JP4210746B2 - 葯特異的遺伝子および該遺伝子のプロモーター、並びにそれらの利用 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、葯特異的遺伝子および該遺伝子のプロモーター、並びにそれらの利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
雄性不稔作物には、花粉飛散による生態系への悪影響の回避、および品種改良を行う上での交配の簡便化等の産業上の重要性がある。つまり、植物の遺伝子組換え技術は、現在問題となりつつある食糧問題や環境問題を解決できる技術として期待されている。しかし、日本では健康や生態系への悪影響を不安視する消費者が多いため、遺伝子組換え作物を利用した食品等の商品化は抑制傾向にある。このような問題を解決するために、雄生不稔作出技術は重要な意味合いを持っている。一方、品種改良する上で別の株との交配が容易になるため、現在多くの作物で多数の雄生不稔系統が遺伝資源として選抜・保存されている。
【0003】
このためこれまで雄性不稔作物の作出における数々の試みが行われてきている。例えば、すでに遺伝子組換えによって雄性不稔ナタネが実用化されている。カルシウム・カルモジュリン依存性プロテインキナーゼが花粉形成期に特異的に発現し、その遺伝子の発現を抑制した形質転換体においては、正常な発芽能をもつ花粉は形成されず植物は雄性不稔になることが報告されている(竹澤ら US Patent No.6,077,991 June,20,2000)。さらに、シロイヌナズナの液胞膜のプロトン輸送性ピロフォスファターゼ遺伝子の発現調節領域(プロモーター)に花粉特異的に遺伝子発現を調節している領域が検出され、この領域を利用して遺伝子発現を抑制した形質転換体は雄性不稔になることが報告されている(京都大学・佐藤 2002)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な葯特異的遺伝子および該遺伝子のプロモーター、並びにそれらの利用を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ジベレリンは、▲1▼茎や葉を伸ばす(伸長成長促進作用)、▲2▼受精なしに果実を大きくさせる(単為結実)、▲3▼開花を早める(開花促進)、▲4▼休眠中の種子を発芽させる(休眠打破)等イネの本質的な生活環の調節に大きく関与している。現在、ジベレリンの生合成に関与する酵素の研究は、その突然変異イネの利用により多くの報告があるが、どのようにジベレリンの情報が伝わり、様々な形態を示すのかについては、未解明な部分が多い。そこで、ジベレリンの作用の分子機構解明を目的に、幼苗期イネをジベレリンで処理し、DNAマイクロアレイ解析法やプロテオーム解析法を利用して、発現が制御される遺伝子群やタンパク質群を検索した。
【0006】
その結果、βチューブリン遺伝子が同定された。チューブリンには、α型とβ型があり、細胞骨格の主要成分である。真核生物においてこれらのタンパク質は細胞分裂や細胞の伸長、さらに細胞の運動や核分裂および細胞質分裂など幅広く機能している。特にセルロース微繊維の沈着方向を制御している。従って、本発明者により同定されたチューブリンは、細胞伸長に関わりイネの茎葉伸長に影響を及ぼすことが考えられる。そこで、イネ中のβチューブリンをスクリーニングした結果、8種類のβチューブリンが検出された。同定された8種類のチューブリンのうちOsTUB8は、葯で特異的な発現を示した。このためOsTUB8は、イネの雄性不稔に関与していることが示唆され、植物においてOsTUB8の発現を調節することにより、植物の稔性を改変することが考えられる。
【0007】
また、OsTUB8のプロモーターは、葯特異的な活性を有すると考えられるため、葯特異的な遺伝子発現のためのツールとして高い利用価値を有すると言える。
【0008】
即ち、本発明は、新規な葯特異的遺伝子および該遺伝子のプロモーター、並びにそれらの利用に関し、より詳しくは、下記発明に関する。
(1) 下記(a)から(d)に記載の単離されたDNA。
(a)配列番号2に記載されたアミノ酸配列をコードするDNA
(b)配列番号1に記載された塩基配列からなるDNA
(c)配列番号2に記載されたアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸からなり、配列番号2に記載されたアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号1に記載された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、配列番号2に記載されたアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNA
(2) 配列番号1に記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA。
(3) (1)に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。
(4) 植物細胞における発現時に、共抑制効果により、(1)に記載のDNAの発現を抑制させるRNAをコードするDNA。
(5) 植物細胞における内在性の(1)に記載のDNAがコードするタンパク質に対してドミナントネガティブの形質を有するタンパク質をコードするDNA。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のDNAを含むベクター。
(7) (1)から(5)のいずれかに記載のDNAまたは(6)に記載のベクターが導入された形質転換植物細胞。
(8) (7)に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。
(9) (8)に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである形質転換植物体。
(10) (8)または(9)に記載の形質転換植物体の繁殖材料。
(11) 葯特異的にプロモーター活性を有する、下記(a)から(c)のいずれかに記載のDNA。
(a)配列番号3に記載された塩基配列からなるDNA
(b)配列番号3に記載された塩基配列の1または複数の塩基が置換、欠失、挿入および/または付加された塩基配列からなるDNA
(c)配列番号3に記載された塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNA
(12) (11)に記載のDNAを含むベクター。
(13) (11)に記載のDNAの下流に任意の遺伝子が機能的に結合されている、(12)に記載のベクター。
(14) (13)に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞。
(15) (14)に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。
(16) (15)に記載の形質転換植物の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
(17) (15)または(16)に記載の形質転換植物体の繁殖材料。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、OsTUB8タンパク質をコードするDNAを提供する。イネ日本晴のOsTUB8 cDNAの塩基配列を配列番号:1に、該DNAがコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。
【0010】
本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAには、ゲノムDNA、cDNA、および化学合成DNAが含まれる。ゲノムDNAおよびcDNA の調製は、当業者にとって常套手段を利用して行うことが可能である。ゲノムDNAは、例えば、OsTUB8遺伝子を有するイネ品種(例えば、日本晴)からゲノムDNAを抽出し、ゲノミックライブラリー(ベクターとしては、プラスミド、ファージ、コスミド、BAC、PACなどが利用できる)を作成し、これを展開して、本発明タンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1)を基に調製したプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことにより調製することが可能である。また、本発明タンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1)に特異的なプライマーを作成し、これを利用したPCRを行うことによって調製することも可能である。また、cDNA は、例えばOsTUB8遺伝子を有するイネ品種(例えば、日本晴)から抽出した mRNA を基にcDNA を合成し、これをλZAP等のベクターに挿入してcDNAライブラリーを作成し、これを展開して、上記と同様にコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことにより、また、PCRを行うことにより調製することが可能である。
【0011】
本発明は、配列番号:2に記載のOsTUB8タンパク質(日本晴)と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを包含する。ここで「OsTUB8タンパク質(日本晴)と同等の機能を有する」とは、対象となるタンパク質がOsTUB8タンパク質と同等の生物学的機能あるいは生化学的機能を有することを意味する。このような機能としては、例えば、葯特異的な発現が挙げられる。葯特異的に発現するとは、実施例3に記載の葯以外の組織における発現量と比較して、少なくとも5倍以上、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは15倍以上の量で葯において発現することをいう。被検遺伝子が植物の葯に特異的に発現するタンパク質をコードするか否かは、例えば、実施例3に記載のように、植物の各組織からmRNAを抽出し、被検遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを利用してノーザンブロット解析をすることにより評価することができる。
【0012】
その他の機能としては、例えば、植物の稔性の誘導、チューブリンとしての機能(細胞分裂、細胞伸長、細胞の運動、核分裂、細胞質分裂、セルロース繊維の沈着方向の制御)などが挙げられる。被検遺伝子がこれらの機能を有するか否かは、植物における被検遺伝子の発現をアンチセンス技術などにより抑制し、その植物の表現型を解析することにより、評価することができる。
【0013】
配列番号:2に記載のOsTUB8タンパク質(日本晴)と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAは、好ましくは単子葉植物由来であり、より好ましくはイネ科植物由来であり、もっとも好ましくはイネ由来である。
【0014】
このようなDNAには、例えば、配列番号2に記載のアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする変異体、誘導体、アレル、バリアントおよびホモログが含まれる。
【0015】
アミノ酸配列が人為的に改変されたタンパク質をコードするDNAを調製するための当業者によく知られた方法としては、site-directed mutagenesis法(Kramer, W. & Fritz,H.-J. (1987) Oligonucleotide-directed construction of mutagenesis via gapped duplex DNA. Methods in Enzymology, 154: 350-367)が挙げられる。また、塩基配列の変異によりコードするタンパク質のアミノ酸配列が変異することは、自然界においても生じ得る。このように天然型のOsTUB8タンパク質をコードするアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAであっても、天然型のOsTUB8タンパク質(配列番号:2)と同等の機能を有するタンパク質をコードする限り、本発明のDNAに含まれる。また、たとえ、塩基配列が変異した場合でも、それがタンパク質中のアミノ酸の変異を伴わない場合(縮重変異)もあり、このような縮重変異体も本発明のDNAに含まれる。
【0016】
