JP4212132B2 - マルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼とその製造方法 - Google Patents

マルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、ラスマルテンサイト組織のフェライト系耐熱鋼とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、ボイラ、原子力発電設備、化学工業設備等の高温、高圧下で操業される装置用の材料、たとえば熱交換用の鋼管、圧力容器用の鋼板、タービン用材料等として有用な、長時間クリープ特性に優れた、新しいフェライト系耐熱鋼とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
ボイラ、原子力発電設備、化学工業装置等の装置は、高温、高圧下で長時間使用される。したがって、これらの装置に用いられる耐熱鋼は、高温における強度、耐食性、耐酸化性および常温における靱性等に優れていることが要求される。これらの用途には、従来、オーステナイト系ステンレス鋼(たとえば、JIS−SUS321H、同SUS347H鋼)、低合金鋼(たとえば、JIS−STBA24(2・1/4Cr−1Mo))、さらには、9〜12Cr系の高Crフェライト鋼(たとえば、JIS−STBA26(9Cr−1Mo鋼))などが用いられてきている。なかでも、高Crフェライト鋼は、500〜650℃の温度域において、強度、耐食性の点で低合金鋼よりも優れ、また、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて熱伝導率が高く、かつ熱膨張率が小さいので、耐熱疲労性に優れていることや、スケール剥離が起こりにくい特性を備えているといった特長がある。この他、高Crフェライト鋼は、応力腐食割れを起こさないことなどの長所を持っているため、広く利用されている。
【0003】
一方、近年では、火力発電においては、熱効率の向上を図るために、ボイラの蒸気条件の高温化、高圧化が進められている。すなわち、現状の超臨界圧条件538℃、246気圧から、将来は650℃で350気圧というような超々臨界圧条件での操業が計画されている。このような蒸気条件の変化に伴って、ボイラ用鋼管に対して要求される性能は、ますます過酷化してきている。そのため、従来の高Crフェライト鋼では、高温における長時間クリープ強度、耐酸化性等の特性、特に耐水蒸気酸化性の点で630℃程度までが限界と考えられているのが実状である。水蒸気酸化とは、高温高圧の水蒸気に曝されるボイラー用鋼管等の表面で生じる酸化現象であるが、この酸化が起こり酸化皮膜(スケール)が生成すると、ボイラーの温度変化にともなってスケースが剥離し、剥離したスケールは、鋼管内の詰まり等のトラブルの原因にもなるので、水蒸気酸化の防止は重要な課題の一つとなっている。
【0004】
オーステナイト系ステンレス鋼は、耐水蒸気酸化性の点では上記の要求に十分応える材質が既に開発されているが、発電所の起動・停止に伴う熱歪みに起因した熱疲労・熱衝撃特性や、靱性に劣るため、大径厚肉の主蒸気配管等には適用できない。そこで高Crフェライト鋼の特性を改良して、その使用限界温度を向上させる努力が払われている。
【0005】
たとえば、高Crフェライト鋼の特性の改良対策として、従来の高Crフェライト鋼にWを含有させた耐熱鋼が開発されている。特開平3−97832号公報には、従来よりもW含有量を高くし、さらに、高温における耐酸化性を向上させるためにCuを含有させた高Crフェライト鋼が開示されている。また、特開平4−371551号公報および特開平4−371552号公報には、WおよびMoを含有させ、MoとWの含有量の適正な割合を選択するとともに、CoおよびBの両者を含有させることにより、高温における強度と靱性を高めた高Crフェライト鋼が提案されている。
【0006】
これらの高Crフェライト鋼は、Wを多量に含有しているので、高温クリープ強度に優れている。しかし、Wは、Mo、Cr等と共にフェライト生成元素であるため、多量に含有する場合には、鋼中にδ−フェライトが生成する。その結果、高Crフェライト鋼の靱性が低下するという弊害が生じる。
