JP2009013437A - 基板ホルダ及び真空成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の真空チャンバを移動させた基板上に複数の蒸着膜を形成させる場合でも、基板の温度を一定条件で測定することができる基板ホルダを提供することにある。
【解決手段】基板を保持する保持部と、保持部の基板側の面に配置され、基板と接触して基板の温度を測定する温度測定部と、温度測定部で検出された測定信号を出力する信号出力部とを有することで上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着膜などを成膜させる基板を支持する基板ホルダ及びこの基板ホルダを用いる真空成膜装置に関するものである。
従来より、医療用の診断画像の撮影や工業用の非破壊検査などに、被写体を透過した放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を電気的な信号として取り出すことにより放射線画像を撮影する、放射線画像検出器が利用されている。
この放射線画像検出器としては、放射線を電気的な画像信号として取り出す放射線固体検出器(いわゆる「Flat Panel Detector」 以下「FPD」ともいう。)や、放射線像を可視像として取り出すX線イメージ管などがある。
また、FPDには、アモルファスセレン等の光導電膜とTFT(Thin Film Transistor)等を用い、放射線の入射によって光導電膜が発した電子−正孔対(e−hペア)を収集してTFTによって電化信号として読み出す、いわば放射線を直接的に電気信号に変換する直接方式と、放射線の入射によって発光(蛍光)する蛍光体で形成された蛍光体層(シンチレータ層)を有し、この蛍光体層によって放射線を可視光に変換し、この可視光を光電変換素子で読み出す、いわば放射線を可視光として電気信号に変換する間接方式との、2つの方式がある。
ここで、基板上に蛍光体層や、アモルファスセレンなどの光導電膜等の膜を形成する装置としては、一定圧力に減圧した真空チャンバ内で、蒸発材料を蒸発させることにより基板上に蒸着膜を形成する真空蒸着装置がある。
また、真空蒸着装置としては、温度測定手段により、基板の温度を測定しつつ、蒸着膜を形成する装置がある。
例えば、特許文献1には、真空槽内において基板に接触した状態で当該基板の温度を測定するもので、基板の温度を測定するための熱電対が、搬送機構の基板と接触する部分、具体的には、基板を昇降させる支持ピンの先端部のセンサチップ内に設けられている真空装置が記載されている。また、センサチップは、基板と同じ材料で作成することが好ましいことが記載されている。
また、真空蒸着装置ではないが、温度測定手段を備える多室型熱処理装置として、特許文献2には、処理対象物を加熱処理する加熱室と、当該加熱室において加熱処理された処理対象物を冷却処理する冷却室とを少なくとも備える多室型熱処理装置であって、上記処理対象物を搬送するためのトレーの所定箇所に固定されるセンサ部と、上記センサ部と電気的に接続されると共に外部に配置される測定部と、上記センサ部が一端部に接続されると共に上記測定部が他端部に接続されることによって上記センサ部と上記測定部とを電気的に接続する接続線と、上記冷却室内に配置されると共に上記接続線を巻き取り可能なリール部とを備える多室型熱処理装置が記載されている。
特開2004−179355号公報 特開2005−241132号公報
ここで、特許文献1に記載の装置では、真空装置の搬送機構に温度測定手段を配置しているが、基板との接触状態や接触量によって、検出値が変化してしまうという問題がある。特に真空装置では、接触状態によって測定値の変化が大きいため問題となる。
また、特許文献2に記載の装置では、処理対象物を搬送するトレーにセンサ部を設けることで、処理対象物とセンサ部との接触状態を変化させることなく、処理対象物を移動させることができる。これにより、一定な接触状態で基板の温度を測定することができるが、リール部等で真空槽内に配線を設ける必要があり、複数の真空槽を設ける場合は、長い配線が必要となる。また、トレーの配線が複数の真空チャンバに延在するため、夫々の真空槽内で別々の処理を行うことができず、処理対象物を連続して処理することができないという問題もある。
また、上記のようにセンサを接触させる以外にも、輻射温度計により基板の温度を測定することも考えられるが、真空蒸着装置の場合は、蒸着膜が形成される基板の表面の温度を測定することは困難である。また、蒸着膜が形成されない面は、基板の温調部材や基板の保持部材が配置されているため、輻射温度計により測定することは困難である。
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、複数の真空チャンバを移動させて基板上に複数の蒸着膜などを形成させる場合でも、基板の温度を一定条件で測定することができる基板ホルダを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、基板の温度を一定条件で測定することができ、基板上により均一で高品質な蒸着膜などを形成することができる真空成膜装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、基板を保持する保持部と、前記保持部の前記基板側の面に配置され、前記基板と接触して前記基板の温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部による温度測定信号を出力する信号出力部とを有する基板ホルダを提供するものである。
