JP4207649B2 - 柿の果実から抽出した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物 - Google Patents

柿の果実から抽出した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、柿の果実から抽出した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物、及び該抽出物を配合した機能性飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カロテノイドの1種であるβ−クリプトキサンチンは、プロビタミンAの特性を有するとともに、抗発癌プロモーター機能、過剰な活性酸素の消去機能等を有し、細胞内での情報伝達にも関与する抗癌性物質としても注目を集めている。
β−クリプトキサンチンは柑橘類に広く含有することが知られており、ミカン果汁の沈殿物からのβ−クリプトキサンチンを含有する溶剤油出分を加水分解した後に、高速液体クロマトグラフィーを用いて高純度のβ−クリプトキサンチンを製造することが提案されている。(特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−136181号公報
【0004】
しかしながら、柑橘類に含まれるβ−クリプトキサンチンの量は、例えばバレンシアオレンジ果汁では0.02mg/100gときわめて少量であり、β−クリプトキサンチンを工業的に製造するには多量の原料を必要とし、製造工程もコストのかかるものであり、実用的ではない。
また、特許文献1に記載された方法では、加水分解物を一次展開溶媒と共に平均粒子径10〜80μmのシリカ粉末が充填された第1カラムに導入してβ−クリプトキサンチンを含むフラクションを分離した後に、脱溶媒した分離物を二次展開溶媒と共に平均粒子径10〜80μmのオクタデシルシランシリカが充填された第2カラムに導入して、β−クリプトキサンチンを分離しているが、一次展開溶媒としては石油エーテルを主成分とする有機溶媒を、また二次展開溶媒としてはアセトニトリルを主成分とする有機溶媒を使用している。したがって、得られたβ−クリプトキサンチンを食品や飲料に添加する場合には、製品の安全性について消費者に不安を与えるおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明はこれら従来技術の問題点を解消して、安価な原料から簡単な工程で低コストで製造することができ、しかも食品や飲料等に添加した場合にも消費者に不安を与えるおそれのない経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物、及び該抽出物を配合した機能性飲食物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、柿の果実、特に果皮中に多量のβ−クリプトキサンチン成分が含有されていることを発見し、これを原料として人体に無害のエタノールにより抽出することにより本発明を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明はつぎのような構成をとるものである。
1.柿の果皮を細断しβ−クリプトキサンチン成分をエタノールで抽出後、干し柿臭を除去した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
2.抽出物にエタノールを添加し定容したものであることを特徴とする1に記載の経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
3.β−クリプトキサンチン成分をエタノールで抽出後、エタノールを減圧下で除去したものであることを特徴とする1又は2に記載のβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、柿の果実、好ましくは果皮をエタノールにより抽出することによって、経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物を製造する。柿はpHが中性付近であり、容器詰飲料・食品とするには加熱することが必要であるが、柿を加熱した場合には独特の香味が失われるために、容器詰飲料・食品としては殆ど利用されていない。柿は国内で豊富に生産されるが、収穫されず、木に残ったまま腐るものも多く、有効に利用されていないのが現状である。本発明者等は柿の有効利用を検討中に、柿の果実、特に果皮にβ−クリプトキサンチンが多量に含まれることを発見し、本発明を完成した。
【0009】
本発明で、β−クリプトキサンチン成分含有抽出物を製造する原料として使用する柿の種類には特に制限は無く、甘柿、渋柿のいずれをも使用することができる。
