JP4202421B2 - 抗高血圧、心臓保護、抗乏血及び抗脂肪分解特性を有する化合物 - Google Patents
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Description
1.発明の分野
本発明は、アデノシン及びその類似体から誘導される化合物、そのような化合物を含有する薬剤組成物、高血圧症及び心筋乏血症の治療におけるそれらの使用、乏血傷害又は心筋梗塞サイズひいては心筋乏血症を改善する心臓保護剤としてのそれらの使用、及び、血漿脂質レベル、血清トリグリセリドレベル、及び血漿コレステロールレベルを減少させる抗脂肪分解剤としてのそれらの使用、及び、そのような化合物の調製において用いる方法及び中間体に関する。
高血圧
高血圧、すなわち血圧が上昇した状態は、かなり人口に影響を及ぼす。持続的な高血圧の結果、目、腎臓、心臓及び脳系統への血管傷害を引き起こし、また、血圧が高くなるにつれ、これらが合併する危険が増加する。血圧を制御する根本的な要因は、心臓の出力及び末梢血管の抵抗であり、後者は、種々の影響によって制御される支配的な共通のメカニズムである。交感神経系は、アルファ−及びベータ−アドレナリン受容体に直接に作用すると共に、レニンの放出に間接的に作用して末梢血管を制御する。薬剤治療は、利尿薬、ベータ−アドレナリン受容体アンタゴニスト(ベータ−ブロッカー)、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、及びカルシウムチャンネルアンタゴニストを含む数種の薬剤分類を定義する作用とは異なるメカニズムで、これら血圧制御系の特定の要素に向けられる。
チアジド型利尿剤は、高血圧症に使用され、ナトリウム及び水の排出に及ぼす効果によって、末端血管の抵抗を減少させる。この種の薬剤としては、ハイドロクロロチアジド、クロロチアジド、メチクロチアジド、及びシクロチアジドと共に、関連の薬剤インダプアミド、メトラゾン、及びクロルサリドンが挙げられる。かつては、ベータ−ブロッカーの作用メカニズムは、心臓内でベータ1−アドレナリン受容体サブタイプを阻止し、心拍数及び心臓の出力を減少させると考えらていたが、ピンドロール、アセブトロール、ペンブトロール、及びカルテオロール含有の内因性交感神経作用活性(ISA)を有する最近のベータ−ブロッカーは、心拍数及び心臓の出力をあまり減少させない非−ISAベータ−ブロッカーと同程度の効力である。これらの薬剤に対する他の仮定のメカニズムとしては、レニン放出、中心作用、及びプレ−シナプスのベータ−アドレナリン受容体を阻止することで、ノルエピネフリンの放出を阻止することが挙げられる。
心選択性のベータ−ブロッカーメトプロロール(Lopressor-Geigy)、アセブトロール(Sectral-Wyeth)、及びアテノロール(Tenormin-ICI)は、低量で、気管支及び血管に存在するベータ2−アドレナリン受容体サブタイプより、ベータ1−アドレナリン受容体への大きな効果を有する。非選択的なベータ−ブロッカーは、両方のベータ−アドレナリン受容体サブタイプに作用し、又プロプラノロール(Inderal-Ayerst)、チモロール(Blocadren-Merck)、ナドロール(Corgard-Squibb)、ピンドロール(Visken-Sandoz)、ペンブトロール(Levatol-Hoechst-Roussel)、及びカテオロール(Cartrol-Abbott)を含む。ベータ-ブロッカーの副作用としては、非症状性の徐脈、うっ血性心不全、胃腸障害、エアーウェイ抵抗の増大、低血糖徴候の顕著化、及び鬱状態が挙げられる。それらは血清トリグリドを増加させ、また高密度リポタンパク性コレステロールを低下させる。
ACE阻害剤はアンギオテンシンIIの形成を阻止し、ブラジキニンの破壊を阻害する。アンギオテンシンIIは強力な血管収縮剤であり、かつアルドステロンの分泌も刺激する。レニン−アンギオテンシン−アルデステロン系を阻害することによって、これらの薬剤は、ナトリウムと水の保持のみならず、末梢血管の抵抗を減少させる。さらに、ACE阻害剤は、ブラジキニンとプロスタグランジンのレベル、内在する血管拡張性を増大させる。カプトプリル(Capoten-Squibb)及びエナラプリル(Vasotec-Merck)は、主要なACE阻害剤である。ACE阻害剤の副作用は、発疹、味覚障害、タンパク尿症、及び好中球減少症を含む。
カルシウムチャンネルアンタゴニストは、血管の平滑筋細胞へのカルシウムの流入を減少させ、系統的に血管を拡張し、その結果、抗高血圧効果を生じる。カルシウムチャンネルアンタゴニストのその他の効果としては、アンギオテンシンIIの作用及びアルファ2−アドレナリン受容体封鎖を妨げることがあり、抗高血圧効果を増加させる。カルシウムチャンネルアンタゴニストは、チアジド類又はベータ−ブロッカーの代謝的かつ薬理的な副作用を持たず、それゆえ、糖尿病、末梢血管障害、又は慢性の肺障害を持つ患者に対して利用できる。2つのカルシウムチャンネルアンタゴニスト、ベラパミル及びジルチアゼムは、先天性血管異常を持つ患者において房室性の心臓伝導への重大な心臓血管副作用があり、それらは、徐脈、心臓遮断、及びうっ血性心不全を悪化させる。カルシウムチャンネルアンタゴニストの他のマイナーな副作用には、特にニフェジピン及びニカージピンによる、末梢浮腫、めまい、ライトヘッディドネス(light-headedness)、頭痛、吐き気、及び発熱が含まれる。
多くの他の薬剤が、本質的な高血圧症の治療に利用できる。これらの薬剤としては、プラゾシン及びテラゾシン、その抗高血圧効果が結果として起こる動脈の血管拡張に起因するアルファ1−アドレナリンアンタゴニスト;クロニジン、中心と共に、阻害性アルファ2−アドレナリン受容体の周辺で作用して交感反応を減少させるアルファ2−アドレナリンアンタゴニストが含まれる。他の中心的に作用する薬剤としては、メチルドーパ、グアナベンズ、及びグアンファシン;カテコールアミンの蓄積を消耗することで作用するレセルピン;短い作用持続性のグアネチジンと同様の末端性アドレナリンアンタゴニストのグアナドレル;及びヒドラジンやミノキシジルのように直接作用する血管拡張剤が挙げられる。これらの薬剤は効果的であるが、交感刺激と流体保持の反射、正静止血圧降下、及びインポテンスを含む顕著な症状の副作用が生じる。
多くの抗高血圧剤は、レニン放出の増加、アルドステロン分泌の上昇及び交感性血管収縮状態を高めるような、押圧メカニズムを補償するように作用し、動脈の圧力を処置以前のレベルに戻すように設計され、塩分及び水分の保持、浮腫、最終的には、その薬剤の抗高血圧作用に耐えるように導く。さらに、現在の抗高血圧剤の補体により経験する広範囲の副作用のため、及びそれらによって、高齢者、黒人、及び、慢性の肺病、糖尿病、又は末梢血管傷害にかかっている患者のような特定の人々が経験する問題点のため、高血圧を治療する薬剤の特別の種類が要望されている。
乏血
心筋乏血は、心筋の酸素の供給と需要がアンバランスになることにより生じ、また、排出及び血管けいれん性心筋の機能異常を含む。排出性乏血は、一般的に、大冠状動脈を含む臨界的なアステローム性動脈硬化ステノシスの存在のため、下部末端心筋の血流が減少することによるとされている。血管けいれん性乏血は、集中性変化のけいれんに関係し、その来襲は、努力又はストレスとは無関係である。けいれんは、血管のトーンの急激な増加としてより良く定義できる。血管けいれん性乏血のメカニズムは、(i)カテコールアミン放出の増加によるステノシス部位での血管トーンの増加、(ii)一過性の内腔閉塞、(iii)内皮傷害部位の血小板によって形成された血管作動性物質の解放を包含する。
冠状動脈の循環は、それが全循環の潅流圧を生成する器官に潅流するので、特異的である。従って、末端の循環及び収縮の状態を変えるように介入すると、冠状動脈の循環に深く影響するだろう。冠状血管を制御する部分は、内径を大きく変化させることのできる冠状細動脈である。内径の変化は、血管平滑筋の内因性収縮(自動制御)、又は心室の収縮による血管外の圧縮のどちらかによって起こる。乏血の問題についての治療の正味の効果は、酸素の供給と需要を決める相反する要因の複雑な関係を含む。
心臓保護及び乏血傷害の防止
心筋傷害の程度、すなわち、急性心筋乏血を引き起こす心筋梗塞の程度を制限可能な新しい治療剤の発展は、最近の心臓学における主関心事である。
最近の10年間に血栓(解離した血餅)療法が出現し、心臓発作の際、早期に介入すれば、心筋組織への傷害をかなり減少させることができることが示された。以来、多くの臨床試験により、血栓療法は、鼓動妨害の進展の危険性を減少させ、また、心臓のポンプとしての機能を維持することが報告されている。この正常な心臓機能の維持により、梗塞に次ぐ長期にわたる致命傷が減少することが示された。
また、回顧的な疫学的研究によって、心筋梗塞後の最初の数年間の死亡率が、もとの梗塞の大きさに関係することが示されたので、塞栓治療と共に或いは単独で投与可能な付加的な心筋を保護することのできる治療の発展も興味が持たれている。
種々の動物モデルに導入された心筋梗塞の前臨床研究において、カルシウムチャンネンルブロッカーのような薬剤、プロスタサイクリン類似体、及び特定の物質交代経路を阻止可能な薬剤のような薬剤が、数種の動物種における乏血傷害を減少させることが示された。
最近の研究では、短期間の乏血に心筋をさらした(心臓への血流の中断)後、再潅流(血流の回復)することで、さもなければ長期間の乏血にされされる結果となる乏血傷害から心臓を保護することができることが示された。この現象は、心筋の事前調整と言われ、部分的に、事前調整時期の際のアデノシン放出に寄与すると考えられている。
他の研究は、アデノシン及びアデノシン類似体が観察される組織傷害の程度を減少させ、次いでいくつかの種において乏血傷害の種々のモデルでの心臓への血流を中断することが観察されることが示された。(例えば、Toombs,Cらの、”アデノシンの心筋防御効果。乏血の際の前処理及び継続的な受容体の刺激による梗塞サイズの減少”,Circulation 86,986-994(1992);Thornton,J.らの”A1-選択性アデノシン類似体による静脈内前処理が心筋梗塞に対して心臓を保護する。”,Circulation 85,659-665(1992);及びDowney,J.の”乏血事前調整の特性自体の心臓保護介入。”,Trends Cardiovasc.Med.2(5),170-176(1992)参照。)。
本発明の化合物は、心筋の事前調整をまねし、それによって、乏血傷害を改善し、又は心筋梗塞のサイズひいては心筋乏血を減少させ、心臓保護剤として有用である。
抗脂肪分解
高脂血症及び高コレステロール血症は、アテローマ性動脈硬化症及び冠状心臓疾患の主な危険因子の2つであり、西欧諸国における死亡及び障害の首位の原因であることは知られている。アテローマ性動脈硬化症の病因は多因子であるが、アテローマ性動脈硬化症、及び血流の抑制の結果起こる冠状動脈疾患、末端血管疾患及び脳血管疾患の進展は、血清コレステロール及び脂質レベルの異常に関係する。高コレステロール血症及び高脂血症の病因は、規定食の飽和脂肪及びコレステロール摂取量のような要因も寄与するかもしれないが、主として遺伝である。
アデノシン及びアデノシン類似体の抗脂肪分解活性は、A1受容体サブタイプ(Lohse,M.J.et al.,Recent Advances in Receptor Chemistry,Melchiorre,C.and Gianella,Eds,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,1988,107-121)から生じる。この受容体サブタイプの刺激は、脂肪細胞中の細胞内環状AMPの集中を低くする。環状AMPは、脂肪細胞内で、加水分解によりトリグリセリドを開裂して脂肪酸とグリセロールを遊離する酵素、リポタンパク質リパーゼの必須の補助因子である(Egan,j.j.,et al.,Proc.,Natl.Acad.Sci. 1992(89),8357-8541)。従って、脂肪細胞中の細胞内環状AMPの減少により、リポタンパク質リパーゼ活性、ひいてはトリグリセリドの加水分解が減少する。
血圧及びトリグリセリドを含む血漿脂質の上昇は、心臓血管の疾病による死亡率に関係する危険因子の2つであるとされている。
糖尿病患者については、心臓血管の疾病からの死の可能性が非常に高く、これらの因子に関係する危険がさらに拡大する(Bierman,E.L.,Arteriosclerosis and Thrombois 1992(12),647-656)。さらに、データは、過剰の脂肪分解は、非インシュリン依存性糖尿病の特徴であり、おそらくインシュリン抵抗性及び高血糖に起因する(Swislocki,A.L.,HORM.Metab.Res.1993(25),90-95)。
抗高血圧及び抗脂肪分解剤としての本発明の化合物は、血管と代謝の両方の危険因子に対する治療と改善に有用であり、特別の価値及び効用がある。
本発明は、アデノシン類似体の類に関し、また、乏血傷害又は心筋梗塞ひいては心筋乏血を改善する心筋防御剤として、及び血漿脂肪レベル、血清トリグリセリドレベル、及び血漿コレステロールレベルを減少させる抗脂肪分解剤としての、高血圧、心筋乏血の治療における使用、及びこのような化合物の調製において使用する方法と中間体に関する。
2.報告された進展
アデノシンは、心臓血管及び腎臓機能のはっきりとした変換を含む、広範囲の生理的及び薬理学的な作用を有する。動物及びヒトにおいては、アデノシンヌクレオチドの静脈内注射で低血圧にする。
アデノシンの生理的及び薬理学的作用は、細胞表面にある特定の受容体を通して仲介される。A1、A2A、A2B、及びA3で示される4つのアデノシン受容体サブタイプが確認されている。A1受容体は、アデニル酸シクラーゼの活性を抑制して、cAMPの形成を阻止し、一方、A2受容体は、アデニル酸シクラーゼの活性及び細胞内cAMPを増加させる。どちらの受容体も異なる組織内のアデノシン特有の作用を仲介する。例えば、アデノシンの血管の作用は、A2受容体の刺激を通して仲介され、cAMPの産生と、アデノシンに処理された分離の血管平滑筋中の血管弛緩との正の相関関係によって維持されている。一方、心臓のA1受容体を刺激すると、負の変伝導、変力、及び変時性の心臓の作用に起因する心臓内のcAMPの産生を減少させる。その結果、多くの血管拡張剤と異なり、アデノシンの投与は、反射的頻脈を起こさない。
また、アデノシンは、腎機能に明白な影響を及ぼす。アデノシンを腎臓内に注入すると、過渡的に腎臓の血流が下降し、腎臓の血管抵抗が高くなる。アデノシンを注入し続けると、腎臓の血流は、制御レベルに回復し、腎臓の血管抵抗が低下する。最初の腎臓血管収縮剤のアデノシンへの応答は、ヌクレオチドの直接的な血管収縮作用によるものではないが、アデノシンと、レニン−アンギオテンシン系との相互作用を含む。
アデノシンは、心筋乏血に対する冠状ベッドの反応性充血及び自己制御の主たる生理的仲介体と、広く見なされている。冠状内皮は、アデニル酸シクラーゼに連結されたA2受容体を有し、冠状の流れの増加に伴って活性化され、カルジオミオサイト受容体が主のアデノシンA1サブタイプであり、徐脈に関係していることが報告されている。従って、アデノシンは、乏血療法の特有のメカニズムを提供する。
アデノシンへの心臓血管の応答は、内生的ヌクレオチドの素早い吸い上げと代謝のため、短命である。対照的に、アデノシン類似体は、代謝分解に対してより耐性があり、動脈圧及び心拍数の維持された変化を引き出すことが報告されている。
