JP2002240791A - 油圧式摩擦クラッチの制御装置 - Google Patents

油圧式摩擦クラッチの制御装置

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JP2002240791A JP2001041873A JP2001041873A JP2002240791A JP 2002240791 A JP2002240791 A JP 2002240791A JP 2001041873 A JP2001041873 A JP 2001041873A JP 2001041873 A JP2001041873 A JP 2001041873A JP 2002240791 A JP2002240791 A JP 2002240791A
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、油圧式摩擦クラッチにおいて、機
関の回転速度がアイドル回転状態に低下すると自動的に
スリップ状態に変化し、機関の回転速度がアイドル回転
数より上昇すると自動的に直結状態に切り替わる、油圧
式摩擦クラッチの制御装置を提供する。 【解決手段】 図示されない機関からの動力を伝達する
入力軸(1a,2a)と出力軸(5)との間に設けられ
た油圧式摩擦クラッチ(1,2)の油圧式押圧装置(1
4,15)と、この油圧式押圧装置に作動油を送るため
の作動油ポンプ(7)および作動油路(27)とからな
る油圧式摩擦クラッチの制御装置において、作動油路
(27)に、減圧弁(39)とこの減圧弁(39)を機
関の回転速度に応じて制御する電磁弁(50とを設け、
この電磁弁(50)により制御された減圧弁からの圧油
を油圧式押圧装置(14,15)に供給するものであ
る。なお、機関の回転速度は電気的センサー(55)に
より検出され、この電気的センサー(55)からの信号
により電磁弁(50)が作動されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、船舶な
どにおいて油圧式摩擦クラッチを介して機関からの動力
をプロペラに伝達する際に、その動力の伝達を変化させ
るためにクラッチのすべりを利用するところの油圧式摩
擦クラッチの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の高速船は、高速機関を用いている
ためにアイドル回転数が高く、また、スリムな船体形状
をしているために、機関の回転数をアイドル回転の状態
にまで下げても、船の速度を充分に落とすことができな
かったり、また、クラッチ結合の際に思わぬ急発進をす
ることがある。したがって、船舶に低速が求められる
離、接岸や漁労時における操船性に問題があった。
【0003】すなわち、従来は、クラッチ切換弁の切換
レバーの嵌、脱を頻繁に行うか、もしくは、ハンドルま
たはダイヤルで操作できる、クラッチのスリップを制御
するスリップ制御装置(トローリング装置)を備えるこ
とにより、所要の微速を得ていた。後者の油圧式摩擦ク
ラッチのスリップを制御する制御装置としては、例え
ば、実公昭55−39148号公報に記載された「クラ
ッチ制御装置」などが知られ、各種の漁船において既に
利用されており、また、微速運転を行う機会の少ない船
舶では、トローリング装置の価格が高いこともあり、前
者の手法が採用されている。
【0004】このような油圧式摩擦クラッチのスリップ
制御装置を舶用減速逆転機に採用していない場合の油圧
回路の例が図3に示され、採用している場合の例が図4
に示されている。図3および4において、図示されてい
ない機関からの動力は、同じく図示されていない歯車機
構を介して油圧式摩擦クラッチである前進クラッチ1ま
たは後進クラッチ2の入力側1aまたは2aに伝達さ
れ、いずれかのクラッチ1,2が結合されると、クラッ
チの出力側と一体に回転する小歯車3を回転し、この小
歯車3とかみ合う大歯車4を介して出力軸5を回転し、
この出力軸5に取り付けられたプロペラ6を前進方向も
しくは後進方向に回転させる。
【0005】今、作動油ポンプ7により、舶用減速逆転
機のサンプタンク8から吸い上げられた作動油は、油圧
調整弁9で所定の圧力に調整された後、前後進切換弁1
1を経由し、この前後進切換弁11で選択されたクラッ
チのピストン室12または13に供給される。かくし
て、調整された作動油は、押圧装置を構成するピストン
14または15を押し、クラッチ板16、16を圧着し
て摩擦結合させる。したがって、ピストン室12または
13に供給される作動油の圧力を調節することにより、
直結運転とスリップ運転とに分けることができる。
【0006】直結運転とスリップ運転とを選択するため
の作動油の圧力変更の設定は、図4に示される定速度制
