JP2001178468A - イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用 - Google Patents
イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用Info
- Publication number
- JP2001178468A JP2001178468A JP36589999A JP36589999A JP2001178468A JP 2001178468 A JP2001178468 A JP 2001178468A JP 36589999 A JP36589999 A JP 36589999A JP 36589999 A JP36589999 A JP 36589999A JP 2001178468 A JP2001178468 A JP 2001178468A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dna
- plant
- ala
- gene
- protein
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/52—Genes encoding for enzymes or proenzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/0004—Oxidoreductases (1.)
- C12N9/0071—Oxidoreductases (1.) acting on paired donors with incorporation of molecular oxygen (1.14)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8261—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
- C12N15/8291—Hormone-influenced development
- C12N15/8297—Gibberellins; GA3
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
Abstract
伝子を提供し、さらに、該遺伝子を利用して植物のGA含
量を調節することにより植物の草型を改変することを課
題とする。 【解決手段】 イネから新規なGA2β-ヒドロキシラーゼ
遺伝子を単離することに成功すると共に、これら遺伝子
を利用して野生型植物体と比較して草型が改変された植
物体を作出することに成功した。
Description
に関与する植物遺伝子およびその利用に関する。
称される基本構造を有する四員環ジテルペノイドカルボ
ン酸(図1A)の巨大なファミリーを作っており、正常な
植物の成長および発育に通常不可欠であるような高等植
物の生活環の多くの過程を調節している(Graebe,J.E.
(1987) Annu.Rev.Plant Physiol.,38,419-465;Hooley,
R.(1994) Plant Mol.Biol.,26,1529-1555)。GA1などの
生物学的活性のあるGA類は、色素体中のシクラーゼ、小
胞体の膜結合型モノオキシゲナーゼ、および細胞質に局
在した可溶性2-オキソグルタル酸-依存型ジオキシゲナ
ーゼの連続作用により、trans-ゲラニルゲラニルニリン
酸から生成される(Hedden,P.and Kamiya,Y.(1997) Ann
u.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.,48,431-460;La
nge,T.(1998)Planta,204,409-419において検証)。現在G
Aの生合成経路は概ね確立されている(図1B)。2-オキソ
グルタル酸-依存型ジオキシゲナーゼは、この生合成経
路の後工程であるGA20-オキシダーゼによるC-20の除去
およびGA 3β-ヒドロキシラーゼによる3β-ヒドロキシ
ル基の導入を含む工程を触媒し、生物学的に活性のある
GAを生成する。第三のジオキシゲナーゼであるGA2β-ヒ
ドロキシラーゼは、2β-ヒドロキシル基を導入し、活性
型に転換できない生物学的に不活性なGAを生成する。
いるcDNAおよびゲノムクローンが、様々な植物種から単
離されている(Hedden,P.and Kamiya,Y.(1997) Annu.Re
v.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.,48,431-460;Lange,
T.(1998) Planta,204,409-419)。これらのクローンの利
用可能性は、GA生合成の調節に関する新たな知見をもた
らしている。例えば、GA 20-オキシダーゼは植物の発育
を通じて示差的に調節されるいくつかの遺伝子によって
コードされているということが示された(Phillips,A.L.
et al.(1995) Plant Physiol.,108,1049-1057;Garcia-
Martinez,J.L.et al.(1997) Plant Mol.Biol.,33,1073-
1084)。GA2β-ヒドロキシラーゼは、生理活性GAの内在
濃度の決定において重要な役割を果たすにもかかわら
ず、これらの酵素の遺伝子はごく最近まで単離されてい
なかった。GA2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子は、ベニバナ
インゲンとシロイヌナズナ(Arabidopsis)の機能的スク
リーニング法により最初に単離された(Thomas,S.G.et a
l.(1999) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,96,4698-4703)。
を含む多くの発育過程に関与している。従って、これら
の過程をGA含量を変更するような化学物質を適用するこ
とによって修飾することは、農業・園芸の分野において
広く行なわれている。例えば、GA3は、種無しブドウの
栽培において漿果の成長を刺激するために使用され(Chr
istadoulou,A.J.et al.(1968) Proc.Am.Soc.Hort.Sci.,
92,301-310)、GA生合成阻害剤は、か穀類や鑑賞植物の
高さを調節するための成長抑制剤として使用されている
(Hedden,P.and Hoad,G. (1994) New York: Marcel Dekk
er, pp.173-198)。化学物質を外来適用する別法は、GA
の生合成を遺伝子操作することによりGAの内在含量を変
更することである。最近のGA生合成に関連したいくつか
の遺伝子クローニングは、この方法の実行可能性を試験
する手段となる。特に、GA 2β-ヒドロキシラーゼをコ
ードしている遺伝子の単離は、トランスジェニック植物
において生理活性GA含量を制御するための強力な手段に
なると考えられる。
コシ、マメ、トマト、シロイヌナズナおよびイネのよう
な様々な植物種から単離されている(Phinney,B.O.(195
6) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,42,185-189;Koornneef,M.
(1978) Arabidopsis Ins.Serv.,15,17-20;Koornneef,
M.et al.(1990) Theor.Appl.Genet.,80,852-857;Reid,
J.B.and Ross,J.J.(1993) Int.J.Plant Sci.,154,22-3
4;Murakami,Y.(1972) Plant Growth Substances 1970.
(Carr,D.J., ed.). Berlin:Splinger-Verlag,pp.166-17
4)。シロイヌナズナの自然突然変異におけるGA生成の減
少によって引き起こされた表現型は、茎伸長と花成にお
けるGAの役割を暗示している (Koornneef,M.and van de
r Veen,J.H.(1980) Theor.Appl.Genet.,58,257-263;Sp
onsel,V.M.et al.(1997) Plant Physiol.,115,1009-102
0)。GA1は、コパリル-ニリン酸シンターゼ(CPS)をコー
ドし、この座のヌル突然変異は、抽だいのない花成を生
じるような長日条件において茎伸長を阻害し、かつ短日
条件において茎伸長と花成の両方を阻害する(Wilson,R.
