JP2004290121A - 植物の細胞形態と細胞壁成分の改変方法 - Google Patents

植物の細胞形態と細胞壁成分の改変方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物の細胞壁合成と細胞伸長に関与するACW6遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子がコードするタンパク質を提供することを課題とする。また、本発明は、これら遺伝子を利用して植物の細胞壁成分や細胞形態を改変することを課題とする。
【解決手段】ポジショナルクローニングの手法を用いることにより、植物の細胞壁合成と細胞伸長に異常をもたらすacw6変異の原因となる単一の遺伝子を広大な染色体領域において同定し、単離することに成功した。また、本発明者らは、単離したACW6遺伝子が植物の細胞壁合成や細胞伸長に影響を与えていることから、ACW6遺伝子やその類似遺伝子を利用することにより、植物の細胞壁成分や細胞形態を改変することが可能であることを見出した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の細胞壁合成に関与するタンパク質をコードする遺伝子を利用した、植物の細胞壁成分と細胞形態の改変に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物において細胞壁合成と細胞形態形成を制御することは、工業や農業の分野において、様々な重要な意義を有する。例えば、植物の細胞璧成分の改変は、セルロース・ヘミセルロース含量を高めることによるパルプ等の優良繊維原材料供給や、有用な農作物および飼料作物の消化吸収効率の向上などをもたらし、経済性や収益性の点で有意義である。また、細胞壁成分である多糖の構造変化により、新たな産業的価値を有する原材料植物の作出をもたらすことも可能である。さらに細胞形態の改変は、パルプ等繊維原材料の繊維特性の向上などの点で有意義である。
【0003】
細胞壁およびそれに類する多糖成分の合成は、バクテリア・菌類・植物だけでなく動物でも行われている。細胞壁合成の分子レベルでの研究は、その産業的重要性にもかかわらず、あまり解析は行われていない。植物の細胞壁合成の分子レベルでの研究に関しては、近年、分子遺伝学の手法を用いて解析が行われはじめてきた。細胞壁合成に関与する遺伝子としては、これまでに例えば、セルロース合成酵素などが報告されている(T. Arioli et al. Molecular analysis of cellulose biosynthesis in Arabidopsis. Science (1998) 279:717−720)。しかし、細胞壁合成に関わる遺伝子としては、いまだ単離されていない多くの遺伝子が存在すると考えられ、細胞壁合成に関しては未知の機構が存在すると考えられている(参考文献:Kawagoe, Y. and Delmer, D. P., Pathway and genes involved in cellulose biosynthesis; Genetic engineering 19 Plenum Press, New York, 1997; Roberts, K. How the Cell Wall Acquired a Cellular Context. Plant Physiol. 125:127−130, 2001)。
【0004】
植物の形態形成において、細胞(繊維)の伸長生長は大変重要である。細胞伸長の分子レベルでの研究は、近年、分子遺伝学の手法を用いて解析が行われている。細胞伸長に関与する遺伝子としては、これまでに例えば、微小管結合タンパクなどが報告されている(Whittington, A. T. et al. MOR1 is essential for organizing cortical microtubules in plants. Nature (2001) 411:610−613)。しかし、細胞伸長に関わる遺伝子としては、いまだ単離されていない多くの遺伝子が存在すると考えられ、細胞伸長に関しては未知の機構が存在すると考えられている(K. Nishitani, Construction and Restructuring of the cellulose−xyloglucan framework in the apoplast as mediated by the xyloglucan−related protein family−A hypothetical scheme. J. Plant Res. 111:159−166, 1998)。
【0005】
一方、ユビキチンリガーゼ(ユビキチン化因子)は、細胞タンパク質分解の主要経路であるユビキチン・プロテアソーム系で働く酵素である。ユビキチンリガーゼは、特定の標的タンパクに低分子タンパク質であるユビキチンを多数付加する役割を持つ。ユビキチンが多数付加された標的タンパク(ポリユビキチン化タンパク)は、細胞内のタンパク分解装置である26S−プロテアソームによって認識され分解される。ユビキチンリガーゼは、動物・植物などの生物一般に広く存在し、ゲノム中で遺伝子ファミリーを形成している。各ユビキチンリガーゼは、それぞれ特有の生命現象に関わるタンパク群をユビキチン化しており、ユビキチン化された標的タンパクは、それぞれに特異的なプロテアソームによって分解される。植物のユビキチンリガーゼとしては、F−ボックスタンパクを中心とするSCF(Skp1タンパク+Cul1タンパク+F−boxタンパク)複合体が知られているが、近年、U−ボックスタンパク質もユビキチンリガーゼとして機能することが示唆されている。高等植物ではアラビドプシス、タバコ、ダイズなどから、U−ボックスタンパク質遺伝子が単離同定されており、高いホモロジーを示している。しかしながら、ごく一部を除いて、それらがどのような生命現象に関わっているかは、未だ明確にされていない。 (Spremulli, L. (2000) Protein Synthesis, Assembly, and Degradation. In Biochemistry & Molecular Biology of Plants. Edited by Buchanan, B.B., Gruissem, W. and Jones, R.L. pp. 412−454, Azevedo C. et al., The U−box protein family in plants. (2001). Trends in Plant Science 6:354−358)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで化学突然変異剤EMSによって処理されたシロイヌナズナの集団の中に、#68という検索番号が付けられた、細胞や器官の形、細胞壁合成が異常な突然変異体が見出された。この突然変異はaltered cell wall (acw)6と名付けられ、この突然変異の原因となっている遺伝子がACW6遺伝子と命名された。光学顕微鏡による組織観察の結果から、ACW6遺伝子は細胞(繊維)伸長や細胞分化に関与していることが示唆された。また、電子顕微鏡による組織化学的解析から、ACW6遺伝子は細胞壁合成にも関与していることが示唆された。しかしながら、ACW6遺伝子についてはいまだ単離・同定されていない。
【0007】
そこで、本発明は、植物の細胞壁合成と細胞伸長に関与するACW6遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子がコードするタンパク質を提供することを課題とする。また、本発明は、これら遺伝子を利用して植物の細胞壁成分や細胞形態を改変することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、ポジショナルクローニングの手法を用いることにより、植物の細胞壁合成と細胞伸長に異常をもたらすacw6変異の原因となる単一の遺伝子を広大な染色体領域において同定し、単離することに成功した。また、本発明者らは、単離したACW6遺伝子が植物の細胞壁合成や細胞伸長に影響を与えていることから、ACW6遺伝子やその類似遺伝子を利用することにより、植物の細胞壁成分や細胞形態を改変することが可能であることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、植物の細胞壁合成に関わるACW6遺伝子、その類似遺伝子、およびこれら遺伝子がコードするタンパク質、並びにこれら遺伝子を利用した植物の細胞壁成分と細胞形態の改変などに関し、より具体的には、