配列番号:2に記載のOsTUB8タンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを調製するために、当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Southern, E.M. (1975) Journal of Molecular Biology, 98: 503)やポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術(Saiki, R.K. et al. (1985) Science, 230: 1350-1354、Saiki, R.K. et al. (1988) Science, 239: 487-491)を利用する方法が挙げられる。即ち、当業者にとっては、OsTUB8遺伝子の塩基配列(配列番号:1)もしくはその一部をプローブとして、またOsTUB8遺伝子(配列番号:1)に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、イネや他の植物からOsTUB8遺伝子と高い相同性を有するDNAを単離することは通常行いうることである。このようにハイブリダイズ技術やPCR技術により単離しうるOsTUB8タンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAもまた本発明のDNAに含まれる。このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行なう。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、6M尿素、0.4%SDS、0.5xSSCの条件またはこれと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M尿素、0.4%SDS、0.1xSSCの条件を用いれば、より相同性の高いDNAの単離を期待することができる。これにより単離されたDNAは、アミノ酸レベルにおいて、OsTUB8タンパク質のアミノ酸配列(配列番号:2)と高い相同性を有すると考えられる。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で、少なくとも50%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の配列の同一性を指す。
【0017】
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin & AltschulによるアルゴリズムBLAST(Karlin & Altschul (1993) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 5873-5877)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al. (1990) J.Mol.Biol. 215: 403-410)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターはたとえばscore = 100、wordlength = 12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターはたとえばscore = 50、wordlength = 3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
【0018】
上記本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAは、葯特異的プロモーター活性を有するDNAの取得(単離)に利用することができる。例えば、本発明のDNAもしくはその一部をプローブとしたゲノムDNAライブラリーのスクリーニングを行うことにより、本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAの上流域のゲノムDNAを取得することができる。この上流域のゲノムDNAは、葯特異的なプロモーター活性を有することが考えられることから、任意の遺伝子を葯特異的に発現させるなどの目的に利用でき産業上の利用価値が高い。また本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAは、植物の葯特異的に発現することから、植物の発生過程における葯に分化する組織のマーカーとして使用することも考えられる。さらに本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAは、例えば、雄性不稔性植物体に稔性を付与するための利用も考えられる。即ち、本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAを適当なベクターに挿入して、これを雄性不稔性の形質を有する植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させることにより、雄性不稔性植物体に稔性を付与することが考えられる。雄性不稔性品種は、自家受粉できないため、その品種が優良な形質を有する場合でも、その維持を図ることが難しいが、OsTUB8タンパク質をコードするDNAを利用して稔性を回復させれば、自家受粉が可能となり、優良な品質の維持も可能となる。この観点からも、OsTUB8タンパク質をコードするDNAは、有用である。
【0019】
一方、本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAの発現が抑制された形質転換植物体を作製する場合には、本発明のOsTUB8タンパク質をコードするDNAの発現を抑制するためのDNAを適当なベクターに挿入して、これを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させる。本発明における「DNAの発現の抑制」には、DNAの転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。
【0020】
植物における特定の内在性遺伝子の発現を抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけるアンチセンス効果は、Eckerらが一時的遺伝子発現法を用いて、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNAが植物においてアンチセンス効果を発揮することで初めて実証した(Ecker, J.R. & Davis, R.W. (1986) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83: 5372)。その後、タバコやペチュニアにおいても、アンチセンスRNAの発現によって標的遺伝子の発現を低下させる例が報告されており(A.R.van der Kroley et al. (1988) Nature 333: 866)、現在では植物における遺伝子発現を抑制させる手段として確立している。