N.et al.(1992) Plant Physiol.,100,403-408;Sun,T.-
P.and Kamiya,Y.(1994) Plant Cell,6,1509-1518)。GA4
はGA 3β-ヒドロキシラーゼをコードし(Chiang,H.-H.et
al.(1995) Plant Cell,7,195-2015;Williams,J.et a
l.(1998) Plant Physiol.,117,559-563)、GA5およびGA6
は、2個の異なるGA20-オキシダーゼをコードしている(X
u,Y.L.et al.(1995) Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,92,6640
-6644;Sponsel,V.M.et al.(1997) Plant Physiol.,11
5,1009-1020)。GA4とGA5の両方のヌル突然変異は、花の
発育は正常な半矮性を生じるのに対して、GA6の機能喪
失は、短い花序、稔性低下および短い長角果を生じる(S
ponsel,V.M.et al.(1997) Plant Physiol.,115,1009-10
20)。
ている(dx:d35およびdy:dl8)。このイネ矮性突然変異体
は、農業において重要であると思われる。例えば、sd-1
突然変異体は、高い収量、半矮性変種の遺伝的基盤であ
るため、イネの育種(bleeding)において特に重要であ
る。イネのdl8突然変異体は、GA感受性矮性であり、か
つ複数の対立遺伝子が同定されている。例えば、豊雪矮
性(dl8h)、秋晴れ矮性(dl8-AD)、小竹玉錦(dl8K)、およ
び矮稲C(dl8-w)が、様々な親生態型から単離されてい
る。dl8突然変異体におけるGA中間体の分析を基に、こ
れらの突然変異体においては、3β-ヒドロキシGA類への
転換が阻害され、その結果、内在GA20レベルが上昇し、
かつ生理活性のあるGA1含量の劇的低下がもたらされる
ことが実証されている(Kobayashi M. et al., (1989) P
lant Cell Physiol. 30(7): 963-969、Kobayashi M. et
al., (1994) Plant Physiol. 106: 1367-1372、Choi Y
-H. et al., (1995) Plant Cell Physiol.36(6): 997-1
001)。これらの知見は、d18遺伝子が、GA3β-ヒドロキ
シラーゼをコードし、かつ低下したGA1レベルが突然変
異体植物における茎伸長を抑制することを強力に示唆し
ている。
効率的光摂取、風害の減少および農作業の軽減を可能に
すると予想されるため、これは果樹を含む農作物および
園芸作物の育種にとって最も価値のある特徴である。ト
ランスジェニック植物において、生理活性のあるGA類の
内在含量を減少するいくつかの方法が可能である。例え
ば、シロイヌナズナGA 20-オキシダーゼ遺伝子およびタ
バコGA 3β-ヒドロキシラーゼ遺伝子のアンチセンス発
現は、生理活性GA類のレベルを低下させ、半-矮性表現
型を生じた(Coles et al.,(1999) Plant.J.17,547-55
6、Itoh et al.,(1999) Plant.J.20,15-24)。しかしな
がら、この活性型GA生成酵素の遺伝子のアンチセンス発
現による矮性植物の作出法は、同一種内に存在するホモ
ログ遺伝子の発現を抑制できない可能性が高く、また不
活性化ステップの酵素をコードする2βヒドロキシダー
ゼ遺伝子のホメオティックな発現制御の効果により活性
型ジベレリンの半減期が延伸されるため、GAの内生レベ
ルを予測し調節することが困難であり、かつアンチセン
ス構築物が導入されるものと同じ植物種から対応するcD
NAを単離することが必要であるという2つの大きな欠点
がある。
る活性型GAの構造は他の植物においても保存されている
ため、GA2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子のようなGA失活酵
素の遺伝子の過剰発現は、異種の植物種においておそら
く有効であり、更には導入遺伝子発現の修飾により、望
ましいレベルの活性GA含量の調節を容易に行うことがで
きると考えられる。
植物のGA含量の調節において、GA失活酵素を標的とする
ことの利点に鑑みてなされたものであり、その第一の目
的は、植物由来の新規なGA2β-ヒドロキシラーゼ遺伝
子、特にイネ由来の遺伝子を提供することにある。さら
に本発明は、該遺伝子を利用して植物のGA含量を調節す
ることにより植物の草型を改変することをも目的とす
る。
代謝経路は、可溶性2-オキソグルタル酸-依存型ジオキ
シゲナーゼによって触媒された反応である、2β-ヒドロ
キシル化により始まる。本発明者等は、GA含量の調節に
よる草型の改変された植物体の作出のために、イネから
GA 2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子を単離し、その特徴付
けを行なった。
ゼ遺伝子を単離するために、イネのGA2βヒドロキシラ
ーゼ遺伝子、Marah macrocarpusジオキシゲナーゼmRN
A、イネGA20-オキシダーゼ遺伝子、2種のイネのGA 3β
-ヒドロキシラーゼ遺伝子、ならびに他の2-オキソグル
タル酸-依存型ジオキシゲナーゼ遺伝子の推定アミノ酸
配列を比較して設計した縮重プライマーを用いて、イネ
のゲノムDNAを鋳型にPCRを行ない、複数のクローンを得
た。得られたクローンの中からGA2β-ヒドロキシラーゼ
をコードすることが予想されるクローンを選択し、その
配列情報を利用してデーターベース検索を行ない、1つ
のイネESTクローンを得た。次いで、このESTクローンの
配列情報を基に設計したプライマーを利用してイネゲノ
ムDNAを鋳型にPCRを行ない、さらに、これにより得られ
た増幅断片をプローブとしてイネのcDNAライブラリーお
よびゲノムDNAライブラリーのスクリーニングを行なっ
た。その結果、イネGA2β-ヒドロキシラーゼをコード
するゲノムDNAおよびcDNAを単離することに成功した
(イネGA2β-ヒドロキシラーゼをコードするクローンを
「OsGA2ox1」と命名した)。次いで、本発明者等は、得
られたOsGA2ox1 cDNAを大腸菌において発現させて得た
組換えタンパク質の活性の検討を行ない、これら組換え
タンパク質が、C19-GAおよびC20-GAを、対応する2β-ヒ
ドロキシ生成物に転換するGA 2β-ヒドロキシラーゼ活
性を有することを確認した。イネにおけるOsGA2ox1の発
現を解析した結果、その発現は、分化した葉原基、表
皮、および糊粉層の基底領域に局在化していた。さら
に、本発明者等は、OsGA2ox1 cDNAを発現するトランス
ジェニックイネ植物体の作出を行なった結果、これら植
物体が対照の植物体と比較して矮性化することを見出し
た。
β-ヒドロキシラーゼ遺伝子を単離することに成功する
と共に、これら遺伝子を利用して野生型植物体と比較し
て草型が改変された植物体を作出することに成功し、本
発明を完成するに至った。
β-ヒドロキシラーゼ遺伝子およびその利用、特に草型
が改変された植物体の作出のための該遺伝子の利用に関
し、より詳しくは、 (1) ジベレリン2β水酸化酵素活性を有するタンパ
ク質をコードする、下記(a)から(c)のいずれかに
記載のDNA、 (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。 (b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含
むDNA。 (c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/また
は挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコード
するDNA。 (2) 矮性化した植物体を作出するために用いる、
(1)に記載のDNA、 (3) 植物細胞内において内因性の(1)に記載のDN
Aの発現を抑制するために用いる、下記(a)から
(c)のいずれかに記載のDNA、 (a)(1)に記載のDNAまたはその転写産物と相補的
なアンチセンスRNAをコードするDNA。 (b)(1)に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂す
るリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。 (c)共抑制効果により、内因性の(1)に記載のDNA
の発現を抑制するRNAをコードするDNAであって、配列番
号:2に記載の塩基配列からなるDNAと70%以上の相同
性を有するDNA。 (4) (1)から(3)のいずれかに記載のDNAを含
むベクター、 (5) (1)から(3)のいずれかに記載のDNAを発
現可能に保持する形質転換植物細胞、 (6) (5)に記載の形質転換植物細胞を含む形質転
換植物体、 (7) (6)に記載の形質転換植物体の繁殖材料、 (8) (1)に記載のDNAによりコードされるタンパ
ク質、 (9) (1)に記載のDNAを発現可能に保持する形質
転換細胞を培養し、該細胞またはその培養上清から発現
させたタンパク質を回収する工程を含む、(8)に記載
のタンパク質の製造方法、 (10) 植物細胞内において(1)に記載のDNAの発
現量を調節することを特徴とする、植物の生長を改変す
る方法、 (11) 植物細胞内において(1)に記載のDNAの発
現量を調節することを特徴とする、植物の草型を改変す
る方法、 (12) 植物細胞内で(1)から(3)のいずれかに
記載のDNAを発現させる、(10)または(11)に記
載の方法、を提供するものである。
新規なGA2β-ヒドロキシラーゼおよび該酵素をコード
