JP4205285B2 - スライドレール - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、引出し、機器等を本体側から引出した時、最大引出し位置で、一旦停止し、更に、引出し、機器等を修理、点検のため本体側より抜き出す必要がある時、所定の操作で抜き出し、その後、再び装着が可能なスライドレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記スライドレールにおいては、引出し等を本体側に再び装着する時には、引出し等と共に抜き出された移動側レールの後端部が、固定側レール(中間レール)の前端部、及び固定側レール(中間レール)に装備されたボールリテーナーに回転自在に保持された前端側のボールと、容易かつ正確に嵌合させる必要があった。
その為、移動側レールが抜き出された状態で、ボールリテーナーを固定側レールーの前端部に保持しておくリテーナ保持部と、固定側レールの前端に移動側レールの前端を案内する案内突部を合成樹脂材にて一体に形成した案内部材を、固定側レールの前端に取り付けたスライドレールが提供されている。(特開平9−252863号)
【0003】
しかしながら、移動側レールを摺動可能とする為、上記案内突部は、移動側レールのボール摺動溝と、移動側レールを摺動自在に保持するレール(固定側レールあるいは、固定側レールにボールを介して摺動自在に保持される中間レール)のボール摺動溝が合致する位置に設けられる必要がある。
又、移動側レールの摺動を円滑に行うためには、移動側レールと移動側レールを摺動自在に保持するレール間には、両者が接触しないよう所定の間隙を設ける必要がある。
この為、抜き出された移動側レールの先端部分の摺動溝内に、案内突部を合致せしめる為には、固定側レールから所定の間隙を有した状態を維持しながら、引出し等の両側に設けられた2つの移動側レールの先端部を、同時に差し込まねばならない。
しかしながら、上記発明のように、案内突部の前端部に傾斜案内面を形成しただけでは、2つの移動側レールの摺動溝と案内突部の位置関係が目視確認出来ず、さらに、固定側レールから所定の間隙を有して移動側レールを維持しながら引出し等を装着なければならず、移動側レールの差し込み動作が容易ではなかった。この為、移動側レールの摺動溝内に案内突部が完全に合致しない状態で、無理に差し込まれる事があり、レールを破損させる原因となっていた。
【0004】
一方、スライドレールの宿命として、引出し等の外寸を大きく形成する必要から、スライドレール全体の厚みを極力薄くする事が求められている。この為、引出し等の負荷が直接かからないボールリテーナの部材の厚みは、ボールの摺動に影響しない範囲で、出来る限り薄く形成されるのが一般的である。
さらに、ボールリテーナと移動側レール間に、後記するストッパー部材の弾性変形用間隙も必要となるので、前記リテーナ保持部の厚みも大きく形成する事が出来ない。
すなわち、上記発明のリテーナ保持部は、ボールリテーナの基板と固定側レールの基板方向に弾性を有し、ボールリテーナの基板の長手部分に弾性的に当接して、ボールリテーナを保持する構成としているので、ボールリテーナの基板の撓み、リテーナ保持部の弾性の劣化が発生しやすく、長年の使用に耐えないと云う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決する事を課題とし、簡単な構造で、移動側レールの装着が非常に容易で、生産性に優れ、安価に製作できるスライドレールを提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為、本発明が 1 の手段として構成したところは、移動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に、移動側レールの基板方向に突出する間隙規制突部が形成されると共に、移動側レールの基板後端部に間隙規制凹部が形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、移動側レールを摺動自在に保持するレールのボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致るものである。
【0009】
次に本発明が第2手段として構成したところは、第 1 の手段として構成したところに加え、案内突部と、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板合成樹脂材より一体に形成され、取付基板は、前端を肉薄となした第1案内傾斜面と、第1案内傾斜面の案内突部側端部に連設され、移動側レールの収納方向で、案内突部間方向の離間寸法が小さくなる第2案内傾斜面を、前端に有しているものである。
【0010】
