JP4062393B2 - 植物の細胞壁成分の改変と発生分化の制御方法 - Google Patents

植物の細胞壁成分の改変と発生分化の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の細胞壁成分の改変および発生分化制御、並びにそのために用いられる分子に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物において細胞壁合成を制御することは、工業や農業の分野において、様々な重要な意義を有する。例えば、植物の細胞璧成分の改変は、セルロース・ヘミセルロース含量を高めることによるパルプ等繊維原材料植物や、有用な農作物および飼料作物の消化吸収効率の向上などをもたらし、経済性や収益性の点で有意義である。また、細胞壁成分である多糖の構造変化により、新たな産業的価値を有する原材料植物の作出をもたらすことも可能である。
【0003】
細胞壁およびそれに類する多糖成分の合成は、バクテリア・菌類・植物だけでなく動物でも行われている。細胞壁合成の分子レベルでの研究は、その産業的重要性にもかかわらず、あまり解析は行われていない。植物の細胞壁合成の分子レベルでの研究に関しては、近年、分子遺伝学の手法を用いて解析が行われはじめてきた。細胞壁合成に関与する遺伝子としては、これまでに例えば、セルロース合成酵素などが報告されている(T. Arioli et al. Molecular analysis of cellulose biosynthesis in Arabidopsis. Science (1998) 279:717-720)。しかし、細胞壁合成に関わる遺伝子としては、いまだ単離されていない多くの遺伝子が存在すると考えられ、細胞壁合成に関しては未知の機構が存在すると考えられている(参考文献:Y. Kawagoe and D. P. Delmer, Pathway and genes involved in cellulose biosynthesis; Genetic engineering 19 Plenum Press, New York, 1997;K. Nishitani, Construction and Restructuring of the cellulose-xyloglucan framework in the apoplast as mediated by the xyloglucan-related protein family-A hypotheticalscheme. J. Plant Res. 111:159-166, 1998)。
【0004】
一方、細胞分裂ではまずゴルジ体由来の小胞が細胞分裂面付近で融合しフラグモプラストを形成した後、そこにカロースが蓄積し細胞板を形成すると考えられている。フラグモプラストや細胞板に存在するタンパクはいくつか知られている(M.Heese et al. (1998) Current Opinion in Plant Biology 1:486-491、Gu and .P.S.Verma; EMBO J. 15:695-704, 1996)。フラグモプラスチンもそれらのタンパクの1つで、一般的にダイナミン様タンパクと呼ばれ、広く生物界全般に存在することが知られている(X.Gu and D.P.S.Verma, (1997) Plant Cell 9:157-169. D.Otsuga, et al. J.Cell Biol. (1998) 143,333-349、S.G.Kang et al. Plant Mol. Biol. (1998) 38:437-447、D.C.Wienke et al. Molecular Biology of the Cell (1999) 10:225-243.)。しかしながら、その機能は未だ明確にされていない。
【0005】
ところで化学突然変異剤EMSによって処理されたシロイヌナズナの集団の中に、#55という検索番号が付けられた、細胞や器官の形、細胞壁合成が異常な突然変異体が見出された。この突然変異はaltered cell wall (acw)2と名付けられ、この突然変異の原因となっている遺伝子がACW2遺伝子と命名された。その後の電子顕微鏡による組織化学的解析から、ACW2遺伝子は細胞壁合成に関与していることが示唆された(「佐藤 茂、加藤 友彦、高部 圭司、柴田 大輔、細胞壁合成に関与するアラビドプシス温度感受性突然変異体の解析、日本植物生理学会1998年度年会、北海道大学にて、平成10年5月3日」)。
しかしながら、ACW2遺伝子についてはいまだ単離・同定されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ACW2遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子がコードするタンパク質を提供することを課題とする。また、本発明は、これら遺伝子を利用して植物の細胞壁合成や発生分化を制御することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、ポジショナルクローニングの手法を用いることにより、植物の細胞壁合成と発生分化の異常をもたらすACW2変異の原因となる単一の遺伝子を広大な染色体領域において同定し、単離することに成功した。また、本発明者らは、単離したACW2遺伝子が植物の細胞壁合成や発生分化に影響を与えていることから、ACW2遺伝子やその類似遺伝子を標的として、植物の細胞壁を改良することや発生分化の制御が可能であることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、植物の細胞分裂に関わるACW2遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子がコードするタンパク質、並びにこれら遺伝子を標的とした植物の細胞壁成分の改変と発生分化制御などに関し、より具体的には、
(1) 植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のために用いる、下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA、
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA。
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加したアミノ酸配列を有し、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(d)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(2) 植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のために用いる、(1)の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA、