アデノシンのいくつかの有用な代謝的に安定な類似体が合成され、2つの受容体サブタイプに対する選択性の程度が変化することを示している。アデノシン類似体は、通常、A2受容体に比し、A1受容体に対する高い選択性を示す。シクロペンチルアデノシン(CPA)及びR−フェニルイソプロピル−アデノシン(R−PIA)が、A1受容体に対して顕著な選択性を示す標準のアデノシン類似体である(A2/A1比=それぞれ、780及び106)。対照的に、N-5’-エチル-カルボキシアミドアデノシン(NECA)は、主なA2受容体アゴニスト(Ki-12nM)であるが、A1受容体に対する等しいアフィニティーを有する(Ki-6.3nM;A2/A1比=1.87)。最近までは、CV-1808は、その化合物が、A2受容体に対するアフィニティーにおいてNECAより10倍も低いにもかかわらず、利用可能なA2アゴニストで最も選択的であった(A2/A1=0.19)。最近の進歩で、非常に有効な選択的A2アゴニストであるより新しい化合物が開示された(A1に対するKi=3-8nM;A1/A2比=0.027-0.042)(C.E.Muller and T.Scior,Phrmaceutica Acta Havetiae 68(1993)77-111)。
種々のN6-アリール及びN6-ヘテロアリールアルキル置換アデノシン、及び置換-(2-アミノ及び2-ヒドロキシ)アデノシンが、心臓及び循環作用を含む種々の薬理学的作用を有するとして文献に示されている。例えば、英国特許明細書1,123,245号、ドイツ国公開第2,136,624号、ドイツ国公開第2,059,922号、ドイツ国公開第2,514,284号、南アフリカ国特許第67/7630号、米国特許第4,501,735号、EP公告第0139358号(N6-[ジェミナルジアリール置換]アデノシンを開示)、EP特許出願第88106818.3号(N6-ヘテロ環置換アデノシン誘導体が心臓の血管拡張作用を示すことを開示)、ドイツ国公開第2,151,013号(N6-アリール及びヘテロアリール置換アデノシンを開示)、ドイツ国公開第2,205,002号(チエニル含有置換基にN6-窒素が結合した架橋環構造を包含する結合N6-置換基を有するアデノシンを開示)及び南アフリカ国特許第68/5477号(N6-インドリル置換-2-ヒドロキシアデノシンを開示)を参照せよ。
米国特許第4,954,504号及びEP公告第0267878号は、一般的に、アデノシンの炭素環状リボース類似体、及び、2-及び又はN6-位が、チエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、及び5又は6員環の飽和ヘテロ環の低級アルキル誘導体と接合された2環ベンゾ含有の低級アルキル基によって置換された、薬理学的に許容される炭素環状リボース類似体のエステル類は、アデノシン受容体アゴニスト特性を示すことを開示している。チエニル-タイプの置換基を有するアデノシン類似体は、EP公告第0277917号(2-[(2-[チエン-2-イル]エチル)アミノ]置換アデノシンを含有するN6-置換-2-ヘテロアリールアルキルアミノ置換アデノシンを開示)、ドイツ国公開第2,139,107号(N6-[ベンゾチエニルメチル]-アデノシンを開示)、PCT WO88/03147及びWO88/03148(N6-[2-アリール-2-(チエン-2-イル)]エチル置換アデノシンが、抗高血圧特性を示すことを開示)、米国特許第4,636,493号及び第4,600,707号(N6-ベンゾチエニルエチル置換アデノシンが抗高血圧特性を示すことを開示)に記載されている。
アデノシン-5’-カルボン酸アミド類は、抗高血圧及び抗アンギナル剤としての用途を有することが、米国特許第4,738,954号に開示され、N6-置換アリール及びアリールアルキル-アデノシン5’-エチルカルボキシアミドが種々の強心剤特性及び抗高血圧特性を示すことが開示されている。
N6-アルキル-2’-O-アルキルアデノシンは、EP公告第0,378,518号及びUK特許出願第2,226,027号において、抗高血圧作用を有することが開示されている。N6-アルキル-2’,3’-ジ-O-アルキルアデノシンも、抗高血圧剤として有用であることが報告されている。
アデノシン-5’-(N置換)カルボキシアミド及びカルボン酸エステル及びそれらのN1-オキシドが、冠状血管拡張剤として、SteinらのJ.Med.Chem.1980,23,313-319及びJ.Med.Chem.19(10),1180(1976)に報告されている。また、アデノシン-5’-カルボキシアミド及びそれらのN1-オキシドについて、米国特許第4,167,565号に、小動物の毒性として報告されている。
アデノシンの抗脂肪分解作用については、Dole,V.P.,J.Biol.Chem.236(12),3125-3130(1961)に開示されている。(R)-N6フェニルイソプロピルアデノシンによる脂肪分解の阻止が、Westermann,E.らのAdipose Tissue,Regulation and Metabolic Fanctions,Jeanrenaud,B.andHepp,D.Eds.,George Thieme,Stuttgart,47-54(1970)に開示されている。N6-モノ-及びジ置換アデノシン類似体は、抗脂肪分解、抗高コレステロール血症、及抗脂血症作用を有することが、米国特許第3,787,391;3,817,981;3,838,147;3,840,521;3,835,035;3,851,056;3,880,829;3,929,763;3,929,764;3,988,317;及び5,032,583号に開示されている。
胃腸のモチリン異常の治療に有用なN6-置換アデノシン及び類似体について、EPで公告された出願第0423776号、及び第0423777号に報告されている。
アデノシン及びその類似体から誘導されるN6-ヘテロ環化合物、及びそれらの高血圧と心筋乏血の治療での使用、乏血傷害又は心筋梗塞サイズひいては心筋乏血を改善する心臓保護剤としての使用、及び、血漿脂質レベル、血清トリグリセリドレベル、及び血漿コレステロールレベルを減少させる抗脂肪分解剤としての使用について、1994年10月3日に出願され、本出願と同一の譲受人に譲渡され、1996年3月26日に特許査定通知が郵送された米国特許出願第08/316,761号に開示されている。また、アデノシン及びその類似体から誘導されるN6ヘテロ環化合物、及びそれらの心筋乏血及び高血圧の治療での使用について、1992年10月2日出願の米国特許第5,364,862号に開示され、本出願と同一の譲受人に譲渡されている。
アデノシン類似体に関して報告されている毒性、CNS特性及び心拍数の上昇は、市販のアデノシン類似体抗高血圧/抗乏血剤の改良を阻む難点に起因すると考えられている。本発明は、予期できない好ましい薬学的特性、すなわち独特の治療プロフィールを有する抗高血圧、心臓保護、抗乏血、及び抗脂肪分解剤しての特性を有する、代謝的に安定なアデノシン類似体に関する。
発明の概要
本発明の化合物は、式Iによって示される。
ここで、
Kは、N、N→O、又はCH;
Qは、CH2又はO;
R6は、水素、アルキル、アリル、2-メチルアリル、2-ブテニル、又はシクロアルキル;
Xは、
ここで、Xの環の窒素は、Yによって置換さている;
Eは、O又はS;
Yは、水素、アルキル、アラルキル、置換アラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、ヘテロ環アルキル、又は置換ヘテロ環アルキル;
n及びpは、別々に、0、1、2、又は3で、n+pは少なくとも1;
Tは、水素、アルキル、アシル、チオアシル、ハロ、カルボキシル、
又はR3O-CH2;
R1、R2、及びR3は、別々に、H、アルキル、又はシクロアルキル;
Aは水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又はOR’;
Bは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、又はOR”;
R’及びR”は、別々に、水素、アルキル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、又は、A及びBがOR’及びOR”のとき、それぞれ、R’及びR”は、共に
を形成し、RCは、水素又はアルキル、
ここで、Rdは及びReは、別々に、水素、アルキル、又は、それらが結合した炭素原子と共に1,1-シクロアルキル基を形成;
又は薬学的に許容されるこれらの塩である。
また、本発明は、上記式Iの化合物の抗高血圧に有効な量又は抗乏血に有効な量を含む薬学的成分を使用して、高血圧又は心筋乏血によって特定される心臓血管の疾病を治療する方法、心臓保護に有効な量の上記式Iの化合物を含む薬学的成分を使用して、乏血傷害又は心筋梗塞サイズを改善する方法、抗高脂肪のための上記式Iの化合物を含む薬学的成分を使用して、高脂血症又は高コレステロール血症を治療する方法、及び、これら化合物の調製に用いる方法及び中間体に関する。
詳細な説明
上述したように、及び本発明の説明を通して、以下の用語は、特に言及しない限り、以下の意味を有するものとする。
“アシル”は、直鎖或いは分岐のアルキル-C=O基を意味する。“チオアシル”は、直鎖或いは分岐のアルキル-C=S基を意味する。好ましいアシル及びチオアシル基は、アルキル基中に1から約6個の炭素原子を有する低級アルカノイル及び低級チオアルカノイルである。
“アルキル”は、直鎖或いは分岐し、その鎖中に1から約20個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、直鎖或いは分岐し、その鎖中に1から約10個の炭素原子を有する。分岐されたとは、メチル、エチル、又はプロピルのような低級アルキル基が、線状のアルキル鎖に結合されていることを意味する。
“低級アルキル”とは、1から約6個の炭素を有するアルキル基を意味する。
“シクロアルキル”とは、環中に3から約10個の炭素を有する脂肪族環意味する。好ましいシクロアルキル基は、4から約7個の炭素原子を環中に有する。
“カルバモイル”は、H2N−C=O基を意味する。アルキルカルバモイル及びジアルキルカルバモイルは、カルバモイルの窒素が、それぞれ、1又は2個のアルキル基で置換されたものを意味する。
“カルボキシル”は、COOH基を意味する。
“アルコキシ”’は、アルキル-O基を意味し、“アルキル”は、前述の意である。低級アルキル基が好ましい。典型的な基として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ及びn-ブトキシがある。
“アルコキシアルキル”は、前述のアルコキシ基で置換された前述のアルキル基を意味する。
“アルコキシカルボニル”は、アルコキシ-C=O基を意味する。
“アラルキル”は、アリールラジカルで置換されたアルキル基を意味し、“アリール”は、フェニル又はナフチルを意味する。“置換アラルキル”及び“置換アリール”は、アリール基又はアラルキル基のアリール基が、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボアルコキシ、シアノ、アルキルアミノ、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプチル、アルキルメルカプチル、トリハロアルキル、カルボキシアルキル、又はカルバモイルを含む1以上の置換基で置換されていることを意味する。
“アラルコキシカルボニル”は、アラルキル-O-C=O基を意味する。
“アリールオキシカルボニル”は、アリール-O-C=O基を意味する。
“カルバルコキシ”は、式CnH2n+1OHのアルコールでエステル化されたカルボキシ置換基を意味し、nは、1から約6である。
“ハロゲン”(又は“ハロ”)は、塩素、フッ素、臭素、又はヨウ素を意味する。
“ヘテロ環は”は、環中の1以上の原子が、例えばN、O、又はSのような炭素以外の元素である、4から約10員環構造を意味する。ヘテロ環は、芳香族或いは非芳香族、すなわち、飽和でも、部分的に或いは全体的に不飽和でもよい。
好ましいヘテロ環基としては、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、イミダゾーリル、ピロローリル、フラニル、チエニル、チアゾーリル、ベンゾチアゾーリル、ピペリジニル、ピロローリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、及びモルホンリニル基がある。
“置換ヘテロ環”は、1以上の置換基で置換されたヘテロ環を意味し、置換基としては、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール、カルバルコキシ、カルバモイル、シアノ、ハロ、ヘテロ環、トリハロメチル、ヒドロキシ、メルカプチル、アルキルメルカプチル、又はニトロが挙げられる。
“ヒドロキシアルキル”は、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基を意味する。ヒドロキシ低級アルキル基が好ましい。典型的な好ましい基としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3--ヒドロキシプロピルが挙げられる。
“薬剤前駆体”は、それ自体生物学的に活性或いは不活性であるが、代謝、ソルボリシス、又は他の生理的方法で、生物学的に活性な化学物質に変換される化合物を意味する。
“心臓保護”とは、心筋を乏血傷害及び心筋梗塞ひいては心筋乏血にかかりにくいようにする効能をいう。
“乏血傷害の改善”とは、心筋への乏血傷害ひいては心筋乏血症を阻止し、或いは減少させることの意である。
“心筋梗塞サイズの改善”とは、心筋梗塞サイズを減少させること、或いは、心筋梗塞、ひいては心筋乏血を阻止することの意である。
式Iの化合物は、キラル(不整)中心を包含する。本発明は、個々の立体異性体及びそれらの混合物を含む。個々の異性体は、公知の方法或いは本明細書で記載される方法で調製し、或いは分割される。
本発明の化合物は、遊離塩基の形態で、酸を加えて塩、或いは無水物の形態で使用することができる。このようなすべての形態は、本発明の範囲である。酸を加えた塩は、簡単に利用しやすく便利である。実際には、塩形態の使用は、本質的には塩基形態の使用になる。酸付加塩を調製するために使用する酸は、遊離塩基と結合する際に、薬学的に許容される塩を生成するようなもの、すなわち、塩のアニオンが塩の薬学的用量において、受容体に対して非毒性であるような塩であることが好ましく、そして、遊離塩基によって生成される有用な抗高血圧、心臓保護、抗乏血、及び抗脂肪分解作用が、アニオンに起因する副作用によって損なわれないことが好ましい。本発明の化合物の薬学的に許容される塩が好ましいが、特定の塩は、それ自体中間生成物としてのみ好ましい、例えば、精製及び分離の目的のためだけに形成され、或いはイオン交換法によって薬学的に許容される塩を調製するときに中間体として使用されるとしても、すべての酸付加塩は、遊離塩基形態の原料として利用できる。本発明の範囲内の薬学的に許容される塩は、以下の酸から誘導されるものである。すなわち、塩酸、硫酸、リン酸、及びスルファミン酸のような鉱酸;及び酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸,p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸等のような有機酸が挙げられる。相当する酸付加塩としては、以下のものが挙げられ、それぞれ、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、フマル酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩,p-トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩である。