するDNAを提供する。本発明のDNAに含まれる、本発明者
らにより単離されたOsGA2ox1 cDNAの塩基配列をぞれぞ
れ配列番号:2に、OsGA2ox1タンパク質のアミノ酸配列
をそれぞれ配列番号:1に示す。
るタンパク質をコードする1,146bpのオープンリーディ
ングフレームを含む。該cDNAによりコードされるタンパ
ク質は、GA生合成に関与するジオキシゲナーゼに保存さ
れたアミノ酸配列(図2A参照)を有し、また、活性部位
でFeに結合しているアミノ酸残基を保持していた。ま
た、他のGA 2β-ヒドロキシラーゼとその配列において
有意な相同性を示した。さらに、該cDNAによりコードさ
れるタンパク質は、広範なC19-GA類から2β-ヒドロキシ
生成物を生じさせる活性を有していた。従って、本発明
者等により単離されたOsGA2ox1 cDNAは、GA2β-ヒドロ
キシラーゼをコードしていると考えられる。
うな活性のある3β-ヒドロキシル化されたGA類のレベ
ル、およびGA20 やGA9のようなそれらの直前の前駆体の
レベルを直接調節して、生物不活性な2β-ヒドロキシ化
されたGAを生成する。実際、本発明者等が単離したOsGA
2ox1 cDNAがコードする組換えタンパク質は、広範なC19
-GA類を対応する2β-ヒドロキシ生成物へ転換する活性
を有していた。従って、本発明のGA2β-ヒドロキシラー
ゼおよび該酵素をコードするDNAは、生物不活性GAの製
造に利用することが可能である。
への外来GAおよび/またはGA生合成阻害剤の適用の作用
から、GA類が植物の生長にとって必須かつ強力なレギュ
レーターであることが明らかとなっている。これらは、
比較的草丈の高い植物の生長における広範な事象に影響
を及ぼし、茎伸長の刺激にも関与している。実際に、本
発明のOsGA2ox1 cDNAを発現させた植物体は、重度に矮
小化された。従って、本発明のGA 2β-ヒドロキシラー
ゼおよび該酵素をコードするDNAは、植物の生長を改変
させ、例えば、野生型とは異なる草型の植物体を作出す
ることに利用することも可能である。植物の草型の改
変、殊に、矮性化には、高い植栽密度、効率的光摂取、
風害の減少、農作業の軽減など様々な利点が存在し、こ
のことは果樹を含む農作物および園芸作物の育種にとっ
て最も価値のある特徴である。
者に公知の方法により、組み換えタンパク質として、ま
た天然のタンパク質として調製することができる。組み
換えタンパク質は、後述するが、例えば、本発明のGA2
β-ヒドロキシラーゼをコードするDNA(例えば、配列番
号:2)を適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを
適当な細胞に導入し、該形質転換細胞から精製すること
により調製することが可能である。また、天然のタンパ
ク質は、例えば、調製した組み換えタンパク質若しくは
その部分ペプチドを適当な免疫動物に免疫することによ
り調製した抗体を結合したアフィニティーカラムに、本
発明のタンパク質を発現しているイネの組織などから調
製した抽出液を接触させて、該カラムに結合するタンパ
ク質を精製することにより調製することができる。
生型タンパク質(配列番号:1)の機能を保持したま
ま、その一部のアミノ酸を改変したタンパク質が含まれ
る。このようなタンパク質を調製するための当業者によ
く知られた方法としては、例えば、site-directed muta
genesis法(Kramer, W.and Fritz,H.-J. Methods in En
zymology, 154: 350-367, 1987)が挙げられる。また、
アミノ酸の変異は自然界において生じることもある。本
発明のGA2β-ヒドロキシラーゼには、このように天然
型のタンパク質のGA2β-ヒドロキシラーゼ活性を保持し
たまま、そのアミノ酸配列において1もしくは複数のア
ミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたタ
ンパク質が含まれる。タンパク質におけるアミノ酸の改
変部位および改変個数は、改変後のタンパク質がGA2β-
ヒドロキシラーゼ活性を有する限り、特に制限はない。
アミノ酸の改変は、一般的には、50アミノ酸以内であ
り、好ましくは30アミノ酸以内であり、さらに好ましく
は10アミノ酸以内であり、さらに好ましくは3アミノ酸
以内であると考えられる。
活性」とは、反応基質であるC19-GA類(例えば、GA1、G
A4、GA9、GA20)を与えた際に、対応する2β-ヒドロキ
シ生成物を反応生成物として合成する活性を指す。該活
性は、一般的には、発現ベクターに得られたcDNAを挿入
し、融合タンパク質として大腸菌内で過剰発現させ、そ
の結果得られる細胞抽出液を酵素液として、反応基質で
あるC19-GA類、および補因子である鉄イオン、2オキソ
グルタル酸の存在下で反応をin vitroで行なわせ、最終
的に反応生成物(2β-ヒドロキシ生成物)をGC-MSによ
って確認することにより検出することができる。
シラーゼをコードするDNAを提供する。このDNAには、本
発明のGA2β-ヒドロキシラーゼをコードしうる限り、cD
NAおよびゲノムDNAの双方が含まれる。OsGA2ox1タンパ
ク質をコードするDNAは、cDNAであれば、例えば、配列
番号:2に記載の塩基配列情報を基に設計したプライマ
ーを用い、イネから単離した全RNA(例えば、花序由来
の全RNA)を鋳型とした逆転写PCRを行なうことにより調
製することができる。また、ゲノムDNAは、例えば、配
列番号:2に記載の塩基配列情報を基に設計したプライ
マーを用い、イネのゲノムDNAを鋳型にPCRを行なうこと
により調製することができる。
コードするDNAは、例えば、組換えタンパク質の製造に
用いることができる。組換えタンパク質の製造は、例え
ば、下記のようにして行なうことができる。まず、pMAL
-c2発現ベクター(NEB社)のマルチクローニングサイト
に対し、予め制限酵素サイトを設けたプライマーを用い
てRT-PCRにより合成した全長cDNAをサブクローニングす
る。この構築物を、定法により、BL21(プロテアーゼ欠
失株)に形質転換する。これにより得られる形質転換体
を用いてタンパク質の誘導を行う。大腸菌は、2xYT、
0.2%グルコースの培地で37℃振とう培養する。OD600が
0.6前後になったところで、IPTGを最終濃度1mMとなるよ
うに加え、更に18℃で24時間培養する。酵素液の抽出に
関しては、培養後、集菌し、これをsuspend buffer(50m
M Tris-HCl, pH8.0, 10%グリセロール, 2mM DTT, 1mg/m
l リゾチーム)に溶かす。懸濁液を4℃にて30分放置
後、-80℃にて、凍結するまでインキュベートする。凍
結した懸濁液を解凍し、SONICATOR(HEAT SYSTEMS-ULTRA
SONICS,INC.MODEL W-225R)を用いて、MAXレベルにて、3
0秒間、5分のインターバルをおき、2回超音波処理を行
う。処理した懸濁液を遠心(15,000rpm, 4℃, 20分)
し、その上清を粗酵素液とすることができる。
本発明のGA2β-ヒドロキシラーゼをヒスチジンタグ、マ
ルトース結合タンパク質、グルタチオン-S-トランスフ
ェラーゼ(GST)と融合した形態で大腸菌などで発現さ
せ、これをそれぞれニッケルカラム、アミロースカラ
ム、GST-グルタチオンカラムにて精製することにより行
なうことができる。さらに、精製後は、必要に応じて、
スロンビンやファクターXaなどの制限プロテアーゼを利
用して上記タグを切り離すこともできる。
れた遺伝子は、生物不活性GAの生産を通じて植物の生長
に関係していると考えられ、従って、これら遺伝子の発
現を調節することにより、植物の生長を制御することが
できると言える。特に、これら遺伝子は、植物の節間の
生長に関与していると考えられるため、植物の草丈の制
御などに利用することができる。植物の草丈を制御する
ことには、産業上の種々の利点が存在する。例えば、植
物体内における本発明の遺伝子の発現を増加させて、草
丈を減少させることにより、植物を倒れにくくすること
ができ、その結果、子実重量を増加させることが可能と
なる。また、草丈を減少させ、1株あたりの植物体の形
をよりコンパクトにすることにより、単位面積あたりに
作付できる植物体の個体数を増加させることができる。
このことは、特に、イネをはじめ、ムギ、トウモロコシ
などの農作物の生産において大きな意義を有する。また
本発明のGA2β-ヒドロキシラーゼをコードするDNAは、
矮性花卉などへの応用、矮性果樹などへの応用も考えら
れる。一方、植物体内における本発明の遺伝子の発現を
抑制させて、草丈を増加させることにより、植物体全体
の収量を増加させることも考えられる。このことは、例
えば、飼料用作物全体の収穫量を向上させる上で有意義
である。
めに、本発明の遺伝子の発現を抑制する方法としては、
当業者に公知の種々の方法を用いることができる。ここ
で「遺伝子の発現の抑制」には、遺伝子の転写の抑制、
タンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、遺伝子発
現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。
抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方
法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけ
るアンチセンス効果は、エッカーらが一時的遺伝子発現
法を用いて、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNAが
植物においてアンチセンス効果を発揮することで初めて
実証した(J.R.EckerおよびR.W.Davis, Proc.Natl.Acad.