(3) 植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のために用いる、(1)の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA、
(4) 植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のために用いるDNAであって、植物細胞における発現時に、共抑制効果により、(1)の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAの発現を抑制させるRNAをコードし、かつ、(1)の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAと90%以上の相同性を有するDNA、
(5) 植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のために用いるDNAであって、植物細胞における内在性の(1)の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAがコードするタンパク質に対してドミナントネガティブの形質を有するタンパク質をコードするDNA、
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のDNAを含むベクター、
(7) (1)から(5)のいずれかに記載のDNAまたは(6)に記載のベクターを保持する形質転換細胞、
(8) (1)に記載のDNAによりコードされるタンパク質、
(9) (1)に記載のDNAまたは該DNAを含むベクターを保持する形質転換細胞を培養し、該形質転換細胞またはその培養上清から発現させたタンパク質を回収する工程を含む、(8)に記載のタンパク質の製造方法、
(10) (1)から(5)のいずれかに記載のDNAまたは(6)に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞、
(11) (10)に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体、
(12) (11)に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体、
(13) 細胞壁成分が改変されている、(11)または(12)に記載の形質転換植物体、
(14) 細胞壁成分の改変がグルカン量の変化である、(13)に記載の形質転換植物体、
(15) 細胞壁成分の改変がセルロース量の変化である、(13)に記載の形質転換植物体、
(16) 発生分化が改変されている、(11)または(12)に記載の形質転換植物体、
(17) 発生分化の改変が細胞分裂の変化である、(16)に記載の形質転換植物体、
(18) 発生分化の改変が細胞数と細胞の大きさの変化である、(16)に記載の形質転換植物体、
(19) (11)から(18)のいずれかに記載の形質転換植物体の繁殖材料、
(20) (8)に記載のタンパク質に結合する抗体、
(21) (1)から(5)のいずれかに記載のDNA、(6)に記載のベクター、(8)に記載のタンパク質、または(20)に記載の抗体を含む、植物の細胞壁成分の改変または発生分化の制御のための薬剤、を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、植物の細胞分裂に関与する「ACW2」タンパク質を提供する。シロイヌナズナの細胞壁合成と発生分化に異常を示すことが知られているacw2変異の原因遺伝子として、ポジショナルクローニングの手法を用いて、本発明者らが単離したACW2遺伝子のcDNAの塩基配列を配列番号:2に、ゲノムDNAの塩基配列を配列番号:3に、これら遺伝子がコードするACW2タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:1に示す。
【0010】
植物の細胞壁合成と発生分化において、それぞれ成分変化と細胞分裂が異常な表現型をもたらすことが知られているacw2変異が、それぞれ本発明者らが単離したACW2遺伝子の571位の塩基グアニンのアデニンへの置換と、それによる191位のアミノ酸アスパラギン酸からアスパラギンへの置換として見出された(実施例1)。この事実は、本発明者らが単離したACW2遺伝子が、植物の細胞分裂において機能しており、その変異により植物の細胞壁合成と発生分化の異常を生じることを証明するものである。このようなACW2遺伝子と植物の細胞壁合成や発生分化との密接な関係は、植物においてACW2遺伝子の発現を調節することにより、植物の細胞壁の合成や発生分化を制御しうることを証明するものである。従って、「ACW2」タンパク質および「ACW2」遺伝子は、植物の細胞壁の合成や発生分化を制御するために、もしくは制御するための標的として利用することが可能である。
【0011】
また、本発明は、「ACW2」タンパク質と機能的に同等なタンパク質を提供する。ここで「機能的に同等」とは、タンパク質が植物の細胞壁合成や発生分化において機能することを指す。タンパク質が植物の細胞壁合成や発生分化において機能するか否かは、変異株におけるタンパク質の発現による機能相補試験や、インビボにおけるタンパク質の機能阻害による細胞壁合成や発生分化の変化(細胞壁成分の変化や器官・細胞形態の変化)の検出により、決定することが可能である。
【0012】
このような機能的に同等なタンパク質を単離する方法の一つの態様としては、タンパク質中のアミノ酸に変異を導入する方法が当業者によく知られている。即ち、当業者であれば、公知の方法により、天然型の「ACW2」タンパク質(例えば、配列番号:1に記載のタンパク質)中のアミノ酸を適宜置換などして、これと同等の機能を有する改変タンパク質を調製することが可能である。また、アミノ酸の変異は自然界において生じることもある。本発明のタンパク質には、このように天然型の「ACW2」タンパク質のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したアミノ酸配列を有し、天然型のタンパク質と同等の機能を有するタンパク質も含まれる。タンパク質におけるアミノ酸の改変は、通常、全アミノ酸の50アミノ酸以内であり、好ましくは30アミノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であり、さらに好ましくは3アミノ酸以内である。アミノ酸の改変は、例えば、変異や置換であれば「Transformer Site-directed Mutagenesis Kit」や「ExSite PCR-Based Site-directed Mutagenesis Kit」(Clontech社製)を用いて行うことが可能であり、また、欠失であれば「Quantum leap Nested Deletion Kit」(Clontech社製)などを用いて行うことが可能である。
【0013】
