JP4212448B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを補助動力源として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る電動パワーステアリング装置の改良に関する。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。電動パワーステアリング装置の具体的構造に就いても、例えば非特許文献1に記載されている様に、従来から各種知られている。
図5は、このうちのピニオンアシスト式と呼ばれる電動パワーステアリング装置を組み込んだ操舵装置を示している。この操舵装置では、ステアリングホイール1の動きを、ステアリングシャフト2、自在継手3a、中間軸4、自在継手3bを介して、ギヤボックス5に付属の入力軸6に伝達する様にしている。この入力軸6は、ハウジング7内に回転自在に支持されており、回転に伴ってラック8を軸方向に変位させ、操舵輪に舵角を付与する。又、上記ハウジング7には電動モータ9を支持し、この電動モータ9により、上記入力軸6に結合されたピニオン軸に回転方向の補助力を付与する様にしている。
この電動モータ9によりこのピニオン軸に補助力を付与する部分の構造に就いては、例えば特許文献1に記載されている。図6は、この特許文献1に記載された、電動パワーステアリング装置を示している。ラック8aはその中間部をハウジング7aに、軸方向(図6の表裏方向)の変位自在に支持され、軸方向に変位する事で操舵輪に舵角を付与する。入力軸6aと同心に配置され、トーションバー10を介してこの入力軸6aと結合されたピニオン軸11が上記ハウジング7a内に、上記ラック8aに対し捩れの位置関係で配置されている。このピニオン軸11は、玉軸受12とニードル軸受13とにより軸方向に離隔した2個所位置を、上記ハウジング7aに対し回転自在に支持している。又、上記ピニオン軸11の中間部で上記両軸受12、13の間部分に形成したピニオン14を、上記ラック8aと噛合させている。
上記ピニオン軸11の基端部(図6の上端部)で上記ニードル軸受13から突出した部分にはウォームホイール15を、キー係合等により結合固定し、このウォームホイール15と、電動モータ9(図5参照)の出力軸に固定したウォーム16とを噛合させている。この構成により、この電動モータ9により上記ピニオン軸11に、所望方向に補助力を付与自在としている。又、上記入力軸6aと上記ハウジング7aとの間にトルクセンサ17を設け、ステアリングホイール1(図5参照)の操作に基づいて上記入力軸6aに加えられるトルクの方向と大きさとを検出自在としている。
運転者が上記ステアリングホイール1を操作し、上記入力軸6aにトルクが加わると、上記トルクセンサ17からの信号に基づいて図示しない制御器が、上記電動モータ9に通電する。そして、上記ピニオン軸11に回転方向の補助力を付与して、上記ステアリングホイール1の操作に要する力を低減させる。
上述の様に構成するピニオンアシスト式と呼ばれる電動パワーステアリング装置を一般的な乗用車に組み込む場合、上記電動モータ9やウォーム16及びウォームホイール15から成る減速機構等の部品を、エンジンルーム下部の限られた空間内に設置する必要がある。この空間部分には、電動パワーステアリング装置の構成部品以外にも種々の部品を設置する必要がある為、この電動パワーステアリング装置の構成部品の設置の自由度はあまり大きくはない。例えば、比較的嵩張る部品である、上記電動モータ9及び減速機を、比較的上方(ステアリングホイール寄り)に設置しなければならない場合がある。この様な場合でも、ラック8aとピニオン14との噛合部の位置を上方に移動させる事はできないので、この噛合部と上記電動モータ9及び減速機との距離Lを広げる必要がある。
