JP4199217B2 - 波型隔壁を有する船体ブロック建造法 - Google Patents
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Description
図5は船体のブロック建造法を説明するため、その前提となる船体をいくつかのブロック毎に分割されてブロック分割図であって、図5(a)は船舶全体を示す側面図、図5(b)は船舶の一部を示す平面図である。
このようなブロック建造法は、層式建造法、箱型建造法および梯子式建造法などが一般的である。
また、箱型建造法は、船首尾方向よりも上方向に区画ごとに、船底ブロック、外板ブロック、上甲板ブロックの順序で積み上げて建造してゆく方法である。
さらに、梯子式建造法は、上記層式建造法と上記箱型建造法との折衷的な建造法で梯子状を保ちながら搭載してゆく建造法である。
このように船体の一部をブロックに分割してタンカーを組み立ててゆく建造法としは、例えば特許文献1のようなものがある。
図6において、貨物区域部1bの一部は、船底3と、波形隔壁5a、5bと、船側7とから構成されている。
また、前記貨物区域部1bは、上述したように、区分9,9,…ごとに分割されており、その区分9は、船底ブロック3Bと、隔壁・上甲板ブロック5Bと、船側外板ブロック7Bとに分割されている。それぞれのブロックは定盤上で組み立てられている。
なお、隔壁・上甲板ブロック5Bの波形隔壁11の下端は、図8に示すように、先端の向かって細く形成されている開先13を設けている。この開先13は、
集中応力を受けることから溶接条件を厳しくしており、2[mm]のルート間隔を必要としている。
しかしながら、上述したブロック建造方法では、鋼鈑にスティフナー(補強板)付の隔壁を有する隔壁・上甲板ブロックをクレーンで吊り下げても大きな撓み等が発生することがないが、波形隔壁を隔壁材料として使用した場合、波形隔壁を有する波形隔壁・上甲板ブロック5B等をクレーンで吊り下げて、船側外板ブロック7B,7Bの間に搭載しようとすると、波形隔壁部の撓みが大きく挿入するときに手間を要するという欠点があった。
また、上述したブロック建造方法では、波形隔壁・上甲板ブロック5Bを搭載する際に、クレーンで隔壁・上甲板ブロック5Bを吊り上げるが、吊り点によってはブロックの自重により波形隔壁の下端部が伸縮し建て付けがぴったりと合わず、目合わせが困難な作業となるという欠点があった。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、溶接精度を向上できる波型隔壁を有するブロック建造法を提供することを目的とする。
また、本発明によれば、貨物タンクと二重船側の下部コーナー部に集中応力がかかる重要部位において、溶接精度の向上が図れることにより、溶接部の亀裂を避けることができ、安全性の向上が図れる等の効果を奏する。
図1ないし図4は、本発明を実施するための最良の形態に係る波型隔壁を有する船体ブロック建造法を説明するための図である。図1は、本発明を実施するための最良の形態に係る波型隔壁を有する船体ブロック建造法によって製造された船舶の貨物区域部の一部を示す断面図である。図2は、本発明を実施するための最良の形態に係る波型隔壁を有する船体ブロック建造法を説明するための図である。図3は、船舶の貨物区域部の一部である区分を説明するための図である。図4は、船舶の貨物区域部の一部である区分における各ブロックを説明するための分解斜視図である。本発明を実施するための最良の形態においても、従来と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明する。
そして、この船舶1の区分9は、図3および図4に示すように、船底ブロック3Bと、隔壁・上甲板ブロック5Bと、船側外板ブロック7Bとに分割されている。隔壁・上甲板ブロック5Bは、図4に示すように、波形隔壁11a,11b、上甲板部15とから構成されている。
次に、上記区分9は、次に説明するように第1の工程、第2の工程および第3の工程を経て構成される。
第1の工程は、図2(a)に示すように、例えば、船台上に船尾部1cから船首部1aまで船底ブロック3Bを配置しブロック同士を接合する工程である。
さらに、前記第2の工程が終了した後に、次の第3の工程を経る。第3の工程は、図2(c)に示すように、船側外板ブロック7B,7Bを前記船底ブロック3B上に搭載しかつブロック同士を接合する工程である。
なお、以上は、船台上でブロック同士を接合するブロック建造法として説明したが、これは、予め、定盤上で二以上のブロックを接合し、その後、接合されたブロックを船台上で他のブロックに接合するようにしても良い。
このような第1の工程から第3の工程を経ることにより、図1および図3に示すような区分9を得ることができる。
また、本発明の実施形態に係る波形隔壁を有するブロック建造方法によれば、波形隔壁・上甲板ブロック5Bを搭載する際に、クレーンで波形隔壁・上甲板ブロック5Bを吊り上げるが、吊り点によってはブロックの自重により波形隔壁の加担部が伸縮することがあっても、簡単に目合わせをすることができる利点がある。
さらに、本発明の実施形態に係る波形隔壁を有するブロック建造方法によれば、波形隔壁・上甲板ブロック5Bを所定の長さにして船底ブロック3Bに溶接接合できるので、船側外板ブロック7B,7Bの上鋼鈑に深さに合わせる必要がなく、実際に取り付けるときに波形隔壁を切断して使用する必要がないことから、作業工数が少なくて済むという利点がある。
加えて、本発明の実施形態に係る波形隔壁を有するブロック建造方法によれば、上述したように波形隔壁・上甲板ブロック5Bの波形隔壁11の下端をあらかじめ切断し、その切断した面から所定の大きさの開先13を作成しておくことができるため、強度を必要とする貨物艙の溶接精度がよくなり、集中応力のかかる貨物艙の下部コーナー部に発生する亀裂を抑えるこができるという利点がある。
また、本発明に係る波型隔壁を有するブロック建造法によれば、貨物タンクを構成する隔壁・上甲板ブロック5Bの波形隔壁11の下端と二重船側外板ブロック7Bの下部コーナー部17に集中応力がかかる重要部位において、溶接精度の向上が図れることにより、溶接部の亀裂を避けることができ、安全性の向上が図れる。
1a 船首部
1b 貨物区域部
1c 船尾部
3 船底
3B 船底ブロック
5 隔壁
5B 波形隔壁・上甲板ブロック
7 船側
7B 船側外板ブロック
11 波形隔壁
Claims (1)
- 船尾部、貨物区域部、船首部からなる船舶の貨物区域部を建造する船体ブロック建造法であって、
船台または定盤上に船底ブロックを配置しブロック同士を接合する第1の工程と、
前記第1の工程が終了した後に、前記船底ブロックの所定の位置に波型隔壁で構成した隔壁および当該隔壁に接合された上甲板から構成される波形隔壁・上甲板ブロックを搭載しかつブロック同士を接合する第2の工程と、
前記第2の工程が終了した後に、船側外板ブロックを前記船底ブロック上に搭載し、かつブロック同士を接合する第3の工程と
を具備することを特徴とする波型隔壁を有する船体ブロック建造法。
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