JP4205841B2 - 不均一触媒を用いた反応方法およびその反応装置 - Google Patents

不均一触媒を用いた反応方法およびその反応装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒としてイオン交換樹脂粒子などの不均一触媒を用いた反応方法、およびこの方法で使用する反応装置に関する。詳しくは、例えば、(メタ)アクリル酸を用いて(メタ)アクリレートを生成させる反応などを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
触媒としてイオン交換樹脂を用いて液相で反応を行う反応方法としては、イオン交換樹脂を固定充填させた反応器を用いる方法(固定床反応方法)や、イオン交換樹脂を反応液中に懸濁分散させておいて反応を行い、反応後に反応液とイオン交換樹脂とを分離する方法(流動床反応方法)が知られている。
流動床反応方法は、反応効率を向上させうる点で好ましいとされている。
特開昭49−54326号公報には、反応器の底部からガスを導入してイオン交換樹脂を反応液中に懸濁分散させ、フィルターを含む触媒分離装置を用いてイオン交換樹脂と反応液とを分離する方法が提案されている。また、特開昭63−17884号公報には、攪拌器を用いてイオン交換樹脂を反応液中に懸濁分散させ、攪拌槽の底部に設けられた80メッシュの金網を用いてイオン交換樹脂と反応液とを分離する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の方法のうち流動床反応方法では、フィルターあるいは金網を用いてイオン交換樹脂と反応液との分離を行う際に、反応中に破砕したイオン交換樹脂や反応時に副生したポリマー等によってフィルターや金網が目詰まりを起こして長期の運転が困難になったり、破砕したイオン交換樹脂が漏洩し易い。
例えば、(メタ)アクリル酸とアルコール類とを反応させて(メタ)アクリレートを生成させる反応の場合には、漏洩したイオン交換樹脂によりさらに加水分解が起こるという問題があった。また、上記反応を連続的に行う場合には、目詰まり等によって生じる偏流等により、有効樹脂量が経時的に減少して反応速度が低下するといった問題があった。反応液からイオン交換樹脂を分離する有効な手段としては、沈降法が考えられるが、この方法によれば、装置が大規模になり、また分離に要する時間も長くなるという欠点がある。
【0004】
しかも、前記のような従来のイオン交換樹脂と反応液との分離手段においては、分離の際にイオン交換樹脂と反応液との滞留部分が生じるため、滞留している間にさらに反応が進行することがあるが、この場合、液や樹脂が流動していないことから反応が不均一となり、副反応が先行して不純物が増大することになる。
特に、アルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸を反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成させる反応のように発熱を伴う反応の場合、滞留部分では除熱が困難なため異常な温度上昇が発生することとなる。高温となった部分で、原料である(メタ)アクリル酸あるいは目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの重合が生じやすく、ひいては前記の目詰まり等の問題が起こる。
【0005】
また、固定床反応方法では、小粒径の樹脂や副生した重合物によって金網が目詰まりを起こし易い。目詰まりした部分には液が流れにくくなって反応液の滞留が生じ、有効な反応を行う部分が少なくなってしまう。反応器内に滞留部分が生じることで、反応率が低下したり、副反応が増加したりするだけでなく、原料や生成物などの重合が加速され、運転困難となることもある。
イオン交換樹脂を用いた反応のほかにも、各種の不均一触媒を用いて液相で反応を行う方法でも同様の問題が起こる。
本発明の課題は、不均一触媒と反応液との分離に際し、副反応や重合を防止し、不均一触媒の目詰まりによる不安定な運転を回避しつつ、コンパクトな装置を用いて、不均一触媒と反応液との分離を確実に効率よく行うことができるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる不均一触媒を用いた反応方法は、断面円形の筒状の反応器と、線材を間隔をあけて螺旋状に巻回してなる筒形スクリーンであって不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する線状スクリーンとを備え、該線状スクリーンを、前記反応器内における不均一触媒粒子の充填空間の底面に配置された仕切り板に、反応液が通過する隙間と仕切り板の上面との間隔が5mm以下になるようにして配置してなる固定床反応装置を使用し、反応液を、不均一触媒粒子が充填された反応器の上部から下部へと通過させて反応を行う方法であって、反応器内に不均一触媒粒子を充填しておく工程(-a)と、前記反応器に供給された反応液を前記不均一触媒粒子の存在下に反応させる工程(a) と、前記不均一触媒粒子が含まれる反応後の反応液を前記線状スクリーンの外側から内側へと通して、不均一触媒粒子と分離された反応液を反応器から抜き出す工程(b) とを含み、前記工程(-a)では、前記線状スクリーンに上流側で隣接する位置には比較的大径の不均一触媒粒子を配置し、前記線状スクリーンから離れた位置には比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくことを特徴とする
本発明にかかる固定床反応装置は、上記本発明の反応方法に使用される反応装置であって、不均一触媒粒子および反応液が収容される断面円形の槽型の反応器と、前記反応器に接続され、反応後の反応液を取り出す液抜きラインと、前記反応器の反応液の収容空間と前記液抜きラインとの間に配置され、不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する線状スクリーンとを備え、前記線状スクリーンに隣接する位置には比較的大径の不均一触媒粒子を配置し、線状スクリーンから離れた位置には比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくことを特徴とする
本発明は、液相反応を対象としており、気相で反応を行う方法は対象としていない。
【0007】
「不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する線状スクリーン」とは、工業的に使用される不均一触媒粒子には必ず粒度分布が存在するので、本発明の作用効果を達成する上で影響のない範囲で、線状スクリーンを通過する不均一触媒粒子が存在していても構わないことを意味している。
通常は、線状スクリーンを通過する粒子の割合が、5容量%以下、好ましくは2%以下、最も好ましくは0.3%以下となるように、線状スクリーンの隙間幅を設定する。