本発明の化合物の酸付加塩は、水溶液或いはアルコール水溶液或いは他の適当な酸含有溶媒中に遊離塩基を溶解させ、溶液をエバポレートして塩を分離しても、又は有機溶媒中で遊離塩基と酸を反応させてもよく、この場合は、塩を直接分離し、或いは溶液を濃縮して得ることができる。
式Iの範囲に包含されるものは、一般的にN6-置換アデノシン;及びN6-置換-N’-1-デアザアリステロマイシン(又は、代わりに、ジヒドロキシ[N7-置換[4,5-b]イミダゾピリジル]-シクロペンタン)及びそれらのN-オキシド;N6-置換炭環状アデノシン(又は、代わりに、ジヒドロキシ[N6-置換-9-アデニル]シクロペンタン);で特徴づけられる化合物の類である。また、式Iの範囲内に、アデノシンの5’-アルキルカルボキシアミド誘導体、炭素環状アデノシン及び1-デアザアリステロマイシン、シクロペンタン環の1つ或いは両方の2-又は3-ヒドロキシル基が、或いは、リボース部位を含む場合には、リボース環の2’-又は3’-ヒドロキシル基が置換された、上記類の化合物の誘導体がある。このような誘導体は、それ自体、高血圧及び心筋梗塞の治療において、及び、心臓保護剤と抗脂肪分解剤として、有効な生物学的に活性な化学物質であるか、又は、生理的条件下で、それらから形成されるそのような生物学的活性化合物への薬剤前駆体として作用する。
本発明の代表的な化合物としては、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3S,4R,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(R)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-(6-(1-(4-ニトロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ)-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(5’-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2’]-ビピリジニル-3-イル)-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(フェニルピロリジン3(S)-イルアミノ)-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(1-ピリジン-2-イルピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-チオフェン2-イルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルメルカプトピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸エチルアミド、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3S)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールジヒドロクロリド、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(R)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3R)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4(R)-1-ベンジル-4-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン2-オンハイドロクロライド、(1R,2S,3R,5S)-5-メチル-3-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(ピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4(S)-1-ベンジル-4-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン2-オンハイドロクロライド、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(キノリン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-S-(4-ニトロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4,5-ビストリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(フェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4-[3(S)-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン1-イル]ベンゾニトリル、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(イソキノリン-1-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-ブロモキノリン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-イソプロポキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-イソプロポキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、
(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-フェニルピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(S)-sec-ブチルアミド、及び、(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(R)-sec-ブチルアミドが挙げられる。
本発明の化合物の好ましい類は、KがN、Tがヒドロキシメチル又はメトキシメチル、A及びBがヒドロキシ、Xが
及び、n+pが、3或いは4である、式Iによって示され、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。化合物のこの好ましい類の代表的な化合物としては、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3S,4R,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(R)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-(6-(1-(4-ニトロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ)-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(5’-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2’]-ビピリジニル-3-イル)-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(フェニルピロリジン3(S)-イルアミノ)-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(1-ピリジン-2-イルピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-チオフェン-2-イルピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルメルカプトピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]-テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3S)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールジヒドロクロリド、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(R)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3R)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(ピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(キノリン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-S-(4-ニトロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4,5-ビストリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(フェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4-[3(S)-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン1-イル]ベンゾニトリル、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(イソキノリン-1-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-ブロモキノリン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-フェニルピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、及び、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオールが挙げられる。
本発明の化合物の他の好ましい類は、QがCH2、KがN、Tが、
、ここで、R1がH及びR2が低級アルキル、A及びBがヒドロキシ、Xが、
及びn+pが3或いは4である、式Iによって示され、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。化合物のこの他の好ましい類の代表的な化合物としては、(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸エチルアミド、(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(S)-sec-ブチルアミド、及び-(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(R)-sec-ブチルアミドが挙げられる。
本発明の化合物のより好ましい類は、QがCH2、KがN、Tがヒドロキシメチル又はメトキシメチル、A及びBがヒドロキシ、Xが、
及び、n+pが3或いは4である、式Iによって示され、又は薬学的に許容されるそれらの塩である。化合物のこのより好ましい類の代表的な化合物としては、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3S)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールジヒドロクロリド、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン3-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(R)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3R)-ピロリジン3-イルアミノ)-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(ピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(キノリン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-S-(4-ニトロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4,5-ビストリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロピリジン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(フェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4-[3(S)-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン1-イル]ベンゾニトリル、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(イソキノリン-1-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-ブロモキノリン-2-イル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-(-[6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-(-[6-[1-(4-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)-ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-フェニルピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、及び、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジル-ピロリジン3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]5-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオールを挙げることができる。
本発明の最も好ましい化合物は、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、及び、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン3(S)-イルアミノ]-プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールを含む。
