JP4200723B2 - ダイバーシチ受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本のアンテナを備えた移動体通信等に有用なダイバーシチ受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信等に有用なダイバーシチ受信装置としては、例えば、下記の特許文献1、特許文献2に記載されているもの等が一般にも広く知られている。
例えば、前者は主に最大比合成法を実行するものであり、後者はOFDM信号を受信して周波数スペクトル信号を生成し、加重平均処理(重み付け等)を行って復調部に出力するものである。
これらの受信方式は、移動体通信において、受信情報の品質を高めるのに一定以上の効果をもたらす。
【0003】
図9は、従来のダイバーシチ受信装置800の論理的なシステム構成図である。チューナ10は、例えばVHFやUHF等の受信帯域を選択する。受信帯域制限機能の他にも周波数変換機能、A/D変換機能、増幅機能等の各種機能を持ったものがある。合成装置20(受信波合成部)は、例えば最大比合成法等により、各アンテナAn (1≦n≦N)からの受信波を合成する。本図9のダイバーシチ受信装置800では、N=4となっている。
【0004】
この合成装置20(受信波合成部)は、下記の特許文献1中に記載されているダイバーシチ回路100(特許文献1の図1)、ダイバーシチ回路200(特許文献1の図2)、或いは特許文献1中に記載されているダイバーシチ回路300(特許文献1の図4)に相当し得る部分である。
尚、本図9の符号30はFFT演算装置(FFT演算部)を示しており、符号50は復調器(復調部)を示している。
【0005】
この方式は信号の全帯域を一括して各アンテナ素子からの受信信号に対して位相を制御して合成する方式であり、構成が簡単である。また、信号の変調方式に依存せず、信号同期が必須ではないことから、低コストで効果が高い。ただし、随時算定すべき複素重み係数W11,W12,W13,W14等の最適値は、厳密には周波数依存性を有するので、受信信号が広帯域に渡る場合には必ずしも最適な制御方式とは言えない。
【0006】
図10は、従来のダイバーシチ受信装置900の論理的なシステム構成図である。FFT演算装置30(FFT演算部)は、離散的なフーリエ変換処理を高速に実行する装置で、前段に直列/並列変換器を、後段に並列/直列変換器をそれぞれ具備(内蔵)して構成することができる。図10のFFT演算装置30(FFT演算部)と、周波数スペクトル合成部40は、それぞれ、例えば下記の特許文献2中に記載されているフーリエ変換部11(特許文献2の図1〜図4)や、特許文献2中に記載されている周波数スペクトル合成部104(特許文献2の図1〜図4)に相当し得る部分である。
【0007】
この方式はOFDM専用の方式で、FFT演算装置30(FFT演算部)によって分離されたTVチャンネル等の各キャリア単位に合成処理を行う。この方式は広帯域の信号に対して各キャリア(或いは各サブキャリア)毎に重みを決定することができるので、ダイバーシチ効果が高い。しかし、同期確立の状態の善し悪しにより受信品質が影響される。また、FFT演算装置30(FFT演算部)がアンテナ数必要なため、アンテナの本数が大きいと装置全体として比較的大きく高価なハードウェア構成となってしまう。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−156689号公報 (第3〜5頁、図1〜図4)
【特許文献2】
特開平11−205208号公報 (第5〜16頁、図1〜図11)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図9、図10に例示される上記の従来技術は、それぞれ動作原理が異なるので、両者を巧く組み合わせることにより、更に受信品質を改善することができるのではないかと期待される。
【0010】
図1は、上記の2つの従来技術から応用が連想され得るダイバーシチ受信装置110の論理的なシステム構成図である。例えばこの様に、上記の2つの従来技術の各々の長所を備えたこの様な装置を構成した場合、勿論、従来よりも更に受信品質を改善することができる。
しかしながら、この様な構成によれば、各FFT演算装置30(FFT演算部)毎にそれぞれ4本ものアンテナが必要となってしまう。
【0011】
より一般には、図1の構成に習えば、(合成装置20の入力配線本数)×(FFT演算装置30の台数)分のアンテナ本数が必要となる。即ち、期待できる受信品質の割に、多くのアンテナが必要となってしまう。