(1) 植物由来の下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA、
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
(2) (1)に記載のDNAを含むベクター、
(3) (1)に記載のDNAを発現可能に保持する形質転換細胞、
(4) (1)に記載のDNAによりコードされるタンパク質、
(5) (3)に記載の形質転換細胞を培養し、発現した組み換えタンパク質を回収する工程を含む、(4)に記載のタンパク質の製造方法、
(6) 下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA、
(a)(1)に記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA
(b)(1)に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA
(c)植物細胞における発現時に、RNAi効果により、(1)に記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA
(d)植物細胞における発現時に、共抑制効果により、(1)に記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA
(7) (6)に記載のDNAを含むベクター、
(8) (1)または(6)に記載のDNAを発現可能に保持する形質転換植物細胞、
(9) (8)に記載の形質転換植物細胞を含む植物体、
(10) 細胞壁成分が改変されている、(9)に記載の植物体、
(11) 細胞壁成分の改変がグルカン量の変化である、(10)に記載の植物体、
(12) 細胞壁成分の改変がセルロース量の変化である、(10)に記載の植物体、
(13) 細胞形態が改変されている、(9)に記載の植物体、
(14) 細胞形態の改変が細胞伸長の変化である、(13)に記載の植物体、
(15) 細胞形態の改変が細胞の大きさの変化である、(14)に記載の植物体、
(16) 発生分化が改変されている、(9)に記載の植物体、
(17) 発生分化の改変が細胞分裂の変化である、(16)に記載の植物体、
(18) 発生分化の改変が細胞数と細胞の大きさの変化である、(17)に記載の植物体、
(19) (9)に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体、
(20) (9)または(19)に記載の植物体の繁殖媒体、
(21) (4)に記載のタンパク質に結合する抗体、
(22) (1)に記載のDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するDNA、を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、植物の細胞壁合成に関与するACW6タンパク質をコードするDNAを提供する。シロイヌナズナの細胞形態(伸長)と細胞壁合成に異常を示すacw6変異の原因遺伝子として、ポジショナルクローニングの手法を用いて、本発明者らが単離したACW6遺伝子のcDNAの塩基配列を配列番号:2に、ゲノムDNAの塩基配列を配列番号:3に、これら遺伝子がコードするACW6タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:1に示す。
【0011】
植物の細胞伸長と細胞壁成分に異常な表現型をもたらすacw6変異遺伝子座において、acw6変異では本発明者らが単離したACW6遺伝子の1811位の塩基の置換(C→T)と、それによる604位のアミノ酸の置換(T→I)として見出された(実施例3)。この事実は、本発明者らが単離したACW6遺伝子が、植物の細胞伸長と細胞壁合成において機能しており、その変異により植物の細胞伸長と細胞壁合成の異常を生じることを証明するものである。このようなACW6遺伝子と植物の細胞伸長や細胞壁合成との密接な関係は、植物においてACW6遺伝子の発現を調節することにより、植物の細胞形態や細胞壁の合成を改変しうることを証明するものである。従って、ACW6タンパク質およびACW6遺伝子は、植物の細胞形態や細胞壁の合成を改変するために、もしくは改変するための標的として利用することが可能である。
【0012】
本発明は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を有するACW6タンパク質と構造的に類似しており、該タンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAを包含する。ここで「機能的に同等」とは、タンパク質が植物の細胞壁合成や細胞伸長において機能することを指す。タンパク質が植物の細胞壁合成や細胞伸長において機能するか否かは、変異株におけるタンパク質の発現による機能相補試験や、インビボにおけるタンパク質の機能阻害による細胞壁合成や細胞伸長の変化(細胞壁成分の変化や器官・細胞形態の変化)の検出により、決定することが可能である。
【0013】
このようなDNAには、例えば、配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする変異体、誘導体、アリル、バリアントおよびホモログが含まれる。このようなDNAが由来する植物としては、特に制限はないが、例えば、イネ・綿・ケナフ・ユーカリ・ポプラ・マツ、シロイヌナズナ、トウモロコシ、ジャガイモ、タバコなどが挙げられる。
【0014】
アミノ酸配列が改変されたタンパク質をコードするDNAを調製するための当業者によく知られた方法としては、例えば、site−directedmutagenesis法(Kramer W & Fritz H−J: Methods Enzymol 154: 350, 1987)が挙げられる。また、アミノ酸の改変は、市販のキットを用いて行うこともできる。例えば、変異や置換であれば「Transformer Site−directed Mutagenesis Kit」や「ExSite PCR−Based Site−directed Mutagenesis Kit」(Clontech社製)を、欠失であれば「Quantum leap Nested Deletion Kit」(Clontech社製)などを用いて行うことが可能である。一方、自然界においても、塩基配列の変異によりコードするタンパク質のアミノ酸配列が変異することは起こり得る。このように、「ACW6」タンパク質のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAであっても、天然型のタンパク質(配列番号:1)と同等の機能を有するタンパク質をコードする限りは、本発明のDNAに含まれる。タンパク質におけるアミノ酸の改変は、通常、全アミノ酸の50アミノ酸以内であり、好ましくは30アミノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内であり、さらに好ましくは3アミノ酸以内である。好ましいアミノ酸の改変は、保存的置換である。また、たとえ塩基配列が変異していても、その変異がタンパク質中のアミノ酸の変異を伴わないこと(縮重変異)があるが、このような縮重変異体も本発明のDNAに含まれる。
【0015】
