JP2001192730A - 高Crフェライト系耐熱鋼およびその熱処理方法 - Google Patents

高Crフェライト系耐熱鋼およびその熱処理方法

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JP2001192730A JP2000006219A JP2000006219A JP2001192730A JP 2001192730 A JP2001192730 A JP 2001192730A JP 2000006219 A JP2000006219 A JP 2000006219A JP 2000006219 A JP2000006219 A JP 2000006219A JP 2001192730 A JP2001192730 A JP 2001192730A
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heat
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ferritic
steel
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Noriyuki Fujitsuna
宣之 藤綱
Masaaki Igarashi
正晃 五十嵐
Fujio Abe
冨士雄 阿部
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National Research Institute for Metals
Nippon Steel Corp
Original Assignee
National Research Institute for Metals
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D6/00Heat treatment of ferrous alloys
    • C21D6/002Heat treatment of ferrous alloys containing Cr
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D1/00General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
    • C21D1/18Hardening; Quenching with or without subsequent tempering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/004Dispersions; Precipitations

Abstract

(57)【要約】 【課題】 その成分に関わらず、高温における長時間ク
リープ特性と室温以下における靭性とを改善された高C
rフェライト系耐熱鋼とその熱処理方法とを提供する。 【解決手段】 7〜12重量%のCrと、固溶強化元素
としてMoおよびWを1種または2種と、MX型炭窒化
物形成元素を1種以上とを含有する高Crフェライト鋼
を、熱間加工後に、MX型炭窒化物形成元素の固溶温度
とδフェライト析出開始温度とのいずれかよりも高い温
度で5秒以上高温処理した後、0.5℃/s以上の速度
で冷却し、次いで焼き戻し処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、高Crフ
ェライト系耐熱鋼とその熱処理方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、この出願の発明は、その成分に関
わらず、高温における長時間クリープ特性と室温以下に
おける靭性とを改善された高Crフェライト系耐熱鋼と
その熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】一般に、ボイラ、原子力およ
び化学工業用等の高温耐熱耐圧部材に使用される耐熱鋼
には、高強度、高靭性、高温耐食性および耐酸化性等の
特性が要求される。これらを満たすものとして、JIS