したがって、図1の様な単純な構成では、期待できる受信品質の割に、大きく高価なシステムを構成しなくてはならない。
【0012】
図2は、上記の2つの従来技術から応用が連想され得るもう一つのダイバーシチ受信装置120の論理的なシステム構成図である。この構成は、各合成装置20の間でアンテナ(A1 〜A4 )を共有させたものである。この様な構成に従えば、従来よりも大幅にアンテナ本数を削減することができる。
しかしながら、この様な構成に従えば、各FFT演算装置30(FFT演算部)に入力される信号の周波数特性が全く同じになってしまうため、周波数スペクトル合成を実行する意義が失われてしまう。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、図9、図10に例示される上記の従来技術を巧く組み合わせることにより、従来よりも受信品質の高いダイバーシチ受信装置、或いは、受信品質の割に比較的安価又は小規模なダイバーシチ受信装置を実現することである。
【0014】
【課題を解決するための手段、並びに、作用及び発明の効果】
上記の課題を解決するためには、以下の手段が有効である。
即ち、本発明の第1の手段は、複数整数N本のアンテナを備えた移動体通信に用いられるダイバーシチ受信装置において、アンテナにより受信された複数の受信波を複素重み係数を用いて合成するN以下で複数整数M個の受信波合成部と、受信波合成部のそれぞれにより合成された信号を、それぞれ、フーリエ変換するFFT演算部と、FFT演算部のそれぞれから出力される信号の周波数スペクトルを1つの出力信号に合成する周波数スペクトル合成部と、周波数スペクトル合成部の出力信号を復調する復調部と有し、複数の受信波合成部のうちの少なくとも一つの受信波合成部の前段に、あるアンテナにより受信された受信波に、他のアンテナにより受信された他の受信波を遅延及び減衰させて合成する遅延合成部を設けたことを特徴とする。
【0015】
例えば、図2のダイバーシチ受信装置120の合成装置2(受信波合成部2)の前段に、上記の様な遅延合成部を設け場合を考えると、この時、合成装置1(受信波合成部1)に入力される受信波と、合成装置2(受信波合成部2)に入力される受信波とは、全く同じものにはならない。これは、上記の遅延合成部が、受信波に他の受信波を遅延及び減衰させて合成するために他ならない。
以下、この様に遅延合成部によって、モディファイ(改変)された受信波を改変波と呼ぶ。
【0016】
この様な遅延合成部を適当に構成することにより、例えば、遅延し減衰した遅延波を含んだ、ダイバーシチ受信処理に好適な受信波モデル(=改変波)をシミュレートする等の機能を、少なくとも何れか1つの受信波合成部m(1≦m≦M)の前段に、作り込むこと等が可能となる。即ち、上記の遅延合成部により、元来の受信波とは相異なる適当な受信波(=改変波)を仮想的に構成することができるので、本発明の手段によれば、周波数スペクトル合成を実行する意義が失われない。
【0017】
したがって、本発明のシステム構成に従えば、アンテナ本数を効果的に削減することができると共に、ダイバーシチ受信と周波数スペクトル合成の両者の効果を同時に引き出すことができ、その結果、従来よりも受信品質の高いダイバーシチ受信装置、或いは、受信品質の割に比較的安価又は小規模なダイバーシチ受信装置を実現することができる。
【0018】
また、本発明の第2の手段は、上記の第1の手段において、上記の整数Mの値を2以上4以下にすることである。
この様な構成に従えば、比較的高価なFFT演算装置30(FFT演算部)を少数に抑えることができるので、受信品質の割に比較的安価で小規模なダイバーシチ受信装置を実現することができる。
【0019】
尚、特別に高い受信品質を要請されることのない、一般車両等に搭載するダイバーシチ受信装置等では、上記の整数Mの値は2程度で十分なことが多い。これは、受信品質が必ずしもFFT演算部(FFT演算装置30)の数に比例しない等の事情によるものである。FFT演算装置30(FFT演算部)の数を少数に抑える程、安価なダイバーシチ受信装置を構成することが容易となることは言うまでもない。
【0020】
また、本発明の第3の手段は、上記の第1又は第2の手段において、上記の整数Nの値を2以上8以下にすることである。
この様な構成に従えば、アンテナ素子や配線数(或いは入力インターフェイス)を少数に抑えることができるので、受信品質の割に比較的安価で小規模なダイバーシチ受信装置を実現することができる。
【0021】