【0021】
アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の要因が存在する。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造がつくられた部位とのハイブリッド形成による転写抑制、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、イントロンとエキソンとの接合点でのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、スプライソソーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への移行抑制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑制、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成による翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻止、および核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド形成による遺伝子発現抑制などである。これらは、転写、スプライシング、または翻訳の過程を阻害して、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上「新生化学実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発現」,日本生化学会編,東京化学同人,pp.319-347,1993)。
【0022】
本発明で用いられるアンチセンス配列は、上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5'端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的であろう。しかし、コード領域もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配列も使用し得る。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用されるアンチセンスDNAは、適当なプロモーター(例えば、後述するOsTUB8プロモーター)の下流に連結され、好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方法で、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNAの配列は、形質転換する植物が持つ内在性遺伝子またはその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に阻害できる限り、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的とする遺伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上(例えば、96%、97%、98%、99%以上)の相補性を有する。アンチセンス配列を用いて、効果的に標的遺伝子の発現を阻害するには、アンチセンスDNAの長さは、少なくとも15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに好ましくは500塩基以上である。通常、用いられるアンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.5kbよりも短い。
【0023】
内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能である。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことをいう。リボザイムには種々の活性を有するものがあるが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムの研究により、RNAの部位特異的な切断を目的とするリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型や、RNasePに含まれるM1RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある(小泉誠および大塚栄子, (1990) 蛋白質核酸酵素,35:2191)。
【0024】
例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3'側を切断するが、活性にはU14が9位のAと塩基対を形成することが重要とされ、15位の塩基はCの他にAまたはUでも切断されることが示されている(Koizumi, M. et al. (1988) FEBS Lett. 228: 225)。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍のRNA配列と相補的になるように設計すれば、標的RNA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することが可能である(Koizumi,M. et al.(1988) FEBS Lett. 239: 285、小泉誠および大塚栄子(1990) 蛋白質核酸酵素,35: 2191、 Koizumi,M. et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17: 7059)。例えば、OsTUB8遺伝子のコード領域(配列番号:1)中には標的となりうる部位が複数存在する。
【0025】
また、ヘアピン型リボザイムも、本発明の目的のために有用である。ヘアピン型リボザイムは、例えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイナス鎖に見出される(Buzayan, J.M. (1986) Nature 323: 349)。このリボザイムも、標的特異的なRNA切断を起こすように設計できることが示されている(Kikuchi, Y. & Sasaki, N. (1992) Nucleic Acids Res. 19: 6751、 菊池洋 (1992) 化学と生物 30: 112)。