御弁10の操作レバーHにより行われ、図3に示され
る、このような定速度制御弁10を有しない油圧式摩擦
クラッチでは作動油の圧力変更の設定を行うことができ
ず、ピストン室12または13に供給される圧力は直結
結合となる高圧のみである。したがって、図3に示され
る場合には、前進後進切換弁11の操作レバーLの操作
によりクラッチの嵌脱を繰り返えし、直結運転を断続し
てプロペラの回転速度が高くなり過ぎるのを抑えること
により微速運転が行われる。
【0007】これに対し、図4に示される定速度制御弁
10を有する油圧式摩擦クラッチにおいては、定速度制
御弁10の操作レバーH(図5参照)の操作により所要
の微速運転が行われる。すなわち、図5に示されるよう
に、操作レバーHのキー溝Haに大ピストン17に形成
された径方向のピン孔17aに収容されているピン18
が係合しているので、操作レバーHを低速位置に回動す
ると、操作レバーHとともに大ピストン17が回動す
る。大ピストン17が回動すると、大ピストン17に形
成された斜めの切欠溝17bが弁本体Bに設けられたド
レン孔19につながり、大ピストン室20とドレン孔1
9とが連通するので、大ピストン室20に供給される作
動油の圧力は低下する。大ピストン室20の作動油の圧
力が低下すると、スプリング22により付勢されている
大ピストン17は図4の右方向に移動し、同時に小ピス
トン21も右方向に移動し、作動油路27を通るポンプ
7からの作動油は、小ピストン21の環状溝28への通
路が狭まり、環状溝28とドレン孔29が連通すること
となるので、作動油路30から切換弁11および作動油
路31を経由してクラッチ1または2のピストン室12
または13に供給される作動油の圧力は低下し、各ピス
トン14または15のクラッチ板16、16に対する押
圧力が低下する。かくして、クラッチ1または2はスリ
ップ運転状態となる。
【0008】この時の大ピストン17の位置は、大ピス
トン室20への背圧回路38からの供給油量とドレン孔
19からの排出油量とのバランスで決まり、小ピストン
21は、小ピストン21の側面に作用するスプリング2
2の付勢力と小室23および環状溝28に供給される圧
油による押圧力とがバランスする位置で静止する。な
お、ドレン孔19の開口面積は、操作レバーHの回動角
度により変化するので、大ピストン室20内の作動油の
圧力は操作レバー16の回動角度すなわち操作角度に依
存する。
【0009】また、操作レバーHを直結位置に操作する
と、大ピストン17が回転し、大ピストン17に形成さ
れた切欠溝17bがドレン孔19とつながらなくなるの
で、大ピストン室20の作動油の圧力は油圧調整弁9で
調整された作動油の圧力となる。かくして、大ピストン
17が左方に移動すると共に小ピストン21も左方に移
動し、環状溝28の通路が低速位置の場合より広まるの
で、作動油ポンプ7からの作動油は作動油路27から小
ピストン21の環状溝28を介して作動油路30,31
からクラッチ1,2のピストン室12,13に入り、大
きな押圧力を油圧式押圧装置であるピストン14,15
に与え、前後進クラッチ1および2はスリップのない直
結運転状態となる。
【0010】さらに、舶用減速逆転機の出力軸5には、
歯車24および25を介して油圧式回転速度検出器とし
ての遠心式ガバナ26が取付けられ、ここで出力軸5の
回転速度に応じた圧油が作り出され、この圧油が定速度
制御弁10の小ピストン21の小室23に供給されるの
で、小室23内の圧力による小ピストン21の移動によ
って、環状溝28の位置が変わり、作動油路27から環
状溝28を通って油路30へ供給される作動油の量が変
化し、クラッチ1,2におけるピストン14,15に対
する作動油の圧力が調整されて、クラッチのスリップ度
合いが自動的に変化し、常に、一定のプロペラ6の回転
数を維持することができる。
【0011】なお、出力軸5の回転速度を検出する遠心
式ガバナ26については、上述の実公昭55−3914
8号公報にも記載されているように、段付き筒体32内
に小鍔部33aと大鍔部33bとを有する弁体34を嵌
挿し、小歯車25の軸を中心として回転し、回転数が多
いときには、遠心力が大きいので、大鍔部33がドレン
孔36を閉鎖して油路37からの作動油をそのまま油路
35を介して、小ピストンの側面の小室23に供給し、
小ピストン21を右方に移動させる。かくして、環状溝
28とドレン孔29の連通する面積が増大し、作動油路
30、31を介して押圧装置に供給される作動油の圧力
は下がり、各クラッチ1または2のクラッチ板16はす
べることとなる。また、回転数が少ないときには、遠心
力が小さいので、逆の作用を奏するものである。したが
って、定速度制御弁10(の操作レバーH)で設定され
た出力軸5の回転速度を維持することができる。