また、機能に同等なタンパク質を単離する方法の他の態様としては、ハイブリダイゼーション技術(Southern 1975 J. Mol. Biol. 98:503、Maniatis et al. Molecular Cloning Cold Spring harbor Laboratry Press)やPCR技術(H.A.Erlich (ed.) 1989. PCR technology. StocktonPress, New York.)が挙げられる。即ち、当業者にとっては、「ACW2」遺伝子の塩基配列(配列番号:2)もしくはその一部をプローブとして、「ACW2」遺伝子の塩基配列(配列番号:2)の一部にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、これと高い相同性を有するDNAを単離して、該DNAから「ACW2」タンパク質と同等の機能を有するタンパク質を得ることは通常行いうることである。このようにハイブリダイズ技術やPCR技術により単離されたDNAがコードする「ACW2」タンパク質と同等の機能を有するタンパク質もまた本発明のタンパク質に含まれる。
【0014】
ACW2と機能的に同等の遺伝子を単離するためのハイブリダイゼーションは、65℃でハイブリダイゼーションさせた後、0.1% SDSを含む2XSSC(3M NaCl,0.3Mクエン酸ナトリウム)もしくは2XSSPE(3.6M NaCl, 0.2M リン酸ナトリウム液(pH7.7), 0.02M Na2-EDTA)中で、65℃で10分間の洗浄を合計3回行うという条件で行なうことができる。よりストリンジェントなハイブリダイゼーションにおいては、65℃でハイブリダイゼーションさせた後、0.1% SDSを含む2XSSCもしくは2XSSPE液中で、65℃で10分間洗浄し、次に0.1% SDSを含む1XSSCもしくは1XSSPE液中で、65℃で10分間の洗浄を2回行えばよい。よりストリンジェントなハイブリダイゼーションにおいては、65℃でハイブリダイゼーションさせた後、0.1% SDSを含む2XSSCもしくは2XSSPE液中で、65℃で10分間洗浄し、次に0.1% SDSを含む1XSSCもしくは1XSSPE液中で65℃で10分間洗浄し、さらに0.1% SDSを含む0.1XSSCもしくは0.1XSSPE液中で65℃で10分間洗浄すればよい。ハイブリダイゼーション液は、「Molecular cloning (Maniatis T. et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press)」に記載されているもの等を用いればよい。
【0015】
ハイブリダイズ技術やPCR技術により得られるDNAがコードするタンパク質は、機能的観点から、「ACW2」タンパク質とアミノ酸配列において45%以上の相同性を有することが好ましく、60%以上の相同性を有することがさらに好ましく、75%以上の相同性を有することがさらに好ましく、90%以上の相同性を有することがさらに好ましく、95%以上の相同性を有することがさらに好ましい。配列の相同性は、例えば遺伝子配列解析ソフトGENETYX(ソフトウェア開発株式会社)やBlast search(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/blast.cgi?Jform=1)等による相同性検索により決定することができる。
【0016】
このようなタンパク質を単離するための他の植物としては、特に制限はなく、例えば、イネ・綿・ユーカリ・ポプラなどが挙げられる。
【0017】
本発明のタンパク質は、当業者に公知の方法により、天然のタンパク質としての他、遺伝子組み換え技術を利用して調製した組み換えタンパク質として調製することができる。天然のタンパク質は、例えば、下記の方法により調製された組み換えタンパク質をウサギなどの小動物に免疫して得た抗体を適当な吸着体(CNBr活性化アガロースやトシル活性化アガロース)に結合させてカラムを作製し、得られたカラムを利用してイネの葉のタンパク質抽出液を精製することにより調製することが可能である。一方、組み換えタンパク質は、常法、例えば、本発明のタンパク質をコードするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを適当な細胞に導入し、該形質転換細胞から精製することにより調製することが可能である。
【0018】
組み換えタンパク質を生産するために用いられる細胞としては、例えば、植物細胞、大腸菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。また、細胞内で組み換えタンパク質を発現させるためのベクターとしては、例えば、植物、酵母細胞用にはプラスミド「pBI121」や「pBI101」(Clontech社製)、大腸菌用にはプラスミド「pET Expression system」(Stratagene社製)や「GST gene fusion Vectors」(Pharmacia社製)、ほ乳類細胞用にはプラスミド「pMAM」(Clontech社製)、昆虫細胞用にはプラスミド「pBacPAK8.9」(Clontech社製)などが挙げられる。ベクターへのDNAの挿入は、常法、例えば、Molecular Cloning(Maniatis et al. Cold Spring harbor Laboratry Press)に記載の方法により行うことができる。また、宿主細胞へのベクターの導入は、常法により宿主細胞に応じてエレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法などの方法で行うことが可能である。
【0019】
得られた形質転換細胞からの本発明の組み換えタンパク質の精製は、タンパク質の性質に応じ、塩析や有機溶媒による沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫吸着体によるカラムクトマトグラフィー、ゲルろ過、SDS電気泳動、等電点電気泳動などを適宜組み合わせて行うことが可能である。また、本発明の組み換えタンパク質をグルタチオンS-トランスフェラーゼなどの標識との融合タンパク質として発現させた場合には、該標識に対するアフィニティークロマトグラフィーなどにより精製することも可能である。
【0020】
また、本発明は、上記本発明のタンパク質をコードするDNAを提供する。本発明のDNAは、本発明のタンパク質をコードし得るものであれば特に制限はなく、ゲノムDNA、cDNA、化学合成DNAなどが含まれる。ゲノムDNAは、例えば、文献(Rogers and Bendich, Plant Mol. Biol. 5:69 (1985))記載の方法に従って調製したゲノムDNAを鋳型として、本発明のDNAの塩基配列(例えば、配列番号:2に記載の塩基配列)を基に作製したプライマーを用いてPCR(Saiki et al. Science 239:487(1988))を行うことにより調製することが可能である。また、cDNAであれば、常法(Maniatis et al. Molecular Cloning Cold Spring harbor Laboratry Press)により植物からmRNAを調製し、逆転写反応を行い、上記と同様のプライマーを用いてPCRを行うことにより調製することが可能である。また、ゲノムDNAやcDNAは、常法によりゲノムDNAライブラリーまたはcDNAライブラリーを作製し、このライブラリーに対し、例えば本発明のDNAの塩基配列(例えば、配列番号:2に記載の塩基配列)を基に合成したプローブを用いてスクリーニングすることによっても調製することが可能である。
