JP4211017B2 - シメジ類キノコ包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホンシメジ、ブナシメジ、エリンギ等のシメジ類を、より永く鮮度を維持させるように合成樹脂フィルムを使用して包装したシメジ類キノコ包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
キノコは生鮮食品であり、その流通は生きた状態で行われている。従って、パック後のキノコにおいても呼吸が行われ、その結果、パック内の空間の酸素を消費するとともに炭酸ガス濃度が上り、呼吸が困難になると嫌気的な条件により発酵(嫌気呼吸)をして、品質の劣化を招くことになる。そのために、パック内の酸素量を調整して品質の保持を計らなくてはならなかった。しかし、パック内の酸素量の調整では、酸素量を十分に供給しすぎるとキノコから気中菌糸が発生してしまい、かびがはえているかのように見え商品性を落としてしまう。一方、酸素量を抑えるとアルコール臭がひどくなって、パックを開けたときに不快感を感じ、調理に際してもその臭いのために食味も落す。
【0003】
そこで、これらの問題を解決しようと、いままでにラップ内の酸素濃度を調整するために様々な酸素透過度の特性を持つフィルムが開発されてきている。さらに、酸素透過度の悪いフィルムでは、微孔を設けることで酸素透過度を良くするなどの工夫がされ、そのうえ炭酸ガスの条件やパック内の水蒸気量の調整についても検討されてきているが、キノコの品質の保持のための酸素や炭酸ガス、水蒸気量の調節の許容範囲は非常に幅が狭いのか上記条件の設定ではいまだに完全な鮮度保持を可能にしたものは開発されていない。
【0004】
また、ホンシメジ、ブナシメシ等のシメジ類の包装には、発泡スチロール製のトレイを使用し、そのトレイ内にキノコを収容し、開口部を塩化ビニル等のフィルムで覆う包装形態が一般的であり、この種の包装に使用するフィルムはそれ自体保形性が要求されないため、極薄のフィルムが使用でき、酸素、二酸化炭素、水蒸気等のガス透過度の比較的高いものが使用されている。
【0005】
一方、近年廃棄物処理の問題からトレイを使用せずに合成樹脂フィルムのみによる包装が検討され、シメジ類の形状を損なわないで包装する目的からそれ自体にある程度の保形性を有する厚手の合成樹脂フィルムを使用し、加熱シールによって袋を形成し、その中にシメジ類を封入する方法が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の如き従来の状況に鑑み、トレイを使用しない加熱シール袋による包装(ピロー包装)に際し、簡単な方法でより長期間にわたって鮮度が保持できるシメジ類キノコ包装体の提供を目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究の結果、アルコールの存在が気中菌糸の増殖を抑制することに着目し、シメジ類が嫌気呼吸によって発生させるアルコール成分も気中菌糸の増殖を抑制するものであるとの知見を得、本発明を完成させるに至った。
【0008】
然して本発明の特徴とするところは、ブナシメジ等のシメジ類を合成樹脂フィルム製袋内に封入してなるシメジ類キノコ包装体において、前記合成樹脂フィルムとして酸素透過度が800cc/m2・24h・atm以下の材料を使用し、袋表面積に対する面積比率が1.53×10−5〜4.60×10−5%となるように、直径が約100μの微細孔を1〜3個開けて袋内外に微量の通気性を持たせることにより、該袋内のキノコの嫌気呼吸によって発生するアルコール濃度が0.002%〜0.010%で平衡状態となるようにしたことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0010】
図1、図2は本発明を実施したトレーなしのピロー包装による包装体を示している。
【0011】
この包装体は2軸延伸ポリプロピレンフィルム1を使用し、ブナシメジ4を包み込んで縦軸のシール部2、3により袋を形成している。
【0012】
この袋に使用しているフィルム1は、表裏に無延伸ポリプロピレン層をコーティングしてシール性をよくした三層構造のものを使用し、直径約100μ微細孔を、袋表側、即ち縦シール部2の反対側の面の両側部(図2中の矢印aの部分)に間隔を隔てて複数形成している。
【0013】
試験例次に、上記ピロー包装体の保存試験について説明する。
【0014】
ピロー包装体はトレー包装で使用するストレッチフィルムのように薄いと包装体自体が弱くなってしまうので、30μの厚さのものを使用した。
【0015】
本試験では、空気透過度の低い2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)を使用し、これに各種直径の孔をあけた試験区を設けた。
