JP4208554B2 - 圧延機の制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧延機の制御方法、及び、この制御方法を用いた圧延機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
板圧延では、製品の板厚、板幅、及び、板クラウン等を所定の公差で目標値に一致させることに加えて、材料の平坦度を良好にすることも重要である。このため、各パスにおける圧延前後の板クラウン比率の変化を許容範囲内に抑えるようにパススケジュールを決める方法が広く採用されている(特許文献1参照。)。
【0003】
従来、このようなパススケジュール計算では、各パスにおいて材料の噛込みから尻抜けまでの間の圧延条件の変化が平坦度に及ぼす影響は小さいものと仮定し、パスごとに材料上のある代表区間の平均的な圧延条件に基づいてパススケジュール計算を行う方法が広く用いられてきた。
【0004】
ところが、実際には、材料の噛込みから尻抜けまでの間に圧延条件は刻々と変化しており、例えば、材料温度については、加熱炉内で支持梁(スキッド)と接触していた部分は、他の部分より材料温度が低く(スキッドマーク)、また、各パスの噛込み側と尻抜け側とでは、圧延機に到達するまでの待機時間が異なるので、一般に、材料温度は噛込み側から尻抜け側に向かうにつれて低下する(サーマルランダウン)。
【0005】
このため、材料上の低温部において、局所的に板の平坦度が悪化することがあり、特に、広幅で板厚が小さい場合に平坦度不良が発生しやすく、板厚の小さい広幅材を製造する際の障害になっていた。
【0006】
このような材料長手方向の温度変動に起因する平坦度不良を防止するいくつかの圧延方法が提案されており、ここでは、代表的な2つ方法について説明する。
【0007】
第1の方法では、平坦度不良が発生しやすいパス(以下nパスとする)があるとき、1つ前のパスである(n−1)パス、及び、2つ前のパスである(n−2)パスの圧延荷重の実測値に基づき、(n−1)パスの変形抵抗を求め、この変形抵抗に基づいて、nパスの変形抵抗を推定して、nパスの圧延荷重を予測し、nパスで荷重が大きくなると予測される部分について、(n−1)パスのロール開度を操作し、(n−1)パスの出側板厚を予め薄くしておくことにより、nパスの圧延荷重の材料長手方向の変動が小さくなるようにし、nパス出側の平坦度が全長に亘って良好になるようにしている(特許文献2参照。)。
【0008】
第2の方法では、(n−1)パスの圧延荷重の実測値に基づき、(n−1)パスの出側板厚偏差を求め、厚い部分を低温部、薄い部分を高温部として、nパスで荷重が高くなると予測される部分について、(n−1)パスのロール開度を操作して(n−1)パスの出側板厚を予め薄くしておくことにより、nパスの圧延荷重の材料長手方向の変動が小さくなるようにし、nパス出側の平坦度が全長に亘って良好になるようにしていた(特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特公昭61−32086号公報
【特許文献2】
特公昭61−50684号公報
【特許文献3】
特公昭60−12124号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した第1の方法、及び、第2の方法のいずれにおいても、nパスの圧延荷重変動を、良好な平坦度を得るための許容範囲内とするべく、(n−1)パスのロール開度を操作して(n−1)パスの出側板厚を変化させるため、例えば、材料長手方向の温度変化が大きい場合などでは、nパスの平坦度が良好になるものの、今度は(n−1)パスの圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を逸脱してしまい、平坦度不良を生じることがあった。
【0011】
一方、ロール開度を操作して出側板厚を変化させるのみでは、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内とすることができない場合でも、総パス数を変更し、パススケジュールを計算し直せば、各パスの圧下量が変わるため、ロール開度を操作して出側板厚を変化させることによって、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内とすることができる可能性がある。
【0012】
しかるに、上述した第1の方法、及び、第2の方法のいずれにおいても、総パス数の変更については触れられておらず、このため、設備的には各パスの平坦度を良好にする能力があるにもかかわらず、各パスの平坦度を良好に出来ない場合があった。
【0013】
さらに、上述した第1の方法、及び、第2の方法のいずれにおいても、nパスの圧延荷重変動の予測値に基づいて、(n−1)パスのロール開度を操作して(n−1)パスの出側板厚を変化させるため、nパスの圧延荷重変動の予測誤差により、nパスの平坦度を良好に出来ない場合もあった。
【0014】
また、上述した第1の方法、及び、第2の方法のいずれにおいても、(n−1)パスの圧延中にロール開度を操作して(n−1)パスの出側板厚を変化させるため、油圧圧下装置などの高速かつ強力なロール開度修正手段が必要であり、このような手段を装備していない圧延機では実施できなかった。
【0015】
さらにまた、上述した第1の方法、及び、第2の方法のいずれにおいても、圧延前の材料温度が低い場合には、材料尾端付近の低温部において圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲から外れてしまうことを防止できないことがあった。
