速逆転機の出力軸5には、歯車24および25を介して油圧式回転速度検出器としての遠心式ガバナ26が取付けられ、ここで出力軸5の回転速度に応じた圧油が作り出され、この圧油が定速度制御弁10の小ピストン21の小室23に供給されるので、小室23内の圧力による小ピストン21の移動によって、環状溝28の位置が変わり、作動油路27から環状溝28を通って油路30へ供給される作動油の量が変化し、クラッチ1,2におけるピストン14,15に対する作動油の圧力が調整されて、クラッチのスリップ度合いが自動的に変化し、常に、一定のプロペラ6の回転数を維持することができる。
【0011】
なお、出力軸5の回転速度を検出する遠心式ガバナ26については、上述の実公昭55−39148号公報にも記載されているように、段付き筒体32内に小鍔部33aと大鍔部33bとを有する弁体34を嵌挿し、小歯車25の軸を中心として回転し、回転数が多いときには、遠心力が大きいので、大鍔部33がドレン孔36を閉鎖して油路37からの作動油をそのまま油路35を介して、小ピストンの側面の小室23に供給し、小ピストン21を右方に移動させる。かくして、環状溝28とドレン孔29の連通する面積が増大し、作動油路30、31を介して押圧装置に供給される作動油の圧力は下がり、各クラッチ1または2のクラッチ板16はすべることとなる。また、回転数が少ないときには、遠心力が小さいので、逆の作用を奏するものである。したがって、定速度制御弁10(の操作レバーH)で設定された出力軸5の回転速度を維持することができる。
【0012】
また、56はオイルクーラで、クラッチ用の油圧調整弁9を通過した圧油を所定の温度に冷却し、潤滑用油圧調整弁57で所定の油圧に調整されて、例えば、潤滑用油路58を経てクラッチを潤滑し、その他軸受けや歯車等の潤滑に利用される。また、59は前後進切換弁11を中立から前進もしくは後進に切り換えた際に、作動油の圧力を緩やかに上昇させるための油路である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、定速度制御弁を有しない舶用減速逆転機を備えた船舶にあっては、機関回転速度をアイドル回転数に下げた状態で、前後進切換弁を中立から前進もしくは後進に頻繁に切り換えて低速のプロペラ回転を得る外なく、非常に煩わしい操作を必要とする。一方、油圧式摩擦クラッチの制御装置として定速度制御弁を有する舶用減速逆転機を備えた船舶にあって、定速度制御弁で設定された作動油の圧力により所定のプロペラ回転速度を維持できるが、機関の回転速度の変化に追随して作動油の設定圧力が切り換わるのではなく、機関の回転速度がアイドル回転状態に低下したことを確認後に、定速度制御弁の操作レバーをスリップ位置に操作して結合中のクラッチをスリップ運転に変更する必要があり、さらに、通常の船速に戻す場合には、定速度制御弁の操作レバーを直結位置に戻した後、機関回転速度を上昇させる必要がある。したがって、このような手動による操作レバーの操縦の際に、機関回転速度の確認を行う必要があるので、操作が非常に煩わしいという欠陥があった。
【0014】
この発明は、このような欠陥を解消するためになされたもので、定速度制御弁の操作レバーを操作することなく、機関の回転速度がアイドル回転状態に低下すると自動的に作動油の圧力が低下してスリップ運転を開始し、機関の回転速度がアイドル回転状態より上昇すると自動的に作動油の圧力が上昇して直結運転に切り替わる、油圧式摩擦クラッチの制御装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、機関からの動力を伝達する入力軸と出力軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧装置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るためのポンプおよび作動油路と、前記出力軸の回転速度を検出する油圧式回転速度検出器と、この油圧式回転速度検出器からの圧油により制御される定速度制御弁とを備え、この定速度制御弁により制御された作動油を油圧式押圧装置に送る油圧式摩擦クラッチの制御装置において、定速度制御弁の一方には、油圧式回転速度検出器からの圧油を供給するとともに、他方には、作動油路から分岐する背圧回路に設けられた、機関の回転速度に応じて作動する電磁弁により制御される減圧弁からの圧油を供給するものである。
【0016】
なお、機関の回転速度を電気的センサーにより検出し、この電気的センサーからの信号により電磁弁を作動することが好ましく、また、電磁弁が配置された電気回路には、手動スイッチが配置されていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の態様】