【0016】
各試験区にはブナシメジ100gのものを、1株ブナピロー包装し、7日間15C。で保存後の状態を調べた。
【0017】
結果は、第1表の通りであった。
【0018】
第1表
尚、試験区1は孔なしのピロー包装体の場合であり、試験区2〜8は直径100μの微細孔を表中の個数だけ開けた場合、試験区9は直径500μの孔を1個あけた場合についてそれぞれ試験した。
【0019】
また、その他の条件及び計算値は次の通りであった。
1.フィルム自体のバリアー性
透湿度:3.5g/m2・24h・atm
酸素透過度:800cc/m2・24h・atm
2.フィルムの表面積
5120mm2
3.直径100μの孔の表面積の対する開口面積比率
孔の数 開口面積比
1 1.53×10−5(%)
2 3.07×10−5(%)
3 4.60×10−5(%)
4 6.13×10−5(%) 5 7.67×10−5(%)
試験結果の検討
100μ孔1個の試験区では、パック内のアルコール濃度が0.01%でややアルコール臭はしたものの、料理をしたときに問題にはならない程度であり、気中菌糸も発生せず、商品としては十分に価値あるものだった。
【0020】
また、100μ孔2〜3個の試験区では、パック内のアルコール濃度が0.002%及び0.006%であり、アルコール臭は全く気にならず、気中菌糸の発生もなく、商品として良好なものだった。
【0021】
孔なしの試験区では、気中菌糸は抑制されたものの、パック内のアルコール濃度が0.015%と高く、アルコール臭のかなりしていて商品価値を落としていた。
【0022】
100μ孔を4個以上開けた試験区では、パック内のアルコール濃度は検出されなかったが、気中菌糸の発生が多くなり、商品化値を落としていた。
【0023】
さらに、500μ孔を1個開けた試験区では、穴が大きかったために、穴の近くのキノコの部分から集中的に気中菌糸が発生していたが、この場合もアルコールは検出できなかった。
【0024】
以上の結果からパック内アルコール濃度が0.010%〜0.002%のものについて、アルコール臭の程度及び気中菌糸の程度について良好であり、かつ、100μの微細孔が1〜3個のものが良好であり、袋表面積に対する開口面積比は1.53×10−5〜4.60×10−5%が適当であることが判明した。
【0025】
また、OPPフィルム厚さが30μ〜60μのものが強度的に使用可能であるが、この場合、フィルム自体の酸素透過度は800cc/m2・24h・atm以下であるため、微細孔数の変化に比べて変化の程度がほとんど無視できる。
【0026】
また、微細孔の直径を小さくすることにより、空気の透過度を低くした場合でも、パック内アルコール濃度が0.010%までは良好な保存状態が得られることが判明した。
【0027】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、ブナシメジ等のシメジ類を合成樹脂フィルム製袋内に封入してなるシメジ類キノコ包装体において、前記袋に互いに間隔を隔てて複数の微細孔を開けて袋内外の微量の通気性を持たせ、該袋内のキノコの嫌気呼吸によって発生するアルコール濃度が0.002%〜0.010%で平衡状態となるようにし、さらに具体的には、酸素透過度が800cc/m2・24h・atm以下の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、袋表面積に対する面積比率が1.53×10−5〜4.60×10−5%となるように、直径が約100μの微細孔を1〜3個開けることにより、トレー無しのピロー包装においてより長期間に渡って鮮度維持ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した包装体の一例の斜視図である。
【図2】同上の縦断面図である。
【符号の説明】
A 包装体
1 2軸延伸ポリプロピレンフィルム
2 縦シール部
3 横シール部
4 ブナシメジ
Claims (1)
- ブナシメジ等のシメジ類を合成樹脂フィルム製袋内に封入してなるシメジ類キノコ包装体において、
前記合成樹脂フィルムとして酸素透過度が800cc/m2・24h・atm以下の材料を使用し、袋表面積に対する面積比率が1.53×10−5〜4.60×10−5%となるように、直径が約100μの微細孔を1〜3個開けて袋内外に微量の通気性を持たせることにより、該袋内のキノコの嫌気呼吸によって発生するアルコール濃度が0.002%〜0.010%で平衡状態となるようにしたことを特徴としてなるシメジ類キノコ包装体。
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