ここで、前記基板ホルダにおいて、前記温度測定部は、前記基板の温度を測定する測定端子を複数有し、前記基板の複数の位置の温度を測定することが好ましい。
また、前記信号出力部は、無線で信号を出力することが好ましい。
さらに、前記保持部の前記基板側の面に配置された伝熱部材を有し、前記温度測定部は、伝熱部材を介して前記基板と接触していることが好ましい。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の基板ホルダと、真空チャンバと、前記チャンバ内に配置され、前記基板ホルダの前記連結部と連結し、前記基板ホルダを支持するホルダ支持部と、前記ホルダ支持部に支持された基板ホルダに保持された基板に、真空成膜法によって成膜する成膜手段と、前記信号出力部と接続し、前記温度測定信号を受信する信号受信部とを有する真空成膜ユニットを有する真空成膜装置を提供するものである。
前記真空成膜装置は、さらに、前記信号受信部の受信した前記温度測定信号に基づいて、前記基板の温度を調整する温度調節機構を有することが好ましい。
また、複数の前記真空成膜ユニットと、前記基板ホルダを前記真空成膜ユニットから他の前記真空成膜ユニットに搬送する搬送機構と有することが好ましい。
本発明によれば、基板の温度を一定条件で測定することができ、また、装置構成を簡単にすることができる。また、基板に複数の膜を成膜する場合も、基板の温度を一定条件で測定することができる。これにより基板上に均一で高品質な蒸着膜などの薄膜を形成することができる。
また、基板ホルダに配線を接続した状態で複数の真空チャンバ内を移動させることなく、基板の温度を一定条件で測定することができる。これにより、簡単な装置構成で、基板上に高品質な膜を形成することができる。
本発明に係るに基板ホルダ、及び、この基板ホルダを用いる本発明の真空成膜装置について、添付の図面に示す実施形態を基に詳細に説明する。なお、以下の説明は、本発明を真空蒸着装置に利用したものであるが、本発明は、これに限定はされず、スパッタリングや(プラズマ)CVDなどの各種の真空成膜(気相堆積法による成膜)および真空成膜装置に利用可能である。
図1(A)及び(B)は、それぞれ本発明の基板ホルダを用いる真空蒸着装置の概略構成を示す模式的正面図である。
図1に示す真空蒸着装置10は、1つの真空蒸着ユニット11で構成される。
真空蒸着ユニット11は、真空チャンバ12と、ホルダ装着部14と、蒸発源16と、真空ポンプ18と、バルブ20と、排気経路22と、温度制御手段24と、基板ホルダ26とを有する。
蒸着装置10は、真空チャンバ12内を減圧して、蒸発源16に収容した蒸発材料を加熱融解して蒸発させることにより、ホルダ装着部14が支持した基板ホルダ26が保持した基板Sの表面に、蒸発材料を成膜する。
なお、本発明の真空蒸着ユニット11は、図示した部材以外にも、アルゴンなどの不活性ガス等の各種のガスを真空チャンバ12内に導入するためのガス導入手段、蒸発源16からの蒸発蒸気を遮蔽するためのシャッタ、蒸発材料が基板S以外に付着することを防止し、蒸発源16から蒸発した蒸発材料を基板Sに案内する防着カバー等、真空蒸着装置もしくは真空蒸着ユニットが有する各種の部材を有してもよいのは、もちろんである。
本発明において、使用する基板Sには、特に限定はなく、ガラス板、プラスチック(樹脂)製のフィルムや板、金属板等、製造する製品に応じて種々の材料を用いることができる。
また、基板Sに成膜(形成)する膜にも、特に限定はなく、真空蒸着によって成膜可能なものが、全て利用可能である。
ここで、後に詳述するが、本発明の真空蒸着装置は、基板の温度を一定条件で測定することができるため、一定の温度で基板上に蒸着膜を形成することができる。
そのため、本発明は、所定温度で一定時間蒸着を行う必要のある厚膜の成膜には特に好適であり、特に200〜1000μm程度の膜厚が必要な、直接方式の放射線画像検出器(フラットパネル検出器(FPD(Flat Panel Detector))の光導電層の成膜に好適に用いることができる。中でも特に、FPDの光導電層となるアモルファスセレンの成膜は、成膜材料であるセレンが低い温度で蒸発するため、より一定の温度条件とすることで好適に均一なアモルファスセレンの蒸着膜を形成することができる。
また、本発明の真空成膜装置をFPDの製造に利用する場合には、アモルファスセレン等の光導電膜とTFT(Thin Film Transistor)等を用い、放射線の入射によって光導電膜が発した電子−正孔対(e−hペア)を収集して、TFTのスイッチングを行った個所から電流として感知することで放射線画像を得る、電気読取方式のFPDの製造でもよく、また、アモルファスセレン化合物等から形成される記録用光導電層および読取用光導電層と、両導電層の間に形成されるAs2Se3等から形成される電荷蓄積層とを有し、放射線の照射によって潜像電荷を蓄積し、読取光の照射によって潜像電荷を流して電流として感知することで放射線画像を得る、光読取方式のFPDの製造でもよい。
まず、基板ホルダ26について説明する。
基板ホルダ26は、基板Sを装着する基板装着部30と、後述する温調プレート40から供給される熱を伝える伝熱シート32と、基板Sと接触し温度を測定する測定部34と、測定部34で測定した測定値を信号として出力する信号出力部36とを有し、基板Sの蒸着膜を蒸着させる領域を開放した状態で、基板Sを保持する。