【0026】
標的を切断できるよう設計されたリボザイムは、植物細胞中で転写されるようにカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターや後述するOsTUB8プロモーターなどのプロモーターおよび転写終結配列に連結される。しかし、その際、転写されたRNAの5'末端や3'末端に余分な配列が付加されていると、リボザイムの活性が失われてしまうことがある。このようなとき、転写されたリボザイムを含むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイム部分の5'側や3'側に、トリミングを行うためのシスに働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能である(Tairaet, K. et al. (1990) Protein Eng. 3: 733、Dzianot, A.M. & Bujarski, J.J. (1989) Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86: 4823、 Grosshans, C.A. & Cech, R.T. (1991) Nucleic Acids Res. 19: 3875、Taira, K. et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19: 5125)。また、このような構成単位をタンデムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにして、より効果を高めることもできる(Yuyama, N. et al. (1992) Biochem.Biophys.Res.Commun. 186: 1271)。このようなリボザイムを用いて本発明で標的となる遺伝子の転写産物を特異的に切断し、該遺伝子の発現を抑制することができる。
【0027】
内在性遺伝子の発現の抑制は、さらに、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDNAの形質転換によってもたらされる共抑制によっても達成されうる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子と同一若しくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換により導入すると、導入する外来遺伝子および標的内在性遺伝子の両方の発現が抑制される現象のことをいう。共抑制の機構の詳細は明らかではないが、植物においては、しばしば観察される(Curr.Biol. 7:R793, 1997, Curr.Biol. 6: 810, 1996)。例えば、OsTUB8遺伝子が共抑制された植物体を得るためには、OsTUB8遺伝子若しくはこれと類似した配列を有するDNAを発現できるように作製したベクターDNAを目的の植物へ形質転換し、得られた植物体から野生型植物体と比較して開花が抑制された植物を選択すればよい。共抑制に用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の配列の同一性を有する。配列の同一性は、上記した手法により決定できる。
【0028】
さらに、本発明における内在性遺伝子の発現の抑制は、標的遺伝子のドミナントネガティブの形質を有する遺伝子を植物へ形質転換することによっても達成することができる。ドミナントネガティブの形質を有する遺伝子とは、該遺伝子を発現させることによって、植物体が本来持つ内在性の野生型遺伝子の活性を消失もしくは低下させる機能を有する遺伝子のことをいう。
【0029】
植物細胞の形質転換に用いられるベクターは、該細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可能なものであれば特に制限はない。例えば、植物の組織特異的に遺伝子を発現させるためのプロモーター(例えば、後述する本発明のプロモーター)を有するベクター、植物細胞内で恒常的に遺伝子を発現させるためのプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター)を有するベクターや、外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモーターを有するベクターを用いることもできる。ここで言う「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。
【0030】
植物細胞へのベクターの導入は、ポリエチレングリコール法、電気穿孔法(エレクトロポーレーション)、アグロバクテリウムを介する方法、パーティクルガン法など当業者に公知の種々の方法を用いることができる。形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である(Toki et al. (1995) Plant Physiol. 100: 1503-1507参照)。
【0031】
例えば、イネにおいては、形質転換植物体を作出する手法については、ポリエチレングリコールによりプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(インド型イネ品種が適している)を再生させる方法(Datta, S.K. (1995) In Gene Transfer To Plants (Potrykus I and Spangenberg Eds.) pp66-74)、電気パルスによりプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(日本型イネ品種が適している)を再生させる方法(Toki et al. (1992) Plant Physiol. 100: 1503-1507)、パーティクルガン法により細胞へ遺伝子を直接導入し、植物体を再生させる方法(Christou et al. (1991) Bio/technology, 9: 957-962.)およびアグロバクテリウムを介して遺伝子を導入し、植物体を再生させる方法(Hiei et al. (1994) Plant J. 6: 271-282)など、いくつかの技術が既に確立し、本願発明の技術分野において広く用いられている。本発明においては、これらの方法を好適に用いることができる。
【0032】
