JP4199167B2 - 処理装置用シール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転テーブルを使用して基板(半導体ウエハ,電子デバイスの基板,液晶基板,フォトマスク,ガラス基板等)の洗浄処理等を行なう処理装置であって、回転テーブルが配置される処理領域に高度のコンタミネーション防止対策が必要とされる処理装置に装備されるシール装置に関するものであり、具体的には、回転テーブルの駆動部を筒状のプラスチックカバーで覆ってある処理装置において回転テーブルが配置された処理領域とプラスチックカバー内の領域との間を遮蔽すべく設けられる処理装置用シール装置に関するものである。
例えば、回転テーブルを使用して半導体ウエハ等の基板を洗浄処理する場合、回転テーブルが配置される処理領域を清浄に保持しておく必要があり、回転テーブルの駆動側から処理領域へのパーティクル侵入を確実に阻止しておく必要がある。そこで、このような高度のコンタミネーション防止対策を必要とする処理装置にあっては、従来から、回転テーブルとその駆動部を覆うプラスチックカバーとの間に、回転テーブルが配置された処理領域とプラスチックカバー内の領域(以下「カバー内領域」という)とを遮蔽するシール装置を設けておくことが提案されており、かかるシール装置としては、一般に、ラビリンスシールや磁性流体シールが採用されている(例えば、特許文献1参照)。而して、このようなシール装置を設けておくことにより、カバー内領域から処理領域へのパーティクル侵入が阻止されて基板等が汚損されることがなく、また処理領域で発生する処理残渣(洗浄液や有害物質等)がカバー内領域に侵入して回転軸の駆動系にトラブルが生じるといった問題も生じない。
特開平11−265868
しかし、従来の処理装置で採用されているラビリンスシール等のシール装置によっては、処理領域とカバー内領域との遮蔽を十分に行い得ず、基板洗浄装置等の処理装置におけるコンタミネーション防止対策に万全を期すことができないのが実情である。すなわち、ラビリンスシールでは、ラビリンスを構成する環状隙間が回転精度や機器精度によって不均一となり易く、かかるラビリンス隙間の不均一に起因する呼吸作用により、両領域間の遮蔽機能が十分に発揮されない。また、磁性流体シールについても、品質が不安定なため、ラビリンスシールと同様に十分なシール機能を発揮し難い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、回転テーブルが配置された処理領域と回転軸を含む駆動系が配置されるカバー内領域とを確実に遮蔽することができ、高度のコンタミレスが要求される基板洗浄等の処理をシール上の問題を生じることなく良好に行なうことができる処理装置用シール装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上下方向に延びる回転軸を具備する回転テーブルの駆動部を軸線が上下方向に延びる筒状をなす耐薬品性のプラスチックカバーで覆ってある処理装置において回転テーブルが配置された処理領域とプラスチックカバー内の領域との間を遮蔽すべく設けられるシール装置を、特に、上記の目的を達成すべく、次のような非接触形メカニカルシールに構成しておくことを提案するものである。
すなわち、本発明の処理装置用シール装置は、
回転テーブルにその回転軸線と同心状に固定された回転密封環と、
プラスチックカバー内に配して駆動部の支持機枠に取り付けられた円筒状のシールケースと、
回転密封環と同心状をなして当該回転密封環に直対向する状態で、シールケースの内周部に軸線方向移動可能に保持された静止密封環と、
シールケースと静止密封環との間に介装されて、静止密封環を回転密封環へと押圧附勢するスプリング部材と、
プラスチックカバーの内周部に形成されてシールケースの下端部に衝合する環状のカバー段部と、
プラスチックカバー、シールケース及び静止密封環を貫通して両密封環の対向端面である密封端面間に開口する一連のシールガス通路であって、プラスチックカバーに形成されて当該カバーの軸線方向に延びる第1シールガス通路部分とシールケースに形成される第2シールガス通路部分とがカバー段部とシールケースの下端部との衝合部分において連通接続されているシールガス通路と、を具備して、
密封端面間を、これにシールガス通路からシールガスを噴出させることにより、非接触状態に保持しつつ、前記両領域間を遮蔽シールする非接触形メカニカルシールに構成されている。
かかるシール装置にあっては、シール条件によっては、一方の密封環の密封端面に動圧発生溝を形成して、密封端面間にシールガスによる静圧に加えて動圧発生溝による動圧を作用させることにより、密封端面間を非接触状態に保持するように構成しておくことができる。
本発明の処理装置用シール装置は、回転テーブル側の回転密封環とプラスチックカバー側の静止密封環との間から処理領域とカバー内領域とにシールガスを噴出させる非接触形メカニカルシールに構成されているから、冒頭で述べたラビリンスシール等を使用する場合に比して、回転テーブルが配置される処理領域と回転軸の駆動手段等が配置されるカバー内領域との間を確実に遮蔽することができるものである。したがって、本発明の処理装置用シール装置を使用することによって、処理領域における処理をカバー内領域からのパーティクル侵入を完全に防止した清浄雰囲気に保持することができ、基板の洗浄等の処理を良好に行なうことができ、高度のコンタミネーション防止対策を実現することができる。また、処理領域で発生する洗浄液残渣や処理領域で使用,発生する有害物質がカバー内領域へと漏洩して回転軸の駆動系に悪影響を及ぼす等の問題も排除することができる。