本発明の化合物は、公知の方法によって、或いは以下に示す反応経路に従って調製することができる。本発明の化合物の調製で使用する出発原料は、公知或いは市販されている、又は公知の方法或いは本明細書に記載した特定の反応スキームによって調製することができる。KがN、QがO、及びTがR3O-CH2である、式Iの化合物は、市販の6-クロロプリンリボシドを、以下に例示するような、種々の非置換アルキル、アラルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環、或いは置換ヘテロ環アザシクロアルキルアミン、又はそれらの保護された誘導体(以下、“適切な出発アミン”)と反応させることで調製することができる。
KがN、QがO、及びTがR1R2N-C=Oである、式Iの化合物は、反応スキームAの生成物で開始することで容易に調製される。この反応では、リボース環の2’-及び3’ヒドロキシ基が保護された6-クロロプリンリボシドを、例えば、Jones試薬のような酸化剤で処理し、生成される酸を、選択されたアミンの存在下で、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はBOP-Clで処理して、5’-アルキルカルボキシアミド誘導体を得る。
KがN、QがCH2及びTがR1R2N-C=Oである、式Iの化合物に適する出発原料は、Chenらによって、Tetrahedoron Letters 30:5543-46(1989)に記載されている。その代わりに、反応スキームBで、このような出発原料を調製してもよい。反応スキームBの実施においては、Chenらの記載に従って調製される、2,3-ジヒドロキシシクロペンチルアミンの4-エチルカルボキシアミド誘導体を、3-アミノ-2,4-ジクロロピリミジンと反応させる。そして、この初期反応の生成物を、ジオキサン及びメトキシエタノール中で、アルデヒドイルアミンアセテート、例えばホルムアミジンアセテートと、閉環するために十分な時間(約30分から約4時間)反応させ、下記に示す方法で、適切な出発アミンと好都合に反応可能な生成物を得、本発明の化合物を得ることができる。反応の順序は重要ではない。例えば、反応スキームBで形成される中間体を、適切な出発アミンと反応させてから閉環させても、所望の最終生成物を得ることができる。
本発明の化合物の生成に使用する各種アミンは、公知の方法で、或いは本明細書に記載の方法で調製することができる。
本発明の化合物の調製で用いる化合物或いは中間体のジアステレオマーの混合物は、当業者に公知の方法;例えば、クロマトグラフィー、分別蒸留、又はd-或いはl-(酒石酸エステル、酒石酸ジベンゾイル、マンデル酸エステル又はショウノウスルホネート)塩の分別結晶で、単一のラセミ体或いは光学活性のエナンチオマーに分割することができる。
本発明のN6-置換アデノシン及び炭素環状アデノシンは、反応スキームCに例示されるように、6-クロロプリンリボシド或いは反応スキームA又はBの生成物を、種々の適切な出発アミンと反応させて生成することができる。
ここで、X’及びY’は、上述のX及びY、或いはそれらの保護された誘導体である。
本発明のN6-置換-N’アルキル-デアザアリステロマイシンは、反応スキームDに示すように調製することができる。
薬剤前駆体として作用する本発明の化合物は、リボース環或いはシクロペンチル環上のヒドロキシル基が、式Iについて上記で定義したR’及びR”で置換された化合物を含む。これらは公知の方法で調製でき、また以下の反応スキームEで示す調製法によって例示される。
有機酸、例えばトリエチルアミンの存在下、ジヒドロキシ化合物をクロロギ酸エステルと処理すると、対応のビス-炭酸塩を得る。アルコキシメチレンアセテートは、触媒量のp-トルエンスルホン酸の存在下、対応のオルトエステルで処理することによって調製できる。炭酸塩は、1,1’-カルボニルジイミダゾールで処理して得、チオ炭酸塩は、チオカルボニルジイミダゾールで処理して得ることができる。アルキル及びジアルキルカルバモイル誘導体は、有機塩基の存在下、それぞれ、対応のアルキルイソシアネート又はジアルキルイソシアネートで処理して調製することができる。
KがN→O、すなわちN−オキシドである場合の本発明の化合物は、対応のアデノシン或いは炭素環状アデノシンを、公知の方法、例えば酢酸中で過酸化水素で処理して、酸化することで調製できる。
2’-O-アルキル誘導体は、公知の方法、例えば適切な出発アミンを6-クロロ-9-(2’-O-メチル-b-D-リボフラノシル)-9H-プリンと反応させて、調製できる。
本発明の化合物の調製に使用する出発化合物及び中間体の官能基は、技術分野で公知の一般的な保護基によって保護してよい。アミノ及びヒドロキシル官能基の従来の保護基については、例えば、T.W.Greene,“Protective Groups in Oraganic Synthesis”,Wiley,New York(1984)に、記載されている。
ヒドロキシル基は、アシル誘導体のように、エステルとして、或いはエーテルの形で保護することができる。炭素原子に隣接するヒドロキシル基は、ケタール又はアセタールの形で保護すると有利である。実際、反応スキームA及びBでの出発化合物の2’及び3’の隣接ヒドロキシル基は、2’、3’イソプロピリデン誘導体を形成することで、都合よく保護されている。例えば、酸加水分解、又は、他の有機化学において通常用いられるソルボリシス或いは水素化分解によって、遊離のヒドロキシルに戻すことができる。
合成に次いで、本発明の化合物は、典型的には、クロマトトロン上で、中間圧液体クロマトグラフィー(MPLC)によって、シリカゲル或いはFlorisilマトリックスを通して、放射状に加速された薄層クロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、又はカラムクロマトグラフィーによって精製し、続いて結晶化される。KがN、QがO、かつTがR3O-CH2の場合の式Iの化合物のための代表的な溶媒系としては、クロロホルム:メタノール、エチルアセテート:ヘキサン,及びメチレンクロリド:メタノールが挙げられる。溶出液は、メタノール、エタノール、エチルアセテート、ヘキサン又はクロロホルム等によって、結晶化することができる。
KがN、QがO、かつTがR1R2N-C=Oの場合の式Iの化合物のための代表的な溶媒系としては、メチレンクロリド:メタノールが挙げられる。例えば、溶出液は、メタノール、エタノール、又はヘキサンを含む或いは含まないエチルアセテートから結晶化できる。
中和が必要な化合物は、重炭酸ナトリウムのような弱塩基で中和し、次いでメチレンクロリド及び塩水で洗浄する。油として精製された生成物は、時には、最終的な結晶化の前に、ヘキサン/メタノールと共に摩砕してよい。
本発明の方法は、以下の実施例によって、さらに図示して説明される。
実施例1
5’-N-エチル-2’,3’-イソプロピリデン-N6-クロロアデノシン-5’-ウロンアミドの合成
ステップ1:N6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシン
6-クロロプリンリボース(31.5g)、トリエチルオルトホルメート(73mL)及びTsOH(19.8g)を、室温で2時間、600mLのアセトン中で撹拌する。反応混合物を減圧下濃縮し、エチルアセテートを混ぜ、NaHCO3飽和溶液及び塩水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮してN6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシンを、白色固体として得る。
ステップ2:N6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシン-5’-カルボン酸
N6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシン(4.5g、13.8mmol)及び4-ヒドロキシ-2,2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシベンゾエート(4-ヒドロキシ-TEMPOベンゾエート)(0.0381g、0.14mmol)を、アセトニトリル中で混ぜ、その反応混合物に5%NaHCO3(87%)を加え、0-5℃で、ナトリウムブロマイトハイドレート(10.41g、55.1mmol)を滴下する。そして、反応混合物を室温まで温め、その溶液を約3時間激しく撹拌する。10%酒石酸溶液を加え、水層を分離し、エチルアセテート(3x)で抽出する。混合有機層を5%重炭酸ナトリウム溶液(3x)で洗浄する。塩基層を混合し、濃塩酸でpH3まで、再び酸性にする。水層をエチルアセテート(3x)で抽出する。そして、混合有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。ろ液を無定形の白色固体になるまで濃縮し、3回に分けてトルエンと共にエバポレートし、減圧下乾燥し、N6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシンアデノシン-5’-カルボン酸を得る。
ステップ3:5’-N-エチル-2’,3’-イソプロピリデン-N6-クロロアデノシン-5’-ウロンアミド
N6-クロロ-2’,3’-イソプロピリデンアデノシンアデノシン-5’-カルボン酸(4.4g、12.9mmol)、トリエチルアミン(1.64mL、11.7mmol)イソプロペニルクロロホルメート(1.28mL、11.7mmol)、及びメチレンクロリド(50mL)を、アルゴン下、-10℃で混合し、約2分間撹拌する。エチルアミン(0.77mL、11.7mmol)を反応混合物に加え、さらに1分間撹拌を続ける。その反応混合物をメチレンクロリドと飽和重炭酸ナトリウムに分配する。水層をメチレンクロリド(3x)で洗浄する。混合有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下エバポレートし、残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、3%MeOH/CHCl3で溶出させて、5’-N-エチル-2’,3’-イソプロピリデン-N6-クロロアデノシン-5’-ウロンアミド、1H NMR(300MHz,(CDCl3)d 8.75(s,1H), 8.23(s,1H), 6.20(s,1H), 5.50(dd,2H), 4.73(d,1H), 3.01(m,2H), 1.63(s,1H), 1.41(s,3H), 0.77(t,3H)を得る。
実施例2
(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸イソプロピルアミドの合成
15.5g(54.6mmol)のN-BOC-5,6-ジメチレンジオキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(i)(後述する実施例3のステップ(6)で調製)を16mLのイソプロピルアミンに溶解し、その混合物を室温で約2時間撹拌する。混合物を減圧下エバポレートし、残渣をクロロホルムと共沸させて白色固体を得る。この固体を250mLのエチルアセテートに溶解し、その溶液を0℃に冷却し、冷却しながら約15分間、塩化水素ガスを溶液に通気する。そして、その溶液を室温で約4時間撹拌する。溶液を減圧下エバポレートし、メタノール次いでクロロホルムと共沸させて、塩酸塩としてアミン生成物を得る。その塩酸塩をクロロホルムと重炭酸ナトリウムに分配し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥、ろ過し、1当量の安息香酸を加える。減圧下溶媒を除去し、エーテル中で残渣を摩砕して、上に図示した所望のアミン(ii)を、融点183-184℃の安息香酸塩として得る。
上述の実施例2ステップ(1)の生成物(ii)54mmolを110mLのn-ブタノールと9.7gの5-アミノ-4,6-ジクロロピリミジン中に溶解し、23mLのトリエチルアミンを加え、その混合物を約18時間還流して加熱する。混合物を冷却し、クロロホルム及び塩化アンモニウム飽和溶液で希釈する。水層をクロロホルムで3回、10%イソプロピルアルコール/クロロホルムで2回抽出する。有機層を混合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して油(iii)を得、何も処理をせずにそのままで次のステップで使用する。
上述の実施例2ステップ(2)の生成物(iii)をを取り出し、150mLのn-ブチルアセテート及び11.2gのホルムアミジンアセテート中に加える。その混合物をアルゴン下、約19時間還流して加熱し、5.56gずつのホルムアミジンアセテートを、2時間目、4時間目、及び6時間目の3回添加する。混合物を冷却し、エチルアセテートで希釈し、塩水、水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中40-80%エチルアセテートで溶出させて、上に図示した所望のクロロプリン生成物(iv)を得る。
上述の実施例2ステップ(3)の生成物(iv)を400mg(1.05mmol)、0.22mL(1.57mmol)のトリエチルアミン、及び270mg(1.16mmol)の2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチルピリジン(後述する実施例3のステップ1〜5で調製)を、一緒に3mLのメタノール中に溶解し、その溶液をアルゴン下、約20時間還流して加熱する。その混合物を減圧下エバポレートし、残渣をクロロホルムと重炭酸飽和溶液に分配する。水層を4回に分けてクロロホルムで抽出し、混合有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過、減圧下エバポレートする。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、メチレンクロリド/エチルアセテート(1:1)中にサンプルを入れ、そして、エチルアセテート中0〜3%のメタノールで溶出させ、上に図示した生成物(v)を得る。
ステップ(5) 上述の実施例2ステップ(4)の生成物(iv)を、2mLのメタノール/テトラヒドロフラン(1:1)に溶解し、3.3mLの1.5N塩酸水溶液を加え、その溶液を室温で20時間撹拌する。その混合物を減圧下エバポレートする。この結果生じる残渣を、10mLの15%イソプロピルアルコール/クロロホルム、1mLの1N水酸化ナトリウム溶液、及び9mLの重炭酸ナトリウム飽和溶液中に入れる。層を分離し、水層を5mLずつの15%イソプロピルアルコール/クロロホルムで4回に分けて抽出する。混合有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過、減圧下エバポレートして、融点227-228℃の(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸イソプロピルアミドを得る。
実施例3
(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールの合成
ステップ(1) 20g(232mmol)の(3S)-(−)-3アミノピロリジン及び26mL(255mmol、1.1当量)のベンズアルデヒドを250mLのトルエン中で混合し、Dean-Starkトラップで水分を除去しながら、約4.5時間還流する。その混合物を0℃に冷却し、55.7g(255.2mmol、1.1当量)のジ-tert-ブチルジカルボネートを加え、室温で撹拌する。その混合物を減圧下、濃縮し、KHSO4溶液と共に撹拌し、エーテルで3回抽出する。水層をアルカリ性にして、CH2Cl2で抽出する。有機層を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下、エバポレートして、N-BOC-(3S)-(-)3アミノピロリジンを得る。