また、容量基準の粒度分布で、小粒径側で15%となる時点の粒径を15%粒径と定義し、線状スクリーンの隙間幅を上記15%粒径よりも小さく設定することが有効である。線状スクリーンの隙間幅の下限は、15%粒径の1/25、または0.05mmのどちらか大きいほうの寸法に設定できる。上記寸法よりも小さい隙間幅では、触媒粒子の細かな破片などが少量でもスクリーンの目詰まりを起こし易くなり、このような細かな破片が詰まったスクリーンの洗浄も難しいので、長期運転上好ましくない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について詳しく説明する。
〔平均粒子径〕
本発明は、平均粒子径0.1〜3mmの不均一触媒粒子を用いることができる。平均粒子径は50%粒子径で規定し、その測定方法は後述する15%粒子径と同様であるが評価基準を50%に設定する。不均一触媒粒子の粒子径が3mmを越えると、反応液との接触面積が小さくなり、反応効率が低下することとなる。一方、不均一触媒粒子の粒子径が0.1mm未満であると、不均一触媒粒子と反応液とを分離する際に、目詰まりを起こしやすくなる。不均一触媒粒子の平均粒子径は、さらに好ましくは、0.3〜2mmであるのがよい。なお、不均一触媒粒子の粒子径は、マイクロメータ、ノギス、超音波式の測定装置、光学式顕微鏡による測定、顕微鏡の画像を取得し画像処理装置および演算処理装置で計算する方法等、あるいは、ふるいによる分級で測定することができる。
【0009】
〔15%粒子径〕
前記した15%粒径で、不均一触媒粒子の粒径を規定する場合、以下の方法で測定することができる。
例えば、湿潤状態の粒子の場合には、メスシリンダーなどを用いて、湿潤している溶媒と出来る限り同等組成の液中に樹脂粒子を浸漬させて沈降させた状態の容積(具体的には、底部を軽くたたきながらこれ以上容量が減少しなくなったときの体積)を測定する。同じ粒子を同じ液とともに緩やかに流しながら、正確にふるい目が規定された測定用のふるいを用いて、パス品とオン品とに分離する。パス品とオン品とをそれぞれ集めて、容量をメスシリンダーで測定する。ここで、パス品が15容量%以下であれば、この粒子の15%粒径は、ふるいの目開きよりも大きいことが判る。ふるい目を変えて上記のような測定を繰り返すことで、粒子の15%粒径が測定できる。
【0010】
湿潤している溶媒と同等組成や温度での取り扱いが困難な場合は、水等溶媒を変えて測定してもよいが、溶媒の変更で樹脂容積変化が±10%以下であることが必要である。
不均一触媒粒子の容積が、湿潤状態と乾燥状態との間での容積(体積)変化が±10%以下の場合は、乾燥状態の粒子で規定してもよい。この場合には、液を用いる必要はなく、振動ふるいを用いて分離したときにパス品が10容量%以下であるか否かによって、そのふるい目に対する粒子の大小を評価すればよい。
〔不均一触媒〕
本発明で用いられる不均一触媒としては、特に制限されるものではない。
【0011】
例えば、強酸型または弱酸型の陽イオン交換樹脂、強塩基型または弱塩基型の陰イオン交換樹脂等、通常市販されている全てのイオン交換樹脂が挙げられる。特に、発熱反応に用いる場合には、耐熱のある樹脂が好適である。イオン交換樹脂以外の不均一触媒として、金属や貴金属、その酸化物などを含有したシリカ、アルミナ、チタニアなどのセラミックや活性炭などが挙げられる。
イオン交換樹脂の粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、楕円球状、円柱ペレット状、四角錐状、円錐状、針状等のものを用いることができるが、攪拌の際に流動させやすいことや、樹脂粒子同士の衝突による樹脂の破砕を防止する点からは、球状もしくは球状に近い楕円球状が好ましい。
【0012】
〔陽イオン交換樹脂〕
陽イオン交換樹脂としては、強酸性陽イオン交換樹脂が使用できる。多孔質あるいはゲルタイプの樹脂が使用できる。
多孔質タイプの強酸性陽イオン交換樹脂の具体例として、MSC−1(以上、ダウ社製)、PK−208、PK−212、PK−216、PK−220、PK−228(以上、三菱化学社製)、アンバーリスト−16、IR−116、IR−118、IR−122、C−26、C−26TR、C−264、C−265(以上、ローム・アンド・ハース社製)、SPC−108、SPC−112(以上、バイエル社製)、KC−470(住友化学社製)などが挙げられる。
【0013】
ゲルタイプの具体例としては、HCR−S、HCR−W2、HGR−W2(以上、ダウ社製)、SK−1B、SK−106、SK−110(三菱化学社製)などが挙げられる。
〔陰イオン交換樹脂〕
陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂の何れでも使用可能である。本発明でアルキレンオキサイドの付加反応に用いる場合には、好ましくは強塩基性陰イオン交換樹脂が用いられる。また、ゲルタイプ、多孔質タイプ、マクロポーラス型、一次架橋型、2次架橋型の何れもが使用できる。
【0014】
ゲルタイプの具体例としては、SBR、SBR−P−C、SAR(以上、ダウ社製)、IRA−400、A−132、ES−137、A−101D、A−147、A−104、A−109、A−102D(以上、ローム・アンド・ハース社製)、SA10A、SA20A(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。
多孔質タイプの具体例としては、IRA−904、IRA−411、IRA−402、IRA−402BL(以上、ローム・アンド・ハース社製)などが挙げられる。
マクロポーラス型の具体例としては、MSA−1、MSA−2(ダウ社製)、IRA−900、IRA−938、IRA−958、A−26、A−27、A−161、A−162(以上、ローム・アンド・ハース社製)PA306、PA308、PA312、PA316、PA318、PA406、PA408、PA412、PA416、PA418、WA30、WA20、WK10(以上、三菱化学社製)などが挙げられる。
【0015】
弱塩基性陰イオン交換樹脂には、官能基として使用するアミンの種類がジメチルアミン等である弱塩基性の樹脂がある。
強塩基性陰イオン交換樹脂は、官能基として使用するアミンの種類がトリメチルアンモニウム基等である(I)型、ジメチルエタノールアンモニウム基等である(II)型などが挙げられる。
〔懸濁分散〕
本発明においては、流動床反応法として、前記不均一触媒粒子を反応液中に懸濁分散させておいて反応を行うことができる。これにより、不均一触媒粒子と反応液との接触回数を増大させて反応効率を向上させることができると同時に、発熱を伴う反応においては、ジャケットおよび/またはコイル等を用いた場合の除熱効果を期待することもできる。ジャケットのみでは除熱が困難な場合には、蛇管コイル、ヘアピンコイルなどを用いて除熱能力を高めることが有効である。
【0016】
前記不均一触媒粒子を反応液中に懸濁分散させる手段としては、特に限定されない。例えば、パドル翼やファウドラ翼、マックスブレンド翼、アンカー翼などを備えた攪拌器を用いる方法や、反応器の底部からガスを導入する方法、あるいはこれらを併用する方法を採用することができる。
〔不均一触媒粒子の仕込み量〕
流動床反応法の場合、前記不均一触媒粒子の仕込み量が、全仕込み量に対して見かけ容量基準で0.05〜1.0倍となるようにすることが好ましい。