この距離Lを広げた場合、前記ピニオン軸11の長さ寸法を大きくする必要があるが、この長さ寸法を大きくすると、このピニオン軸11の曲げ剛性が低くなり、上記ラック8aとピニオン14との噛合部の噛み合い状態が不良になる可能性がある。即ち、この噛合部では、ラック歯とピニオン歯との側面同士の押し付け合いに基づいて、上記ラック8aとピニオン14とを離す方向の力が作用する。そして、上記ピニオン軸11の曲げ剛性が低いと、車両を停止した状態のまま操舵する、所謂据え切り(生ハンドル)を行なう等により、上記ピニオン軸11に加えられるトルクが大きくなった場合に、このピニオン軸11が、上記ラック8a側が凹となる方向に湾曲する。そして、上記ラック歯と上記ピニオン歯とが、本来当接し合うべき部分から外れた部分で当接する、噛み合い不良が生じる。この様な噛み合い不良が生じると、上記ラック歯と上記ピニオン歯との噛合部での摩耗が著しくなり、電動パワーステアリング装置の耐久性が損なわれる。具体的には、比較的早期に上記噛合部のバックラッシュが過大になり、この噛合部で異音や振動が発生する様になる。
特許文献1の図1には、ピニオン軸を両端部と中間部との3個所位置でハウジングに対し支持する構造が記載されているが、この構造はウォームホイールを支持した部分の剛性確保を意図したもので、上述の様な問題に対処する事を意図したものではない。即ち、ピニオン軸が長くなった場合に、ピニオンとラックとの噛合に基づいてこのピニオン軸が撓むのを抑える事を意図したものではない。仮に、特許文献1の図1に記載された構造で、中間の転がり軸受を上記ピニオンが撓み易い部分に配置した場合、上記噛合部の摩耗を抑える事はできるが、上記中間の転がり軸受の耐久性確保が難しくなる。即ち、この中間の転がり軸受を上記ピニオンが撓み易い部分に配置すると、上記ピニオンと上記ラックとの噛合に基づいて上記転がり軸受の円周方向の一部に、常に大きなラジアル荷重が加わる状態となる。この結果、この一部で軌道面に早期剥離等の損傷が発生し易く、発生した場合には、上記ピニオン軸が回転する場合、常に異音や振動が発生する状態となる。
特開2000−95120号公報 青山元男著「レッドバッジシリーズ/245/スーパー図解/クルマの最新メカがわかる本」株式会社三推社/株式会社講談社、2001年12月20日、p154〜160
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、レイアウト上の理由等により、ピニオン軸の長さ寸法を大きくしなければならない場合でも、このピニオン軸の撓みを抑えて、ラック歯とピニオン歯との噛合部で噛み合い不良が発生する事のない、電動パワーステアリング装置を実現すべく発明したものである。
本発明の電動パワーステアリング装置は、ハウジングと、ラックと、ピニオン軸と、電動モータとを備える。
このうちのラックは、上記ハウジングに軸方向の変位自在に支持され、軸方向に変位する事で操舵輪に舵角を付与する。
又、上記ピニオン軸は、上記ラックに対し捩れの位置関係で配置された状態で上記ハウジング内に回転自在に支持され、その一部外周面に設けたピニオンを上記ラックと噛合させた状態で、ステアリングシャフトにより回転駆動自在とされている。
又、上記電動モータは、上記ピニオン軸に回転方向の補助力を付与する。
特に、本発明の電動パワーステアリング装置に於いては、上記ピニオンから軸方向に外れた円筒面部分と上記ハウジングの内面との間に存在する環状隙間(外径側の形状を円形に限定するものではない)のうち、このピニオンと上記ラックとの噛合に基づいて上記ピニオン軸が撓む方向の軸方向一部に位置する特定隙間部分の径方向に関する厚さ寸法を、この特定隙間部分から軸方向に外れた部分での上記環状隙間の厚さ寸法よりも小さくしている。
上述の様に構成する本発明の電動パワーステアリング装置の場合、ピニオンとラックとの噛合に基づいてピニオン軸が撓む傾向になると、特定隙間部分でこのピニオン軸がハウジングの内面と当接する。この結果、このピニオン軸の撓みを僅少に抑える事ができて、このピニオン軸に設けたピニオンと、上記ラックとの噛合状態が不良になる事を防止して、ピニオン歯とラック歯との摩耗を抑えられる。従って、レイアウト上の理由等により、ピニオン軸の長さ寸法を大きくした場合でも、電動パワーステアリング装置の耐久性を十分に確保できる。しかも、走行時に操舵する場合の様に、一般的な操作状態で上記ピニオン軸に加わるトルクが大きくならず、このピニオン軸の撓みがゼロ若しくは僅少の場合には、上記特定隙間部分でも、上記ピニオン軸と上記ハウジングの内面とが当接する事はない。