【0016】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は材料長手方向の温度変化が大きい場合でも、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができ、これによって製品の平坦度を向上させることを可能にする圧延機の制御方法、及びこの制御方法を用いた制御装置を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、高速かつ強力なロール開度修正手段を装備していない圧延機においても、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができ、これによって製品の平坦度を向上させることを可能にする圧延機の制御方法、及びこの制御方法を用いた制御装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
予測された圧延荷重の変化パターンに基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスの前パスである(n−1)パスのロール開度を操作し(n−1)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させるステップと、
(n−1)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−1)パスの圧延荷重の変化パターンを予測し、その予測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を逸脱する場合には、(n−1)パスの圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、(n−1)パスの一つ前のパスである(n−2)パスのロール開度を操作し(n−2)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させるステップと、
(n−2)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−2)パス以前のパスについても順次同様の処理を行うことにより、各パスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるようにするステップと、
を備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の圧延機の制御方法において、操作可能な全てのパスのロール開度を操作しても、少なくとも1つのパスで圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れる場合には、総パス数を変更することを特徴とする。
【0020】
請求項3に係る発明は、
2スタンド以上のタンデム圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
任意のスタンドの圧延荷重を実測・するステップと、
前記圧延荷重の実測値が、良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、当該スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、当該スタンドの上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させるステップと、
上流側スタンドのロール開度を変化させた結果、上流側スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲を超えた場合には、さらに上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項4に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
圧延荷重の変化パターンの予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項5に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重を実測するステップと、
圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項6に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
圧延荷重の予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項7に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重を実測するステップと、
圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0025】
請求項8に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
予測された圧延荷重の変化パターンに基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスの前パスである(n−1)パスのロール開度を操作し(n−1)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させる手段と、
(n−1)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−1)パスの圧延荷重の変化パターンを予測し、その予測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を逸脱する場合には、(n−1)パスの圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、(n−1)パスの一つ前のパスである(n−2)パスのロール開度を操作し(n−2)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させる手段と、