【0021】
得られたDNAの塩基配列は、例えば「シークエンサーModel373」(ABI社製)を利用することにより容易に決定することが可能である。本発明のDNAは、例えば、上記したように組み換えタンパク質の調製に用いることができる。さらに、本発明のDNAを植物体内で発現させることにより、細胞壁成分の合成が促進された形質転換植物体や発生分化が促進された形質転換植物体を得ることも可能である。
【0022】
また、本発明は、植物体内で本発明のDNAの発現を抑制し得る分子を提供する。「本発明のDNAの発現の抑制」には、遺伝子の転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。
【0023】
植物における特定の内在性遺伝子の発現を抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけるアンチセンス効果は、エッカーらが一時的遺伝子発現法を用いて、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNAが植物においてアンチセンス効果を発揮することで初めて実証した(J.R.EckerおよびR.W.Davis, (1986) Proc.Natl.Acad.USA.83:5372)。その後、タバコやペチュニアにおいても、アンチセンスRNAの発現によって標的遺伝子の発現を低下させる例が報告されており(A.R.van der Krolら (1988) Nature 333:866)、現在では植物における遺伝子発現を抑制させる手段として確立している。
【0024】
アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の要因が存在する。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造がつくられた部位とのハイブリッド形成による転写抑制、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、イントロンとエキソンとの接合点でのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、スプライソソーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への移行抑制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑制、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成による翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻止、および核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド形成による遺伝子発現抑制などである。これらは、転写、スプライシング、または翻訳の過程を阻害して、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上「新生化学実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発現」,日本生化学会編,東京化学同人,pp.319-347,1993)。
【0025】
本発明で用いられるアンチセンス配列は、上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5'端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的であろう。しかし、コード領域もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配列も使用し得る。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用されるアンチセンスDNAは、適当なプロモーターの下流に連結され、好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方法で、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNAの配列は、形質転換する植物が持つ内在性遺伝子またはその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に阻害できる限り、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的とする遺伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。配列の相補性は、上記した検索により決定することができる。
【0026】
アンチセンス配列を用いて、効果的に標的遺伝子の発現を阻害するには、アンチセンスDNAの長さは、少なくとも15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに好ましくは500塩基以上である。通常、用いられるアンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.5kbよりも短い。
【0027】
内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能である。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことをいう。リボザイムには種々の活性を有するものがあるが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムの研究により、RNAの部位特異的な切断を目的とするリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型や、RNasePに含まれるM1RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある(小泉誠および大塚栄子, (1990) 蛋白質核酸酵素,35:2191)。
【0028】