【0012】また、56はオイルクーラで、クラッチ用
の油圧調整弁9を通過した圧油を所定の温度に冷却し、
潤滑用油圧調整弁57で所定の油圧に調整されて、例え
ば、潤滑用油路58を経てクラッチを潤滑し、その他軸
受けや歯車等の潤滑に利用される。また、59は前後進
切換弁11を中立から前進もしくは後進に切り換えた際
に、作動油の圧力を緩やかに上昇させるための油路であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、定速
度制御弁を有しない舶用減速逆転機を備えた船舶にあっ
ては、機関回転速度をアイドル回転数に下げた状態で、
前後進切換弁を中立から前進もしくは後進に頻繁に切り
換えて低速のプロペラ回転を得る外なく、非常に煩わし
い操作を必要とする欠陥があった。また、油圧式摩擦ク
ラッチの制御装置として定速度制御弁を有する舶用減速
逆転機を備えた船舶にあっても、定速度制御弁で設定さ
れた作動油の圧力により所定のプロペラ回転速度を維持
するが、機関の回転速度の変化に追随して作動油の設定
圧力が切り換わるものではなく、機関の回転速度がアイ
ドル回転状態に低下したことを確認後に、定速度制御弁
の操作レバーをスリップ位置に操作して結合中のクラッ
チをスリップ運転に変更する必要があり、さらに、通常
の船速に戻す場合には、定速度制御弁の操作レバーを直
結位置に戻した後、機関回転速度を上昇させる必要があ
る。そして、このような手動による操作レバーの操縦の
際に、機関回転速度の確認を行う必要があるので、操作
が非常に煩わしいという欠陥があった。
【0014】この発明は、このような欠陥を解消するた
めになされたもので、機関の回転速度がアイドル回転状
態に低下すると自動的に作動油の圧力が低下してスリッ
プ運転を開始し、機関の回転速度がアイドル回転状態よ
り上昇すると自動的に作動油の圧力が上昇して直結運転
に切り替わる、油圧式摩擦クラッチの制御装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、機関からの動力を伝達する入力軸と出
力軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧
装置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るための作動
油ポンプおよび作動油路とからなる油圧式摩擦クラッチ
の制御装置において、作動油路に、減圧弁とこの減圧弁
を機関の回転速度に応じて制御する電磁弁とを設け、こ
の電磁弁により制御された減圧弁からの圧油を油圧式押
圧装置に供給するものである。
【0016】また、機関からの動力を伝達する入力軸と
出力軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押
圧装置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るための作
動油ポンプおよび作動油路と、前記出力軸の回転速度を
検出する油圧式回転速度検出器と、この油圧式回転速度
検出器からの圧油により制御される定速度制御弁とを備
え、この定速度制御弁により制御された作動油を油圧式
押圧装置に送る油圧式摩擦クラッチの制御装置におい
て、定速度制御弁の一方には、油圧式回転速度検出器か
らの圧油を供給するとともに、他方には、作動油路から
分岐する背圧回路に設けられた、機関の回転速度に応じ
て作動する電磁弁により制御される減圧弁からの圧油を
供給するものである。
【0017】なお、機関の回転速度を電気的センサーに
より検出し、この電気的センサーからの信号により上記
電磁弁を作動することが好ましく、電気的センサーは、
機関がアイドル回転状態であることを検出した場合に信
号を発することが好ましく、さらに、電磁弁が配置され
た電気回路には、手動スイッチが配置されていることが
好ましい。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、この発明の第1実施例を図
1に示された舶用減速逆転機の油圧回路について説明
し、第2実施例を図2に示された舶用減速逆転機に適用
される油圧式摩擦クラッチの制御装置の油圧回路につい
て説明する。なお、図1において1点鎖線で囲まれた部
分以外の部分は、上述の図3に示された従来の舶用減速
逆転機の油圧回路と同じであり、図2において1点鎖線
で囲まれた部分以外の部分は、同様に図4に示された舶
用減速逆転機に適用される油圧式摩擦クラッチの油圧回
路と同じであるから、それらの部分の説明は省略する。
【0019】図1に示される第1実施例である舶用減速
逆転機は、作動油ポンプ7からの作動油路27に減圧弁
39を設け、この減圧弁39で油圧調整弁9により所定
圧力に調整された作動油を減圧し、油圧調整弁9で調整