不均一触媒粒子の仕込み量が、全仕込み量に対して見かけ容量基準で1.0倍を越えると、粒子を懸濁分散させるのが困難になり、攪拌混合が不均一になり好ましくない。また、攪拌器付近における粒子の破砕が過度に進み、触媒寿命を短くする点でも好ましくない。装置稼働中に破砕粒子が後工程で詰まりを生じるなどの悪影響を及ぼす。有害な副反応が増加する傾向も生じる。
【0017】
不均一触媒の体積が経時的に変化する場合は、体積変化を考慮して極力、仕込み量を前記範囲に抑えるように設定する。
前記仕込み量が0.05倍未満の場合は、触媒表面で進む主反応に比べて、液中で触媒なしに進む副反応が多くなり、選択率が低下するので好ましくない。また、反応促進のために攪拌を強くする必要が生じ、触媒を破砕させ易くなる。
〔翼先端速度〕
反応槽に攪拌器を備えて反応液を攪拌しながら反応を行わせる場合、攪拌器の攪拌翼の翼先端速度(TIP SPEED)を0.1〜10m/s、好ましくは0.3〜5m/sに設定しておくことが望ましい。
【0018】
翼先端速度は、攪拌翼の先端の回転直径(スパン)と攪拌回転数から、下式で求められる。
翼先端速度(m/s)=
回転直径(スパン)(m)×攪拌回転数(rpm)×π/60
翼先端速度が10m/sを越えると、攪拌の設備コストと動力のランニングコストが大きくなり経済的でない。また、不均一触媒粒子に対して過大な力が加わり、不均一触媒粒子を傷つけたり破砕させたりすることによって、触媒の寿命を短くしたり、後工程で破砕物によるトラブルが発生し易くなるので好ましくない。
【0019】
一方、翼先端速度が0.1m/s未満であると、反応液中に不均一触媒粒子が浮遊しにくくなり、部分的な反応が不均一になり、局部的な温度や濃度の不均一が生じ、副反応が増加するので、反応上好ましくない。また、反応熱の除熱においても、除熱の効率が低下するので、反応温度の制御上好ましくない。
〔反応温度〕
反応温度は、15〜120℃となる条件で行うのが好ましい。
反応温度が120℃を超えると、ダイマー酸やオリゴマー等が増加し、さらにそのエステル化物が生成し、高沸点物の生成する副反応が増加し、好ましくない。また、重合物によるトラブルが発生し易く好ましくない。
【0020】
反応温度が15℃未満では、冷却する冷却媒体のコストが増加し好ましくない。また、反応速度が遅い場合が多く、装置サイズが大きくなり、経済的にデメリットが多い。
反応温度のより好ましい範囲として、30〜115℃、さらに50〜105℃が採用できる。
なお、本発明においては、上記以外の反応条件については特に限定されず、従来の技術に従い適宜設定することができる。
〔固液分離〕
本発明の反応方法においては、不均一触媒粒子の存在下での反応後、不均一触媒粒子を含む反応液を、固液分離機能を有する線状スクリーンに通すことにより、反応液と不均一触媒粒子とを分離して、反応液を反応器から抜き出す。
【0021】
線状スクリーンは、多数の線材を所定の隙間をあけて平行に並べて配置されている。線材同士の間隔を維持するために、線材と直交する方向に支持部材が配置される場合もある。この場合でも、線材同士の隙間幅に比べて支持部材の設置間隔を十分に大きく設定することで、実質的に線状の隙間を構成する。
スクリーンを構成する線材と線材との隙間の幅が、不均一触媒粒子の粒子径よりも実質的に小さい線状スクリーンを備えたものが好ましい。前記隙間幅が不均一触媒粒子の粒子径よりも小さいことにより、確実に不均一触媒粒子と反応液とを分離することができる。しかも、線材からなるスクリーンを用いて固液分離することによって、不均一触媒粒子が目詰まりし難くなり、長時間安定な運転をすることが可能になる。線状スクリーンは、目開きを一定間隔に均一に制御することができ、設計寸法よりも隙間の小さな部分が少ないので、不均一触媒粒子中に含まれる極端に小さな粒子はスクリーンを通過してしまって目詰まりを起こし難く好ましい。
【0022】
線状スクリーンの目開きのばらつきの最大値と最小値との比率を2倍以下に設定するのが好ましい。この比率が2倍を超えると、不均一触媒粒子のリークや、隙間の小さな部分における目詰まりが生じ易くなる。好ましくは1.0〜1.5倍、さらに好ましくは1.0〜1.2倍に設定する。なお、ここで言う最小値は、スクリーンの接合部などで構造上、局部的に小さくなった部分は除外して評価する。
線状スクリーンとは、線材からなるものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば、網状の板や格子状の板、網状の筒、コイル体、線を直線的に平行に配列した板状の平行線などが挙げられる。線状スクリーンを板状にしておけば、構造をシンプルにでき、固液分離の有効面積が少なくても良い場合に有効である。筒形またはコイル体にすれば、固液分離の有効面積を大きくとることができるとともに、取り外しが容易なので好ましい。
【0023】
線状スクリーンを構成する線材の断面形状は特に限定するものではないが、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、台形などが挙げられる。好ましくは、円形、楕円形、三角形、台形である。三角形や台形の場合には、幅の広い底辺側を固液分離の入口側に配置すると、液の流れ方向に対して流路が広がる方向になるので好ましい。幅の狭い側を固液分離の入口側に向けると、隣の線材との隙間が液の流れ方向に対し流路が狭くなる方向になるので、粒子が詰まりやすく好ましくない。
また、その線材同士の隙間幅は、具体的には、0.05〜2mmであることが好ましい。線材同士の隙間の長さ方向の寸法は、隙間幅に対して十分に長いものであれば実質的に限度はない。例えば、前記した線材を螺旋状に巻回する構造では、隙間の長さを自由に延ばすことができる。但し、線材に直交して支持部材が配置されている場合には、支持部材の間隔を隙間の実質的な長さと評価し、隙間幅に対して5倍以上の長さに設定できる。長さの上限については、目開きが不均一にならない範囲で、かつ、線材が液圧や差圧などで強度的に歪まない範囲で支持部材を配置できる長さであれば特に制限はない。現実的な長さの上限は数10cmから1mの範囲である。
【0024】
本発明において、前記線状スクリーンに前記不均一触媒粒子を含む反応液を通し、反応液を反応器から抜き出す手段としては、特に制限はないが、例えば、前記線状スクリーンの反応器側の圧力が、反応液が抜き出される側の圧力よりも高くなるようにすることが好ましい。
〔比 重〕
本発明の反応方法は、前記不均一触媒粒子を含む反応液において、反応液を吸収した状態の前記不均一触媒粒子の比重が、反応液の比重に対して0.9倍〜2.0倍である場合に、特に効果を発揮することができる。この比重範囲においては、従来固液分離手段として知られている液体サイクロンや重力沈降法に比べてコンパクトな装置で固液分離が可能になる。もちろん、反応液の比重に対する不均一触媒粒子の比重が前記範囲を外れる場合であっても、本発明の反応方法を適用することはできる。
【0025】
なお、比重は、次のようにして測定することができる。
湿潤状態の粒子に対して、比重を、湿潤状態の粒子の隙間の空隙部分を除いた重量g/その状態の体積cm3 で定義する。
