JP4211881B2 - 真空成膜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空成膜装置に関し、特に、光ディスク等の情報記録ディスクを作製するスパッタ装置等の真空成膜装置に適用され、当該真空成膜装置において外部の影響を受けることなく同一環境下で成膜条件を変更しながら異なる成膜条件を設定することにより多種多様の薄膜を成膜できる基板シャッタ脱着機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば光ディスクの作製では、通常、ポリカーボネイト製基板を使用し、この基板上に最初にSiN膜を堆積させ、次にFeCo、Gd、Dy、Tb等の膜からなる磁性層を形成し、さらにこの磁性層をSiN膜で挟み込み、その後に最上層として反射膜となるAl合金膜を堆積する。基板上に多種類の膜が積層される光ディスクの作製はスパッタ装置を利用して行われる。スパッタ装置として、従来、例えば、立置き状態に設けられた基板キャリアの基板ホルダに複数の基板保持部を例えば円形に配列し、各基板保持部に成膜対象の基板を搭載し、基板キャリアをスパッタ成膜室に搬入して成膜を行うように構成されるものがある。このスパッタ装置では、各膜の厚みの均一性を確保するため、通常、基板キャリアに設けられた基板ホルダ自体が回転(公転)すると同時に、基板ホルダ上の基板がその基板載置箇所で回転(自転)する、いわゆる自公転方式が採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスク等の情報記録ディスクを作製する上記スパッタ装置について、従来では、実験的装置として、成膜条件を種々変更することにより成膜を行い、作製されたデバイスの特性の正確な比較を行って最適な成膜条件を見つけられることが望まれており、そのため、同一の真空環境下で異なる成膜条件を施して多種多様の成膜を行えるテスト用のスパッタ装置が必要とされていた。
【0004】
しかしながら従来のスパッタ装置の構造によれば、スパッタチャンバで成膜の際に前述のごとく基板ホルダの回転に基づき基板保持部を公転させ、各基板を、限定された箇所に配置されたターゲットに順次に対向させるようにしているため、基板キャリアに設けられた複数の基板保持部の各々の上に載置された基板はすべて同じ成膜条件で処理されていた。従って、単に途中で成膜条件を変更するだけでは、基板キャリア上のすべての基板に対して成膜条件の変更の影響が及ぶことになり、1つの基板キャリア上で多様な光ディスクを作製することができなかった。
【0005】
また予め複数の基板キャリアをスパッタ装置のロードロックチャンバに搬入し、さらにスパッタチャンバに基板キャリアを1台ごと搬入し、搬入される1台の基板キャリアの単位で成膜条件を変更することにより、基板キャリア上の複数の基板の単位ごとに薄膜を形成し、複数の基板キャリアによって多様な光ディスクを作製するということも考えられる。しかしながら、従来のスパッタ装置ではその内部に複数の基板キャリアを同時に入れることはできない構造となっていた。そのため、或る基板キャリアをスパッタ装置内にセットしたら、その基板キャリアが、成膜を終えてスパッタ装置外に取り出されるまでは、成膜条件の変更ができなかった。従って従来のスパッタ装置によれば、成膜条件を変更するたびに、ロードロックチャンバを大気開放させなければならず、成膜条件の変更前と変更後では厳密な意味で同一の真空環境とは言えなかった。何故なら、クリーンルームはパーティクルの個数の管理は行われているが、クリーンルーム内の空気の成分までは管理されていないからである。現実にクリーンルーム内の空気には水分やハイドロカーボン等が存在するので、ロードロックチャンバを大気開放することによって、それらがスパッタ装置内に取り込まれることとなる。
【0006】
以上の理由から、従来のスパッタ装置では、同一真空環境下で異なる成膜条件を施して多種多様の成膜を行うことはできないという問題があった。
【0007】