また、本発明の第4の手段は、上記の第1乃至第3の何れか1つの手段において、各受信波合成部の何れにおいても、入力された受信波を最大比合成法に従って合成することである。
この様な構成に従えば、本発明に適合し得る最も合理的な方法(最大比合成法)により、最も高いダイバーシチ効果を得ることができる。
【0022】
また、本発明の第5の手段は、上記の第1乃至第4の何れか1つの手段の遅延合成部において、他の受信波を減衰させるときの振幅の減衰比ρを、約0.1以上、0.7以下にすることである。
【0023】
例えば、受信波X12を遅延及び減衰させて、受信波X11に足し合わせることにより改変波X21を生成する場合、この改変波X21は次式(1)に示す様に定式化することができる。ただし、tは時刻(サンプリング時刻)、ΔTは遅延時間、c12は位相情報をも含んだ複素係数である。
【数1】
21(t)=X11(t)+c1212(t−ΔT) …(1)
この複素係数c1nの値は、遅延及び減衰される受信波(X1n)毎に設定することができる。また、この時、例えばX12に対する減衰比ρ12は、次式(2)で定義される。
【数2】
ρ12=|c12| …(2)
【0024】
これらの減衰比ρの値が小さ過ぎると、受信波に対する改変効果が不十分になり、よって、上記の作用・効果も不十分となってしまい望ましくない。また、この減衰比ρの値が大き過ぎると、改変効果が大き過ぎて、本来の受信状態から掛け離れたシミュレーション結果(改変受信状態)が生成されてしまい、実際の受信状態を表現する上で望ましくない。
【0025】
特に、ρ=1とした場合、キャリア(又はサブキャリア)の周波数によっては、改変波の振幅(例:式(1)の左辺)が、恒等的に0になってしまう部位が、周波数軸上の所々に発現する等して、全く望ましくない。
これらの事情から、上記の遅延合成部においては、入力(受信)された受信波に他の受信波を遅延及び減衰させて合成する際の振幅の減衰比ρを、約0.1以上、0.7以下にすると効果がある。
【0026】
また、本発明の第6の手段は、上記の第5の手段において、上記の減衰比ρを1/2,1/4、又は1/8にすることである。
この様な設定は、例えば、上記の式(1)、式(2)において、例えばc12=1/2,1/4、又は1/8等とすることにより、実施することができる。位相については任意でも良い。即ち、この様な設定は、2進数で処理される演算装置において、受信信号のデータを1ビット、2ビット、或いは3ビットだけ右側にシフトするだけで実現することができる。したがって、上記の手段によれば、装置構成を簡潔にしたり、処理ソフトを簡潔にしたり、或いは演算時間を短縮したりすることができる。
【0027】
また、本発明の第7の手段は、上記の第1乃至第6の何れか1つの手段の遅延合成部において、他の受信波を遅延させるときの遅延時間ΔTを、受信帯域の帯域幅Δfに対してΔT≧1/Δfを満たす値に設定することである。
この様な設定により、受信波に対して改変波を必要程度にまで異ならせることができる。したがって、この設定により、本発明の効果を得ることができる。
また、OFDM通信方式を利用する場合、上記の遅延時間ΔTの長さ(上限値)は、参照信号を用いて行われる同期処理が可能又は容易となる範囲内に留めておくべきであることは言うまでもない。
【0028】
また、本発明の第8の手段は、上記の第1乃至第7の何れか1つの手段の遅延合成部において、合成するときの両受信波の位相差(即ち、受信波と改変波との位相差)を、受信帯域の中心周波数を基準として±90°又は±270°ずらすことである。
【0029】
この様な処理は、例えば複素係数c12に関しては、次式(3)に例示する様な設定を実施することと等価である。
【数3】
12=(i)2k-1・ρ12 (iは虚数単位、kは任意の整数)…(3)
【0030】
一般に、受信波と改変波とを位相レベルで相異なるものにすることによっても、2つのFFT演算部(FFT演算装置30)に入力される信号は、スペクトル空間において異質と成り得る。このため、任意の位相改変処理も、本発明の作用・効果を得る上で有効と成り得る。したがって、勿論、その角度を±90°又は±270°に限定した上記の位相改変処理も、本発明の作用・効果を得る上で有効となる。
【0031】
また、式(1)の受信波(X11(t))や改変波(X21(t))が複素数で表現されることからも判る様に、これらの波の位相を±90°又は±270°ずらす信号処理は、これらの信号の実部と虚部とを入れ換える処理と、符号(±)を調整する(正しくする)処理だけで実現することができる。したがって、この様な手段は、極めて簡潔に構成・実行することができるので、上記の位相改変処理は特に工業的な意義が大きいと言える。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