ステップ(2) 上述の実施例3ステップ(1)の生成物、34.25g(183.9mmol)を200mLのCH2Cl2に溶解し、25mL(183.9mL、1当量)のトリエチルアミンを加える。窒素雰囲気下、34.7mL(367.8mmol、2当量)の無水酢酸を滴下して加え、その混合物を室温で撹拌し、NaHCO3溶液/CH2Cl2で分け、有機層を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過、減圧下エバポレートし、その生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、メチレン中2-8%のメタノールで溶出させて、N1-BOC-(3S)-(-)-3-アセチルアミノピロリジンを得る。
ステップ(3) 上述の実施例3ステップ(2)の生成物、39.2g(171.7mmol)を400mLのCH2Cl2に溶解し、窒素雰囲気下、0℃で、26.46mL(343.4mmol、2当量)のトリフルオロ酢酸(以後、”TFA”)を滴下して加える。その混合物を加熱還流し、さらに26mL、そして、10mLのTFAを添加して、さらに3時間還流し、高い減圧状態でエバポレートしてTFAを除去する。その残渣をアンバーライトIRA-400基本樹脂(以後、”基本樹脂”)と共に撹拌し、ろ過し、ろ液をメタノールに溶解し、基本樹脂を通してゆっくりろ過し、ろ液をエバポレートして、(3S)-(-)-3-アセチルアミノピロリジンを得る。
ステップ(4) 上述の実施例3ステップ(3)の生成物、4g(31.2mmol)及び5.19(40.6mmol)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを50mLのエタノールに混合し、13mL(93.6mmol、3当量)のトリエチルアミンを加える。その混合物をアルゴン下、約18時間還流し、減圧下濃縮し、残渣をメチレンクロリド及び重炭酸ナトリウムに分配する。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下エバポレートし、残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、メチレンクロリド中2-5%メタノールで溶出させ、2-[(3S)-3-アセチルアミノピロリジン-1-イル]-5-トリフルオロメチルピリジンを、固体として得る。
ステップ(5) 上述の実施例3ステップ(4)の生成物7.52g(27.5mmol)を、75mLの6N塩酸水溶液と混ぜ、その混合物を約18時間還流する。混合物を室温に冷却し、固体の重炭酸ナトリウムで中和し、水酸化ナトリウム希薄溶液とメチルクロリドに分配する。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下エバポレートして、2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-5-トリフルオロメチルピリジンを得る。
22.5g(0.123mol)の(-)-5,6-ジメチレンジオキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(iv)、1.5gの4-ジメチルアミノピリジン(以後、”DMAP”)、12.4gのトリエチルアミン、及び37.5gのジ-tert-ブチルジカルボネートをメチレンクロリド中で混合し、室温で約18時間撹拌する。その混合物を1N塩酸、5%重炭酸ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮して、その残渣をイソプロピルアルコールから再結晶させて、N-BOC-5,6-ジメチレンジオキシ-2-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(i)を得る。
上述の実施例3ステップ(6)の生成物(i)を400mLのメタノールと混合する。素早く撹拌、冷却し、アルゴン純化の条件で、総重量23.8g(0.63mol)のナトリウムボロヒドリドを、約2時間かけて同量ずつ3回に分けて添加する。その混合物を減圧下濃縮し、200mLの水と300mLのエチルアセテートに分配する。水層を2回以上エチルアセテートで抽出し、その混合有機層を水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮して、N-BOC-アミノ-2,3-ジメチレンジオキシ-4ヒドロキシメチルシクロペンタン(vii)を得る。
上述の実施例3ステップ(7)の生成物(vii)、50gを150mLのベンゼン中に入れる。8.8mlのヨウ化メチル及び33gの酸化銀を加え、その混合物を約18時間還流する。さらに25gの酸化銀と、50mLのヨウ化メチルを、6時間かけて滴下して加え、約18時間還流する。その混合物をCeliteを通してろ過し、そのフィルターの固まりをエチルアセテートで洗浄する。ろ液を混ぜて減圧下濃縮し、残渣をヘキサンから結晶化して、上に図示した所望のメトキシメチル化合物(viii)を得る。
アルゴン下、上述の実施例3ステップ(8)の生成物(viii)、31.6gを250mLの温かい無水エチルアセテート中に溶解する。その溶液をアイスバス中で冷却し、約6分間、溶液に塩化水素ガスを通気する。その混合物を室温まで加温し、約3時間撹拌し、そして、減圧下濃縮して、上に図示した所望のアミン塩酸塩(ix)を得る。
アルゴン下、上述の実施例3ステップ(9)の生成物(ix)、24.2gと、42.8gの重炭酸ナトリウムを、100mLのn-ブタノール中で混合し、20.1gの5-アミノ-4,6-ジクロロピリミジンを加える。その混合物を約20時間還流加熱し、そして、減圧下濃縮する。残渣をエチルアセテートと水に分配し、エチルアセテート層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮する。ヘキサン中30%のエチルアセテート中の残渣を、大きいフラッシュシリカゲルの洗浄カラムに通し、そのカラムを50%のエチルアセテート/ヘキサンで洗浄し、ろ液を混ぜて減圧下濃縮して、上に図示した所望のピリミジニルアミノシクロペンタン生成物(xi)を得る。
アルゴン下、上述の実施例3ステップ(10)の生成物(xi)を26.7gを125mLのn-ブチルアセテートと混合する。33.5gのホルムアミジンアセテートを加え、その混合物を、薄層クロマトグラフィーで反応の終了が示されるまで還流加熱する。その混合物を冷却し、エチルアセテートと塩水に分配し、エチルアセテート層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中30-50%のエチルアセテートで溶出させて、上に図示したクロロプリン生成物(xii)を得る。
上述の実施例3ステップ(11)の生成物(xii)を7.75g(22.9mmol)と、6.35g(27.4mmol)の2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-5-トリフルオロメチルピリジンを20mLのエタノール中で混合し、6.33mLのトリエチルアミンを加える。その混合物を密封容器中で105℃に約4時間加熱する。その混合物を冷却し、減圧下エバポレートし、メチレンクロリドと重炭酸溶液に分配する。その有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、メチレンクロリド中4%のメタノールで溶出させて、図示の生成物(xiii)を得る。
ステップ(13) 上述の実施例3ステップ(12)の生成物(xiii)を10.81g(20.3mmol)を、90mLのトリフルオロアセテート及び10mLの水と混合し、その混合物を室温で約30分間撹拌する。TFAを高い減圧状態でエバポレートにより除去し、その残渣をメチレンクロリドと重炭酸溶液に分配する。メチレンクロリド溶液を重炭酸ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、イソプロピルアルコールを加え、その溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、メチレンクロリド中5-10%のメタノールで溶出させる。適切な留分を集めて濃縮し、その残渣をアセトニトリルから結晶化して、融点が166-168℃の、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールを得る。
応可能な生成物を得、本発明の化合物を得ることができる。反応の順序は重要ではない。例えば、反応スキームBで形成される中間体を、適切な出発アミンと反応させてから閉環させても、所望の最終生成物を得ることができる。
実施例4
(2R,3S,4R,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(R)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオールの調製
267mgの2-[(3R)-3-アミノピロリジン-1-イル]-5-トリフルオロメチルピリジン、331mgの6-クロロプリンリボシド、233mgのトリエチルアミンと0.5mlのエタノールを合わせ、密閉容器で100℃において約5時間加熱する。その混合液を冷却し、塩化メチレン(イソプロピルアルコールを若干添加した)と重炭酸ナトリウムに分配する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発し、残留物を塩化メチレン中5%メタノールで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して(2R,3S,4R,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(R)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオールを半水和物、m.p.166-170℃として得た。
実施例5
(1R,2S,3R,5R)-5-([6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオールの調製
工程(1) 1.00g(11.6ミリモル)の3(S)-(-)-3-アミノピロリジン、1.35ml(9.66ミリモル)の4-ブロモベンゾトリフルオリド、2.69g(29ミリモル)のナトリウムtert-ブトキシドと1.01g(1.16ミリモル)のPdCl2(P[o-トリル]3)2(米国特許第4,196,135号のように調製した、その明細書の記載は本願特許に含まれるものとする)を30mlのトルエン中で合わせ、その混合液を密閉容器で100℃において約40時間加熱する。その混合液を冷却し、ろ過し、減圧下で蒸発し、残留物を10:1〜7:1の塩化メチレン/エタノールで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-(3S)-ピロリジン-3-イルアミンを得た。
24.7ml(0.61モル)のメタノールと50mlの酢酸エチルの溶液をアルゴン下で0℃に冷却する。43.3ml(0.61モル)の塩化アセチルを滴下し、その溶液を約45分間かけて室温にする。この溶液を氷冷し、100mlの酢酸エチル中50.0gのN-BOC-1-アミノ-2,3-ジメチレンジオキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンタン(vii)の溶液を約45分間かけて加える。その溶液を室温にしてから減圧下で蒸発して上記の所望のアミン塩酸塩(xiv)を得る。
38.9gの上記実施例5工程(2)からの生成物(xiv)と73gの重炭酸ナトリウムをアルゴン下に150mlのn-ブタノール中で合わせ、その混合液を室温で約30分間撹拌する。34.2gの5-アミノ-4,6-ジクロロピリミジンを加え、その混合液を還流下で約19時間撹拌する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチルと水に溶解する。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残留物をヘキサン中30〜100%酢酸エチルの勾配で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して上記の所望の置換クロロピリミジン(xv)を得る。
37.9gの上記実施例5工程(3)からの生成物(xv)と25.1gのホルムアミジン酢酸塩を250mlの酢酸n-ブチル中で合わせ、更に約1時間後に12.5gのホルムアミジン酢酸塩、約1.5時後に10gを加える。その混合液を冷却し、酢酸エチルと食塩水に分配し、その食塩水を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発する。残留物を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化することにより精製して上記クロロプリン(xvi)を得る。母液の濃縮からの残留物をヘキサン中80〜100%酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して回収率を向上させる。
0.225g(0.693ミリモル)の上記実施例5工程(4)からの生成物(xvi)、0.239g(1.04ミリモル)の上記工程(1)からの1-(4-トリフルオロメチル)フェニル-(3S)-ピロリジン-3-イルアミンと0.582g(6.93ミリモル)の重炭酸ナトリウムを20mlのエタノール中で合わせ、約60時間加熱還流する。その混合液をろ過し、減圧下で濃縮し、残留物を30:1〜10:1の塩化メチレン/エタノールの勾配で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して上記ピロリジニルアミン(xvii)を得る。
工程(6) 0.234gの上記実施例5工程(5)からの生成物を10mlのトリフルオロ酢酸に溶解し、その溶液を室温で一晩撹拌する。その溶液を減圧下で蒸発し、残留物を塩化メチレン/酢酸エチル(10:1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して(1R,2S,3R,5R)-5-([6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.111-114℃を得る。
実施例6
4(S)-1-ベンジル-4-[9-(2,3-ジヒドロ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン-2-オンの調製
7.1g(24.5ミリモル)のN-t-BOC-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルを120mlのテトラヒドロフランに溶解する。その溶液を0℃に冷却し、2.73g(27ミリモル)のトリエチルアミン、次に2.66g(24.5ミリモル)のエチルクロロホーメートを加える。その溶液を約30分間撹拌し、水中3.71g(98.2ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムの溶液を加える。その混合液を室温で約17時間撹拌し減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈し、有機層を1N塩酸、10%炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄してから硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中30〜50%の酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して3(S)-t-ブチル-3-BOC-アミノ-4-ヒドロキシ-n-ブタノエート(xix)を得る。
