JP4209642B2 - 針カバー及びキャップ付針カバー並びに針カバー付翼付針 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は透析や輸液に使用される翼付針（例えばＰＳＶ、ＡＶＦ等）に装着する針カバー及びキャップ付針カバー並びに針カバー付翼付針の改良に関するもので、針の保護性、操作性、安全性を向上させた発明に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開2001-327599号、特願2001-318478号で本件出願人は、針カバーの中腹部の両側に翼状のストッパーを突設し、使用後の翼状針を前記針カバーに収納した後、前記翼状針の両翼部を上側に折り曲げることにより前記両翼はストッパーと交差して係止され翼状針が針カバーより突出しない発明を開示した。しかし更に安全に且つより確実に実施する上でいくつかの改良の余地があった。
そこで本発明者らは以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果次の発明に到達した。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
［１］本発明は、前方部（２）、中腹部（３）及び後方部（４）を有し、
前記中腹部（３）底部に開口部（５）を形成し、
前記中腹部（３）の両側部に翼状のストッパー（５８）を突設し、
当該ストッパー（５８）の裏面に前方から後方に向けて徐々に厚みを増した肉厚部（５８ｂ）を形成し、
当該肉厚部（５８ｂ）の後端部に翼付針（１０）の翼部（１４）を係止する段状の係止部（５８ｃ）を形成し、
前記後方部（４）の両側部に翼状のストッパー（６８）を突設した針カバー（１）を提供する。
［２］本発明は、前記後方部（４）の上部にスリット（２２）を形成した［１］に記載の針カバー（１）を提供する。
［３］本発明は、前記スリット（２２）の後方に切欠部（２２ａ）を形成し、前記スリット（２２）と切欠部（２２ａ）の間に狭間部（２２ｂ）を形成した［１］または［２］に記載の針カバー（１）を提供する。
［４］本発明は、前方部（２）から中腹部（３）の上部外面に凸部（７ａ）、（７ｂ）を形成し、後方部（４）底部に針カバーの長さ方向に沿ってスリット（９）を形成した［１］から［３］のいずれか１項に記載の針カバー（１）を提供する。
［５］本発明は、［１］から［４］のいずれか１項に記載の針カバー（１）の前方部（２）先端にキャップ（１８）を着脱可能に装着したキャップ付針カバー（７１）を提供する。
［６］本発明は、［１］から［５］のいずれか１項に記載の針カバー（１）の前方部（２）に肉薄部（２８ａ）を介してキャップ（２８）を一体に成形したキャップ付針カバー（８１）を提供する。
［７］本発明は、［１］から［４］のいずれか１項に記載の針カバー（１）または［５］または［６］に記載のキャップ付針カバー（７１）、（８１）を翼付針（１０）に装着した針カバー付翼付針（１Ａ）（２１Ａ）（３１Ａ）を提供する。
【０００４】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の針カバーの一例を示す概略図で（ａ）は本発明の針カバー１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図、図２は前記針カバー１の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、（ｄ）は溝２２近傍の拡大図である。
図３は図１の針カバー１を翼付針１０（針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、前方外周面に針キャップ１６を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成されている）に装着したところの針カバー付翼付針１Ａの断面図、図４は針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について（ａ）から（ｈ）を時系列に示した斜視図である。
図５は図４の（ｆ）の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、図６は図４の（ｈ）と同様の展開図である。
本発明の針カバー１は図１のように筒状に形成され、中腹部３底部に開口部５を形成し、前記中腹部３の両側部にストッパー５８が突設されている。前記ストッパー５８の裏面に、前方から後方に向けて徐々に厚みを増した肉厚部５８ｂを形成し、該肉厚部５８ｂの後端部に段状の係止部５８ｃが形成されている。前記係止部５８ｃは前記翼部１４の先端部と係止するように形成されている。後方部４の両側にもストッパー６８が突設されている。
前記ストッパー５８（６８）は図１のように中腹部３及び後方部４の両側部に翼状に突出して形成されている。本発明でストッパーの形状が「翼状」であるとは、要するに中腹部３及び後方部４の両側部に突出して、両翼に上側または下側から力が加えられても上下に変形はするが折れたり割れたりすることのない半硬質ないし硬質製の材質から形成されることが好ましい。
針カバー１の後方部４の上部の略中腹部から後端部に亘り溝部２２と切欠部２２ａが形成され、該溝２２と切欠部２２ａの間に狭間部２２ｂが形成されている。前記切欠部２２ａは後方部４の端部に広がる方向にテーパー状に形成されている。
前記狭間部２２ｂは前記溝部２２の幅よりも狭い幅で形成され、前記切欠部２２ａより挿入したチューブ１５は前記狭間部２２ｂを経て溝部２２に挟持される。
前記溝部２２は少なくともチューブ１５を挟持し固定できる幅に形成され、前記狭間部２２ｂは前記溝部２２に挟持されたチューブ１５が切欠部２２ａ方向に向かって外れないように角部２２ｃが形成されている。
針カバー１の前方部２と中腹部３の上部外面に指を添えて該針カバー１を使用する時に動かないようにそれぞれ凸部７ａ、７ｂを形成している。
後方部４底部には図１（ｂ）のように針カバー１の長さ方向に沿って翼付針１０のチューブ１５を挿通することのできるスリット９が形成されている。なお詳細は後述するが前記スリット９を形成しなくても前記チューブ１５を開口部５から後方部４の筒部に挿入して装着することができる。
【０００５】
次に針カバー１を翼付針１０に装着して針カバー付翼付針１Ａを組立てる方法の一例について説明する。