次に本発明が 3 手段として構成したところは、第 1 の手段として構成したところに加え、案内突部と、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板、合成樹脂材より一体に形成され案内部材の一部を構成し、移動側レールの抜き出し状態で、移動側レールと移動側レールを摺動自在に保持するレール間のボールリテーナーのコ字形基板の前端内面に弾性的に当接するリテーナ保持部が、案内部材の取付基板の後端に、案内突部方向に弾性変移可能に一体に形成されているものである。
【0011】
次に本発明が 4 手段として構成したところは、移動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に、移動側レールの基板方向に突出する間隙規制突部が形成されると共に、移動側レールの基板後端部に間隙規制凹部が形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、移動側レールを摺動自在に保持するレールのボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致する一方、移動側レールの基板所定位置に、前記間隙規制突部に係脱自在なストッパー孔を有するストッパー部材が設けられているものである。
【0012】
次に本発明が第5の手段として構成したところは、移動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に案内部材を設け、案内部材は、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板と、移動側レールを摺動自在に保持するレールと移動側レールの上下のボール摺動溝間に位置する案内突部と、移動側レールの基板後端部に形成された間隙規制凹部に対応して取付基板の前端部に位置する間隙規制突部と、取付基板の後端部に位置するリテーナー保持部より、合成樹脂材にて一体に形成され、移動側レールの基板所定位置に、前記間隙規制突部に係脱自在なストッパー孔を有するストッパー部材が設けられると共に、取付基板は、前端を肉薄となした第1案内傾斜面と、第1案内傾斜面の案内突部側端部に連設され、移動側レールの収納方向で、案内突部間方向の離間寸法が小さくなる第2案内傾斜面を前端に有し、リテーナ保持部は、移動側レールの抜き出し状態で、移動側レールと移動側レールを摺動自在に保持するレール間のボールリテーナーのコ字形基板の前端内面に弾性的に当接するよう案内突部方向に弾性変移可能に形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、案内突部の先端部と移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致するものである。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図5において、符号100はスライドレールを示し、スライドレール100は、実施例では、固定側レール1と、固定側レール1に摺動自在に保持された中間レール2と、中間レール2にボールリテーナー4に回転自在に保持されたボール44・・・を介して摺動自在に保持された移動側レール3より構成されている。(従来より公知の構成、例えば、実開平4−56043号公報)
すなわち、固定側レール1は、基板10と、上下折曲縁11、11よりチャンネル型に形成され、固定側レール1のほぼ半分程度の長さとなした合成樹脂製のリテーナー12・・・に回転自在に保持され、かつ、上下折曲縁11、11内面と中間レール2の外面間に位置する複数個のボール13・・・を介して、中間レール2を摺動自在に保持している。
そして、固定側レール1の基板10の後端部には、中間レール2の収納時ストッパー(図示せず。)が形成され、基板10の前端部には前記リテーナー12の引出し方向への移動範囲を規制するリテーナ前ストッパー(図示せず。)が形成されている。
【0014】
中間レール2は、固定側レール1とほぼ同長で、基板20と上下折曲縁21、21より固定側レール1と同方向の略チャンネル型に形成され、上下折曲縁21、21の外面に、摺動方向に渡って前記ボール13・・・が転動する外面ボール摺動溝22、22を有し、上下折曲縁21、21の内面に、摺動方向に渡ってボール摺動溝23、23を有している。 そして、基板20の後端部には、中間レール2の収納時に前記収納時ストッパーに当接する中間レール後端ストッパー(図示せず。)が形成され、上下折曲縁21、21の後端部には、中間レール2の最大引出し時に、前端部が前記固定側レール1のリテーナ前ストッパーに当接したリテーナー12の後端に当接して、中間レール2の最大引出し量を規制するリテーナ後ストッパー(図示せず。)が形成され、基板20の後端部所定位置に、移動側レール3が最大収納状態となった時、ボールリテーナー4の後端部が当接するボールリテーナ後端ストッパー(図示せず。)が形成され、基板20前端部には後記する案内部材5が設けられている。
符号24は案内部材5の係止孔を示し、符号25は案内部材5の取り付け用の切り欠き部を示している。
切り欠き部25は、案内部材5が中間レール2に取り付けた際、中間レール2の基板20の摺動方向に形成された凹条200と共に、案内部材5が中間レール2の外部に突出するのを防止する為に形成されたものである。
【0015】
移動側レール3は、固定側レール1とほぼ同長に形成され、ボールリテーナー4に保持されたボール44・・・を介して摺動自在な大きさで、金属製の細条板の短手両端部を外向き円弧状に折り曲げて形成された、外面長手方向にボール摺動溝33、33を有する上下折曲縁31、31と基板30より断面略C字型に形成されている。
そして、基板30の後端部には間隙規制凹部35が形成されると共に、内面所定位置にストッパー部材6(図6に示す。)が設けられ、中間レール2に対し、引出し方向に摺動し、最大引出し位置に達した状態で、ストッパー部材6が前記案内部材5に連係して停止し、その後ストッパー部材6のストッパー状態を解除する事で、中間レール2より抜き出し可能、あるいは、収納可能となっている。
【0016】
ボールリテーナー4は図10に示すように、帯状金属板にて、中間レール2の半分程度の長さとし前記中間レール2と移動側レール3の基板20、30間に挿入可能な大きさで、保持基板部401、401と、基板本体400より断面略コ字形に形成されたコ字形基板40と、コ字形基板40の両端部よりL字形に突出し、中間レール2と移動側レール3の各上下折曲縁21、21、31、31間に位置する上下突出縁41、41より断面略コ字形に形成され、上下突出縁41、41の摺動方向に複数個のボール44・・・を回転自在に保持している。
そして、移動側レール3が最大引出し位置に達した状態で、前記案内部材5に前端部が当接し、移動側レール3が中間レール2より抜き出された状態で、案内部材5に保持されている。
【0017】
案内部材5は、図5等に示すように、中間レール2の基板20の前端部に位置する取付基板51と、中間レール2と移動側レール3の上下のボール摺動溝23、23、33、33間に位置する案内突部52、52と、移動側レール3の間隙規制凹部35に対応して取付基板51の前端部に位置する間隙規制突部53と、取付基板51の後端部に位置するリテーナ保持部54より、合成樹脂材にて一体に形成されている。
【0018】
取付基板51は、上下端部に中間レール2の各折曲縁21、21と基板20の角部内面に嵌入する嵌入突縁511、511と、中間レール2の前端部に形成された係合孔24の前端面に係止する弾性係止突片512と、基板20の前端外面側に当接する浮き上がり防止突片513と、中間レール2の前端に形成された切り欠き部25の前端面に、後端面が当接し、かつ、切り欠き部25内に位置する案内基板55より構成されている。
【0019】
前記案内基板55の前端部には、前端面を肉薄とした第1案内傾斜面551、551と、第1案内傾斜面551、551の案内突部52、52側に連設され、移動側レール3の収納方向で、案内突部52、52間方向の離間寸法が小さくなる第2案内傾斜面552、552が形成されている。
案内突部52、52はボール44と同径となした摺動方向に円柱形で、摺動方向両端部に移動側レール3の嵌入案内面521・・・を有している。
【0020】
間隙規制突部53は、移動側レール3の上下折曲縁31、31の後端角部に形成された角部案内面311、311が、第 1傾斜面551、551の前端に接触した時、移動側レール3の間隙規制凹部35の後端に形成された後端案内面351が、間隙規制突部53の前端角部に形成された挿入案内面531に接触した状態(図2(B)に示す状態)から、第1、第2案内傾斜面551、552に案内されて収納方向に移動させると、やがて、間隙規制凹部35の最大凹陥位置350の内面側が、間隙規制突部53の頂面532に接触してボール摺動溝33、33の後端部内に案内突部52、52の嵌入案内面521が嵌合した状態(図2(C)に示す状態)となる。
【0021】
さらに、移動側レール3を収納方向に移動させると、案内突部52、52がボール摺動溝33、33内に完全に嵌合し、中間レール2と移動側レール3は平行状態となる。この状態で、移動側レール3の上下折曲縁31、31の端部と案内基板55間に所定の間隙を有する高さ寸法に、間隙規制突部53と間隙規制凹部35の高さ寸法は関連付けて形成されている。
又、実施例では、間隙規制突部53の頂面532の高さ位置と、前記ボールリテーナ4の基板40の外面側の高さ位置を面一としているので、移動側レールの摺動時、間隙規制突部53が、ボールリテーナ4の基板40に接触しないよう(金属同士が接触すると、不快な接触音の発生、摺動時の摩擦が大きくなり摺動動作に影響が出る。)、案内突部52、52がボール摺動溝33、33内に完全に嵌合し、中間レール2と移動側レール3が平行状態となった状態で、間隙規制突部53の頂面532(ボールリテーナ4の基板40の外面側)と、間隙規制凹部35の内面間に所定の間隙を有する構成としている。)
【0022】
すなわち、間隙規制突部53と間隙規制凹部35の高さ寸法の関係は、移動側レール3と引出し等が、移動側レール3側から、引出し等との連結の為使用される連結ビスの頭部より、間隙規制凹部35の最大凹陥位置350の内面側が、中間レール2の基板20側に位置し、かつ、間隙規制突部53の頂面532がボールリテーナー4の基板40より移動側レール3の基板30側に位置するよう関連付けて形成されておれば、案内突部52、52がボール摺動溝33、33内に完全に嵌合し、中間レール2と移動側レール3が平行状態となった状態で、間隙規制突部53の頂面532と間隙規制凹部35の最大凹陥位置350の内面側が接触していても良い。
【0023】
リテーナ保持部54は、前記ボールリテーナー4の保持基板部401、401間よりやや大きめの寸法で、中央部に弾性変移間隙541を有する2又状に形成されている。
【0024】
ストッパー部材6は、図6〜図9に示すように、連結基板61と、弾性変移部62と、弾性変移部62の前端に連設された操作部63より合成樹脂材にて略ヘの字形に一体に構成され、弾性変移部62と連結基板61の連続部に弾性用凹条610が形成されている。
そして、連結基板61の上下端部には、移動側レール3の各折曲縁31、31と基板30の角部内面側に嵌入する嵌入突縁611、611が形成され、中央部には、ストッパー部材6が取り付け状態で移動側レール3の摺動方向に移動するのを防止する移動阻止部60が連結基板61と移動側レール3の基板30間に形成されている。
すなわち、実施例では、移動阻止部60は、連結基板61に形成された嵌合孔601と、嵌合孔601に対応して移動側レール3の基板30に形成された嵌合孔601に嵌合する嵌合突部602より形成されている。
【0025】
又、移動側レール3が中間レール2に対して所定位置まで引き出された時に、移動側レール3を停止させるためのストッパー孔621が、弾性変移部62に形成され、中間レール2の基板20の前端部にはストッパー孔621に対応してストッパ突部622が形成されている。
尚、実施例ではストッパー突部622は、前記間隙規制突部53と兼用する構成となっている。
操作部63は、移動側レール3の摺動時ボールリテーナーの基板30の外面に接触するので、基板30側に彎曲せしめた形状に形成されている。
符号631は操作部63の先端部の逃がし孔を示している。
【0026】
本発明は、上記の如く構成され、案内部材5、及びストッパー部材6は次のようにして、中間レール2及び移動側レール3に取り付けられる。
まず、中間レール2の先端部より、案内部材5の嵌合突縁511、511を、中間レール2の基板20と上下折曲縁21、21の角部内面に嵌合し、同時に、案内突部52、52をボール摺動溝23、23に嵌合させながら、案内部材5を移動側レール3の収納方向に嵌入させていくと、案内基板55の後端面が切り欠き部25の前端面に当接し、案内部材5の収納方向への移動が停止する。この状態で、取付基板51に形成された弾性係止突片512が弾性復帰して、中間レール2の係合孔24内でその前端面が、係合孔24の前端面に係止し、さらに、浮き上がり防止突片513は、中間レール2の基板20の外面に位置し、案内部材5の引出し方向への移動と、移動側レール3の基板30方向への移動を阻止し、案内部材5は、中間レール2の前端部に確実に取り付けられる。
【0027】
ストッパー部材6は、連結基板61の嵌合孔601が移動側レール3の嵌合突部602に一致する位置で、一方の嵌入突縁611を、基板30と一方の折曲縁31の内面角部に当接させ、他方を折曲縁31の端面に当接させた状態で、機械的に連結基板61を湾曲させ、他方の嵌入突縁611を基板30と折曲縁31の角部に、嵌合孔601を嵌合突部602に嵌合する事で、摺動方向への移動が阻止されると共に、嵌入突縁611と基板30と折曲縁31の角部の嵌合によって上下方向の取付時のずれは解消され、移動側レール3の所定位置に確実容易に取り付けられる。
【0028】
案内部材5が取り付けられた中間レール2に、ストッパー部材6が取り付けられた移動側レール3を装着する場合中間レール2の案内部材5側から、移動側レール3の後端部に形成された上下折曲縁31、31の角部案内面311、311を、第 1傾斜面551、551の前端に接触させて、収納方向に移動させると、移動側レール3の後端部は、上下方句に多少の位置ずれがあっても、或いは中間レール2と必ずしも平行に位置していなくとも、第 1傾斜面551、551及び第2案内傾斜面552、552によって、中間レール2の前端中央位置に、移動側レール3の後端部が案内される。
【0029】
そして、これと同時に、移動側レール3の間隙規制凹部35の後端案内面351が、間隙規制突部53の挿入案内面531に接触し、やがて、最大凹陥位置350の内面側が頂面532に接触して、ボール摺動溝33、33の後端部を、案内突部52、52が嵌合する位置に案内し、ほぼ同時に、案内突部52、52と摺動溝33、33は嵌合し、さらに、移動側レール3を収納方向に移動させると、リテーナ保持部54によって、案内部材5の後端位置に保持されたボールリテーナー4のボール44・・・とボール摺動溝33、33が嵌合し、移動側レール3は、ボールリテーナー4と共に摺動し中間レール2に完全に装着される。
【0030】
そして、さらに移動側レール3を収納方向に移動させると、ストッパー部材6のストッパー孔621が間隙規制突部53(ストッパー突部622)に達した時、弾性によって弾性変移部62は中間レール2の基板20方向に変移して両者は完全に係合し、移動側レール3は最大伸長状態で停止する。
この状態から、移動側レール3を収納状態まで摺動させる場合は、指先で操作部63を基板30方向に押しやり、間隙規制突部53(ストッパー突部622)とストッパー孔621の係合を解除した状態を維持しながら、移動側レール3を収納方向に移動させる。
【0031】
尚、移動側レール3の収納時には、間隙規制突部53(ストッパー突部622)とストッパー孔621の係合を自動的に解除する機能とするには、ストッパー孔621の前端面の形状を図8の仮想線に示すような、基板30側を肉薄となした解除用傾斜面623に形成すれば、移動側レール3の収納時、解除用傾斜面623と挿入案内面531の相互作用によって、弾性変移部62は基板30方向に変移し、間隙規制突部53(ストッパー突部622)とストッパー孔621の係合は自動的に解除される。
【0032】
又、移動側レール3を完全に収納した状態から引出すと、ストッパー部材6の操作部63は、移動側レール3、ボールリテーナー4と共に、ボールリテーナー4の基板40に接触しながら移動し、やがて、案内部材5を通過して中間レール2の前方に操作部63が突出しながら、中間レール2の基板20の方向に移動して、ストッパー孔621が間隙規制突部53(ストッパー突部622)に係合して、移動側レール3の移動は停止し、移動側レールは最大伸長状態となる。
この時、引出し方向に移動してきたボールリテーナー4の保持基板部401、401は、弾性変移間隙541を縮めながら、リテーナ保持部54に外嵌して、案内部材5の後端部に保持される。
この状態から、移動側レール3を中間レール2より抜き出す場合は、前述と同様、指先で操作部63を基板30方向に押しやり、間隙規制突部53(ストッパー突部622)とストッパー孔621の係合を解除した状態を維持しながら、移動側レール3を収納方向に引出し方向に移動させ中間レール2より抜き出す。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、抜き出された引出し等の左右両端部に連結された移動側レールを左右同時に、本体側の固定側レール(移動側レールを摺動自在に保持するレール)に装着する場合、装着当初に、移動側レール後端部に、左右方向の多少のずれがあっても(移動側レールの後端と固定側レールの前端を完全に一致させなくても)、間隙規制突部と間隙規制凹部によってボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部の左右方向の位置が一致するので、移動側レールの装着が確実かつ容易である。
【0034】
請求項2に記載の発明によれば、請求項 1 に記載の発明の効果に加え、抜き出された引出し等の左右両端部に連結された移動側レールを左右同時に、本体側の固定側レール(移動側レールを摺動自在に保持するレール)に装着する場合、装着当初に、移動側レール後端部に、上下方向に多少のずれがあっても(移動側レールの後端と固定側レールの前端を完全に一致させなくても)、第1案内傾斜面と第2案内傾斜面によって、ボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部の上下方句の位置が一致するので、移動側レールの装着が確実かつ容易である。
【0035】
請求項3に記載の発明によれば、請求項 1 に記載の発明の効果に加え、ボールリテーナーを中間レールの上下折曲縁方向(案内部材の案内突部方向)で、ボールリテーナの板厚が薄く形成されていても基板の短手側を保持しているので基板の撓みは発生しにくく、また、リテーナ保持部の弾性変移方向の寸法も大きく形成出来るので、弾性の劣化少なく長年の使用に耐える事ができる。
【0036】
請求項4に記載の発明によれば、抜き出された引出し等の左右両端部に連結された移動側レールを左右同時に、本体側の固定側レール(移動側レールを摺動自在に保持するレール)に装着する場合、装着当初に、移動側レール後端部に、左右方向の多少のずれがあっても(移動側レールの後端と固定側レールの前端を完全に一致させなくても)、間隙規制突部と間隙規制凹部によってボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部の左右方向の位置が一致するので、移動側レールの装着が確実かつ容易である。
しかも、ストッパー部材のストッパー孔に係合するストッパー突部を間隙規制突部と兼用しているので、構造がより簡単で安価に製作出来る。
【0037】
請求項5に記載の発明によれば、請求項 1 から請求項 4 に記載の発明の効果を合わせ持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 移動側レールを抜き出した状態の正面図
【図2】 (A) 図1のA−A線断面図
(B) 移動側レール装着当初の図2(A)に対応する断面図