具体的な測定方法として、メスシリンダーを用いて、湿潤試料の液面と粒子面が10cm3 で一致するようにして正確に液および樹脂を測りとる。その試料の重量W1 を測定する。試料の樹脂を布またはビニールスポンジに包み、遠心分離器で5〜10分程度かけて濾過し、液と樹脂を分離し、すばやく秤量ビンに移し、密栓し、付着液分を除いたあとの樹脂の重量W2 を測定する。遠心分離器は、径が約15cm、約3000rpmの条件で行うとよい。液の比重γは予め測定しておく。以上の測定結果から、下記の算出式を用いて比重を算出する。
【0026】
湿潤状態の比重(g/cm3 )=W2 /〔10−(W1 −W2 )/γ〕
〔発熱反応〕
本発明の反応方法は、反応器内の液量を基準に0.1〜3000kcal/h/kgの発熱を生じる反応に、好適に用いることができる。一般に、発熱反応では、不均一触媒や反応液の滞留部分で局部的な発熱や副反応によるトラブルが起こり易いので、これらの問題を解消できる本発明が有効となる。
発熱量が3000kcal/h/kgを越える反応の場合、不均一触媒粒子と反応液との分離の際に滞留部分が生じると、部分的に高い発熱を起こし、たとえ冷却媒体を用いたとしても除熱しきれないことが多い。そして、部分的な発熱は、反応生成物を重合させたり、不均一触媒粒子の寿命を縮める等の不都合を招く。本発明の方法によれば、不均一触媒粒子と反応液との分離の際に滞留部分を生じることはなく、これらの問題を容易に回避できるのである。特に、流動床において効果的に上記問題の回避が可能になる。なお、反応で生じる発熱量は、主反応原料(反応原料のうち、分子量の最も小さなものを基準にする)1モルあたりの理論発熱量から予測することができ、主反応原料1モルあたりの理論発熱量が5〜50kcal/molである場合には、本発明の反応方法を適用すればよい。
【0027】
もちろん、反応による発熱が0.1kcal/h/kg未満である場合でも、本発明を適用すれば不均一触媒や反応液の滞留部分を少なくできるので副反応の抑制等に有効である。
〔反応方法〕
本発明の方法は、不均一触媒粒子を用いて液相で反応を行う反応方法であれば、特に限定されずに、各種の反応方法に適用できる。特に、重合し易い物質を取り扱う反応、例えば、(メタ)アクリレートを生成させる反応において効果的である。
【0028】
具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリレートを生成させる反応や、アルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成させる反応に用いることが好ましい。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得るこの反応は、反応時の発熱量が大きく、しかも得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合性が、その中でも非常に高いことから、特に、本発明の方法を用いた場合の効果が大きいと考えられる。
本発明をより効果的にするために、一般的な重合防止剤や安定剤の存在下で取り扱うことが好ましい。このような添加剤としては、重合防止効果のある物質であれば、特に限定するものではない。
【0029】
<(メタ)アクリル酸とアルコールとを反応させて
(メタ)アクリレートを生成させる反応>
アクリル酸+メタノール → メチルアクリレート+水
アクリル酸+エタノール → エチルアクリレート+水
アクリル酸+n−ブタノール →n−ブチルアクリレート+水
アクリル酸+2エチルヘキサノール →2エチルヘキシルアクリレート+水
メタクリル酸+メタノール → メチルメタアクリレート+水
これらの反応においては、反応器などに脱水塔を設け、水を除去して、反応率、選択率を向上させることができる。
【0030】
Figure 0004205841
<原料アルコール>
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ターシャリブチルアルコール、2エチルヘキシルアルコールなどが使用できる。
【0031】
<原料酸>
(メタ)アクリル酸が使用される。
<原料アルキレンオキシド>
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドなどが使用できる。
本発明の反応方法は、2段階以上に分けて行ってもよい。例えば、ある程度まで反応が進行した反応後の反応液を前述のようにして抜き出し、抜き出された反応後の反応液をさらに同様の方法で反応させることにより、反応率や選択率を向上させることができる。
【0032】
〔反応装置〕
本発明の反応装置は、前記の不均一触媒粒子を用いた反応において使用される装置である。固定床反応装置と流動床反応装置の両方が適用できる。攪拌器を有する槽型の反応器と液抜きラインとを備える。反応器と液抜きラインの間に固液分離機能を有する線状スクリーンを配置する。線状スクリーンは、不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する。
線状スクリーンはスクリーン面が反応器の内側で下向きになるように、反応器の側壁に取り付けられていることが好ましい。このように、スクリーン面を下向きになるように設置することにより、不均一触媒粒子による目詰まりを効果的に防止することができる。
【0033】
さらに、流動床反応装置の場合、線状スクリーンは、固液分離の際の不均一触媒粒子を含むスラリー状反応液の流動を大きく妨げないように設置されていることが好ましい。
本発明の反応装置は、前記液抜きラインを複数備え、各液抜きラインが別々の線状スクリーンを介して前記反応器に繋がれていることが好ましい。
線状スクリーンは、反応液の流動経路中に設置することで、固液分離の効率がよくなりトラブルも少なくなる。具体的な設置場所については特に限定されない。
【0034】
例えば、槽の底部にノズルをつけ、このノズルの中に線状スクリーンを埋め込んでもよいし、ノズルからはみ出すような形態で線状スクリーンを取り付けることもできる。槽の底部に板状のスクリーンを取り付けることもできる。線状スクリーンを埋め込んだり一部をはみ出して取り付けたノズルを、槽の側部に取り付けることもできる。槽の上部に抜き出し管を取り付け、その先端に線状スクリーンを設けておくこともできる。
但し、流動床反応装置の場合、樹脂の滞留部に線状スクリーンを設置すると、その滞留部分での副反応が進んだり、重合物等の固形物によるトラブルが発生し易い。そのため、各攪拌や循環によって液が流動している部分に線状スクリーンを配置するのが好ましい。
【0035】
滞留部分に線状スクリーンを設置した場合、不均一触媒の粒子がスクリーン表面に付着し、その分だけ濾過の差圧が上がるというデメリットがあるのに対し、流動部分の場合には、濾過の差圧が上昇しない。これは、不均一触媒の粒子が常に洗い流され、表面に蓄積しないことによると考えられる。不均一触媒の滞留による副反応や重合などのトラブルも解消される。
液が流動状態であれば、槽の中にすっぽりと入る籠を線状スクリーンで作製しておき、この籠の中に不均一触媒および攪拌器をいれて攪拌しながら反応させることもできる。
【0036】
固定床反応装置の場合も、基本的な構造は流動床反応装置と共通している。線状スクリーンの構造についても同様の技術が適用できる。反応器を横断する平坦な面を構成するように線状スクリーンを配置しておくことができる。線状スクリーンは横断面の全体あるいは一部に設けることができる。