図１（ａ）の向きの針カバー１の下から翼付針１０の針１２と針基１３を開口部５を経て針カバー１の内部に収納するとともにチューブ１５をスリット９を経て後方部４に装着する。この状態では、図３（ａ）のように針キャップ１６基部の外周面が前方部２内周面に接することにより翼付針１０が針カバー１に固定されるとともに針１２が針キャップ１６に被冠された状態に維持される。
なお針カバー１にスリット９を形成しない針カバーの形状もあり、この場合の針カバーを翼付針１０に装着して針カバー付翼付針を組み立て方法の一例を示す。翼付針１０のチューブ１５の後端を開口部５から後方部４の筒部に挿入して、該翼付針１０の針１２と針基１３を開口部５を経て針カバー１の内部に収納する。この状態では前記と同様、図３（ａ）のように配置され、前記チューブ１５の後端にコネクター等（図示せず）を装着する。
【０００６】
針カバー付翼付針１Ａは図３に例示するように針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、前方外周面に針キャップ１６を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成した翼付針１０と、これに装着される針カバー１より構成されている。
前記翼付針１０は図３（ａ）のように針カバー１の開口部５及びスリット９を経て針カバー１内に装着した状態では、針キャップ１６基部の外周面が前方部２内周面に接することにより固定されるとともに針１２が針キャップ１６に被冠された状態に維持され、図３（ｂ）のように針キャップ１６をはずすことにより、翼付針１０の針１２が露出される。
前記翼付針１０を図３（ｃ）のように針カバー１の後方部４方向にスライドさせることにより翼付針１０の針１２は針カバー１内に収納されると同時に係止部５８ｃが翼部１４の先端と係合し、図３（ｄ）のように前記チューブ１５を後方に引っ張りながら上に挙げ切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝２２に挟持して固定することができる。
再び翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を維持することができる。
さらに前記翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、該翼部１４はストッパー５８とストッパー６８の間で交差して係止され、より強固に翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を確実に維持することができる。
【０００７】
以下、図４（ａ）から（ｈ）に基づいて針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について時系列に説明する。
同（ａ）のように針カバー付翼状針１Ａを針カバー１の凸部７ａ、７ｂを上に向けた状態にする。
同（ｂ）のように右手（左手）の親指と人差し指で翼部１４の両翼を挟んで上に向けて両翼を重ね合わせる。
同（ｃ）のように針キャップ１６をはずして翼付針１０の針１２を針カバー１より露出する。
同（ｄ）のように右手（左手）の親指と人差し指で翼部１４の両翼を上に向けて両翼を重ね合わせた状態で体勢を整えて患者の腕等に穿刺する。
同（ｅ）のように患者の腕等に穿刺した後、翼部１４を水平に戻して穿刺部位が動かないように翼部１４と皮膚をテープで固定する。
同（ｆ）のように穿刺した針カバー付翼付針１Ａの針１２を穿刺部から抜く時はテープを剥ぎ取り穿刺部に消毒綿をあて、左手（右手）の薬指で前記消毒綿の上から穿刺部を押さえるとともに中指と人差し指を凸部７ａと凸部７ｂの間の壁面及び凸部７ｂ後方の壁面に添えて凸部７ａ、７ｂがそれぞれの指先に掛かるようにし、例えば図４（ｆ）のように右手（左手）で後方部４付近のチューブ１５を引っ張り、翼状針１０を針カバー１に収める。その時図５に示すように翼部１４の先端部が係止部５８ｃと係止することにより針１２は針カバー１の先端から露出することは無い。
同（ｇ）のように前記チューブ１５を引っ張りながら上にあげ、切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝部２２に挟持し固定する。チューブ１５を溝部２２に挟持、固定することにより針１２の突出を防止することができる。
この時チューブ１５の流路は閉塞されるので、該チューブ１５内に残留した血液は針１２の先端より流出することがなく翼付針１０内に残留した血液の飛散を防止することができる。
更に安全を期するために同（ｈ）並びに図６のように翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、翼部１４の先端部と後端部の一部が前記ストッパー５８の後端とストッパー６８の先端とが交差して係止され、再び翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を確実に維持することができる。
【０００８】
図７は本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図で（ａ）は本発明のキャップ付針カバー７１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図、図８は図７のキャップ付針カバー７１を翼付針１０（針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成されている）に装着したところの針カバー付翼付針２１Ａの断面図、図９は針カバー付翼付針２１Ａの使用方法の一例について（ａ）から（ｈ）を時系列に示した斜視図である。図８（ａ）と図９（ａ）、図８（ｂ）と図９（ｅ）、図８（ｃ）と図９（ｆ）、図８（ｄ）と図９（ｈ）がそれぞれ対応している。
なお図８（ｃ）と図９（ｆ）と図５は、実質的に図３（ｃ）と図４（ｆ）と図５と同様なので、図５に対応する針カバー付翼付針２１Ａの図は省略する。
同様に図８（ｄ）と図９（ｈ）と図６は、実質的に図３（ｄ）と図４（ｈ）と図６と同様なので、図６に対応する針カバー付翼付針２１Ａの図は省略する。