他方、上記のごとく同一真空環境下で異なる成膜条件を施すことができない従来のスパッタ装置によれば、異なる成膜条件で作製された光ディスクを比較する場合に、その成膜時の真空環境の変化を考慮にいれることが必須となる。成膜時の真空環境の変化を正確に把握することは実際上難しく、正確な比較結果を得ることは難しかった。また敢えて正確な比較結果を得ようとすれば、非常に手間がかかるという問題を有していた。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、スパッタ装置等における1つの成膜チャンバで1台の基板キャリア上に配置された複数の基板の各々に対して同一環境下で異なる成膜条件を施すことができ、1台の基板キャリア上の複数の基板の各々に多種多様の薄膜を成膜することを可能にし、また上記複数の基板を選択的に成膜することを可能にする真空成膜装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る真空成膜装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の真空成膜装置(請求項1に対応)は、複数の基板が搭載された基板キャリアをロードロックチャンバを通して搬入し、さらに搬送機構で成膜チャンバに移動させ、この成膜チャンバで基板に成膜を行うように構成され、上記基板キャリアは複数の基板の各々を搭載する複数の基板保持部を設けた基板ホルダを備え、この基板ホルダは回転機構により回転自在とされ、基板ホルダにおける複数の基板保持部の各々に防着シャッタ取付け部を設け、さらに、基板ホルダの複数の基板保持部の各々に搭載された複数の基板のうちの選択されたいずれかの基板に対して、上記防着シャッタ取付け部を利用して取り付けられる、基板に薄膜が形成されるのを防止する脱着可能な防着シャッタと、防着シャッタの脱着を行う防着シャッタ脱着機構とを設けてなり、防着シャッタ脱着機構はロードロックチャンバに設けられ、ロードロックチャンバの内部で防着シャッタの脱着が行われるように構成される。
上記の構成では、スパッタ装置等の真空成膜装置の任意のチャンバで、防着シャッタと防着シャッタ脱着機構を用いて基板ホルダ上の複数の基板を任意に選択し、基板キャリアにおける基板ホルダ上の一部の基板にのみ選択的に成膜を行い、他の基板には成膜粒子が付着するのを防着シャッタで防止する。
またロードロックチャンバ内が構造として最も簡素であり、防着シャッタ脱着機構および関連する機構を付設するのに適している。当然のことながら、例えばスパッタ成膜用チャンバなどで構造的に余裕があれば、ロードロックチャンバ以外の当該チャンバに防着シャッタ脱着機構を付設することができる。また防着シャッタ脱着機構を備えた防着シャッタの着脱のための専用のチャンバを設けることができるのも勿論である。
の真空成膜装置(請求項に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、防着シャッタは複数用意され、これらの複数の防着シャッタを複数の基板の一部に取り付けかつ残りの基板は処理面が露出され、防着シャッタ脱着機構は、基板ホルダを回転させる回転機構と関連して、防着シャッタの取付け位置を変更して防着シャッタの脱着を行うように構成される。防着シャッタの個数は、基板の枚数よりも少なくし、基板ホルダ上の複数の基板のうち一部の基板が常に露出された状態にされる。露出状態にある基板には成膜が施されると共に、防着シャッタで被覆されて保護される基板には成膜粒子は付着しない。
の真空成膜装置(請求項に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、防着シャッタ脱着機構が、磁石を利用した防着シャッタ取付け・取外し装置と、防着シャッタの取付け・取外しの際に防着シャッタを押さえるシャッタ押え装置とから構成されることを特徴とする。
の真空成膜装置(請求項に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、防着シャッタ脱着機構で防着シャッタを取付け・取外しするときに発生する基板ホルダの振動によって基板ホルダの位置ズレが起こるのを防止する固定機構を設けたことを特徴とする。
の真空成膜装置(請求項に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、防着シャッタ脱着機構で防着シャッタを取付け・取外しするときに基板ホルダの位置を確認する位置検出機構を設けたことを特徴とする。