USA.83:5372,1986)。その後、タバコやペチュニアにお
いても、アンチセンスRNAの発現によって標的遺伝子の
発現を低下させる例が報告されており(A.R.van der Kro
lら Nature 333:866,1988)、現在では植物における遺伝
子発現を抑制させる手段として確立している。
制する作用としては、以下のような複数の要因が存在す
る。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポ
リメラーゼによって局部的に開状ループ構造がつくられ
た部位とのハイブリッド形成による転写抑制、合成の進
みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、
イントロンとエキソンとの接合点でのハイブリッド形成
によるスプライシング抑制、スプライソソーム形成部位
とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、mRNA
とのハイブリッド形成による核から細胞質への移行抑
制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリ
ッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開始因子結合
部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑制、開始コ
ドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成に
よる翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位と
のハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻止、およ
び核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド
形成による遺伝子発現抑制などである。これらは、転
写、スプライシング、または翻訳の過程を阻害して、標
的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上「新生化学
実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発現」,日本生化学会
編,東京化学同人,pp.319-347,1993)。
上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を抑制してもよ
い。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5'端近傍の非
翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺
伝子の翻訳阻害に効果的であろう。しかし、コード領域
もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配列も使用し得
る。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領
域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利
用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用されるアン
チセンスDNAは、適当なプロモーターの下流に連結さ
れ、好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連
結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方
法で、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNA
の配列は、形質転換する植物が持つ内在性遺伝子(若し
くはその相同遺伝子)またはその一部と相補的な配列で
あることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に阻害でき
る限り、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNA
は、標的とする遺伝子の転写産物に対して好ましくは90
%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。ア
ンチセンス配列を用いて、効果的に標的遺伝子の発現を
阻害するには、アンチセンスDNA の長さは、少なくとも
15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さ
らに好ましくは500塩基以上である。通常、用いられる
アンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.
5kbよりも短い。
ザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能であ
る。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことを
いう。リボザイムには種々の活性を有するものがある
が、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムの研
究により、RNAの部位特異的な切断を目的とするリボザ
イムの設計が可能となった。リボザイムには、グループ
Iイントロン型や、RNasePに含まれるM1RNAのように400
ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘ
ッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活
性ドメインを有するものもある(小泉誠および大塚栄子,
タンパク質核酸酵素,35:2191,1990)。
己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3'側を切断する
が、活性にはU14が9位のAと塩基対を形成することが重
要とされ、15位の塩基はCの他にAまたはUでも切断され
ることが示されている(M.Koizumiら,FEBS Lett.228:22
5,1988)。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍のRNA
配列と相補的になるように設計すれば、標的RNA中のU
C、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切
断リボザイムを作出することが可能である(M.Koizumi
ら,FEBS Lett. 239:285,1988, 小泉誠および大塚栄子,
タンパク質核酸酵素,35:2191,1990, M.Koizumiら, Nucl
eic Acids Res. 17:7059,1989)。本発明者等により単離
されたOsGA2ox1遺伝子(配列番号:2)中にはリボザイ
ムの標的となりうる部位が多数存在する。
目的のために有用である。ヘアピン型リボザイムは、例
えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAの
マイナス鎖に見出される(J.M.Buzayan Nature 323:349,
1986)。このリボザイムも、標的特異的なRNA切断を起こ
すように設計できることが示されている(Y.Kikuchiおよ
びN.Sasaki Nucleic Acids Res. 19:6751,1992, 菊池
洋,化学と生物 30:112,1992)。
ムは、植物細胞中で転写されるようにカリフラワーモザ
イクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーターお
よび転写終結配列に連結される。しかし、その際、転写
されたRNAの5'末端や3'末端に余分な配列が付加されて
いるとリボザイムの活性が失われてしまうことがある。
このようなとき、転写されたリボザイムを含むRNAから
リボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイ
ム部分の5'側や3'側に、トリミングを行うためのシスに
働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能
である(K.Tairaら, Protein Eng. 3:733,1990, A.M.Dzi
anottおよびJ.J.Bujarski Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 8