基板装着部30は、基板Sの裏面側を支持する裏面支持部30aと、基板Sの表面側を支持する表面支持部30bとを有し、基板Sの蒸着膜が形成される領域を開放した状態で基板Sを装着/支持する。
裏面支持部30aは、基板Sよりも面積の大きい板状部材であり、基板S側の面には、後述する測定部34が配置され、端部に信号出力部36が配置されている。
表面支持部30bは、基板Sの表面側の蒸着膜の形成領域を開放する開口が形成され、基板Sの表面側の縁部を支持している。
基板装着部30は、表面支持部30bと裏面支持部30aとで基板Sを挟持することで、基板Sを基板ホルダ26内の所定位置に固定する。
伝熱シート32は、熱伝導性の材料で形成されたシート状の部材であり、裏面支持部30aの基板S側の面に配置されている。基板ホルダ26の裏面支持部30aと基板Sとの間に伝熱シート32を設けることで、基板Sを効率よく、かつ均一に加熱、冷却することができる。
伝熱シート32としては、種々の熱伝導性シートを用いることができるが、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレンプロピレン系樹脂等の樹脂に熱伝導性粒子、熱伝導性フィラー等を分散させたシートを用いることが好ましい。
ここで、伝熱シート32は、基板S側の面に非粘着層を設けることが好ましい。基板S側に非粘着槽を設けることで、基板Sの着脱を容易に行うことができる。
ここで、非粘着性層としては、電子線照射等による表面処理層、プラスチックフィルム、非粘着性樹脂のコーティング層を用いたり、熱伝導性シートの基板側の表面にパウダー加工を施したりすることが好ましい。
次に、測定部34は、裏面支持部30aの基板S側の面に配置されている。測定部34は、基板装着部30に保持されている基板Sの温度を測定する。
ここで、本実施形態では、測定部34(その温度測定手段50)は、伝熱シート32(あるいはさらに伝熱シート56)を介して基板Sと接しているが、伝熱シート32は、熱伝導性の高い部材であるので、実質的に基板Sに接しているものとみなすことができる。
図示例において、測定部34は、温度測定手段50、押圧部材52、付勢部材54、あるいはさらに伝熱シート56をユニット化してなるものである。この測定部34は、基板装着部30の裏面支持部30aの下面(伝熱シート32側の面)に形成された凹部に挿入されて、基板ホルダ26に配置される。
図2に、測定部34(34a〜34e)の一例の概略構成を模式的斜視図で示す。
なお、本発明において、基板Sの温度測定手段(温度センサ)50には、特に限定はなく、測定対象と接触して温度を測定する種々の測定手段を用いることができる。一例として、種類の異なる2本の金属線の両端を接合して両端の接点に温度差が生じた際に発生する熱起電力で温度を測定する熱電対、温度による抵抗変化で温度を測定する測温抵抗体やサーミスタ等が例示される。
温度測定手段50(以下、センサ50とする)は、例えば、測定手段が熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等であれば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等を構成する2本の金属線を束ねて、熱伝導性の高い円筒形状(シース型)のホルダに収納したものである。
付勢部材54は、スプリングや弾性部材等の公知の付勢手段を利用すればよい。また、押圧部材52は、付勢部材54によって下方に付勢され、センサ50を伝熱シート32(あるいは基板S)に押圧する部材である。
図2(A)に示す測定部34aは、基本的に、センサ50と、押圧部材52と、付勢部材54とから構成される。なお、図2においては、図2の紙面右方向から見た方向が、図1の正面図と同方向となる。
測定部34aにおいて、押圧部材52の上面(裏面支持部30a側の面)には付勢部材54が固定される。また、センサ50は、直方体状の押圧部材52に合わせて、90°に2回折り返された略Z字状の形状を有し、先端直線部を押圧部材52の下面(伝熱シート32(基板S)側の面)に、先端直線部から90°屈曲する直線部を押圧部材52の側面に、それぞれ当接して、押圧部材52に接着されている。
前述のように、測定部34は、裏面支持部30aの凹部に挿入される。従って、センサ50は、押圧部材52を介して、付勢部材54によって下方に付勢され、伝熱シート32に密着/押圧される。これにより、伝熱シート32とセンサ50との接触が安定して、高精度な基板Sの温度測定すなわち温度調整を行なうことが可能になる。
図2(B)に示す測定部34bは、図2(A)に示す測定部34aに対して、押圧部材52の下面に伝熱シート56を貼着し、この伝熱シート56の下面にセンサ50(その先端直線部)を接着してなる構成を有する。
このように、伝熱シート56を介して押圧部材56にセンサ50を取り付けることにより、押圧部材52(付勢部材54)によって伝熱シート32に押圧されるセンサ50が、2枚の伝熱シートに挟まれた状態となり、より伝熱シート32とセンサ50との接触が安定して、高精度な基板Sの温度測定を行なうことを可能になる。また、基板Sの裏面に設けられる伝熱シート32が無い場合でも、押圧によってセンサ50は測定部34bの伝熱シート56に埋まり込むので、センサ50、伝熱シート56および基板Sは、安定した状態で接触して、高精度な基板Sの温度測定を行なうことを可能になる。
また、センサ50は、直線状に限定はされず、例えば、図2(C)に示す測定部34cのように、押圧部材52の下面の部分は渦巻き状に巻回してもよい。