線状スクリーンの配置は、固定床反応装置の反応器内での液流れ方向に対し、垂直な断面に対して均等な流れになるように設置するのがよい。例えば、筒状スクリーンであれば、液流れ方向に垂直な断面に対して3個/m2 以上を均等に配置するのがよい。3個/m2 未満の場合は、触媒層内に液の滞留部分が生じたり、重合物等が生成し易く、スクリーンを詰まらせたり、反応効率の低下を招くので好ましくない。
【0037】
固定床反応装置の反応器には、不均一触媒が固定充填される。不均一触媒の充填方法や充填条件は、通常の反応方法と同様に行える。
反応液の流通は、反応器の下部側から上部側へと上昇流にすることもできるし、上部側から下部側への下降流にすることもできる。エステル化反応やエステル交換反応のように軽沸分離を行う反応蒸留の場合は上昇流が好ましい。詰まり防止には下降流のほうが好ましい。
反応器のうち、線状スクリーンに隣接する位置には比較的大径の不均一触媒粒子を配置し、線状スクリーンから離れた位置には比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくことができる。比較的大径の不均一触媒粒子は線状スクリーンの隙間を通過し難い。比較的小径の不均一触媒粒子は、反応効率が良好である。比較的大径の不均一触媒が比較的小径の不均一触媒粒子の通過を防ぐスクリーンとしての機能を果たす。
【0038】
反応器の底部側に平坦な線状スクリーンが配置されている場合には、線状スクリーンの上部空間に比較的大径の不均一触媒粒子を一定の深さで充填し、その上の空間に比較的小径の不均一触媒粒子を充填することができる。
上記2種類の不均一触媒粒子の粒径比として、比較的小径の不均一触媒粒子の粒径を、比較的大径の不均一触媒粒子の粒径の0.8倍程度に設定することができる。比較的大径の不均一触媒粒子の粒径を線状スクリーンの隙間幅の1.1〜30倍に設定し、比較的小径の不均一触媒粒子の粒径を線状スクリーンの隙間幅の1.0〜15倍に設定することができる。
【0039】
さらに、線状スクリーンと隣接する位置には、触媒機能を有しない比較的大径の粒子を配置しておき、その外側に比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくこともできる。触媒機能を有しない粒子の具体例として、ステンレス鋼などが使用できる。
反応器のうち、反応液が供給される側には、不均一触媒粒子の逆流を防いだり、反応液の分散を良好にするために、メッシュ状などの分散板を配置しておくことができる。反応液の分散は、不均一触媒の充填層の水平断面に対し、出来るだけ均一であるのが好ましい。
【0040】
下降流の場合は、不均一触媒粒子の逆流対策は必ずしも必要ない。このとき、反応液の分散を良好にするための分散板は、必ずしも全面をおおう必要はない。全面または一部に配置された多孔板であってもよいし、傘状の多孔板であってもよい。メンテナンスを考えて比較的小さなものにしておくこともできる。通常の分散方法を適用して不均一触媒粒子上に液が分散されていれば、分散板の形状や構造については特に限定されない。
〔反応装置の具体例〕
以下に、前記のイオン交換樹脂を用いた反応において使用される、本発明の反応装置について、図面を用いて説明する。
【0041】
<固定床反応装置(1)>
図1(a) に示す反応装置は、固定床反応装置である。
断面円形の筒状をなし、上下端がドーム状に塞がされた反応器10は、上端には反応液40の供給口12を備え、下端には反応後の反応液を取り出す液出し口14を有している。
反応器10の内部空間で上部近くには、メッシュ状の分散板16が配置され、底部近くには仕切り板18が配置されている。分散板16と仕切り板18の間の空間に不均一触媒粒子30が充填されている。仕切り板18には、筒形の線状スクリーンを有する固液分離器20が配置されており、反応液40は固液分離器20を通過して、仕切り板18の下方の空間へと送りだされる。
【0042】
不均一触媒粒子30は、仕切り板18および固液分離器20に近い下部側の一定深さについては、比較的大径の不均一粒子34が充填されている。固液分離器20は比較的大径の不均一粒子34に埋まった状態である。比較的大径の不均一粒子34の上方には比較的小径の不均一粒子32が充填されている。
不均一触媒粒子30が充填された反応器10に反応液40を供給することで、反応液40は分散板16で反応器10の全面に均等に拡げられ、反応器10内を下降しながら、不均一触媒粒子30の存在下で反応を起こす。反応後の反応液40は、固液分離器20で不均一触媒粒子30と分離され、反応液40だけが液出し口14から取り出される。
【0043】
分散板16がない場合、反応液40は供給口12の真下の反応器10の中心部分に集中して流れるため、反応器10の容積のうち反応に有効に利用される部分の割合が少なくなり反応性能の悪化を招き易い。特に、反応器10の上端に近い周囲部分では反応液40が滞留し易く、重合や副反応が起こり易い。このような問題を解消するために、分散板16の設置が有効である。
図1(a) に示したメッシュ状の分散板16のほか、多孔板状の分散板を用いたり、図1(b) に示すように、供給口12の真下に傘状の分散板17を設置したりすることもできる。複数の分散手段を組み合わせて設置しておくこともできる。
【0044】
なお、反応器10の真上部分に1個所だけ供給口12を配置しておく構造のほか、反応器10の平面形状全体に分散して複数個の供給口12を配置しておくこともできる。
さらに、図1(c) に示すように、反応器10の内部で供給口12に連結され、全体が円環状をなす分散配管13の複数個所に、短管や貫通孔からなる通液口15を設けておけば、周方向に均等に反応液40を分散させて供給することができる。
図示を省略するが、上記の分散配管13と同じものを、反応器10の下部で液出し口14に近い側に設けておけば、固液分離器20を通過した反応液40を、反応器10の全周から均等に集めて液出し口14へと送りだすことができる。
【0045】
図2および図3は、固液分離器20の詳細構造を示している。
線状スクリーンを構成する線材22が、螺旋状に巻回されて筒形をなす状態で支持されている。筒形をなす線材22の上下には支持部材24、26が配置されている。中心を貫挿する支持ボルト28で上下の支持部材24、26が支持されている。支持部材26が仕切り板18に固定されることで、固液分離器20が取り付けられる。
図3に示すように、螺旋状に巻回された線材22は、隣接する部分の線材22の間に隙間21をあけた状態で配置され、線材22の内周側に配置され、上下の支持部材24、26に支持された支持軸23に取り付けられている。線材22の断面形状は、概略2等辺三角形をなし、外周側に幅の広い底辺が配置され、内周側に頂点が配置されている。
【0046】
不均一触媒粒子30を含む反応液30が、線材22で構成される筒形の線状スクリーンを通過しようとすると、線材22間の隙間21の幅Wよりも大きな粒径の不均一触媒粒子30は通過を阻止され、反応液40だけが通過することになり、固液の分離が果たされる。
図2では、線材22で構成される線状スクリーンの下端が、支持部材26の内側で仕切り板18よりも低い位置に配置されている。これによって、仕切り板18の上面位置まで確実に反応液40を通過させて固液分離を行うことができる。仕切り板18の上面付近における反応液40の滞留が起こり難い。