第6の真空成膜装置(請求項6に対応)は、複数の基板が搭載された基板キャリアをロードロックチャンバを通して搬入し、さらに搬送機構で成膜チャンバに移動させ、この成膜チャンバで基板に真空成膜を行うように構成された真空成膜装置であり、
基板キャリアは複数の基板の各々を搭載する複数の基板保持部を設けた基板ホルダを備え、この基板ホルダは回転機構により回転自在とされ、基板ホルダにおける複数の基板保持部の各々に対応して防着シャッタ取付け部を設け、基板ホルダの複数の基板保持部の各々に搭載された基板のうちの選択されたいずれかに対して、防着シャッタ取付け部を利用して取り付けられる、当該基板に薄膜が形成されるのを防止する脱着可能な防着シャッタと、防着シャッタの脱着を行う防着シャッタ脱着機構とを設けてなり、防着シャッタ脱着 機構は、磁石を利用した防着シャッタ取付け・取外し装置と、防着シャッタの取付け・取外しの際に防着シャッタを押さえるシャッタ押え装置とから構成されることを特徴とする。
第7の真空成膜装置(請求項7に対応)は、上記の構成において、好ましくは、防着シャッタは複数用意され、これらの複数の防着シャッタを複数の基板の一部に取り付けかつ残りの基板は処理面が露出され、防着シャッタ脱着機構は、基板ホルダを回転させる回転機構と関連して、防着シャッタの取付け位置を変更するように防着シャッタの脱着を行うことを特徴とする。
第8の真空成膜装置(請求項8に対応)は、上記の構成において、好ましくは、防着シャッタ脱着機構で防着シャッタを取付け・取外しするときに発生する基板ホルダの位置ズレを抑制する固定機構を設けたことを特徴とする。
第9の真空成膜装置(請求項9に対応)は、上記の構成において、好ましくは、防着シャッタ脱着機構で防着シャッタを取付け・取外しするときに基板ホルダの位置を確認する位置検出機構を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明による真空成膜装置の代表例を示し、基板シャッタ脱着機構が設けられたスパッタ装置の全体的構成を示す。スパッタ装置11は、一例としてロードロックチャンバ12と第1スパッタチャンバ13と第2スパッタチャンバ14から構成される。チャンバ12〜14の各々の間にはゲートバルブ15が設けられている。チャンバ12〜14の各々の下部には排気ポンプ16が設けられ、これらの排気ポンプによって各チャンバの内部は所要の真空状態に保持されている。かかるスパッタ装置11に対して例えば8枚の未処理基板を装着した基板キャリア17が搬入される。図示例では、ロードロックチャンバ12内に基板キャリア17が搬入された状態が描かれている。基板キャリア17は、ロードロックチャンバ12を通して大気側からスパッタ装置11内へ搬入される。スパッタ装置11内には、基板キャリア17を、ゲートバルブ15を介して第1スパッタチャンバ13と第2スパッタチャンバ14に移動させるための搬送機構が設けられている。この搬送機構については図2と図3を参照して後述される。ロードロックチャンバ12は、未処理基板を装着した基板キャリア17を大気側からスパッタ装置11内に搬入し、あるいは処理済み基板を装着した基板キャリア17をスパッタ装置11内から大気側へ搬出するチャンバとして使用される。また第1スパッタチャンバ13と第2スパッタチャンバ14ではそれぞれスパッタ成膜処理が行われる。
【0012】
上記の構成を有するスパッタ装置11において、基板キャリア17は、ロードロックチャンバ12を通して搬入され、第1スパッタチャンバ13、第2スパッタチャンバ14のそれぞれで成膜処理され、その後、ロードロックチャンバ12に戻され、スパッタ装置11の外に取り出される。すなわち基板キャリア17はスパッタ装置11内を往復させられる。また本実施形態によれば、図示されるごとくロードロックチャンバ12に基板防着シャッタ脱着機構30が付設されている。
【0013】
図2および図3は基板キャリア17を示している。図3ではロードロックチャンバ12の内部構造とチャンバの下側構造も示されている。基板キャリア17は基板ホルダ18と搬送部19からなる。基板ホルダ18は円形板状の形態を有し、立てた状態で配置されている。基板ホルダ18の一方の側の面において周縁部付近に基板保持部20が8箇所設けられている。基板キャリア17には、基板保持部20によって最大で8枚の基板21(図3に示す)を載置することができる。基板21は処理面が垂直になるように載置される。基板保持部20は、基板ホルダ18がその中心部(軸部)18aの周りに回転することにより当該中心部18aの周りに公転し、さらに基板保持部自身がその軸回りに回転することにより自転する。