(n−2)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−2)パス以前のパスについても順次同様の処理を行うことにより、各パスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるようにする手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0026】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の圧延機の制御装置において、操作可能な全てのパスのロール開度を操作してみても、少なくとも1つのパスで圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れる場合には、総パス数を変更する手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項10に係る発明は、
2スタンド以上のタンデム圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
任意のスタンドの圧延荷重を実測する手段と、
前記圧延荷重の実測値が、良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、当該スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、当該スタンドの上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させる手段と、
上流側スタンドのロール開度を変化させた結果、上流側スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲を超えた場合には、さらに上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項11に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
圧延荷重の変化パターンの予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項12に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重を実測する手段と、
圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項13に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
圧延荷重の予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項14に係る発明は、
圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重を実測する手段と、
圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第1の実施形態を、1スタンドのリバースミルに適用した例であるが、本発明は、複数スタンドのタンデムミルにも同様に適用可能である。
【0033】
図1に示した第1の実施形態は、上位計算機、及び、上流工程から与えられる情報に基づいて圧延機2のパススケジュール、ロール開度、及び、ロール速度の各設定値を計算すると共に、荷重制約値、及び、影響係数を出力する設定計算手段11を備えている。この設定計算手段11には、各パスの計算点温度を計算する各パス材料長手方向温度変化計算手段12と、各計算点の各パス圧延荷重を計算する各パス材料長手方向圧延荷重変化計算手段13と、各パスの出側板厚変更量を計算する出側板厚パターン変更手段14とが接続されている。また、出側板厚パターン変更手段14の出側板厚変更量に基づいて設定計算手段11のロール開度、及び、ロール速度の各設定値を変更するロール開度パターン変更手段15と、このロール開度パターン変更手段15の出力に従って圧延機2を操作する下位コントローラ16とを備えている。
【0034】
上記のように構成された第1の実施形態の動作について以下に説明する。まず、設定計算手段11では、上位計算機、及び、上流工程から与えられる製品の寸法形状目標値、素材(スラブ)の寸法形状、加熱炉出側温度(抽出温度)などの情報に基づいて、各パスの出側板厚(パススケジュール)hi、各パスのロール開度設定値Si SET、及び、各パスのロール速度Vi SETなどの設定値を決め、ロール開度パターン変更手段15を介して、下位コントローラ16に出力する。下位コントローラ16では、これらの設定値に基づき、材料1の位置に応じて圧延機2の圧下装置、及び、モータドライブ装置などの機器を操作する。設定計算を行うタイミングは、例えば、圧延開始前の上位計算機からの圧延命令データを受信した時点、加熱炉から素材を抽出した直後、又は、数パス圧延した後のタイミングなどでもよく、複数のタイミングで繰り返し実施してもよい。
【0035】
設定計算手段11では、材料の平坦度を良好にするため、各パスにおける圧延前後の板クラウン比率の変化が許容範囲内に収まるようにパススケジュールを計算する。これには、従来から様々な方法が提案されているが、そのうちの1つである、例えば、次のような方法を用いる。
【0036】
圧延機能力から定まる限界荷重、限界トルクならびに目標板厚から全負荷パスのパススケジュールを計算し、一方、目標板厚、目標クラウンから圧延材の平坦度不良が、次パスの圧延にトラブルを生じない際限内で、クラウン比率一定則を超えて板クラウンを変化せしめる目標急峻度を各パスに与え、各パスのクラウンを定めて形状パスのパススケジュールを計算し、次いで、全負荷パスでは、各パスの圧下量を軽減して圧延機の負担を少なくする方向で、つなぎパスにおける板厚に自由度をもたせて調整し、形状パスでは、各パスにおいて定めるクラウンを小さくする方向へ、また各パスの目標急峻度をより安全な方向へ自由度をもたせて良好な形状(平坦度)を得易いように調整して、全負荷パスと形状パスの接点であるつなぎパスでの板厚、クラウンを定めて全パススケジュールを設定する。
【0037】
