JP4210073B2 - 回動機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回動機構に関する。本発明は特に、開閉動作やオンオフ動作を実現するための機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回動動作する自動開閉機構は多く存在する。これらは、開閉部材に直接的に力を働きかけることによって開閉させるので、その開閉に必要な駆動力は開閉部材の質量や重力に大きく左右される。したがって、多くの場合、モータのような高トルクの機構を用いることにより、開閉部材へ直接加える駆動力を発生させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、モータを用いて駆動力を発生させると、その動作音の大きさや電力消費の大きさが問題にされる場合がある。開閉機構を搭載する製品によってはその静粛性や電力消費低減の面で高い要求がなされる場合があり、高い駆動力を維持しながらこれらの要求を満たすのは容易でない。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的はより小さな力で大きな機構を制御する新たな構成を提案する点にある。本発明の別の目的は、大きな機構の制御に必要な電力を低減する点にある。さらに別の目的は、大きな機構の制御における静粛性を高める点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のある実施の形態は回動機構である。この回動機構は、第1部材および第2部材を含み、第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持され、当該回動機構はさらに、その方向が回動の方向を決定する付勢力を第1部材の力点に対して与える印加部と、付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を印加部に対して加えるトリガ部と、を備える。
【0006】
「第1部材」は、第2部材との係合点を中心に回動する部材であり、「第2部材」は、第1部材を支持する部材である。「付勢力」は、第1部材を回動させる働きと、第1部材を所定位置で安定させる働きを併せ持ってもよい。「印加部」は、第1部材を一定方向に付勢する働きをもち、バネなどの弾性部材で構成されてもよい。
【0007】
「変位力」は、印加部の付勢方向に対して略垂直に加えられるので、付勢力の大きさにかかわらず仕事量が小さい。したがって、第1部材の質量が大きく、これを印加部が付勢力によって支持する場合にも、付勢方向を変化させるのに必要な変位力は小さくてよい。なお、完全に垂直ではない場合、垂直と前後する角度の大きさに応じて付勢力方向を変位させるのに必要な仕事量が大きくなる。「トリガ部」は、第1部材の質量や印加部の付勢力の大きさにかかわらず小さな変位力を生じさせられればよいので、例えば形状記憶合金の形状回復力を用いて変位力を発生させてもよい。
【0008】
本発明の別の実施の形態もまた回動機構である。この回動機構は、第1部材および第2部材を含み、第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持される。この回動機構はさらに、その方向が回動の方向を決定する付勢力を第1部材の力点に対して与える印加部と、付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を印加部に対して加えるトリガ部と、を備え、印加部およびトリガ部を介した間接的な力を第1部材に加えることにより、回動対象である第1部材に直接的な力を加えるよりも小さな力で回動動作を実現する。なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態における回動機構は、形状記憶合金の形状回復力をトリガにしてバネの付勢力方向を変化させて、アーム状の部材を回動させる構造を有する。
【0010】
図1は、本実施形態の回動機構の構成を示す。回動機構10は、第1部材12、第2部材14、および台座38を備える。第1部材12および第2部材14は、長尺状の部材にて形成される。台座38は、平板状の部材にて形成される。第2部材14は、その長尺方向が台座38の平面に対して垂直となるように固定される。第1部材12の左端および第2部材14の上端に設けられる係合点24で両者は互いに連結される。第1部材12は、その長尺方向が図のように第2部材14の長尺方向に対して略垂直となる位置と、第2部材14の長尺方向に対して略平行となる位置との2位置間である約90度の角度範囲を回動する。またこれらの2位置において第1部材12の状態は安定する。本実施形態の回動機構10は、例えば電気スタンドのように先端に電球が取り付けられたアームを開閉する機構として利用できる。
【0011】
係合点24において、回転軸としての部材が第1部材12および第2部材14のそれぞれに設けられた軸孔を連通し、係合点24を中心として第1部材12が回動する。この回動機構10は、弾性部材16、第1線材18、第2線材20、および係止部材22をさらに備える。弾性部材16は、特許請求の範囲における「印加部」に相当する。第1線材18、第2線材20、および係止部材22の集合は、特許請求の範囲における「トリガ部」に相当する。