【0014】
基板保持部20の各々にはその周囲に3個所ずつ基板用防着シャッタ22を保持するためのシャッタ取付支柱23が設けられる。シャッタ取付支柱23の先端にはシャッタ保持用磁石24が取り付けられる。防着シャッタ22は磁性材料で作られ、防着シャッタ22は磁石24(図6と図7に示す)の着磁力によって基板ホルダ18上に保持される。図2では、8箇所の基板保持部20において、そのうちの例えば6箇所に防着シャッタ22が保持され、残りの2箇所については基板21の処理面が露出した状態にある。
【0015】
基板ホルダ18の中心部18aには、基板ホルダ18を回転させるため、各チャンバに設けられたホルダ回転機構のアームが接続される噛合せ受部25がある。ロックピン26は防着シャッタ22を脱着させるときに、基板ホルダ18が回転するのを防止するホルダロック機構27が接続される。ロックピン26の横には位置センサ検出用穴28が設けられている。位置センサ検出用穴28を利用し透過型位置センサ29によって基板ホルダ18が適した位置にあるかを確認し、基板ホルダ18の回転を停止する。
【0016】
基板防着シャッタ脱着機構30は、図1および図3に示されるように、ロードロックチャンバ12に備えられている。基板防着シャッタ脱着機構30は、基板キャリア17の基板ホルダ18において基板保持部20が取り付けられた側の面に対向する壁部に設けられている。
【0017】
基板キャリア17において上記基板ホルダ18は搬送部19の上に取り付けられている。搬送部19はチャンバ下部に設けられたレール状案内部31に案内され、ピニオン・ラック等の駆動機構によって移動させられる。搬送部19が移動することにより、基板キャリア17は、その全体としてスパッタ装置11内で搬送され、チャンバ12〜14の間を移動する。
【0018】
ロードロックチャンバ12の構成を説明する。ロードロックチャンバ12には基板防着シャッタ脱着機構30が付設され、これによりロードロックチャンバ12内で防着シャッタ22の脱着が行われる。基板防着シャッタ脱着機構30の詳細な機能については図4〜図7を参照して後述する。基板防着シャッタ脱着機構30の設置に伴なって、ホルダ回転機構32とホルダロック機構27と位置センサ29が設けられる。ホルダ回転機構32は、第1スパッタチャンバ13と第2スパッタチャンバ14にも設けられている。ホルダ回転機構32は、基板ホルダ18の中心部である噛合せ受部25を両側から挟み、基板ホルダ18を回転させる。ホルダロック機構27は、防着シャッタ22の脱着時の振動で基板ホルダ18の位置ずれが発生するのを防止できるように、基板ホルダ18に設けられたロックピン26を挟んで固定するための機構である。位置センサ29は、透過型センサであり、前述の位置センサ検出用穴28を利用してホルダ回転機構32により回転させられた基板ホルダ18が防着シャッタ22の脱着時に適切な位置にあるかどうかを確認する。
【0019】
図4と図5は基板防着シャッタ脱着機構30の縦断面図と正面図を示している。図4で12aはロードロックチャンバ12の壁部であり、壁部12aの右側は大気であり、左側はロードロックチャンバ内であって真空である。基板防着シャッタ脱着機構30は、ロッド状のシャッタ押え部33と筒状のシャッタ受取り部34を備える。シャッタ押え部33は、図5に示されるごとくシャッタ受取り部34の中心軸に位置している。シャッタ受取り部34の先端にはリング部34aが設けられ、リング部34aの先端面にはシャッタ受取り用の複数の磁石35が等間隔で設けられている。磁石35によって、磁性材料で作られた防着シャッタ22を受け取る。筒状のシャッタ受取り部34は、壁部12aに形成された孔12bに通され、壁部12aの外側で孔12bの周りに取り付けられた筒状のベローズ36の先端のリング部37に固定され支持される。リング部37はさらに、壁部12aの外面に固定されたエアシリンダ38の駆動軸38aに連結されている。