6:4823,1989, C.A.GrosshansおよびR.T.Cech Nucleic A
cids Res.19:3875, 1991, K.Tairaら Nucleic Acids Re
s. 19:5125, 1991)。また、このような構成単位をタン
デムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるよ
うにして、より効果を高めることもできる(N.Yuyamaら
Biochem.Biophys.Res.Commun.186:1271,1992)。このよ
うなリボザイムを用いて本発明で標的となる遺伝子の転
写産物を特異的に切断し、該遺伝子の発現を抑制するこ
とができる。
的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDNA
の形質転換によってもたらされる共抑制によっても達成
されうる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子と
同一若しくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換に
より導入すると、導入する外来遺伝子および標的内在性
遺伝子の両方の発現が抑制される現象のことをいう。共
抑制の機構の詳細は明らかではないが、植物においては
しばしば観察される(Curr.Biol.7:R793,1997,Curr.Bio
l.6:810,1996)。例えば、本発明の遺伝子が共抑制され
た植物体を得るためには、本発明の遺伝子若しくはこれ
と類似した配列を有するDNAを発現できるように作製し
たベクターDNAを目的の植物へ形質転換すればよい。共
抑制に用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である
必要はないが、好ましくは70%以上、さらに好ましくは
80%以上、さらに好ましくは90%以上(例えば、95%以
上)の配列の同一性を有する。配列の相同性は、FASTA
検索 (Pearson W.R. and D.J. Lipman (1988)Proc. Na
tl. Acad. Sci.USA. 85:2444-2448)やBLAST検索により
決定することができる。
するDNAまたはその発現を抑制する機能を有するDNAを利
用して、植物の生長を改変するためには、該DNAを適当
なベクターに挿入して、これを植物細胞に導入し、これ
により得られた形質転換植物細胞を再生させればよい。
用いられるベクターとしては、植物細胞内で挿入遺伝子
を発現させることが可能なものであれば特に制限はな
い。植物細胞内での恒常的な遺伝子発現を行うためのプ
ロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの
35Sプロモーター)を有するベクターを用いることが可
能である。また、植物の組織特異的なプロモーターを用
いれば、植物の特定の組織、例えば、葉や花、実などを
特異的に改変させることが可能であるかもしれない。組
織特異的プロモーターとしては、種子特異的プロモータ
ーとしてインゲンマメのβーファセオリン(Bustosら
(1991) EMBO J. 10:1469-1479)やダイズのグリシニン
(Lelievreら (1992) Plant Physiol. 98:387-391)、
葉特異的プロモーターとしてはエンドウのRbcS遺伝子
(Lam and Chua (1990) Science 248:471-474)やコム
ギのCab1遺伝子(Gotornら (1993) Plant J. 3:509-51
8)、根特異的 なプロモーターとしてはタバコのTobRB7
遺伝子(Yamamotoら (1991) Plant Cell 3:371-382)や
アグロバクテリウム・リゾゲネスのrolD遺伝子(Elmaya
n and Tepfer (1995) Transgenic Res 4:388-396)が
挙げられる。また、外的な刺激により誘導的に活性化さ
れるプロモーターを有するベクターを用いることも可能
である。ベクターを挿入する植物細胞としては、導入す
る遺伝子の由来と同一の植物であることが好ましいが、
それに制限されない。実際、本発明者等は、シロイヌナ
ズナ由来の遺伝子を導入したタバコ植物体が矮性化する
ことを実証している。なお、ここでいう「植物細胞」に
は、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プ
ロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。植物
細胞へのベクターの導入は、ポリエチレングリコール
法、電気穿孔法(エレクトロポーレーション)、アグロ
バクテリウムを介する方法、パーティクルガン法など当
業者に公知の種々の方法を用いることができる。形質転
換植物細胞からの植物体の再生は公知の方法により行な
うことが可能である。これにより形質転換植物体が作出
されれば、該植物体からその繁殖媒体(例えば、種子、
塊茎、切穂など)を得て、これを基に本発明の形質転換
植物体を量産することも可能である。
明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
においては、イネ種子(Oryza sativa、ジャポニカ型栽
培品種:日本晴)を、1%NaClO中で1時間不稔化し、寒天
培地に移植した。実生苗は、温室で、30℃(明期)およ
び24℃(暗期)で生育させた。また、下記実施例における
ヌクレオチド配列の決定は、自動シークエンシングシス
テム(ABI377)を用い、ジデオキシヌクレオチド・チェー
ン・ターミネーション法により行なった。cDNAおよびゲ
ノムクローンは、大きいイントロンを含む両方の鎖にお
いて完全に配列決定した。cDNAとアミノ酸配列の分析
は、コンピュータソフトウェアLASERGENE(DNASTAR, In
c., Madison, WI)を用いて実施した。
シラーゼ遺伝子の単離 イネ(Oryza sativa 、ジャポニカ型栽培品種:日本晴)
由来のゲノムDNAを増幅するために、推定上のシロイヌ
ナズナ GA 2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子(AtGA2ox3)(DD
BJアクセション番号C72618に対するcDNA)、Marah macr
ocarpaのジオキシゲナーゼのmRNA(寄託番号Y09113;Mac
Millan,J.et al.(1997) Plant Physiol.,113,1369-137
7)、イネGA 20-オキシダーゼ遺伝子(寄託番号U50333;T
oyomasu,T.et al.(1997) Physiol.Plant.,99,111-11
8)、イネGA 3β-ヒドロキシラーゼ遺伝子、および別の2
-オキソグルタル酸-依存型ジオキシゲナーゼ遺伝子の保
存領域から設計された2個の縮重オリゴヌクレオチドプ
ライマーを作製した(フォワードプライマー、5'-GGNTTY
GGNGARCAYWCNGAYCC-3'/配列番号:3;およびリバース
プライマー、5'-GGISHISCRAARTADATIRTISWIA-3'/配列
番号:4)。イネのゲノムDNAを鋳型としてPCR反応を行
ない、これにより増幅された断片(約80bp)を、pCRII(In
vitrogen, Carlsbad, CA)にクローニングし、かつそれ
らの配列を確認した。64種の個別のクローン中の1種
は、新規の2-オキソグルタル酸-依存型ジオキシゲナー
ゼ-様アミノ酸を含み、イネのGA 2β-ヒドロキシラーゼ
遺伝子をコードしていると予想された。この部分的アミ
ノ酸配列を用いて、DDBJヌクレオチド配列データベース
を検索し、イネのGA 2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子をコ
ードしていると予想され、かつ花成段階の穂に由来する
1種のイネESTクローンを得た(寄託番号C72618)。このES
Tクローン配列を基にオリゴヌクレオチドプライマーを
設計し(フォワードプライマー、5'-GCGGCGTTCTTCGCG-3'
/配列番号:5;および、リバースプライマー、5'-CTA
TTGTGAATGAGTACATT-3'/配列番号:6)、かつ鋳型とし
てイネゲノムDNAと共にPCRにおいて使用した。増幅した
断片をpCRII(Invitrogen, Carlsbad, CA)にクローニン
グし、かつその配列を確認した。この230bp断片をプロ
ーブとして用い、更にcDNAとゲノムクローンをスクリー