一旦、ゲノム内に本発明のDNAが導入された形質転換植物体が得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。本発明には、本発明のDNAが導入された植物細胞、該細胞を含む植物体、該植物体の子孫およびクローン、並びに該植物体、その子孫、およびクローンの繁殖材料が含まれる。
【0033】
このようにして作出された植物体は、野生型植物体と比較して、その稔性が変化していることが示唆される。例えば、アンチセンスDNAの導入などによりOsTUB8タンパク質をコードするDNAの発現が抑制された植物体は、雄性不稔性が付与されることが考えられる。本発明の手法を用いれば、有用農作物であるイネにおいては、稔性の調節を通じて、自家受粉を抑制し、他家受粉させることにより、有用な雑種強勢の形質を付与することが可能となる。
【0034】
また、本発明は、葯特異的なプロモーター活性を有するDNAを提供する。このようなDNAとしては、OsTUB8タンパク質をコードするDNAの上流域のゲノムDNA、例えば、配列番号:3に記載された塩基配列からなるDNAを挙げることができる。
【0035】
本発明のプロモーターDNAには、葯特異的なプロモーター活性を有す限り、配列番号:3に記載された塩基配列からなるDNAと高い相同性を有するDNAも含まれる。このようなDNAとしては、例えば、配列番号:3に記載の塩基配列において、1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなり、葯特異的なプロモーター活性を有するDNAを挙げることができる。このようなDNAを調製するために当業者によく知られた方法としては、例えば、配列番号:3に記載の塩基配列からなるDNAに対して、site-directed mutagenesis法(Kramer, W. & Fritz, H.J. (1987) Methods Enzymol. 154: 350)により変異を導入する方法が考えられる。
【0036】
また、配列番号:3に記載された塩基配列からなるDNAと高い相同性を有するDNAは、一般的なハイブリダイゼーション技術(Southern, EM., J Mol Biol (1975) 98: 503)、またはPCR技術(Saiki, R.K. et al. (1985) Science, 230: 1350、Saiki, R.K. et al. (1988) Science, 239: 487)によって取得することも可能である。例えば、配列番号:3に記載の塩基配列からなるDNAもしくはその一部をプローブとして、また配列番号:3に記載の塩基配列からなるDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、イネや他の植物から配列番号:3に記載の塩基配列からなるDNAと高い相同性を有するDNAを単離することができる。このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行う。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、6M 尿素、0.4% SDS、0.5×SSCの条件のハイブリダイゼーション条件、あるいはこれらと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAを単離できることが期待される。高い相同性とは、塩基配列全体で好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは90%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の配列の同一性を指す。
【0037】
塩基配列の同一性は、Karlinと AltsculによるアルゴリズムBLAST(Karlin, S. & Altschul, S.F. (1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87: 2264-2268、Karlin, S. & Altschul, S.F., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 5873)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul, S.F. et al. (1990) J.Mol.Biol. 215: 403)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
【0038】
また、配列番号:1に記載のOsTUB8タンパク質をコードするDNAと高い相同性を有するDNAを取得し、取得したDNAの葯特異的な発現を確認し、さらに、このDNAの上流域のゲノムDNAを取得すれば、このゲノムDNAは葯特異的なプロモーター活性を有すると考えられる。本発明の葯特異的なプロモーター活性を有するDNAはこのように、OsTUB8タンパク質をコードするDNAを利用して取得することも可能である。
【0039】
本発明のプロモーターDNAは、好ましくは単子葉植物由来、より好ましくはイネ科植物由来、もっとも好ましくはイネ由来であるが、葯特異的なプロモーター活性を有する限り、特にその由来は制限されない。
【0040】
上記のようにして調製されたDNAがプロモーター活性を有するか否かは、レポーター遺伝子を用いた周知のレポーターアッセイ等により検討することが可能である。該レポーター遺伝子としては、その発現が検出可能なものであれば特に制限されず、例えば、当業者において一般的に使用されるCAT遺伝子、lacZ遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、β−グルクロニダーゼ(以下、GUS)遺伝子、およびGFP遺伝子等を挙げることができる。
【0041】
レポーター遺伝子の発現レベルは、該レポーター遺伝子の種類に応じて、当業者に公知の方法により測定することができる。例えば、レポーター遺伝子がCAT遺伝子である場合には、該遺伝子産物によるクロラムフェニコールのアセチル化を検出することによって、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することができる。レポーター遺伝子がlacZ遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用による色素化合物の発色を検出することにより、また、ルシフェラーゼ遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用による蛍光化合物の蛍光を検出することにより、また、GUS遺伝子である場合には、該遺伝子発現産物の触媒作用によるGlucuron(ICN社)の発光や5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−グルクロニド(X−Gluc)の発色を検出することにより、さらに、GFP遺伝子である場合には、GFPタンパク質による蛍光を検出することにより、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することができる。