配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるACW6タンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを調製するために、当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Southern EM: J Mol Biol 98: 503, 1975)やポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術(Saiki RK, et al: Science 230: 1350, 1985、Saiki RK, et al: Science 239: 487, 1988)を利用する方法が挙げられる。すなわち、当業者であれば、本発明のcDNA塩基配列(配列番号:2)またはその一部をプローブとして、また、これらcDNAに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、イネや他の植物からこれらcDNAと高い相同性を有するDNAを単離することは、通常行い得る。このように、ハイブリダイゼーション技術やPCR技術によって単離し得る、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAもまた、本発明のDNAに含まれる。
【0016】
このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行う。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、6M 尿素、0.4% SDS、0.5×SSCの条件またはこれと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAの単離が期待できる。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%(例えば、96,97,98,99%)以上の配列の同一性を指す。
【0017】
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、カーリンおよびアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA87:2264−2268, 1990、Proc Natl Acad Sci USA 90: 5873, 1993)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF, et al: J Mol Biol 215: 403, 1990)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXを用いてアミノ酸配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
【0018】
本発明のDNAは、本発明のタンパク質をコードし得るものであれば特に制限はなく、ゲノムDNA、cDNA、化学合成DNAなどが含まれる。ゲノムDNAは、例えば、文献(Rogers and Bendich, Plant Mol. Biol. 5:69 (1985))記載の方法に従って調製したゲノムDNAを鋳型として、本発明のDNAの塩基配列(例えば、配列番号:2に記載の塩基配列)を基に作製したプライマーを用いてPCR(Saiki et al. Science 239:487(1988))を行うことにより調製することが可能である。また、cDNAであれば、常法(Maniatis et al. Molecular Cloning Cold Spring harbor Laboratry Press)により植物からmRNAを調製し、逆転写反応を行い、上記と同様のプライマーを用いてPCRを行うことにより調製することが可能である。また、ゲノムDNAやcDNAは、常法によりゲノムDNAライブラリーまたはcDNAライブラリーを作製し、このライブラリーに対し、例えば本発明のDNAの塩基配列(例えば、配列番号:2に記載の塩基配列)を基に合成したプローブを用いてスクリーニングすることによっても調製することが可能である。なお、得られたDNAの塩基配列は、例えば「シークエンサーModel373」(ABI社製)を利用することにより容易に決定することが可能である。
【0019】
本発明のDNAは、また、形質転換植物体の作出に用いることができる。本発明のDNAを発現する形質転換植物体を作製するには、上記DNAを適当なベクターに挿入して、これを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させる。
【0020】
植物細胞の形質転換に用いられるベクターは、植物細胞で転写可能なプロモーター配列と転写産物の安定化に必要なポリアデニレーション部位を含むターミネーター配列を含んでいれば特に制限されず、例えば、プラスミド「pBI121」、「pBI221」、「pBI101」(いずれもClontech社製)などが挙げられる。本発明のベクターは、本発明のタンパク質を恒常的または誘導的に発現させるためのプロモーターを含有しうる。恒常的に発現させるためのプロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odell et al. 1985 Nature 313:810)、イネのアクチンプロモーター(Zhang et al. 1991 Plant Cell 3:1155)、トウモロコシのユビキチンプロモーター(Cornejo et al. 1993 Plant Mol. Biol. 23:567)などが挙げられる。
【0021】
また、誘導的に発現させるためのプロモーターとしては、例えば糸状菌・細菌・ウイルスの感染や侵入、低温、高温、乾燥、紫外線の照射、特定の化合物の散布などの外因によって発現することが知られているプロモーターなどが挙げられる。このようなプロモーターとしては、例えば、糸状菌・細菌・ウイルスの感染や侵入によって発現するイネキチナーゼ遺伝子のプロモーター(Xu et al. 1996 Plant Mol.Biol.30:387)やタバコのPRタンパク質遺伝子のプロモーター(Ohshima et al. 1990 Plant Cell 2:95)、低温によって誘導されるイネの「lip19」遺伝子のプロモーター(Aguan et al. 1993 Mol. Gen Genet. 240:1)、高温によって誘導されるイネの「hsp80」遺伝子と「hsp72」遺伝子のプロモーター(Van Breusegem et al. 1994 Planta 193:57)、乾燥によって誘導されるシロイヌナズナの「rab16」遺伝子のプロモーター(Nundy et al. 1990 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1406)、紫外線の照射によって誘導されるパセリのカルコン合成酵素遺伝子のプロモーター(Schulze−Lefert et al. 1989 EMBO J. 8:651)、嫌気的条件で誘導されるトウモロコシのアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター(Walker et al. 1987 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:6624)などが挙げられる。また、イネキチナーゼ遺伝子のプロモーターとタバコのPRタンパク質遺伝子のプロモーターはサリチル酸などの特定の化合物によって、「rab16」は植物ホルモンのアブシジン酸の散布によっても誘導される。ベクターを導入する「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、苗条原基、多芽体、毛状根、カルスなどが含まれる。また、植物体中の細胞も含まれる。植物細胞としては特に制限はなく、例えば、イネ・綿・ケナフ・ユーカリ・ポプラ・マツ、シロイヌナズナ、トウモロコシ、ジャガイモ、タバコなどの細胞が挙げられる。