靱性低下の防止には、高Crフェライト鋼の組織をマルテンサイト組織単相とすることが有効である。その点を考慮して、特開平5−263196号公報には、Cr含有量を低くすることにより、マルテンサイト組織単相とした耐熱鋼が開示されている。また、特開平5−311342号、同5−311343号、同5−311344号、同5−311345号、同5−311346号公報には、高Crフェライト鋼に対して、オーステナイト生成元素であるNi、Cu、Co等を含有させることによって、靱性を向上させた高Crフェライト鋼が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記の特開平5−263196号公報に開示されている高Crフェライト鋼においては、Mo、Ni等が、鋼の表面に生成する緻密で安定なコランダム型のCr2 3 からなるスケール層を破壊するために、耐水蒸気酸化性に劣るという欠点がある。また、特開平5−311342号公報等に開示されている高Crフェライト鋼は、Ni、Cu等を多量に含有しているので、A1 変態点およびA3 変態点が低い。そのために、焼きもどし軟化抵抗が小さいので、長時間クリープ強度が低い。また、これらの元素が含まれると、Cr2 3 を主体とする酸化物の構造が変わるので、高Crフェライト鋼の耐水蒸気酸化性が悪くなるという欠点がある。
【0008】
以上のことからは、従来の知見を総合しても、600℃を越える高温において長時間クリープ特性が飛躍的に向上し、しかもその他の性能、たとえば靱性や耐水蒸気酸化性等に何れも優れる鋼を実現することは難しい状況にある。
たとえば従来のボイラ用高Crフェライト鋼では、600℃を越える高温での長時間クリープ強度はクリープ歪みがある程度大きくなりだすと、ラスマルテンサイトの合体・成長が急速に進行し、動的再結晶の様相を呈し、加速クリープ域へ移行して早期破断に至る。このようなクリープ強度の低下は焼き戻しマルテンサイト組織を有する従来の高Crフェライト系耐熱鋼では本質的な問題で、有効な対策がないのが現状である。
【0009】
この出願の発明は、以上のとおりの従来技術の限界を克服し、600℃を超えるような高温においても、マルテンサイト組織の最適化によって長時間クリープ特性を著しく向上させることのできる高Crフェライト系耐熱鋼を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、焼きならし、もしくは焼入れ後必要に応じて焼き戻しされたマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼であって、質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0〜1.0%、Mn:0〜1.5%、P:0.030%以下、S:0.015%以下、Cr:8.0〜13.0%、W:0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、但しW+2Mo≦4.0%、V:0.10〜0.50%、N:0〜0.10%、B:0〜0.030%、O:0.010%以下、sol.Al:0〜0.050%。Co:0〜5.0%、Ni:0〜0.50%、Cu:0〜1.0%、を含有し、残部:Feおよび不可避の不純物からなる化学組成を有し、マルテンサイトラスの大きさが幅≦0.5μm、長さ≦5μmで、かつ隣り合う個々のラス方位が互いに2deg以内の類似方位を有する領域が、5μm以下である、微細かつランダム方位を有することを特徴とするルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼(請求項1)を提供する。
【0012】
また、この発明は、以上のフェライト系耐熱鋼の態様として以下のものも提供する。
化学組成において、さらに、質量%で、Nb:0〜0.15%、およびTa:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Nb+1/2 Ta≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼(請求項)。
【0013】
化学組成において、さらに、質量%で、Ti:0〜0.15%、Zr:0〜0.30%、およびHF:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Ti+ 1/2Zr+ 1/4Hf≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼(請求項)。