〔第1実施例〕
図3は、本第1実施例のダイバーシチ受信装置200の論理的なシステム構成図である。即ち、本第1実施例では、全アンテナ本数Nは4であり、全合成装置台数M(受信波合成部の数)は2である。また、本図3中の受信波合成部20(合成装置1,合成装置2)は、図9や或いは図1、図2に記載したものと同等のものである。
【0033】
また、本図3中のFFT演算装置30(FFT演算部)、周波数スペクトル合成部40、及び復調器50(復調部)については、図10や或いは図1、図2に記載したものと同等のものである。
【0034】
即ち、本第1実施例のダイバーシチ受信装置200(図3)の特徴は、図2のダイバーシチ受信装置120の合成装置2(受信波合成部20の内の1つ)の前段に、本発明の遅延合成装置15(遅延合成部)が挿入された形に構成されている点にある。この遅延合成装置15の設置により、合成装置2に対しては、以下のような改変波X2n(1≦n≦N)が入力されることになる。
【0035】
【数4】
21(t)=X11(t)+c1212(t−ΔT),
22(t)=X12(t)+c1111(t−ΔT),
23(t)=X13(t)+c1414(t−ΔT),
24(t)=X14(t)+c1313(t−ΔT). …(4)
【数5】
11=c12=c13=c14=i/2 …(5)
【数6】
ΔT=8/BW …(6)
ただし、iは虚数単位、BWは必要な各キャリアを包括する受信帯域のバンド幅である。
【0036】
例えば90MHz〜108MHzの帯域に属する各TVチャンネルを受信したい場合には、BW=18MHzに設定すれば良い。このΔTの値は、勿論、OFDM通信で参照信号を用いて行われる同期処理等が可能又は容易となる範囲内に留めておくべきであるが、その範囲内であれば、1/BW以上の任意の値を取ることができる。また、上記の式(4)では、遅延幅ΔTを全ての改変波にわたって統一してあるが、各項の遅延幅は不統一でも良い。即ち、各項の遅延幅ΔTは、個々に独立に1/BW以上の任意の値を設定することができる。
【0037】
上記の式(5)の複素係数c1nは、信号の振幅を半減させ、かつ、信号の位相を90°(或いは、−270°)進めることを意味している。例えば、複素数zの実部と虚部がそれぞれx,yで表記される時、式(5)に従えば、積c1n・zは、次式(7)で与えられる。
【数7】
Figure 0004200723
したがって、上記の式(4)の演算処理は、例えば2や3等の平方根(近似定数)や、或いは三角関数等を用いた複雑な演算処理に比べて、極めて容易かつ高速に実行することができる。
【0038】
以上の図3の遅延合成装置15の動作により、各改変波X21,X22,X23、及びX24から合成されて合成装置2から出力される第2合成波Y2 は、それぞれの受信波X11,X12,X13、及びX14から合成されて合成装置1から出力される第1合成波Y1 とは相異なるものとなる。
【0039】
例えば以上の様に、第1合成波Y1 と第2合成波Y2 とを互いに異なるものとすることにより、周波数スペクトル合成部40にて実行される周波数スペクトル合成処理の実行意義は、失われずに確保される。
また、各合成装置m(m=1,2)によって実行される合成処理により、第1合成波Y1 や第2合成波Y2 に含まれる同期信号の認識確率も高い。
【0040】
したがって、上記のダイバーシチ受信装置200によれば、例えば図1に例示される様な単純な構造の装置よりも安価に受信装置を構成することができ、かつ、図2に例示される様な構造の装置よりも更に高い受信品質を有する受信装置を実現することができる。
【0041】
〔変形例1〕
図4は、本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例1)を例示する論理的な構成図である。この図4の遅延合成装置15(変形例1)は、図3の遅延合成装置15と置換可能な構成を有する。本図4中の制御ブロック「遅延」では、入力信号の遅延処理、減衰処理、及び位相変換処理を実行する。
即ち、この変形例1に従えば、以下の様に改変波を生成することができる。
【0042】
【数8】
21(t)=X11(t)+c1414(t−ΔT),
22(t)=X12(t)+c1111(t−ΔT),
23(t)=X13(t)+c1212(t−ΔT),
24(t)=X14(t)+c1313(t−ΔT). …(8)
【数9】
11=c12=c13=c14=−i/4 …(9)