例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3'側を切断するが、活性にはU14が9位のAと塩基対を形成することが重要とされ、15位の塩基はCの他にAまたはUでも切断されることが示されている(M.Koizumiら,(1988) FEBS Lett.228:225)。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍のRNA配列と相補的になるように設計すれば、標的RNA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することが可能である(M.Koizumiら,(1988) FEBS Lett. 239:285、小泉誠および大塚栄子,(1990) 蛋白質核酸酵素,35:2191、 M.Koizumiら, (1989) Nucleic Acids Res. 17:7059)。例えば、ACW2遺伝子(配列番号:2)のコード領域中には標的となりうる部位が複数存在する。
【0029】
また、ヘアピン型リボザイムも、本発明の目的のために有用である。ヘアピン型リボザイムは、例えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイナス鎖に見出される(J.M.Buzayan Nature 323:349,1986)。このリボザイムも、標的特異的なRNA切断を起こすように設計できることが示されている(Y.Kikuchi およびN.Sasaki (1992) Nucleic Acids Res. 19:6751、 菊池洋, (1992) 化学と生物 30:112)。
【0030】
標的を切断できるよう設計されたリボザイムは、植物細胞中で転写されるようにカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーターおよび転写終結配列に連結される。しかし、その際、転写されたRNAの5'末端や3'末端に余分な配列が付加されていると、リボザイムの活性が失われてしまうことがある。このようなとき、転写されたリボザイムを含むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイム部分の5'側や3'側に、トリミングを行うためのシスに働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能である(K.Tairaら, (1990) Protein Eng. 3:733、A.M.DzianottおよびJ.J.Bujarski (1989) Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86:4823、 C.A.GrosshansおよびR.T.Cech (1991) Nucleic Acids Res. 19:3875、 K.Tairaら (1991) Nucleic Acids Res. 19:5125)。また、このような構成単位をタンデムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにして、より効果を高めることもできる(N.Yuyamaら Biochem.Biophys.Res.Commun.186:1271,1992)。このようなリボザイムを用いて本発明で標的となる遺伝子の転写産物を特異的に切断し、該遺伝子の発現を抑制することができる。
【0031】
内在性遺伝子の発現の抑制は、さらに、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDNAの形質転換によってもたらされる共抑制によっても達成されうる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子と同一若しくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換により導入すると、導入する外来遺伝子および標的内在性遺伝子の両方の発現が抑制される現象のことをいう。共抑制の機構の詳細は明らかではないが、植物においてはしばしば観察される(Curr.Biol.7:R793,1997, Curr.Biol.6:810,1996)。例えば、ACW2遺伝子が共抑制された植物体を得るためには、ACW2遺伝子若しくはこれと類似した配列を有するDNAを発現できるように作製したベクターDNAを目的の植物へ形質転換し、得られた植物体からacw2変異体の形質を有する植物、例えば、細胞壁の合成が抑制された植物を選択すればよい。共抑制に用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%以上)の配列の同一性を有する。配列の同一性は、上記した検索を利用して決定することができる。
【0032】
さらに、本発明における内在性遺伝子の発現の抑制は、標的遺伝子のドミナントネガティブの形質を有する遺伝子を植物へ形質転換することによっても達成することができる。本発明において「ドミナントネガティブの形質を有するタンパク質をコードするDNA」とは、該DNAを発現させることによって、植物体が本来持つ本発明の内在性遺伝子がコードするタンパク質の活性を消失もしくは低下させる機能を有するタンパク質をコードするDNAのことを指す。対照となるDNAが本発明の内在性遺伝子の活性を消失もしくは低下させる機能を有するか否かは、上述したように、対象となるDNAが、植物の細胞壁合成や発生分化を抑制するか否かにより判定することができる。
【0033】
また、本発明は、上記本発明のDNAや本発明のDNAの発現を抑制するDNAが挿入されたベクターを提供する。本発明のベクターとしては、組み換えタンパク質の生産に用いる上記したベクターの他、形質転換植物体作製のために植物細胞内で本発明のDNAあるいは本発明のDNAの発現を抑制するDNAを発現させるためのベクターも含まれる。このようなベクターとしては、植物細胞で転写可能なプロモーター配列と転写産物の安定化に必要なポリアデニレーション部位を含むターミネーター配列を含んでいれば特に制限されず、例えば、プラスミド「pBI121」、「pBI221」、「pBI101」(いずれもClontech社製)などが挙げられる。
【0034】
本発明のベクターは、本発明のタンパク質を恒常的または誘導的に発現させるためのプロモーターを含有しうる。恒常的に発現させるためのプロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odell et al. 1985 Nature 313:810)、イネのアクチンプロモーター(Zhang et al. 1991 Plant Cell 3:1155)、トウモロコシのユビキチンプロモーター(Cornejo et al. 1993 Plant Mol. Biol. 23:567)などが挙げられる。
【0035】