−SUS321H、JIS−SUS347H等のオース
テナイト系ステンレス鋼や、JIS−STBA24(2
・1/4Cr−1Mo鋼)等の低合金鋼、さらにはJI
S−STBA26(9Cr−1Mo鋼)等の9〜12C
r系高フェライト鋼等が用いられてきた。
【0003】一方で、近年、特に火力発電プラント等で
は、熱効率の向上を目的としたボイラ蒸気条件の高温・
高圧化が進められており、現在の538℃、246気圧
という超臨界条件から、将来的には650℃、350気
圧という超々臨界条件での運転が計画されている。
【0004】これらの条件に応えられる材料としては、
オーステナイト系ステンレス鋼がある。しかしながら、
オーステナイト系ステンレス鋼は高価であり、経済的な
面から商業プラントでの使用は非常に限定されているの
が実状である。また、オーステナイト系ステンレス鋼は
熱膨張率が大きいため、起動停止等に伴なって生じる温
度変化により熱応力が大きくなり、耐熱疲労特性が低下
したり、スケール剥離や、さらには応力腐食割れを起こ
すなどの問題がある。
【0005】そこで、従来より、低合金鋼よりも強度お
よび耐食性の面で優れており、オーステナイト系ステン
レス鋼よりも安価で、熱伝導度が高く、かつ熱膨張率が
小さいことから、Cr系高フェライト鋼の特性を改善し
た材料の開発が進められてきている。
【0006】高Crフェライト鋼の強化方法には、大き
く分けて、元素添加による固溶硬化と、微細析出物によ
る析出硬化とがあり、従来より、成分設計によって両者
を最適化する方法が採られてきた。
【0007】具体的には、MoやWをはじめB、Ti、
Hf等を添加することで高温強度と靭性あるいはクリー
プ特性などを向上させる提案(特開平3−97832、
特開平7−286246、特開平7−62497、特開
平8−85847、特開平5−263196、特開平5
−311342、特開平5−311343、特開平5−
311344、特開平5−311345、特開平5−3
11346)が数多くされている。
【0008】しかしながら、熱処理等の組織制御により
鋼の特性改善をもたらす手法については、ほとんど検討
されていなかった。特に、クリープ強度に大きく寄与す
るMX型炭窒素化物による析出硬化を最適化することに
よって、大幅にクリープ強度を向上させることが可能と
なる。
【0009】MX型炭窒素化物には、VC、NbC、V
NやNbN等の単独炭化物および窒化物、ならびにV
(C,N)やNb(C,N)等の複合炭窒化物があり、
単独炭化物は1100℃程度の加熱により母相に完全に
固溶するが、単独窒化物および複合炭窒化物は1100
℃では完全には固溶しない。さらに、BやTi、Hf等
を添加した鋼では、MX型炭窒素化物の固溶温度は上昇
し、特に、TiあるいはHf等を添加した鋼中に析出す
るMX型炭窒素化物の固溶温度は1200℃以上とな
る。
【0010】そのため、特に、MX型炭窒素化物の固溶
温度が上昇する鋼については、従来の1100℃以下で
の焼きならし処理ではMX型炭窒素化物の固溶が不十分
となり、その後の焼き戻し処理中に、強化に寄与する微
細なMX型炭窒素化物が析出しにくくなる。また、鋼中
の微細MX型炭窒素化物の分布も不均質なものとなりや
すい。すなわち、結果的に、MX型炭窒素化物によって
クリープ強度の改善効果を低下させることになる。
【0011】また逆に、焼きならし温度をより高温にす
ると、MX型炭窒素化物の固溶は十分に進展するもの
の、結晶粒の粗大化やδフェライト相の生成が促進され
てしまう。特に近年開発されてきているWを多量に含有
する鋼では、Wがフェライト生成元素であるため、δフ
ェライト相が多量に生成する。結晶粒度の粗大化やδフ
ェライトの生成は、鋼の靭性を極端に劣化させるため、
従来技術では焼きならし温度を高温化することは困難で
あった。
【0012】このように、MX型炭窒素化物の固溶を十
分に行うと、結晶粒が粗大化するともにδフェライトが
生成し、靭性を劣化させていた。また、靭性劣化要因の
抑制の観点から、δフェライトの生成や結晶粒の粗大化
を抑制させると、MX型炭窒素化物の固溶を不十分なも