【0014】
化学組成において、さらに、質量%で、Nb:0〜0.15%、およびTa:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Nb+ 1/2Ta≦0.15%、並びにTi:0〜0.15%、Zr:0〜0.30%およびHf:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Ti+ 1/2Zr+ 1/4Hf≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼(請求項)。
そして、この発明は、上記耐熱鋼について、マルテンサイト変態前のオーステナイト粒の平均径が20μm以上であるマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼(請求項5)を提供する。
【0015】
さらにこの出願の発明は、以上のフェライト系耐熱鋼の製造方法であって、1000℃〜1250℃の温度範囲にてオーステナイト化処理後Al変態点〜500℃の温度範囲へ冷却後、断面変化率で15%以上の引張、圧縮、捻りのいずれかのモードに対応する加工を加え、引き続いてその加工方向に対して前の加工とは異なる加工モードにて断面変化率で15%以上の加工を施す多段多軸加工を1回以上繰り返し、その後冷却してマルテンサイト組織を得ことを特徴とするルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の製造方法(請求項)をも提供する。
加えて、さらに、焼き戻し処理を施すことを特徴とする請求項6記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の製造方法(請求項7)を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴を有するマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼とその製造方法を提供するものであるが、このものは、発明者らが、600℃を超えるような高温において、マルテンサイト組織の最適化によって長時間クリープ特性を著しく向上させた高Crフェライト系耐熱鋼を提供することを目的として研究開発を進め、高Crフェライト鋼の高温長時間クリープ強度と、鋼の化学組成および金属組織(ミクロ組織)との関係について詳細に検討し、その結果として得られた次のような新たな知見に基づいて完成されている。
【0017】
▲1▼ 焼き戻しマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼では、高温におけるクリープ変形において、クリープ歪みがある程度集積し出すと、マルテンサイトラスの合体・成長が起こり、急激に加速クリープ域へ移行する。
▲2▼ フェライト系耐熱鋼ではクリープ変形は、定常クリープ域がほとんどなく、初期の遷移クリープ域から加速クリープ域へ移行し、その寿命の大部分は加速クリープ域の長さで支配される。
【0018】
そのため、ラスマルテンサイト組織の合体・成長をできるだけ遅延させることがクリープ寿命の向上に繋がる。
▲3▼ マルテンサイト組織をラスの大きさが幅≦0.5μm、長さ≦5μmで、かつ隣り合う個々のラス方位が類似(互いに2deg以内)の方位を有する領域が5μm以下である、微細かつランダム方位を有する構造とすることによって、遷移クリープ域から加速クリープ域への移行を大幅に遅延させ、長時間クリープ抵抗を維持することができる。
【0019】
<4> 上記の組織であれば従来の鋼の組成範囲であっても、600℃を越える高温におけるクリープ強度が飛躍的に向上する。
<5> この様な組織は特定の合金組成にて、既存のあるいは新しい適当な加工法の組み合わせによって実現される。
そこで、この出願の発明のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の組織と鋼の特性の関係、さらには組成限定した場合の各合金元素と鋼の特性との関係および各合金元素の含有量の範囲とその限定理由について、以下に説明する。
【0020】