また、誘導的に発現させるためのプロモーターとしては、例えば糸状菌・細菌・ウイルスの感染や侵入、低温、高温、乾燥、紫外線の照射、特定の化合物の散布などの外因によって発現することが知られているプロモーターなどが挙げられる。このようなプロモーターとしては、例えば、糸状菌・細菌・ウイルスの感染や侵入によって発現するイネキチナーゼ遺伝子のプロモーター(Xu et al. 1996 Plant Mol.Biol.30:387)やタバコのPRタンパク質遺伝子のプロモーター(Ohshima et al. 1990 Plant Cell 2:95)、低温によって誘導されるイネの「lip19」遺伝子のプロモーター(Aguan et al. 1993 Mol. Gen Genet. 240:1)、高温によって誘導されるイネの「hsp80」遺伝子と「hsp72」遺伝子のプロモーター(Van Breusegem et al. 1994 Planta 193:57)、乾燥によって誘導されるシロイヌナズナの「rab16」遺伝子のプロモーター(Nundy et al. 1990 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1406)、紫外線の照射によって誘導されるパセリのカルコン合成酵素遺伝子のプロモーター(Schulze-Lefert et al. 1989 EMBO J. 8:651)、嫌気的条件で誘導されるトウモロコシのアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター(Walker et al. 1987 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:6624)などが挙げられる。また、イネキチナーゼ遺伝子のプロモーターとタバコのPRタンパク質遺伝子のプロモーターはサリチル酸などの特定の化合物によって、「rab16」は植物ホルモンのアブシジン酸の散布によっても誘導される。
【0036】
また、本発明は、本発明のベクターが導入された形質転換細胞を提供する。本発明のベクターが導入される細胞には、組み換えタンパク質の生産に用いる上記した細胞の他に、形質転換植物体作製のための植物細胞が含まれる。植物細胞としては特に制限はなく、例えば、シロイヌナズナ、イネ、トウモロコシ、ジャガイモ、タバコなどの細胞が挙げられる。本発明の植物細胞には、培養細胞の他、植物体中の細胞も含まれる。また、プロトプラスト、苗条原基、多芽体、毛状根も含まれる。植物細胞へのベクターの導入は、例えば、アグロバクテリウムを利用した導入方法(Hood et al. 1993 Transgenic Res. 2:218、Hiei et al. 1994 Plant J. 6:271)、エレクトロポレーション法(Tada et al. 1990 Theor. Appl. Genet 80:475)、ポリエチレングリコール法(Lazzeri et al. 1991 Theor. Appl. Genet 81:437)、パーティクルガン法(Sanford et al. 1987 J. Part. Sci. tech. 5:27)などの方法を用いることが可能である。
【0037】
形質転換された植物細胞は、再分化させることにより植物体を再生させることが可能である。再分化の方法は植物細胞の種類により異なるが、例えば、イネであればFujimuraら(Plant Tissue Culture Lett. 2:74 (1995))の方法が挙げられ、トウモロコシであればShillitoら(Bio/Technology 7:581 (1989))の方法やGorden-Kammら(Plant Cell 2:603(1990))が挙げられ、ジャガイモであればVisserら(Theor. Appl. Genet 78:594 (1989))の方法が挙げられ、タバコであればNagataとTakebe(Planta 99:12(1971))の方法が挙げられ、シロイヌナズナであればAkamaら(Plant Cell Reports12:7-11 (1992))の方法が挙げられ、ユーカリであれば土肥ら(特開平8-89113号公報)の方法が挙げられる。
【0038】
一旦、ゲノム内に本発明のDNAあるいは本発明のDNAの発現を抑制するDNAが導入された形質転換植物体が得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。本発明には、本発明のDNAまたは本発明のDNAの発現を抑制するDNAが導入された植物細胞、該細胞を含む植物体、該植物体の子孫およびクローン、並びに該植物体、その子孫、およびクローンの繁殖材料が含まれる。
【0039】
本発明の形質転換植物体は、本発明のDNAの発現の調節により、細胞壁成分や発生分化が正常の個体と比較して変化しうる。「細胞壁成分の変化」とは、例えば、セルロースなどの細胞壁成分の量的変化、質的変化の変化を指す。「発生分化の変化」とは、例えば、細胞の分裂面の変化、細胞数の変化、細胞形態の変化を指す。これにより、例えば、パルプ等繊維原材料植物の供給効率の増加、細胞壁合成制御による新素材の開発、農作物の有用成分の増加、飼料作物の消化吸収効率の増加、細胞壁合成量増大や発生分化制御による植物の成長量の増加、細胞壁成分と発生分化の改変に伴う細胞形態の変化による新たな美的価値を有する鑑賞用植物の作出などを行うことが可能である。
【0040】
また、本発明は、上記本発明のタンパク質に結合する抗体を提供する。本発明の抗体には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。本発明の抗体の調製は当業者に公知の方法(例えば、Molecular cloning(Maniatis et al. Cold Spring harbor Laboratry Press)に記載の方法)により行うことができる。本発明の抗体の調製を行う場合には、本発明のタンパク質全体を免疫する方法の他に、部分ペプチドを免疫して調製することも可能である。本発明の抗体は、本発明のタンパク質の精製や検出などに用いることが可能である。
【0041】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、DNAの切断、連結、大腸菌の形質転換、遺伝子の塩基配列決定、ハイブリダイゼーション等一般の遺伝子組換えに必要な方法は、各操作に使用する市販の試薬、機械装置等に添付されている説明書や、実験書(例えば「Molecular cloning (Maniatis T. et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press)」)に基本的に従った。また、シロイヌナズナの寒天培地や土壌を用いた育成、交配、ゲノムDNAの調製は実験書(例えば「モデル植物の実験プロトコール(秀潤社)」)に基本的に従った。
【0042】
[実施例1] ACW2遺伝子の単離
まず、ACW2遺伝子の染色体上の位置を決定するために、分子マーカーを用いてマッピングを行った。acw (altered cell wall) 2変異体はシロイヌナズナのコロンビアエコタイプにおいて見出されているので、この同変異体に、別のエコタイプであるランズバーグ・エレクタ種を交配し、次世代の種子を採種し、それを生育させ、自殖させてF2世代の種子を得た。このF2世代の種子を発芽させ、育成した植物(389個体)からゲノムDNAを抽出した。これらのゲノムDNAを、マーカーとして既知のDFR、S0191、および自ら作製した16L22,Sf2.Sr2、JC20,2.2を用いて、同ゲノムDNAに対して、PCR法により組換価を算出した。具体的には、DFRを増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:4/5-AGATCCTGAGGTGAGTTTTTC-3」、「配列番号:5/5-TGTTACATGGCTTCATACCA-3」を用いてF2世代のゲノムDNAをPCR法を用いて増幅させ、制限酵素BsaAIで処理した後、アガロース電気泳動で調べた。この分子マーカーでは、ランズバーグ種は2カ所、コロンビア種は1カ所、制限酵素認識部位があることが知られているため、これに基づいて計算したところ、ACW2遺伝子と同マーカーとの間には4染色体で組み換えが認められた。