本発明のキャップ付針カバー７１は前記針カバー１の前方部２の筒状先端にキャップ１８を着脱可能に装着したものである。キャップ付針カバー７１も針カバー１と同様に翼付針１０に装着して針カバー付翼付針２１Ａを組み立てることができる。組み立てた状態では図８（ａ）のように針基１３前方外周面がキャップ付針カバー７１前方部２内周面と接することにより翼付針１０とキャップ付針カバー７１は固定されるとともに針１２がキャップ付針カバー７１に被冠された状態に維持される。針カバー付翼付針２１Ａも図９（ａ）から（ｈ）のように前記キャップ付針カバー１Ａと同様に使用されるが、針カバー付翼付針２１Ａは図９（ｃ）のようにキャップ１８をはずして翼付針１０の針１２をキャップ付針カバー７１より露出する点で針カバー付翼付針１Ａと異なる。
【０００９】
図１０は本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図で、（ａ）は本発明のキャップ付針カバー８１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図である。
図１１は本発明のその他の実施例を示すキャップ付針カバー８１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針３１Ａの断面図、図１２は針カバー付翼付針３１Ａの使用方法の一例について時系列に示した斜視図である。図１１（ａ）と図１２（ａ）、図１１（ｂ）と図１２（ｅ）がそれぞれ対応している。
本発明のキャップ付針カバー８１は前記針カバー１の前方部２の筒状先端に肉薄部２８ａを介してキャップ２８を一体に成形したものである。一体に形成されたキャップ２８を容易に切り離すために前記キャップ２８の外周には少なくとも対称方向に２枚一組のリブ（図示せず）を設けることができる。キャップ付針カバー８１もキャップ付針カバー７１と同様に翼付針１０に装着して針カバー付翼付針３１Ａを組み立てることができる。針カバー付翼付針３１Ａも図１２（ａ）から（ｈ）のように前記針カバー付翼付針２１Ａと同様に使用されるが、針カバー付翼付針３１Ａは図１２（ｃ）のようにキャップ２８を肉薄部２８ａより切断して露出する点で針カバー付翼付針２１Ａと異なる。
【００１０】
針カバー付翼付針２１Ａ、３１Ａは、図８、１１に例示するように針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成した翼付針１０と、これに装着されるキャップ付針カバー７１（８１）より構成されている。
前記翼付針１０は図８、１１（ａ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）の開口部５及びスリット９を経てキャップ付針カバー７１（８１）内に装着した状態では、針基１３前方外周面がキャップ付針カバー７１（８１）前方部２内周面と接することにより翼付針１０とキャップ付針カバー７１（８１）は固定されるとともに針１２がキャップ付針カバー７１（８１）に被冠された状態に維持され、図８、１１（ｂ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）のキャップ１８（２８）をはずすことにより、翼付針１０の針１２が露出される。
前記翼付針１０を図８（ｃ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）の後方部４方向にスライドさせることにより翼付針１０の針１２はキャップ付針カバー７１（８１）に収納されると同時に係合部５８ｃが翼部１４の先端と係合し、図８（ｄ）のように前記チューブ１５を後方に引っ張りながら上に挙げ切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝２２に挟持して固定することができ、再び翼付針１０がキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２がキャップ付針カバー７１（８１）より露出しない状態を維持することができる。
さらに前記翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、該翼部１４はストッパー５８とストッパー６８の間で交差して係止され、より強固に翼付針１０がキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２がキャップ付針カバー７１（８１）より露出しない状態を確実に維持することができる。
【００１１】
本発明では針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の外面に形成する凸部７ａ、７ｂの形状、形成する位置及び装着する数は、図示したものに限定されず、要するに作業者が針カバー１を把持しやすい形状等であれば何でも採用することができる。
【００１２】
針カバー１及び針カバー付翼付針１Ａ、２１Ａ、３１Ａ及び針キャップ付針カバー７１（８１）の後方部４の上部から切欠部２２ａと溝部２２を形成し、前記切欠部２２ａと溝部２２の間に狭間部２２ｂを形成し該狭間部２２ｂに角部２２ｃを形成することで、例えば翼付針１０を装着した針カバー付翼付針１Ａ、２１Ａ、３１Ａの後方部４の後方に引っ張ったチューブ１５が溝部２２で挟持され狭間部２２ｂの角部２２ｃにより狭間部２２ｂを通過することなく溝部２２に挟持し容易に固定でき針１２の突出を防ぐことができる。
【００１３】
本発明で「スライド」させるとは針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）を基点として翼付針１０を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の後方に向けてスライドさせることはもちろん、翼付針１０を基点として針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）を翼付針１０の前方に向けてスライドさせることの両方の意味を含む。
本発明では図４の使用方法の説明の便宜上、主に前者で記載しているが、後者のように使用することができる。
また本発明で図示した前方部２、中腹部３、後方部４の各領域は一応の目安であり、要するに凸部７ａを形成した領域が前方部２であり、凸部７ｂと開口部５とストッパー５８を形成した領域が中腹部３であり、スリット９とストッパー６８と溝部２２を形成した領域が後方部４である。したがって凸部７ａ、７ｂを形成する位置、開口部５の長さにより、前方部２、中腹部３、後方部４の各領域は変動しても良い。
【００１４】