(C) 移動側レール装着時の図2(A)に対応する断面図
【図3】 図2(A)のB−B線断面図
【図4】 中間レール前端部分の斜視図
【図5】 案内部材の斜視図
【図6】 ストッパー部材が位置する個所の移動側レールの一部切り欠き正面図
【図7】 (A)移動側レールの引出し時ストッパー部材が移動途中の本発明
の要部断面図
(B)移動側レールの引出し時ストッパー部材が係合した状態の本発明
の要部断面図
【図8】 移動側レールの収納時ストッパー部材が係合した状態の本発明の要部断面

【図9】 図6のC−C線断面図
【図10】 図1のD−D線断面図
【符号の説明】
1 固定側レール
10 基板
11 折曲縁
100 スライドレール
2 中間レール
20 基板
21 折曲縁
3 移動側レール
30 基板
31 折曲縁
35 間隙規制凹部
350 最大凹陥位置
4 ボールリテーナー
40 コ字形基板
5 案内部材
51 取付基板
52 案内突部
53 間隙規制突部
532 頂面
54 リテーナ保持部
55 案内基板
551 第1案内傾斜面
552 第2案内傾斜面
6 ストッパー部材
61 連結基板
611 嵌入突縁

Claims (5)

  1. 移動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に、移動側レールの基板方向に突出する間隙規制突部が形成されると共に、移動側レールの基板後端部に間隙規制凹部が形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、移動側レールを摺動自在に保持するレールのボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致する事を特徴とするスライドレール。
  2. 内突部と、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板合成樹脂材より一体に形成され、取付基板は、前端を肉薄となした第1案内傾斜面と、第1案内傾斜面の案内突部側端部に連設され、移動側レールの収納方向で、案内突部間方向の離間寸法が小さくなる第2案内傾斜面を、前端に有している事を特徴とする請求項1に記載のスライドレール。
  3. 内突部と、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板、合成樹脂材より一体に形成され案内部材の一部を構成し、移動側レールの抜き出し状態で、移動側レールと移動側レールを摺動自在に保持するレール間のボールリテーナーのコ字形基板の前端内面に弾性的に当接するリテーナ保持部が、案内部材の取付基板の後端に、案内突部方向に弾性変移可能に一体に形成されている事を特徴とする請求項1に記載のスライドレール。
  4. 動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に、移動側レールの基板方向に突出する間隙規制突部が形成されると共に、移動側レールの基板後端部に間隙規制凹部が形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、移動側レールを摺動自在に保持するレールのボール摺動溝に設けられた案内突部の先端部と、移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致する一方、移動側レールの基板所定位置に、前記間隙規制突部に係脱自在なストッパー孔を有するストッパー部材が設けられている事を特徴とするスライドレール。
  5. 移動側レールを抜き差し可能としたスライドレールにおいて、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板前端部に案内部材を設け、案内部材は、移動側レールを摺動自在に保持するレールの基板の前端部に位置する取付基板と、移動側レールを摺動自在に保持するレールと移動側レールの上下のボール摺動溝間に位置する案内突部と、移動側レールの基板後端部に形成された間隙規制凹部に対応して取付基板の前端部に位置する間隙規制突部と、取付基板の後端部に位置するリテーナ保持部より、合成樹脂材にて一体に形成され、移動側レールの基板所定位置に、前記間隙規制突部に係脱自在なストッパー孔を有するストッパー部材が設けられると共に、取付基板は、前端を肉薄となした第1案内傾斜面と、第1案内傾斜面の案内突部側端部に連設され、移動側レールの収納方向で、案内突部間方向の離間寸法が小さくなる第2案内傾斜面を前端に有し、リテーナ保持部は、移動側レールの抜き出し状態で、移動側レールと移動側レールを摺動自在に保持するレール間のボールリテーナーのコ字形基板の前端内面に弾性的に当接するよう案内突部方向に弾性変移可能に形成され、間隙規制凹部の最大凹陥位置の内面側が間隙規制突部に当接した状態で、案内突部の先端部と移動側レールのボール摺動溝の後端部が一致する事を特徴とするスライドレール。
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