このような平坦度を考慮したパススケジュールhiの計算法では、各パスの圧延荷重を計算する必要がある。圧延荷重式は、平均変形抵抗式、及び、圧下力関数式からなる構成のものが一般的で、このような圧延荷重予測式には入力パラメータとして板幅、入側板厚、出側板厚、及び、圧延時の材料温度を与える。このうち、材料温度については、噛込みから尻抜けまでの間に刻々変化するので、材料上のある区間について代表温度を計算し、これをそのパスの代表温度として用いる方法が広く用いられている。この代表区間の決め方は様々であるが、例えば、材料長手方向の中央部の所定の長さの区間を代表区間とし、この区間の平均材料温度をそのパスの代表温度とする方法がある。ロール開度設定値Si SETについては、パススケジュールhiの計算後、各パスの出側板厚hiに圧延機の弾性変形分(ミル伸び、ロール扁平:圧延荷重予測値に基づいて計算する)を加えて計算する。また、ロール速度設定値Vi SETについては、モータ定格等を考慮した上で、主に操業効率を考慮して決める。
【0038】
さて、上記のような制御方法において、本発明によるロール開度の変更は次のようにして行う。
【0039】
図2に本発明によるロール開度変更手順の一例を示す。まず、ステップ101において、材料長手方向に複数の計算点を定義する。計算点の位置は、材料長手方向の温度パターンの特徴をよく表す位置とする。例えば、先端付近、尾端付近、噛込み後の加速開始点付近などである。一例として、ここでは、先端付近、尾端付近、及び、その間に4点を均等に配置した。これらの計算点は、各パス出側板厚、各パス圧延温度、及び、各パス圧延荷重などの情報を保持できるようにしてあり、当初、全ての計算点は、設定計算による各パスの代表区間における計算値を保持している。
【0040】
なお、ライン上に温度検出手段が設置してある場合には、温度検出手段による各位置の材料温度実測値を各計算点の初期温度としてもよい。また、1パス以上の圧延を行った後、残りのパスについてロール開度変更の計算を行う場合には、いずれかのパスで測定した各位置における圧延荷重の実測値から材料の変形抵抗実績値を求め、これに基づいて、各位置の材料温度を推定し、各計算点の初期温度としてもよい。
【0041】
次に、ステップ102では、各計算点と代表区間との搬送時間差に基づき、各パスの計算点温度を次式によって計算する。
【0042】
Ti k=Ti+ΔTi k (1)
ただし
i :パス番号
k :計算点の番号
Ti k :計算点温度(℃)
Ti :代表温度(℃)
ΔTi k :代表温度と計算点温度の差(℃)
である。
【0043】
代表区間における材料温度計算値(代表温度)と計算点の温度差は、各計算点での搬送時間と代表区間における平均的な搬送時間の差に基づき、例えば、次式で計算する。
【数1】
である。
【0044】
なお、各々の搬送時間については、パススケジュールに基づいて予め計算しておく。また、各影響係数についても、各代表区間における温度、板厚などの情報に基づいて予め計算しておく。このステップ102の処理が図1に示した各パス材料長手方向温度変化計算手段12に対応する。
【0045】
次に、ステップ103で各計算点の各パス圧延荷重を、代表温度と計算点温度の差、及び、設定計算による代表区間の各パスの平均的な圧延荷重に基づいて、次式に従って計算する。
【数2】
である。なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、中心差分などの方法を用いて設定計算時にて予め計算しておく。このステップ103の処理が図1に示した各パス材料長手方向圧延荷重変化計算手段13に対応する。
【0046】
次に、上記の各計算の結果に基づき、いずれかのパス(以下ではnパスとする)において長手方向のいずれかの計算点において圧延荷重が平坦度の制約による許容範囲を超えていないか否かをステップ104〜108にて判定する。この判定には、例えば、次式を用いる。
【数3】
ただし、
hi:設定計算による各パス出側板厚 (mm)
Ci:設定計算による各パス出側板クラウン(mm)
ΔλMAX、ΔλMIN:クラウン比率変化限界値 (-)
である。なお、クラウン比率変化限界値DlMAX、DlMINは、図3に示すように、主に板厚に依存する関数である。ロールベンダー、ロールクロス、ロールシフト、及び、可変クラウンロールなどのクラウン制御手段を用いる場合には、その影響を考慮して計算しておく。
【0047】
圧延荷重変化量が上記の許容範囲を超えた場合、これらを許容範囲内とするように、前パスである(n−1)パスにおける当該計算点の出側板厚の値を修正する。
【数4】
なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、微小区間の勾配を取るなどの方法により設定計算時に予め計算しておく。
【0048】
以上の修正後、前のパスについても同様のチェックを行い、もし圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を超える計算点があれば、1つ前のパスの当該計算点の出側板厚に上記と同様に修正を加え、さらにそれ以前のパスについても、圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を超える計算点があれば、順次、同様の処理を行う。
【0049】
なお、操作可能な全てのパスのロール開度を操作しても、圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を超える計算点が残っている場合には、総パス数を変更し、パススケジュールを計算し直してから、再度、上記と同様に、各パスのロール開度を操作し、圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲内となるようにする。
【0050】
圧延時には、各パスにおける各計算点の出側板厚を補間して得られる出側板厚パターンに基づいて次のようにロールギャップを変化させる。この補間には、例えば、線形補間を用いる。これらステップ104〜108の処理が図1の出側板厚パターン変更手段14に対応する。
【0051】
次に、ステップ109において、圧延機のミル伸び量の変化を考慮して次式によりロールギャップ変更量の計算を行う。