従って、上記一般的な操作状態では、このピニオン軸の回転抵抗が大きくならず、ステアリングホイールの操作感が悪化する事はない。又、上記特定隙間部分で著しい摩耗が生じる事も防止できる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、ハウジングの内面で特定隙間部分に対応する部分に凸部を設ける事により、この特定隙間部分の径方向に関する厚さ寸法を、この特定隙間部分から軸方向に外れた部分の厚さ寸法よりも小さくする。
この特定隙間部分の厚さ寸法を小さくする事は、ピニオン軸の一部でこの特定隙間部分に対応する部分の外径を大きくする事でも対応できる。但し、この場合には、ピニオン軸のうちで軸方向位置が上記特定隙間部分に対応する部分の外径を、この特定隙間側だけでなく、全周に亙って大きくする必要がある。これに対して上記ハウジングの内面側に凸部を設ける場合には、特定隙間側にのみ、凸部を設ければ足りる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、ピニオン軸の軸方向に離隔した2個所位置をハウジングに、1対の転がり軸受により回転自在に支持する。又、上記ピニオン軸のうちこれら両転がり軸受の間で特定隙間部分に対応する位置と、上記ハウジングの内面との間にバックアップ軸受を設ける。そして、このバックアップ軸受のラジアル隙間を、上記両転がり軸受のラジアル隙間よりも大きくする。
この様に構成すれば、上記ピニオン軸に加わるトルクが大きくなり、このピニオン軸の撓みが大きくなった場合に、上記バックアップ軸受が、上記特定隙間部分で上記ハウジングの内面と上記ピニオン軸の外周面との間に作用する摩擦を低減する。そして、据え切り等、ステアリングホイールから上記ピニオン軸に加えられるトルクが大きい場合でも、このピニオン軸を回転させる為に要するトルクがそれ以上大きくなる事を抑えられる。この様なバックアップ軸受を設けた場合でも、一般的な操作状態で上記ピニオン軸に加わるトルクが大きくならず、このピニオン軸の撓みがゼロ若しくは僅少の場合には、上記バックアップ軸受のラジアル隙間の存在により、このバックアップ軸受の構成部材に大きな面圧が加わる事はない。従って、このバックアップ軸受の耐久性を十分に確保できる。
又、この様なバックアップ軸受として好ましくは、例えば請求項4に記載した様に、ニードル軸受や玉軸受等の転がり軸受を使用する事ができる。この様に構成すれば、前記凸部が不要になる。
図1は、請求項1、2に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例の場合、ラック8bはその中間部をハウジング7bに、軸方向(図1の表裏方向)の変位自在に支持され、軸方向に変位する事で操舵輪に舵角を付与する。入力軸6bと同心に配置され、トーションバー10aを介してこの入力軸6bと結合されたピニオン軸11aが上記ハウジング7b内に、上記ラック8bに対し捩れの位置関係で配置されている。このピニオン軸11aは、転がり軸受である1対の玉軸受12a、12bにより軸方向に離隔した2個所位置、即ち両端部近傍部分を、上記ハウジング7bに対し回転自在に支持している。本実施例の場合、次述するウォームホイール15a及びこのウォームホイール15aと噛合したウォーム16aを回転駆動する電動モータ9(図5参照)をステアリングホイール寄り(図1の上寄り)部分に配置すべく、上記ピニオン軸11aの長さ寸法を、前述の図6に示した従来構造の場合よりも長くしている。
そして、このピニオン軸11aの中間部先端寄り(図1の下寄り)部分で、下側の玉軸受12aに隣接する部分に形成したピニオン14aを、上記ラック8bと噛合させている。上記ピニオン軸11aの中間部でこのピニオン14aと上側の玉軸受12bとの間部分の外周面は、単なる円筒面としている。又、上記ラック8bの外周面のうちで、軸方向に関する位置が上記ピニオン14aとの噛合部に整合し、円周方向に関する位置がこの噛合部と反対側部分は、バックアップローラ18の外周面に当接させている。このバックアップローラ18は、上記ハウジング7b内に設置された枢軸19の周囲に、ニードル軸受20により回転自在に支持されている。この様なバックアップローラ18により、上記ラック8bが、上記ピニオン14aとの噛合に伴って、このピニオン14aから退避する方向に変位する事を防止している。