のとしてしまっており、従来の焼きならし技術では、M
X型炭窒素化物の固溶と靭性劣化要因の抑制とを両立さ
せることが困難であった。
【0013】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、その成分に関わらず、MX型炭窒素化物の固溶
と靭性劣化要因の抑制とを両立して、高温における長時
間クリープ特性と室温以下における靭性とを改善された
高Crフェライト系耐熱鋼と、これを製造するための熱
処理方法を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0015】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、7〜12重量%のCrと、固溶強化元素としてMo
およびWを1種または2種と、MX型炭窒化物形成元素
を1種以上とを含有する高Crフェライト鋼を、MX型
炭窒化物形成元素の固溶温度とδフェライト析出開始温
度のいずれよりも高い温度で5秒以上高温処理した後、
0.5℃/s以上の速度で冷却し、次いで焼き戻し処理
を行うことを特徴とする高Crフェライト系耐熱鋼の熱
処理方法を提供する。
【0016】また、第2には、この出願の発明は、上記
第1の発明の熱処理方法において、高温処理を施す前
に、オーステナイト単相域である温度範囲に保持するこ
とで初期組織の均質化処理を施した後、高温処理する方
法を、第3には、高温処理後の冷却中に、オーステナイ
ト単相域である温度範囲に保持する方法を、第4には、
高温処理を、30秒以上行うことを特徴とする方法を提
供する。
【0017】さらに、第5には、この出願の発明は、上
記第1ないし第4いずれかの方法で熱処理された高Cr
フェライト系耐熱鋼を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0019】まず、この出願の発明が提供する高Crフ
ェライト系耐熱鋼の熱処理方法は、7〜12重量%のC
rと、固溶強化元素としてMoおよびWを1種または2
種と、MX型炭窒化物形成元素を1種以上とを含有する
高Crフェライト鋼を、MX型炭窒化物形成元素の固溶
温度とδフェライト析出開始温度とのいずれよりも高い
温度で5秒以上高温処理した後、0.5℃/s以上の速
度で冷却し、次いで焼き戻し処理を行う。
【0020】高Crフェライト鋼は、MX型炭窒化物の
析出硬化が利用可能なものであれば成分に関わらず広く
この発明の対象となる。既存鋼を用いてもよいのはもち
ろんであるが、たとえば、一般的なものとして上記の配
合からなるものが例示される。
【0021】この場合、MX型炭窒化物とは、たとえ
ば、Fe−C系に合金元素Mを添加した際に現われる炭
化物のうち、金属元素と炭素が1:1で結合し、MCと
表現されるものであり、また、鋼材中にNが含まれてい
る場合は、炭窒化物M(C,N)で表されてもよい。そ
して、MX型炭窒化物形成元素は、鉄鋼中に添加される
合金元素Mを示し、その代表的なものとして、周期律表
第III族、第IV族、第V族のうちから選ばれる元素があ
り、たとえば適当なものとしては、V、Nb、Ta、H
f、Ti、Zr等の元素が例示される。
【0022】このような組成からなる高Crフェライト
鋼は、鋳込みあるいは熱間加工等を施して形状を付与さ
れたものが利用される。この鋳込みあるいは熱間加工等
については、高温処理を容易に行うことを目的とした形
状付与であり、その手段については何ら限定されず、溶
融、熱間鍛造等といった、従来技術として一般に行われ
ている各種の方法が施される。
【0023】この発明の方法において行われる高温処理
は、前記のMX型炭窒化物形成元素の固溶温度とδフェ
ライト析出開始温度のいずれよりも高い温度で5秒以上
の時間行われる。この高温処理の際の加熱速度は、高C
rフェライト鋼中のオーステナイトの再結晶粗大化やδ
フェライトの形成を防ぐために、10℃/s程度の急速
加熱を行うことが好ましい。その方法としては、たとえ
ば、高周波誘導加熱等を利用すること等が挙げられる
が、この発明の方法においては、後に行う冷却工程での
冷却速度の許容範囲が比較的広いため、既存の局部加熱