【0043】
次にS0191を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:6/5-TGATGTTGATGGAGATGGTCA-3」、「配列番号:7/5-CTCCACCAATCATGCAAATG-3」を用いて、F2世代のゲノムDNAをPCRにより増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。この分子マーカーでは、ランズバーグ種は156bpにコロンビア種は148bpにバンドを示すことが知られているため、これに基づいて計算したところ、ACW2遺伝子と同マーカーとの間には51染色体で組み換えが認められた。
【0044】
さらに詳細なマッピングを行うため、16L22,Sf2.Sr2を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:8/5-TGTATATTATAAATACTAAATTTATTGG-3」、「配列番号:9/5-GAATATAGTCATTACATGAATAACC-3」を合成し、これらを用いて、F2世代のゲノムDNAをPCR法を用いて増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。この分子マーカーでは、ランズバーグ種とコロンビア種の間で多型があり、これに基づいて計算したところ、ACW2遺伝子と同マーカーとの間には1染色体で組み換えが認められた。
【0045】
次にJC20,2.2を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:10/5-GCACATCATTGATCGGACTTTAC-3」、「配列番号:11/5-CAACAAAGATCAAAACACTTCC-3」を合成し、これらを用いて、F2世代のゲノムDNAをPCR法を用いて増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。この分子マーカーでは、ランズバーグ種は87bpにコロンビア種は91bpにバンドを示すことが知られているため、これに基づいて計算したところ、ACW2遺伝子と同マーカーとの間には1染色体で組み換えが認められた。
【0046】
次にJC20-1.1を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:12/5-CAAACCGTCTATAACATTGTAC-3」、「配列番号:13/5-GGATCTGGTTCACAAGTCTGTG-3」を合成し、これらを用いて、F2世代のゲノムDNAをPCR法を用いて増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。この分子マーカーでは、ランズバーグ種とコロンビア種の間で多型があり、これに基づいて計算したところ、ACW2遺伝子と同マーカーとの間には組み換えが認められなかった。
【0047】
以上のようにして、ACW2遺伝子を含む染色体上の領域が、16L22,Sf2.Sr2、JC20,2.2の2つの分子マーカーによって挟まれていることが確認された。そこで、16L22,Sf2.Sr2、JC20,2.2マーカーそれぞれを含むゲノムDNA断片を単離して、相補テストを行った。具体的には、シロイヌナズナコロンビア種のゲノムDNAで構成されるTACゲノムDNAライブラリー(Liu et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1999)96: 6535-6540)約10000クローンを16L22,Sf2.Sr2、JC20,2.2をプローブとしてスクリーニングし、前者のプローブで3つのクローン(16L22、 19K1、11D4)を、後者のプローブで1つのクローン(22I23)を得た。これらをアグロバクテリア(MP90株)を介しFloral Dip法 (Clough S.J., Bent A.F. Floral dip: a simplified method for Agrobacterium-mediated transformation of Arabidopsis thaliana. Plant J. (1998) 16: 735-743)により、acw2変異体に導入した。その結果、22I23クローンのみがacw2表現型を野生型に回復することができた。したがって、22I23クローンに含まれるゲノムDNA断片のうち、JC20,2.2マーカーにより組み換えが認められる領域を差し引いた約30kbの領域に、ACW2遺伝子が含まれることが明らかになった。
【0048】
そこで、この領域の塩基配列をデータベース検索したところ、JC20,2.2マーカーと上記のDNA領域との間には、5つの遺伝子が存在することが予想された。これらの5個の遺伝子の野生型の塩基配列を、acw 2変異体に関して比較したところ、GTP-binding proteinとして登録されているcDNAに相当する遺伝子領域において、突然変異が生じていることが判明した。5個の遺伝子のなかでは、GTP-binding proteinのみが、acw2変異体において塩基配列の変異が認められることから、同遺伝子がACW2遺伝子であることが判明した。
【0049】
ACW2遺伝子の全長cDNAを、λZAPIIcDNAライブラリー(STRATAGENE社)より単離したところ、15個のイントロンが含まれていた。遺伝子からコードされるアミノ酸配列を解析したところ、ダイナミン様タンパクであるADL1 (Dombrowski J. E. and Raikhel N. V., Isolation of a cDNA encoding a novel GTP-binding protein of Arabidopsis thaliana. (1995) Plant Mol. Biol. 28: 1121-1126)と同一であることがわかった。
【0050】