【数5】
である。なお、塑性係数Ki、ミル定数Miは代表区間の圧延条件において中心差分の手法などを用いて予め計算しておいた値を用いる。このステップ109の処理が図1のロール開度パターン変更手段15に対応している。
【0052】
次に本発明を適用した場合の圧延結果の例を示す。ここでは、圧延方向の逆転により長手方向の温度変化パターンがやや複雑になることを取り扱う煩雑さを避けるため、一方向に繰り返し圧延する例について述べるが、可逆圧延の場合も、本質的には同じであり、本発明を同様に適用することが出来る。
【0053】
図4は、材料長が長いなど、材料長手方向の温度差による影響が大きい場合について、従来の方法を用いた場合と、本発明を用いた場合の、各パスの出側板厚、及び、圧延荷重の変化を比較した例である。図4(a)において、実線は本発明を用いた場合の出側板厚の変化、破線は従来の技術を用いた場合の出側板厚の変化を示す。丸印は本発明を用いた場合の各計算点の出側板厚計算値である。(n−2)パス出側板厚、及び、(n−1)パス出側板厚を見ると、従来の技術では全長に亘り一定となっているのに対し、本発明を用いた場合には、各計算点の出側板厚計算値(丸印)に従って、尾端付近が薄くなっていることがわかる。
【0054】
図4(b)は、同じケースについて(n−1)パス、及び、nパスの圧延荷重の変化を示したものである。先端から尾端へと圧延荷重が上昇するのは、先端が圧延されてから尾端が圧延されるまでの待機時間に、圧延機の入側で材料温度が低下してしまう(サーマルランダウン)ためである。まず、nパスの圧延荷重について見ると、先端と尾端の温度差が大きいために、先端から尾端への荷重上昇が大きく、従来の方法では、全長の半ばから尾端にかけての区間において、圧延荷重が、良好な平坦度を得るための上限値を超えており、この部分で平坦度不良が発生していた。一方、本発明を用いた場合には、温度低下による荷重上昇分を打ち消すように(n−1)パスの出側板厚を小さくしているため、この区間においてもnパスの圧延荷重は良好な平坦度を得ることのできる範囲内になっており、nパスでは平坦度不良が発生しない。次に、(n−1)パスの圧延荷重について見ると、従来の方法(出側板厚一定)では、先端から尾端へと徐々に圧延荷重が増加しているのに対し、本発明を用いた場合には、全長の半ばから尾端にかけての区間で(n−1)パスの出側板厚を小さくしているため、この区間に達すると、(n−1)パスの圧延荷重が従来より大きくなっている。尾端に近づくと、圧延荷重が、良好な平坦度を得るための上限値に達するが、この区間では、温度低下による荷重上昇分を打ち消すように(n−2)パスの出側板厚を小さくしているため、この区間においても(n−1)パスの圧延荷重は良好な平坦度を得る範囲内にすることができ、nパスだけでなく、(n−1)パスにおいても平坦度不良は発生しない。なお、(n−2)パスの圧延荷重については図示を省略しているが、板厚が大きいため、良好な平坦度を得ることのできる圧延荷重許容範囲が広く、上記のように尾端付近で(n−2)パスの出側板厚を小さくしても、この例では平坦度不良を生じることはない。
【0055】
図5は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第2の実施形態を、2スタンドのタンデムミルに適用した例であるが、本発明は、3スタンド以上のタンデムミルにも同様に適用可能である。
【0056】
ここで、設定計算手段11、及び、下位コントローラ16の基本的な役割は図1に示したものと同様であるのでその説明を省略する。この場合、適用対象がタンデム圧延機であるので、下流側のスタンド2B(以下nスタンドという)と上流側スタンド2A(以下(n−1)スタンドという)に同時に材料が噛込まれる。これを利用して、nスタンドの荷重実績値に基づいて、(n−1)スタンドの出側板厚を逐次修正するようにする。
【0057】
ここで先ず、nスタンドの圧延荷重検出手段3により圧延荷重を逐次測定し、圧延荷重制約判定手段21がこの測定値を、(6)式及び(7)式から導出される許容範囲を示す(5)式により比較する。
【0058】
Pi MIN < Pi ACT < Pi MAX (12)
ただし
Pi ACT :圧延荷重の実測値 (ton)
Pi MIN、Pi MAX :良好な平坦度を得るための許容範囲 (ton)
である。
【0059】
許容範囲を超える場合には、ロール開度変更量計算手段22によりロール開度を変更して前スタンドの出側板厚を変更する。この出側板厚修正には、次式用いる。
【数6】
である。
【0060】
この修正を行った結果、(n−1)スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲を超えた場合には、さらに上流側のスタンドの出側板厚を同様に、修正するようにする。これにより、圧延荷重予測値の誤差が大きい場合でも、図4に示したようにロール開度を修正でき、平坦度不良の発生を防止することができる。
【0061】
図6は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第3の実施形態を、1スタンドのリバースミルに適用した例であるが、複数スタンドのタンデムミルにも同様に適用可能である。図中、第1の実施形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は図1における出側板厚パターン変更手段14及びロール開度パターン変更手段15の代わりにロール速度変更量計算手段31を用いた点が、図1に示す第1の実施形態と構成を異にしている。
【0062】
この第3の実施形態では、まず、いずれか任意のパスであるnパスの圧延荷重の変化パターンを予測し、これを良好な平坦度を得ることのできる許容範囲と比較する。圧延荷重実績値が許容範囲を超える場合には、ロール速度変更量計算手段31がnパスのロール速度を変更する。このロール速度変更には、次式を用いる。
【数7】
である。なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、中心差分などの方法を用いて設定計算時に予め計算しておく。