【0022】
植物細胞へのベクターの導入は、例えば、アグロバクテリウムを利用した導入方法(Hood et al. 1993 Transgenic Res. 2:218、Hiei et al. 1994 Plant J. 6:271)、エレクトロポレーション法(Tada et al. 1990 Theor. Appl. Genet 80:475)、ポリエチレングリコール法(Lazzeri et al. 1991 Theor. Appl. Genet 81:437)、パーティクルガン法(Sanford et al. 1987 J. Part. Sci. tech. 5:27)など、当業者に公知の種々の方法を用いることができる。形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である(Toki S, et al: Plant Physiol 100: 1503, 1995)。
【0023】
例えば、イネであればFujimuraら(Plant Tissue Culture Lett. 2:74 (1995))の方法が挙げられ、トウモロコシであればShillitoら(Bio/Technology 7:581 (1989))の方法やGorden−Kammら(Plant Cell 2:603(1990))が挙げられ、ジャガイモであればVisserら(Theor. Appl. Genet 78:594 (1989))の方法が挙げられ、タバコであればNagataとTakebe(Planta 99:12(1971))の方法が挙げられ、シロイヌナズナであればAkamaら(Plant Cell Reports12:7−11 (1992))の方法が挙げられ、ユーカリであれば土肥ら(特許番号 特開平8−89113)の方法が挙げられる。
【0024】
一方、本発明のDNAの発現が抑制された植物体を作製するには、例えば、本発明のDNAの発現を抑制するDNAを上述した適当なベクターに挿入して、これを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させればよい。ここで「DNAの発現の抑制」には、これらDNAの転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。また、翻訳されたタンパク質が植物細胞内で本来の機能を発揮することを妨げることも含まれる。
【0025】
植物における特定の内在性遺伝子の発現を抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけるアンチセンス効果は、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNAが植物においてアンチセンス効果を発揮することをエッカーらが示したことで初めて実証された(Ecker JR & Davis RW: Proc Natl Acad Sci USA 83: 5372, 1986)。その後、タバコやペチュニアにおいてもアンチセンスRNAの発現により標的遺伝子の発現が低下した例が報告されており(van der Krol AR, et al:Nature 333: 866, 1988)、現在では、アンチセンス技術は植物における遺伝子発現を抑制させる手段として確立している。
【0026】
アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の要因が存在する。例えば、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造が作られた部位とのハイブリッド形成による転写阻害、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、イントロンとエクソンとの接合点におけるハイブリッド形成によるスプライシング阻害、スプライソソーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシング阻害、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への移行阻害、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリッド形成によるスプライシング阻害、翻訳開始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始阻害、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成による翻訳阻害、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻害、および−核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド形成による遺伝子発現阻害が挙げられる。
【0027】
このようにアンチセンス核酸は、転写、スプライシングまたは翻訳など様々な過程を阻害することで、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上: 新生化学実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発現 (日本生化学会編, 東京化学同人) pp.319−347, 1993)。
【0028】
本発明で用いられるアンチセンス配列は、上記のいずれの作用により標的遺伝子の発現を抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5’端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的と考えられる。また、コード領域もしくは3’側の非翻訳領域に相補的な配列も使用することができる。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。
【0029】
使用されるアンチセンスDNAは、適当なプロモーターの下流に連結され、好ましくは3’側に転写終結シグナルを含む配列が連結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方法を用いることで、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNAの配列は、形質転換される植物が持つ内在性遺伝子またはその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に抑制できる限りにおいて、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的遺伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。アンチセンス配列を用いて標的遺伝子の発現を効果的に抑制するには、アンチセンスDNAの長さは少なくとも15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに好ましくは500塩基以上である。通常用いられるアンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.5kbよりも短い。
【0030】
内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能である。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことを指す。リボザイムには種々の活性を有するものが存在するが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムに焦点を当てた研究により、RNAを部位特異的に切断するリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型やRNasePに含まれるM1 RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある(小泉誠および大塚栄子: タンパク質核酸酵素, 35: 2191, 1990)。