ダイナミン様タンパクはGTP結合タンパクの1種で、酵母、マウス、人、植物など広く一般的に生物に存在し、遺伝子ファミリーを形成している。高等植物ではアラビドプシス、タバコ、ダイズなどからホモローグが取られており、非常に高いホモロジーを示している。ダイナミン様タンパクの特徴としてN末のホモロジーが高い、GTPバインディング・ドメインを持つ、などが挙げられる。機能としては、動物細胞ではエンド・サイトーシスに関係していると考えられている。植物細胞では未だ明確な機能は証明されていないが、細胞板形成時における小胞融合や、葉緑体の形成に関係していることが示唆されている(Gu, X. and Verma D. P. S., Phragmoplastin, a dynamin-like protein associated with cell plate formation in plants. (1996) EMBO, 15:695-704, Park J. M. et al., A dynamin-like protein in Arabidopsis thaliana is involved in biogenesis of thylakoid membranes. (1998) EMBO, 17: 859-867)。ADL1タンパクが、細胞壁合成に関与しているという報告は未だない。
【0051】
[実施例2] acw2変異体の細胞壁の分析
細胞壁粗精製サンプルの調整は、Zablackis(Zablackis, E. et al., Characterization of cell-wall polysaccharides of Arabidopsis thaliana leaves. (1995) Plant Physiol. 107, 1129-1138.)らの方法に従った。調整した細胞壁粗精製サンプルは-80℃で保存し、必要な量を解凍して分析に用いた。
【0052】
調整した細胞壁サンプルをガラス管に適当量測り取り、2Mのトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、121℃・1時間非結晶多糖(ヘミセルロース・ペクチン)を加水分解する。室温まで自然冷却した後、遠心して上清と結晶多糖(セルロース)に分ける。セルロースは72%HSOで完全に加水分解する。糖定量は、全糖量をフェノール硫酸法 (Dubois, M. et al., Colorimetric method for determination of sugars and related substances. (1956) Anal. Biochem. 28, 350-356. 28, 350-356)で、ウロン酸量をm-ヒドロキシビフェニル法 (Blumenkrantz, N. and Asboe-hansen, H. M. (1973) New method for quantitaive determination of uronic acids. Anal. Biochem. 54, 484-489) で行った。その結果、acw2変異体のセルロース画分の全糖量が著しく減少していることがわかった。
【0053】
減少の原因を詳細に調べるため、アルディトールアセテート法(York, W. S.,et al., Isolation and characterization of plant cell wall and plant cell components. (1986) Methods enzymol. 118, 3-40)による構成等分析を行った。その結果、acw2変異体のglucoseの量(361.6±50.8nmol/mg cell wall)は、wt(1342.5±31.5nmol/mg cell wall)より著しく減少していた。TFA不溶画分のglucoseは、セルロース由来である。したがって、acw2変異体ではセルロース合成変異体であることが明らかになった。
【0054】
以上の結果から我々は、ACW2タンパク(ADL1)が、細胞壁主成分であるセルロースの合成に関与しているという新規な機能を明らかにした。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、ACW2遺伝子あるいはその類似遺伝子の発現を調節することにより細胞壁や発生分化が改変された植物を作出する技術が提供された。植物の細胞壁や発生分化の改変は、例えば、パルプ等繊維原材料植物の供給効率の増加、細胞壁合成・発生分化制御による新素材の開発、農作物の有用成分の増加、飼料作物の消化吸収効率の増加、細胞壁合成量増大と発生分化制御による植物の成長量の増加、細胞壁成分の改変に伴う細胞形態の変化による新たな美的価値を有する鑑賞用植物の作出などをもたらすことができるため、農業や工業・園芸の分野において有益である。ACW2遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子の発現を抑制する分子(アンチセンス、リボザイム、ドミナントネガティブ分子、抗体など)は、植物の細胞壁成分や発生分化の改変に用いるための薬剤として利用し得る。
【0056】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 acw2変異体の実生の形態を示す光学顕微鏡写真である。Aは野生型、Bは31℃(変異温度)条件下での変異体における結果をそれぞれ示す。
【図2】 acw2変異体の根の横軸および縦軸切片を示す光学顕微鏡写真である。A、Cは、野生型の横軸および縦軸切片、B、Cは、31℃(変異温度)条件下での変異体における横軸および縦軸切片の結果をそれぞれ示す。
【図3】 acw2変異体の根切片におけるウラニルアセテート・クエン酸鉛染色の結果を示す電子顕微鏡写真である。Aは野生型、Bは31℃(変異温度)条件下での変異体における結果をそれぞれ示す。
【図4】細胞壁TFA不溶画分の構成糖分析の結果を示す図である。白いバーは野生型、黒いバーは31℃(変異温度)条件下での変異体における結果をそれぞれ示す。Araはアラビノース、Xylはキシロース、Manはマンノース、Glcはグルコースをそれぞれ示す。

Claims (2)

  1. 下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNAで植物を形質転換することにより、該植物の細胞壁におけるグルカン量またはセルロース量を増加させる、方法。
    (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
    (b)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA。
    (c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、もしくは付加したアミノ酸配列を有し、植物の細胞壁におけるグルカン量またはセルロース量を増加させる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
    (d)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、植物の細胞壁におけるグルカン量またはセルロース量を増加させる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
  2. DNAがベクターに含まれている、請求項1に記載の方法。
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