原料として使用する甘柿品種としては、例えば、富有、次郎、甘百日、御所、花御所、晩御所、天神御所、藤原御所、徳田御所、三ヶ谷御所、禅寺丸、藤八、水島、正月等が挙げられる。また、渋柿品種としては、例えば、横野、平核無、富士、西条、堂上蜂屋、会津身不知、衣紋、祇園坊、四ツ溝、大四ツ溝、愛宕、葉隠、川端、田倉、作州身不知等が挙げられる。
【0010】
柿の果実中には、例えば富有では、果皮に8.36mg/100gのβ−クリプトキサンチンが含有され、果肉には0.97mg/100gのβ−クリプトキサンチンが含有される(後記の参考例1、2参照)。したがって、本発明により経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物を製造する原料としては、柿の果皮を使用することが好ましいが、果肉を原料とすることもできる。
以下、柿の果皮を原料として、本発明により柿の果実から経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物を製造する方法の1例について説明する。
【0011】
柿の果皮をナイフ等で剥皮後細かく切断し、エタノールの存在下でアジテーター等で粉砕後、ろ過する。ろ液を減圧下で濃縮してエタノールを除去し、エタノールで洗浄後、減圧下で干し柿臭が無くなるまで濃縮を繰り返してβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物を得る。得られた抽出物は、必要に応じてエタノールを加えて定容し、保存する。この場合、冷凍保存が好ましい。
2度の減圧濃縮によって、干し柿臭が飛散するので、飲料や食品に添加した際に、風味を損わない安定な経口摂取用抽出物を得ることができる。
【0012】
β−クリプトキサンチンは、植物中ではエステル体として存在し、エタノールを使用して上記の工程で製造した抽出物中には、エステル体として含有される。このβ−クリプトキサンチンのエステル体を含有する抽出物を、飲料や食品等に添加して経口摂取した場合には、エステル体は人体内で代謝分解され、有効なβ−クリプトキサンチンとして機能するものと考えられる。したがって、このような用途に使用されるβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物としては、人体に無害のエタノールを使用して、上記の工程で製造される抽出物を使用することが必要である。
【0013】
飲料や食品等の経口摂取される製品に添加するβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物を製造する際には、β−クリプトキサンチン成分をエタノールで抽出した後に、抽出物を干し柿臭が無くなるまで減圧濃縮することが好ましい。
エタノールを除去するには、ロータリーエバポレーター等を使用し、減圧下で濃縮することが好ましい。減圧下で濃縮することによって、溶媒の沸点を低下させ、濃縮処理温度を低下させることができる。濃縮処理温度が100℃以上の場合には、得られる抽出物が茶色に着色するので、濃縮処理温度は65℃以下、特に40℃以下とすることが好ましい。
【0014】
干し柿臭の無い抽出物を製造するには、エタノールを減圧下で揮発除去して抽出物を濃縮した後に、再度エタノールを抽出物に添加して減圧下で濃縮しエタノールを飛散させ除去することが好ましい。β−クリプトキサンチン成分を抽出した後に、単に抽出物を濃縮しエタノールを除去しただけでは抽出物から完全に干し柿臭をとることは困難である。これに対して、エタノールを除去し抽出物を濃縮した後に、再度エタノールで希釈し濃縮する操作を行った場合には、干し柿臭の無い抽出物を得ることができる。この濃縮、希釈、濃縮の操作は、必要に応じて2回以上繰り返してもよい。
また、上記のエタノールの除去は、必ずしも抽出物からエタノールを完全に除去する必要はなく、干し柿臭が無くなるまでエタノールを減少させれば足りる。
なお、干し柿臭の無い抽出物を製造する他の方法としては、吸着剤を使用する方法等が挙げられ、例えば、エタノール抽出液を活性炭等の吸着剤を充填したカラム内を通過させて、干し柿臭を除去することができる。
【0015】
本発明の柿の果実をエタノールで抽出した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物は、人体に有害な有機溶媒を一切使用せずに製造したものであり、飲食物やサプリメント、ビタミン剤等の医薬品等に添加し、経口摂取した場合にも、健康上の問題を生じるおそれがないものである。
本発明の抽出物を飲食物に添加して抗癌性機能を有する飲食物を製造する際には、飲食物中のβ−クリプトキサンチンの含有量が0.1〜50mg/100g程度となるようにすることが好ましい。特に、飲料に添加する場合には、0.1〜10mg/100g程度とすることが好ましい。
【0016】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(β−クリプトキサンチンの定量)