【0042】
本発明のプロモーターDNAは、任意の遺伝子を葯特異的に発現させるために利用しうる。「任意の遺伝子」とは、本発明のプロモーターDNAにより転写を誘導することが可能なDNAを意味する。従って、任意の遺伝子には、例えば、タンパク質をコードするDNAの他、RNAをコードするDNA(例えば、アンチセンスRNAをコードするDNA、リボザイム活性を有するDNA)も含まれる。
【0043】
本発明のプロモーターDNAを利用して、任意の遺伝子を葯特異的に発現させるためには、例えば、本発明のプロモーターDNAを含むベクターを作成し、該ベクターにおける本発明のプロモーターDNAの下流に任意の遺伝子を機能的に結合させ、これにより得られるDNA構築物を植物細胞に導入し、該植物細胞を植物体へ再生させればよい。ここで「機能的に結合」とは、任意の遺伝子が本発明のプロモーターDNAの活性化に応答して発現することが可能な状態で、本発明のプロモーターDNAと結合していることを意味する。本発明のプロモーターDNAは、葯特異的に高い活性を有するため、任意の遺伝子としては、特に葯において発現させることが望ましい遺伝子、例えば、上述した植物の稔性に関与する遺伝子を好適に用いることができる。本発明のプロモーターDNAを含むベクターの構築は、一般的な遺伝子工学的手法を利用して行うことができる。ベクターを導入する植物細胞としては、特に制限はないが、好ましくは単子葉植物由来であり、より好ましくはイネ科植物由来であり、もっとも好ましくはイネ由来である。ベクターの植物細胞への導入や植物細胞の植物体への再生などについては、上述した当業者に公知の方法を用いることができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
なお、イネ(品種:日本晴)は気温25℃、75%の湿度で昼/夜12時間ずつの約600μmol/msの白色蛍光灯の条件で生育させた。ジベレリン(GA3)、ブラシノライド(BL)、オーキシン(IAA)、サイトカイニン(BA)、アブシジン酸(ABA)は商業的に得られる高純度のものを用いた。RNAブロッティング解析用のRNAの抽出はChomczynski と Sacchi の方法(Chomczynski, P. & Sacchi, N.(1987) Ana. Biochem., 162: 156-159)を用いた。マイクロアレイ分析のためのmRNAの調製は、oligotex-dT-30のmRNA精製キット(タカラ社製)を用いた。
【0045】
[実施例1] ジベレリンに応答する遺伝子群およびタンパク質群の網羅的検索ジベレリンに応答する遺伝子群を検索するために、マイクロアレイ分析を実施した。cDNAマイクロアレイは8987個のESTクローンを有するものを用いた。10μMのGA3で24時間処理した幼苗期イネの葉鞘から調製した1μgのmRNAを用いて、50μMのCy5 dCTP(アマシャム ファルマシア社製)の存在下、逆転写反応を行った。42℃で2時間反応した後、反応を止め、94℃で3分の熱処理後、NaOHの37℃で15分間処理により、RNAを分解しcDNAを回収した。蛍光標識されたcDNAプローブをQIA quick PCR purification Kit (キアゲン社製)を用いて精製した。プローブのハイブリダイゼイションとマイクロアレイスライドのスキャニングは矢崎らの方法(Yazaki, J. (2000) DNA Research 7: 367-370)を用いた。データは、Array Vision (イメージングリサーチ社)によって解析した。
【0046】
ジベレリンに応答するタンパク質群の検索のため、さらにプロテオーム解析を実施した。10μMのGA3で24時間処理した幼苗期イネの葉鞘から抽出液を用いて抽出したタンパク質を、一次元目に等電点電気泳動、二次元目にSDS-PAGE法を用いて二次元電気泳動にて分離した(O’Farrell, PH. (1975) J.Biol.Chem. 250: 4007-4021)。泳動後クマシーブリリアントブルーにて染色し、アマシャムバイオサイエンス社の画像解析装置を用いて、2枚の電気泳動画像を重ね合わせることにより、変動のあるタンパク質を検出した。遺伝子群およびタンパク質群の検索の結果、共にβチューブリンが同定された。
【0047】
同定されたβチューブリンについて、8種類のβチューブリン特異的プライマーを調整した。各βチューブリンESTクローンをテンプレートとして、それぞれのβチューブリンの3’側の非翻訳領域に特異的なプライマーとT3プライマーを用いて、PCRを行い、反応後、ゲルより精製した。特異性についてはサザンブロットにて確認した(図1)。得られたPCR産物を以下のノーザンブロット分析において、各チューブリン特異的プローブとして用いた。
【0048】
[実施例2] イネ葉鞘に対するホルモン特異性の解析
組織試料は液体窒素で高速凍結した後、約0.5gを乳鉢を用いて粉末にすりつぶし、全RNAはChomzynskiとSacchiの方法(Chomzynski, P. & Sacchi, N. (1987) Ana. Biochem. 162: 156-159)によって調節した。ノーザンブロット分析のために、全RNAの20μgを6%のホルムアルデヒドを含む1.2%のアガロースゲルにおいて電気泳動を行い、HybondTM-N+のナイロン膜(アマシャム ファルマシア社)に転写した。ノーザンブロット分析において、泳動したRNAが等量であることを保証するために、臭化エチジウムによって染色したrRNAの量を比較した。ハイブリダイゼーションはアンビオン社のULTRAhyb(TM)を用いて42℃で一晩行い、その後、2×SSC、0.1%SDSで42℃5分間、0.1×SSC、0.1%SDSで68℃15分間の2回の洗浄を行った。発現量はアマシャムバイオサイエンス社の画像解析装置を用いて解析した。
【0049】