【0063】
これにより、圧延荷重予測値の誤差が大きい場合でも、ロール速度が修正され、平坦度不良の発生を防止することができる。
【0064】
図7は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第4の実施形態を、1スタンドのリバースミルに適用した例であるが、本発明は、複数スタンドのタンデムミルにも同様に適用可能である。図中、図1又は図5と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は第2の実施形態を示す図5中のロール開度変更量計算手段22に替えてロール速度変更量計算手段41を用いている。
【0065】
この実施形態では、ある任意のnパスの圧延荷重検出手段3により圧延荷重を逐次測定し、測定値を(12)式により、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲と比較する。圧延荷重実績値が許容範囲を超える場合には、nパスのロール速度を変更する。このロール速度変更量の計算には、次式を用いる。
【数8】
なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、中心差分などの方法を用いて設定計算時に予め計算しておく。
【0066】
図8は、図7に第4の実施形態として示した本発明を用いた場合と、従来の方法を用いた場合の、各パスの出側板厚、及び、圧延荷重の変化を比較した例である。図8(a)において、実線は本発明を用いた場合のnパスロール速度の変化、破線は従来の技術を用いた場合のnパスロール速度の変化を示す。図8(b)は、同じケースについてnパスの圧延荷重の変化を示したものである。ここで、先端から尾端へと圧延荷重が上昇するのは、先端が圧延されてから尾端が圧延されるまでの待機時間に、圧延機の入側で材料温度が低下してしまう(サーマルランダウン)ためである。このため、従来の方法を用いた場合には、尾端付近の圧延荷重が、良好な平坦度を得るための上限値を超えており、この部分で平坦度不良が発生していた。一方、本発明を用いた場合には、温度低下による荷重上昇分を打ち消すようにnパスのロール速度を大幅に低下させているため、圧延荷重が良好な平坦度を得ることのできる範囲内になっており、平坦度不良の発生を防止することができる。
【0067】
図9は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第5の実施形態を、1スタンドのリバースミルに適用した例であるが、本発明は、複数スタンドのタンデムミルにも同様に適用可能である。図中、第4の実施形態を示す図7と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は図7中のロール速度変更量計算手段41に替えて加熱手段熱量変更手段51を設けたものである。
【0068】
一般に、圧延ライン上には加熱手段4が設置され、この部分を材料が通過する際に、ガス燃焼、又は、誘導加熱などの方法により、材料温度を上昇させることができるようにしてある。この加熱手段4は、燃料ガスの供給バルブの開度や、誘導コイルへの電流を操作することにより、材料に与える熱量を変更することが可能になっている。この実施形態では、加熱手段4の熱量は、設定計算において決定するようにしている。この設定計算による設定熱量を加熱手段熱量変更手段51によって変更する構成としたものである。
【0069】
加熱手段4の熱量を変更するに当たっては、まず、いずれか任意のパスであるnパスの圧延荷重の変化パターンを予測し、これを良好な平坦度を得ることのできる許容範囲と比較する。圧延荷重実績値が許容範囲を超える場合には、nパス以前のいずれかのパスにおける加熱手段4の熱量を変更する。この熱量変更には、例えば、次式を用いる。
【数9】
である。
【0070】
なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、中心差分などの方法を用いて設定計算時に予め計算しておく。
【0071】
かくして、この実施形態によれば、材料長手方向の温度変化が大きい場合でも、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができ、これによって製品の平坦度を向上させることが可能になる。
【0072】
また、高速かつ強力なロール開度修正手段を装備していない圧延機においても、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができる。
【0073】
図10は本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第6の実施形態を、1スタンドのリバースミルに適用した例であるが、本発明は、複数スタンドのタンデムミルにも同様に適用可能である。図中、図7又は図9と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は圧延荷重制約判定手段21の判定結果に基づいて、加熱手段熱量変更手段61が、設定計算によって得られた加熱手段4に対する熱量を変更するように構成されている。
【0074】
この実施形態では、まず、ある任意のnパスの圧延荷重検出手段3により圧延荷重を逐次測定し、測定値を(12)式により、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲と比較する。圧延荷重実績値が許容範囲を超える場合には、nパス以前のいずれかのパスにおける加熱手段の熱量を変更する。この加熱手段の熱量変更量の計算には、次式を用いる。
【数10】
である。
【0075】
なお、影響係数は、代表区間の圧延条件において、中心差分などの方法を用いて設定計算時に予め計算しておく。
【0076】