ニングした。
構築されたcDNAライブラリーおよびSau3AIにより部分消
化されたイネゲノムDNAから構築されたゲノムライブラ
リーを、前述のように調製したプローブを用いてスクリ
ーニングした。ハイブリダイゼーションを、5×SSC(1×
SSCは0.15M NaCl、15mMクエン酸ナトリウム)、5×デン
ハート液(1×デンハート液は、0.02%Ficoll、0.02%PV
P、0.02%BSAを含む。)、0.5%[w/v]SDS、および20mg/L
サケ精巣DNA中で、65℃で14時間行い、かつフィルター
を2×SSC、O.1%[w/v]SDSにより室温で洗浄した。
命名した。このcDNAは、アミノ酸382残基からなるタン
パク質をコードする1,146bpのオープンリーディングフ
レームを含んでいた(配列番号:2)。これは、GA生合成
のジオキシゲナーゼにおいて保存された配列を有し、前
述のようにHis-241、Asp-243、およびHis-302(番号はOs
GA2ox1アミノ酸配列上の位置である)を含んでいる。こ
のアミノ酸配列をベニバナインゲンおよびシロイヌナズ
ナ(Thomas,S.G.et al.(1999) Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
96,4698-4703)、およびエンドウ(Lester et al.,(1999)
Plant J.19:65-73)から得られたGA 2β-ヒドロキシラ
ーゼcDNAのアミノ酸配列と並置したところ、OsGA2ox1が
GA 2β-ヒドロキシラーゼの一員に属すことが示された
(図2A)。しかしながら、これらのジオキシゲナーゼ間の
系統的関係は、双子葉植物由来のGA2β-ヒドロキシラー
ゼcDNA類は、互いのアミノ酸同一性が比較的高い(49-68
%)が、OsGA2ox1とは相同性が有意に低い(36%未満)
ことが明らかになった(図2B)。
している対応するゲノムDNAもクローニングした。この
ゲノムDNA配列とcDNA配列を比較することによって、OsG
A2ox1は、3個のエクソンと2個のイントロンからなるこ
とが明らかにされた。このエクソン/イントロン構造
も、AtGA2ox3コード配列において保存されている。
ーゼの機能 イネのGA 2β-ヒドロキシラーゼの完全な長さのcDNA
を、pMAL-c2発現ベクター(New England Biolabs, Bever
ly, MA)へと翻訳融合体としてセンス方向で挿入した。
得られた構築物pMAL- OsGA2ox1を、大腸菌株JM109内で
発現させた。細菌細胞を、0.2%[w/v]グルコースおよび
100mg/Lアンピシリンを含有する2×YT培地上で一晩37℃
で培養した。一晩培養した後、培養物を新鮮な培地で50
0倍希釈し、30℃で振盪培養した。増殖がCD600で0.7に
達した時点で、IPTGを最終濃度1mMとなるように添加
し、17℃で更に24時間再度培養した。これらの細菌細胞
を収集し、洗浄バッファー(50mM Tris、pH 8.0、10%[w
/v]グリセロール、2mM DTT)で洗浄し、1g/Lリゾチーム
を含有する洗浄バッファー中に再懸濁し、かつ氷上で30
分間静置した。
て遠心し、その上清をSDS-PAGEにかけ、融合タンパク質
の発現を確認した。この上清を用いて、広範なC19-GA
類、GA 1、GA4、GA9およびGA20からなるGA基質の2H-標識
物と共にインキュベーションし、GC/MSによって同定し
た。その結果、C19-GA類の各々は、OsGA2ox1タンパク質
によって、対応する2β-ヒドロキシ生成物に転換された
(図3)。GA19とGA53の転換はOsGA2ox1タンパク質によっ
て生じず、これらは両方共開環したラクトン型を有する
ことが判明した。
キシラーゼ遺伝子の発現 (1)RNAゲルブロット分析 RNAゲルブロット分析のために、イネ由来の全RNAを様々
な組織(栄養期の茎頂、幼若葉、茎、葉身、葉鞘、根、
花序茎頂、苞穎、および花軸)から個別に調製した。各
RNA調製物10μgを、1.2%アガロースゲル上で電気泳動
し、その後Hybond N+メンブレン(Amersham, Buckingham
shire, England)上に転写し、プローブとしてHindIII-E
coRV断片(OsGA2ox1 cDNAの230bp断片)を用い、ハイブ
リダイゼーションを行なった。ハイブリダイゼーション
は、5×SSC、5×デンハート液、0.5%[w/v]SDS、および
20mg/Lサケ精子DNA中で、65℃で14時間実施した。この
フィルターを、2×SSC、0.1%[w/v]SDS中で65℃で洗浄
し、更に0.2×SSC、0.1%[w/v]SDSで65℃で洗浄した。
その結果、全ての器官から得たRNAにおいて、1本の濃い
バンドが検出された(図4)。バンドのサイズは、約1.6kb
であり、cDNAクローンとほぼ同じサイズであった。
細に決定するために、プローブとしてジゴキシゲニンで
標識したOSGA2ox1アンチセンス鎖RNAを用いて、in situ
ハイブリダイゼーション実験を行った。植物材料は、0.
1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.4)を溶媒とした4%
[w/v]パラホルムアルデヒドおよび0.25%[w/v]グルタル
アルデヒド中で、4℃で一晩固定し、段階的エタノール
シリーズおよびt-ブタノールシリーズを用いて脱水し(S
ass,A.E.(1958) Botanical Micro Technique,3rd ed.Io
wa State University Press.)、かつ最終的にParaplast
Plus(Sherwood Medical)中に包埋した。ミクロトーム切
片(厚さ7-10μm)を、スライドガラスに載せ、Vectabond
(Vector Laboratory,)で処理した。ジゴキシゲニンで標
識したセンスおよびアンチセンスRNAによるハイブリダ
イゼーション、およびハイブリダイゼーションされたプ
ローブの免疫学的検出は、 KouchiおよびHataの方法(Ko
uchi,H.and Hata,S.(1993) Mol.Gen.Genet.,238,106-11
9)に従って行った。これにより検出された発芽中のイネ
種子におけるOsGA2ox1の発現パターンを図5に示した。O
sGA2ox1 mRNAの存在を示す紫色の染色が、茎頂端分裂組
織の葉の着生点、表皮、および糊粉層に、輪状に認めら
れた。
るほぼ中央の縦方向の切片を示している。OsGA2ox1の発
現は、茎頂端分裂組織の反対側隣接部上のシグナル対の
ようにも見える(図5B)。点状の発現も、分化した葉原基
の基底領域に認められた。別の胚の領域において、OsGA
2ox1発現は、胚盤の最外層、表皮および糊粉層に認めら
れた(図5C)。しかしながら、センス鎖RNAプローブでハ
イブリダイゼーションした対照切片は、バックグラウン
ド染色以上のシグナルは示さなかった(図5D)。
を示している。パネルEの線1、2、3、および4は、各
々、図5F、4G、4Hおよび4Iに示された横断面のおおよそ
の面を示している。一連の断面(図5F、4G、4Hおよび4I)
において認められたOsGA2ox1発現を重ねることによっ
て、縦方向の切片において茎頂端分裂組織と第一葉原基
の境界に局在したOsGA2ox1の点状の発現(図5Bおよび4E)
が輪の形状であることが明らかになった。同様に、分化
した葉原基の基底領域における点状の発現も、太い維管
束系の周囲に局在化したシグナルに対応していた(図5
F、5G、5Hおよび5I)。
び糊粉層は、それぞれ、葉の成長および広がり(expanti
on)のため、および発芽時に胚乳の貯蔵デンプンを加水
分解するα-アミラーゼ遺伝子発現の誘発のためには、
高レベルの生理活性のあるGA1を必要とする。その結
果、分化した葉原基の基底領域、表皮および糊粉層にお
けるOsGA2ox1の発現は、これらの組織における急激なGA
1の蓄積を調節する際に重要な役割を果たすと考えられ
る。OsGA2ox1は、この部位でGA1を失活し、過剰なGA1が
発育プログラムの混乱を引き起こすような外側組織へと
生理活性GAが外部流出することを防ぐと考えられる。
葉原基の境界領域で、輪状の発現パターンとして発現さ
れる。このような発現パターンは、生理活性GA含量の調
節を通じて、OsGA2ox1が、植物のホメオボックス遺伝子
の可能性のある機能において提唱されているフィトマー
(phytomer)と称される植物体の分節単位(segmental uni
t)を規定する事象形成の初期パターンに関与するか、も
しくは、応答することを示している(Schneeberger,R.G.