まず、ラスマルテンサイトについて説明すると、通常の鋼ではC含有量とマルテンサイトの生成(変態)温度によってマルテンサイト組織の形態が変化するが、実用鋼(C含有量,0%〜1%の範囲)では大部分がラスマルテンサイト組織となる。ラスマルテンサイトでは、通常同一、あるいは類似の方位をもった結晶粒の最小単位がラスで、幅が約1〜2μm程度、長さが5〜10μm程度の粒状、あるいは板状の結晶粒である。このラスが集まってブロックを形成し、さらにいくつかのブロックが集まってパケットを形成する。一つのオーステナイト結晶粒がマルテンサイト変態すると、その中にいくつかのパケットが形成され、そのパケットはさらにブロック、さらにはラスによって構成されることになる。
【0021】
一般に、ラスマルテンサイトは焼き入れたままでは転位密度が高く、室温では硬くて(高強度)、脆い(靱性が低い)特徴を有するため、通常は焼き戻し処理によって転位密度を低下させ、あるいはラス・ブロック・パケット界面、さらには処理前のオーステナイト粒界に 23 等の炭化物を析出させて軟化させて使用される場合が多い。この焼き戻し処理により強度と靱性を兼ね備えた鋼が得られる。しかしながら、高温で使用される耐熱鋼では高温での長時間使用に伴い、クリープ変形と時効が重畳してさらに軟化が進行し、クリープ強度が低下する。
【0022】
このラスマルテンサイト組織のクリープ変形においては、微細に析出した炭化物がクリープ変形の抵抗として寄与することから、クリープ初期には主にラス組織内部での転位密度の低下が進行するが、クリープ変形の進行に伴いクリープ歪みがラス界面に蓄積してラスの合体・成長が起こる。この段階は加速クリープ域でも初期に相当するが、その後、同一、あるいは類似の方位を有するラスの合体が進行すると、今度はブロック、およびパケット界面にクリープ歪みが急激に蓄積し、さらにクリープ変形の加速が進行する。最終的には旧オーステナイト粒界での動的再結晶の起点となり、また粒界すべりが容易に進行することとなり急速にクリープ変形して破断に至る。
【0023】
このようなクリープ変形においては、(1)ラスの合体・成長の抑制、(2)ブロック・パケット界面へのクリープ歪みの蓄積抑止、(3)処理前のオーステナイト粒界での動的再結晶抑制と、(4)処理前のオーステナイト粒界での粒界すべり抑制がクリープ抵抗の向上に重要である。(1)〜(3)に対してはラスの微細化およびランダム方位化により、クリープ歪みが分散可能で、その結果ラスの合体・成長は抑制され、ブロック・パケット界面への歪み蓄積も抑止可能である。また、処理前のオーステナイト粒界での動的再結晶も同様に歪みの蓄積によって生じることから、ラスの微細化・ランダム化がその抑制に効果がある。ところが600℃を越えるような高温においては特に低応力下(使用環境での応力状態により近い)では粒界すべりがクリープ変形の大部分を担うようになり、これは結晶粒径が小さいほど粒界すべりの寄与が増大し、急激にクリープ抵抗を失う。したがって粒界すべりの寄与が大きい高温においてはできるだけ旧オーステナイト粒径は大きい方がクリープ強度には有利となる。この両者を同時に満足できる組織として、マルテンサイトラスの大きさが幅≦0.5μm、長さ≦5μmで、かつ隣り合う個々のラス方位が類似(互いに2deg以内)の方位を有する領域が5μm以下である、微細かつランダム方位を有するラスマルテンサイト組織とする。また、処理前のオーステナイト粒の平均径は20μm以上とするのがよい。
【0024】
次に合金組成を特定する場合の各成分元素の選定理由、並びに限定範囲について示す。
C:Cは重要なオーステナイト生成元素としてδ−フェライト相の抑制効果を有すると共に、鋼の焼き入れ性を著しく高めてマルテンサイト相母相を形成するのに不可欠の元素である。さらにMC型炭化物(MはV,Nb等の合金元素、炭窒化物M(C,N)の形態をとる場合もある)、M7 3 、M236 型の炭化物を形成する。これらの炭化物は、本発明鋼の特性に著しい影響を及ぼす。高Crフェライト鋼は、通常、焼きならしおよび焼きもどし処理によって焼きもどしマルテンサイト組織として使用される。600℃を越えるような高温下で長時間使用される場合には、VC、NbC等の微細な炭化物の析出が進行する。これらの炭化物は、長時間クリープ強度を維持する働きをする。この炭化物の効果を得るためには、0.06質量%(以下、化学組成の%表示は質量%)以上のCが必要である。一方、C含有量が0.18%を超えると、高温下で使用される際、初期段階から炭化物の凝集と粗大化が起こり、長時間のクリープ強度が低下する。したがって、C含有量が0.06〜0.18%が適当である。
【0025】
Si:Siは、溶鋼の脱酸剤として用いられる。この外、高温における耐水蒸気酸化性を向上させるのに有効な元素である。しかし、過剰な場合は、鋼の靱性が低下するので、1%以下がよい。溶鋼が十分なAl量で脱酸される場合には、特にSiを含む必要はない。
Mn:Mnは、通常、SをMnSとして固定し、鋼の熱間加工性を向上させるために添加されてきたが、十分に脱硫された鋼においては特に添加する必要はない。本発明鋼においては、Mnは高圧力下での短時間クリープ強度を向上させる効果もあるため、必要に応じて添加される。一方、Mn含有量が1.5%を超えると、鋼の靱性が低下する。したがって、Mn含有量は0〜1.5%とするのが好ましい。
【0026】
Cr:Crは、本発明鋼の高温における耐食性、耐酸化性、特に耐水蒸気酸化性を確保するために、必要不可欠な元素である。Crを含有する場合には、鋼の表面にCr酸化物を主体とする緻密な酸化皮膜が形成される。この酸化皮膜が、本発明鋼の高温における耐食性や耐酸化性、特に耐水蒸気酸化性を向上させる。また、Crは、炭化物を形成してクリープ強度を向上させる働きを持っている。これらの効果を得るためには、Cr含有量8.0%以上が必要である。一方、13.0%を超えると、δ−フェライトが生成しやすくなるので、靱性の低下が起こる。したがって、Cr含有量は8.0〜13.0%とするのが好ましい。
【0027】
W:Wは、本発明鋼において、クリープ強度を高める上で有効な元素の1つである。Wは、固溶状態にあってはマルテンサイト相母相を強化し、さらに鋼が高温下で使用される場合には、Fe7 6 型のμ相、あるいはFe2 W型の Laves相などを主体とする金属間化合物を形成し、微細析出相を通して、長時間クリープ強度を向上させる。また、WはCr炭化物中にも一部固溶し、炭化物の凝集、粗大化を抑制する働きがあるので、本発明鋼の高温における強度の維持にも有効な元素である。Wのこの効果を得るためには、微量添加では固溶強化、1%を越える添加では析出強化は顕著となる。一方、4.0%を超えると、δ−フェライトが生成しやすくなり、靱性が低下する。また、Mo(後述)と同時に添加する場合はその含有量をW+2Mo≦4.0%とするのがよい。さらに、他の強化元素で鋼が十分強化されている場合はWを含有させなくても良い。
【0028】
Mo:Moは、Wと同様に微量では固溶強化、1%超では析出強化に寄与し、クリープ強度を高めるが、析出強化の寄与する温度範囲はWに比べて低温側(600℃以下)で顕著である。またMoを含むM236 、あるいはM7 3 型炭化物は、高温で安定であるために、長時間クリープ強度の確保に対して有効な元素である。一方、2.0%を超えるとδ−フェライトが生成しやすくなり、靱性が低下する。また、W(前述)と同時に添加する場合はその含有量をW+2Mo≦4.0%の範囲とするのが適当である。さらに、他の強化元素で鋼が十分強化されている場合はMoを含有させなくてもよい。
【0029】
V:Vは、微細な炭窒化物を形成してクリープ強度の向上に寄与する元素である。Vの効果は、含有量0.10%以上で現れる。一方、含有量が0.50%を超えると、その効果は飽和するので、V含有量は0.10〜0.50%とするのが適当である。
Nb,Ta:Nb,Taは、窒化物および炭窒化物の形成により、ラスマルテンサイトの合体・成長を遅延させ、クリープ強度の向上に寄与するので、必要に応じてNb:0〜0.15%、Ta:0〜0.30%、の少なくとも1種を0.02%≦Nb+ 1/2Ta≦0.15%の範囲で添加するのが適当である。
【0030】
Ti,Zr,Hf:Ti,Zr,Hfは、窒化物および炭窒化物の形成により、ラスマルテンサイトの合体・成長を遅延させ、クリープ強度の向上に寄与するので、必要に応じてTi:0〜0.15%、Zr:0〜0.30%、Hf:0〜0.30%、の少なくとも1種を0.02%≦Ti+ 1/2Zr+ 1/4Hf≦0.15%の範囲で添加するのが適当である。
【0031】
N:NはC同様に重要なオーステナイト生成元素としてδ−フェライト相の抑制効果を有すると共に、鋼の焼き入れ性を高めてマルテンサイト相を形成する元素である。さらにM(C,N)型炭窒化物(MはV,Nb等の合金元素)を形成し、本発明鋼の特性に著しい影響を及ぼすが、所望の性能に応じてCとNの添加割合を制御するのが重要である。すなわち、本発明鋼においては、C等によりδ−フェライト相を十分抑制可能であり、かつ630℃を越える高温におけるクリープ強度を重視する場合にはN添加は特に必要ない。一方、焼き入れ性を十分高めてδ−フェライト相を抑制することを重視する場合にはNを添加するのが良い。その場合にも多量添加により窒化物の粗大化が進行すると、靱性の低下が著しくなるので、好ましくは、N含有量は0〜0.10%とする。
【0032】
B:Bが微量、鋼中に含まれると、主にM236 型等の炭化物が微細に分散析出し凝集粗大化が抑制されるため、高温長時間クリープ強度が向上する。また、厚肉材などで熱処理後の冷却速度が遅い場合には、焼き入れ性を高めて高温強度を向上させる働きがある。本発明鋼では、Bを含有しなくてもよいが、高温強度を高める目的で含有させてもよい。Bの効果は、0.0005%以上で顕著となるので、含有させる場合は0.0005%以上とするのが望ましい。しかし、0.030%を超えると粗大な析出物を形成し、靱性を低下させるので、その上限は0.030%とするのが好ましい。
【0033】
sol.Al:Alは、おもに溶鋼の脱酸剤として添加される。鋼中には、酸化物としてのAlと、酸化物以外の形態で存在するAlがあり、通常後者のAlは分析上、塩酸可溶Al(sol.Al)として区別されている。脱酸効果が得られれば、sol.Alは特に必要ない。一方、0.050%を超えるとクリープ強度の低下を招く。したがって、通常sol.Al含有量は、0〜0.050%が適当である。
【0034】
O(酸素):Oは、不可避の不純物として鋼中に含有され、粗大な酸化物として偏在すると靱性等に悪影響を及ぼす元素である。特に、靱性を確保するためには、極力低い方がよい。O含有量0.020%以下の場合には、本発明鋼の靱性への影響は小さいので、上限は、0.020%とするのが好ましい。
また、この発明では、通常工業的に用いられている製造設備および製造プロセスによって製造することができる。電気炉、転炉などの炉によって精錬し、脱酸剤および合金元素の添加によって成分調整すればよい。特に、厳密な成分調整を必要とする場合には、合金元素を添加する前に、溶鋼に真空処理を施す方法を採ってもよい。
【0035】
所定の化学組成に調整された溶鋼は、連続鋳造法または造塊法によって、スラブ、ビレットまたは鋼塊に鋳造される。
これらに対して、この発明では、たとえば前記のように、▲1▼1000℃〜1250℃の温度範囲にてオーステナイト化処理後、▲2▼Al変態点〜500℃の温度範囲へ冷却後、▲3▼断面変化率で15%以上の引張、圧縮、捻りのいずれかのモードに対応する加工を加え、▲4▼引き続いてその加工方向に対して前の加工とは異なる加工モードにて断面変化率で15%以上の加工を施す▲5▼多段多軸加工を1回以上繰り返し、▲6▼その後冷却してマルテンサイト組織を得、▲7▼必要に応じて焼き戻し処理を施すことで、所要のラスマルテンサイト組織を持つフェライト系耐熱鋼を製造することができる。
【0036】
上記▲1▼ではオーステナイト組織の均質化と結晶粒度の調整が主目的で、好ましくは、マルテンサイト変態前のオーステナイト結晶粒径を20μm以上に調整する。加熱温度が1000℃よりも低い場合にはA3変態点直上となり十分な均質化が不可能であり、また1250℃を越えると不必要な結晶粒の粗大化を招く場合があるためオーステナイト化温度は1000℃〜1250℃が適当である。
【0037】
上記▲2▼ではその後オーステナイト状態のままで加工することを目的にAl変態点から500℃の範囲へ冷却するが、冷却速度は空冷程度以上の冷却速度が望ましい。これによって過度の析出もなくオーステナイト単相組織が維持され、引き続く加工が均一に可能となる。
上記▲3▼ではオーステナイト状態で断面変化率15%以上の引張、圧縮、捻りのいずれかの加工を加えるが、加工度が15%に満たない場合は最終的に得られるラスマルテンサイトの微細化・ランダム化が効率的に得られない。
【0038】