用高周波加熱システムを応用することなどによっても実
現される。
【0024】高Crフェライト鋼母相へのMX型炭窒化
物の固溶を完全なものとすることは、後工程の焼き戻し
として、MX型炭窒化物を母相中に均質微細に析出させ
るために不可欠な処理であり、この発明の熱処理方法に
とって極めて重要な意味を持つ。従って、高温処理温度
は、MX型炭窒化物の完全固溶が実現できる温度とする
のが適当であり、たとえば、MX型炭窒化物の固溶温度
よりも20℃程度以上高温とすることができるが、より
好ましくは、MX型炭窒化物の固溶温度よりも30℃以
上高い温度とすることが望ましい。
【0025】一方の、δフェライトの析出も、この発明
の熱処理方法にとって重要である。すなわち、高Crフ
ェライト鋼をδフェライト析出開始温度よりも高い温度
にすることにより、オーステナイト粒界三重点でδフェ
ライト相を析出させる。この析出したδフェライト相に
よって、オーステナイトの粒成長を防止することが可能
となる。従来の技術では、オーステナイト単相域の温度
範囲でのみ熱処理を行っていたため、オーステナイトの
粒成長に対する障害がなく、オーステナイトは容易に粗
大化し、高Crフェライト鋼の靭性を低下させてしまっ
ていた。しかしながら、この発明の方法によると、靭性
低下の要因としか考えられていなかったδフェライト相
をオーステナイト粒界三重点で析出させることで、結晶
粒の粗大化を抑制可能とする。したがって、処理温度
は、δフェライト析出開始温度よりも高温とすることが
できる。
【0026】この出願の発明では、上記2つの温度、す
なわち、MX型炭窒化物形成元素の固溶温度とδフェラ
イト析出開始温度のうち、より高い方の温度以上で熱処
理が行われることとなる。ただ、この場合、高温での不
適切な処理は、さらなる結晶粒の粗大化や、過剰なδフ
ェライトの生成を誘発してしまうことも考慮されねばな
らない。
【0027】そこで、上記高温処理の温度については、
処理時間を以下のように設定することで、結晶粒の粗大
化や必要以上のδフェライトの生成を押さえ、かつ、M
X型炭窒化物の固溶を十分なものとすることを可能とす
る。
【0028】すなわち、高温処理時間は、1分以内の短
時間であってもMX型炭窒化物の固溶を進展させること
が可能である。さらに、最適処理温度においては、MX
型炭窒化物がほぼ完全に固溶するために要する時間は、
約5秒以上とすることができる。マトリックス中の微細
なMX型炭窒化物までをも固溶させるためには、より好
ましくは、30秒以上とすることができる。
【0029】高温処理の後、高Crフェライト鋼は冷却
される。この冷却については、高温処理で固溶したMX
型炭窒化物が析出してしまったり、高温処理温度がδフ
ェライト生成温度よりも極端に高い場合には、高温処理
中にわずかに生成したδフェライト相が粗大化したりす
ることなどが懸念される。
【0030】冷却速度が0.1℃/sと遅い場合には、
δフェライト/オーステナイト界面に多量のMX型炭窒
化物が析出するとともに、オーステナイトから変態した
マルテンサイト粒内にも多量のMX炭化物が析出してし
まう。一方、冷却速度が0.5℃/s以上であれば、高
温処理中に生成したδフェライト相やδフェライト/オ
ーステナイト界面に、わずかにMX型炭窒化物が析出す
るのみである。また、冷却速度が1℃/s以下では、冷
却速度が低下するにつれてδフェライト相の生成量が増
加し、高温処理中に生成されたδフェライト相が粗大化
してしまうが、冷却速度が5℃/s以上にもなると、冷
却速度によるδフェライトの生成量の差は見られなくな
る。したがって、冷却速度は0.5℃/s程度以上とす
ることができ、5℃/s程度とすることがより好まし
い。
【0031】次いで、高Crフェライト鋼には焼き戻し
が施されるが、焼き戻し条件についても従来技術と何ら
変わりはなく、要求される室温での引張強度を満たすよ
うな適切な焼き戻し条件が設定される。
【0032】これによって、MX型炭窒素化物の固溶と
靭性劣化要因の抑制とを両立して、高温における長時間
クリープ特性と室温以下における靭性とを改善された高