エアシリンダ38の動作39によってシャッタ受取り部34はその軸方向に前進または後退の動作を行う。またシャッタ押え部33は、筒状のシャッタ受取り部34の内部空間において摺動自在に設けられたリング部40を用いて取り付けられた内側の筒状ベローズ42の外側端の端部部材43に固定されている。端部部材43はさらに、壁部12aの外側面に固定されたエアシリンダ44の駆動軸44aに固定されている。エアシリンダ44の動作45によってシャッタ押え部33はその軸方向に前進または後退の動作を行う。エアシリンダ38,44は独立に動作し、従ってシャッタ受取り部34とシャッタ押え部33のその軸方向の前進・後退の各動作46も独立に行われる。
【0020】
上記基板防着シャッタ脱着機構30による防着シャッタ22の取外し動作および取付け動作を図6および図7を参照して説明する。図6はシャッタ取外し動作の順序を示し、図7はシャッタ取付け動作の順序を示している。
【0021】
シャッタ取外し動作を説明する。搬送機構で基板キャリア17をロードロックチャンバ12内に移動させ、静止状態でロードロックチャンバ12内にセットする。さらにホルダ回転機構32により基板ホルダ18を回転させ、取り外そうとする防着シャッタ22を基板防着シャッタ脱着機構30の正面に位置させる。次に、基板防着シャッタ脱着機構30によって防着シャッタ22が取り外される。この際、基板ホルダ18は、位置センサ29および位置センサ検出用穴28によって適切な位置にセットされ、かつホルダロック機構27によって位置ズレが生じないように固定される。
【0022】
図6の(a)では、基板ホルダ18の1つの基板保持部20が基板防着シャッタ脱着機構30に対向している。基板保持部20の周囲のシャッタ取付支柱23の磁石24で固定された防着シャッタ22が、取り外そうとするシャッタである。この防着シャッタ22に対して、待機位置にあったシャッタ押え部33が前進し、当該防着シャッタ22を押さえる。次にシャッタ受取り部34が前進し、先端のシャッタ受取り用の磁石35が防着シャッタ22に接触しその着磁力によって防着シャッタ22を吸着する(図6の(b))。シャッタ受取り部34に防着シャッタ22を固定したことを確認した後に、シャッタ押え部33を待機位置へ後退させる(図6の(c))。最後にシャッタ受取り部34を後退させ、それに伴なって防着シャッタ22がシャッタ取付支柱23から取り外される(図6の(d))。
【0023】
なおシャッタ取付支柱23のシャッタ保持用磁石24とシャッタ受取り部34のシャッタ受取り用磁石35では、磁石35の着磁力の方が強くなるように設定されている。従って、両者が防着シャッタ22を引っ張りあった場合、防着シャッタ22はシャッタ受取り用磁石35の側へ引っ張られる。
【0024】
次にシャッタ取付け動作を説明する。ロードロックチャンバ12内にセットされた基板キャリア17において、再びホルダ回転機構32により基板ホルダ18を回転させ、防着シャッタ22を取り付けようとする基板保持部20を、基板防着シャッタ脱着機構30の正面に位置させる。このとき基板ホルダ18は、位置センサ29および位置センサ検出用穴28によって適切な位置にセットされる。さらにその後、基板ホルダ18はホルダロック機構27によって位置ズレが生じないように固定される。図7の(a)において、22は取り付けようとする防着シャッタであり、20は防着シャッタ22が取り付けられる基板保持部である。防着シャッタ22はシャッタ受取り部34によって支持されている。
【0025】
シャッタの取付けの場合には、まず、シャッタ押え部33と、防着シャッタ22を固定したシャッタ受取り部34とは共に待機位置にある(図7の(a))。その待機位置から共に基板保持部20の側へ前進して防着シャッタ22をシャッタ取付支柱23の先部に接触させる(図7の(b))。防着シャッタ22がシャッタ取付支柱23のシャッタ保持用磁石24に保持されたところで、基板用防着シャッタ22は、シャッタ押え部33によってシャッタ保持用磁石24に押しつけられたままで、シャッタ受取り部34のみが待機位置へ後退する。これによって防着シャッタ22はシャッタ受取り部34から離脱し、シャッタ取付支柱23に保持された状態となる(図7の(c))。最後に、シャッタ押え部33が待機位置へ後退し、もって基板保持部20における基板用防着シャッタ22の取付けが完了する(図7の(d))。