【数10】
ΔT=4/BW …(10)
【0043】
例えば、この様な遅延合成装置15(図4)によっても、上記の第1実施例と同等の作用・効果を得ることができる。
また、この様に改変波X2nの生成構造を、サイクリックに構成することにより、遅延合成装置15をソフトウェア(プログラム)で実現する際に、その構成を簡潔にすることができる。
【0044】
〔変形例2〕
図5は、本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例2)を例示する論理的な構成図である。この図5の遅延合成装置15(変形例2)は、図3の遅延合成装置15と置換可能な構成を有する。本図5中の制御ブロック「遅延」では、入力信号の遅延処理、減衰処理、及び位相変換処理を実行する。
即ち、この変形例2に従えば、以下の様に改変波を生成することができる。
【0045】
【数11】
21(t)=X11(t),
22(t)=X12(t)+c1111(t−ΔT),
23(t)=X13(t)+c1212(t−ΔT),
24(t)=X14(t)+c1313(t−ΔT). …(11)
【数12】
11=c12=c13=−i/2 …(12)
【数13】
ΔT=2/BW …(13)
【0046】
例えばこの様に、合成装置2に対する入力信号の中の一部の信号(例:X21(t))においては、受信波(例:X11(t))をそのままの形で用いても良い。即ち、本発明の遅延合成部は、入力(受信)された受信波に他の受信波を遅延及び減衰させて合成するものであるが、必ずしも、全ての出力信号をその様な遅延合成処理により生成すべきと限ったものではない。
例えば、この様な遅延合成装置15(図5)によっても、上記の第1実施例や変形例1と同等の作用・効果を得ることができる。
また、この構成に従えば、上記の変形例1よりも更に簡潔に装置を構成することができる。
【0047】
尚、以上の実施例(第1実施例、変形例1、変形例2)では、第1合成波Y1 を生成するために用いられる受信波X1nと、第2合成波Y2 を生成するために用いられる改変波X2nとは同数であったが、必ずしもこれらは同数である必要はない。例えば、図3の合成装置2においては、入力信号を改変波X21,改変波X22,改変波X23の3信号のみに限定しても、本発明の作用・効果を得ることが可能である。
【0048】
例えば、図5の遅延合成装置15においては、出力信号X21の合成装置2に対する出力を抑止する様にしても良い。例えばこの様にして、合成装置2に関する入力信号を改変波X22,改変波X23,改変波X24の3信号のみに限定しても、本発明の作用・効果を得ることが可能である。
以下、合成装置2に関する入力信号を信号X21,X22,X23の3信号のみに限定した実施例(遅延合成装置15の変形例)について具体例を示す。
【0049】
〔変形例3〕
図6は、本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例3)を例示する論理的な構成図である。
例えばこの様な構成によっても、本発明の作用・効果を得ることが可能である。
また、この様な構成に従えば、本図6中に「遅延」と図示される、入力信号の遅延処理、減衰処理、及び位相変換処理を実行する制御ブロックを1つにすることができるので、構成が簡潔になる。
【0050】
〔変形例4〕
図7は、本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例4)を例示する論理的な構成図である。例えばこの様な構成に従えば、改変波の演算処理が、変形例3よりも更に簡単に構成できる。
例えばこの様な構成によっても、本発明の作用・効果を得ることが可能である。
【0051】
〔変形例5〕
図8は、本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例5)を例示する論理的な構成図である。この変形例5は、改変波X22,X22,X23を受信波X12,X12,X13から、変形例1に習ってサイクリックな処理により生成するものである。例えばこの様に、遅延合成装置15には、必ずしも全てのアンテナから受信信号を入力しなくとも良い。
例えばこの様な構成によっても、本発明の作用・効果を得ることが可能である。
【0052】
尚、上記の各実施例(第1実施例、及び変形例1〜5)では、N=4,M=2の実施形態について詳しく例示したが、本発明は、N≧M≧2成る任意の構成において、適用することができ、何れのダイバーシチ受信装置においても、前述の本発明の手段(遅延合成装置)に基づく本発明の作用・効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術から応用が連想され得るダイバーシチ受信装置110の論理的なシステム構成図。