図11は、図9に第5の実施形態として、図10に第6の実施形態としてそれぞれ示した本発明を用いた場合と、従来の方法を用いた場合の、各パスの出側板厚、及び、圧延荷重の変化を比較した例である。図11(a)において、実線は本発明を用いた場合の、nパス以前の任意のパスであるmパスにおける加熱手段の熱量の変化を表している。また、破線は従来の技術を用いた場合の同パスにおける加熱手段の熱量の変化を表している。図11(b)は、同じケースについてnパスの圧延荷重の変化を示したものである。先端から尾端へと圧延荷重が上昇するのは、先端が圧延されてから尾端が圧延されるまでの待機時間に、圧延機の入側で材料温度が低下してしまう(サーマルランダウン)ためである。このため、従来の方法を用いた場合には、尾端付近の圧延荷重が、良好な平坦度を得るための上限値を超えており、この部分で平坦度不良が発生していた。一方、本発明を用いた場合には、温度低下による荷重上昇分を打ち消すようにnパス以前の任意のパスであるmパスにおける加熱手段の熱量を変化させているため、圧延荷重が良好な平坦度を得ることのできる範囲内となり、平坦度不良の発生を防止することができる。
【0077】
また、高速かつ強力なロール開度修正手段を装備していない圧延機においても、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができる。
【0078】
なお、上記の各実施形態では、ロールベンダー、ロールクロス、ロールシフト、及び、可変クラウンロールなどのクラウン制御手段を用いていないが、これらの手段を併用した場合についても、基本的には、同様に本発明を適用することが可能であり、これにより、パス数の削減など、より効率的な操業を実現することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、材料長手方向の温度変化が大きい場合でも、各パスの圧延荷重を良好な平坦度を得るための許容範囲内に保つことができ、これによって製品の平坦度を向上させることが可能になる。とりわけ、従来の技術では製造の難しかった、板厚の小さい広幅材を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す第1の実施形態を構成する主要素のロール開度変更手順の一例を示すフローチャート。
【図3】図1に示す第1の実施形態の動作を説明するために、板クラウン比率変化変化の限界値と板厚との関係を示した線図。
【図4】図1に示す第1の実施形態と従来の方法を採用した場合とで、それぞれ長手方向位置に対する出側板厚及び荷重実績値の違いを示した線図。
【図5】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図6】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図。
【図7】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第4の実施形態の構成を示すブロック図。
【図8】図6に示す第3の実施形態又は図7に示す第4の実施形態と従来の方法を採用した場合とで、それぞれ長手方向位置に対するロール速度及び荷重実績値の違いを示した線図。
【図9】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第5の実施形態の構成を示すブロック図。
【図10】本発明に係る圧延機の制御方法を実施する制御装置の第6の実施形態の構成を示すブロック図。
【図11】図9に示す第5の実施形態又は図10に示す第6の実施形態と従来の方法を採用した場合とで、それぞれ長手方向位置に対する加熱手段熱量及び荷重実績値の違いを示した線図。
【符号の説明】
1 材料
2,2A,2B 圧延機
3 圧延荷重検出手段
4 加熱手段
11 設定計算手段
12 各パス材料長手方向温度変化計算手段
13 各パス材料長手方向圧延荷重変化計算手段
14 出側板厚パターン変更手段
15 ロール開度パターン変更手段
16 下位コントローラ
21 圧延荷重制約判定手段
22,31,41 ロール開度変更量計算手段
51,61 加熱手段熱量変更手段
Claims (14)
- 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
予測された前記圧延荷重の変化パターンに基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスの前パスである(n−1)パスのロール開度を操作し(n−1)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させるステップと、
前記(n−1)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−1)パスの圧延荷重の変化パターンを予測し、その予測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を逸脱する場合には、(n−1)パスの圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、(n−1)パスの一つ前のパスである(n−2)パスのロール開度を操作し(n−2)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させるステップと、
前記(n−2)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−2)パス以前のパスについても順次同様の処理を行うことにより、各パスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるようにするステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 操作可能な全てのパスのロール開度を操作しても、少なくとも1つのパスで圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れる場合には、総パス数を変更することを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御方法。