Crフェライト系耐熱鋼の熱処理方法が提供される。
【0033】また、この出願の発明は、上記の発明の高
Crフェライト系耐熱鋼の熱処理方法において、高温処
理を施す前に、オーステナイト単相域である温度範囲に
保持することで初期組織の均質化処理を施した後、高温
処理することも考慮される。
【0034】初期組織の均質化処理は、初期組織をδフ
ェライト相の存在しない完全マルテンサイト組織にし、
また、ミクロ偏析を消失させるものである。高Crフェ
ライト系耐熱鋼中のδフェライトの形成には、熱処理前
の鋼材の、初期組織の影響が認められる。鋼材の初期組
織にδフェライト相が存在すると、このδフェライト相
を核として、δフェライトは高温処理中に容易に粗大化
する。そのため、同一条件で熱処理を行った場合でも、
最終組織におけるδフェライト相の体積率は、初期組成
にδフェライト相が存在した場合の方が極端に大きくな
る。したがって、必要以上に多量のδフェライト相の生
成を抑制するためには、初期組織をδフェライト相の存
在しない完全マルテンサイト組織にすることが重要とな
る。また、ミクロ偏析の存在も、組織的にδフェライト
を生成しやすい部分が存在することとなるため、ミクロ
偏析を消失させることも有効である。
【0035】均質化処理は、たとえば、オーステナイト
単相域である温度範囲に高Crフェライト系耐熱鋼を保
持し、空冷するなどの方法で実現される。保持時間等の
詳細については、初期組織中のδフェライト相の生成状
況によって調整することができ、より適切な条件を設定
することができる。
【0036】これによって、高温処理前の高Crフェラ
イト系耐熱鋼の初期組織を完全マルテンサイト組織とす
ることができ、高温処理で生成するδフェライト相を減
少させることを可能とする。
【0037】さらに、この出願の発明は、上記のいずれ
かの発明の高Crフェライト系耐熱鋼の熱処理方法にお
いて、高温処理後の冷却中に、オーステナイト単相域で
ある温度範囲で保持することも有効である。
【0038】高温処理後の高Crフェライト系耐熱鋼に
は、数%〜10%程度のδフェライト相が生成してい
る。より安定した靭性を確保するためには、完全マルテ
ンサイト組織とすることが好ましいため、特に靭性が要
求される用途で高Crフェライト系耐熱鋼を使用する場
合には、高温処理中に形成された残留δフェライト相の
再オーステナイト化を行うことが有効である。
【0039】再オーステナイト化は、たとえば、高温処
理後の冷却途中に、連続的に高Crフェライト系耐熱鋼
をオーステナイト単相域である温度範囲で保持すること
等で実現される。同じく保持時間等の詳細については、
残留δフェライト相の存在状況によって調整することが
でき、より適切な条件を設定することができる。
【0040】また、高温処理後に室温程度にまで冷却
し、その後、再オーステナイト化を試みた場合には、マ
ルテンサイトからオーステナイトへの逆変態再結晶と、
δフェライトからオーステナイトへの変態との異なる2
つの組織変化が同時に起こるため、最終的な組織が混粒
組織となりやすくなる。そのため、再オーステナイト化
は、高温処理後の冷却途中に、連続的に行うことがより
好ましい。
【0041】これによって、最終組織が混粒組織となる
ことを防ぎ、整粒完全マルテンサイト組織を持つ高Cr
フェライト系耐熱鋼を得ることが可能となる。さらに、
この出願の発明は、上記いずれかの方法で熱処理された
高Crフェライト系耐熱鋼をも提供する。
【0042】この高Crフェライト系耐熱鋼は、結晶粒
度のそろったマルテンサイト単相組織を有し、高温にお
ける長時間クリープ強度および室温以下における靭性に
優れている。そのため、ボイラ、原子力発電設備および
化学工業装置などの、高温、高圧下で使用される装置材
料として、より具体的には、熱交換用鋼管や圧力容器用
鋼板、およびディスク等のタービン用材料等に適用され
る。
【0043】以下、添付した図面に沿って実施例を示
し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明す
る。
【0044】
【実施例】(実施例1)0.15C−0.5Mn−0.