された圧力とは異なる圧力の作動油を作り出すものであ
る。そして、この減圧弁39の作動は、電磁弁50によ
り制御されている。
【0020】減圧弁39は、バルブケース40内を摺動
するバルブステム41、バルブステム41の両端面に形
成されたスプリング室63およびステム室43、ステム
室43内に設置されてバルブステム41を右方に押圧す
るスプリング62、スプリング室63内のバルブステム
41を左方に押圧するスプリング44、バルブピストン
60とエンドカバー61によって区画されたバルブ室4
2、バルブピストン60を介してスプリング44の取付
荷重を設定するための調整スクリュー45、そして、バ
ルブケース40に形成された入口ポート46、出口ポー
ト47およびドレンポート48からなっている。
【0021】この減圧弁39においては、バルブステム
41の両端面に作用する荷重によって、バルブステム4
1がバルブケース40内を摺動し、入口ポート46およ
びドレンポート48の開口度合いを変化させることがで
きる。すなわち、バルブステム41が図1の左方に移動
すると、入口ポート46が開き、ドレンポート48が閉
じられるので、出口ポート47における減圧度合いが小
さくなり、入口ポート46と出口ポート47の圧力差が
少なくなる。逆に、バルブステム41が右方に移動する
と、入口ポート46の開口面積が減少し、ドレンポート
48が開くので、出口ポート47における減圧度合いが
大きくなる。また、バルブ室42内の圧油が排出された
状態における出口ポート47の作動油の圧力調整は、ス
プリング44の取付荷重を変更する調整スクリュー45
を回すことにより可能である。
【0022】電磁弁50は、作動油路27をオリフィス
49を介して分岐した制御用油路38aに設けられ、減
圧弁39のバルブ室42に送られる作動油の供給をオン
・オフ制御するものである。この電磁弁50をオン・オ
フ制御するための電気回路51には、直流電源52、手
動で電気回路51をオン・オフする手動の直結スイッチ
53、そして、スピードスイッチ54とが設けられ、直
結スイッチ53は、自動スリップ運転を適用する場合と
通常運転の場合とを切り換えるためのスイッチで、スリ
ップ運転を必要としない場合にはオフにしておくもので
ある。また、機関の出力側軸系には、機関の回転速度を
電気的、例えば、電圧や電流の変化で検出することので
きる電気的センサー55が設けられ、スピードスイッチ
54は、電気的センサー55からの電気信号に応じて電
気回路51の開閉を行い、電磁弁50のオン・オフ制御
を行う。
【0023】この電磁弁50のオフ(非励磁)時には、
作動油路27からの作動油が、オリフィス49を介して
制御用回路38aから減圧弁39のバルブ室42に供給
され、減圧弁39においては、スプリング44および6
2の付勢力と作動油の圧力との荷重により、バルブステ
ム41は、バブルケース40の左方に移動し、ドレンポ
ート48が完全に閉じられると同時に入口ポート46が
完全に開かれる。出口ポート47からは、クラッチ1ま
たは2のピストン室12,13に、油圧調整弁9で調整
された圧力の作動油がそのまま供給され、クラッチ1ま
たは2は直結運転となる。なお、この状態では、減圧弁
39を備えていない図3の従来の舶用減速逆転機と全く
同様の作用を奏することとなるものである。
【0024】電磁弁50のオン(励磁)時には、バルブ
室42の圧油は(電磁弁50のドレン孔から)排出さ
れ、バルブステム41の右端面に作用する荷重はスプリ
ング44の付勢力のみとなる。したがって、スプリング
44の付勢力と反対側のステム室43に作用する圧油の
圧力およびスプリング62の付勢力とのバランスによ
り、入口ポート46の開口度合いが定まる。この場合、
バルブ室42内の圧油が排出された状態で、出口ポート
47の圧力が所定の低圧(油圧調整弁9で調整された作
動油の圧力より低い)となるようにスプリング44の取
り付け荷重が設定される。
【0025】かくして、クラッチ1または2の押圧装置
であるピストン14,15のそれぞれの室12,13に
は低圧の作動油が送られて、各クラッチ1または2はス
リップ運転となる。したがって、機関の回転速度を検出
する電気的センサー55からの電気信号に応じてスピー
ドスイッチ54が、電気回路51の開閉を行い、電磁弁
50のオン・オフ制御を行うので、機関回転速度が予め
設定されたアイドル回転速度以下になると、減圧弁39
の作用によりスリップ運転に移行し、アイドル回転速度
より大の場合には直結運転となる。
【0026】図2に示される第2実施例である舶用減速
逆転機は、油圧調整弁9で調整された、作動油ポンプ7
からの作動油を定速度制御弁10の小ピストン21の環
状溝28に送る作動油路27を分岐し、作動油を定速度
制御弁10の大ピストン室20に導く分岐油路である背