又、上記ピニオン軸11aの基端部(図1の上端部)で上記上側の玉軸受12bから突出した部分にはウォームホイール15aを、焼き嵌め等により結合固定し、このウォームホイール15aと、上記電動モータ9の出力軸に固定した上記ウォーム16aとを噛合させている。この構成により、この電動モータ9により上記ピニオン軸11aに、所望方向に補助力を付与自在としている。又、上記入力軸6bと上記ハウジング7bとの間にトルクセンサ17aを設け、ステアリングホイール1(図5参照)の操作に基づいて上記入力軸6bに加えられるトルクの方向と大きさとを検出自在としている。
更に、本実施例の場合には、前記ハウジング7bのうちで、上記ピニオン軸11aを収納した円筒部21の一部内面に土手状の凸部22を、この円筒部21の全周に亙って形成している。この凸部22を形成する位置は、この円筒部21の軸方向中間部で、上記ピニオン14aには対向しないが、軸方向に関してこのピニオン14aに隣接する位置としている。又、上記凸部22の内径は、上記ピニオン軸11aの外径よりも僅かに(例えば0.5〜1mm程度)大きくしている。従って、このピニオン軸11aの中間部外周面と上記凸部22の内周面とは、上記ピニオン14aと上記ラック8bとの間で動力の伝達を行なわない状態で、(例えば径方向の厚さが0.25〜0.5mm程度の)微小隙間を介して対向している。この微小隙間のうち、上記ピニオン軸11aの径方向に関して上記ラック8bと反対側部分(図1のイ部分)が、特定隙間部分である。
上述の様な構造を有する本実施例の場合、運転者がステアリングホイール1(図5参照)を操作し、前記入力軸6bにトルクが加わると、前記トルクセンサ17aからの信号に基づいて図示しない制御器が、上記電動モータ9に通電する。そして、上記ピニオン軸11aに回転方向の補助力を付与して、上記ステアリングホイール1の操作に要する力を低減させる。この結果上記ピニオン軸11aは、上記ステアリングホイール1から前記入力軸6bに伝えられ、前記トーションバー10aから伝えられたトルクと、上記電動モータ9から前記ウォーム16a及び前記ウォームホイール15aを介して伝えられたトルクとが合計されたトルクで回転する。
この際、操舵が通常の走行状態で行なわれ、上記ピニオン14aと上記ラック8bとの間で伝達される動力(トルク)が小さい場合には、これらピニオン14aと上記ラック8bとの間に互いに離れる方向に加わる力も小さい。従って、このピニオン14aを設けた上記ピニオン軸11aの撓みも小さく、このピニオン軸11aの中間部外周面と上記凸部22の内周面とが、上記特定隙間部分でも擦れ合う事はない。この為、上記ステアリングホイール1の一般的な操作状態では、上記ピニオン軸11aの回転抵抗が大きくならず、このステアリングホイール1の操作感が悪化する事はない。又、上記特定隙間部分で著しい摩耗が生じる事も防止できる。
これに対して、車両を停止した状態のまま操舵すると、操舵輪と路面との接触面に加わる大きな摩擦抵抗に打ち勝つべく、上記ラック8bを軸方向に変位させる為に要する力、延いては上記ピニオン軸11aを回転させる為に要するトルクが大きくなる。この状態では、上記ピニオン14aと上記ラック8bとの間で伝達される動力が大きくなり、これらピニオン14aと上記ラック8bとの間に互いに離れる方向に加わる力も大きくなる。従って、このピニオン14aを設けた上記ピニオン軸11aの撓みが大きくなり、このピニオン軸11aの中間部外周面と上記凸部22の内周面とが、上記特定隙間部分で当接する。前述した様に、この特定隙間の厚さ寸法は小さい(例えば0.25〜0.5mm)為、上記ピニオン14aと上記ラック8bとの間で伝達される動力が大きい場合でも、上記ピニオン軸11aの撓み量は僅少に抑えられる。
