JP4210527B2 - ２本のパイプを取外し可能に連結するための瞬間連結部 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧された液体が通過する２本のパイプを取外し可能に連結するための瞬間連結部に関する。
【０００２】
【従来の技術】
仏国特許発明第 2 514855 号明細書は、２つの要素である軸線に沿って係合させて、雌要素の本体内に取付けられたバルブを開けるために適合された雄要素と雌要素とから成る瞬間連結部を開示する。雄要素と係合するため、この本体は、この本体内で摺動するために取付けられ、中央開口部を貫通する荷重掛止部を有する。この掛止部の開口部の壁が、この開口部の中央軸線に沿って互いにずらしてある３つの歯を形成する。その一方で雄要素は、これらの歯のうちの１つに選択的に掛止するための１つの肩部を有する。この公知の連結部の開錠動作では、雄要素の肩部が、中間の歯に接触し、そして開口部に一番近い歯に接触する２つのステップで実施される。雄要素が、その肩部によってこの開口部の一番近い歯に掛止すると、この雄要素に連結された導管内に含まれる空気が、この雄要素の破裂なしに又はこの雄要素に連結されているパイプの跳ねと飛び動作なしに外部に追い出される。
【０００３】
この従来の配置は、堅牢さと信頼性の観点で申し分ない。
【０００４】
しかしながら、雄要素がその肩部によって中間の歯に接触していると、この肩部は、この中間の歯に作動力を及ぼす。この作動力は、雄要素に連結されているパイプ内に存在する液体の圧力に依存する。この作動力は、雄要素の本体内の掛止部の摺動を妨害する摩擦を含む。これらの摩擦の作動力を克服するためには、中間の歯の解放位置に向かって掛止部分を弾性的に荷重する強力なスプリングを使用することが必要である。このことは、雄要素を雌要素内に差込むことを可能にするため、このスプリングがもたらす作動力としての連結部の連結間の妨害を克服しなければならないことを証明している。
【０００５】
換言すれば、上述したタイプの連結部が比較的高い圧力を伴って使用されるときに、この連結部の操作が困難になる。このような連結部は、６又は 10bar、さらに 25barでの流路網に対して使用できるようにする必要がある。この場合、手動で操作するのは非常に困難である。
【０００６】
実質的に、雄連結要素の規格化されている幾何構造を変更すべきではない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、液体の圧力が比較的高いときでも、容易に操作される標準化された瞬間連結部を提供することにある。
【０００８】
【発明の実施の形態】
この目的のために、本発明は、雄要素がその肩部によって中間の歯に掛止するときに、周囲の大気に通じている下流パイプを設置する手段を有する上述したタイプの連結部に関する。
【０００９】
雄連結部が中間の歯に接触している間に、下流管中の液体が、本発明によって排水される。この排水操作が終了する結果として、この下流管内にかかっている圧力が、実質的に雰囲気圧に等しく、肩部が、中間の歯に大きな作動力を及ぼさない。このことは、掛止部を容易に操作することを可能にする。
【００１０】
本発明の有益的であるが任意の側面によれば、この連結部は、１つ以上の以下の特徴を有する：
−上述した連絡手段は、バルブの下流で雄要素の本体中に形成された少なくとも１つの孔を有する。雄連結部が、その肩部によって雌要素の中央導管の開口部から一番離れている歯に掛止するときに、この孔は、この雄連結部によって有利に閉鎖される。換言すれば、連結部が連結されているときに、この孔は閉ざされている。さらに、この孔は、雄要素と雌要素との係合軸線に対してほぼ放射状にある方向に延在している。
−この連絡手段は、掛止部が摺動する部分とは別の雌要素の本体の領域内に配置されている。本発明のこの側面によって、下流管から流入する液体が掛止部の摺動を阻害する危険がない。
−連絡手段は、掛止部が摺動する雌要素の本体部分の上流に配置されている。
−雌要素は、雄要素とこの雌要素との間の連結を確実に固定するために適合された手段を有する。その一方で、この雄要素が中間の歯に掛止したときは、この雄要素は、この固定手段に対して連結を解く。こうして、この固定手段は、下流管の排水を阻害しない。
【００１１】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【００１２】
図１〜４では、連結部が、上流管Ｃ₁ と下流管Ｃ₂ とにそれぞれ連結された雄要素Ａと雌要素Ｂとから構成されている。上流管Ｃ₁ 自体は、加圧下の液体の源流に連結されている（図示せず）。
【００１３】
雌要素の本体１は、軸線Ｘ−Ｘ′を中心にしたほぼシリンダ状で円形な外形を有する。この軸線Ｘ−Ｘ′は、導管１１の長手軸線でもある。軸線Ｘ−Ｘ′に沿って移動するバルブ２が、この本体１内に配置されている。本体１は、バルブ用の台座を形成しかつ溝部１２に沿って配置されているシール３を有する。