3Si−9Cr−3.3W−0.2V−0.05Nb−
0.05Ti鋼を10kg溶製し、1200℃の熱間鍛
造および熱間圧延を施し、16mm角の圧延まま材:試
料Aとした。
【0045】この圧延まま材に、従来技術と同様の、1
050℃で1時間加熱した後水冷する焼きならし処理を
施し、試料Bとした。また、同じ圧延まま材を、105
0℃で10分間保持した後、高周波誘導加熱により50
℃/sで高温処理温度まで加熱し、5秒保持した後、H
eガスによる急冷処理を行った。高温処理温度は、12
00、1250、1300、1350℃の4種で設定
し、得られた鋼材を、それぞれ、試料C〜試料Fとし
た。
【0046】熱処理を施していない試料Aの初期組織
と、各熱処理後の試料B〜Fの組織との観察を行い、図
1にMX炭窒化物とフェライト相を示した。
【0047】熱処理を施していない試料Aと同様に、従
来技術の試料Bには、粗大な未固溶のMX炭窒化物が多
数認められる。また、1200℃で高温処理した試料C
にはMX炭窒化物が残留しているが、1250℃以上の
高温処理を施した試料D〜Fについては、MX炭窒化物
はほぼ完全に固溶している。この組成のTi添加鋼のM
X炭窒化物固溶温度が約1200℃であり、50℃/s
で加熱した際のδフェライトの析出開始温度が約113
0℃であることから、この発明の方法によって熱処理す
ることで、粗大なMX炭窒化物の固溶を十分に進展させ
ることが可能であることがわかった。 (実施例2)実施例1と同じ圧延まま材を、従来技術と
同様の、1100℃で1時間加熱した後空冷する焼きな
らし処理後、780℃で1時間加熱した後空冷する焼き
戻し処理を施し、試料Gとした。
【0048】また、上記圧延まま材を、この発明の方法
で、1300℃で60秒間加熱し、Heガスで急冷した
後、780℃で1時間加熱した後空冷する焼き戻し処理
を施し、試料Hとした。
【0049】試料Gおよび試料Hについて、クリープ試
験を行った結果を表1に記す。
【0050】
【表1】
【0051】この発明の熱処理方法を適用することによ
り、クリープ強度が向上することが確認された。 (実施例3)0.14C−0.5Si−8.5Cr−2
W−0.2V−0.05Nb−0.05Ti鋼を7kg
溶製し、1200℃の熱間鍛造を施し、鍛造まま材:試
料a1とした。
【0052】この鍛造まま材を、1050℃で24時間
保持して均質化処理を施し、結晶粒系を約50μmに調
整するために、1100℃で1時間保持後空冷し、2段
熱処理材:試料a2とした。
【0053】鍛造まま材(試料a1)を、従来技術と同
様の、1100℃で1時間加熱した後水冷する焼きなら
し処理を施し、試料b1とした。さらに、1200、1
250、1300あるいは1350℃で5秒保持する熱
処理を施したものを、それぞれ試料c1〜f1とした。
【0054】2段熱処理材(試料a2)についても、従
来技術と同様の処理を施したものを試料b2とし、前記
の温度条件で5秒保持する熱処理を施したものを、それ
ぞれ試料c2〜f2とした。
【0055】なお、各熱処理における昇温速度は50℃
/sであった。 (イ)鍛造まま材(試料a1)と、各熱処理した試料a
1〜f1の組織観察の結果を図2に、2段熱処理材(試
料a2)と、各熱処理した試料a2〜f2の組織観察の
結果を図3に示した。
【0056】図2および図3より、鍛造まま材(試料a
1)の初期組成にはδフェライトが生成しているのに対
し、2段熱処理材(試料a2)の初期組成にはδフェラ
イトが認められなかった。
【0057】従来技術の熱処理を施した試料b1および
試料b2の両材には、共に粗大な未固溶のMX炭窒化物
が多数認められた。これに対して、この発明の熱処理を
施した試料d1〜f1および試料d2〜f2について
は、初期組成(試料a1および試料a2)に存在するM
X炭窒化物が完全に固溶していた。
【0058】この組成のTi添加鋼のMX炭窒化物固溶
温度が約1220℃であり、50℃/sで加熱した際の
δフェライトの析出開始温度が約1240℃であること
から、この発明の方法によって熱処理することで、粗大
なMX炭窒化物の固溶を十分に進展させること可能であ
ることがわかる。 (ロ)Ti添加鋼中のδフェライトの生成状況について