本発明において、試料中のβ−クリプトキサンチンの定量は、以下の方法により行った。
試料中に含まれるβ−クリプトキサンチン単体を正確に定量するために、抽出液中にメチルブチルエーテルを添加して、試料から抽出したβ−クリプトキサンチン成分をメチルブチルエーテル層に分配し、水酸化カリウム・メタノール溶液によりケン化処理後、水を加えて不ケン化物をメチルブチルエーテル層に分配し、飽和食塩水を加えてアルカリを除去した後に、減圧下でメチルブチルエーテル層を濃縮後、メチルブチルエーテルで定容して高速液体クロマトグラフ(HPLC)供試液を調製する。
この供試液を、以下の分析条件で可視部吸収検出器を有するHPLCにより定量した。
【0017】
Figure 0004207649
【0018】
(検量線の作成)
市販のβ−クリプトキサンチンの標準品は、製品毎に濃度が異なるので、検量線を作成する際に標準品の濃度を測定することが必要である。
アルドリッチ社製のβ−クリプトキサンチン標準品(1mg入り)を、全量n−ヘキサンに溶解して50mlに定容し、標準原液(約20μg/ml)を調製した。この標準原液5mlにn−ヘキサンを加えて50mlに定容し、451nmの吸光度を測定した。β−クリプトキサンチンの吸光度係数の文献値(E1% 1cm=2460)を用い、標準溶液中のβ−クリプトキサンチン濃度を次式より求めた。
A=E×c(%)×1cm
上式において、各符号は、A:吸光度、E:比吸光度、C:物質のモル濃度、I:溶液層の厚さ、を表す。
【0019】
次に標準原液のn−ヘキサンを減圧濃縮後、メチルブチルエーテル溶媒で同じ濃度に戻した後、メチルブチルエーテルで2、20、200倍に希釈して、それらの20μlをHPLCに供し、各ピーク面積から検量線を作成した。また、市販の標準品はわずかにα−クリプトキサンチンを含んでいるため、(β−クリプトキサンチンのピーク面積)/(β−クリプトキサンチンのピーク面積+α−クリプトキサンチンのピーク面積)により補正した。
【0020】
(参考例1:富有の果皮中のβ−クリプトキサンチンの定量)
甘柿である富有の果皮をナイフで剥皮後、細断し、その5gを乳鉢に入れ、0.1%ブチルヒドロキシトルエン入りエタノール15mlおよびケイ砂を1g加えて、よくすり潰し、ガラスフィルターを用い、吸引ろ過した。残渣を集め、色がなくなるまでブチルヒドロキシトルエン入りエタノールで洗浄抽出した。ろ液を分液漏斗に移し、等量のメチルブチルエーテル、飽和食塩水を添加後、振盪してβ−クリプトキサンチン成分をメチルブチルエーテル層に分配した。このメチルブチルエーテル層に再度、飽和食塩水を加え、振盪しβ−クリプトキサンチン成分をメチルブチルエーテル層に分配した。そして、メチルブチルエーテル層を減圧下で濃縮後に、メチルブチルエーテルで20mlに定容し抽出物を得た。
【0021】
つぎにこの抽出液10mlと10%水酸化カリウム・メタノール溶液10mlを分液漏斗にとり、窒素雰囲気下で振盪後、室温で1時間静置した。このようにケン化処理した溶液に10mlの水を加え、メチルブチルエーテル層に不ケン化物を分画後、メチルブチルエーテル層に飽和食塩水を10ml加え、アルカリを除去した。メチルブチルエーテル層を減圧下で濃縮後、メチルブチルエーテルで10mlに定容した。0.2μmメンブランフィルターでろ過後、HPLC供試液とした。
HPLC分析の結果、富有の果皮にはβ−クリプトキサンチンが8.36mg/100gの濃度で含まれていることが判明した。
【0022】
(参考例2:富有の果肉中のβ−クリプトキサンチンの定量)
富有の果皮5gに代えて、富有の果肉10gを使用した以外は、参考例1と同様にして抽出物を得、β−クリプトキサンチンの含有量を定量したところ、富有の果肉にはβ−クリプトキサンチンが0.97mg/100gの濃度で含まれていることが判明した。
【0023】
(参考例3:愛宕の果皮中のβ−クリプトキサンチンの定量)
富有の果皮5gに代えて、渋柿である愛宕の果皮5gを使用した以外は、参考例1と同様にして抽出物を得、β−クリプトキサンチンの含有量を定量したところ、愛宕の果皮にはβ−クリプトキサンチンが8.80mg/100gの濃度で含まれていることが判明した。
【0024】
(参考例4:愛宕の果肉中のβ−クリプトキサンチンの定量)
愛宕の果皮5gに代えて、愛宕の果肉10gを使用した以外は、参考例3と同様にして抽出物を得、β−クリプトキサンチンの含有量を定量したところ、愛宕の果肉にはβ−クリプトキサンチンが0.80mg/100gの濃度で含まれていることが判明した。
【0025】
(実施例1:経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物)
β−クリプトキサンチンを果皮100g当たり8.80mg含有する、愛宕の果皮23.2gをナイフで剥皮後、さらに細断して、アジテーターでエタノール50mlと共に粉砕した。そのろ液および粉砕物をエタノールで共洗いした液150mlをナスフラスコに入れ、エバポレーターに取り付けた。30mmHgの減圧下で、ナスフラスコを40℃に加温しながら濃縮した。減圧濃縮により一度揮発したエタノールは、冷却され別の容器に回収され、濃縮物にエタノールは殆ど残っていない。この濃縮段階では、干し柿のような匂いがした。