【0031】
例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自己切断ドメインは、G13U14C15という配列のC15の3’側を切断するが、その活性にはU14とA9との塩基対形成が重要とされ、C15の代わりにA15またはU15でも切断され得ることが示されている(Koizumi M, et al: FEBS Lett228: 228, 1988)。基質結合部位が標的部位近傍のRNA配列と相補的なリボザイムを設計すれば、標的RNA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することができる(Koizumi M, et al: FEBS Lett 239: 285, 1988、小泉誠および大塚栄子: タンパク質核酸酵素 35: 2191, 1990、 Koizumi M, et al: Nucl Acids Res 17: 7059, 1989)。例えば、本発明のDNA(配列番号:2)中には、標的となり得る部位が複数存在する。
【0032】
また、ヘアピン型リボザイムも本発明の目的に有用である。このリボザイムは、例えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイナス鎖に見出される(Buzayan JM: Nature 323: 349, 1986)。ヘアピン型リボザイムからも、標的特異的なRNA切断リボザイムを作出できることが示されている(Kikuchi Y & Sasaki N: Nucl Acids Res 19: 6751, 1991、菊池洋: 化学と生物 30: 112, 1992)。
【0033】
標的を切断できるように設計されたリボザイムは、植物細胞中で転写されるように、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーターおよび転写終結配列に連結される。このとき、転写されたRNAの5’端や3’端に余分な配列が付加されていると、リボザイムの活性が失われることがあるが、こういった場合は、転写されたリボザイムを含むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイム部分の5’側や3’側にシスに働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能である(Taira K, et al: Protein Eng3: 733, 1990、Dzianott AM & Bujarski JJ: Proc Natl Acad Sci USA 86: 4823, 1989、Grosshans CA & Cech TR: Nucl Acids Res 19:3875, 1991、Taira K, et al: Nucl Acids Res 19: 5125, 1991)。また、このような構成単位をタンデムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにすることで、より効果を高めることもできる(Yuyama N, et al: Biochem Biophys Res Commun 186: 1271, 1992)。このように、リボザイムを用いて本発明における標的遺伝子の転写産物を特異的に切断することで、該遺伝子の発現を抑制することができる。
【0034】
内在性遺伝子の発現の抑制は、さらに、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二本鎖RNAを用いたRNA interferance(RNAi)によっても行うことができる。RNAiとは、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二重鎖RNAを細胞内に導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象のことを指す。RNAiの機構の詳細は明らかではないが、最初に導入した二本鎖RNAが小片に分解され、何らかの形で標的遺伝子の指標となることにより、標的遺伝子が分解されると考えられている。RNAiは植物においても効果を奏することが知られている(Chuang CF & Meyerowitz EM: Proc Natl Acad Sci USA 97:4985, 2000)。例えば、植物体におけるAcw6タンパク質をコードするDNAの発現をRNAiにより抑制するためには、Acw6タンパク質をコードするDNA(配列番号:2)またはこれと類似した配列を有する二本鎖RNAを目的の植物へ導入し、得られた植物体から野生型植物体と比較して、細胞壁成分、細胞の形態、あるいは発生分化が改変された植物を選択すればよい。RNAiに用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を有する。また、配列の同一性は上述した手法により決定できる。
【0035】
内在性遺伝子の発現の抑制は、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDNAの形質転換によって起こる共抑制によっても達成できる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子と同一もしくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換により導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象のことを指す。共抑制の機構の詳細は明らかではないが、少なくともその機構の一部はRNAiの機構と重複していると考えられている。共抑制は植物においても観察される(Smyth DR:Curr Biol 7: R793, 1997、Martienssen R: Curr Biol 6: 810, 1996)。例えば、Acw6タンパク質をコードするDNAが共抑制された植物体を得るためには、Acw6タンパク質をコードするDNAまたはこれと類似した配列を有するDNAを発現できるように作製したベクターDNAを目的の植物へ形質転換し、得られた植物体から野生型植物体と比較して細胞壁成分、細胞の形態、あるいは発生分化が改変された植物を選択すればよい。共抑制に用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を有する。また、配列の同一性は上述した手法により決定できる。
【0036】
これにより作出された本発明のDNAの発現が増加された、あるいは抑制された植物体は、細胞壁や細胞形態が正常の個体と比較して変化しうる。ここで「細胞壁の変化」とは、例えば、セルロースなどの細胞壁成分の量的変化、質的変化の変化を指す。また「細胞形態の変化」とは、例えば、細胞の長さや体積の量的変化を指す。子のような改変により、例えば、パルプ等繊維原材料植物の供給効率の増加、細胞壁合成制御による新素材の開発、農作物の有用成分の増加、飼料作物の消化吸収効率の増加、細胞壁合成量増大による植物の成長量の増加、細胞形態の変化による新たな価値を有する植物の作出などを行うことが可能である。
【0037】
ゲノム内に本発明のDNAが導入された形質転換植物体がいったん得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることができる。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラストなど)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。