【0047】
線状スクリーンすなわち線材22の下端を、仕切り板18の上面と同じ位置もしくはそれより下に配置しておいたり、仕切り板18よりも少し高い位置に配置しておくこともできる。但し、仕切り板18の上方に反応液40の滞留が出来るだけ生じないように固液分離器20の構造を設定するのか好ましい。例えば、前記した線状スクリーンの下端と仕切り板18の上面との間隔は15mm以下に設定しておくことが好ましい。
図4に示す固定床反応装置は、前記実施形態とは固液分離器20の構造が異なる。
【0048】
反応器10の底部近くに、水平方向の横断面の全面にわたって平坦な線状スクリーンからなる固液分離器20が配置されている。図4(b) に示すように、反応器10の横断面に、多数の線材22が互いの間に隙間21をあけて平行に配置されている。線材22の断面形状は、前記図3と同じであり、幅の広い底面側が上部、頂点側が下部に配置されている。多数の線材22は、裏面側に配置された支持軸23で支持されている。
上記実施形態では、反応器10の横断面全体が固液分離機能を果たすことになり、効率的な固液分離が行える。
【0049】
<流動床反応装置>
図5に示す反応装置は、流動床反応装置である。
反応器50の基本的な構造は前記した固定床反応装置の場合と同様である。図示しないが、反応器50の上部には反応液40の供給口を備えている。
反応器50の内部に、モータなどで回転駆動される攪拌器52が設けられている。反応器50の下部外周には、加温あるいは冷却を行うための加熱冷却ジャット54が設けられている。
反応器50の下部側面には、収容筒58の内部に収容された固液分離器20が取り付けられている。筒形の線状スクリーンからなる固液分離器20は収容筒58の端面を塞ぐフランジ板59に接続された液出し管56に接続されている。
【0050】
固液分離器20は、大部分が収容筒58の内部に配置されているとともに、先端の一部は収容筒58よりも内側の反応器50の内部に突き出している。
図5(b) に示すように、収容筒58および固液分離器20は複数台が設置されており、反応器50の水平断面において放射方向に配置されているものと、放射方向に対して傾いた方向に配置されているものとが混在している。
流動床反応装置では、反応器50の上部に供給された反応液40と不均一触媒粒子30とは、攪拌器52で攪拌されることによって、流動状態で反応を行う。
反応液40の一部を、固液分離器20を経て液出し管56へと抜き出す。このとき、反応液40に分散している不均一触媒粒子30は、固液分離器20の筒形スクリーンを構成する線材22の隙間21は通過できないので、反応液40だけが分離されて取り出される。
【0051】
図6に示す実施形態は、前記実施形態とは固液分離器20の取付構造が異なる。
図6(a) では、収容筒58に収容された固液分離器20の先端が、反応器50の内周壁よりも内側に配置されている。
図6(b) では、固液分離器20の先端が収容筒58よりも内側に大きく突出している。また、固液分離器20の先端側の長さLの部分だけに線材22による線状スクリーンが設けられている。
図6(c) では、図6(b) の構造において、収容筒58と固液分離器20との間の隙間が極力小さくなるように、固液分離器20の根元側を外周に張り出している。このような構造であれば、収容筒58と固液分離器20の間における反応液や不均一触媒粒子の滞留をなくし、重合物の生成や副反応を防ぐことができる。収容筒58と固液分離器20との隙間にテフロン(商品名、フッソ樹脂)等からなるパッキン材を入れておいてもよい。
【0052】
図7に示す実施形態は、反応器50の底面中央に固液分離器20を配置している。
図7(a) では、反応器50の底面中央に上向きに固液分離器20が配置されている。図7(b) では、反応器50の底面中央に下向きに張り出した収容筒58の内部に固液分離器20が収容されている。図7(c) では、反応器50の底面周辺部に固液分離器20が配置され、固液分離器20の一部が収容筒58に残りの一部が反応器50の内部空間に配置されている。線材22からなる線状スクリーンは、収容筒58よりも上方に配置されている。固液分離器20の下部を太く張り出して、固液分離器20と収容筒58の内面との間に大きな隙間が出来ないようにしている。この構造で、固液分離器20の長さは特に限定されるものではなく、例えば、液面近くまで延ばしておいてもよい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明にかかる実施例および比較例について説明するが、本発明は該実施例により何ら制限されるものではない。
〔固定床反応〕
<実施例1>
固定床反応装置を用いてメチルアクリレートの生成反応を行った。
生成物:メチルアクリレート
原料:アクリル酸、メタノール
反応器:固定床反応装置(図1参照)、径1400mm、高さ2300mm、直胴部容量3.5m3 、樹脂仕込み量2.0m3
固液分離器:ジョンソンスクリーン(商品名:日揮ユニバーサル社販売)、円筒型、濾過有効部(線状スクリーン)が仕切り板よりも10mm下まで配置されている(図2参照)、筒形スクリーンの外径50mm、有効長さ170mm、線材の幅1.5mm、隙間幅0.3mm、設置数20個(13.0個/m2 )、有効濾過面積0.534m2 (0.027m2 /個)、開口部面積0.089m2 (0.0044m2 /個)
通過液量:通過液量1.67m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度0.87mm/s、開孔部通過線速5.2mm/s、反応器の上部から下部への下降流
不均一触媒:ダイヤイオンPK−208(商品名:三菱化学社製、パラトルエンスルホン酸を主成分とする多孔質タイプの陽イオン交換樹脂、50%粒径=約700μm、15%粒径=約500μm
−実施結果−
反応器入口組成:主原料(アクリル酸)50%、副原料(メタノール)20%、製品(メチルアクリレート)15%、水5%
反応器出口組成:主原料(アクリル酸)30%、副原料(メタノール)5%、製品(メチルアクリレート)40%、水10%、不純物15%
コンバージョン35〜40%
100時間後:運転上の問題なし
1000時間後:不均一触媒粒子には問題なし。ポリマー付着はほとんどない。線状スクリーンの支持構造に微量のポリマーが付着したが簡単に除去できた。
【0054】
<実施例2>
実施例1において、固液分離器のジョンソンスクリーンとして、線状スクリーンの部分が、仕切り板の上に15mm突出する状態で配置された構造のものを用いた。線状スクリーンの下端と仕切り板の表面との間に間隔があいており、仕切り板の上に反応液が少し滞留する構造である。
−実施結果−
反応実施1000時間後に、線状スクリーンの支持構造にポリマー付着があった。半数の線材にわずかなつまりが発生。但し、ジェット洗浄を行うことで除去できた。一部の線材はブラシ洗浄を行った。
【0055】
<実施例3>
メチルメタアクリレートの生成反応を行った。実施例1と共通する条件については説明を省略する。
生成物:メチルメタアクリレート
原料:メタアクリル酸、メタノール
反応器:固定床反応装置(図1参照)、径1800mm、高さ2500mm、満液状態で使用。