センサ50を、このような形状とすることにより、伝熱シート32(基板S)とセンサ50との接触がより安定して、高精度な基板Sの温度測定を行なうことを可能になる。
なお、この図2(C)に示すセンサ50を巻回してなる構成を、図2(B)の構成や、後述する図2(D)および(E)の構成のように、測定部34が伝熱シート56を有する構成に利用することにより、さらに伝熱シート32(基板S)とセンサ50との接触が安定して、より高精度な温度測定を行なうことができる。
図2(D)に示す測定部34dは、図2(B)に示す測定部34bのように伝熱シート56の下面にセンサ50を配置するのではなく、押圧部材52と伝熱シート56とでセンサ50を挟んでなる構成を有する。
このように、押圧部材52と伝熱シート56とでのセンサ50を挟んだ構成を有することにより、センサ50と伝熱シート56との接触が固定的に安定し、その結果、基板Sの裏面に伝熱シート32が設けられる場合でも、設けられない場合でも、伝熱シート56を介して、センサ50と、伝熱シート32あるいは基板Sとが安定して接触し、高精度な温度測定を行なうことができる。
さらに、図2(E)に示す測定部34eのように、2枚の伝熱シート56aおよび56bにセンサ50を挟み、この積層体を押圧部材52の下面に取り付けることにより、さらにセンサ50と、伝熱シート32あるいは基板Sとの接触が安定し、より高精度な温度測定を行なうことができる。
図示例の基板ホルダ26は、好ましい態様として、基板Sの裏面に、基板Sの温度制御を好適に行なうための伝熱シート32が配置されているが、本発明は、これに限定はされず、本発明の基板ホルダは、この伝熱シート32は、有さなくてもよい。
ここで、基板ホルダ26が伝熱シート32を有さず、かつ、測定部32も伝熱シート56を有さない場合(図2(A)の測定部34aおよび図2(C)の測定部34c)であっても、図示例の測定部34においては、付勢部材54によって、押圧部材52を介してセンサ50を基板Sに押圧するので、センサ50と基板Sとの接触は安定し、高精度な温度測定が可能である。なお、伝熱シート56を有さない測定部34aおよび測定部34cに限らず、基板ホルダ26が伝熱シート32を有する場合には、伝熱シート32を介してセンサ50と基板Sとの接触がより安定し、より高精度な温度測定が可能であることは、言うまでも無い。
また、図示例の測定部34は、予め測定部34を組み立ててユニット化してなるものであるが、本発明は、これに限定はされず、基板Sを基板ホルダ26にセットする際に、測定部34を組み立てる構成であってもよい。
何れの構成であっても、センサ50を一定の圧力で伝熱シート32(あるいは基板S)に押圧/接触した状態で、基板Sをセットした基板ホルダ26を複数の蒸着室(真空蒸着装置)に搬送することができる。
信号出力部36は、裏面支持部30aの端部に配置され、配線で測定部34と接続されている。信号出力部36は、測定部34からの出力信号を信号受信部44に出力する。
なお、図示例の基板ホルダ26において、信号出力部36は、測定部34(センサ50)による温度測定信号(電気信号)を、そのまま信号受信部44に出力する。しかしながら、本発明は、これに限定はされず、信号出力部36は、測定部34による温度測定信号をデジタルの信号に変換して、信号受信部44に出力してもよい。
真空チャンバ12は、鉄,ステンレス,アルミニウム等で形成される気密性の高い容器である。真空チャンバ12としては、真空蒸着装置で利用される種々の真空チャンバ(ベルジャー、真空槽)を用いることができる。また、真空チャンバ12には、排気経路22を介して、真空ポンプ18が接続されている。また、排気経路22には、排気経路22を気密に閉塞し、真空ポンプ18からの排気量を調整するバルブ20が配置されている。バルブ20としては、電磁弁、油圧式弁等種々のバルブを用いることができる。
真空ポンプ18は、真空チャンバ12の内部の空気を排気することで、真空チャンバ12内部を所定の真空度に減圧する。
真空ポンプ18は、特に制限はなく、必要な到達真空度を達成できるものであれば、真空蒸着装置で利用されている各種のものが利用可能である。一例として、油拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボモレキュラーポンプ等を利用すればよく、また、補助として、クライオコイル等を併用してもよい。
ホルダ装着部14は、基板ホルダ26及び基板Sを加熱及び/または冷却する温調プレート40と、基板ホルダ26を支持するホルダ支持部42と、基板ホルダ26の信号出力部36から出力された信号を受信する信号受信部44とを有する。
基板ホルダ26は、公知の手段でホルダ支持部42(後述するホルダ支持部42のフック)に着脱自在に構成されている。
温調プレート40は、内部に温調機構40aが配置された板状部材であり、真空チャンバ12の上面に配置されている。
温調プレート40は、基板ホルダ26を加熱、冷却し、基板Sの温度を調節する。
ここで、温調機構40aとしては、温調プレート40内に管路を通し、その管路内に温媒を循環させることで温調プレート40を加熱冷却する方法、温調プレート内にペルチェ素子を配置し印加電流を制御することで、温調プレートを加熱冷却する方法等が例示される。また、温調プレート40を加熱のみで温度制御する場合は、電熱線を配置し、加熱する方法も用いることができる。
ホルダ支持部42は、温調プレート40に配置され、基板ホルダ26の外周を支持するフックを有する。また、ホルダ支持部42のフックは、昇降機構により図1中上下方向に移動する。