【0012】
弾性部材16は、第1部材12の右端に対して付勢力を与える部材であり、例えば付勢力の方向に張力を生じさせる引きバネを用いてもよい。この弾性部材16の付勢力は、第1部材12の回動方向を決定する働きを有する。弾性部材16は、その一端が第1部材12の力点26に取り付けられ、他端が係止部材22の変位点30に取り付けられる。
【0013】
第1線材18、第2線材20、および係止部材22は、弾性部材16による付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を弾性部材16に対して加える。第1線材18および第2線材20は、二方向性形状記憶効果をもつ形状記憶合金で形成され、その温度変化で発生する形状回復力が、係止部材22を介して弾性部材16に変位力として伝達される。すなわち、形状記憶合金により、熱エネルギーを力学的エネルギーに変換することによって変位力を発生させている。さらに、形状記憶合金に熱エネルギーを加えるためにこれを通電する手法を採る場合、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換することによって変位力を発生させることとなる。なお、第1線材18および第2線材20は、収縮した形状を記憶させた形状記憶合金細線である。
【0014】
第1線材18および第2線材20は、これらの一端が固定部39の第1取付部48と第2取付部49にそれぞれ取り付けられ、他端が係止部材22へ取り付けられる。これらの各取り付け部分は、それぞれ第1線材18および第2線材20へ通電するための電極として機能する。第1線材18および第2線材20のいずれかが通電されると、その通電された線材が収縮する方向で形状回復力が生まれ、その後で非通電状態にされるとその線材は元の状態へ伸長する。
【0015】
係止部材22は、第1線材18または第2線材20の形状回復力を変位力として弾性部材16に伝達する。係止部材22は、その略中央に位置する軸点28を中心として揺動可能に第2部材14に軸着される。係止部材22は、軸点28に設けられた軸孔を貫通する回転軸を介して第2部材14に取り付けられる。係止部材22の右端に位置する変位点30に弾性部材16の左端が取り付けられる。
【0016】
係止部材22の左右端のそれぞれに第1線材18および第2線材20のいずれかが取り付けられる。係止部材22の左右端のいずれかに形状記憶合金の形状回復力が加わったときに係止部材22全体が揺動し、その揺動による変位点30の移動が変位力として弾性部材16に伝達される。
【0017】
図2は、第1部材12、第2部材14、および係止部材22の連結構造を詳細に示す。第1部材12における第2部材14へ連結する側の端部と、第2部材14における第1部材12へ連結する側の端部には、それぞれ係合点24となる位置に軸孔が設けられ、これらの軸孔に回転軸を連通させることによって第1部材12を回動可能に支持する。第1部材12には切欠部44が形成され、第2部材14には突出部46が形成される。突出部46の下面は斜面状に形成され、切欠部44の内面もまた斜面状に形成される。これら両斜面の角度は、第1部材12が第2部材14に対して略垂直に位置したときに両斜面が互いに当接するように形成される。これにより、第1部材12と第2部材14がなす角度が約90度になったときに上記二つの斜面同士が当接し、それ以上開かないよう開き角度を制限する。
【0018】
第2部材14の上端部と、係止部材22の略中央上端部には、それぞれ軸点28となる位置に軸孔が設けられる。この軸孔を回転軸が貫通して係止部材22と第2部材14が互いに連結される。
【0019】
図3は、第1部材12が略垂直に開いたときの通電状態および各線材の状態の関係を示す。図示する通り、第1取付部48および第2取付部49と、係止部材22とは、電源36を介して結線される。電源36と第1取付部48の間には第1スイッチ32が設けられ、電源36と第2取付部49の間には第2スイッチ34が設けられる。第1スイッチ32をオンすると第2線材20が通電されて収縮し、第2スイッチ34をオンすると第1線材18が通電されて収縮する。本図においては、第1スイッチ32がオンされて第2線材20が収縮し、係止部材22の左端が左下方向へ傾き、変位点30が略上方へ変位した後の状態が示される。変位点30の略上方への移動に応じて弾性部材16の付勢力方向も略上方へ傾き、これによって第1部材12が上限まで開いている。
【0020】
図4は、第1部材12が略垂直に開いた後で第1スイッチ32をオフにした状態を示す。この状態では、第2線材20が非通電状態となって伸長する。しかも、弾性部材16の右方向への張力によって係止部材22の傾きはほぼ変化せず左端が左下方向へ傾いたままであり、第2線材20は図示するように緩んだ状態となる。なお、この状態において第1部材12を手で強制的に回動させたとしても、第2線材20は緩んでいるので無理な引っ張りによる断線を防止できる。第1部材12の回動によって第1線材18および第2線材20に伝わる力は小さく、その意味で両者は分離した状態にあるともいえる。第1線材18および第2線材20は間接的な力によって第1部材12を回動させているにすぎない。