et al.(1995) Genes Devel.,9,2292-2304;Sato,Y.et a
l.(1998) Plant Mol.Biol.,38,983-998)。あるいは、Os
GA2ox1発現とその結果生じるGA1含量の減少は、後胚発
生段階において将来の節間に印をつける。このことは、
OsGA2ox1の輪状発現が、茎頂端分裂組織の周囲の葉の着
生点の直下に認められ、ここではあらゆる可視できる節
または節間の分化が認められるようになる前は、節間は
遅れて発育するという事実を示唆している。
けるイネGA 2β-ヒドロキシラーゼ遺伝子の過剰発現 OsGA2ox1遺伝子産物のin vivo活性、およびGA 2β-ヒド
ロキシラーゼ遺伝子発現の遺伝子操作によるトランスジ
ェニック植物中のGA内在含量を変更する可能性を評価す
るために、そのcDNAクローンをトランスジェニックイネ
植物において過剰発現した。イネGA 2β-ヒドロキシラ
ーゼの完全長cDNAを、XbaI-EcoRV断片として切断し、か
つイネアクチンプロモーターとハイグロマイシン耐性バ
イナリーベクターpAct-Hm2のノパリンシンターゼ(NOS)
ポリアデニル化シグナルの間に挿入した。このベクター
は、pBI-H1の変形であり(Ohta,S.et al.(1990) Plant C
ell Physiol.,31,805-813)、アクチンプロモーターを含
んでいる。得られた構築物を「pAct-OsGA2ox1」と称し
た。対照ベクターとして使用した「pAct-GUS」は、アク
チンプロモーターとpAct-Hm2のNOSターミネーターの間
へβ−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を導入することに
より作製した。「pAct-OsGA2ox1」および「pAct-GUS」
を、電気穿孔法により、Agrobacteriumtumefaciens株EH
A101に導入した。Agrobacteriumを媒介したイネ(Oryza
sativaL. cv. Nippon-bare)の形質転換を、Tanakaらの
方法(特願平11-206922)に従い、カルスを用いて行っ
た。トランスジェニックイネ植物を、50mg/Lハイグロマ
イシン含有培地上で選択した。ハイグロマイシン耐性植
物を、土壌に移植し、30℃(昼間)および24℃(夜間)の16
時間明期/8時間暗期のサイクルで成長させた。
スジェニックイネ植物が作製された。予想されたよう
に、OsGA2ox1 cDNAを過剰発現している全ての形質転換
体は、矮性表現型を示した(図6)。p35S::AtGA2ox3トラ
ンスジェニックタバコ植物とは対照的に、pAct::OsGA2o
x1で形質転換された複数のイネ植物は、同じ表現型を示
さなかったが、異なる形質転換体における様々な導入遺
伝子発現レベルによって主に引き起こされた現象である
茎伸長の阻害の幅を有した(図6A)。軽度に矮小化された
植物は約50cmに成長したが(図6C)、極度に矮小化された
植物は最終的な高さが15cm未満であり(図6E)、これは野
生型イネの高さのほぼ半分であった(図6B)。他のトラン
スジェニックイネ植物の草丈は、この範囲で変化した
(図6D)。葉身の長さも、矮性の草丈に相関して短くなっ
た。
性化に関与する新規な酵素および遺伝子、並びに該遺伝
子の発現を調節することにより植物体内におけるジベレ
リン活性が改変された植物が提供された。本発明によ
り、植物体内のジベレリン活性化を改変させ、植物の草
型を人為的に改変することが可能となった。植物体内の
ジベレリンの不活性化により、特に伸長生長の抑制によ
って引き起こされる植物の矮性を誘起できる。このた
め、例えば、イネにおいては多肥料によって生育を促し
ても背丈が伸びすぎて倒伏してしまうこともなくなる。
また、葉の受光量の効率が上昇するため収量の大幅な増
加が期待できる。さらに収穫や生育管理の作業の効率化
も図ることが可能である。また、植物体内における本発
明の遺伝子の発現を抑制して、植物体内のジベレリン活
性化を促進することにより、植物体全体の収量を増加さ
せることも考えられる。このことは、特に、飼料用作物
全体の収穫量を向上させる上で有意義である。
構造を示す。 b:高等植物における主要なGA生合成経路を示す。
2及びAtGA2ox3)、ベニバナインゲン(PcGA2ox1)、及びエ
ンドウ(PsGA2ox1及びPsGA2ox2)の推定アミノ酸配列を整
列した図である。 B:GA 2β-ヒドロキシラーゼに関する系統学的な関係を
示した図である。
である。組換えOsGA2ox1タンパク質を、3Hで標識したGA
1,GA4,GA9,GA20,GA44及びGA53とインキュベーションし
た。産物はHPLCにより分離し、GC/MSにより同定した。
器官におけるOsGA2ox1の発現を示す図である。栄養期の
茎頂(レーン1)、幼若葉(レーン2)、茎(レーン
3)、葉身(レーン4)、葉鞘(レーン5)、根(レー
ン6)、花序茎頂(レーン7)、苞穎(レーン8)、及
び花軸(レーン9)から全RNAを抽出し、OsGA2ox1cDNA
断片を用いてハイブリダイズした。
織におけるin situ mRNAの局在性を示す図である。紫色
の染色は、OsGA2ox1 mRNAの存在を示している。 (A)播種3日目のイネ胚を中央縦方向に切断 (B)茎頂端分裂組織隣接部を拡大 (C)表皮細胞及び糊粉層隣接部を拡大 (D)対照としてセンス鎖RNAプローブを用いて、イネ胚
を中央縦方向に切断 (E)イネの栄養期の茎頂端分裂組織を縦方向に切断。
線1、2、3及び4は、それぞれパネルF、G、H及びIに
示された横断面のおおよその面を示す。 (F)(G)(H)及び(I)は、パネル(E)のイネ栄養
期の茎頂端分裂組織を順に切断したものである。
ェニックイネ植物の表現型を示す図である。 (A)栄養期の野生型イネ(c)及びAct::OsGA2ox1(1
〜5)トランスジェニックイネの全形態 (B)花成期の野生型イネ (C)軽度に矮小化されたAct::OsGA2ox1トランスジェニ
ックイネの表現型 (D)中間的な矮小性を示すAct::OsGA2ox1トランスジェ
ニックイネの表現型 (E)極度に矮小化されたAct::OsGA2ox1トランスジェニ
ックイネの表現型 (B)から(E)に表示されているバーの大きさは、10cm
である。
Claims (12)
- 【請求項1】 ジベレリン2β水酸化酵素活性を有する
タンパク質をコードする、下記(a)から(c)のいず
れかに記載のDNA。 (a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタン
パク質をコードするDNA。 (b)配列番号:2に記載の塩基配列のコード領域を含
むDNA。 (c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において1若
しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/また
は挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコード
するDNA。 - 【請求項2】 矮性化した植物体を作出するために用い
る、請求項1に記載のDNA。 - 【請求項3】 植物細胞内において内因性の請求項1に
記載のDNAの発現を抑制するために用いる、下記(a)
から(c)のいずれかに記載のDNA。 (a)請求項1に記載のDNAまたはその転写産物と相補
的なアンチセンスRNAをコードするDNA。 (b)請求項1に記載のDNAの転写産物を特異的に開裂
するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。 (c)共抑制効果により、内因性の請求項1に記載のDN
Aの発現を抑制するRNAをコードするDNAであって、配列
番号:2に記載の塩基配列からなるDNAと70%以上の相
同性を有するDNA。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のDNA
を含むベクター。 - 【請求項5】 請求項1から3のいずれかに記載のDNA
を発現可能に保持する形質転換植物細胞。 - 【請求項6】 請求項5に記載の形質転換植物細胞を含
む形質転換植物体。 - 【請求項7】 請求項6に記載の形質転換植物体の繁殖
材料。 - 【請求項8】 請求項1に記載のDNAによりコードされ
るタンパク質。 - 【請求項9】 請求項1に記載のDNAを発現可能に保持
する形質転換細胞を培養し、該細胞またはその培養上清
から発現させたタンパク質を回収する工程を含む、請求
項8に記載のタンパク質の製造方法。 - 【請求項10】 植物細胞内において請求項1に記載の
DNAの発現量を調節することを特徴とする、植物の生長
を改変する方法。 - 【請求項11】 植物細胞内において請求項1に記載の
DNAの発現量を調節することを特徴とする、植物の草型
を改変する方法。 - 【請求項12】 植物細胞内で請求項1から3のいずれ
かに記載のDNAを発現させる、請求項10または11に
記載の方法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36589999A JP3829157B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用 |
EP00987655A EP1245680B1 (en) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | Gibberellin 2 beta-hydroxylase genes of rice and uses thereof |
US10/168,423 US7057088B2 (en) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | Gibberellin 2β-hydroxylase genes of rice and uses thereof |
CA002394807A CA2394807A1 (en) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | Gibberellin 2.beta.-hydroxylase genes of rice and uses thereof |
DE60034897T DE60034897D1 (de) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | Gene der gibberellin 2 beta-hydroxylase aus reis und deren verwendungen |
AU23983/01A AU778133B2 (en) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | Gibberellin 2beta-hydroxylase genes of rice and uses thereof |
KR1020027008234A KR20020064964A (ko) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | 벼 유래의 지베렐린 2β수산화효소 유전자 및 그 이용 |
CN00818652A CN1425070A (zh) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | 水稻赤霉素2β-羟化酶基因及其用途 |
PCT/JP2000/009036 WO2001048215A1 (fr) | 1999-12-24 | 2000-12-20 | GENES DE GIBBERELLINE 2β-HYDROXYLASE ISSUS DU RIZ ET LEUR UTILISATION |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36589999A JP3829157B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001178468A true JP2001178468A (ja) | 2001-07-03 |