前記針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）に使用される材質は例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセテート等の半硬質ないし硬質製であれば何でも良い。
【００１５】
【発明の作用効果】
本発明の針カバー及びキャップ付針カバー並びに針カバー付翼付針では、
▲１▼ストッパー５８に肉厚部５８ｂを形成し、該肉厚部５８ｂの後端部に係止部５８ｃを形成することにより、翼付針１０を針カバー及びキャップ付針カバーに収納した時に、翼部１４の先端部と前記係止部５８ｃが係止することで、針１２が突出することを防止することができる。
▲２▼後方部４に溝部２２を形成し、翼付針１０のチューブ１５を前記溝２２に挟持、固定することによりチューブ１５の流路は閉塞され、該チューブ１５内に残留した血液は針１２の先端より流出することはない。翼付針１０内に残留した体液の飛散を防止することができるとともに針１２の突出も防ぐことができる。
▲３▼ストッパー５８と更にストッパー６８を形成することで、針カバー及びキャップ付針カバーに装着した翼付針１０を使用後に収納して両翼部１４を上部に挟みあげることで前記翼部１４がストッパー５８及び６８に交差してより確実に固定することで針１２の突出を確実に防ぐことができる。
▲４▼翼付針１０を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向または逆方向に単に直線的にスライドさせることにより針を被冠することができるので操作性が良い。
▲５▼キャップ付針カバー８１は針の保護と針カバーのスライドを一部品で同時に行うことができるので、部品点数を少数化でき、操作性も向上する。
▲６▼（ａ）針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）と翼付針１０の組み立て時では針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）と翼付針１０を動かないように固定でき、
（ｂ）使用時には針キャップ１６（キャップ１８、２８）をとりはずすことにより針１２を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）から容易に露出でき、
（ｃ）使用後には翼付針１０が針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向に動かないように固定できる、すなわち翼付針１０のチューブ１５を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の後方部４の上部に形成した溝２２に挟持して固定することにより針１２の露出を防止することができ、廃棄の際の医療従事者や廃棄企業者が作業中に誤って刺してしまう危険を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明の針カバー１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図２】本発明の針カバー１の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、（ｄ）は溝部２２近傍の拡大図
【図３】図１の針カバー１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針１Ａの断面図
【図４】針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【図５】針カバー１を翼付針１０に装着した図３の（ｄ）の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図
【図６】針カバー１を翼付針１０に装着した図５と同様の略展開図
【図７】本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明のキャップ付針カバー７１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図８】図７のキャップ付針カバー７１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針２１Ａの断面図
【図９】針カバー付翼付針２１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【図１０】本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明のキャップ付針カバー８１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図１１】本発明のその他の実施例を示すキャップ付針カバー８１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針３１Ａの断面図
【図１２】針カバー付翼付針３１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【符号の説明】
１ 針カバー
７１、８１ キャップ付針カバー
１Ａ、２１Ａ、３１Ａ 針カバー付翼付針
２ 前方部
３ 中腹部
４ 後方部
５ 開口部
７ａ、７ｂ 凸部
９ スリット
５８、６８ ストッパー
５８ａ 係止部
５８ｂ 肉厚部
５８ｃ 係止部
１０ 翼付針
１２ 針
１３ 針基
１４ 翼部
１５ チューブ
１６ 針キャップ
１８、２８ キャップ
２２ 溝部
２２ａ 切欠部
２２ｂ 狭間部
２２ｃ 角部
【発明の属する技術分野】
本発明は透析や輸液に使用される翼付針（例えばＰＳＶ、ＡＶＦ等）に装着する針カバー及びキャップ付針カバー並びに針カバー付翼付針の改良に関するもので、針の保護性、操作性、安全性を向上させた発明に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開2001-327599号、特願2001-318478号で本件出願人は、針カバーの中腹部の両側に翼状のストッパーを突設し、使用後の翼状針を前記針カバーに収納した後、前記翼状針の両翼部を上側に折り曲げることにより前記両翼はストッパーと交差して係止され翼状針が針カバーより突出しない発明を開示した。しかし更に安全に且つより確実に実施する上でいくつかの改良の余地があった。