固液分離器:ジョンソンスクリーン(商品名:日揮ユニバーサル社販売)、筒形スクリーンの外径60mm、有効長さ170mm、エレメント(線材)の幅1.5mm、隙間幅0.15mm、設置数20個(4.8個/m2 )、有効濾過面積0.64m2 (0.032m2 /個)、開口部面積0.058m2 (0.0029m2 /個)
通過液量:通過液量3.00m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度1.30mm/s、開孔部通過線速14mm/s
不均一触媒:実施例1と同じ。
【0056】
−実施結果−
反応温度:70℃
反応器入口組成:主原料(メタアクリル酸)61%、副原料(メタノール)9%、製品(メチルメタアクリレート)27%
反応器出口組成:主原料(メタアクリル酸)45%、副原料(メタノール)3%、製品(メチルメタアクリレート)46%
コンバージョン25%になるように反応温度を操作した。
4カ月後:反応温度は79℃であり、実施例4に比べて、不均一触媒粒子の寿命延長に効果があることが確認できた。不均一触媒粒子は、4ヵ月の連続運転で運転上問題なし。ポリマー付着はほとんどない。線状スクリーンの支持構造に微量のポリマー付着が簡単に除去できた。
【0057】
<実施例4>
実施例3において、固体液分離器を、実施例2の構造に変更した。具体的には、固液分離器のジョンソンスクリーンとして、線状スクリーンの部分が、仕切り板の上に15mm突出する状態で配置された構造のものを用いた。
−実施結果−
反応温度:70℃
反応器入口組成:主原料(アクリル酸)61%、副原料(メタノール)9%、製品(メチルアクリレート)27%
反応器出口組成:主原料(アクリル酸)45%、副原料(メタノール)3%、製品(メチルアクリレート)45%
4ヵ月後:反応温度83℃。不均一触媒粒子は、4ヵ月の連続運転で運転上問題なし。線状スクリーンの支持構造にポリマー付着。半数の線材にわずかなつまりが発生。但し、ジェット洗浄を行うことで除去できた。一部の線材はブラシ洗浄を行った。
【0058】
<実施例5>
実施例3において、不均一触媒粒子の充填条件を変更した。実施例3と共通する条件については説明を省略する。
具体的には、不均一触媒粒子を分級し、粒径700〜1200μmの大粒部(全体の5%)と、粒径300〜700μmの小粒部(全体の95%)に分割した。図1に示すように、反応器10の底部側で固液分離器20よりも少し高い位置まで大粒部34を充填したあと、その上に、小粒部32を充填した。
−実施結果−
4ヵ月後:反応温度77℃。不均一触媒粒子は、4ヵ月の連続運転で運転上問題なし。ポリマー付着はほとんどない。極微量の付着ポリマーも簡単に除去できた。
【0059】
<比較例1>
実施例2において、固液分離器にワイヤメッシュストレーナを用いた以外は、同じ条件を採用した。
固液分離器:ワイヤメッシュストレーナ、円筒、50メッシュ、濾過有効部が仕切り板の15mm上に配置される。
−実施結果−
100時間後:経時的に反応率、選択率が低下していき、圧力損失が上昇する傾向であった。
【0060】
約500時間で運転が困難になったので、点検を行ったところ、不均一触媒粒子の微細なものがストレーナのメッシュに詰まっていた。粘性物、ポリマーの付着が多かった。メッシュの交換が必要であった。ストレーナの支持構造にもポリマーが付着していた。
〔流動床反応〕
<実施例6>
流動床反応装置を用いて、2エチルヘキシルアクリレートの生成反応を行った。
【0061】
生成物:2エチルヘキシルアクリレート
原料:アクリル酸、2エチルヘキサノール
反応器:流動床反応装置(図5参照)、脱水充填塔100φ付き、径500mm、ステンレス製100リットル、仕込み量〔反応液+不均一触媒粒子70リットル、不均一触媒粒子18リットル(乾燥状態)〕、ジャケット加熱/蒸気投入。
固液分離器:ジョンソンスクリーン(商品名:日揮ユニバーサル社販売)、円筒型、反応器の底部外周に取付、筒形スクリーンの外径34mm、有効長さ60mm、エレメント(線材)の幅1.5mm、隙間幅0.15mm、設置数1個(3.1個/m2 )、有効濾過面積0.0064m2 、開口部面積0.00058m2 、図6(c) に示す構造の固液分離器を90°回転させて上向き姿勢で設置。
【0062】
通過液量:通過液量0.039m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度3.17mm/s、開孔部通過線速18mm/s、反応器の上部から下部への下降流。
攪拌器:ファウドラ翼、翼径比0.7、翼先端速度4m/s
不均一触媒:実施例1と同じ。
−実施結果−
反応器圧力:70mmHg
反応器入口組成:主原料(アクリル酸)49%、副原料(2エチルヘキサノール)35.6%、製品(2エチルヘキシルアクリレート)14.2%、水0.1%。反応器に23.5kg/hおよび塔頂から13.2kg/hのアルコールを供給、塔頂より主原料に対して0.05%のフェノチアジンを投入した。
【0063】
反応器出口組成:主原料(アクリル酸)13.2%、副原料(2エチルヘキサノール)25.7%、製品(2エチルヘキシルアクリレート)59.6%、水0.4%で、反応液は34.8kg/hであった。留出タンクでは、水相1.7kg/h、油相0.18kg/hを抜き出した。
コンバージョン:アクリル酸で60%、アルコールで58%
選択率:アクリル酸で98.4%、アルコールで98.5%
不純物:ダイマー酸2エチルヘキシル0.26%等
150時間後点検、ポリマーはなかった。
【0064】
1000時間後:スクリーンの隙間に樹脂が詰まっていた。ポリマーの付着はなし。問題なし。
<実施例7>
ヒドロキシプロピルアクリレートの生成反応を行った。
生成物:ヒドロキシプロピルアクリレート
原料:アクリル酸、プロピレンオキサイド
反応器:不均一触媒粒子48リットル(湿潤状態)を仕込み、ジャケットに冷水を流して冷却した以外は、実施例6と同じ。
【0065】
固液分離器:ジョンソンスクリーン(商品名:日揮ユニバーサル社販売)、円筒型、反応器の底部外周の反応液の流動部分に取付(図6(b) 参照)、筒形スクリーンの外径34mm、有効長さ30mm、エレメント(線材)の幅1.5mm、隙間幅0.15mm、設置数1個(3.1個/m2 )、有効濾過面積0.0032m2 、開口部面積0.00029m2
通過液量:通過液量0.031m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度2.7mm/s、開孔部通過線速30mm/s。
攪拌器:実施例6と同じ。
【0066】
不均一触媒:ダイヤイオンPK−316(商品名:三菱化学社製、アミン系の陰イオン交換樹脂、50%粒径=約700μm、15%粒径=約450μm)
−実施結果−
反応温度:80℃
反応器入口組成:主原料(アクリル酸)45重量%、副原料(プロピレンオキサイド)55重量%。
滞留時間:1時間になるように原料投入。
コンバージョン:80%
100時間後:異常なし
1000時間後:ポリマーの付着なし
<実施例8>
2ヒドロキシエチルアクリレートを用いて固液分離を行った。
【0067】
反応器:ステンレス製20リットルの容量で、不均一触媒60%仕込みにした以外は実施例7と同じ。
