JP4204922B2 - 路盤材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼工場などで発生する粉状スラグを利用する路盤材およびその製造方法に関する。
従来から、製鉄所や製鋼所などの鉄鋼材料の工場では、鉱石などを溶解して溶鋼などを製造する際に、スラグが多量に副産する。スラグは、鉱石やコークスなどに含まれているシリカ、すなわち二酸化ケイ素(SiO)や、アルミナ、すなわち酸化アルミニウム(Al)、硫化物などと媒溶剤の石灰石が炉内で反応して融液となり、炉外に取出されて固化する。スラグ中には金属分も含まれているので、資源の有効利用を図るため、金属分は可能な限り回収されている。
高炉から出銑時に溶銑と分離される高炉スラグなどは、水で急冷して粉砕されると、結晶化しないガラス質の状態となり、ポルトランドセメントなどが添加されると水硬性を有するようになる。このような潜在水硬性により、高炉スラグにポルトランドセメントを添加した高炉セメントは、ポルトランドセメントよりも優れている特性もあるので、広く利用されている。高炉スラグとしては、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム(MgO)の含有量の和を二酸化ケイ素の含有量で除算して示される塩基度((CaO%+Al%+MgO%)÷SiO%)の値が1.4以上となる場合に、高炉セメントの原料として好ましいとされている。高炉スラグを徐冷すると、塊状となる。塊状スラグは、既に結晶化しているので、塊状スラグ同士を集めても硬化しなくなる。このため、粉砕して、道床砂利であるバラスや、セメントと混合してコンクリートを得るための骨材などとして利用する。
製鋼用の転炉から得られるスラグは、酸化鉄や遊離石灰が多く、通常はセメント原料としては利用されていない。ステンレス鋼など、合金成分が多い材料の製造時には、スラグに比較的高価な合金成分が含まれているので、地金として回収される。スラグ中から金属分を回収する処理を行うと、微細な粉状のスラグも発生する。微細な粉状スラグは、有効利用が困難であり、産業廃棄物として処分されている。
高炉スラグや製鋼スラグを、道路の路盤およびアスファルト混合物に使用することについては、日本工業規格にも規定がある(たとえば、非特許文献1参照)。粉状のスラグをシリカ源およびセメント系固化材と混合して球状に造粒し、砂やバラスの代替え品などに用いることも提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−265246号公報 JIS A 5015 「道路用鉄鋼スラグ」
特許文献1の提案に従えば、微小な粉状のスラグも、産業廃棄物として処分することなく、コンクリートの一部として、土木建設材料として有効に利用することができる。しかしながら、造粒物は硬化性がなくなるので、コンクリートなど、硬化性を有する材料とともにしか使用することができない。また利用するスラグの全量を造粒する必要があるので、処理コストがかかり、多量に発生する粉状のスラグの処理としては、必ずしも経済的に充分ではない。
本発明の目的は、粉状のスラグを低い処理コストで有効に利用することができる路盤材およびその製造方法を提供することである。
本発明は、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグと、
石炭灰、セメントおよび前記粉状スラグが混合されている造粒物で形成され、最大粒径が40mm以下の塊状スラグとを混合して形成される路盤材であって、
前記塊状スラグと混合される粉状スラグの混合割合が25重量%以上で70重量%以下の範囲であることを特徴とする路盤材である。
本発明に従えば、粉状スラグは、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占める微小な粉状であり、カルシウム分を35重量%以上含有するので、適度の水分を含んだ状態で路盤材として最大粒径が40mm以下の塊状スラグと混合すると、比較的大きい塊状スラグ間の隙間を粉状スラグが埋めて硬化し、適切な路盤材として有効に利用することができる。微小な粉状スラグは適度な水分を含んだ状態でそのまま塊状スラグと混合すればよいので、処理コストを低減することができる。鉄鋼スラグを使用する路盤材は、日本工業規格(JIS A 5015)に規定されている。上層路盤材用の水硬性粒度調整鉄鋼スラグHMS−25では、粒度範囲が25〜0mmと規定されている。下層路盤材用のクラッシャーラン鉄鋼スラグCS−40では、粒度範囲40〜0mmと規定されている。このように、鉄鋼スラグの粒径は、最大で25〜40mmの粒径が規定されており、粒径が40mm以上になると、材料全体を均一に混ぜることが困難となり、40mm以上の塊状スラグだけが偏在し、施工する際に非常に問題となる。本発明では、粉状スラグと混合する塊状スラグの粒径を40mm以下とするので、良好な路盤材を得ることができる。
また、塊状スラグとして、微小な粉状スラグに、石炭灰およびセメントとを混合した造粒物を使用するので、粉状スラグが塊状スラグに比較して多く発生しても、一部を造粒して塊状スラグに変化させ、有効に路盤材として利用することができる。
さらに本発明は、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグを、石炭灰およびセメントと混合して造粒し、最大粒径が40mm以下となる塊状のスラグ造粒物を形成し、
該スラグ造粒物と該粉状スラグとを、粉状スラグの混合割合が25重量%以上で70重量%以下の範囲となるように混合することを特徴とする路盤材の製造方法である。
本発明に従えば、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグを、石炭灰およびセメントと混合して造粒し、最大粒径が40mm以下となる塊状のスラグ造粒物を形成するために使用するとともに、粉状スラグ自体でも、形成されたスラグ造粒物と、粉状スラグの混合割合が25重量%以上で70重量%以下の範囲となるように混合し、路盤材を製造する原料として有効に利用することができる。路盤材の原料として、粉状スラグのままの状態でも使用するので、処理コストを低減することができる。
また本発明で、前記塊状のスラグ造粒物は、前記粉状スラグを、石炭灰およびセメントと混合して造粒した後、造粒物を破砕して最大粒径を40mm以下にすることを特徴とする。
本発明に従えば、塊状スラグの造粒時には粒径が40mmを超えるものが製造されても、破砕で最大粒径が40mm以下になるようにするので、路盤材として適切な粒径にすることができる。
以上のように本発明によれば、微小な粉状スラグを、適度な水分を含んだ状態で、最大粒径が40mm以下の塊状スラグと混合すると、比較的大きい塊状スラグ間の隙間を粉状スラグが埋めて硬化し、適切な路盤材として有効に利用することができる。微小な粉状スラグはそのまま塊状スラグと混合すればよいので、処理コストを低減することができる。粉状スラグと混合する塊状スラグの粒径を40mm以下とするので、良好な路盤材を得ることができる。
た、微小な粉状スラグに、石炭灰およびセメントとを混合した造粒物を、粉状スラグと混合する塊状スラグとしても使用するので、粉状スラグを路盤材として有効に利用することができる。
さらに本発明によれば、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグを、粉状スラグを使用して形成するスラグ造粒物とともに混合し、路盤材を製造する原料として有効に利用することができる。路盤材の原料として、粉状スラグのままの状態でも使用するので、処理コストを低減することができる。
また本発明によれば、塊状スラグの粒径を、最大粒径が40mm以下になるようにして、路盤材として適切な範囲にすることができる。
図1は、本発明の実施の一形態である路盤材の概略的な構成を示す。路盤材1は、駐車場や道路などの路面舗装2と土壌3の表面との間に、約50mm程度の厚さで設けられる。路面舗装2の材料としては、アスファルトやコンクリートが用いられる。本実施形態の路盤材1は、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグ4と、最大粒径が40mm以下の塊状スラグ5とを混合して形成される。路盤材1に対する粉状スラグ4の混合割合は、25重量%以上で70重量%以下の範囲である。路盤材1は、上層路盤材6と、下層路盤材7との2層で使用される。
図2は、図1の路盤材1の概略的な製造工程を示す。ステップs1では、製鋼スラグや高炉スラグを原料として、粉砕したり、金属分を地金として回収したりするスラグ処理工程を行う。次の表1は、製鋼スラグと高炉スラグとについての代表的な組成の例を示す。表中の数値は、重量についての百分率(重量%)を示す。
Figure 0004204922
製鋼スラグとしては、ステンレス製鋼用電気炉および精錬炉からスラグ鍋に排出したスラグを用いることができる。スラグを空冷および水冷で冷却した後、スラグ鍋をスラグヤードに転倒させ、凝固したスラグを地表に拡げると、金属分は塊状に固まっており、大型地金として回収することができる。次にスラグを破砕する。
高炉スラグは、高炉から出銑時に溶銑と分離されたスラグをスラグ鍋に溜め、スラグヤードでスラグ鍋から溶融状態で排出したスラグを自然放冷後、さらに水冷して凝固させる。冷却後のスラグを選鉱機にかけ、磁力選鉱によって地金を分離した後、破砕する。
図2のステップs2では、スラグ処理工程後に破砕されたスラグを、大きさに応じて、粉状スラグと塊状スラグとに分ける分級工程を行う。
粉状スラグは、粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占める微小な粉状であり、カルシウム分を35重量%以上含有する。粉状スラグは、酸化カルシウム(CaO)やシリカ(SiO)を多く含むので、水分の存在下で時間が経過すると、水と反応して硬化する水硬性を有する。すなわち、この粉状スラグは、水硬性スラグである。
図2のステップs2で分けられた粉状スラグの一部は、ステップs3の造粒工程で、石炭灰およびセメントが混合され、造粒によって塊状スラグを形成する。造粒方法は、基本的に前述の特許文献1に記載してある方法を使用することができる。本実施形態では、アイリッヒミキサーおよび回転筒型ミキサーを造粒装置として使用する。粉状スラグに、たとえば石炭灰を15重量%程度、セメントを10重量%程度添加し、ミキサー内で混合して混練し、水を添加しながら造粒する。
次の表2は、造粒時のスラグ、セメント、石炭灰、および水の混合割合を示す。スラグとしては、ステンレス製鋼で発生するスラグを、ステップs1で乾式破砕、湿式粉砕処理および選鉱処理を実行して得られる微粉スラグを用いる。セメントとしては、高炉セメントB種の規格品を使用する。石炭灰としては、フライアッシュを用いる。ただし、水分については外数であり、スラグ+セメント+石炭灰を100%として、これに対する割合で示す。
Figure 0004204922
なお、ステップs2の分級工程で分級される粉状製鋼スラグのうち、粒径が1μm〜450μm以下となるものをステップs3の造粒工程に投入する。微粉であるほど、均一性混合性やセメントおよび石炭灰との固化反応時の反応性が良くなり、結果的に造粒物の品質(強度、崩壊性等)も良くなるので、粒度は細かいことが望ましい。しかし、製鋼スラグは大きな塊状で発生するものが大部分であり、これを処理して微粉にすることは、粉砕等に多大のエネルギを必要とすることを意味する。本実施形態では、コストと粉状スラグの必要性とを考慮して、最適な粒子大きさとなるような処理方法を決定し、乾式と湿式の破砕・粉砕プロセスを組合わせた処理方法で、得られる微粉製鋼スラグの粒度を450μm以下としている。
微粉製鋼スラグの配合割合は、廃棄物の有効利用という観点からは多い方がよいけれども、造粒物の品質(強度、崩壊性)および製造性を考慮して決定される。60〜85重量%としたのは、混合する石炭灰の種類によって、石炭灰中の二酸化ケイ素(SiO2)や、酸化アルミニウム(Al2)、酸化カルシウム(CaO)分の含有量が異なるためである。
石炭灰について、その第1の配合目的は、スラグ成分、特に酸化カルシウム(CaO)にバランスした二酸化ケイ素(SiO2)および酸化アルミニウム(Al2)源として用いることである。したがって、配合割合は、石炭灰の種類によって決るものであり、一般的な燃焼灰から特殊な加圧流動床燃焼灰までの成分割合を考慮すると、10〜35重量%の範囲となる。下限の10重量%未満であれば、いくらスラグの割合を減らしてセメントの割合を増やしても、崩壊を防止することはできなくなる。また、上限値は、通常のスラグの成分範囲に対して崩壊防止の作用には充分な量であると同時に、これを超える増加が造粒性の悪化の原因となる。すなわち、スラグに比べて、石炭灰はその粒子形状や、比重等の物理的特性によって、造粒性が非常に悪いということと同時に、造粒プラントの摩耗を非常に早める原因となるために、不必要な配合割合の増加は好ましくない。
水分は、微粉製鋼スラグ、セメント、および石炭灰の3原料の配合による強度を発現させる上で必要となる。同時に、造粒時の造粒性(粒度コントロール)に非常に影響があるので、最適な水分の添加が必要である。下限値は、セメントの固化反応に必要で、また、原料粉体を粒状に成長させる上で最低限必要な水分量である。上限値は、それ以上添加すれば、水分過多となり、造粒という操作ができなくなくなり、粘土状、あるいは餅状の巨大な塊になるだけで、粒の製造自体が不可能になる値である。したがって、最適な水分とするために、原料(スラグ+セメント+石炭灰)に対して、経験上、15〜25重量%としている。
なお、スラグは、その処理方法によっては、水分を含んだ状態で発生する場合もあるため、スラグの持込む水分も合わせて水分の配合割合に含めるように考慮する必要がある。したがって、水分が多い製鋼スラグを使用する場合には、水添加は不要なケースも生じ、さらには水分が過剰となって、スラグの配合割合を減少するように調整する場合も出てくる。
次の表3は、代表的な石炭灰の成分の例を、微粉炭の燃焼灰と加圧流動床の燃焼灰とについて示す。加圧流動床は、石炭火力発電で使用され、その燃焼灰がフライアッシュと呼ばれている。
Figure 0004204922
表1に示すように、スラグにも酸化カルシウム(CaO)や、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2)が含まれているけれども、これらの成分は、水と混合して造粒した後の養生期間中にセメントとも反応して固化反応が進行する。固化反応が終了したとき、未反応の酸化カルシウムなど、水和反応で膨張崩壊する原因となる成分が残留すれば、崩壊性が生じ、造粒物の品質の点で問題となる。したがって、配合割合は、崩壊性が生じないように、酸化カルシウム分と二酸化ケイ素および酸化アルミニウム分との比率を最適にして、未反応の酸化カルシウム分が残らない割合にする必要がある。
スラグの配合割合について、上限を85重量%とするのは、それを超えて添加すれば、石炭灰とセメントの配合量が減り、スラグ中の過剰の酸化カルシウム分が残留し、崩壊性を生じる原因となるからである。残部15重量%以下の配合で、崩壊性が生じないようにするためには、セメントに比較して石炭灰の配合を増やす必要がある。表2に示すように、造粒の原料中、石炭灰が二酸化ケイ素を最も多く含んでいるからである。ただし、セメントの配合割合は小さくなるので、造粒物自体の強度も低下してしまう。配合割合の下限を60重量%にする理由は、石炭灰とセメントの配合割合が大きくなると、コストが増加してしまうからである。崩壊防止と強度発現のためには、石炭灰とセメントとを40重量%まで配合すれば充分である。
セメントの配合割合のうち、下限の5重量%未満では目標の強度が得られず、上限の20重量%を超えると、逆に強度は充分であっても、コストが上昇し、場合によっては相対的に石炭灰の割合が減少し、崩壊性の悪化につながる。なお、路盤材は土木建設資材となり、用途や施工のしかたによっては有害物についての土壌環境基準を考慮する必要が生じる。セメントを使用する場合、その中に含まれる成分で問題となるのは、6価のクロム(Cr)であるので、クロム含有量の少ない高炉セメントを使用することとしている。また路盤材としての成品の強度も品質として重要であるため、数週間から数カ月の養生によって、強度が最も発現しやすくなる種類として、高炉セメントのうちのB種を選定している。
図2のステップsの造粒工程で生成される造粒物は、ミキサーから排出されると、コンベアによって屋内養生ピットまで運ばれ、約2日間、静置養生する。静置養生後、屋外ヤードへ運び出し、屋外で約1ケ月養生した後、塊状スラグとして微粉製鋼スラグと混合する。
微粉製鋼スラグを、適度の水分を含んだ状態で、路盤材として最大粒径が40mm以下の塊状スラグと混合すると、比較的大きい塊状スラグ間の隙間を粉状スラグが埋めて硬化し、適切な路盤材として有効に利用することができる。微小な粉状の製鋼スラグはそのまま塊状スラグと混合すればよいので、処理コストを低減することができる。
日本工業規格のJIS A 5015には、高炉スラグや製鋼スラグなどの鉄鋼スラグを使用する路盤材についての規定が記載されている。上層路盤材用の水硬性粒度調整鉄鋼スラグHMS−25では、粒度範囲が25〜0mmと規定されている。下層路盤材用のクラッシャラン鉄鋼スラグCS−40では、粒度範囲40〜0mmと規定されている。このように、鉄鋼スラグの粒径は、最大で25〜40mmの粒径が規定されており、粒径が40mmを超えると、材料全体を均一に混ぜることが困難となり、40mm超えの塊状スラグだけが偏在し、施工する際に非常に問題となる。路盤材1としての施工厚みが薄い場合、たとえば50mm以下になると、40mm超えの塊状スラグが表面から突出した状態となり、施工後の路盤材1の表面の凹凸が大きくなって仕上り悪い結果となってしまうからである。本実施形態では、微粉製鋼スラグと混合する塊状スラグの最大粒径を40mm以下とするので、良好な路盤材を得ることができる。
なお、ステップs3の造粒工程で粒径が40mmを超える造粒物が生成されてしまうときは、ステップs4の破砕工程を設けて、最大粒径が40mmを超えないように、造粒物を破砕する。塊状スラグの大きさは、数mmから40mm程度までが最適であるけれども、少なくとも450μm以上であることが必要である。なぜならば、本発明では塊状スラグと微粉製鋼スラグとを混合して土木建設用材料である路盤材1としている。ここで、微粉製鋼スラグの粒度は、数μm〜数千μm(たとえば、1μm〜450μm)であるので、混合した材料の粒度分布が全体的に滑らかにつながるようにすることが望ましいからである。
