JP4211122B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷房サイクルによる再熱ドライ運転を行う空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和機としては、図5に示すように、圧縮機1,四路弁2,室外熱交換器3,電動膨張弁4,第1室内熱交換器5,室内用電動膨張弁6,室内熱交換器7およびアキュムレータ8で構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルで再熱ドライ運転を行うものがある。上記構成の空気調和機において、圧縮機1から吐出された高圧冷媒は、室外ファン(図示せず)が停止している室外熱交換器3と、全開状態の電動膨張弁4とを介して第1室内熱交換器5に流れ、第1室内熱交換器5で凝縮した後、室内用電動膨張弁6で減圧される。そして、減圧された低圧冷媒は、第2室内熱交換器7で蒸発した後、四路弁2,アキュムレータ8を介して圧縮機1の吐出側に戻る。こうして、第1室内熱交換器5で室内空気を加熱する一方、第2室内熱交換器7で室内空気を除湿,冷却することによって、室内温度を下げることなく、除湿を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記空気調和機では、室外熱交換器3で熱交換(凝縮)しないのが理想であるが、自然風等により過大な熱交換が行われると、特に室内温度が高い場合に室内側の第1室内熱交換器5で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器5でガス冷媒が増加するため、室内側の電動膨張弁6が閉塞状態となって冷媒が流れなくなる。この場合、ポンプダウンに近い運転となり、正常な再熱ドライ運転ができなくなると共に、冷媒回路に冷媒が循環しないため、冷媒循環による圧縮機1のモータの冷却ができず、モータコイル温度の異常上昇によりレアショートに至る恐れもある。
【0004】
そこで、この発明の目的は、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる空気調和機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、上記圧縮機の入力電流を検出する電流センサと、上記電流センサにより検出された上記圧縮機の入力電流が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機の運転を所定時間停止する制御部を備えたことを特徴としている。
【0006】
上記請求項1の空気調和機によれば、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、第1減圧器を全開にする一方、第2減圧器を絞り、上記圧縮機から吐出された高圧冷媒は、室外熱交換器,第1減圧器を通って第1室内熱交換器で凝縮して放熱し、凝縮した冷媒は、第2減圧器で減圧された後、第2室内熱交換器で蒸発して、第2室内熱交換器で室内空気の除湿と冷却が行われる。このようにして、室内空気を第1室内熱交換器で暖め、第2室内熱交換器で除湿,冷却することによって、室内温度を下げることなく、快適な再熱ドライ運転を行う。ところが、再熱ドライ運転中に上記室外熱交換器で自然風等により過大な熱交換が行われると、室内温度が特に高いときに凝縮器として働くべき室内側の第1室内熱交換器で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器でガス冷媒が増加するために、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなる。このとき、冷媒循環がほとんどないため、圧縮機の負荷が軽くなり正常な再熱ドライ運転時に比べて圧縮機の入力電流が小さくなる。したがつて、上記圧縮機の入力電流が所定値よりも小さくなったとき、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止することによって、再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0007】
また、請求項2の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、室内温度を検出する室内温度センサと、上記第2室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度センサと、上記室内温度センサにより検出された室内温度と、上記室内熱交換器温度センサにより検出された上記第2室内熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機の運転を所定時間停止する制御部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上記請求項2の空気調和機によれば、再熱ドライ運転中に上記室外熱交換器で自然風等により過大な熱交換が行われると、室内温度が特に高いときに凝縮器として働くべき室内側の第1室内熱交換器で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器でガス冷媒が増加するために、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなる。このとき、冷媒循環がほとんどないため、正常な再熱ドライ運転時に比べて、室内温度と第2室内熱交換器の温度との温度差がほとんど無くなる。したがって、上記室内温度センサにより検出された室内温度と室内熱交換器温度センサにより検出された第2室内熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さくなったとき、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止することによって、再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0009】
また、請求項3の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、室外温度を検出する室外温度センサと、上記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサと、上記室外温度センサにより検出された室外温度と、上記室外熱交換器温度センサにより検出された上記室外熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機の運転を所定時間停止する制御部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
上記請求項3の空気調和機によれば、再熱ドライ運転中に上記室外熱交換器で自然風等により過大な熱交換が行われると、室内温度が特に高いときに凝縮器として働くべき室内側の第1室内熱交換器で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器でガス冷媒が増加するために、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなる。このとき、冷媒循環がほとんどないため、正常な再熱ドライ運転時に比べて、室外温度と室外熱交換器の温度との温度差がほとんど無くなる。したがって、上記室外温度センサにより検出された室外温度と室外熱交換器温度センサにより検出された室外熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さくなったとき、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止することによって、再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0011】
また、請求項4の空気調和機は、請求項1乃至3のいずれか1つの空気調和機において、上記停止条件を満足し、かつ、上記圧縮機の運転周波数が所定周波数よりも大きいという停止条件を満足するとき、上記制御部は上記圧縮機の運転を上記所定時間停止することを特徴としている。
【0012】
上記請求項4の空気調和機によれば、上記圧縮機の運転周波数を低くして、再熱ドライ運転の能力を下げた場合、例えば、圧縮機の入力電流のばらつきが大きくなったり、室内温度と第2室内熱交換器の温度との温度差や室外温度と室外熱交換器の温度との温度差がほとんどなくなったりするので、運転周波数が所定周波数以下のときは圧縮機を停止する条件から除外することによって、誤検出により圧縮機の停止を防止できる。
【0013】
また、請求項5の空気調和機は、請求項1乃至4のいずれか1つの空気調和機において、上記制御部は、上記停止条件が所定時間継続したときに上記圧縮機の運転を上記所定時間停止することを特徴としている。
【0014】
上記請求項5の空気調和機によれば、上記停止条件が所定時間継続したときに上記圧縮機の運転を所定時間停止することによって、上記停止条件を確実に判定して、誤判定による圧縮機の停止を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態の空気調和機の概略ブロック図を示している。なお、この空気調和機の冷媒回路は、図5に示す従来の空気調和機と同一の構成をしており、同一構成部は説明を省略して、図5を援用する。
【0017】
図1において、11は制御部としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)、12は上記マイコン11により制御される圧縮機1を有する冷媒回路部、13は上記圧縮機1の回転数を検出する回転数センサ、14は上記圧縮機1の入力電流を検出する電流センサである。上記冷媒回路部12は、図5と同様の構成をしており、冷房サイクルによる再熱ドライ運転において、四路弁2を実線の切換位置に切り換えて、圧縮機1を起動する。そして、上記圧縮機1から吐出された高圧冷媒は、室外熱交換器3と全開状態の第1減圧器としての電動膨張弁4とを介して第1室内熱交換器5に流れ、第1室内熱交換器5で凝縮した後、第2減圧器としての室内用電動膨張弁6で減圧される。次に、減圧された低圧冷媒は、第2室内熱交換器7で蒸発した後、四路弁2,アキュムレータ8を介して圧縮機1の吐出側に戻る。
【0018】
上記構成の空気調和機において、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、上記冷媒回路部の室外熱交換器3(図5に示す)で自然風等により過大な熱交換が行われると、特に、室内温度が高いときに室内側の第1室内熱交換器5(図5に示す)で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器5でガス冷媒が増加することによって、室内側の電動膨張弁6(図5に示す)が閉塞状態となって冷媒が流れなくなる。このとき、冷媒循環がないため、圧縮機1の負荷が軽くなって、正常な再熱ドライ運転時に比べて圧縮機1の入力電流が小さくなる。したがって、冷媒循環がほとんどないときの圧縮機1の入力電流近傍の値を、圧縮機1の入力電流を判定する所定値に設定することによって、上記圧縮機1の入力電流が所定値以下になったことを検知して、冷媒循環が止まっていることを知り、圧縮機1の運転を一旦停止することが可能となる。
【0019】
図2は上記空気調和機のマイコン11の動作を示すフローチャートを示しており、マイコン11の冷媒づまりを検知して運転を停止する処理を図2に従って以下に説明する。
【0020】
まず、再熱ドライ運転がスタートすると、ステップS1で運転周波数が所定値FGAS1(例えば60Hz)を越えているか否かを判別して、運転周波数が所定値FGAS1以下と判別すると、ステップS1を繰り返す一方、運転周波数が所定値FGAS1を越えていると判別すると、ステップS2に進む。
【0021】
次に、ステップS2で圧縮機1の電流値が判定値(=a×運転周波数+b)未満か否かを判別して、電流値が判定値以上であると判別すると、ステップS2を繰り返す一方、電流値が判定値未満であると判別すると、ステップS3に進む。
【0022】
次に、ステップS3で運転周波数が所定値FGAS1を越え、かつ、電流値が判定値未満である状態が所定時間TGAS1(例えば10分間)継続したか否かを判別して、継続していないと判別すると、再びステップS1に戻る一方、継続したと判別すると、ステップS4に進む。
【0023】
そして、ステップS4で一旦、運転を停止し、所定時間(例えば3分間)経過後に圧縮機1の再起動を行う。
【0024】
このように、上記圧縮機1の入力電流が所定値よりも小さくなったとき、室内用電動膨張弁6の閉塞により冷媒循環が止まっているものと判定して、制御部11により運転を一旦停止することによって、室内用電動膨張弁6の閉塞状態が続くのを防いで、圧縮機1の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0025】
また、上記圧縮機1の運転周波数を低くして、再熱ドライ運転の能力を下げた場合、圧縮機1の入力電流のばらつきが大きくなるので、運転周波数が所定値FGAS1以下のときは圧縮機1を停止しないことによって、誤検出による圧縮機1の停止を防ぐことができる。
【0026】
また、上記制御部11は、圧縮機1の入力電流が所定値よりも小さいという停止条件が所定時間TGAS1継続したときに圧縮機1の運転を一旦停止することによって、上記停止条件を確実に判定して、誤判定による圧縮機1の停止を防ぐことができる。
【0027】
(第2実施形態)
図3はこの発明の第2実施形態の空気調和機の概略ブロック図を示している。なお、この空気調和機の冷媒回路は、図5に示す従来の空気調和機と同一の構成をしており、同一構成部は説明を省略して、図5を援用する。
【0028】
図3において、21は制御部としてのマイコン、22は上記マイコン21により制御される圧縮機1を有する冷媒回路部、23は上記圧縮機1の回転数を検出する回転数センサ、24は室外熱交換器3(図5に示す)の温度を検出する室外熱交換器温度センサ、25は外気温度を検出する外気温度センサ、26は第2室内熱交換器7(図5に示す)の温度を検出する室内熱交換器温度センサ、27は室内温度を検出する室内温度センサである。上記冷媒回路部22は、図5と同様の構成をしており、第1実施形態の冷媒回路12と同様の冷房サイクルによる再熱ドライ運転を行う。
【0029】
上記構成の空気調和機において、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、上記冷媒回路部の室外熱交換器3(図5に示す)で自然風等により過大な熱交換が行われると、特に、室内温度が高いときに室内側の第1室内熱交換器5(図5に示す)で冷媒の蒸発が起こり、第1室内熱交換器5でガス冷媒が増加することによって、室内側の電動膨張弁6(図5に示す)が閉塞状態となって冷媒が流れなくなる。このとき、冷媒循環がないため、正常な再熱ドライ運転時に比べて室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差および室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差が小さくなる。したがって、冷媒循環がほとんどないときの室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差に近い値および室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差に近い値を、各温度差を判定する所定値に夫々設定することによって、室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差が所定値より小さく、かつ、室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差が所定値より小さくなったことを検知して、冷媒循環が止まっていることを知り、圧縮機1の運転を一旦停止することが可能となる。
【0030】
図4は上記空気調和機のマイコン21の動作を示すフローチャートを示しており、マイコン21の冷媒づまりを検知して運転を停止する処理を図4に従って以下に説明する。
【0031】
まず、再熱ドライ運転がスタートすると、ステップS11で条件▲1▼が成立するか否かを判別する。すなわち、室内温度センサ27により検出された室内温度と、室内熱交換器温度センサ26により検出された第2室内熱交換器7の温度との温度差がdNAI未満のときに条件▲1▼が成立し、上記温度差がdNAI以上のときに条件▲1▼が成立しないと判別するのである。そうして、ステップS11で条件▲1▼が成立しないと判別すると、ステップS11を繰り返す一方、条件▲1▼が成立すると判別すると、ステップS12に進む。
【0032】
次に、ステップS12で室外ファン9の回転数がRGAI2(例えば300rpm)を越えるか否かを判別して、室外ファン9の回転数がRGAI2を越えると判別すると、ステップS13に進み、室外ファン9の回転数がRGAI2以下と判別すると、ステップS13をスキップして、ステップS14に進む。
【0033】
次に、ステップS13で条件▲2▼が成立するか否かを判別する。すなわち、室外温度と室外熱交換器温度との温度差がdGAI未満のときに条件▲2▼が成立し、上記温度差がdGAI以上のときに条件▲2▼が成立しないと判別するのである。そうして、ステップS13で条件▲2▼が成立しないと判別すると、ステップS13を繰り返す一方、条件▲2▼が成立すると判別すると、ステップS14に進む。
【0034】
次に、ステップS14で条件▲1▼,▲2▼が成立し、かつ、室外ファン9の回転数がRGAI2を越えた状態が所定時間TGAS2(例えば10分間)継続したか否かを判別して、継続していないと判別すると、再びステップS11に戻る一方、継続したと判別すると、ステップS15に進む。または、ステップS14で条件▲1▼が成立し、かつ、室外ファン9の回転数がRGAI2以下の状態が所定時間TGAS2(例えば10分間)継続したか否かを判別して、継続していないと判別すると、再びステップS11に戻る一方、継続したと判別すると、ステップS15に進む。
【0035】
そして、ステップS15で一旦、運転を停止して、所定時間(例えば3分間)経過後に圧縮機1を再起動する。
【0036】
なお、上記ステップS12で室外ファン9の回転数がRGAI2以下のときに条件▲2▼を判断しないのは、室外熱交換器3からの輻射等による誤検出を避けるためである。
【0037】
このように、室外ファン9の回転数がRGAI2以下の場合は、室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差がdNAIよりも小さくなったとき、室内用電動膨張弁6の閉塞により冷媒循環が止まっているものと判定して、制御部21により運転を一旦停止する。また、室外ファン9の回転数がRGAI2を越える場合は、室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差がdNAIよりも小さく、かつ、室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差がdGAIよりも小さくなったとき、室内用電動膨張弁6の閉塞により冷媒循環が止まっているものと判定して、制御部21により運転を一旦停止する。したがって、上記室内用電動膨張弁6の閉塞状態が続くのを防いで、圧縮機1の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0038】
また、上記圧縮機1の運転周波数を低くして、再熱ドライ運転の能力を下げた場合、室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差および室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差がほとんど無くなるので、運転周波数が所定値RGAI2以下のときは圧縮機1を停止する条件から除外することによって、誤検出により圧縮機1の停止を防止することができる。
【0039】
また、上記制御部21は、室内温度と第2室内熱交換器7の温度との温度差がdNAIよりも小さく、かつ、室外温度と室外熱交換器3の温度との温度差がdGAIよりも小さいという停止条件が所定時間TGAS2継続したときに圧縮機1の運転を一旦停止することによって、上記停止条件を確実に判定して、誤判定による圧縮機1の停止を防止することができる。
【0040】
上記第1,第2実施形態における冷媒づまりを検知して運転を停止する処理の両方を1つの空気調和機に適用してもよい。
【0041】
また、上記第2実施形態では、条件▲1▼と条件▲2▼のうちの少なくとも条件▲1▼が成立したときに運転を停止したが、条件▲1▼と条件▲2▼のうちの少なくとも条件▲2▼が成立したときに運転を停止してもよい。また、条件▲1▼と条件▲2▼のうちのいずれか一方のみを判定して、その判定結果に基づいて運転を停止する空気調和機でもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1の発明の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、上記圧縮機の入力電流を検出する電流センサと、上記電流センサにより検出された上記圧縮機の入力電流が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、制御部は圧縮機の運転を所定時間停止するものである。
【0043】
したがって、請求項1の発明の空気調和機によれば、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなって冷媒循環がほとんどなく、圧縮機の入力電流が所定値よりも小さくなると、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止するので、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0044】
また、請求項2の発明の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、室内温度を検出する室内温度センサと、上記第2室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度センサと、上記室内温度センサにより検出された室内温度と、上記室内熱交換器温度センサにより検出された第2室内熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、制御部により圧縮機の運転を所定時間停止するものである。
【0045】
したがって、請求項2の発明の空気調和機によれば、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなって冷媒循環がほとんどなく、室内温度と第2室内熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さくなると、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止するので、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0046】
また、請求項3の発明の空気調和機は、圧縮機,室外熱交換器,第1減圧器,第1室内熱交換器,第2減圧器および第2室内熱交換器とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、室外温度を検出する室外温度センサと、上記室外熱交換器の温度を検出する室外熱交換器温度センサと、上記室外温度センサにより検出された室外温度と、上記室外熱交換器温度センサにより検出された上記室外熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機の運転を所定時間停止する制御部とを備えたことを特徴としている。
【0047】
したがって、請求項3の発明の空気調和機によれば、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時、室内側の第2減圧器が閉塞状態または閉塞状態に近い状態になって冷媒が流れにくくなって冷媒循環がほとんどなく、室外温度と室外熱交換器の温度との温度差が所定値よりも小さくなると、冷媒循環が止まっているものとして、制御部により運転を所定時間停止するので、冷房サイクルによる再熱ドライ運転時に室内側の減圧器が閉塞状態で連続運転されるのを防止して、圧縮機の信頼性を向上できると共に、快適な再熱ドライ運転を行うことができる。
【0048】
また、請求項4の発明の空気調和機は、請求項1乃至3のいずれか1つの空気調和機において、上記停止条件を満足し、かつ、上記圧縮機の運転周波数が所定周波数よりも大きいという停止条件を満足するとき、上記制御部は上記圧縮機の運転を所定時間停止するので、再熱ドライ運転の能力を下げるために圧縮機の運転周波数を低くした場合、例えば、圧縮機の入力電流のばらつきが大きくなったり、室内温度と第2室内熱交換器の温度との温度差や室外温度と室外熱交換器の温度との温度差がほとんどなったりするので、運転周波数が所定周波数以下のときは圧縮機を停止する条件から除外することによって、誤検出により圧縮機の停止を防止できる。
【0049】
また、請求項5の発明の空気調和機は、請求項1乃至4のいずれか1つの空気調和機において、上記制御部は、上記停止条件が所定時間継続したときに上記圧縮機の運転を所定時間停止するので、上記停止条件を確実に判定して、誤判定による圧縮機の停止を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の第1実施形態の空気調和機の概略ブロック図である。
【図2】 図2は上記空気調和機のマイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図3】 図3はこの発明の第1実施形態の空気調和機の概略ブロック図である。
【図4】 図4は上記空気調和機のマイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図5】 図5は従来の空気調和機の回路図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…四路弁、
3…室外熱交換器、4…電動膨張弁、
5…第1室内熱交換器、6…室内用電動膨張弁、
7…第2室内熱交換器、8…アキュムレータ。
Claims (5)
- 圧縮機(1),室外熱交換器(3),第1減圧器(4),第1室内熱交換器(5),第2減圧器(6)および第2室内熱交換器(7)とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、
上記圧縮機(1)の入力電流を検出する電流センサ(14)と、
再熱ドライ運転中に、上記電流センサ(14)により検出された上記圧縮機(1)の入力電流が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機(1)の運転を所定時間停止する制御部(11)を備えたことを特徴とする空気調和機。 - 圧縮機(1),室外熱交換器(3),第1減圧器(4),第1室内熱交換器(5),第2減圧器(6)および第2室内熱交換器(7)とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、
室内温度を検出する室内温度センサ(27)と、
上記第2室内熱交換器(7)の温度を検出する室内熱交換器温度センサ(26)と、
再熱ドライ運転中に、上記室内温度センサ(27)により検出された室内温度と、上記室内熱交換器温度センサ(26)により検出された上記第2室内熱交換器(7)の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機(1)の運転を所定時間停止する制御部(21)とを備えたことを特徴とする空気調和機。 - 圧縮機(1),室外熱交換器(3),第1減圧器(4),第1室内熱交換器(5),第2減圧器(6)および第2室内熱交換器(7)とを環状に接続して構成された冷媒回路を備え、冷房サイクルにより再熱ドライ運転を行う空気調和機において、
室外温度を検出する室外温度センサ(25)と、
上記室外熱交換器(3)の温度を検出する室外熱交換器温度センサ(24)と、
再熱ドライ運転中に、上記室外温度センサ(25)により検出された室外温度と、上記室外熱交換器温度センサ(24)により検出された上記室外熱交換器(3)の温度との温度差が所定値よりも小さいという停止条件を満足するとき、上記圧縮機(1)の運転を所定時間停止する制御部(21)とを備えたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、
上記停止条件を満足し、かつ、上記圧縮機(1)の運転周波数が所定周波数よりも大きいという停止条件を満足するとき、上記制御部(11)は上記圧縮機(1)の運転を上記所定時間停止することを特徴とする空気調和機。 - 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の空気調和機において、
上記制御部(11,21)は、上記停止条件が所定時間継続したときに上記圧縮機(1)の運転を上記所定時間停止することを特徴とする空気調和機。
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