【0021】
図5は、第1部材12が略垂直に開いた後で第2スイッチ34をオンにした状態を示す。この状態では、第1線材18が通電状態となって収縮し、係止部材22の右端は右下方向へ傾き始める。変位点30は略下方へ移動し、これに応じて弾性部材16の付勢力の方向も略下方へずれ始め、やがて第1部材12は略下方へ回動し始める。
【0022】
図6は、第1部材12が略下方へ回動している状態を示す。第2スイッチ34がオンにされている間、弾性部材16の付勢力方向が略下方へ移動するのにしたがって第1部材12は第2部材14に対して略垂直な位置から略平行な位置へ向かって回動する。
【0023】
図7は、第1部材12が第2部材14に略平行な位置まで回動した状態を示す。第1部材12は、第2部材14の側面に当接したときにその回動が制止される。
【0024】
図8は、第1部材12が閉じられたまま第2スイッチ34がオフにされた状態を示す。この状態では、第1線材18が非通電状態となって伸長する。しかも、弾性部材16の右下方向への張力によって係止部材22の傾きはほぼ変化せず右端が右下方向へ傾いたままであり、第1線材18は図のように緩んだ状態となる。この状態から第1スイッチ32をオンすると、図6のように第2線材20が通電状態となって収縮し、係止部材22の左端が左下方向へ傾き、変位点30が略上方へ移動し、これに応じて弾性部材16の付勢力方向も略上方へ変位する。この変位に応じて第1部材12は第2部材14に略垂直となる位置へ向かって回動を始める。なお、この状態において第1部材12を手で強制的に回動させたとしても、第1線材18は緩んでいるので無理な引っ張りによる断線を防止できる。
【0025】
図9は、第1部材12の回動方向の力が極小になった状態を示す。ここで、第1部材12の回動に重力が影響しない場合を想定する。例えば、第1部材12の移動面が水平となるように回動機構10全体を約90度倒した状態では、重力が回動面に対して垂直に働くので回動にはほぼ影響しない。このとき、弾性部材16の付勢力40を力点26から係合点24に向かって働かせたまま静止させると、第1部材12は回動中心である係合点24に向かって付勢されるので、回動の力が極小となって静止する状態となる。これは、第1部材12と第2部材14の連結部分に生じる摩擦力を無視すれば、弾性部材16の付勢力40の方向が少し変位すればその方向へ第1部材12が回動し始める不安定な状態である。また、その位置は第1部材12の回動方向が反転する位置でもある。
【0026】
なお、図1に示される構成のように重力が略下方向への回動に影響する場合、図9に示される第1部材12の位置では、付勢力40の大きさが十分でない限り重力によって略下方向へ回動してしまう。したがって、弾性部材16の付勢力がその重力による影響をほぼ相殺するよう働かせる必要がある。この場合、実際に回動の力が極小になるのは、係合点24の位置よりもやや右上側に向かって付勢力が働くような位置に第1部材12がおかれたときである。その位置は、付勢力の大きさ、第1部材12の長さや質量、力点26の位置、第1部材12および第2部材14の連結部分に生じる摩擦力の大きさなどの各条件に応じて定まる。また、その位置は第1部材12の回動方向が反転する位置でもある。その位置を挟んで、第1部材12が第2部材14に略垂直となる位置と略平行となる位置のそれぞれにおいて安定するような方向で第1部材12の回動の力が働く。
【0027】
図10は、弾性部材16の付勢力40の方向が係合点24よりやや上方の位置へ向かっている状態を示す。図示するように付勢力40の方向に対して下方向から略垂直に変位力42が加えられると、付勢力40の方向は略上方へ変位する。第1部材12は回動中心である係合点24より略右側へ向かって付勢され、その付勢力40が第1部材12を右上方向へ回動させる力になる。
【0028】
図11は、弾性部材16の付勢力40の方向が係合点24よりやや下方の位置へ向かっている状態を示す。図示するように付勢力40の方向に対して上方から略垂直に変位力42が加えられると、付勢力40の方向は略下方に変位する。第1部材12は回動中心である係合点24より略左側へ向かって付勢され、その付勢力40が第1部材12を左下方向へ回動させる力になる。
【0029】
以上の構成においては、回動動作させる対象に直接的な力を加えることなく、間接的な力を加えることによってその動作を実現することができる。すなわち、第1部材12を回動させるために弾性部材16による付勢力を利用しており、その付勢力方向を変位させるだけで回動動作を制御できる。こうした付勢力方向の変位に必要な駆動力は、回動動作の対象を直接移動させるのに比べて小さくて足りるので、形状記憶合金の形状回復力によっても実現できる。これにより、モータ駆動の場合と異なり、高い静粛性を実現できるとともに、電力消費を低くおさえることができる。
【0030】
(第2実施形態)
本実施形態の回動機構10は、非通電状態における線材の緩みを弾性部材によって低減させる機構を有する点を除いて第1実施形態の構成とほぼ同様である。
【0031】