この結果、上記ピニオン軸11aに設けたピニオン14aと上記ラック8bとの噛合状態が不良になる事を防止して、ピニオン歯とラック歯との摩耗を抑えられる。従って、レイアウト上の理由等により、上記ピニオン軸11aの長さ寸法を大きくした場合でも、電動パワーステアリング装置の耐久性を十分に確保できる。
図2は、請求項1、2に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、ピニオン軸11bの先端部をニードル軸受20aにより、中間部基端寄り部分を玉軸受12bにより、それぞれハウジング7cの円筒部21aの内側に回転自在に支持している。又、ラック8bと噛合させるピニオン14bは、上記ピニオン軸11bの中間部で上記玉軸受12b寄り部分に形成している。このピニオン軸11bの中間部先端寄り部分の外周面は、単なる円筒面としている。そして、上記円筒部21aの中間部先端寄り部分の内面に形成した土手状の凸部22の内周面を、上記ピニオン軸11bの中間部先端寄り部分の外周面に近接対向させている。
この様な本実施例の場合も、操舵が通常の走行状態で行なわれた場合には、上記凸部22の内周面と上記ピニオン軸11bの中間部先端寄り部分の外周面との間に全周に亙って隙間が存在する。この為、このピニオン軸11bの回転抵抗が大きくならず、ステアリングホイールの操作感が悪化する事はない。又、上記全周に亙る隙間のうちで上記ピニオン軸11bの直径方向に関して上記ラック8bと反対側部分である特定隙間部分で著しい摩耗が生じる事も防止できる。これに対して、車両を停止した状態のまま操舵する等により、上記ピニオン14bと上記ラック8bとの間で伝達される動力が大きくなると、上記ピニオン軸11bが撓み、上記特定隙間部分でこのピニオン軸11bの外周面の一部が、上記凸部22の内周面の一部に当接する。そして、このピニオン軸11bが過度に撓む事を防止して、上記ピニオン14bと上記ラック8bとの噛合状態が不良になる事を防止して、ピニオン歯とラック歯との摩耗を抑える。
図3は、請求項1、2に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、ハウジング7bの円筒部21の中間部内周面に形成する凸部22aを、特定隙間部分及び円周方向に関してこの特定隙間の両側に位置する部分にのみ形成している。より具体的には、上記円筒部21の中間部内周面のうち、この円筒部21の周方向に関してラック8bと反対側部分で、中心角に換算して90〜180度(全周の1/4〜1/2)程度の範囲に、上記凸部22aを形成している。逆に言えば、上記円筒部21の内周面のうちで、上記ラック8bとピニオン14aとの間での動力伝達時にピニオン軸11aが撓む方向と反対側に位置する部分には、凸部を形成していない。本実施例の場合、この様に、上記凸部22aを上記ピニオン軸11aの撓み防止の面から必要とされる個所のみに設ける事で、上記円筒部21内にこのピニオン軸11aを挿入する作業等、組立作業の容易化を図っている。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図4は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、ハウジング7bの円筒部21の中間部内周面に形成する凸部22bの内径を、前述した実施例1の場合よりも大きくしている。そして、この凸部22bの内周面に保持した、請求項に記載したバックアップ軸受である滑り軸受23の内周面を、ピニオン軸11aの中間部外周面に近接対向させている。即ち、本実施例の場合、上記滑り軸受23の内径をこのピニオン軸11aの外径よりも僅かに(例えば0.5〜1mm程度)大きくしている。この為、この滑り軸受23の内周面と上記ピニオン軸11aの中間部外周面との間には微小隙間が存在する。本実施例の場合、この微小隙間が請求項に記載したラジアル隙間に相当する。又、この微小隙間の大きさは、上記ピニオン軸11aの軸方向に離隔した2個所位置を上記ハウジング7bに対して支持している玉軸受12a、12b(図1参照)のラジアル隙間よりも大きくしている。この様な本実施例の場合、ピニオン14aとラック8bとの間で伝達される動力が大きくなって上記ピニオン軸11aが撓んだ状態ではこのピニオン軸11aの外周面の一部が、上記滑り軸受23の内周面の一部に当接する。従って、上記動力が大きくなった状態でも、上記ピニオン11aを回転させる為に要するトルクを低く抑えて、ステアリングホイールの操作感が悪化する事を抑えられる。