JP3829157B2 JP3829157B2 (ja) | 2006-10-04 |
Family
ID=18485401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36589999A Expired - Fee Related JP3829157B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用 |
Country Status (9)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7057088B2 (ja) |
EP (1) | EP1245680B1 (ja) |
JP (1) | JP3829157B2 (ja) |
KR (1) | KR20020064964A (ja) |
CN (1) | CN1425070A (ja) |
AU (1) | AU778133B2 (ja) |
CA (1) | CA2394807A1 (ja) |
DE (1) | DE60034897D1 (ja) |
WO (1) | WO2001048215A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109844107A (zh) * | 2016-08-17 | 2019-06-04 | 孟山都技术公司 | 通过操纵赤霉素代谢增加可收获产量的用于矮株型植物的方法和组合物 |
CN109844107B (zh) * | 2016-08-17 | 2024-05-28 | 孟山都技术公司 | 通过操纵赤霉素代谢增加可收获产量的用于矮株型植物的方法和组合物 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3783777B2 (ja) | 2002-09-20 | 2006-06-07 | 独立行政法人農業生物資源研究所 | 新たな機能を持つジベレリン2−酸化酵素遺伝子およびその利用 |
WO2005026345A1 (ja) * | 2003-09-12 | 2005-03-24 | Riken | 植物矮小化遺伝子 |
CN103993024B (zh) * | 2014-06-03 | 2017-01-18 | 南京农业大学 | ‘南通小方柿’DkGA2ox2 基因及其表达载体和应用 |
CA3089883A1 (en) | 2018-02-15 | 2019-08-22 | Monsanto Technology Llc | Compositions and methods for improving crop yields through trait stacking |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002518005A (ja) * | 1998-06-12 | 2002-06-25 | ザ ユニバーシティ オブ ブリストル | 酵 素 |
AU778179B2 (en) | 1999-12-20 | 2004-11-18 | National Institute Of Agrobiological Sciences | Gibberellin 3 beta-hydroxylase genes of rice and uses thereof |
-
1999
- 1999-12-24 JP JP36589999A patent/JP3829157B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2000
- 2000-12-20 AU AU23983/01A patent/AU778133B2/en not_active Ceased
- 2000-12-20 DE DE60034897T patent/DE60034897D1/de not_active Expired - Lifetime
- 2000-12-20 US US10/168,423 patent/US7057088B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2000-12-20 CA CA002394807A patent/CA2394807A1/en not_active Abandoned
- 2000-12-20 EP EP00987655A patent/EP1245680B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2000-12-20 WO PCT/JP2000/009036 patent/WO2001048215A1/ja active IP Right Grant
- 2000-12-20 KR KR1020027008234A patent/KR20020064964A/ko active IP Right Grant
- 2000-12-20 CN CN00818652A patent/CN1425070A/zh active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109844107A (zh) * | 2016-08-17 | 2019-06-04 | 孟山都技术公司 | 通过操纵赤霉素代谢增加可收获产量的用于矮株型植物的方法和组合物 |
CN109844107B (zh) * | 2016-08-17 | 2024-05-28 | 孟山都技术公司 | 通过操纵赤霉素代谢增加可收获产量的用于矮株型植物的方法和组合物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20030159179A1 (en) | 2003-08-21 |
EP1245680A1 (en) | 2002-10-02 |
EP1245680B1 (en) | 2007-05-16 |
KR20020064964A (ko) | 2002-08-10 |
WO2001048215A1 (fr) | 2001-07-05 |
DE60034897D1 (de) | 2007-06-28 |
US7057088B2 (en) | 2006-06-06 |
AU2398301A (en) | 2001-07-09 |
EP1245680A4 (en) | 2004-05-26 |
JP3829157B2 (ja) | 2006-10-04 |
AU778133B2 (en) | 2004-11-18 |
CA2394807A1 (en) | 2001-07-05 |
CN1425070A (zh) | 2003-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5689042A (en) | Transgenic plants with altered senescence characteristics | |
US8426677B2 (en) | Method of controlling plant growth and architecture by controlling expression of gibberellin 2-oxidase | |
US8034992B2 (en) | Gibberellin 2-oxidase genes and uses thereof | |
JP3183407B2 (ja) | エチレンに対する修正された応答をもつ植物 | |
JP2002518005A (ja) | 酵 素 | |
CA2629363A1 (en) | Emp4 gene | |
JP3783777B2 (ja) | 新たな機能を持つジベレリン2−酸化酵素遺伝子およびその利用 | |
US5877400A (en) | Transgenic methods and compositions for producing parthenocarpic fruits and vegetables | |
US6127532A (en) | Lectin cDNA and transgenic plants derived therefrom | |
JPH11514222A (ja) | 植物グルタチオンs−トランスフェラーゼプロモーター | |
JP4621361B2 (ja) | ネオザンチン開裂酵素遺伝子を用いるトランスジェニック植物 | |
JP3829157B2 (ja) | イネ由来のジベレリン2β水酸化酵素遺伝子およびその利用 | |
US6635811B1 (en) | Pre-harvest sprouting | |
EP1002086A1 (en) | Materials and methods relating to a plant regulatory protein | |
KR20020064352A (ko) | 벼 유래의 지베렐린 3β수산화효소 유전자 및 그 이용 | |
JPWO2008029942A1 (ja) | 活性型サイトカイニン合成酵素遺伝子の利用 | |
US5773288A (en) | Plant genes affecting gibberellic acid biosynthesis | |
US20020152495A1 (en) | Plants having seedless fruit | |
JP3781622B2 (ja) | イネ由来のジベレリン3β水酸化酵素遺伝子およびその利用 | |
US6989472B1 (en) | cDNA sequence transcribing an mRNA encoding the terminal oxidase associated with carotenoid biosynthesis, and uses thereof | |
JP2001352851A (ja) | トランスジェニック植物及びその作製方法 | |
MXPA98009118A (en) | Method and transgenic compositions to produce fruits and vegetables partenocarpi | |
JP2003180372A (ja) | 植物の細胞壁合成および細胞形態形成に関与する遺伝子とその利用 | |
CA2315900A1 (en) | Apple mads-box protein, gene encoding said protein, antibody against said protein, method for detecting transcript of said gene or protein expressed therefrom and process for preparing transgenic plant containing said gene | |
JP2003334085A (ja) | ブラシノライド応答性遺伝子およびその利用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20031201 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040616 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050930 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051118 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20051118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060210 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060403 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060517 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060531 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |