JP4205689B2 - 横葺き屋根の下り棟納め構造 - Google Patents
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しかし、現場で板金加工の行える熟練工の減少により、現場での端部加工等を必要としない施工技術および構造が必要とされている。
その中で、下り棟等においては、端縁をジョイナー等で挟着して納める方法も行われているが、施工者の認識(技術)のばらつきによって横葺き屋根板の飛散事故や浸水事故が発生することもある。
代表的な例は、下り棟の棟芯側が固定されずにジョイナーで接続した結果、負圧等によって捲れあがってしまうことがある。すなわち、棟部分では垂木の配設方向に直交して横葺き屋根板が配設されるため、1枚の横葺き屋根板が複数の垂木を跨ぎ、その結果、複数箇所(垂木上)に固定することができるが、下り棟等では、横葺き屋根板長さが棟部分に比べて短くなることが多く、複数の固定箇所(垂木)を確保できずに、片持ち状に止め付けられたり、引き抜き強度の弱い下地材にビス止めが行われてしまうとことがある。
1.横葺き屋根の下り棟納め構造において、被取付部と両側の固定部を有する支持部材を隣り合う下地面に跨ぐようにして当該固定部を下地に固定し、前記支持部材の両側に横葺き屋根板をそれぞれ配し、前記横葺き屋根板端部を、化粧部と押圧部と固定縁部を有する保持部材の前記押圧部で押圧すると共に当該固定縁部を前記被取付部に固定し、前記被係止部及び前記固定縁部を長手方向の軒側端よりも棟側端が高くなるようにし、前記被係止部に前記保持部材を覆うカバー部材の係止部を係止することで構成されている。
2.前記した1において、保持部材の押圧部は、少なくとも横葺き屋根板表面との接触部分に弾性材を設けたことを特徴とする。
下地は、鉄骨でも、軒棟方向に架設された垂木でも、その他の公知のものでもよく、支持部材の固定強度が十分に得られるものであれば制限はない。
支持部材は、端から端まで長尺状(連続材)のものであってもよいし、複数の垂木あるいは下地に固定可能な長さであれば一定長さのものからなる複数の組み合わせであってもよい。すなわち支持部材は、取り付け対象となる屋根面同士の境界に沿って支持部材に固定される横葺き外装材等がその端部を支障なく固定可能であれば、支持部材端部間に隙間が介在していてもよい。支持部材の上面部は、平坦状、略三角状、湾曲状等でよく制限されない。起立部は、略鉛直状であっても傾斜状であってもよい。傾斜状の場合、起立部へのビス等の固定具による固定が容易に行えることになる。
保持部材は、1部材でも、保持部材とカバー部材からなる複数部材であってもよい。1部材のものでは、カバー部材を兼ねる態様のものであってもよい。この保持部材は、少なくとも化粧部と押え部と固定縁部を有し、各部が他部を兼ねる態様のものであってもよい。例えば、押え部が化粧部を兼ねるもの、固定縁部が化粧部を兼ねるもの等であってもよい。押え部は、横葺き屋根板端部を各段毎に押える態様でも、横葺き屋根板端部を部分的に押えるものであってもよい。また、押え部は、各段の屋根材端部の流れ方向長さの全長を押えるものでも、部分的或いは適宜間隔で押えるものであってもよい。
また、保持部材は、横葺き屋根板端部の押え付けの他に、雨仕舞の機能、カバー部材等の他部材の取付け部等を兼ね備えるものでもよい。この雨仕舞の機能を兼ね備えたものとして、押え部は弾性材を設けてある態様のものであってもよい。この弾性材としては、防水性に富む弾性ゴム材等のシール材が挙げられるが、横葺き屋根板端部を押圧することで同端部表面に密着し、各段の横葺き屋根板端部表面との間に隙間が発生しないように働き得る形態のものであればよい。
カバー部材は、支持部材および押え部による横葺き屋根板端部の押え部分をカバーするものであればよく、このカバー部材の止め手段としては、ビス止め等によるもの(ビス孔から浸水しない箇所)でも、係合、カシメ、嵌合等の公知の止め手段であればよい。
B.請求項2により、さらに、横葺き屋根板端部からの浸水を弾性材で阻止できるため、当該端部から屋根板裏面側への浸水がない。
支持部材2は下り棟の一端から他端まで達する金属板製の長尺状のもので、断面略逆V状上面部2aと、上面部2aの両側縁から下方へ折曲した左右の起立部2bと、起立部2b下端から外側(軒側)に折曲して延出した左右の固定部2cを有し、各折曲部のうちの上面部2a頂部の角部2dと、起立部2bと固定部2cの角部2eには、長手方向に沿って小間隔で連続的に連なる複数の開口部2fを有している。この開口部2fは、長孔の長手方向の両端が外側に凸の山形状にしてあり、曲げセンターが出しやすく且つ曲げ作業し易くしてある。
左右の各段における横葺き屋根板端部3a上には保持部材4を載置し、保持部材4の押え部4aが横葺き屋根板端部3aを押圧して固定部2cすなわち垂木1側に押し付けた状態に、保持部材4を支持部材2にビス等の固定具9で止着することにより固定してある。
かかる保持部材4は、固定縁部4dを支持部材2の起立部2bに固定具9で固定してあり、押え部4aで横葺き屋根板端部3aを各段ごとに押圧して押え付けている。
支持部材2左右の下り棟芯方向に沿う各保持部材4にはカバー部材6を被せ、カバー部材6の係止部6aを被係止部4cに係止させて覆設してある。
そして、横葺き屋根板端部3a裏面側には捨て板7をそれぞれ配設してある。捨て板7は外側側縁に軒棟方向に平行状の返し部7aを、内側側縁に支持部材2の起立部2bに沿う立ち上げ部7bを形成してあり、下り棟芯側の小幅状側縁部7cは横葺き屋根板3における当該段の横葺き屋根板3の水上側成形部3bよりも水上側に、軒側の広幅状側縁部7dは下段の横葺き屋根板3の水上側成形部3bより水下側に、それぞれ位置し、横葺き屋根板端部3aから裏面側への浸水があったとしても、これを広幅状側縁部7dから下段の横葺き屋根板3の水上側成形部3bに分散して当該段の横葺き屋根板3上に導くことで屋根裏に漏水がないようにしてある。立ち上げ部7bは起立部2bと固定縁部4dに挟着されている。
保持部材4はカバー部材6を兼ねており、固定縁部4dを支持部材2の起立部2bに固定具9で固定してあり、押え部4aで各段の横葺き屋根板端部3aを押圧して押え付けている。
保持部材4の押え部4a裏面にはシール材11を貼着する等して設けてあり、このシール材11を経て押え部4aで各段の横葺き屋根板端部3aを押圧することで、当該シール材11を同端部3a表面に密着させて隙間をなくして止水し、外側から内部への浸水を阻止して雨仕舞してある。
2 支持部材
2a 上面部
2b 起立部(被取付部)
2c 固定部
2d,2e 角部
2f 開口部
3 横葺き屋根板
3a 横葺き屋根板端部
3b 水上側成形部
3c 水下側成形部
4 保持部材
4a 押え部
4b 化粧部
4c 被係止部
4d 固定縁部
5,9 固定具
6 カバー部材
6a 係止部
7 捨て板
7a 返し部
7b 立ち上げ部
7c 小幅状側縁部
7d 広幅状側縁部
8,10,11 シール材(弾性材)
Claims (2)
- 横葺き屋根の下り棟納め構造において、
被取付部と両側の固定部を有する支持部材を隣り合う下地面に跨ぐようにして当該固定部を下地に固定し、
前記支持部材の両側に横葺き屋根板をそれぞれ配し、
前記横葺き屋根板端部を、化粧部と押圧部と固定縁部と被係止部を有する保持部材の前記押圧部で押圧すると共に当該固定縁部を前記被取付部に固定し、前記被係止部及び前記固定縁部を長手方向の軒側端よりも棟側端が高くなるようにし、前記被係止部に前記保持部材を覆うカバー部材の係止部を係止することで構成される横葺き屋根の下り棟納め構造。 - 保持部材の押圧部は、少なくとも横葺き屋根板表面との接触部分に弾性材を設けたことを特徴とする請求項1記載の横葺き屋根の下り棟納め構造。
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JP2019007320A (ja) * | 2017-06-28 | 2019-01-17 | 株式会社萬道総業 | 薄板屋根部材、軒下唐草部材の係合構造とその組み立て施工方法 |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005102442A patent/JP4205689B2/ja active Active
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