- 2スタンド以上のタンデム圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
任意のスタンドの圧延荷重を実測するステップと、
前記圧延荷重の実測値が、良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、当該スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、当該スタンドの上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させるステップと、
上流側スタンドのロール開度を変化させた結果、上流側スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲を超えた場合には、さらに上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
前記圧延荷重の変化パターンの予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重を実測するステップと、
前記圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測するステップと、
前記圧延荷重の予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御方法において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重を実測するステップと、
前記圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を逐次変化させるステップと、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御方法。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
予測された前記圧延荷重の変化パターンに基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスの前パスである(n−1)パスのロール開度を操作し(n−1)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させる手段と、
前記(n−1)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−1)パスの圧延荷重の変化パターンを予測し、その予測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を逸脱する場合には、(n−1)パスの圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、(n−1)パスの一つ前のパスである(n−2)パスのロール開度を操作し(n−2)パスの出側板厚を材料の位置に応じて変化させる手段と、
前記(n−2)パスのロール開度の操作結果に基づいて(n−2)パス以前のパスについても順次同様の処理を行うことにより、各パスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるようにする手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。 - 操作可能な全てのパスのロール開度を操作しても、少なくとも1つのパスで圧延荷重が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れる場合には、総パス数を変更する手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の圧延機の制御装置。
- 2スタンド以上のタンデム圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
任意のスタンドの圧延荷重を実測する手段と、
前記圧延荷重の実測値が、良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、当該スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、当該スタンドの上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させる手段と、
上流側スタンドのロール開度を変化させた結果、上流側スタンドの圧延荷重が、良好な平坦度を得ることのできる許容範囲を超えた場合には、さらに上流側のスタンドのロール開度を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
前記圧延荷重の変化パターンの予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重を実測する手段と、
前記圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパスのロール回転数を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数としてnパスにおける圧延荷重の変化パターンを予測する手段と、
前記圧延荷重の予測結果に基づき、nパスの圧延荷重が、良好な平坦度を得るための許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。 - 圧延機で材料を複数パス圧延する圧延機の制御装置において、
nを任意の整数として、nパスにおける圧延荷重を実測する手段と、
前記圧延荷重の実測値が良好な平坦度を得るための許容範囲を外れた場合には、この圧延荷重の実測値に基づいて、nパスの圧延荷重が許容範囲内となるように、nパス以前のいずれかのパス、又は、上流工程における加熱手段の熱量を逐次変化させる手段と、
を備えたことを特徴とする圧延機の制御装置。
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