そこで本発明者らは以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果次の発明に到達した。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
［１］本発明は、前方部（２）、中腹部（３）及び後方部（４）を有し、
前記中腹部（３）底部に開口部（５）を形成し、
前記中腹部（３）の両側部に翼状のストッパー（５８）を突設し、
当該ストッパー（５８）の裏面に前方から後方に向けて徐々に厚みを増した肉厚部（５８ｂ）を形成し、
当該肉厚部（５８ｂ）の後端部に翼付針（１０）の翼部（１４）を係止する段状の係止部（５８ｃ）を形成し、
前記後方部（４）の両側部に翼状のストッパー（６８）を突設した針カバー（１）を提供する。
［２］本発明は、前記後方部（４）の上部にスリット（２２）を形成した［１］に記載の針カバー（１）を提供する。
［３］本発明は、前記スリット（２２）の後方に切欠部（２２ａ）を形成し、前記スリット（２２）と切欠部（２２ａ）の間に狭間部（２２ｂ）を形成した［１］または［２］に記載の針カバー（１）を提供する。
［４］本発明は、前方部（２）から中腹部（３）の上部外面に凸部（７ａ）、（７ｂ）を形成し、後方部（４）底部に針カバーの長さ方向に沿ってスリット（９）を形成した［１］から［３］のいずれか１項に記載の針カバー（１）を提供する。
［５］本発明は、［１］から［４］のいずれか１項に記載の針カバー（１）の前方部（２）先端にキャップ（１８）を着脱可能に装着したキャップ付針カバー（７１）を提供する。
［６］本発明は、［１］から［５］のいずれか１項に記載の針カバー（１）の前方部（２）に肉薄部（２８ａ）を介してキャップ（２８）を一体に成形したキャップ付針カバー（８１）を提供する。
［７］本発明は、［１］から［４］のいずれか１項に記載の針カバー（１）または［５］または［６］に記載のキャップ付針カバー（７１）、（８１）を翼付針（１０）に装着した針カバー付翼付針（１Ａ）（２１Ａ）（３１Ａ）を提供する。
【０００４】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の針カバーの一例を示す概略図で（ａ）は本発明の針カバー１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図、図２は前記針カバー１の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、（ｄ）は溝２２近傍の拡大図である。
図３は図１の針カバー１を翼付針１０（針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、前方外周面に針キャップ１６を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成されている）に装着したところの針カバー付翼付針１Ａの断面図、図４は針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について（ａ）から（ｈ）を時系列に示した斜視図である。
図５は図４の（ｆ）の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、図６は図４の（ｈ）と同様の展開図である。
本発明の針カバー１は図１のように筒状に形成され、中腹部３底部に開口部５を形成し、前記中腹部３の両側部にストッパー５８が突設されている。前記ストッパー５８の裏面に、前方から後方に向けて徐々に厚みを増した肉厚部５８ｂを形成し、該肉厚部５８ｂの後端部に段状の係止部５８ｃが形成されている。前記係止部５８ｃは前記翼部１４の先端部と係止するように形成されている。後方部４の両側にもストッパー６８が突設されている。
前記ストッパー５８（６８）は図１のように中腹部３及び後方部４の両側部に翼状に突出して形成されている。本発明でストッパーの形状が「翼状」であるとは、要するに中腹部３及び後方部４の両側部に突出して、両翼に上側または下側から力が加えられても上下に変形はするが折れたり割れたりすることのない半硬質ないし硬質製の材質から形成されることが好ましい。
針カバー１の後方部４の上部の略中腹部から後端部に亘り溝部２２と切欠部２２ａが形成され、該溝２２と切欠部２２ａの間に狭間部２２ｂが形成されている。前記切欠部２２ａは後方部４の端部に広がる方向にテーパー状に形成されている。
前記狭間部２２ｂは前記溝部２２の幅よりも狭い幅で形成され、前記切欠部２２ａより挿入したチューブ１５は前記狭間部２２ｂを経て溝部２２に挟持される。
前記溝部２２は少なくともチューブ１５を挟持し固定できる幅に形成され、前記狭間部２２ｂは前記溝部２２に挟持されたチューブ１５が切欠部２２ａ方向に向かって外れないように角部２２ｃが形成されている。
針カバー１の前方部２と中腹部３の上部外面に指を添えて該針カバー１を使用する時に動かないようにそれぞれ凸部７ａ、７ｂを形成している。
後方部４底部には図１（ｂ）のように針カバー１の長さ方向に沿って翼付針１０のチューブ１５を挿通することのできるスリット９が形成されている。なお詳細は後述するが前記スリット９を形成しなくても前記チューブ１５を開口部５から後方部４の筒部に挿入して装着することができる。
【０００５】
次に針カバー１を翼付針１０に装着して針カバー付翼付針１Ａを組立てる方法の一例について説明する。
図１（ａ）の向きの針カバー１の下から翼付針１０の針１２と針基１３を開口部５を経て針カバー１の内部に収納するとともにチューブ１５をスリット９を経て後方部４に装着する。この状態では、図３（ａ）のように針キャップ１６基部の外周面が前方部２内周面に接することにより翼付針１０が針カバー１に固定されるとともに針１２が針キャップ１６に被冠された状態に維持される。
なお針カバー１にスリット９を形成しない針カバーの形状もあり、この場合の針カバーを翼付針１０に装着して針カバー付翼付針を組み立て方法の一例を示す。翼付針１０のチューブ１５の後端を開口部５から後方部４の筒部に挿入して、該翼付針１０の針１２と針基１３を開口部５を経て針カバー１の内部に収納する。この状態では前記と同様、図３（ａ）のように配置され、前記チューブ１５の後端にコネクター等（図示せず）を装着する。
【０００６】