固液分離器:実施例7と同じ。
通過液量:通過液量0.0095m3 /h、液密度1050kg/m3
攪拌器:パドル(3枚)、翼径比0.4、翼先端速度1.5m/s。
不均一触媒:実施例7と同じ。
−実施結果−
操作温度:60℃
100時間後:異常なし
1000時間後:異常なし、安定した運転、目詰まりなし。
【0068】
<比較例2>
実施例6において、固液分離器に80メッシュの金網を用いた以外は、同じ条件を採用した。
固液分離器:80メッシュの金網(径100mm)を反応器の底部の抜き出し管に取り付けた。メッシュ線材の幅0.15mm、隙間幅0.17mm、開口率25%、有効濾過面積0.0079m2 、開口部面積0.00196m2
通過液量:通過液量0.039m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度1.4mm/s、開孔部通過線速5.5mm/s(、反応器の上部から下部への下降流。
【0069】
攪拌器、不均一触媒:実施例6と同じ。
−実施結果−
150時間後、樹脂が目詰まりし、差圧が上昇傾向になったので運転を停止し点検を行った。
メッシュに不均一触媒が目詰まりを起こしていた。また、ポリマーの付着による目詰まりも多かった。固液分離器を十分に洗浄してから復帰させる必要があった。
<比較例3>
比較例2と同様に、固液分離器に80メッシュの金網を用いた以外は、実施例6と同じ条件を採用した。
【0070】
固液分離器:80メッシュの金網(径100mm)を円筒状にして、反応器の底部の外周部に取り付けた。取付位置は攪拌器の翼径の50%より外側。筒形メッシュの外径34mm、有効長さ60mm、メッシュ線材の幅0.15mm、隙間幅0.17mm、設置数1(3.14個/m2 )、有効濾過面積0.0064m2 、開口部面積0.00016m2
通過液量:通過液量0.039m3 /h、液密度900kg/m3 、有効濾過面積通過速度1.7mm/s、開孔部通過線速7mm/s、反応器の上部から下部への下降流。
【0071】
攪拌器、不均一触媒:実施例6と同じ。
−実施結果−
500時間後:メッシュに樹脂が少し目詰まりを起こしていた。少量のポリマー付着があったので、洗浄を行った。
<比較例4>
実施例7と同じ生成反応を、反応器と沈降槽とを組み合わせて実施した。
反応器には固液分離器を設けず、反応器から抜き出した反応液と不均一触媒粒子とのスラリー液を、40mmφ×100mm高さの重量沈降槽に送って、上澄み液を抜き出した。沈降槽も冷却ジャケット(1リットル/時間で循環)で冷却した。
【0072】
−実施結果−
3時間後、沈降槽の温度上昇傾向が認められた。循環ポンプの異常がみられたので停止させた。沈降槽に、ポリマーと固まった不均一触媒とがみられた。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、不均一触媒を用いた反応方法において、不均一触媒粒子と反応液との分離に際し、副反応や重合を防止し、不均一触媒粒子の目詰まりによる不安定な運転を回避しつつ、コンパクトな装置を用いて、不均一触媒粒子と反応液との分離を確実に効率よく行うことができる。
特に、不均一触媒粒子と反応液との分離を行う線状スクリーンは、幅方向に比べて長さ方向に十分に広い隙間を有しているため、隙間幅を狭くしても反応液の通過を阻害することが少ない。また、粘性や付着性の高いポリマーが生成される反応であっても、線状スクリーンの隙間に詰まったり付着してしまうことが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す固定床反応装置の断面図(a) および要部断面部(b) (c)
【図2】 固液分離器の拡大断面図
【図3】 線状スクリーンの拡大断面図
【図4】 流動床反応装置の垂直断面図(a) および水平断面図(b)
【図5】 別の実施形態を表す概略構造図(a) および水平断面構造図(b)
【図6】 別の実施形態を表す概略構造図
【図7】 別の実施形態を表す概略構造図
【符号の説明】
10、50 反応器
12 供給口
14 液出し口
15 通液口
16 分散板
18 仕切り板
20 固液分離器
21 隙間
22 線材
30 不均一触媒粒子
40 反応液
52 攪拌器

Claims (7)

  1. 断面円形の筒状の反応器と、線材を間隔をあけて螺旋状に巻回してなる筒形スクリーンであって不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する線状スクリーンとを備え、該線状スクリーンを、前記反応器内における不均一触媒粒子の充填空間の底面に配置された仕切り板に、反応液が通過する隙間と仕切り板の上面との間隔が5mm以下になるようにして配置してなる固定床反応装置を使用し、反応液を、不均一触媒粒子が充填された反応器の上部から下部へと通過させて反応を行う方法であって、反応器内に不均一触媒粒子を充填しておく工程(-a)と、前記反応器に供給された反応液を前記不均一触媒粒子の存在下に反応させる工程(a) と、前記不均一触媒粒子が含まれる反応後の反応液を前記線状スクリーンの外側から内側へと通して、不均一触媒粒子と分離された反応液を反応器から抜き出す工程(b) とを含み、前記工程(-a)では、前記線状スクリーンに上流側で隣接する位置には比較的大径の不均一触媒粒子を配置し、前記線状スクリーンから離れた位置には比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくことを特徴とする、不均一触媒を用いた反応方法。
  2. 記線状スクリーンとして、前記不均一触媒粒子の15%粒径よりも小さな隙間幅を有するものを用いる、請求項1に記載の不均一触媒を用いた反応方法。
  3. 前記筒形スクリーンの線材は筒形スクリーンの外周側が太く内周側が狭いテーパー状の断面を有するものであ、請求項1または2に記載の不均一触媒を用いた反応方法。
  4. 前記不均一触媒粒子として、平均粒子径0.1〜3mmのイオン交換樹脂粒子を用いる、請求項1からまでのいずれかに記載の不均一触媒を用いた反応方法。
  5. 前記反応が、アルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成させる反応である、請求項1からまでのいずれかに記載の不均一触媒を用いた反応方法。
  6. 前記反応が、(メタ)アクリル酸を反応させて(メタ)アクリレートを生成させる反応である、請求項1からまでのいずれかに記載の不均一触媒を用いた反応方法。
  7. 請求項1からまでのいずれかに記載の反応方法に使用される固定床反応装置であって、不均一触媒粒子および反応液が収容される断面円形の槽型の反応器と、前記反応器に接続され、反応後の反応液を取り出す液抜きラインと、前記反応器の反応液の収容空間と前記液抜きラインとの間に配置され、不均一触媒粒子を実質的に通過させない隙間幅を有する線状スクリーンとを備え、前記線状スクリーンに上流側で隣接する位置には比較的大径の不均一触媒粒子を配置し、線状スクリーンから離れた位置には比較的小径の不均一触媒粒子を配置しておくことを特徴とする固定床反応装置。
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