【0038】
また本発明は、本発明のDNAによりコードされるタンパク質を提供する。蛋白質は、当業者に公知の方法により、天然のタンパク質としての他、遺伝子組み換え技術を利用して調製した組み換えタンパク質として調製することができる。天然のタンパク質は、例えば、後述する方法により調製された組み換えタンパク質をウサギなどの小動物に免疫して得た抗体を適当な吸着体(CNBr活性化アガロースやトシル活性化アガロース)に結合させてカラムを作製し、得られたカラムを利用して本発明のタンパク質を発現する細胞や組織から得た抽出液を精製することにより調製することが可能である。一方、組み換えタンパク質は、常法、例えば、本発明のタンパク質をコードするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを適当な細胞に導入し、該形質転換細胞から精製することにより調製することが可能である。組み換えタンパク質を生産するために用いられる細胞としては、例えば、植物細胞、大腸菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。また、細胞内で組み換えタンパク質を発現させるためのベクターとしては、例えば、植物、酵母細胞用にはプラスミド「pBI121」や「pBI101」(Clontech社製)、大腸菌用にはプラスミド「pET Expression system」(Stratagene社製)や「GST gene fusion Vectors」(Pharmacia社製)、ほ乳類細胞用にはプラスミド「pMAM」(Clontech社製)、昆虫細胞用にはプラスミド「pBacPAK8.9」(Clontech社製)などが挙げられる。ベクターへのDNAの挿入は、常法、例えば、Molecular Cloning(Maniatis et al. Cold Spring harbor Laboratry Press)に記載の方法により行うことができる。また、宿主細胞へのベクターの導入は、常法により宿主細胞に応じてエレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法などの方法で行うことが可能である。得られた形質転換細胞からの本発明の組み換えタンパク質の精製は、タンパク質の性質に応じ、塩析や有機溶媒による沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、免疫吸着体によるカラムクトマトグラフィー、ゲルろ過、SDS電気泳動、等電点電気泳動などを適宜組み合わせて行うことが可能である。また、本発明の組み換えタンパク質をグルタチオンS−トランスフェラーゼなどの標識との融合タンパク質として発現させた場合には、該標識に対するアフィニティークロマトグラフィーなどにより精製することも可能である。
【0039】
また、本発明は、上記本発明のタンパク質に結合する抗体を提供する。本発明の抗体には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体が含まれる。本発明の抗体の調製は当業者に公知の方法(例えば、Molecular cloning(Maniatis et al. Cold Spring harbor Laboratry Press)に記載の方法)により行うことができる。本発明の抗体の調製を行う場合には、本発明のタンパク質全体を免疫する方法の他に、部分ペプチドを免疫して調製することも可能である。本発明の抗体は、本発明のタンパク質の精製や検出などに用いることが可能である。
【0040】
また、本発明は、本発明のタンパク質をコードするDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するDNAを提供する。ここで「特異的にハイブリダイズする」とは、本発明のタンパク質をコードするDNAに実質的にハイブリダイズし、他のタンパク質をコードするDNAに実質的にハイブリダイズしないことを指す。このようなハイブリダイズの条件としては、上述したストリンジェントな条件を例示できる。このようなDNAは、例えば、本発明のDNAを検出または単離するためのプローブとして、また増幅するためのプライマーとして利用することが可能である。
【0041】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、DNAの切断、連結、大腸菌の形質転換、遺伝子の塩基配列決定、ハイブリダイゼーション等一般の遺伝子組換えに必要な方法は、各操作に使用する市販の試薬、機械装置等に添付されている説明書や、実験書(例えば「Molecular cloning (Maniatis T. et al. Cold Spring Harbor Laboratory Press)」)に基本的に従った。また、シロイヌナズナの寒天培地や土壌を用いた育成、交配、ゲノムDNAの調製は実験書(例えば「モデル植物の実験プロトコール(秀潤社)」)に基本的に従った。
【0042】
[実施例1] acw6変異体の形態観察
播種後21℃で生育させた5日目の実生を、非許容温度31℃で2日間生育させ、その根端を光学顕微鏡で観察した。非許容温度下では、実生の各器官の伸長生長は地上部・地下部とも阻害され、細胞の伸長阻害も生じていた。より詳細に変異の影響を調べるため、Satoらの方法(Plant Cell Physiol. 2001, 42:251−63)に従い組織を固定・包埋し、光学・電子顕微鏡観察を行った。根端の切片を観察した結果、細胞が膨張しており、組織・細胞分化の異常が生じていることがわかった。電子顕微鏡による細胞壁微細構造の観察では、細胞壁が波打っていることが明らかとなり、細胞壁の力学的強度に異常が生じていることが示された。
【0043】
[実施例2] acw6変異体の細胞壁の分析
細胞壁粗精製サンプルの調整は、Zablackis(Zablackis, E. et al., Characterization of cell−wall polysaccharides of Arabidopsis thaliana leaves. (1995) Plant Physiol. 107, 1129−1138.)らの方法に従った。調整した細胞壁粗精製サンプルは−80℃で保存し、必要な量を解凍して分析に用いた。
調整した細胞壁サンプルをガラス管に適当量測り取り、2Mのトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、121℃・1時間非結晶多糖(ヘミセルロース・ペクチン)を加水分解する。室温まで自然冷却した後、遠心して上清と結晶多糖(セルロース)に分ける。セルロースは72%HSOで完全に加水分解する。糖定量は、全糖量をフェノール硫酸法 (Dubois, M. et al., Colorimetric method for determination of sugars and related substances. (1956) Anal. Biochem. 28, 350−356. 28, 350−356)で、ウロン酸量をm−ヒドロキシビフェニル法 (Blumenkrantz, N. and Asboe−hansen, H. M. (1973) New method for quantitaive determination of uronic acids. Anal. Biochem. 54, 484−489) で行った。その結果、acw6変異体の非結晶糖とセルロース画分の全糖量が著しく変化していることがわかった。減少の原因を詳細に調べるため、アルディトールアセテート法(York, W. S.,et al., Isolation and characterization of plant cell wall and plant cell components. (1986) Methods enzymol. 118, 3−40)による構成等分析を行った。その結果、acw6変異体の非結晶糖画分では、glucoseの量(1181.7±28.8nmol/mg cell wall)は、wtのそれら(1907.6±158.4nmol/mg cell wall)より減少していた。セルロース画分ではグルコースの量(998.0±17.6nmol/mg cell wall)は、wt(1342.5±31.5nmol/mg cell wall)より減少していた。非結晶糖画分のグルコースは、主としてヘミセルロース由来であり、セルロース画分でのそれはセルロース由来である。ガラクトースやウロン酸などの糖量も変化していた。以上の結果から、acw6変異は細胞壁合成全体に影響を与えることが明らかになった。
【0044】
[実施例3] ACW6遺伝子の単離
まず、ACW6遺伝子の染色体上の位置を決定するために、分子マーカーを用いてマッピングを行った。acw (altered cell wall) 6変異体はシロイヌナズナのコロンビアエコタイプにおいて見出されているので、この同変異体に、別のエコタイプであるランズバーグ・エレクタを交配し、次世代の種子を採種し、それを生育させ、自殖させてF2世代の種子を得た。このF2世代の種子を発芽させ、育成した植物(442個体)からゲノムDNAを抽出した。これらのゲノムDNAを、マーカーとして既知のnga111、SM33および自ら作製したF14K14−f1,r1、F26A9−f1,r1を用いて、同ゲノムDNAに対して、PCR法により組換価を算出した。具体的には、F14K14−f1,r1を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:4/5−GTTTTGTTACTAATGTCAATACGGGG−3」、「配列番号:5/5−GCTCATTGGTCTAGTGCCATGGCAC−3」を用いてF2世代のゲノムDNAをPCR法を用いて増幅させ、アガロース電気泳動で遺伝子型を調べた。その結果、ACW6遺伝子と同マーカーとの間には45染色体で組み換えが認められた。次にnga111を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:6/5−CTCCAGTTGGAAGCTAAAGGG−3」、「配列番号:7/5−TGTTTTTTAGGACAAATGGCG−3」を用いて、F2世代のゲノムDNAをPCRにより増幅させ、アガロース電気泳動で遺伝子型を調べた。その結果、ACW6遺伝子と同マーカーとの間には14染色体で組み換えが認められた。さらに詳細なマッピングを行うため、SM33を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:8/5−AAATAAGAGAGGATCTAAGGTAATC−3」、「配列番号:9/5−ACTATTCTCGGTTTACACATTCCTC−3」を合成し、これらを用いて、F2世代のゲノムDNAをPCR法で増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。その結果、ACW6遺伝子と同マーカーとの間には4染色体で組み換えが認められた。次にF26A9−f1,r1を増幅することができる2種類のPCRプライマー「配列番号:10/5−TAAGAATATCGTTGGCTATAAGG−3」、「配列番号:11/5−CATCAGAGGAGTTCTACTAATAGAGTC−3」を合成し、これらを用いて、F2世代のゲノムDNAをPCR法で増幅させ、アガロース電気泳動で調べた。その結果、ACW6遺伝子と同マーカーとの間には4染色体で組み換えが認められた。SM33マーカーで組み換えが認められた4染色体は、F26A9−f1,r1マーカーでは全て組み換えが認められなかった。同様に、F26A9−f1,r1マーカーで組み換えが認められた4染色体も、SM33マーカーでは組み換えが認められなかった。これらの結果から、ACW6遺伝子が両マーカーの間に存在することが明らかとなった。
【0045】
以上のようにして、ACW6遺伝子を含む染色体上の領域が、SM33、26A9−f1,r1の2つの分子マーカーによって挟まれていることが確認された。そこで、SM33、26A9−f1,r1マーカー間に推定される遺伝子を公的データベース(Arabidopsis Sequence Map Overview;http://www.arabidopsis.org/cgi−bin/maps/Schrom)にて調べ領域の塩基配列チェックを行った。その結果、acw6変異では、機能未知遺伝子の1811位の塩基置換(C→T)と、それによる604位のアミノ酸置換(T→I)として見出された。該遺伝子の全長cDNAを、λZAPIIcDNAライブラリー(STRATAGENE社)より単離し、これをpBI121ベクターにサブクローニング後、アグロバクテリアを介しFloral Dip法 (Clough S.J., Bent A.F. Floral dip: a simplified method for Agrobacterium−mediated transformation of Arabidopsis thaliana. Plant J. (1998) 16: 735−743) により、acw6変異体に導入した。その結果、acw6表現型を野生型に回復することができた。したがって、該遺伝子が、ACW6遺伝子であることが明らかになった。該遺伝子の機能解析のため、推定されるタンパクのアミノ酸配列をもとに、公的データベース検索(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)を行ったところ、U−ボックスモチーフを持つタンパクと高い相同性が認められた。したがって、ACW6遺伝子は、U−ボックスタンパクをコードしていることが明らかとなった。
【0046】
U−ボックスモチーフは、ユビキチンリガーゼとして機能することが酵母などで報告されている。ユビキチンリガーゼ(ユビキチン化因子)は、細胞タンパク質分解の主要経路であるユビキチン・プロテアソーム系で働く酵素であり、特定の標的タンパクに低分子タンパク質であるユビキチンを多数付加する役割を持つ。ユビキチンが多数付加された標的タンパク(ポリユビキチン化タンパク)は、細胞内のタンパク分解装置である26S‐プロテアソームによって認識され分解される。様々な生命現象には、それぞれ特有のタンパク群が関わっているが、それらは特異的なユビキチンリガーゼによってユビキチン化され、特定のプロテアソームによって分解される。したがって、ユビキチンリガーゼは、ユビキチン化によりタンパクを適切な時間と場所で分解させることで、生命現象を制御する役割を持つ(Grima, B. et al. (2002), The F−box protein slimb controls the levels of clock proteins period and timeless. Nature 420:178−182; Del Pozo, J. C. et al. (2002), Arabidopsis E2Fc Functions in Cell Division and Is Degraded by the Ubiquitin−SCF(AtSKP2) Pathway in Response to Light. Plant Cell 14:3057−71)。
【0047】
ユビキチンリガーゼは、動物・植物などの生物一般に広く存在し、ゲノム中で遺伝子ファミリーを形成している。植物のユビキチンリガーゼとしては、F‐ボックスタンパクを中心とするSCF(Skp1タンパク+Cul1タンパク+F−boxタンパク)複合体が知られているが(Spruck, C. H. and Strohmaier, H. M., (2002), Seek and destroy: SCF ubiquitin ligases in mammalian cell cycle control. Cell Cycle 1:250−254)、近年、U−ボックスタンパクもユビキチンリガーゼとして機能することが酵母などで証明されている(Koegl, et al. (1999) A novel ubiquitination factor, E4, is involved in multiubiquitin chain assembly. Cell 96:635−644)。
【0048】
U−ボックスタンパク遺伝子は、高等植物にも一般的に存在しており、高いホモロジーを示している。アラビドプシスゲノム中には、Azevedoらにより37個のU−ボックスモチーフを持ったタンパク質遺伝子(AtPUB1〜37)の存在が推定されている。それらは、U−ボックス以外のモチーフ・ドメインの有無からクラスI〜Vに分類されている。各クラスは、IではU−ボックスモチーフに加えてUFD2−specificモチーフを、IIではアルマジロリピートを、IIIではロイシンリッチドメインを、IVではSer/Thr キナーゼドメインを持ち、VはU−ボックスモチーフのみを持つ。37個のU−ボックスタンパク遺伝子の中で、関与する生命現象が明らかとなっているのはARC1(AtPUB17)のみであり、他がどのような生命現象に関わっているかは、未だ明確にされていない。ACW6U−ボックスタンパクは、上記のAzevedoらの分類に従うと、クラスIIのAtPUB10に相当する。AtPUB10は、C末端側にアルマジロリピートと呼ばれるタンパク間の結合に関与するモチーフを持っている。このアルマジロリピートモチーフにより標的タンパクと結合し、それをユビキチン化する機能を持っていると考えられる。(Spremulli, L. (2000) Protein Synthesis, Assembly, and Degradation. In Biochemistry & Molecular Biology of Plants. Edited by Buchanan, B.B., Gruissem, W. and Jones, R.L. pp. 412−454, Azevedo C. et al., The U−box protein family in plants. (2001). Trends in Plant Science 6:354−358)。
【0049】
ところで、植物の形態形成は、細胞分裂、細胞伸長、細胞分化の各ステップによっておきるが、次のステップへ移行するためには、前ステップに関わるタンパク群のユビキチン化による分解が必須であると言われている(Trewavas, A. (2000) Signal Perception and Transduction. In Biochemistry & Molecular Biology of Plants. Edited by Buchanan, B.B., Gruissem, W. and Jones, R.L. pp. 930−987)。しかしながら、そのような現象に働くユビキチン化因子は未だ同定されていない。
【0050】
以上の結果から本発明者らは、U−ボックスタンパクACW6/AtPUB10遺伝子が、細胞(繊維)伸長、細胞分化、細胞壁合成に関与しているという新規な機能を初めて明らかにした。細胞伸長や分化・細胞壁合成に必要なU−ボックスタンパクの同定は世界で初めてであり、U−ボックスタンパクにより植物の形態形成を制御しうることを証明した最初の例である。
【0051】
【発明の効果】
本発明により、植物の細胞壁合成に関与するタンパク質および遺伝子、並びに該遺伝子の発現を調節することにより細胞壁成分と細胞形態が改変された植物を作出する技術が提供された。植物の細胞壁成分と細胞形態の改変は、例えば、パルプ等繊維原材料植物の供給効率の増加、細胞壁合成制御による新素材の開発、農作物の有用成分の増加、飼料作物の消化吸収効率の増加、細胞壁合成量増大による植物の成長量の増加、繊維細胞形態の変化による新たな価値を有する植物の作出などをもたらすことができるため、農業や工業・園芸の分野において有益である。
【0052】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】acw6変異体の表現型を示す写真である。Aは野生株、Bはacw6変異体を示す。
【図2】acw6変異体の細胞分化を示す写真である。Aは野生株、Bはacw6変異体を示す。
【図3】acw6の細胞壁微細構造を示す写真である。Aは野生株、Bはacw6変異体を示す
【図4】細胞壁成分の分析結果を示す図である。各略語はRha:ラムノース、Fuc:フコース、Ara:アラビノース、Xyl:キシロース、Man:マンノース、Gal:ガラクトース、Glc:グルコース、Uronic acid:ウロン酸を示す。

Claims (22)

  1. 植物由来の下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA。
    (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
    (b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA
    (c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA
    (d)配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  2. 請求項1に記載のDNAを含むベクター。
  3. 請求項1に記載のDNAを発現可能に保持する形質転換細胞。
  4. 請求項1に記載のDNAによりコードされるタンパク質。
  5. 請求項3に記載の形質転換細胞を培養し、発現させた組み換えタンパク質を回収する工程を含む、請求項4に記載のタンパク質の製造方法。
  6. 下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA。
    (a)請求項1に記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA
    (b)請求項1に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA
    (c)植物細胞における発現時に、RNAi効果により、請求項1に記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA
    (d)植物細胞における発現時に、共抑制効果により、請求項1に記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA
  7. 請求項6に記載のDNAを含むベクター。
  8. 請求項1または6に記載のDNAを発現可能に保持する形質転換植物細胞。
  9. 請求項8に記載の形質転換植物細胞を含む植物体。
  10. 細胞壁成分が改変されている、請求項9に記載の植物体。
  11. 細胞壁成分の改変がグルカン量の変化である、請求項10に記載の植物体。
  12. 細胞壁成分の改変がセルロース量の変化である、請求項10に記載の植物体。
  13. 細胞形態が改変されている、請求項9に記載の植物体。
  14. 細胞形態の改変が細胞伸長の変化である、請求項13に記載の植物体。
  15. 細胞形態の改変が細胞の大きさの変化である、請求項14に記載の植物体。
  16. 発生分化が改変されている、請求項9に記載の植物体。
  17. 発生分化の改変が細胞分裂の変化である、請求項16に記載の植物体。
  18. 発生分化の改変が細胞数と細胞の大きさの変化である、請求項17に記載の植物体。
  19. 請求項9に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
  20. 請求項9または19に記載の植物体の繁殖材料。
  21. 請求項4に記載のタンパク質に結合する抗体。
  22. 請求項1に記載のDNAと特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するDNA。
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