9mlの塩化メチレン中0.73gのジメチルスルホキシドの溶液を70℃に冷却し、31mlの2M塩化オキサリル塩化メチレン溶液を滴下する。その溶液を約15分間撹拌し、5mlの塩化メチレン中0.85gの3(S)-t-ブチル-3-BOC-アミノ-4-ヒドロキシ-n-ブタノエート(xix)の溶液を加える。約45分間撹拌した後、1.88gトリエチルアミンを加える。その溶液を室温に温め、約30分間撹拌してから酢酸エチルで希釈する。その溶液を1N塩酸、10%炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して3(S)-t-ブチル-3-BOC-アミノ-4-オキソ-n-ブタノエート(xx)を得る。
上記実施例6工程(2)からの生成物(xx)を9mlのメタノールと1.34gのペンジルアミン塩酸塩、次に0.94gのトリエチルアミン、次に200mgの3Åモレキュラーシーブに溶解する。その溶液を約45分間撹拌し、5mlのメタノール中0.23gの塩化亜鉛と0.22gのナトリウムシアノボロヒドロドの溶液を加える。その溶液を約4時間撹拌し、2mlの1N水酸化ナトリウム、次に10mlの水を加え、その混合液を約1/2容量まで濃縮し、酢酸エチルで抽出する。その酢酸エチル溶液を10%炭酸ナトリウム溶液、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、残留物を30〜40%の酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して上記ベンジルアミン(xxi)を得る。
工程(4) 0.90gの上記実施例6工程(3)からの生成物を12mlのトルエン/酢酸(10:1)に溶解し、その溶液を約1.5時間還流する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を塩化メチレン中25〜35%酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して1-ベンジル-4(S)-BOC-アミノ-2-ピロリジノンを得る。
工程(5) 0.64gの上記実施例6工程(4)からの生成物を20mlの酢酸エチルに溶解し、その溶液を0℃に冷却する。その溶液に塩化水素ガスを約5分間吹き込み、その混合液を室温で約18時間撹拌する。その混合液にエーテルを加え、ろ過により固形物を集めて1-ベンジル-4(S)-アミノ-2-ピロリジノン塩酸塩を得る。
工程(6) 0.33gの上記実施例5、工程(4)からの保護クロロプリン、0.26gの1-ベンジル-4(S)-アミノ-2-ピロリジン塩酸塩と0.29gのトリエチルアミンを10mlのエタノール中で合わせ、その混合液を約50時間加熱還流する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を20mlの1N塩酸に溶解し、室温で約1時間撹拌する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を20mlの1N塩酸に溶解し、室温で約1時間撹拌する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水中10〜60%アセトニトリルの勾配で溶離する分取用HPLCで精製する。適当な画分を合わせ、濃縮し、残留物を20mlの1N塩酸に溶解し、溶媒を減圧下で濃縮し、これを2回以上繰り返す。この残留物をメタノールに溶解し、溶媒を減圧下で蒸発し、残留物をエーテルで摩砕して4(S)-1-ベンジル-4-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン-2-オンを塩酸塩3水和物、m.p.100℃(分解)として得る。
実施例7
(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオールの調製
工程(1) 4-ニトロフェノール(1.0g、7.19ミリモル)とトリエチルアミン(3ml、21.6ミリモル)を共に無水塩化メチレン(10ml)に溶解し、その混合液を-15℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.81ml、10.8ミリモル)を加え、混合液を-15℃で約30分間撹拌する。その混合液を塩化メチレンで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液と食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残留物を塩化メチレンで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して4-ニトロフェニルトリフルオロメタンスルホネートを薄黄色の固形物として得る。
工程(2) 3(S)-アミノ-1-ベンジルピロリジン(3.0g、17.0ミリモル)とトリエチルアミン(2.50ml、17.9ミリモル)を共に無水メタノール(17ml)にアルゴン下で溶解し、トリフルオロ酢酸エチル(2.53ml、21.3ミリモル)を滴下する。その溶液を約18時間撹拌し、減圧下で蒸発し、残留物を塩化メチレンに溶解する。その溶液を重炭酸ナトリウム溶液、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して1-ベンジル-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジンを得る。
工程(3) 窒素下、1-ベンジル-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジン(4.59g、16.7ミリモル)を無水メタノール(50ml)とジ-tert-ブチルジカーボネート(3.68g、16.7ミリモル)に溶解し、10%パラジウム/炭素(0.90g)を加える。次に、その混合液を水素と大気圧下で約5時間撹拌する。その混合液をセライト▲R▼でろ過し、メタノールで洗浄し、ろ液を減圧下で蒸発する。残留物を塩化メチレン中5%メタノールで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して1-BOC-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジンを得る。
工程(4) 1-BOC-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジン(4g)を塩化メチレン(130ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(19ml)を加える。その溶液を室温で約1時間撹拌してから減圧下で濃縮する。残留物を塩化メチレンと重炭酸ナトリウム飽和溶液に分配する。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発して3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジンを得る。
工程(5) 4-ニトロフェニルトリフルオロメタンスルホネート(0.423g、1.56ミリモル)とトリエチルアミン(0.217ml、1.56ミリモル)を共に無水アセトニトリル(15ml)に溶解し、3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジン(0.852g、4.68ミリモル)を加え、その混合液を約18時間加熱還流する。その混合液を冷却し、減圧下で濃縮し、残留物をヘキサン中25〜50%酢酸エチルの勾配で溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して1-(4-ニトロ)フェニル-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジンを得る。
工程(6) 1-(4-ニトロ)フェニル-3(S)-トリフルオロアセチルアミノピロリジン(0.334g、1.10ミリモル)を炭酸カリウムメタール/水(2:3)飽和溶液(20ml)と合わせ、その混合液を55℃で約2時間、次に室温で約18時間加熱する。その混合液を減圧下で濃縮し、残留物を水(10ml)に溶解する。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発して3(S)-アミノ-1-(4-ニトロ)フェニルピロリジンを得る。
工程(7) 実質的に実施例3、工程12と13及び実施例5、工程5と6の手順を用いて、3(S)-アミノ-1-(4-ニトロ)フェニルピロリジンから(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン1,2-ジオール、m.p.119-120℃を調製する。
実質的に上記の反応スキームと実施例の手順を用いて、適切な出発物質から下記の化合物を調製する。
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.154-156℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.153-156℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.187-190℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.153-154℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-(6-(1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ)プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.230-232℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(5’-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2’]ビピリジニル-3-イル)プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.113-116℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(フェニルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(1-ピリジン-2-イルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.193-195℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.121-124℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.164-166℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-チオフェン-2-イルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.190-192℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルメルカプトピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.231-233℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.251-253℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.154-156℃;
(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.130℃(分解);
(2R,3R,4S,5R)-2-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、m.p.198-200℃;
(1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸エチルアミド、m.p.135-138℃;
(1S,2R,3S,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.126-128℃;
(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3S)-ピロリジン-3-イルアミノ)プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール二塩酸塩、m.p.160℃(分解);
(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(R)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、175-177℃;
(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3R)-ピロリジン-3-イルアミノ)プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.166(分解);
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.110-111℃;
4(R)-1-ベンジル-4-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル]-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン-2-オン塩酸塩、m.p.110℃(分解);
(1R,2S,3R,5S)-5-メチル-3-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.114-116℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.169-171℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.118-121℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.135-137℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(ピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.110-112℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(キノリン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.135-138℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-S-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4,5-ビストリフルオロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.123-126℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(フェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.97-99℃;
4-[3(S)-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン-1-イル]ベンゾニトリル、m.p.140℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(イソキノリン-1-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.119-122℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-ブロモキノリン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール;
(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.140-143℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.180-182℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.125-127℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール;
(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.118-120℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-イソプロポキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.157-158℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-イソプロポキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、160-161℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.122-124℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.110-111℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.110-112℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.128℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.122-125℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.127-130℃;
(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.131-133℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-フェニルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.106℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-ベンジルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-5-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.100-102℃;
(1R,2S,3R,5R)-3-[6-(1-ベンジルピロリジン-3(S)-イルアミノ)プリン-9-イル]-5-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、m.p.95-96℃;
(1R,2S,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシメチル-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(S)-sec-ブチルアミド、m.p.215℃(分解);及び
(1R,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸(R)-sec-ブチルアミド、m.p.206-212℃(分解)。
本発明の化合物は、高血圧の治療に血圧降下剤として有効である。また、冠状動脈の血流量を増やし、よって心筋虚血の治療に有効である。また、心筋虚血の結果として起こる心筋層に対する損傷の予防又は軽減に有効な心臓保護剤として作用する。また、高脂血症や高コレステロール血症の治療に有効な抗脂肪分解剤として作用する。
本発明の範囲内の化合物は、哺乳動物におけるアデノシンレセプターアゴニスト活性を求めるための標準A1/A2レセプター結合分析で活性を示す。本発明の化合物のレセプター結合親和性を求めるのに有用な具体的な試験手順を下記に述べる。
A. 試験管内アデノシンレセプター結合親和性分析
R.F. Brunsら, Mol. Pharmacol.,29:331(1986)の方法に従ってラット全脳の膜標品を用いてレセプターから3H-CHA(シクロヘキシルアデノシン)[Research Biochemicals Inc.,マサチューセッツ州ナチック]のリガンド置換に基づく競合分析によってA1レセプター結合親和性を求めた。1mMテオフィリンの存在下に非特異的結合を評価した。
ラット脳線条体からの膜を用いてレセプターからの3H-CGS21680、既知のA2レセプター特異的アデノシンアゴニストのリガンド置換に基づく類似の分析法によってA2結合親和性を求めた。20μMの2-クロロアデノシンの存在下に非特異的結合を評価した。
分析をガラス試験管で25℃において2回の実験で行った。膜を添加してすぐに、試験管を攪拌し、25℃で60分間(A1分析)又は90分間(A2分析)回転シェーカーでインキュベートした。分析管をインキュベーションの途中まで攪拌し、終わり近くに再び攪拌した。ブランデルセルハーベスターを用いて2.4cmGF/Bフィルターで急速にろ過することにより分析を終結させた。試験管を冷50mMトリスHCl(pH7.7又は7.4)で3回洗浄し、ろ過を15秒以内に完了した。湿った円形フィルターを10mlのアクアゾルII(New England Nuclear)で満たしたガラスシンチレーションバイアル内に入れた。そのバイアルを回転シェーカーで一晩振盪し、2分計数用液体シンチレーションアナライザーに入れた。レセプター結合のIC50、即ち、本発明の化合物が放射能標識標準に置換した濃度をカーブフィッティングコンピュータプログラム(RS/1, Bolt, Beranek & Newman,マサチューセッツ州ボストン)を用いて得た。
ラット精巣上体脂肪体膜の標品を用いてA1レセプター結合親和性を求めた。
膜標品: ラット精巣上体脂肪体を0.25Mスクロース、10mMトリス、2mM EDTA、0.1Mフェニルメチルスルホニルフルオリドと1μg/mlロイペプチンを含有する緩衝液中でホモジェナイズする(200mg湿組織重量/ml緩衝液)。このホモジェネートを50mlの遠心管に入れ、1000g(3000RPM)で1分間遠心し、中間上清を取り出し、38,000gで15分間遠心分離する。沈降物を分析緩衝液(50mMトリス及び1mM EDTA)に懸濁し(300mg原組織重量/ml分析緩衝液)、その浮遊液に2μl/mlのアデノシンデアミナーゼ(10mg/ml)溶液を加え、その浮遊液を37℃で30分間インキュベートする。その浮遊液を38,000gで10分間遠心分離し、沈降物を20mlの分析緩衝液で1回洗浄し、分析緩衝液に懸濁する(1.2g原湿組織重量/ml緩衝液)。
分析及び計数: 試験管を次のように調製する。全結合(全結合計数)管、100μlの膜浮遊液(上記のように調製した)、50μlの3Hシクロヘキシルアデノシン溶液(比活性が約29.9Ci/ミリモルの約1mCi/mlの溶液を分析緩衝液で100nMまで希釈することにより調製した、以後“CHA溶液”)、350μlの分析緩衝液;非特異的結合管、100μlの膜浮遊液、50μlのCHA溶液、分析緩衝液中50μlの100μM2-クロロアデノシン、300μlの分析緩衝液;試料管、100μlの膜浮遊液、50μlのCHA溶液、50μlの試験すべき化合物溶液(DMSO溶液の分析緩衝液で連続希釈から調製される)、300μlの分析緩衝液;ブランク管、50μlのCHA溶液、450μlの分析緩衝液。各試験管を10秒間撹拌し、23℃で2時間インキュベートし、ブランデルろ過ユニットを用い、ワットマンGF/Bろ紙を用い、5mlの50mMトリスで2回洗浄してろ過する。フィルターディスクを7mlのシンチレーションバイアルに入れてから約5mlのレディセーフシンチレーション反応混液を充填し、計数する。
B. 単離したブタの冠状動脈における試験管内血圧降下分析
地方の畜殺場からブタ冠状動脈を入手し、注意して解剖し、脂肪、血液及び付着組織を除いた。約2〜3mm幅の環を切り取り、温(37℃)酸素飽和(O2/CO2:95%/5%)クレブス・ヘンセライト緩衝液で満たした水被覆組織浴(10ml)に移し、ステンレススチールロッドと強制変換器間のL形フックに取り付ける。クレブス緩衝液の組成は次の通りである(mM):NaCl, 118; KCl, 4.7; CaCl2, 2.5; MgSO4, 1.2; KH2PO4, 1.2; NaHCO3, 25.0;及びグルコース, 10.0。環を90分間平衡にし、5gの静止張力で頻繁に緩衝液を変える。最適張力の発生を確かめるために、動脈環を36mM KClで2回、10μm PGF2aで1回注入した後、3μM PGF2aに曝露した。等尺性張力が定常状態に達したときに本発明のアデノシン類縁体の蓄積用量(通常1mM〜100μM、ハーフログで)を浴に加えた。3μM PGF2aで得られた張力を100%に等しいと見なした。他の値は全てその最大の%として表した。弛緩のIC50値、即ち、本発明の化合物が張力の50%低下を引き起こす濃度を上記直線カーブフィティングコンピュータプログラムを用いて求めた。
C. 麻酔した正常血圧ラットと特発性高血圧ラットにおける生体内平均動脈血圧(MAP)と心拍数(HR)の分析
1. 麻酔ラット
正常血圧ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg,i.p.)で麻酔し、熱い手術台に置いた。動脈圧の測定ができかつ試験化合物の静脈内投与を容易にするようにカニューレを大腿動脈と静脈に挿入した。手術後、ラットを10分間平衡にした。長期心拍計を始動させる動脈圧脈を用いて平均動脈圧を連続して測定し、記録し、心拍数をモニターする。ベースラインパラメーターを設定し記録した後、試験すべき本発明の化合物の増加投与量(1、3、10、30、100、300及び1000μg/kg)を静脈内に投与した。アデノシン類縁体を各々投与した後に心臓血管パラメーターの最大変化が認められた。1ラットに対して1化合物のみ投与した。心拍数又は動脈圧を25%だけ低下させるのに必要な薬剤の投与量を求めることにより心拍数と平均動脈圧を低下させる化合物の効力を評価した(ED25)。
2. 特発性高血圧ラット(SHR)
意識のある特発性高血圧ラットにおいて本発明の化合物の経口血圧降下活性を調べた。ラットをペンタバルバトールナトリウム(50mg/kg i.p.)で麻酔した。正中線切開によりラットの腹部に遠隔変換器を移植した。意識のあるSHRの動脈圧を直接測定できる腹部大動脈に変換器のカニューレを挿入した。変換器を腹壁に固定した。手術から回復した後(最低7日間)、SHRを受信器プレート上に置き、変換器/送信器を活性化した。制御されていない意識のあるラットにおいて1.5時間収縮期血圧、拡張期血圧と平均動脈圧及び心拍数を記録して安定なベースラインを設定した。次に、各ラットに試験すべき本発明の化合物の単一投与量、又は賦形剤を投与し、動脈圧と心拍数の変化を20時間モニターし、記録した。
心臓への血流が短時間(2〜5分間)中断した後に血流を回復する(再灌流)場合、血流が長い時間(例えば、30分間)中断される場合の損傷の発生に対して心臓が保護されるようになる。
D. 試験管内心拍数分析
単離したラット心房
雄のスプラグ・ダウレイラットをケトアミン/ロンパンを用いて麻酔し、心臓を迅速に切除し、次の組成[mM]: NaCl 118; KCl 4.7; CaCl2 2.5; MgSO4 1.2; KH2PO4 1.2; NaHCO3 25.0;及びグルコース10.0(pH7.4)を有する温かい酸素飽和(95%O2/5%CO2)クレブス・ヘンセライト緩衝液に入れた。自発的に鼓動する右の心房を解剖し、スレンレススチールワイヤを用いて水被覆組織浴中に吊り下げた。心房を2gの静止張力で60分間平衡にし、緩衝液を最初の15分間5分毎に変え、次に15分間隔で変えた。試験すべき本発明の化合物を浴へ累積的に加え、グラス▲R▼モデル7Dポリグラフを用いて心拍数を求める。
本発明の化合物は、心筋前準備の心臓保護活性をミミックする化合物の能力を求めるために用いられる試験において活性を示す。本発明の化合物の心臓保護活性を求めるのに有用な具体的な試験法を下記に述べる。
E. ラットにおける心臓保護活性の分析
1. 一般的な外科的準備
成体のスプラグ・ダウレイラットをイナクチン(100mg/kg i.p.)で麻酔する。気管に挿管し、小動物用呼吸器を介して正圧換気する。試験すべき本発明の化合物を投与し血圧を測定するために大腿静脈と動脈に各々カテーテルを入れる。胸筋の胸部左側を切開し、筋肉を引っ込めて第4肋間隙を露出する。胸腔を開け、心臓を露出する。長さ4〜0のプロリン縫合を左主冠状動脈近傍の心室壁まで配置し、スリップ・ノットを固く締めることにより冠状動脈を通る血流を中断するために用いる。冠状動脈が適切に取り扱われたことを確かめるために心臓の表面上にパルスドップラーフロープローブ(血流を測定する装置)を置く。実験中、左心室機能をモニターするためにカテーテルを左心室に入れる。
2. 試験準備及び試験手順
心臓の前準備のために、冠状動脈を2分間閉塞する(流れを中断する)。次に、スリップ・ノットを緩め3分間流れを回復させる(再灌流)。閉塞/再灌流のこの手順を2回繰り返す。最後の前準備の手順の完了5分後に、動脈を30分間再閉塞し、3時間再灌流する。本発明の化合物を試験する場合、閉塞/再灌流手順を行う代わりに30分の閉塞時間の前に化合物を30分間注入する。3時間の再灌流の終了時に動脈を再閉塞し、1mlのパテントブルー色素を左心室カテーテルに投与し、塩化カリウムの静脈内投与により心臓を停止する。この手順は、色素を心臓の正常な領域に灌流させ、虚血している心臓の部分は色素を吸収しない(これは危険な状態の領域、“危険領域”である)。梗塞の大きさを分析するために心臓を速やかに摘出する。心臓の頂端から底まで1〜2mmの厚さに4〜5枚の薄片に薄く切ることにより梗塞の大きさを求める。薄片を1%トリフェニルテトラゾリウム溶液に15分間インキュベートする。この染色を生存組織と反応させ、赤レンガ色が生じる。梗塞した組織は、染色と反応せず、外観が青白色である。組織薄片をビデオ画像分析装置に入れ、面積測定法で求める。心筋梗塞の大きさに対する本発明の試験化合物の効果を評価し、これを用いて心臓保護活性の程度を定量する。結果を梗塞する危険領域の%として示す。
本発明の化合物は、脂肪溶解を阻害する化合物の能力を求めるために用いられる試験において活性を示す。本発明の化合物の抗脂肪溶解活性を求めるのに有用な具体的な試験法を下記に述べる。
F. ラット脂肪細胞における抗脂肪活性の分析
1. 精巣上体脂肪体から脂肪細胞の単離
麻酔したラットから脂肪組織を摘出し、インキュベーション媒質(1リットルのクレブス緩衝液中2.09gの重炭酸ナトリウムと0.04gのEDTA、二ナトリウム塩)で洗浄する。各ラット(300〜350g)から約4mlの脂肪組織が得られる。脂肪組織(35ml)をはさみで小片に切断し、インキュベーション媒質(50ml)で洗浄する。混合液を針の代わりに短い固定した管を付ける50mlの注射器のバレルに注入する。水相を排出する。インキュベーション媒質による第2洗浄液を注射器に通過させる。1リットルびんの50mlのコラゲナーゼ溶液(インキュベーション媒質(50ml)中コラゲナーゼ(90mg)、ウシ血清アルブミン(BSA)(500mg)及び0.1M塩化カルシウム溶液(1ml))に組織を加える。混合液を95%酸素/5%二酸化炭素の雰囲気下37℃で約60分間の環境で振盪して組織を消化する。分散した細胞を100mlのプラスチックビーカーに2層のチーズクロスを介して注入する。クロス中の非消化凝集塊をインキュベーション媒質(20ml)で1回洗浄する。ビーカー中の細胞を2本のプラスチック管で300rpm、室温で30秒間遠心分離する。水相を浮遊脂肪細胞のゆるい充填層の下から吸引し捨てる。脂肪細胞を100mlの洗浄液(100mlのインキュベーション媒質あたり1gのBSA)を含む250mlのプラスチックビーカーに穏やかに注入する。弱い攪拌後、遠心分離工程を繰り返す。洗浄液による洗浄を行う。細胞をプールし、容量を目盛のついたシリンダで測る。脂肪細胞をその容量の分析緩衝液(インキュベーション媒質(120ml)、BSA(1.2g)、ピルビン酸(13mg))で希釈する。
2. 試験管内脂肪溶解分析
20mlのプラスチックシンチレーションバイアルで分析を行い、全分析容量は4.2mlである。分析緩衝液(2.5ml)、希釈した脂肪細胞(1.5ml)と試験すべき化合物の溶液(12.3μl)アデノシンアゴニスト(12.3μl;種々の濃度)を環境的シェーカーで15分間インキュベートしてからノルエピネフリン溶液(41.2μl)(10nM,水(100ml)、BSA(4mg)及び0.1M EDTA(20μl)を含有するキャリヤ溶液とアデノシンデアミナーゼ(1μg/ml、41.2μl)から反応を開始する。シェーカーで60分後、バイアルを氷上に置くことにより反応を終結する。各バイアルの内容物を12×75mmのガラス管に移し、3600rpm、8〜10℃で20分間遠心分離する。固い脂質層を吸引除去し、水層中のグリセロールを分析する(400μlの試料)。正の対照をアデノシンアゴニストの不在下で行い、試験すべき溶液の代わりに水に置き換える。
アデノシンの抗脂肪溶解活性は、A1レセプターサブタイプの活性化によって仲介される。CGS21680のようなA2レセプターサブタイプの選択的アゴニストは抗脂肪溶解活性を示さない。従って、ある種のA1選択的アゴニストは望ましい抗高血圧活性をもたずA2アゴニストは有効な抗脂肪分解剤ではないが、混合アゴニストである本発明の化合物が上記の危険因子、即ち、高血圧症と高脂血症双方を効果的に治療するのに適することはユニークである。
本発明の化合物は、通常、高血圧、心筋虚血に罹患している患者の治療、又は心臓保護治療又は抗脂肪溶解治療を必要としている患者に経口又は非経口投与される。本明細書に用いられる“患者”という用語は、ヒト及び他の哺乳動物を包含する。
本発明の化合物、好ましくは塩の形の化合物は、便利な方法で投与用に処方され、本発明はヒト又は動物薬に使用するために適応した本発明の化合物を少なくとも1種含む医薬組成物をその範囲内に包含する。かかる組成物は、薬学的に許容しうる担体又は賦形剤を1種以上用いて慣用の方法で処方される。適切な担体としては、希釈剤又は充填剤、滅菌水性媒質及び種々の非毒性有機溶媒が含まれる。組成物は、錠剤、カプセル剤、菓子錠剤、トローチ剤、硬キャンディ、散剤、水性懸濁液剤又は液剤、注射用液剤、エリキシル剤、シロップ剤等の剤形で処方され、薬学的に許容しうる製剤を与えるために甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤を含む群より選ばれる物質を1種以上含むことができる。
具体的な担体及び担体に対するアデノシン類縁体の比は、化合物の溶解性と化学的性質、具体的な投与方法及び標準医薬実施によって求められる。例えば、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムのような賦形剤及びデンプン、アルギン酸及びある複合ケイ酸塩のような種々の崩壊剤をステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤と共に錠剤を製するのに用いられる。カプセル剤形については、ラクトースや高分子量ポリエチレングリコールが好ましい薬学的に許容しうる担体である。経口用水性懸濁液剤が処方される場合、担体は乳化剤又は沈殿防止剤である。エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びクロロホルム及びその組合わせのような希釈剤並びに他の材料が用いられる。
非経口投与については、それらの化合物のごま油又は落花生油又は水性プロピレングリコール溶液中の溶液又は懸濁液、及び本明細書に記載される可溶性の薬学的に許容しうる塩の滅菌水溶液が用いられる。それらの化合物の塩の溶液は、筋肉内及び皮下注射による投与に特に適する。純粋な蒸留水に溶解した塩を含む水溶液は、pHが適切に調整されると共に適切に緩衝化され、十分な食塩水又はグルコースで等張にされかつ加熱又は精密ろ過により滅菌されるならば静脈内注射による投与に適する。
本発明の方法を行うのに用いられる投薬法は改善が得られるまでは最大治療応答を保証し、その後、軽減を与える最小有効レベルを保証するものである。従って、一般的には用量は、高血圧症の治療において血圧を下げる、心筋虚血の治療において冠状動脈血流量を増加させる、心臓保護作用、即ち、虚血損傷又は心筋虚血の結果として起こる心筋梗塞の大きさの改善を生じる、又は抗脂肪溶解作用を生じるのに治療的に有効な量である。経口投与量は、通常は約0.1〜約100mg/kg(好ましくは1〜10mg/kgの範囲)であり、静脈内投与量は約0.01〜約10mg/kg(好ましくは0.1〜5mg/kgの範囲)であり、個々の場合に適切な用量を選ぶのには患者の体重、全身状態、年齢及び薬剤に対する応答に影響する他の要因を考慮しなければならないことに留意することは当然のことである。
本発明の化合物は、所望の治療応答を達成及び維持するのに必要なだけ頻繁に投与される。ある患者は、比較的多量又は少量に対して速やかに応答し、維持用量をほとんど又は全く必要としない。一方、他の患者は個々の患者の生理的要求に依存して1日約1〜約4回の持続した投与を必要とする。薬剤は、通常は1日約1〜約4回経口投与される。多くの患者は、1日約1〜約2回の投与を必要とすることが予想される。
本発明は、急性高血圧症又は心筋虚血に罹っている患者、又は心臓保護又は抗脂肪溶解治療を必要としている患者に緊急に投与される注射用剤形として有用であることが予想される。かかる治療は活性化合物の静脈内注入によって行われ、かかる患者に注入される化合物の量は所望の治療応答を達成及び維持するのに有効でなければならない。
Claims (6)
- (2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3S,4R,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(R)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-(6-(1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ)プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(5’-トリフルオロメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2’]-ビピリジニル-3-イル)プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(フェニルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-(1-ピリジン-2-イルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-チオフェン-2-イルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-メチルメルカプトピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(2R,3R,4S,5R)-2-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]プリン-9-イル]-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3S)-ピロリジン-3-イルアミノ)プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール二塩酸塩、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(R)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1S,2R,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-((3R)-ピロリジン-3-イルアミノ)プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(ピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(キノリン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-S-(4-ニトロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4,5-ビストリフルオロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(フェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、4-[3(S)-[9-(2,3-ジヒドロキシ-4-ヒドロキシメチルシクロペンチル)-9H-プリン-6-イルアミノ]ピロリジン-1-イル]ベンゾニトリル、(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロメチル-5-[6-[1-(イソキノリン-1-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-ブロモキノリン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-[1-(3-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(6-メトキシピリミジン-4-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(6-クロロピリダジン-3-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-([6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(5-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-([6-[1-(4-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-5-[6-[1-(3-クロロフェニル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]-3-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-フェニルピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール、(1R,2S,3R,5R)-3-[6-(1-ベンジルピロリジン-3(S)-イルアミノ)プリン-9-イル]-5-ヒドロキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、又は(1R,2S,3R,5R)-3-[6-(1-ベンジルピロリジン-3(S)-イルアミノ)プリン-9-イル]-5-メトキシメチルシクロペンタン-1,2-ジオール、又はその薬学的に許容しうる塩。
- (1S,2R,3S,4R)-2,3-ジヒドロキシ-4-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタンカルボン酸エチルアミド、5’-N-[1(S)-メチルプロピル]-N6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-(S)-イル]カルボサイクリックアデノシン-5’-ウロンアミド、又は5’-N-[1(R)-メチルプロピル]-N6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3-(S)-イル]カルボサイクリックアデノシン-5’-ウロンアミド、又はその薬学的に許容しうる塩。
- (1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール又は(1R,2S,3R,5R)-3-ヒドロキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容しうる塩。
- (1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール又は(1R,2S,3R,5R)-3-メトキシメチル-5-[6-[1-(4-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピロリジン-3(S)-イルアミノ]プリン-9-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容しうる塩。
- 2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-5-トリフルオロメチルピリジン又は2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-4-トリフルオロメチルピリジンである、請求項5記載の化合物。
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