ホルダ支持部42は、基板S(基板ホルダ26)を支持するフックを温調プレート40側に移動させて、基板ホルダ26の蒸着源16側の面から、基板ホルダ26の縁部を支持し、基板ホルダ26(具体的には裏面支持部30a)と温調プレート40とを密着させる。
また、蒸着を終了した後等の基板ホルダ26をホルダ支持部42から取り外す場合は、ホルダ支持部42は、フックを蒸発源16側に移動させ、基板ホルダ26を密着した上体から開放し、基板ホルダ26を取り外す。
ここで、昇降機構としては、例えば、リニア機構、バネの付勢力により移動させる機構、ワイヤにより移動させる機構等を用いることができる。
信号受信部44は、温調プレート40の基板ホルダ26側の面に配置される。信号受信部44は、基板ホルダ26の保持時に、基板ホルダ26の信号出力部36と接触し、信号出力部36から出力された信号を受信する。
図3に、信号出力部36および信号受信部44を拡大した模式図を示す。
前述のように、センサ50(温度測定手段50)は、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ等を構成する2本の金属線を束ねて、熱伝導性の高い円筒形状のホルダに収納したものである。信号出力部36は、この金属線の個々に電気的に接続するソケット37(37aおよび37b)を有する。他方、信号受信部44は、互いに独立した信号線(電気信号線)に接続する、個々のソケット37に個々に挿入されて係合する端子45(45aおよび45b)を有する。なお、本発明においては、信号出力部36が端子45を有し、信号受信部44がソケット37を有する構成でもよい。
前述のように、ホルダ支持部42が基板ホルダ26(フック)を上昇させて基板ホルダ26と温調プレート40とを密着させた際に、端子45がソケット37に挿入して係合し、信号出力部36と信号受信部44とが電気的に接続される。
ソケット37と端子45の形状には、特に限定はないが、好ましくは、例えば、図4(A)に模式的に示すように、端子45を棒状(円柱状)、ソケット37を円筒状として、端子45をソケット37に圧入(嵌挿)する構成とする。あるいは、図4(B)に模式的に示すように、端子45を棒状として、筒状のソケット37の内部に端子45が圧入可能な導電部材38を設けて、端子45をソケット37に圧入する構成とする。
正確な温度測定を行なうためには、信号出力部36と信号受信部44(両者のコネクタ部)の接触電気抵抗を防ぐことが重要である。そのため、このような構成とすることにより、信号出力部36と信号受信部44との密着力を向上し、かつ、接触面積も向上して、信号出力部36から信号受信部44へ、より安定した信号の出力が可能となる。
蒸発源16は、真空チャンバ12内のホルダ装着部14に対向し、かつホルダ装着部14よりも鉛直方向下側に配置されており、蒸発材料を加熱し、溶融させて、基板Sに向けて蒸発させる。
蒸発源16としては、例えば、蒸発材料を収容(または貯留)するルツボと、ルツボを加熱し蒸発材料を加熱する加熱源とで構成され、加熱源によりルツボを抵抗加熱することで、蒸発材料を加熱し蒸発させる蒸発源を用いることができる。
また、蒸発源は、上記構成のものに限定はされず、ルツボには、いわゆるボート型のルツボや、上端面が開放する円筒形などのカップ型のルツボなど、各種のルツボが全て利用可能である。
また、蒸発源の加熱機構としては、抵抗加熱用のルツボに電流を印加し加熱する加熱機構に限定はされず、誘導加熱や電子線(EB)加熱等、蒸着時の真空度などの成膜条件等に応じて利用可能であれば、真空蒸着で利用される各種の加熱機構が全て利用可能である。
ここで、蒸発源には、蒸発材料(またはルツボ)の温度を測定する温度測定手段を配置してもよい。ここで、温度測定手段としては、熱電対などが例示される。
温度測定手段により温度を測定し、その測定結果に応じて、蒸発源による加熱量を調整することで、蒸発材料の温度を一定にすることができる。これにより、蒸発材料を安定して蒸発させることができる。
なお、本実施形態の真空蒸着ユニット11では、蒸発源16を1個としたが、本発明はこれに限定されず、複数の蒸発源16を配置してもよく、また、真空蒸着ユニット11は、互いに異なる蒸発材料を収容する複数の蒸発源16によって、多元の真空蒸着を行うものであってもよい。
温度制御手段24は、信号受信部44が受信した測定部34の測定値に基づいて、加熱冷却機構40aの加熱・冷却量を制御し、基板Sの温度を所望の温度にする。
以下、図1に示す真空蒸着装置10の作用を説明することにより、本発明の基板ホルダ及び真空蒸着装置について、より詳細に説明する。
まず、基板Sを基板ホルダ26に収容する。
次に、蒸発源16に所定量の蒸発材料を充填し、かつ、基板Sを収容した基板ホルダ26をホルダ装着部14の所定位置に装着する。具体的には、基板ホルダ26をフックにより固定して、温調プレート40と裏面支持部30aとを密着させ、かつ、信号受信部44と信号出力部36とを接続する。
次いで、真空チャンバ12を閉塞して、真空ポンプ18によって排気して、所定の真空度まで排気する。
真空ポンプ18により排気して、系内(つまり真空チャンバ12内)を高い真空度する。さらに、ガス導入部等からアルゴンガスを系内に導入して、0.01〜3Pa程度の真空度(以下、便宜的に中真空とする)とすることが好ましい。
真空チャンバ12内の真空度が所定の真空度になった時点で、蒸発源16に通電して蒸発材料の加熱を開始する。
その後、蒸発材料(及び/または、ルツボ)の温度が所定の温度になった時点で、基板Sへの蒸着膜の形成を開始する。