図12は、線材の緩みを低減させる機構を有する固定部39の構成を示す。固定部39の前面には、二つのスリット状の溝である第1溝部66および第2溝部68が設けられる。第1取付部48および第2取付部49は、略円柱状の部材で形成されるとともに、それぞれの側面の一部が第1溝部66または第2溝部68の内壁面に接触するかたちで上下方向に摺動する。第1取付部48の下部には弾性部材である第1バネ70の一端が取り付けられ、その第1バネ70の他端は第1溝部66の内壁面底部に取り付けられる。第1バネ70は引きバネであり、その張力によって第1取付部48が下方へ付勢される。第2取付部49には第2バネ72が取り付けられ、第1取付部48と同様、下方へ付勢される。
【0032】
第1実施形態の図4や図8においては、非通電状態の線材が緩んだ状態になっているが、本実施形態においてはそのような緩みが低減される。したがって、緩んだ線材が他の部材に絡みつくなどの不具合を未然に防止できる。
【0033】
(第3実施形態)
本実施形態においては、シーソー式に揺動する機構を示す。この機構は、第1、2実施形態の回動機構10とは利用目的、構成、および動作の面で種々の相違がある。ただし、動作させる対象に直接的な力を加えることなく、間接的な力を加えることによってその動作を実現する点で第1、2実施形態と共通する。この機構は、略中央を支点として揺動する部材を備え、その左右端のそれぞれに荷重力または付勢力がつねにかかっている。支点を左右に移動させてその荷重力または付勢力を左右で不均衡にすることによって全体を揺動させる。
【0034】
図13は、揺動部材の左右端にかかる荷重力または付勢力が均衡した状態を示す。揺動部材50は、長尺状の部材で形成され、その略中央に位置する係合点56にて吊されて支持される。右端には第1荷重52による荷重力がかかり、左端には第2荷重54による荷重力がかかる。揺動部材50は、略中央を支点にしたときに左右の荷重が均衡する。揺動部材50は、略中央位置を係止部材58の上端部に載置され、その接点が支点となる。係止部材58は、その左端に第1線材60が取り付けられ、右端に第2線材62が取り付けられる。
【0035】
図14は、揺動部材50の左右のバランスが崩れた状態を示す。例えば第1線材60がその形状回復力によって収縮した場合、係止部材58は左方向へ変位し、変位力64は支点の移動というかたちで揺動部材50に影響を及ぼす。揺動部材50は、支点が左側に移動すると、左右の荷重バランスが崩れて揺動部材50の右端が下方へ傾く。このような機構によっても、第1、2実施形態と同様に、小さな力だけで重量の大きな対象を動かすことができ、モータを利用しないので静粛性と省電力性を高めることができる。
【0036】
(第4実施形態)
本実施形態においては、トリガ部の一部に小型のモータを用いる点で他の実施形態と異なる。第1、2実施形態では、形状記憶合金の形状回復力を利用し、モータを利用しないことで静粛性と省電力性を高めていた。本実施形態では小型のモータを利用するが、従来と比べて必要な駆動力が小さいので静粛性および省電力性の高いモータを採用できる。
【0037】
図15は、本実施形態の回動機構10の構成を示す。この回動機構10は、第1線材80、第2線材82、取付部84、およびモータ86を含む以外は、第1、2実施形態の回動機構10とほぼ同様の構成を有する。第1線材80および第2線材82は、紐状または棒状の部材からなり、それぞれ一端が係止部材22の左右端に取り付けられ、他端が取付部84の左右端に取り付けられる。取付部84は、第2部材14を挟んでモータ86と係合する。
【0038】
モータ86は、ギアなどの減速機付きのモータ機構を含み、その回転力を取付部84へ伝える。ただし、その回転範囲は係止部材22の揺動範囲に基づいて限定される。取付部84は、モータ86と連動してその回転に応じた回転動作をするものの、回転範囲が小さいため現実には係止部材22の揺動と同じように動作する。取付部84が揺動してその左右端が上下すると、第1線材80および第2線材82の上下動によって係止部材22もまた揺動する。例えば、第1線材80および第2線材82が紐状部材の場合、取付部84の下方へ変位した端部によって生じる引っ張り方向の力が係止部材22へ伝達される。第1線材80および第2線材82が棒状部材の場合は、取付部84の上下の変位いずれもがそのまま係止部材22へ伝達される。本実施形態によっても、小さな力で大きな機構を動かすことができ、また高い静粛性と高い省電力性を実現できる。さらに、回動部材である第1部材12を人為的に動かした際にも、その動きがそのままの大きさでモータ86へ伝わることがなくバックラッシュなどの機械的な遊びで吸収できるので、モータ86の破壊を防止できる。
【0039】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下挙げる。
【0040】
第1、2実施形態においては、形状記憶合金の線材を通電することによって回動に必要な力を発生させた。変形例においては、周囲の気温に応じて回動に必要な力を発生させる構成としてもよい。例えば、電気スタンドの電球を点灯させたときに発生する熱を形状記憶合金が感知して変位力を生む構成としてもよい。
【0041】