は、鍛造まま材と2段熱処理材とでは大きく異なってい
た。
【0059】初期組織にδフェライトが存在する鍛造ま
ま材(試料a1)では、高温処理後の試料c1〜f1に
も、粗大化したδフェライトが確認される。初期組織に
δフェライトが存在しない2段熱処理材(試料a2)で
は、1250℃以下の高温処理を施した試料c2および
試料d2にはδフェライトが確認されないが、1300
℃以上の高温処理を施した試料e2および試料f2に
は、粒界三重点に少量のδフェライトの生成が確認され
た。
【0060】このことから、靭性に悪影響を及ぼすδフ
ェライトの生成を抑制するには、高温処理前にオーステ
ナイト単相域で十分に均質化処理を行い、初期組成にδ
フェライトが存在しない完全マルテンサイト組織とする
ことが望ましいことかわかった。
【0061】一方で、特に試料e2は、1300℃とい
う高温で処理したにもかかわらず、試料a2に比較して
結晶粒は粗大化していない。このことから、MX炭窒化
物の固溶温度よりも、δフェライト析出温度が高いこの
実施例のような場合には、δフェライトが析出する温度
以上に加熱することが結晶粒の粗大化を抑制することに
有効であることがわかった。 (実施例4)実施例3における、試料e2について、そ
の組織を詳細に観察すると、マルテンサイトマトリック
ス中に微細なMX炭窒化物が存在していた。
【0062】この微細なMX炭窒化物は、1300℃で
の保持時間を30秒以上とすることでほぼ完全に固溶す
ることが確認された。また、保持時間を60秒以上とし
た場合には、観察されるδフェライトの占有面積は数%
程度であり、靭性が厳しく要求されないボイラーチュー
ブ等の用途に十分対応できると考えられる。 (実施例5)実施例3と同じ組成のTi添加鋼を、13
00℃で60秒間保持し、急冷速度を、Heガスによる
約200℃/sの急冷から、0.1℃/sの徐冷にまで
7段階に変化させた際の、それぞれの組織観察結果を図
4に示した。
【0063】冷却速度が0.1℃/sのTi添加鋼で
は、δフェライト/オーステナイト界面近くで多量のM
X炭窒化物が析出していることが確認される。冷却速度
が0.5℃/s以上のTi添加鋼については、δフェラ
イト相中に若干のMX炭窒化物が認められるものの、マ
ルテンサイトマトリックス中にはMX炭窒化物の析出は
認められない。
【0064】このことから、高温保持後の冷却速度は、
MX炭窒化物の固溶という観点からは、0.5℃/s以
上とする必要がある。一方、δフェライト相の生成量に
ついては、冷却速度が約200℃/s相当のHeガス急
冷〜5℃/sの間に大きな差は認められないが、冷却速
度が1℃/s以下になるとδフェライト相の生成量が大
幅に増加することが確認された。
【0065】このことから、特に高温熱処理後の再オー
ステナイト化処理を行わない場合には、冷却速度を5℃
/s以上とすることが望ましいことがわかった。 (実施例6)実施例3と同じ組成のTi添加鋼を、従来
技術と同様の、1050℃で1時間の焼きならし後、7
60℃で1時間の焼き戻しを施し、試料Aとした。また
同じTi添加鋼を、この発明の方法の、1300℃で3
0秒間保持し、5℃/sで冷却後、760℃で1時間の
焼き戻しを施し、試料Bとした。
【0066】試料Aおよび試料BをTEM観察した結果
を、図5に示した。図中のアルファベットは、析出物を
示している。従来技術を施した試料Aでは、極めて粗大
なMX炭窒化物が存在しており、クリープ強度に大きく
寄与する微細なMX炭窒化物はマトリックス中にほとん
ど認められなかった。
【0067】これに対し、この発明の方法の試料Bに
は、試料Aに認められたような粗大なMX炭窒化物は存
在せず、マトリックス中に微細なMX炭窒化物が多数析
出していることが確認された。
【0068】このことからも、この発明の方法により、
クリープ強度を向上させることが推察される。 (実施例7)高Crフェライト系耐熱鋼を、ボイラー用
主蒸気管等の圧肉部品に使用する場合には、特に高い靭
性が要求される。そのため、高Crフェライト系耐熱鋼
中にδフェライト相がないことが好ましい。このような
用途に使用される場合には、高温処理で形成された少量
のδフェライト相でも問題になることが想定される。
【0069】そこで、実施例3で作製したものと同じ2