基板Sへの蒸着膜の形成時、測定部34は、基板Sの温度を測定し、測定データを信号出力部36に送る。信号出力部36に送られた測定データは、信号受信部44に送られ、その後、温度制御手段24に送られる。温度制御手段24は、測定部34により検出され、信号出力部36から送られた(つまり、出力された)基板Sの温度の測定データに基づいて、温調プレート40の加熱・冷却量を調整する。
所定の層厚の蒸着膜を形成したら、蒸発源16の加熱を停止し、真空チャンバ12内を大気圧に戻して、真空チャンバ12を開放して、蒸着膜を形成した基板Sを取り出す。
なお、蒸着膜の層厚(膜厚)は、予め知見した加熱条件に応じた成膜レートによって制御してもよく、変位計等を用いて層厚を直接測定して制御してもよく、水晶振動子等を用いる蒸発量計等によって制御してもよい。
このようにして、真空蒸着装置10は、基板S上に蒸発材料の蒸着膜を形成する。
このように、本発明によれば、基板を保持する基板ホルダに測定部を配置し、基板の温度を測定することで、基板と測定部との接触状態、接触位置を一定にすることができ、一定の条件で基板の温度を測定することができる、つまり、正確に基板の温度を測定し、あるいはさらに温度を制御することができる。
また、基板ホルダの信号出力部とホルダ装着部の信号受信部とを着脱可能にすることができ、さらに、測定値を電気的な信号として基板ホルダから取り出すことにより、信号出力部と信号受信部との接触状態によらず、測定値を取り出すことができる。
測定値を一定条件で検出できることで、基板の温度を安定して調整することができ、基板上に均一で高品質な蒸着膜を形成することができる。
これにより、低温で膜厚の厚い蒸着膜を蒸着させる場合でも、基板上に均一で高品質な蒸着膜を形成することができる。
このように、基板の温度を安定できることで、直接方式の放射線画像検出器(フラットパネル検出器(FPD(Flat Panel Detector))の厚膜の光導電層を好適に形成することができ、中でも特に、FPDの光導電層となるアモルファスセレンの蒸着膜を形成することができる。
ここで、上記実施形態では、基板ホルダの信号出力部を温調シートと接触する面に配置したが本発明はこれに限定されない。図5(A)〜(C)は、それぞれ本発明の基板ホルダの他の一例の概略構成を示す模式的正面図である。
図5(A)に示す基板ホルダ60は、信号出力部64を、基板装着部62の裏面支持部62aの表面支持部62b側の面に配置している。また、表面支持部62bの信号出力部64に対向する部分には、開口が形成されており、信号出力部64の表面支持部62b側の面を露出させている。
このように、基板ホルダ60の表面支持部62b側に信号出力部64を設け、表面支持部62b側から信号受信部44’を接続させてもよい。なお、この際においては、信号出力部64および信号受信部44’は、図4に示すように信号出力部64を信号受信部44’に圧入(あるいは逆)にする構成とするのも好ましい。
図5(B)に示す基板ホルダ70は、基板装着部72の裏面支持部72aの内部に信号出力部74が配置されている。なお、符号72bは、表面支持部である。
信号出力部74は、測定部34で測定した測定データを無線で出力する。
このように、測定部34で測定したデータを信号出力部74から無線で出力することで、信号受信部と信号出力部と接触させることなく、信号を取り出すことができる。
これにより、信号受信部の配置位置を任意の位置とすることができ、さらに、配線をより簡単にすることができ、基板ホルダ及び真空蒸着装置の設計自由度をより高くすることができる。
上記実施形態では、いずれも測定部で検出した基板の温度を信号受信部に送り、信号受信部が受信した測定データに基づいて、温調プレートの加熱冷却機構の加熱冷却を調整したが、測定データを信号出力部に記録させてもよい。
図5(C)に示す基板ホルダ80も、基板装着部82の裏面支持部82aの内部に信号出力部84が配置されている。なお、符号82bは、表面支持部である。
信号出力部84は、測定値を保存する記録部を有し、測定部34で測定した測定データを記録部に記録する。信号出力部84の記録部に記録された測定結果は、基板Sへの蒸着終了後等に読み出す。
このように測定データを信号出力部84に記録させる場合、温度制御手段は、記録部に記録された測定データを解析して温度変化の予測値を算出し、その温度変換の予測値に基づいて加熱冷却機構の加熱量、冷却量を調整する。
このように、成膜時に測定データをそのまま(つまりリアルタイム処理で)信号受信部に出力することに限定されず、信号出力部に記録部を設けて測定データを記録し、その検出データに基づいて温度変化を予測することでも基板の温度を安定して調整することができる。また、多くの測定データを用いて温度変化の予測値を算出することで、正確な温度変化を予測することが可能となる。
また、測定データを記録し、非使用時等に出力することにより、ホルダ装着部に信号受信部を設ける必要がなくなるため、装置構成を簡単にすることができる。
ここで、本実施形態では、いずれも、測定部を基板ホルダの一箇所のみに配置したが、測定部(の測定端子)は、複数箇所に配置することが好ましい。
測定端子を複数配置し、基板の複数箇所の温度を検出することで、より確実により一定条件で基板の温度を検出することができる。また、測定部を複数設けた場合も、1つの信号出力部から測定値を出力することができ、装置構成を簡単にすることができる。
また、基板の複数箇所の温度を検出することで、基板のエリア毎の温度管理も可能となる。