針カバー付翼付針１Ａは図３に例示するように針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、前方外周面に針キャップ１６を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成した翼付針１０と、これに装着される針カバー１より構成されている。
前記翼付針１０は図３（ａ）のように針カバー１の開口部５及びスリット９を経て針カバー１内に装着した状態では、針キャップ１６基部の外周面が前方部２内周面に接することにより固定されるとともに針１２が針キャップ１６に被冠された状態に維持され、図３（ｂ）のように針キャップ１６をはずすことにより、翼付針１０の針１２が露出される。
前記翼付針１０を図３（ｃ）のように針カバー１の後方部４方向にスライドさせることにより翼付針１０の針１２は針カバー１内に収納されると同時に係止部５８ｃが翼部１４の先端と係合し、図３（ｄ）のように前記チューブ１５を後方に引っ張りながら上に挙げ切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝２２に挟持して固定することができる。
再び翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を維持することができる。
さらに前記翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、該翼部１４はストッパー５８とストッパー６８の間で交差して係止され、より強固に翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を確実に維持することができる。
【０００７】
以下、図４（ａ）から（ｈ）に基づいて針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について時系列に説明する。
同（ａ）のように針カバー付翼状針１Ａを針カバー１の凸部７ａ、７ｂを上に向けた状態にする。
同（ｂ）のように右手（左手）の親指と人差し指で翼部１４の両翼を挟んで上に向けて両翼を重ね合わせる。
同（ｃ）のように針キャップ１６をはずして翼付針１０の針１２を針カバー１より露出する。
同（ｄ）のように右手（左手）の親指と人差し指で翼部１４の両翼を上に向けて両翼を重ね合わせた状態で体勢を整えて患者の腕等に穿刺する。
同（ｅ）のように患者の腕等に穿刺した後、翼部１４を水平に戻して穿刺部位が動かないように翼部１４と皮膚をテープで固定する。
同（ｆ）のように穿刺した針カバー付翼付針１Ａの針１２を穿刺部から抜く時はテープを剥ぎ取り穿刺部に消毒綿をあて、左手（右手）の薬指で前記消毒綿の上から穿刺部を押さえるとともに中指と人差し指を凸部７ａと凸部７ｂの間の壁面及び凸部７ｂ後方の壁面に添えて凸部７ａ、７ｂがそれぞれの指先に掛かるようにし、例えば図４（ｆ）のように右手（左手）で後方部４付近のチューブ１５を引っ張り、翼状針１０を針カバー１に収める。その時図５に示すように翼部１４の先端部が係止部５８ｃと係止することにより針１２は針カバー１の先端から露出することは無い。
同（ｇ）のように前記チューブ１５を引っ張りながら上にあげ、切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝部２２に挟持し固定する。チューブ１５を溝部２２に挟持、固定することにより針１２の突出を防止することができる。
この時チューブ１５の流路は閉塞されるので、該チューブ１５内に残留した血液は針１２の先端より流出することがなく翼付針１０内に残留した血液の飛散を防止することができる。
更に安全を期するために同（ｈ）並びに図６のように翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、翼部１４の先端部と後端部の一部が前記ストッパー５８の後端とストッパー６８の先端とが交差して係止され、再び翼付針１０が針カバー１の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２が針カバー１より露出しない状態を確実に維持することができる。
【０００８】
図７は本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図で（ａ）は本発明のキャップ付針カバー７１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図、図８は図７のキャップ付針カバー７１を翼付針１０（針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成されている）に装着したところの針カバー付翼付針２１Ａの断面図、図９は針カバー付翼付針２１Ａの使用方法の一例について（ａ）から（ｈ）を時系列に示した斜視図である。図８（ａ）と図９（ａ）、図８（ｂ）と図９（ｅ）、図８（ｃ）と図９（ｆ）、図８（ｄ）と図９（ｈ）がそれぞれ対応している。
なお図８（ｃ）と図９（ｆ）と図５は、実質的に図３（ｃ）と図４（ｆ）と図５と同様なので、図５に対応する針カバー付翼付針２１Ａの図は省略する。
同様に図８（ｄ）と図９（ｈ）と図６は、実質的に図３（ｄ）と図４（ｈ）と図６と同様なので、図６に対応する針カバー付翼付針２１Ａの図は省略する。
本発明のキャップ付針カバー７１は前記針カバー１の前方部２の筒状先端にキャップ１８を着脱可能に装着したものである。キャップ付針カバー７１も針カバー１と同様に翼付針１０に装着して針カバー付翼付針２１Ａを組み立てることができる。組み立てた状態では図８（ａ）のように針基１３前方外周面がキャップ付針カバー７１前方部２内周面と接することにより翼付針１０とキャップ付針カバー７１は固定されるとともに針１２がキャップ付針カバー７１に被冠された状態に維持される。針カバー付翼付針２１Ａも図９（ａ）から（ｈ）のように前記キャップ付針カバー１Ａと同様に使用されるが、針カバー付翼付針２１Ａは図９（ｃ）のようにキャップ１８をはずして翼付針１０の針１２をキャップ付針カバー７１より露出する点で針カバー付翼付針１Ａと異なる。
【０００９】
図１０は本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図で、（ａ）は本発明のキャップ付針カバー８１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図である。