【図2】従来技術から応用が連想され得るダイバーシチ受信装置120の論理的なシステム構成図。
【図3】本発明の第1実施例に係わるダイバーシチ受信装置200の論理的なシステム構成図。
【図4】本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例1)を例示する論理的な構成図。
【図5】本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例2)を例示する論理的な構成図。
【図6】本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例3)を例示する論理的な構成図。
【図7】本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例4)を例示する論理的な構成図。
【図8】本発明に係わる遅延合成装置15の1変形例(変形例5)を例示する論理的な構成図。
【図9】従来のダイバーシチ受信装置800の論理的なシステム構成図。
【図10】従来のダイバーシチ受信装置900の論理的なシステム構成図。
【符号の説明】
200 … ダイバーシチ受信装置
10 … チューナ
15 … 遅延合成装置(遅延合成部)
20 … 合成装置(受信波合成部)
30 … FFT演算装置(FFT演算部)
40 … 周波数スペクトル合成部
50 … 復調器(復調部)
N … 全アンテナ本数
M … 全合成装置台数(受信波合成部の数;N≧M≧2)
m … 各合成装置(受信波合成部)の通し番号(1≦m≦M)
1n … 受信波(1≦n≦N)
2n … 改変波(1≦n≦N)
1 … 第1合成波
2 … 第2合成波

Claims (8)

  1. 複数整数N本のアンテナを備えた移動体通信に用いられるダイバーシチ受信装置において、
    前記アンテナにより受信された複数の受信波を複素重み係数を用いて合成する前記N以下で複数整数M個の受信波合成部と
    前記受信波合成部のそれぞれにより合成された信号を、それぞれ、フーリエ変換するFFT演算部と
    前記FFT演算部のそれぞれから出力される信号の周波数スペクトルを1つの出力信号に合成する周波数スペクトル合成部と、
    前記周波数スペクトル合成部の前記出力信号を復調する復調部と
    を有し、
    複数の前記受信波合成部のうちの少なくとも一つの受信波合成部の前段に、あるアンテナにより受信された受信波に、他のアンテナにより受信された他の受信波を遅延及び減衰させて合成する遅延合成部を設けた
    ことを特徴とするダイバーシチ受信装置。
  2. 前記整数Mの値は、2以上4以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイバーシチ受信装置。
  3. 前記整数Nの値は、2以上8以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイバーシチ受信装置。
  4. 前記受信波合成部はそれぞれ何れも、入力された受信波を最大比合成法に従って合成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のダイバーシチ受信装置。
  5. 前記遅延合成部により前記他の受信波を減衰させるときの振幅の減衰比ρは、約0.1以上、0.7以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のダイバーシチ受信装置。
  6. 前記減衰比ρは、1/2,1/4、又は1/8である
    ことを特徴とする請求項5に記載のダイバーシチ受信装置。
  7. 前記遅延合成部により前記他の受信波を遅延させるときの遅延時間ΔTは、前記受信波の受信帯域の帯域幅Δfに対して、
    ΔT≧1/Δfを満たす値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のダイバーシチ受信装置。
  8. 前記遅延合成部により合成するときの両受信波の位相差は、受信帯域の中心周波数を基準として、
    ±90°又は±270°ずれている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のダイバーシチ受信装置。
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