また、本実施形態では、温調プレート40の下面、つまり、温調プレート40と基板ホルダ26との間には、熱をムラなく均一に基板Sに伝えるための伝熱シート(具体的には、熱伝導性シート)を設けることが好ましい。伝熱シートを配置することで、温調プレート40の熱を効率よく、かつ均一に基板ホルダに伝えることができる。
また、本実施形態では、温調プレートの内部に加熱・冷却機構を設けたが、本発明はこれに限定されず、温調プレートを、基板ホルダを保持する保持板と、保持板の基板ホルダに接する面とは反対側の面に配置された加熱・冷却機構とで構成してもよい。この場合は、保持板と加熱・冷却機構との間にも上述した伝熱シートを設けることが好ましい。
また、本実施形態では、基板を固定して成膜したが、本発明はこれに限定されず、蒸発材料の成膜時に、基板を回転させてもよく、または、基板を往復移動させてもよい。
ここで、本発明の真空成膜装置は、基板S(基板ホルダ26)の搬送手段と複数の連接した真空蒸着ユニットとで構成し、1つの基板Sに複数層の膜を成膜することが好ましい。
図6は、本発明の真空蒸着装置の一例の概略構成を示す模式的正面図である。
真空蒸着装置90は、図1に示す(真空)成膜装置10を応用して構成したものであり、基板仕込み室92(以下「仕込み室92」とする。)と、第1真空蒸着ユニット94a、第2真空蒸着ユニット94b、……の複数の真空蒸着ユニット94と、基板ホルダ搬送機構95とを有する。ここで、真空蒸着ユニット94は、上述した真空蒸着装置10の真空蒸着ユニット11と同様の構成であり、その詳細な説明は省略する。
仕込み室92および各真空蒸着ユニット94の間には、シャッタ96が設けられ、シャッタ96の開閉によって、各ユニットの真空チャンバが連通され、また、気密に遮蔽される。
また、各真空チャンバには、基板ホルダ26を搬送する基板ホルダ搬送機構95の複数の搬送ローラ98が設けられている。
真空蒸着装置90においても、基板Sは、基板ホルダ26に収容されて、成膜に供される。仕込み室92は、載置手段100によって基板ホルダ26を搬送キャリア102に載置するものである。
また、載置手段100は、一例として、フック98aの下端を基板ホルダ26の下方に挿入して、基板ホルダ26を下から支えて保持し、搬送キャリア102に載置する。
搬送キャリア102は、本体102aと、基板ホルダ26の基板装着部30の表面支持部30bを支持する載置部102bとを有するものであり、基板ホルダ26は、載置手段100によって、載置部102bに載置される。
搬送キャリア102は、搬送ローラ98によって移動されるものである、すなわち、基板ホルダ26(基板S)は、搬送キャリア102に載置されて、搬送ローラ98によって各真空蒸着ユニット94に移動される。
図示例において、真空蒸着ユニット94の真空チャンバ12は、成膜部12a、基板保持部12bおよび搬送部12cの3つのチャンバから構成される。真空ポンプ18は、バルブ20を介して搬送部12cに接続される。すなわち、図示例の真空蒸着ユニット94においては、搬送部12aが、前記排気経路22としても機能する。
成膜部12aには、蒸発源18が配置される。また、基板保持部12bには、前述のホルダ装着部14(基板ホルダ26を除く)および搬送ローラ98が配置される。
また、真空蒸着ユニット94は、上述した真空蒸着ユニット11と同様にホルダ装着部14がホルダ支持部42のフックを有する。ホルダ支持部42は、先の仕込み室92の載置手段100と同様に、フックの下端を基板ホルダ26の下に挿入し、下から支えて基板ホルダ26を支持する。
なお、ホルダ装着部14(および載置手段100)による基板ホルダ26の支持は、フックによる把持に限定はされず、公知の各種の方法が利用可能である。
以下、真空蒸着装置90の作用を説明する。
図示例の真空蒸着装置90において、仕込み室92の所定位置に基板ホルダ26が供給されると、載置手段100が、フック100aで基板ホルダ26を保持して、所定位置に配置された搬送キャリア100に基板ホルダ26を載置する。
仕込み室92において、搬送キャリア102に基板ホルダ26が載置されると、必要なシャッタ96が開放され、搬送ローラ98により、搬送キャリア102が真空蒸着ユニット100(例えば第1真空蒸着ユニット100a)に搬送される。
基板ホルダ26を載置した搬送キャリア102は、搬送ローラ98(つまり、基板ホルダ搬送機構96)により、基板保持部12bのホルダ装着部14の下部の所定位置に搬送される。
搬送キャリア100が停止すると、ホルダ支持部42のフックが降下し、基板ホルダ26を支持する。フックが基板ホルダ26を支持すると、ホルダ支持部42は、フックを上昇させ、搬送キャリア102から基板ホルダ26を持ち上げ、基板ホルダ26の基板装着部30の裏面支持部30aを温調プレート40に密着させる。また、基板ホルダ26の信号出力部36と温調プレート40に配置された信号受信部44とを接触させる。
次に、搬送ローラ98により搬送キャリア102を逆方向に搬送し、仕込み室92に戻す。さらに、搬送キャリア102を仕込み室92に戻した後、シャッタ96を閉塞させ、真空チャンバ12内を密閉状態にする。
シャッタ96を閉塞させると、前述の真空蒸着装置10と同様にして、真空チャンバ内の排気および成膜材料の加熱を開始し、所定の真空度となった時点で、真空蒸着によって基板Sに成膜を行う。
基板Sに、所定膜厚の膜が成膜されると、蒸発源16は、蒸発材料の加熱を停止する。