尚、上記円筒部21の内周面に設けるバックアップ軸受は、例えば請求項4に記載した様に、ニードル軸受や玉軸受等の転がり軸受としても良い。この場合、転がり軸受の外輪を上記円筒部21の内周面に内嵌すると共に、内輪を上記ピニオン軸11aの中間部外周面に外嵌する。凸部は不要である。又、ニードル軸受を使用する場合には、内輪を省略しても良い。そして、上記転がり軸受のラジアル隙間を上記玉軸受12a、12bのラジアル隙間よりも大きくする。この様に構成すれば、一般的な操作状態で上記ピニオン軸11aに加わるトルクが大きくならず、このピニオン軸11aの撓みがゼロ若しくは僅少の場合には、上記転がり軸受のラジアル隙間の存在により、この転がり軸受の軌道面等に大きな面圧が加わる事を防止して、この転がり軸受の耐久性を確保できる。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本発明の実施例1を示す断面図。 同実施例2を示す、図1の下半部に相当する部分断面図。 同実施例3を示す、図2と同様の図。 同実施例4を示す、図2と同様の図。 本発明の対象となる電動パワーステアリングを組み込んだ操舵装置の1例を示す図。 従来の電動パワーステアリングの1例を示す断面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a、3b 自在継手
4 中間軸
5 ギヤボックス
6、6a、6b 入力軸
7、7a、7b、7c ハウジング
8、8a、8b ラック
9 電動モータ
10、10a トーションバー
11、11a、11b ピニオン軸
12、12a、12b 玉軸受
13 ニードル軸受
14、14a、14b ピニオン
15、15a ウォームホイール
16、16a ウォーム
17、17a トルクセンサ
18 バックアップローラ
19 枢軸
20、20a ニードル軸受
21、21a 円筒部
22、22a、22b 凸部
23 滑り軸受

Claims (4)

  1. ハウジングと、このハウジングに軸方向の変位自在に支持され、軸方向に変位する事で操舵輪に舵角を付与するラックと、このラックに対し捩れの位置関係で配置された状態で上記ハウジング内に回転自在に支持され、その一部外周面に設けたピニオンを上記ラックと噛合させた状態で、ステアリングシャフトにより回転駆動自在とされたピニオン軸と、このピニオン軸に回転方向の補助力を付与する電動モータとを備えた電動パワーステアリング装置に於いて、上記ピニオンから軸方向に外れた円筒面部分と上記ハウジングの内面との間に存在する環状隙間のうち、このピニオンと上記ラックとの噛合に基づいて上記ピニオン軸が撓む方向の軸方向一部に位置する特定隙間部分の径方向に関する厚さ寸法を、この特定隙間部分から軸方向に外れた部分での上記環状隙間の厚さ寸法よりも小さくした事を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. ハウジングの内面で特定隙間部分に対応する部分に凸部を設ける事により、この特定隙間部分の径方向に関する厚さ寸法をこの特定隙間部分から軸方向に外れた部分での環状隙間の厚さ寸法よりも小さくした、請求項1に記載した電動パワーステアリング装置。
  3. ピニオン軸の軸方向に離隔した2個所位置がハウジングに、1対の転がり軸受により回転自在に支持されており、上記ピニオン軸のうちこれら両転がり軸受の間で特定隙間部分に対応する位置と、上記ハウジングの内面との間にバックアップ軸受が設けられており、このバックアップ軸受のラジアル隙間を上記両転がり軸受のラジアル隙間よりも大きくしている、請求項1に記載した電動パワーステアリング装置。
  4. バックアップ軸受が、転がり軸受である、請求項3に記載した電動パワーステアリング装置。
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