【００１４】
本体１は、Ｏリング４を受けるための第２溝部１３を形成する。
【００１５】
この本体１は、Ｘ−Ｘ′軸線に対して垂直な軸線Ｙ−Ｙ′の方向にほぼ延在しているシリンダ状のハウジング１４も有する。
【００１６】
掛止部５が、ハウジング１４内に摺動可能に取付けられている。スプリング６が、ハウジング１４の低部１４ａとは逆向きの、すなわち開口部１４ｂの方向に弾性力Ｆ₁ をこの掛止部５に加える。作動力Ｆ₁ 下の掛止部５の移動は、ハウジング１４の肩部１４ｃに接触する突出部５１によって制限される。
【００１７】
スプリング６は、形状的に切頭されていて、掛止部５の外面に形成された補強部５６に係合している。
【００１８】
掛止部５は、軸線Ｘ−Ｘ′に対して平行な軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅に中心合わせされた中央開口部５２を有する。この開口部５２は、３つの歯によって仕切られている。
【００１９】
第１歯５３は、軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅に対してほぼ垂直な面５３ａを形成する。
【００２０】
第２歯５４は、スプリング６に対向する掛止部５の側面に形成されている。この第２歯５４は、軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅に対してほぼ垂直な面５４ａを形成する。
【００２１】
第３歯５５は、スプリング６に最も近い掛止部５の側面に配置されていて、軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅に対してほぼ垂直な面５５ａを形成する。
【００２２】
これらの歯５３，５４，５５は、開口部５２の周囲から軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅の方向に延在している。歯５３は、導管１１の開口部１５から最も離れている。その一方で歯５５は、この開口部に最も近い。歯５４は、歯５３と歯５５との間にある。
【００２３】
外気Ｅに通じる孔１６が、バルブ２の下流で導管１１に接続する。実際には、図３，４中で分かるように、複数の孔１６を軸線Ｘ−Ｘ分の回りに分散してもよい。これらの孔の１つを符号１６′で示す。例示したように、本体１が、軸線Ｘ₅ −Ｘ'₅の周りに120 °間隔で分散された３つの孔１６′を有する。
【００２４】
歯５３，５４，５５のうちの１つの歯に選択的に接触するため、雄連結部Ｂは、肩部７２を形成するフランジ７１を備えた金属体７から構成されている。
【００２５】
フランジ７１は、傾斜したランプ７３も有する。このランプ７３は、切頭され、本体７の前端部７４の方向に収束している。
【００２６】
機能を以下に示す：
要素Ｂが要素Ａに係合しているときは、機能は仏国特許発明第 2 514 855号明細書の公知の連結部の機能と似ている。
【００２７】
これは、図１の位置を実現することを可能にする。この位置では、液体の流れが矢印Ｆ₂ によって示されたいる。この位置では、連結部ＢがＯリング４に接触している。このＯリングは、連結部の外側への漏れを阻止する。
【００２８】
図１の構造では、本体７が孔１６，１６′を閉鎖する。
【００２９】
この位置から要素Ａと要素Ｂとの連結を解く場合、作動力Ｆ₁ に対抗する作動力Ｆ₃ を掛止部５に加えるだけで十分である。この作動力Ｆ₃ は、掛止部５をハウジング１４内で低部１４ａの方向に摺動させる作動力を有する。このことは、歯５３とフランジ７１との連結を解くことを可能にする。歯５４は、この解除によって肩部７２の係合進路に設置される。そして、この肩部７２は、面５４ａに接触する。図２中にしめされたこの位置では、本体７の前端部７４がバルブ２とＯリング４とに対してその連結が解かれている一方で、孔１６は、本体７の内側の容積に通じている。このことは、液体が矢印Ｆ₄ によって示されているように下流管Ｃ₂ から外部Ｅに向かって流れることを可能にする。上流管Ｃ₁ 内に位置する液体が、バルブ２の上流に残留する。このバルブ２は、導管１１の上流部分内にかかる圧力Ｐの影響下で台座３に対して動かないように接触する。
【００３０】
容積７５内の圧力Ｐ′が、流れＦ₄ によって急激に低下する。その結果、肩部７２と面５４ａとの間の摩擦の作動力が急激に減少する。圧力のこの作動力が下限値に達すると、作動力Ｆ₁ が、この作動力よりも優勢になり、スプリング６が、掛止部５を図３の位置に向かって押す。この場合、連結部７が、面５５ａと肩部７２との連動によって一定の場所に効果的に保持される。面７２と面５４ａとの間の摩擦の作動力が比較的弱いので、スプリング６が掛止部５を図３の位置に向かって戻すために及ぼす作動力Ｆ₁ は、たとえ元の圧力Ｐが比較的高くても非常に大きくする必要はない。すなわち、この作動力Ｆ₁ は孔１６，１６′を通じた管の排水後に発生するので、この作動力Ｆ₁ はこの圧力Ｐに依存しない。