【0026】
なおシャッタ押え部33に接続されたエアシリンダ44は、シャッタ受取り部34のシャッタ受取り用磁石35の着磁力よりも強い力で、シャッタ押え部33を防着シャッタ22に押し付ける。
【0027】
前述の実施形態では、基板防着シャッタ脱着機構30をロードロックチャンバ12に設けるようにしたが、スパッタ装置11の他のチャンバ、すなわち成膜用のスパッタチャンバ13,14や加熱処理等を行うプロセスチャンバなどに設けることも可能である。スパッタチャンバに基板防着シャッタ脱着機構30を付設するときには、チャンバ内に設けられたスパッタ成膜機構を避けて設けることが必要である。そのため基板防着シャッタ脱着機構30の構成は必要に応じて変更される。さらにスパッタチャンバに基板防着シャッタ脱着機構30を取り付ける場合には、当該スパッタチャンバは構造的に余裕を持つことが望ましい。また防着シャッタの脱着のための専用チャンバを設けてもよいことは勿論である。
【0028】
また前述の実施形態では、基板ホルダ18における8台の基板保持部20に対してそのうちの6台の基板保持部の各々に防着シャッタ22を取付けて基板を膜の付着から保護し、残りの2台の基板保持部には防着シャッタを取付けないようにして基板を露出させ、その後、ロードロックチャンバ12で防着シャッタ脱着機構30を利用していずれかの防着シャッタの取付け位置を変更するように構成した。この場合、防着シャッタの取付位置は基板保持部である。しかしながら、防着シャッタの取付位置は基板保持部に限定されず、例えばチャンバ内に防着シャッタ退避用のステージを別に設け、基板保持部以外の箇所に防着ホルダを一時的に取付けるように構成することも可能である。
【0029】
上記実施形態ではスパッタ装置の例を説明したが、本発明は真空成膜装置に対して一般的に適用できるのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
複数の基板を搭載した基板キャリアが搬入され、複数の基板は回転自在な基板ホルダに搭載されるように構成された例えばスパッタ装置において、基板を搭載する各基板保持部にシャッタ取付部を設け、かつ基板保持部に防着シャッタを取付け・取外しできる防着シャッタ脱着機構を設けるようにしたため、スパッタ装置等の成膜チャンバで基板キャリア上に配置された複数の基板のうちの任意の基板に対して同一環境下で異なる成膜条件を選択的に施すことができ、1台の基板キャリア上の複数の基板に多種多様の薄膜を成膜することができる。防着シャッタの取付けに磁石を利用し、かつ防着シャッタ脱着機構に基板を押さえるシャッタ押え装置を設けるようにしたため、防着シャッタの取付け・取外しの際にシャッタを押さえることによりシャッタの脱着を容易に行うことができる。基板ホルダの位置ズレを抑制する固定機構を設けたため、防着シャッタの取付け・取外しの際に生じる基板ホルダの位置ズレを抑制することができる。さらに基板ホルダの位置を正確に検出する位置検出機構を設けたため、防着シャッタの取付け・取外しの際に基板ホルダの位置を適切に正確な位置にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空成膜装置の代表例の全体的構成を示す正面図である。
【図2】基板キャリアの正面図である。
【図3】ロードロックチャンバと基板キャリアの縦断面図である。
【図4】防着シャッタ脱着機構の要部の縦断面図である。
【図5】防着シャッタ脱着機構におけるシャッタ受取り部とシャッタ押え部の端面図である。
【図6】シャッタ取外し動作順序を説明するための図である。
【図7】シャッタ取付け動作順序を説明するための図である。
【符号の説明】
11 スパッタ装置
12 ロードロックチャンバ
13 第1スパッタチャンバ
14 第2スパッタチャンバ
17 基板キャリア
18 基板ホルダ
20 基板保持部
21 基板
22 防着シャッタ
23 シャッタ取付支柱
26 ロックピン
27 ホルダロック機構
29 透過型位置センサ
30 基板防着シャッタ脱着機構
32 ホルダ回転機構
33 シャッタ押え部
34 シャッタ受取り部

Claims (9)