次いで、真空蒸着ユニット94を大気開放(あるいは所定圧に調整)したら、必要なシャッタ96を開放して、搬送ローラ対98が基板キャリア102を、基板保持部12bのホルダ装着部14の下部の所定位置まで搬送する。
その後、ホルダ支持部42は、基板ホルダ26を降下し、所定位置まで降下した時点で、フックによる保持を開放して、基板キャリア102の載置部102bに基板ホルダ26を載置する。
基板キャリア102に基板ホルダ26が載置されると、搬送ローラ98が、次の真空蒸着ユニット94に基板ホルダ26を搬送し、以下、同様にして、次層の成膜が行なわれる。
このように、本発明の基板ホルダを用いることで、基板上に多層の蒸着膜を成膜する場合も同様の条件で基板の温度を測定することができる。
また、各真空蒸着ユニットに信号受信部を設けることで、基板ホルダの測定部の測定データを取得することができるため、基板ホルダを独立させて搬送することができる。また、信号出力部は、測定部での測定データをデジタル信号で出力する部分であるため、信号出力部と信号受信部との接触状態によって測定結果が変化することもない。したがって、基板ホルダを移動させ、異なる信号受信部から信号を取得する場合でも、信号出力部と信号受信部との接触状態によって、検出値が変化することを防止でき、正確に温度を測定することができる。
正確に検出した基板の温度に基づいて基板の温度を調整することにより、基板を所望の温度に維持することができ、基板に高品質な蒸着膜を成膜することができる。
以上、本発明に係る基板ホルダ及び真空成膜装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
例えば、以上の説明は、成膜手段として、収容した蒸発材料を加熱融解する蒸発源16等を用いて、本発明を真空蒸着装置に利用したものであるが、本発明は、成膜手段としてプラズマ発生手段やターゲットの保持手段等を有するスパッタリングや、成膜手段として反応ガスの導入手段等を有する(プラズマ)CVDなどの各種の公知の真空成膜および真空成膜装置に利用可能であるのは前述のとおりである。これらの真空成膜に本発明を利用することにより、詳述した真空蒸着と同様、基板の温度を一定条件で測定して、基板温度を適正に制御して、基板上に均一で高品質な薄膜を形成できる。
(A)及び(B)は、それぞれ本発明の基板ホルダを用いる本発明の真空蒸着装置の一例の概略構成を示す模式的正面図である。 (A)〜(E)は、それぞれ図1に示す真空蒸着装置における基板ホルダの測定部の模式図である。 本発明の基板ホルダの信号出力部および信号受信部の概略構成を模式的に示す図である。 (A)及び(B)は、それぞれ図3に示す信号出力部および信号受信部における両者の接合の概略構成を模式的に示す部分断面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ基板ホルダの他の一例の概略構成を示す模式的正面図である。 本発明の真空蒸着装置の他の一例の概略構成を示す模式的正面図である。
符号の説明
10、90 真空蒸着装置
11、94 真空蒸着ユニット
12 真空チャンバ
14 ホルダ装着部
16 蒸発源
18 真空ポンプ
20 バルブ
22 排気経路バルブ
24 温度制御手段
26、60、70、80 基板ホルダ
30、62、72、82 基板装着部
32,56 伝熱シート
34 測定部
36、64、74、84 信号出力部
37 ソケット
40 温調プレート
42 ホルダ支持部
44、44’ 信号受信部
45 端子
50 センサ(温度測定手段)
52 押圧部材
54 付勢部材
92 仕込み室
95 基板ホルダ搬送機構
96 シャッタ
98 搬送ローラ
100 載置手段
102 基板キャリア
S 基板

Claims (7)

  1. 基板を保持する保持部と、
    前記保持部の前記基板側の面に配置され、前記基板と接触して前記基板の温度を測定する温度測定部と、
    前記温度測定部による温度測定信号を出力する信号出力部とを有する基板ホルダ。
  2. 前記温度測定部は、前記基板の温度を測定する測定端子を複数有し、前記基板の複数の位置の温度を測定する請求項1に記載の基板ホルダ。
  3. 前記信号出力部は、無線で信号を出力する請求項1または2に記載の基板ホルダ。
  4. さらに、前記保持部の前記基板側の面に配置された伝熱部材を有し、
    前記温度測定部は、伝熱部材を介して前記基板と接触している請求項1〜3のいずれかに記載の基板ホルダ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の基板ホルダと、
    真空チャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、前記基板ホルダの前記連結部と連結し、前記基板ホルダを支持するホルダ支持部と、
    前記ホルダ支持部に支持された基板ホルダに保持された基板に、真空成膜法によって成膜する成膜手段と、
    前記信号出力部と接続し、前記温度測定信号を受信する信号受信部とを有する真空成膜ユニットを有する真空成膜装置。
  6. さらに、前記信号受信部の受信した前記温度測定信号に基づいて、前記基板の温度を調整する温度調節機構を有する請求項5に記載の真空成膜装置。
  7. 複数の前記真空成膜ユニットと、
    前記基板ホルダを前記真空成膜ユニットから他の前記真空成膜ユニットに搬送する搬送機構と有する請求項5または6に記載の真空成膜装置。
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