【００３１】
このとき、スプリング６のばね定数は、比較的小さい値に選択してもよい。そのため、使用者は、その使用者が加えなければならない作動力Ｆ₃ が大きすぎる負担であるとは感じない。
【００３２】
次いで、雄要素Ｂは、図４中の矢印Ｆ'₃によって示されたように掛止部５を新たに押すことによって最終的に取り外される。この押圧には、歯５５をフランジ７１に対して引っ込める作用がある。連結部Ｂは、この場合には矢印Ｆ₅ によって示されたように引き出してもよい。
【００３３】
本発明は、中間の歯に接触しているときに下流管を排水することを可能にする、その結果図２の位置から図３の位置へ移行するための作動力を減少させる、すなわちにスプリング６のばね定数を小さくすることができる。このばね定数は、公知の装置におけるばね定数よりも小さいので、掛止部５をハウジング１４内で移動させるために加えるべき作動力Ｆ₃ 又はＦ'₃は小さくてよい。
【００３４】
孔１６，１６′がハウジング１４とは別の本体１の領域１７内に設置されているという事実は、−使用者がその使用者の指で掛止部の外面５６又はボタン５を本能的に強く押すことになるかもしれない、及び、下流管Ｃ₂ が完全に排水される前に、連結が完全に解かれることをもたらすかもしれない−流れＦ₄ の本流が、ハウジング１４の内部に向かって進み、作動力Ｆ₃ に逆らって掛止部５を押すことを阻止する。
【００３５】
したがって、本発明は、雄要素Ｂが雌要素Ａから引き出される前に、管Ｃ₂ が効率良く排水されることを保証する。
【図面の簡単な説明】
【図１】雄要素と雌要素とがロックされている本発明の瞬間連結部の軸線方向部分を示す。
【図２】連結を解く第１ステップ中の図１に類似の部分を示す。
【図３】連結を解く第２ステップ中の図１に類似の部分を示す。
【図４】雄要素と雌要素との連結を解いたときの図１に類似の部分を示す。
【符号の説明】
Ａ 雌要素
Ｂ 雄要素
Ｃ₁ 上流パイプ
Ｃ₂ 下流パイプ
１ 本体
２ バルブ
３ シール
４ Ｏリング
５ 掛止部
６ スプリング
７ 金属体
１１ 導管
１２ 溝部
１３ 第２溝部
１４ ハウジング
１５ 開口部
１６ 孔
１６′ 孔
１７ 領域
５１ 突出部
５２ 開口部
５３ 第１歯
５４ 第２歯
５５ 第３歯
５６ 補強部，外面
７１ フランジ
７２ 肩部
７３ ランプ
７４ 前端部
７５ 容積

Claims (7)

1. 連結部が、互いに軸線方向に係合するために適合された雄要素及び雌要素である２つの要素から構成され、この雄要素と係合するため、雌要素の本体が、この本体内で摺動するために取付けられ、中央開口部を貫通する荷重掛止部を有し、この掛止部の開口部の壁が、この開口部の中央軸線に沿って互いにずらしてある３つの歯を形成し、その一方でこの雄要素は、これらの歯のうちの１つに選択的に掛止するための１つの肩部を有する、加圧された液体が通過する２本のパイプを取外し可能に連結するための瞬間連結部において、この連結部は、雄要素（Ｂ）がその肩部（７２）によって中間の歯（５４）に掛止するときに下流管（Ｃ₂ ）を周囲の大気（Ｅ）に通じさせる手段（１６，１６′）を有することを特徴とする瞬間連結部。
2. 通じさせる手段は、雌要素（Ａ）の本体（１）内の可動のバルブ（２）の下流でこの本体（１）中に形成された少なくとも１つの孔（１６，１６′）から成ることを特徴とする請求項１に記載の瞬間連結部。
3. 雄要素（Ｂ）がその肩部（７２）によって雌要素（Ａ）の中央開導管（１１）の開口部から最も離れている歯（５３）に掛止するときに、孔（１６，１６′）がこの雄要素（Ｂ）によって閉鎖されるように適合されていることを特徴とする請求項２に記載の瞬間連結部。
4. 孔（１６，１６′）は、雄要素（Ｂ）と雌要素（Ａ）との係合軸線（Ｘ−Ｘ′）に対してほぼ放射状にある方向に延在していることを特徴とする請求項２又は３に記載の瞬間連結部。
5. 連絡手段（１６）は、掛止部（５）が摺動する（Ｆ₁ ，Ｆ₃ ）部分（１４）とは別の雌要素（Ａ）の本体（１）の領域（１７）内に配置されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の瞬間連結部。
6. 連絡手段（１６）は、掛止部（５）が摺動する（Ｆ₁ ，Ｆ₃ ）雌要素（Ａ）の本体（１）の部分（１４）の上流に配置されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の瞬間連結部。
7. 雌要素（Ａ）は、雄要素とこの雌要素との間の連結を確実に固定するために適合された手段（４）を有すること、及び、この雄要素がその肩部（７２）によって中間の歯（５４）に掛止したときは、この雄要素は、この固定手段に対して連結を解くことを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の瞬間連結部。

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