その結果、8種全てのチューブリンにおいて、アブシジン酸処理では発現が抑制した。OsTUB5、OsTUB6、OsTUB7、OsTUB8については、ジベレリンとブラシノライド処理で発現量が増加し、特にジベレリン処理で発現量が顕著に増加することが明らかになった(図2)。
【0050】
[実施例3] チューブリンの組織特異性解析
チューブリン8種の組織特異性を解析するため、上記プローブを用いて、イネの各組織におけるmRNAの発現量をノーザンブロットで確認した(図3)。8種類全てにおいて葉身でほとんど発現していなかった。OsTUB1、OsTUB3、OsTUB4、OsTUB5、OsTUB7はイネ葉鞘に特異的に発現していた。OsTUB2は葉鞘とカルスに、OsTUB6は葉鞘とカルスと葯に存在していた。さらに、OsTUB8は葉鞘と比較して葯において15倍の顕著な発現を示した。
【0051】
[実施例4] 全長cDNAのクローニング
全長cDNAをクローニングするためにイネの由来のcDNA ライブラリーをスクリーニングすると同時に、さらにクローンテック社のSMART TM PCR cDNA synthesis Kit 用いて、5’レース法で完全長cDNAを単離した。cDNAの塩基配列はアプライドバイオシステム社のシーケンサーを用いて決定した。
【0052】
得られたOsTUB8の全長cDNAは、1,572塩基からなり446アミノ酸をコードし、他のチューブリンとの相同性は約90%であった。OsTUB8は、DDBJ等には登録されておらず新規のβチューブリン遺伝子であった(配列番号:1および2)。βチューブリンについて系統樹を作製したところ、OsTUB8は他のβチューブリンと離れた位置を示した(図4)。
【0053】
[実施例5] OsTUB8のプロモーター領域の同定
OsTUB8は国際イネゲノム塩基配列プロジェクトが保有するイネゲノムバッククローン(AC139174)上に存在していることが相同検索の結果明らかになり、OsTUB8の上流にプロモーター領域を含むと予想される上流 2 kbp が存在していることを確認した。見出されたOsTUB8のプロモーター領域の塩基配列を配列番号:3に示す。
【0054】
【発明の効果】
本発明者により同定されたOsTUB8遺伝子は、他の組織と比較して、葯において顕著に高い発現を示すため、植物の発生・分化過程における葯特異的マーカーとしての利用が考えられる。植物において、OsTUB8遺伝子の発現を抑制することにより、植物に雄性不稔性の形質を付与できる可能性がある一方、雄性不稔性の植物にOsTUB8遺伝子を導入することにより、稔性の付与を行える可能性がある。従って、OsTUB8遺伝子は、植物の品種育成において利用価値があると考えられる。また、OsTUB8遺伝子のプロモーターは、葯特異的活性を有すると考えられるため、任意の遺伝子を葯特異的に発現させる上で有用である。
【0055】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 8種類のβチューブリンのC末端側アミノ酸配列(上から順に、配列番号:4から11に示した)の比較図とサザンブロットによる特異性の比較の写真を示す。8種類のβチューブリンはC末端側に特異的アミノ酸配列を持っているので、その配列を利用して、特異的プローブを作成した。
【図2】 βチューブリンのホルモン特異性を示す写真である。特異的プローブを利用して各種ホルモン処理後のイネ葉鞘におけるmRNAの発現をノーザンブロットで確認した。C:無処理、GA:ジベレリン、BL:ブラシノライド、ABA:アブシジン酸、IAA:オーキシン、BA:サイトカイニン。OsTUA2はαチューブリンを示す。
【図3】 βチューブリンの組織特異性を示す写真である。特異的プローブを用いてイネの各組織におけるmRNAの発現量をノーザンブロットで確認した。R:根、LS:葉鞘、L:葉身、N:節、A:葯、SC:培養細胞
【図4】 βチューブリンの系統樹を示す図である。ClustalWのソフトで解析した系統樹を示す。

Claims (16)

  1. 下記(a)または(b)に記載の単離されたDNA。
    (a)配列番号2に記載されたアミノ酸配列をコードするDNA
    (b)配列番号1に記載された塩基配列からなるDNA
  2. 配列番号1に記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA。
  3. 請求項1に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。
  4. 植物細胞における発現時に、共抑制効果により、請求項1に記載のDNAの発現を抑制させるRNAをコードするDNA。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のDNAを含むベクター。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のDNAまたは請求項5に記載のベクターが導入された形質転換植物細胞。
  7. 請求項6に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。
  8. 請求項7に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである形質転換植物体。
  9. 請求項7または8に記載の形質転換植物体の繁殖材料。
  10. 葯特異的にプロモーター活性を有する、下記(a)または(b)に記載のDNA。
    (a)配列番号3に記載された塩基配列からなるDNA
    (b)配列番号3に記載された塩基配列の1または複数の塩基が置換、欠失、挿入および/または付加された塩基配列からなるDNA
  11. 請求項10に記載のDNAを含むベクター。
  12. 請求項10に記載のDNAの下流に任意の遺伝子が機能的に結合されている、請求項11に記載のベクター。
  13. 請求項12に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞。
  14. 請求項13に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。
  15. 請求項14に記載の形質転換植物の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
  16. 請求項14または請求項15に記載の形質転換植物体の繁殖材料。
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