第1、2実施形態においては、第1部材12および第2部材14がなす開き角度の限度は約90度に設定した。変形例においては、これを90度以上に設定してもよい。ただし、設定できる開きの範囲は、付勢方向を変えたときに回動方向の反転が起こる範囲なので、変位点30の軌道、付勢力の大きさ、第1部材12の質量や長さなどの各条件に応じて定まる。
【0042】
変形例においては、第1部材12および第2部材14として長尺状の部材ではなく平板状の部材を用いてもよい。弾性部材16は、第1部材12の片側の側面だけではなく両側の側面に設けてもよい。
【0043】
第1、2実施形態の回動機構10は、例えばエアダクトの蓋開閉機構、自動車などの扉ロック機構やダンパ機構、などに利用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的小さな力で大きな制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の回動機構の構成を示す図である。
【図2】 第1部材、第2部材、および係止部材の連結構造を詳細に示す図である。
【図3】 第1部材が略垂直に開いたときの通電状態および各線材の状態の関係を示す図である。
【図4】 第1部材が略垂直に開いた後で第1スイッチをオフにした状態を示す図である。
【図5】 第1部材が略垂直に開いた後で第2スイッチをオンにした状態を示す図である。
【図6】 第1部材が略下方へ回動している状態を示す図である。
【図7】 第1部材が第2部材に略平行な位置まで回動した状態を示す図である。
【図8】 第1部材が閉じられたまま第2スイッチがオフにされた状態を示す図である。
【図9】 第1部材の回動方向の力が極小になった状態を示す図である。
【図10】 弾性部材の付勢力の方向が係合点よりやや上方の位置へ向かっている状態を示す図である。
【図11】 弾性部材の付勢力の方向が係合点よりやや下方の位置へ向かっている状態を示す図である。
【図12】 第2実施形態における線材の緩みを低減させる機構を有する固定部の構成を示す図である。
【図13】 第3実施形態の揺動部材の左右端にかかる荷重力または付勢力が均衡した状態を示す図である。
【図14】 第3実施形態の揺動部材の左右のバランスが崩れた状態を示す図である。
【図15】 第4実施形態の回動機構の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 回動機構、 12 第1部材、 14 第2部材、 16 弾性部材、18 第1線材、 20 第2線材、 22 係止部材、 24 係合点、 26 力点、 40 付勢力、 42 変位力。

Claims (13)

  1. 第1部材および第2部材を含む回動機構において、
    当該機構により回動させる対象である前記第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、前記係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持され、
    当該回動機構はさらに、
    その方向が前記回動の方向を決定する付勢力を、前記第1部材の回動時に移動する端部に位置する前記第1部材の力点に対して与えるとともに、その力点で前記第1部材に連結される印加部と、
    前記付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を前記第1部材の動作から分離して発生させて前記印加部に対して加えるトリガ部と、
    を備え
    前記印加部による付勢力は、前記回動に重力が影響するときに、その重力による影響をほぼ相殺するよう働くことを特徴とする回動機構。
  2. 第1部材および第2部材を含む回動機構において、
    当該機構により回動させる対象である前記第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、前記係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持され、
    当該回動機構はさらに、
    その方向が前記回動の方向を決定する付勢力を、前記第1部材の回動時に移動する端部に位置する前記第1部材の力点に対して与えるとともに、その力点で前記第1部材に連結される印加部と、
    前記付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を前記第1部材の動作から分離して発生させて前記印加部に対して加えるトリガ部と、を備え、
    前記印加部およびトリガ部を介した間接的な力を前記第1部材に加えることにより、回動対象である前記第1部材に直接的な力を加えるよりも小さな力で回動動作を実現し、
    前記印加部による付勢力は、前記回動に重力が影響するときに、その重力による影響をほぼ相殺するよう働くことを特徴とする回動機構。
  3. 第1部材および第2部材を含む回動機構において、
    前記第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、前記係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持され、