【0026】
濃縮物をエタノール200mlで洗浄するように集めて、別のナスフラスコに移し、再び、洗浄液を30mmHgの減圧下で濃縮した。この時も、減圧濃縮により一度揮発したエタノールは冷却され別の容器に回収されるので、濃縮物にエタノールは殆ど残っていない。この2回目の濃縮段階では、干し柿のような匂いは飛散した。ナスフラスコの底に付着した濃縮物をエタノールで洗うようにしながら、定容フラスコに移し、エタノールを添加して200mlに定容したものを、愛宕の果皮からの経口摂取用β−クリプトキサンチ成分含有抽出物とした。
エタノールで定容することによって抽出物の取り扱いが容易となり、性状も安定したものとなる。エタノールの添加量は適宜増減することができ、またエタノールを添加しない状態で抽出物を飲料、食品等に配合してもよい。
【0027】
エタノールで定容した抽出物中のβ−クリプトキサンチンを上記の方法で定量したところ、β−クリプトキサンチン濃度は0.43mg/100mlであった。よって、0.86mg/200mlとなり、果皮23.2gよりβ−クリプトキサンチンが0.86mg抽出できた。果皮100g当たりに換算すると3.71mg/100gとなり、収率は42.2%であった。
【0028】
(実施例2:経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物)
愛宕の果皮の使用量を2007g、抽出に使用するエタノールの量を5000mlとし、その後のエタノールの使用量を適宜増量した以外は、実施例1と同じ手順でβ−クリプトキサンチン成分を含有する濃縮物を得た。2回目の濃縮後の濃縮物に、エタノール100gを加えてβ−クリプトキサンチン78.4mgを含むエタノール抽出物100gを得た。
【0029】
(実施例3:β−クリプトキサンチン成分配合機能性飲料)
上記の方法で、バレンシアオレンジ果汁に含まれるβ−クリプトキサンチン成分を定量したところ、その濃度は0.02mg/100gであり、β−クリプトキサンチン成分は殆んど含まれていないことが判明した。
実施例2で得られた愛宕の果皮からのβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物1gをバレンシアオレンジ果汁99gに添加し、β−クリプトキサンチン濃度が0.80mg/100gの果汁100gを得た。この果汁を90℃で5分間加熱後、β−クリプトキサンチンの濃度を定量したところ、0.63mg/100gであり、加熱後の残存率は78.8%であった。これに対して、抽出物を配合していないバレンシアオレンジ果汁の90℃で5分間加熱後のβ−クリプトキサンチンの含有量は0.01mg/100mgであり、加熱後の残存率は50%であった。したがって、バレンシアオレンジ果汁に柿の果皮からのβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物を配合することによって、加熱後にもβ−クリプトキサンチンが充分に残存した機能性飲料を得ることができる。
この柿の果皮からのエタノール抽出物を添加したバレンシアオレンジ果汁を官能評価したところ、無添加の果汁と比較して違和感はなかった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、抗癌性機能を有し、機能性飲料・食品等の原料として有用な、経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物を、安価な柿の果実から簡単な工程で、低コストで製造することができる。また、該抽出物を配合した安全な機能性飲食物を安価に製造することができる。本発明は、さらに、未使用で廃棄されていた柿の果実の有効利用の道をも拓くものであり、実用的価値のきわめて高い発明である。

Claims (3)

  1. 柿の果皮を細断しβ−クリプトキサンチン成分をエタノールで抽出後、干し柿臭を除去した経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
  2. 抽出物にエタノールを添加し定容したものであることを特徴とする請求項1に記載の経口摂取用β−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
  3. β−クリプトキサンチン成分をエタノールで抽出後、エタノールを減圧下で除去したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のβ−クリプトキサンチン成分含有抽出物。
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