図１１は本発明のその他の実施例を示すキャップ付針カバー８１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針３１Ａの断面図、図１２は針カバー付翼付針３１Ａの使用方法の一例について時系列に示した斜視図である。図１１（ａ）と図１２（ａ）、図１１（ｂ）と図１２（ｅ）がそれぞれ対応している。
本発明のキャップ付針カバー８１は前記針カバー１の前方部２の筒状先端に肉薄部２８ａを介してキャップ２８を一体に成形したものである。一体に形成されたキャップ２８を容易に切り離すために前記キャップ２８の外周には少なくとも対称方向に２枚一組のリブ（図示せず）を設けることができる。キャップ付針カバー８１もキャップ付針カバー７１と同様に翼付針１０に装着して針カバー付翼付針３１Ａを組み立てることができる。針カバー付翼付針３１Ａも図１２（ａ）から（ｈ）のように前記針カバー付翼付針２１Ａと同様に使用されるが、針カバー付翼付針３１Ａは図１２（ｃ）のようにキャップ２８を肉薄部２８ａより切断して露出する点で針カバー付翼付針２１Ａと異なる。
【００１０】
針カバー付翼付針２１Ａ、３１Ａは、図８、１１に例示するように針基１３の前方に針１２を植設し、両側部に翼部１４を装着し、後方外周面にチューブ１５を装着することにより形成した翼付針１０と、これに装着されるキャップ付針カバー７１（８１）より構成されている。
前記翼付針１０は図８、１１（ａ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）の開口部５及びスリット９を経てキャップ付針カバー７１（８１）内に装着した状態では、針基１３前方外周面がキャップ付針カバー７１（８１）前方部２内周面と接することにより翼付針１０とキャップ付針カバー７１（８１）は固定されるとともに針１２がキャップ付針カバー７１（８１）に被冠された状態に維持され、図８、１１（ｂ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）のキャップ１８（２８）をはずすことにより、翼付針１０の針１２が露出される。
前記翼付針１０を図８（ｃ）のようにキャップ付針カバー７１（８１）の後方部４方向にスライドさせることにより翼付針１０の針１２はキャップ付針カバー７１（８１）に収納されると同時に係合部５８ｃが翼部１４の先端と係合し、図８（ｄ）のように前記チューブ１５を後方に引っ張りながら上に挙げ切欠部２２ａから狭間部２２ｂを経て溝２２に挟持して固定することができ、再び翼付針１０がキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２がキャップ付針カバー７１（８１）より露出しない状態を維持することができる。
さらに前記翼部１４の両翼を上側に折り曲げることにより、該翼部１４はストッパー５８とストッパー６８の間で交差して係止され、より強固に翼付針１０がキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向にスライドすることがなく、翼付針１０の針１２がキャップ付針カバー７１（８１）より露出しない状態を確実に維持することができる。
【００１１】
本発明では針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の外面に形成する凸部７ａ、７ｂの形状、形成する位置及び装着する数は、図示したものに限定されず、要するに作業者が針カバー１を把持しやすい形状等であれば何でも採用することができる。
【００１２】
針カバー１及び針カバー付翼付針１Ａ、２１Ａ、３１Ａ及び針キャップ付針カバー７１（８１）の後方部４の上部から切欠部２２ａと溝部２２を形成し、前記切欠部２２ａと溝部２２の間に狭間部２２ｂを形成し該狭間部２２ｂに角部２２ｃを形成することで、例えば翼付針１０を装着した針カバー付翼付針１Ａ、２１Ａ、３１Ａの後方部４の後方に引っ張ったチューブ１５が溝部２２で挟持され狭間部２２ｂの角部２２ｃにより狭間部２２ｂを通過することなく溝部２２に挟持し容易に固定でき針１２の突出を防ぐことができる。
【００１３】
本発明で「スライド」させるとは針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）を基点として翼付針１０を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の後方に向けてスライドさせることはもちろん、翼付針１０を基点として針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）を翼付針１０の前方に向けてスライドさせることの両方の意味を含む。
本発明では図４の使用方法の説明の便宜上、主に前者で記載しているが、後者のように使用することができる。
また本発明で図示した前方部２、中腹部３、後方部４の各領域は一応の目安であり、要するに凸部７ａを形成した領域が前方部２であり、凸部７ｂと開口部５とストッパー５８を形成した領域が中腹部３であり、スリット９とストッパー６８と溝部２２を形成した領域が後方部４である。したがって凸部７ａ、７ｂを形成する位置、開口部５の長さにより、前方部２、中腹部３、後方部４の各領域は変動しても良い。
【００１４】
前記針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）に使用される材質は例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセテート等の半硬質ないし硬質製であれば何でも良い。
【００１５】
【発明の作用効果】
本発明の針カバー及びキャップ付針カバー並びに針カバー付翼付針では、
▲１▼ストッパー５８に肉厚部５８ｂを形成し、該肉厚部５８ｂの後端部に係止部５８ｃを形成することにより、翼付針１０を針カバー及びキャップ付針カバーに収納した時に、翼部１４の先端部と前記係止部５８ｃが係止することで、針１２が突出することを防止することができる。
▲２▼後方部４に溝部２２を形成し、翼付針１０のチューブ１５を前記溝２２に挟持、固定することによりチューブ１５の流路は閉塞され、該チューブ１５内に残留した血液は針１２の先端より流出することはない。翼付針１０内に残留した体液の飛散を防止することができるとともに針１２の突出も防ぐことができる。