以下、図1に示された舶用減速逆転機の油圧回路を参考例として説明し、この発明の実施例を図2に示された舶用減速逆転機油圧式摩擦クラッチの制御装置の油圧回路について説明する。なお、図1において1点鎖線で囲まれた部分以外の部分は、上述の図3に示された従来の舶用減速逆転機の油圧回路と同じであり、図2において1点鎖線で囲まれた部分以外の部分は、同様に図4に示された舶用減速逆転機に適用される油圧式摩擦クラッチの油圧回路と同じであるから、それらの部分の説明は省略する。
【0018】
図1に示される舶用減速逆転機は、作動油ポンプ7からの作動油路27に減圧弁39を設け、この減圧弁39で油圧調整弁9により所定圧力に調整された作動油を減圧し、油圧調整弁9で調整された圧力とは異なる圧力の作動油を作り出すものである。そして、この減圧弁39の作動は、電磁弁50により制御されている。
【0019】
減圧弁39は、バルブケース40内を摺動するバルブステム41、バルブステム41の両端面に形成されたスプリング室63およびステム室43、ステム室43内に設置されてバルブステム41を右方に押圧するスプリング62、スプリング室63内のバルブステム41を左方に押圧するスプリング44、バルブピストン60とエンドカバー61によって区画されたバルブ室42、バルブピストン60を介してスプリング44の取付荷重を設定するための調整スクリュー45、そして、バルブケース40に形成された入口ポート46、出口ポート47およびドレンポート48からなっている。
【0020】
この減圧弁39においては、バルブステム41の両端面に作用する荷重によって、バルブステム41がバルブケース40内を摺動し、入口ポート46およびドレンポート48の開口度合いを変化させることができる。すなわち、バルブステム41が図1の左方に移動すると、入口ポート46が開き、ドレンポート48が閉じられるので、出口ポート47における減圧度合いが小さくなり、入口ポート46と出口ポート47の圧力差が少なくなる。逆に、バルブステム41が右方に移動すると、入口ポート46の開口面積が減少し、ドレンポート48が開くので、出口ポート47における減圧度合いが大きくなる。また、バルブ室42内の圧油が排出された状態における出口ポート47の作動油の圧力調整は、スプリング44の取付荷重を変更する調整スクリュー45を回すことにより可能である。
【0021】
電磁弁50は、作動油路27をオリフィス49を介して分岐した制御用油路38aに設けられ、減圧弁39のバルブ室42に送られる作動油の供給をオン・オフ制御するものである。この電磁弁50をオン・オフ制御するための電気回路51には、直流電源52、手動で電気回路51をオン・オフする手動の直結スイッチ53、そして、スピードスイッチ54が設けられ、直結スイッチ53は、自動スリップ運転を適用する場合と通常運転の場合とを切り換えるためのスイッチで、スリップ運転を必要としない場合にはオフにしておくものである。また、機関の出力側軸系には、機関の回転速度を電気的、例えば、電圧や電流の変化で検出することのできる電気的センサー55が設けられ、スピードスイッチ54は、電気的センサー55からの電気信号に応じて電気回路51の開閉を行い、電磁弁50のオン・オフ制御を行う。
【0022】
この電磁弁50オフ(非励磁)時には、作動油路27からの作動油が、オリフィス49を介して制御用回路38aから減圧弁39のバルブ室42に供給され、減圧弁39においては、スプリング44および62の付勢力と作動油の圧力との荷重により、バルブステム41は、バブルケース40の左方に移動し、ドレンポート48が完全に閉じられると同時に入口ポート46が完全に開かれる。出口ポート47からは、クラッチ1または2のピストン室12,13に、油圧調整弁9で調整された圧力の作動油がそのまま供給され、クラッチ1または2は直結運転となる。なお、この状態では、減圧弁39を備えていない図3の従来の舶用減速逆転機と全く同様の作用を奏するものである。
【0023】
電磁弁50オン(励磁)時には、バルブ室42の圧油は(電磁弁50のドレン孔から)排出され、バルブステム41の右端面に作用する荷重はスプリング44の付勢力のみとなる。したがって、スプリング44の付勢力と反対側のステム室43に作用する圧油の圧力およびスプリング62の付勢力とのバランスにより、入口ポート46の開口度合いが定まる。この場合、バルブ室42内の圧油が排出された状態で、出口ポート47の圧力が所定の低圧(油圧調整弁9で調整された作動油の圧力より低い)となるようにスプリング44の取り付け荷重が設定される。
【0024】
かくして、クラッチ1または2の押圧装置であるピストン14,15のそれぞれの室12,13には低圧の作動油が送られて、各クラッチ1または2はスリップ運転となる。したがって、機関の回転速度を検出する電気的センサー55からの電気信号に応じてスピードスイッチ54が、電気回路51の開閉を行い、電磁弁50のオン・オフ制御を行うので、機関回転速度が予め設定されたアイドル回転速度以下になると、減圧弁39の作用によりスリップ運転に移行し、アイドル回転速度より大の場合には直結運転となる。
【0025】
図2に示されるこの発明の実施例である舶用減速逆転機は、油圧調整弁9で調整された、作動油ポンプ7からの作動油を定速度制御弁10の小ピストン21の環状溝28に送る作動油路27を分岐し、作動油を定速度制御弁10の大ピストン室20に導く分岐油路である背圧油路38に減圧弁39を設けたもので、大ピストン室20に作用する作動油の圧力を2つの設定圧(1つは油圧調整弁9で調整された圧力)に分けるものである。図1に示される参考例と同様に、減圧弁39においては油圧調整弁9により調整された作動油の圧力より低い圧力の圧油が作り出される。
【0026】
減圧弁39は、図1の参考例と同様の構成を有し、相違する点は、図4に示される従来の油圧式摩擦クラッチの制御装置における背圧油路38と同様に、大ピストン室20への作動油の供給が徐々に行われてクラッチの押圧力が急激に上昇しないように、入口ポート46に絞り49が設けられている点と、出口ポート47が定速度制御弁10の大ピストン室20に連結されている点である。
【0027】
電磁弁50は、背圧油路38を絞り49の手前で分岐した制御用油路38aに設けられ、減圧弁39のバルブ室42に送られる作動油の供給をオン・オフ制御する。すなわち、電磁弁50オフ(非励磁)時には、背圧油路38からの作動油が制御用回路38aを介してバルブ室42に供給され、スプリング44および62の付勢力と作動油の圧力との荷重により、バルブステム41は、バブルケース40の左方に移動し、ドレンポート48が完全に閉じられると同時に入口ポート46が完全に開かれる。かくして、背圧油路38の作動油が定速度制御弁10の大ピストン室20に供給され、定速度制御弁10の大ピストン17が図2において左方に移動し、作動油路27の入口孔が小ピストン21の環状溝28に合致し、ドレン孔29が閉じられるので、クラッチ1または2のピストン室12,13には、油圧調整弁9で調整された圧力の作動油がそのまま供給され、クラッチ1または2は直結運転となる。なお、この状態では、減圧弁39を備えていない図4の従来の舶用減速逆転機と全く同様の作用を奏することとなるものである。
【0028】
電磁弁50オン(励磁)時には、バルブ室42の圧油は(電磁弁50のドレン孔から)排出され、バルブステム41の右端面に作用する荷重はスプリング44の付勢力のみとなる。したがって、スプリング44の付勢力と反対側のステム室43に作用する圧油の圧力およびスプリング62の付勢力とのバランスにより、入口ポート46の開口度合いが定まる。この場合、バルブ室42内の圧油が排出された状態で、出口ポート47の圧力が所定の低圧(油圧調整弁9で調整された作動油の圧力より低い)となるようにスプリング44の取り付け荷重が設定される。
【0029】
かくして、電磁弁50がオンの場合、定速度制御弁10の大ピストン室20には、電磁弁50がオフの場合に比して低い圧力の作動油が供給され、スプリング22の付勢力により定速度制御弁10の大ピストン17が右方に移動し、作動油路27からの作動油は小ピストン21によって絞られ、さらに、環状溝28とドレン孔29とが連通することになるので、クラッチ1または2の押圧装置であるピストン14,15のそれぞれの室12,13には低圧の作動油が送られて、各クラッチ1または2はスリップ運転となる。
【0030】
なお、図1の参考例と同様に、減圧弁39におけるスプリング44の取り付け荷重は、バルブピストン60を介してスプリング端を押圧している調整スクリュ−45によって変更することができ、船種や用途に応じて出口ポート47の圧力を調整することができ、スリップ運転時のプロペラの回転速度を変更することができる。さらに、この実施例においては、定速度制御弁10の操作レバーHの操作角度を変えることによる油圧の変更によって、機関アイドル回転速度以下の任意のプロペラ回転速度を得ることができる。
【0031】
電磁弁50は参考例と同じ構成を有し、同様の作用を奏するものである。すなわち、スピードスイッチ54には、機関の回転速度を検出する電気的センサー55からの電気信号が入力され、スピードスイッチ54は、機関の回転速度が予め設定されたアイドル回転速度値より小さい場合には電気回路51を閉じ、予め設定されたアイドル回転速度値より大きい場合には電気回路51を開くものである。
【0032】
したがって、機関の回転速度が予め設定されたアイドル回転状態の場合には、電気回路51が閉じ、電磁弁50が励磁されてオンとなり、減圧弁39からの作動油の圧力が下がり、出力軸5の回転速度も低速に維持される。また、機関の回転速度が予め設定されたアイドル回転速度値を超える場合には、電気回路51が開き、電磁弁50は作用しない。したがって、減圧弁39からは油圧調整弁9で調整されたままの作動油が定速度制御弁10の大ピストン室20に供給され、クラッチ1または2の押圧装置にも作動油路27、30および31を経て作動油が供給され、クラッチ1または2は直結されて、直結運転が行われる。
【0033】
【発明の効果】
この発明によれば、機関からの動力を伝達する入力軸と出力軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧装置前記出力軸の回転速度を検出する油圧式回転速度検出器と、この油圧式回転速度検出器からの圧油により制御される定速度制御弁とを備え、この定速度制御弁により制御された作動油を油圧式押圧装置に送る油圧式摩擦クラッチの制御装置において、定速度制御弁の一方には、油圧式回転速度検出器からの圧油を供給するとともに、他方には、前記作動油路から分岐する背圧回路に設けられた、機関の回転速度に応じて作動する電磁弁により制御される減圧弁からの圧油を供給するので、機関の回転速度に応じて自動的に油圧式摩擦クラッチのスリップ運転が開始されて所定の微速が得られ、あるいは自動的にクラッチが直結運転となって通常の運転に復帰することができる。したがって、船舶における微速航行の操作が極めて簡素化されるとともに、従来のクラッチの制御装置に容易に追設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スリップ制御装置を採用していない油圧式摩擦クラッチの油圧回路の説明図である。
【図2】 この発明の実施例を示す油圧式摩擦クラッチの制御装置の油圧回路の説明図である。
【図3】 従来の油圧式摩擦クラッチの油圧回路の説明図である
【図4】 従来の油圧式摩擦クラッチの制御装置の油圧回路の説明図である。
【図5】 図4の油圧式摩擦クラッチの制御装置の定速度制御弁の要部断面図である。
【符号の説明】
1,2 クラッチ
5 出力軸
7 ポンプ
9 油圧調整弁
10 定速度制御弁
11 前後進切換弁
12,13 ピストン室
14,15 ピストン
16 クラッチ板
17 大ピストン
19,29 ドレン孔
20 大ピストン室
21 小ピストン
22 スプリング
23 小室
26 回転速度検出器(遠心力ガバナー)
27,30,31 作動油路
28 環状溝
38 背圧回路
38a 制御用回路
39 減圧弁
41 バルブステム
42 バルブ室
43 ステム室
45 調整スクリュー
46 入口ポート
47 出口ポート
48 ドレンポート
50 電磁弁
51 電気回路
52 電源
53 手動スイッチ
54 スピードスイッチ
55 電気的センサー
B 弁本体
H、L 操作レバー

Claims (3)

  1. 機関からの動力を伝達する入力軸と出力軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧装置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るための作動油ポンプおよび作動油路と、前記出力軸の回転速度を検出する油圧式回転速度検出器と、この油圧式回転速度検出器からの圧油により制御される定速度制御弁とを備え、この定速度制御弁により制御された作動油を油圧式押圧装置に送る油圧式摩擦クラッチの制御装置において、前記定速度制御弁の一方には、油圧式回転速度検出器からの圧油を供給するとともに、他方には、前記作動油路から分岐する背圧回路に設けられた、機関の回転速度に応じて作動する電磁弁により制御される減圧弁からの圧油を供給することを特徴とする油圧式摩擦クラッチの制御装置。
  2. 上記機関の回転速度を電気的センサーにより検出し、この電気的センサーからの信号により上記電磁弁を作動することを特徴とする請求項1に記載の油圧式摩擦クラッチの制御装置。
  3. 上記電磁弁が配置された電気回路には、手動スイッチが配置されていることを特徴とする請求項に記載の油圧式摩擦クラッチの制御装置。
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