段処理材を、1300℃で60秒間保持し、5℃/sで
室温まで冷却し、再度室温から1100℃にまで加熱し
てオーステナイト化し、A:再加熱材とした。
【0070】同じく2段処理材を、1300℃で60秒
間保持し、5℃/sで1100℃にまで冷却し、110
0℃で5秒間保持した後急冷してオーステナイト化した
ものを、B:連続処理材とした。
【0071】これらの再加熱材および連続処理材の組織
観察の結果を、図6に示した。再加熱材(A)は、結晶
粒径のばらつきが大きく、混粒組織となっている。しか
し、他方の連続処理材(B)は、結晶粒径のばらつきが
小さく、極めて良好な整粒組織となっていることがいる
ことが確認された。
【0072】このことから、高温処理後のオーステナイ
ト化処理は、一旦室温にまで冷却しせずに、連続的に行
うことが効果的であることがわかった。またさらに、高
い靭性の要求される用途に使用する鋼の製造では、この
発明の方法の、高温処理前に均質化処理を行い、次いで
高温処理後、連続的にオーステナイト単相域で保持する
ことが極めて有効であり、整粒の完全マルテンサイト組
織を有する鋼を得ることが可能であるとわかった。
【0073】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、その成分に関わらず、高温における長時間クリー
プ特性と室温以下における靭性とを改善された高Crフ
ェライト系耐熱鋼とその熱処理を可能とする方法が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ti鋼の初期組織と各熱処理後の組織との観察
結果を例示した図面に代わる顕微鏡写真である。
【図2】鍛造まま材の初期組織と各熱処理後の組織との
観察結果を例示した図面に代わる顕微鏡写真である。
【図3】2段熱処理材の初期組織と各熱処理後の組織と
の観察結果を例示した図面に代わる顕微鏡写真である。
【図4】高温処理後の急冷速度を変化させた際の、Ti
添加鋼の組織の観察結果を例示した図面に代わる顕微鏡
写真である。
【図5】従来技術とこの発明の方法とで処理したTi添
加鋼のTEM観察の結果を例示した図面に代わる顕微鏡
写真である。
【図6】高温処理後のオーステナイト化処理方法を変え
た場合の、Ti添加鋼の組織の観察結果を例示した図面
に代わる顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 正晃 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 阿部 冨士雄 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7〜12重量%のCrと、固溶強化元素
    としてMoおよびWを1種または2種と、MX型炭窒化
    物形成元素を1種以上とを含有する高Crフェライト鋼
    を、MX型炭窒化物形成元素の固溶温度とδフェライト
    析出開始温度とのいずれよりも高い温度で5秒以上高温
    処理した後、0.5℃/s以上の速度で冷却し、次いで
    焼き戻し処理を行うことを特徴とする高Crフェライト
    系耐熱鋼の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 高温処理を施す前に、オーステナイト単
    相域である温度範囲に保持することで初期組織の均質化
    処理を施すことを特徴とする請求項1記載の高Crフェ
    ライト系耐熱鋼の熱処理方法。
  3. 【請求項3】 高温処理後の冷却中に、オーステナイト
    単相域である温度範囲に保持することを特徴とする請求
    項1または2記載の高Crフェライト系耐熱鋼の熱処理
    方法。
  4. 【請求項4】 高温処理を、30秒以上行うことを特徴
    とする請求項1ないし3いずれかに記載の高Crフェラ
    イト系耐熱鋼の熱処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれかに記載の方法
    で熱処理された高Crフェライト系耐熱鋼。
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