▲３▼ストッパー５８と更にストッパー６８を形成することで、針カバー及びキャップ付針カバーに装着した翼付針１０を使用後に収納して両翼部１４を上部に挟みあげることで前記翼部１４がストッパー５８及び６８に交差してより確実に固定することで針１２の突出を確実に防ぐことができる。
▲４▼翼付針１０を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向または逆方向に単に直線的にスライドさせることにより針を被冠することができるので操作性が良い。
▲５▼キャップ付針カバー８１は針の保護と針カバーのスライドを一部品で同時に行うことができるので、部品点数を少数化でき、操作性も向上する。
▲６▼（ａ）針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）と翼付針１０の組み立て時では針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）と翼付針１０を動かないように固定でき、
（ｂ）使用時には針キャップ１６（キャップ１８、２８）をとりはずすことにより針１２を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）から容易に露出でき、
（ｃ）使用後には翼付針１０が針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の前方部２方向に動かないように固定できる、すなわち翼付針１０のチューブ１５を針カバー１及びキャップ付針カバー７１（８１）の後方部４の上部に形成した溝２２に挟持して固定することにより針１２の露出を防止することができ、廃棄の際の医療従事者や廃棄企業者が作業中に誤って刺してしまう危険を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明の針カバー１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図２】本発明の針カバー１の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図で、（ｄ）は溝部２２近傍の拡大図
【図３】図１の針カバー１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針１Ａの断面図
【図４】針カバー付翼付針１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【図５】針カバー１を翼付針１０に装着した図３の（ｄ）の展開図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図（ｃ）は（ａ）の裏側の平面図
【図６】針カバー１を翼付針１０に装着した図５と同様の略展開図
【図７】本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明のキャップ付針カバー７１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図８】図７のキャップ付針カバー７１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針２１Ａの断面図
【図９】針カバー付翼付針２１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【図１０】本発明のキャップ付針カバーの一例を示す概略図（ａ）は本発明のキャップ付針カバー８１の正面斜視図、（ｂ）は背面斜視図、（ｃ）は同（ａ）を１８０°反対方向から見た斜視図、（ｄ）は同（ｂ）を１８０°反対方向から見た斜視図
【図１１】本発明のその他の実施例を示すキャップ付針カバー８１を翼付針１０に装着したところの針カバー付翼付針３１Ａの断面図
【図１２】針カバー付翼付針３１Ａの使用方法の一例について時系列（（ａ）から（ｈ））に示した斜視図
【符号の説明】
１ 針カバー
７１、８１ キャップ付針カバー
１Ａ、２１Ａ、３１Ａ 針カバー付翼付針
２ 前方部
３ 中腹部
４ 後方部
５ 開口部
７ａ、７ｂ 凸部
９ スリット
５８、６８ ストッパー
５８ａ 係止部
５８ｂ 肉厚部
５８ｃ 係止部
１０ 翼付針
１２ 針
１３ 針基
１４ 翼部
１５ チューブ
１６ 針キャップ
１８、２８ キャップ
２２ 溝部
２２ａ 切欠部
２２ｂ 狭間部
２２ｃ 角部
Claims (7)
- 前方部（２）、中腹部（３）及び後方部（４）を有し、
前記中腹部（３）底部に開口部（５）を形成し、
前記中腹部（３）の両側部に翼状のストッパー（５８）を突設し、
当該ストッパー（５８）の裏面に前方から後方に向けて徐々に厚みを増した肉厚部（５８ｂ）を形成し、
当該肉厚部（５８ｂ）の後端部に翼付針（１０）の翼部（１４）を係止する段状の係止部（５８ｃ）を形成し、
前記後方部（４）の両側部に翼状のストッパー（６８）を突設したことを特徴とする針カバー（１）。 - 前記後方部（４）の上部にスリット（２２）を形成したことを特徴とする請求項１に記載の針カバー（１）。
- 前記スリット（２２）の後方に切欠部（２２ａ）を形成し、前記スリット（２２）と切欠部（２２ａ）の間に狭間部（２２ｂ）を形成したことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の針カバー（１）。
- 前方部（２）から中腹部（３）の上部外面に凸部（７ａ）、（７ｂ）を形成し、後方部（４）底部に針カバーの長さ方向に沿ってスリット（９）を形成したことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１の請求項に記載の針カバー（１）。
- 請求項１から請求項４のいずれか１の請求項に記載の針カバー（１）の前方部（２）先端にキャップ（１８）を着脱可能に装着したことを特徴とするキャップ付針カバー（７１）。
- 請求項１から請求項５のいずれか１の請求項に記載の針カバー（１）の前方部（２）に肉薄部（２８ａ）を介してキャップ（２８）を一体に成形したことを特徴とするキャップ付針カバー（８１）。
- 請求項１から請求項４のいずれか１の請求項に記載の針カバー（１）または請求項５または請求項６に記載のキャップ付針カバー（７１）、（８１）を翼付針（１０）に装着したことを特徴とする針カバー付翼付針（１Ａ）（２１Ａ）（３１Ａ）。
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