圧油路38に減圧弁39を設けたもので、大ピストン室
20に作用する作動油の圧力を2つの設定圧(1つは油
圧調整弁9で調整された圧力)に分けるものである。図
1に示される第1実施例と同様に、減圧弁39において
は油圧調整弁9により調整された作動油の圧力より低い
圧力の圧油が作り出される。
【0027】減圧弁39は、図1の第1実施例と同様の
構成を有し、相違する点は、図4に示される従来の油圧
式摩擦クラッチの制御装置における背圧油路38と同様
に、大ピストン室20への作動油の供給が徐々に行われ
てクラッチの押圧力が急激に上昇しないように、入口ポ
ート46には絞り49が設けられている点と、出口ポー
ト47が定速度制御弁10の大ピストン室20に連結さ
れている点である。
【0028】電磁弁50は、背圧油路38を絞り49の
手前で分岐した制御用油路38aに設けられ、減圧弁3
9のバルブ室42に送られる作動油の供給をオン・オフ
制御する。すなわち、電磁弁50のオフ(非励磁)時に
は、背圧油路38からの作動油が制御用回路38aを介
してバルブ室42に供給され、スプリング44および6
2の付勢力と作動油の圧力との荷重により、バルブステ
ム41は、バブルケース40の左方に移動し、ドレンポ
ート48が完全に閉じられると同時に入口ポート46が
完全に開かれる。かくして、背圧油路38の作動油が定
速度制御弁10の大ピストン室20に供給され、定速度
制御弁10の大ピストン17が図2において左方に移動
し、作動油路27の入口孔が小ピストン21の環状溝2
8に合致し、ドレン孔29が閉じられるので、クラッチ
1または2のピストン室12,13には、油圧調整弁9
で調整された圧力の作動油がそのまま供給され、クラッ
チ1または2は直結運転となる。なお、この状態では、
減圧弁39を備えていない図4の従来の舶用減速逆転機
と全く同様の作用を奏することとなるものである。
【0029】電磁弁50のオン(励磁)時には、バルブ
室42の圧油は(電磁弁50のドレン孔から)排出さ
れ、バルブステム41の右端面に作用する荷重はスプリ
ング44の付勢力のみとなる。したがって、スプリング
44の付勢力と反対側のステム室43に作用する圧油の
圧力およびスプリング62の付勢力とのバランスによ
り、入口ポート46の開口度合いが定まる。この場合、
バルブ室42内の圧油が排出された状態で、出口ポート
47の圧力が所定の低圧(油圧調整弁9で調整された作
動油の圧力より低い)となるようにスプリング44の取
り付け荷重が設定される。
【0030】かくして、電磁弁50がオンの場合、定速
度制御弁10の大ピストン室20には、電磁弁50がオ
フの場合に比して低い圧力の作動油が供給され、スプリ
ング22の付勢力により定速度制御弁10の大ピストン
17が右方に移動し、作動油路27からの作動油は小ピ
ストン21によって絞られ、さらに、環状溝28とドレ
ン孔29とが連通することになるので、クラッチ1また
は2の押圧装置であるピストン14,15のそれぞれの
室12,13には低圧の作動油が送られて、各クラッチ
1または2はスリップ運転となる。
【0031】なお、図1の実施例と同様に、減圧弁39
におけるスプリング44の取り付け荷重は、バルブピス
トン60を介してスプリング端を押圧している調整スク
リュ−45によって変更することができ、船種や用途に
応じて出口ポート47の圧力を調整することができ、ス
リップ運転時のプロペラの回転速度を変更することがで
きる。さらに、この実施例においては、定速度制御弁1
0の操作レバーHの操作角度を変えることによる油圧の
変更によって、機関アイドル回転速度以下の任意のプロ
ペラ回転速度を得ることができる。
【0032】電磁弁50は第1実施例と同じ構成を有
し、同様の作用を奏するものである。すなわち、スピー
ドスイッチ54には、機関の回転速度を検出する電気的
センサー55からの電気信号が入力され、スピードスイ
ッチ54は、機関の回転速度が予め設定されたアイドル
回転速度値より小さい場合には電気回路51を閉じ、予
め設定されたアイドル回転速度値より大きい場合には電
気回路51を開くものである。
【0033】したがって、機関の回転速度が予め設定さ
れたアイドル回転状態の場合には、電気回路51が閉
じ、電磁弁50が励磁されてオンとなり、減圧弁39か
らの作動油の圧力が下がり、出力軸5の回転速度も低速
に維持される。また、機関の回転速度が予め設定された
アイドル回転速度値を超える場合には、電気回路51が
開き、電磁弁50は作用しない。したがって、減圧弁3
9からは油圧調整弁9で調整されたままの作動油が定速
度制御弁10の大ピストン室20に供給され、クラッチ
1または2の押圧装置にも作動油路27、30および3
1を経て作動油が供給され、クラッチ1または2は直結