粒度分布が滑らかである方が、得られる路盤材1の締り具合が良好になる。路盤材1の締り具合は、たとえば、日本工業規格ではJIS A 1211に規定されている修正CBR(California Bearing Ratio)値で評価される。たとえば中間の粒度が存在しないことなどで、粒度分布が滑らかでなくなると、締め固めるときに、材料全体としての締りが悪くなって、修正CBR値が低くなってしまう。
ステップs2の分級工程で分ける粉状スラグは、分級工程で分けられる塊状スラグとステップs5の混合工程で混合し、図1に示す路盤材1を生成する。また、粉状スラグと混合する塊状スラグとして、ステップs3の造粒工程の造粒物を用いたり、その造粒物をステップs4の破砕工程で破砕して、ステップs6の混合工程で混合して路盤材1を生成する。各混合工程での混合割合は、粉状スラグを7〜25重量%とし、全体が100重量%となるように、塊状スラグを残部の30〜75重量%とする。
次の表4は、本実施形態の配合割合を含む、各種配合割合で生成した路盤材についての評価試験結果を示す。JIS標準法による試験で、図2のステップs6の混合工程で塊状スラグとしてスラグ造粒物を使用する試料の方が、ステップs5で高炉スラグなどの塊状スラグを使用する試料よりも、非常によく締まり、路盤材用として向いていることが判る。造粒物にセメントが配合されているため、水硬性を有する微粉製鋼スラグの粉体と混合することによって、造粒物表層でもスラグ−セメント間の固化反応が起き、材料全体が強固に締め固まるためであると考えられる。なお、表4に示す試料のうち、No.1〜No.11が良好な評価が得られるので、これらが本発明の実施例となり、No.12〜No.17は評価が悪いので実施例から外れる比較例となる。すなわち、本発明の配合割合は、表4の実施例が範囲内となり、比較例が範囲外となるように決定している。
Figure 0004204922
各評価試験結果についての合格基準は、修正CBR値については130%以上、一軸圧縮強度については1.2N/mm以上、水浸膨張比については1.5%以下、単位容積質量については1.5kg/L以上とし、総合的な評価を付加した。丸印は合格であり、二重丸印は特に優れていると判断され、ばつ印は基準に達しない評価があることを示す。すなわち、比較例であるNo.12〜No.17の試料では、修正CBR値または一軸圧縮強度で基準に達していない。
次の表5は、表4のNo.6〜No.17の試料に用いるスラグ造粒物の製造条件を示す。灰の種類は、「流動床」で加圧流動床燃焼灰、すなわちフライアッシュを使用することを示す。ミキサー種類は、「アイリッヒ」でアイリッヒミキサーを示し、「回転筒型」で回転筒型ミキサーを示す。なお、表2と同様に、粉状製鋼スラグ、石炭灰およびセメントの総和を100重量%とし、水分は外数、すなわち総和に対する割合を示す。
Figure 0004204922
本発明の実施の一形態である路盤材1の使用状態を示す模式的な断面図である。 図1の路盤材1の概略的な製造工程図である。
符号の説明
1 路盤材
2 路面舗装
3 土壌
4 粉状スラグ
5 塊状スラグ
6 上層路盤材
7 下層路盤材

Claims (3)

  1. 粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグと、
    石炭灰、セメントおよび前記粉状スラグが混合されている造粒物で形成され、最大粒径が40mm以下の塊状スラグとを混合して形成される路盤材であって、
    前記塊状スラグと混合される粉状スラグの混合割合が25重量%以上で70重量%以下の範囲であることを特徴とする路盤材。
  2. 粒径450μm以下の割合が95重量%以上を占め、カルシウム分を35重量%以上含有する粉状スラグを、石炭灰およびセメントと混合して造粒し、最大粒径が40mm以下となる塊状のスラグ造粒物を形成し、
    該スラグ造粒物と該粉状スラグとを、粉状スラグの混合割合が25重量%以上で70重量%以下の範囲となるように混合することを特徴とする路盤材の製造方法。
  3. 前記塊状のスラグ造粒物は、前記粉状スラグを、石炭灰およびセメントと混合して造粒した後、造粒物を破砕して最大粒径を40mm以下にすることを特徴とする請求項記載の路盤材の製造方法。
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