    当該回動機構はさらに、
    その方向が前記回動の方向を決定する付勢力を前記第1部材の力点に対して与える印加部と、
    前記付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を前記印加部に対して加えるトリガ部と、
    を備え、
    前記印加部による付勢力の方向が前記力点から前記係合点へ向かう方向に近づくほど前記付勢力の前記回動への作用が抑えられ、その状態から前記付勢力の方向を外す程度の前記略垂直の変位力を前記トリガ部が前記印加部に加えることによって前記付勢力が前記回動へ作用し、その作用により開始される前記回動の方向は、前記付勢力の方向が前記係合点へ向かうよう戻される方向に決定づけられることを特徴とする回動機構。
  4. 第1部材および第2部材を含む回動機構において、
    前記第1部材は、固定部材である第2部材に所定の係合点で連結されるとともに、前記係合点を中心に所定の角度範囲で回動可能に支持され、
    当該回動機構はさらに、
    その方向が前記回動の方向を決定する付勢力を前記第1部材の力点に対して与える印加部と、
    前記付勢力の方向を変化させるべくその付勢力方向と略垂直の変位力を前記印加部に対して加えるトリガ部と、を備え、
    前記印加部による付勢力の方向が前記力点から前記係合点へ向かう方向に近づくほど前記付勢力の前記回動への作用が抑えられ、その状態から前記付勢力の方向を外す程度の前記略垂直の変位力を前記トリガ部が前記印加部に加えることによって前記付勢力が前記回動へ作用し、その作用により開始される前記回動の方向は、前記付勢力の方向が前記係合点へ向かうよう戻される方向に決定づけられ、これらの動作によって前記印加部およびトリガ部を介した間接的な力を前記第1部材に加えることにより、回動対象である前記第1部材に直接的な力を加えるよりも小さな力で回動動作を実現することを特徴とする回動機構。
  5. 前記第1部材は、前記回動に重力が影響しない場合、前記力点から前記係合点に向かって前記付勢力が働いたときにその回動方向の力がほぼ極小になることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回動機構。
  6. 前記第1部材は、所定の2位置間を回動するとともに、前記2位置のそれぞれにおいて安定するような方向で前記回動の力が働き、前記2位置間において前記回動の力がほぼ極小になる位置でその回動方向が反転することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の回動機構。
  7. 前記印加部による付勢力は、前記回動に重力が影響するときに、その重力による影響をほぼ相殺するよう働くことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の回動機構。
  8. 前記印加部は、前記付勢力の方向に張力を生じる弾性部材で構成され、その一端は前記第1部材の力点に取り付けられ、他端に対しては前記トリガ部により前記変位力が加えられることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の回動機構。
  9. 前記第1部材は、長尺状の部材で形成され、その一端に前記第2部材と連結する係合点が設けられ、他端に前記印加部の一端が取り付けられ、その長尺方向が前記第2部材に対して略平行になる位置と略垂直になる位置との2位置で安定し、前記付勢力の方向に応じて前記2位置間を回動することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の回動機構。
  10. 前記トリガ部は、熱エネルギーを力学的エネルギーに変換することによって前記変位力を発生させることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の回動機構。
  11. 前記トリガ部は、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換することによって前記変位力を発生させることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の回動機構。
  12. 前記トリガ部は、形状記憶合金で形成された線材を含み、温度変化で発生する前記線材の形状回復力が前記変位力として作用することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の回動機構。
  13. 前記トリガ部は、前記線材を複数含むとともに、前記変位力を前記印加部に伝達する係止部材をさらに含み、
    前記係止部材は、その略中央に位置する回転軸を中心として揺動可能に前記第2部材に軸着され、所定部位に前記印加部の一端が取り付けられ、左右両端のそれぞれに前記線材が取り付けられ、左右両端のいずれかに前記線材の形状回復力が加わったときに全体が揺動し、その揺動による変位を前記変位力として前記印加部に伝達することを特徴とする請求項12に記載の回動機構。
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