されて、直結運転が行われる。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、油圧式摩擦クラッチ
の油圧式押圧装置に作動油を送るための作動油路または
その分岐油路に、減圧弁とこの減圧弁を機関の回転速度
に応じて制御する電磁弁とを設け、この電磁弁により制
御された減圧弁からの圧油やこの圧油により制御された
作動油を油圧式押圧装置に供給するので、機関の回転速
度に応じて自動的に油圧式摩擦クラッチのスリップ運転
が開始されて所定の微速が得られ、あるいは自動的にク
ラッチが直結運転となって通常の運転に復帰することが
できる。したがって、船舶における微速航行の操作が極
めて簡素化されるとともに、従来のクラッチの制御装置
に容易に追設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す油圧式摩擦クラッ
チの油圧回路の説明図である。
【図2】この発明の第2実施例を示す油圧式摩擦クラッ
チの制御装置の油圧回路の説明図である。
【図3】従来の油圧式摩擦クラッチの油圧回路の説明図
である
【図4】従来の油圧式摩擦クラッチの制御装置の油圧回
路の説明図である。
【図5】図4の油圧式摩擦クラッチの制御装置の定速度
制御弁の要部断面図である。
【符号の説明】
1,2 クラッチ 5 出力軸 7 ポンプ 9 油圧調整弁 10 定速度制御弁 11 前後進切換弁 12,13 ピストン室 14,15 ピストン 16 クラッチ板 17 大ピストン 19,29 ドレン孔 20 大ピストン室 21 小ピストン 22 スプリング 23 小室 26 回転速度検出器(遠心力ガバナー) 27,30,31 作動油路 28 環状溝 38 背圧回路 38a 制御用回路 39 減圧弁 41 バルブステム 42 バルブ室 43 ステム室 45 調整スクリュー 46 入口ポート 47 出口ポート 48 ドレンポート 50 電磁弁 51 電気回路 52 電源 53 手動スイッチ 54 スピードスイッチ 55 電気的センサー B 弁本体 H、L 操作レバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関からの動力を伝達する入力軸と出力
    軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧装
    置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るための作動油
    ポンプおよび作動油路とからなる油圧式摩擦クラッチの
    制御装置において、前記作動油路に、減圧弁とこの減圧
    弁を機関の回転速度に応じて制御する電磁弁とを設け、
    この電磁弁により制御された減圧弁からの圧油を前記油
    圧式押圧装置に供給することを特徴とする油圧式摩擦ク
    ラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 機関からの動力を伝達する入力軸と出力
    軸の間に設けられた油圧式摩擦クラッチの油圧式押圧装
    置と、この油圧式押圧装置に作動油を送るための作動油
    ポンプおよび作動油路と、前記出力軸の回転速度を検出
    する油圧式回転速度検出器と、この油圧式回転速度検出
    器からの圧油により制御される定速度制御弁とを備え、
    この定速度制御弁により制御された作動油を油圧式押圧
    装置に送る油圧式摩擦クラッチの制御装置において、前
    記定速度制御弁の一方には、油圧式回転速度検出器から
    の圧油を供給するとともに、他方には、前記作動油路か
    ら分岐する背圧回路に設けられた、機関の回転速度に応
    じて作動する電磁弁により制御される減圧弁からの圧油
    を供給することを特徴とする油圧式摩擦クラッチの制御
    装置。
  3. 【請求項3】 上記機関の回転速度を電気的センサーに
    より検出し、この電気的センサーからの信号により上記
    電磁弁を作動することを特徴とする請求項1または2に
    記載の油圧式摩擦クラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記電気的センサーは、機関がアイドル
    回転状態であることを検出した場合に信号を発すること
    を特徴とする請求項3記載の油圧式摩擦クラッチの制御
    装置。
  5. 【請求項5】 上記電磁弁が配置された電気回路には、
    手動スイッチが配置されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の油圧式摩擦クラッチの制御装置。
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