上記▲4▼では▲3▼の加工に引き続いてその加工方向に対して前の加工とは異なる加工モードにて断面変化率で15%以上の加工を施すが、前の加工モードと異なるモードで加工することによって、最終的に得られるラスマルテンサイト組織のランダム化・微細化が初めて可能となる。さらに従来の加工熱処理ではマルテンサイト変態前のオーステナイト結晶粒は一方向に伸長し、強い異方性(集合組織)を示すが、この方法によれば異方性はほとんどないオーステナイト粒が得られ、これは粒界すべりの支配的になる高温でのクリープ抵抗をさらに向上させる効果を有する。
【0039】
上記▲5▼に記載のごとく、▲3▼−▲4▼の加工を繰り返すことはラスマルテンサイトの微細化に有利であり、必要に応じて実施する。
上記▲6▼の加工後の冷却は空冷程度以上の冷却速度でマルテンサイト組織が得られる。焼き割れの生じない範囲で急冷することはラスマルテンサイトの微細化に効果がある。
【0040】
上記▲7▼の焼き戻しについては必要に応じて実施する。靱性の向上が必要な場合には通常の焼きならし焼き戻しと同様に700℃〜Al変態点の温度範囲に再加熱し、数時間程度保持後空冷すれば良い。また、金属間化合物を初期に微細析出させてさらにクリープ抵抗を高めたい場合には500℃〜700℃の温度範囲に数時間以上加熱保持後、空冷すれば良い。また加工時に適当な析出が起こり焼き戻しと同じ効果が得られている場合には、特に焼き戻し処理を実施しなくても良い。
【0041】
さらに上記▲3▼−▲4▼、あるいは▲5▼の加工前あるいは加工中において素材を500℃〜700℃の温度範囲に数時間程度保持する処理を実施しても良い。これにより高温安定な炭窒化物や金属間化合物の微細分散化が図れ、さらにラスマルテンサイトの微細・ランダム化が促進される場合がある。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
【0042】
【実施例】
表1は、試験に用いた供試材の化学組成(質量%)を示したものである。
【0043】
【表1】
Figure 0004212132
【0044】
各供試材の製造方法は次のとおりである。まず、容量10Kgの真空高周波誘導炉によって原料を溶解し、所定の化学組成に成分調整した後、80mm丸の鋼塊に鋳造した。得られたインゴットを温度1250℃〜1000℃で熱間鍛造して、40mm丸の試験材を作製した。その後試験材は900℃〜1100℃にてオーステナイト化処理を施し、そのまま500℃〜700℃までファン空冷後直ちに押し出し加工して20mm丸とした後、引き続きプレス鍛造にて30mm丸の試験材とした。次いで、焼き戻し処理を実施してクリープ試験片、組織観察試験片を採取した。
【0045】
組織観察は主に透過電子顕微鏡によるラス組織の定量を実施した。
また、高温クリープ強度の評価方法は下記のとおりとした。
〔高温クリープ強度〕
高温クリープ強度は、下記の試験条件によるクリープ破断試験によって評価した。
【0046】
Figure 0004212132
図1は供試鋼No.3を種々のオーステナイト化温度にて製造して得られたラス幅とクリープ破断時間との関係を示している。一般にオーステナイト化温度が低くなるとラス幅は小さくなるが、クリープ強度は600℃ではラス幅の減少と共に急激に高くなるが、650℃、700℃の試験ではデータがばらつき、特に700℃ではラス幅の減少と共に破断時間が短くなる傾向もある。従ってラス幅だけからは高温におけるクリープ強度をうまく整理できないことが解る。
【0047】
一方、図2は供試鋼No.5を種々の条件で製造した場合の旧オーステナイト粒径とラス幅×長さの変化に対するクリープ破断時間(650℃×140MPa)を示す。この図2から明らかなように、焼き戻し処理前の旧オーステナイト粒径が大きく、しかもラスの微細な材料ほど破断時間が急激に増大することが明らかとなった。
【0048】
また、表2は表1に示す種々の組成の供試材について所定の組織調整をした場合のクリープ特性を示したものである。所定の組織調整によりクリープ破断時間は何れも2000時間以上となり、飛躍的なクリープ強度の向上が得られた。
【0049】
【表2】
Figure 0004212132