  1. 複数の基板が搭載された基板キャリアをロードロックチャンバを通して搬入し、さらに搬送機構で成膜チャンバに移動させ、この成膜チャンバで前記基板に真空成膜を行うように構成された真空成膜装置であり、
    前記基板キャリアは複数の前記基板の各々を搭載する複数の基板保持部を設けた基板ホルダを備え、この基板ホルダは回転機構により回転自在とされ、
    前記基板ホルダにおける複数の前記基板保持部の各々に対応して防着シャッタ取付け部を設け、
    前記基板ホルダの複数の前記基板保持部の各々に搭載された前記基板のうちの選択されたいずれかに対して、前記防着シャッタ取付け部を利用して取り付けられる、当該基板に薄膜が形成されるのを防止する脱着可能な防着シャッタと、前記防着シャッタの脱着を行う防着シャッタ脱着機構とを設けてなり、
    前記防着シャッタ脱着機構は前記ロードロックチャンバに設けられ、前記ロードロックチャンバの内部で前記防着シャッタの脱着が行われることを特徴とする真空成膜装置。
  2. 前記防着シャッタは複数用意され、これらの複数の防着シャッタを複数の前記基板の一部に取り付けかつ残りの前記基板は処理面が露出され、前記防着シャッタ脱着機構は、前記基板ホルダを回転させる前記回転機構と関連して、前記防着シャッタの取付け位置を変更するように前記防着シャッタの脱着を行うことを特徴とする請求項1記載の真空成膜装置。
  3. 前記防着シャッタ脱着機構は、磁石を利用した防着シャッタ取付け・取外し装置と、前記防着シャッタの取付け・取外しの際に前記防着シャッタを押さえるシャッタ押え装置とから構成されることを特徴とする請求項1または2記載の真空成膜装置。
  4. 前記防着シャッタ脱着機構で前記防着シャッタを取付け・取外しするときに発生する前記基板ホルダの位置ズレを抑制する固定機構を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空成膜装置。
  5. 前記防着シャッタ脱着機構で前記防着シャッタを取付け・取外しするときに前記基板ホルダの位置を確認する位置検出機構を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空成膜装置。
  6. 複数の基板が搭載された基板キャリアをロードロックチャンバを通して搬入し、さらに搬送機構で成膜チャンバに移動させ、この成膜チャンバで前記基板に真空成膜を行うように構成された真空成膜装置であり、
    前記基板キャリアは複数の前記基板の各々を搭載する複数の基板保持部を設けた基板ホルダを備え、この基板ホルダは回転機構により回転自在とされ、
    前記基板ホルダにおける複数の前記基板保持部の各々に対応して防着シャッタ取付け部を設け、
    前記基板ホルダの複数の前記基板保持部の各々に搭載された前記基板のうちの選択されたいずれかに対して、前記防着シャッタ取付け部を利用して取り付けられる、当該基板に薄膜が形成されるのを防止する脱着可能な防着シャッタと、前記防着シャッタの脱着を行う防着シャッタ脱着機構とを設けてなり、
    前記防着シャッタ脱着機構は、磁石を利用した防着シャッタ取付け・取外し装置と、前記防着シャッタの取付け・取外しの際に前記防着シャッタを押さえるシャッタ押え装置とから構成されることを特徴とする真空成膜装置。
  7. 前記防着シャッタは複数用意され、これらの複数の防着シャッタを複数の前記基板の一部に取り付けかつ残りの前記基板は処理面が露出され、前記防着シャッタ脱着機構は、前記基板ホルダを回転させる前記回転機構と関連して、前記防着シャッタの取付け位置を変更するように前記防着シャッタの脱着を行うことを特徴とする請求項6記載の真空成膜装置。
  8. 前記防着シャッタ脱着機構で前記防着シャッタを取付け・取外しするときに発生する前記基板ホルダの位置ズレを抑制する固定機構を設けたことを特徴とする請求項6または7記載の真空成膜装置。
  9. 前記防着シャッタ脱着機構で前記防着シャッタを取付け・取外しするときに前記基板ホルダの位置を確認する位置検出機構を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の真空成膜装置。
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