【0050】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この出願の発明のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼では、600℃を越える高温における長時間クリープ特性に極めて優れ、ボイラ、原子力発電設備、化学工業装置など従来のフェライト鋼の使用限界温度と考えられていた600℃を越える高温、高圧下で操業される装置用材料、たとえば具体的には、熱交換用のボイラ関連鋼管あるいは圧力容器用の鋼板、タービン用材料等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラス幅によるクリープ破断時間の変化を例示した図である。
【図2】ラス幅×長さ(μm2 )および旧オーステナイト粒径(μm)とクリープ破断時間との関係を例示した図である。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.06〜0.18%、Si:0〜1.0%、Mn:0〜1.5%、P:0.030%以下、S:0.015%以下、Cr:8.0〜13.0%、W:0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、但しW+2Mo≦4.0%、V:0.10〜0.50%、N:0〜0.10%、B:0〜0.030%、O:0.010%以下、sol.Al:0〜0.050%。Co:0〜5.0%、Ni:0〜0.50%、Cu:0〜1.0%、を含有し、残部:Feおよび不可避の不純物からなる化学組成を有し、
    マルテンサイトラスの大きさが幅≦0.5μm、長さ≦5μmで、かつ隣り合う個々のラス方位が互いに2deg以内の類似方位を有する領域が、5μm以下である、微細かつランダム方位を有することを特徴とするルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼。
  2. 化学組成において、さらに、質量%で、Nb:0〜0.15%およびTa:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Nb+ 1/2 Ta≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼。
  3. 化学組成において、さらに、質量%で、Ti:0〜0.15%、Zr:0〜0.30%、およびHf:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Ti+ 1/2 Zr+ 1/4 Hf≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼。
  4. 化学組成において、さらに、質量%で、Nb:0〜0.15%、およびTa:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Nb+ 1/2 Ta≦0.15%、並びにTi:0〜0.15%、Zr:0〜0.30%およびHf:0〜0.30%の割合で、その少なくとも1種を合計で0.02%≦Ti+ 1/2 Zr+ 1/4 Hf≦0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼。
  5. マルテンサイト変態前のオーステナイト粒の平均径が20μm以上である請求項1ないし4いずれかに記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼。
  6. 請求項1ないしのいずれかのマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の製造方法であって、1000℃〜1250℃の温度範囲にてオーステナイト化処理後、A1変態点〜500℃の温度範囲へ冷却後、断面変化率で15%以上の引張,圧縮,捻りのいずれかのモードに対応する加工を加え、引き続いてその加工方向に対して前の加工とは異なる加工モードにて断面変化率で15%以上の加工を施す多段多軸加工を1回以上繰り返し、その後冷却してマルテンサイト組織を得ことを特徴とするルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の製造方法。
  7. さらに、焼き戻し処理を施すことを特徴とする請求項6記載のマルテンサイト組織を有するフェライト系耐熱鋼の製造方法。
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