また、シールガス通路の下流側部分(第1シールガス通路部分)をプラスチックカバーに形成する場合、プラスチックカバーの第1シールガス通路部分からシールケースの第2シールガス通路部分へのガス流動がプラスチックカバーの径方向において行われるように構成すると、両シールガス通路部分の接続個所に作用するガス圧によってプラスチックカバーが変形して、シールガス供給が良好に行われない等の問題を生じる虞れがあるが、本発明の処理装置用シール装置にあっては、第1シールガス通路部分から第2シールガス通路部分へのガス流動がプラスチックカバーの軸線方向において行われるようになっていることから、プラスチックカバーの材質や肉厚(径方向の厚み)に拘わらず、プラスチックカバーが変形することがなく、上記した問題は生じない。したがって、プラスチックカバーの材質,形状(肉厚)を、上記ガス圧に対する強度を考慮することなく、処理装置の使用条件に応じて自由に設定することができる。
また、本発明の処理装置用シール装置は、密封端面間をシールガスによる静圧に加えて動圧発生溝による動圧の作用によって非接触状態に保持するように構成しておくことができ、このように構成しておくことにより、静圧形の非接触形メカニカルシールではシール機能が十分に発揮し得ないような条件下においても、シール機能及びコンタミレス機能を良好に発揮させることができる。
図1は本発明に係る処理装置用シール装置4を装備した処理装置の一例を示す縦断正面図であり、図2はその要部の拡大図である。この処理装置にあっては、回転テーブル1の駆動部2を円筒状のプラスチックカバー3で覆ってあり、半導体ウエハ,電子デバイスの基板,液晶基板,フォトマスク,ガラス基板等の基板を回転テーブル1を使用して適宜の処理(洗浄処理,薬剤処理等)を行う場合に、回転テーブル1が配置された処理領域Aとプラスチックカバー3内の領域(カバー内領域)Bとをシール装置4により遮蔽シールして、処理領域Aをクリーンに保持するように工夫されている。
なお、駆動部2は、回転テーブル2に連結されて上下方向に延びる回転軸2a、回転軸2aを回転自在に軸受支持するベアリング、回転軸2aの駆動手段及びこれらをカバー内領域Bにおいて支持する支持機枠2bを具備するものであり、回転テーブル1を回転駆動するように構成されている。回転テーブル1は炭化珪素製のもので、処理領域Aに水平に配置された円板等の回転体形状をなすものである。また、プラスチックカバー3は、図1に示す如く、耐薬品性プラスチック(この例ではPTFEを使用)で一体成形された上端開口状の円筒形状をなすもので、回転テーブル1の下面側に配置される駆動部2を覆っている。回転テーブル1とプラスチックカバー3との間には、必要に応じて、図1に示す如く、適宜のラビリンスシール1aを設けておくことができる。このようなラビリンスシール1aを設けておくことにより、後述するシールガス10のラビリンスシール1aから処理領域Aへの噴出作用と相俟って、薬液等が処理領域Aからカバー内領域Bへの薬液等の侵入を有効に防止することができる。
シール装置4は、図1及び図2に示す如く、回転テーブル1にその回転軸線と同心状に固定された回転密封環5と、プラスチックカバー3内に配して駆動部2の支持機枠2bに取り付けられた円筒状のシールケース6と、回転密封環5と同心状をなして回転密封環5に直対向する状態で、シールケース6の内周部に軸線方向移動可能に保持された静止密封環7と、シールケース6と静止密封環7との間に介装されて、静止密封環7を回転密封環5へと押圧附勢するスプリング部材8と、プラスチックカバー3の内周部に形成されてシールケース6の下端部6aに衝合する環状のカバー段部3aと、プラスチックカバー3、シールケース6及び静止密封環7を貫通して両密封環5,7の対向端面である密封端面5a,7a間に開口する一連のシールガス通路9と、を具備して、密封端面5a,7a間を、これにシールガス通路9からシールガス10を噴出させることにより、非接触状態に保持しつつ、前記両領域A,B間を遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシールつまり静圧形ノンコンタクトガスシールである。
シールケース6は、図1及び図2に示す如く、円筒状の上下密封環保持部61と下密封環保持部62の下端部から内方に張り出す円環状のスプリング保持部63とからなる金属製(例えば、SUS316等のステンレス鋼製)のものである。下密封環保持部62とスプリング保持部63とは一体構造物であり、これらと上密封環保持部61とは別体構造物であって、適宜の連結具により連結されている。シールケース6は、その下端部(下密封環保持部62の下端部)6aをカバー段部3aに衝合させると共にその外周部(上下密封環保持部61の外周部)をプラスチックカバー3の上端側内周部(カバー段部3aより上方側部分の内周部)にフッ素ゴム製のOリング11を介して密接させた状態で、スプリング保持部63を介して支持機枠2bに取り付けられている。
回転密封環5は、静止密封環7の構成材(例えば、カーボン)より硬質の材料(例えば、炭化珪素)で成形された円環状体であり、図1に示す如く、回転テーブル1の下面部に固定されている。回転密封環5の下端面は、平滑環状面である密封端面(以下「回転密封端面」ともいう)5aとされている。
静止密封環7は、図1に示す如く、上端面を平滑環状面である密封端面(以下「静止密封端面」ともいう)7aとした円環状体であり、上下方向に並列する一対のフッ素ゴム製のOリング12,12を介してシールケース6の上下密封環保持部61,62の内周部に軸線方向移動可能(上下方向移動可能)に嵌合保持されている。静止密封端面7aの外径は回転密封端面5aの外径より若干小さく設定されており、静止密封端面7aの内径は回転密封端面5aの内径より若干大きく設定されている。Oリング12,12は、静止密封環7の外周部に形成した環状突部7bとその上下に対向して上下密封環保持部61,62の内周部に形成した環状突部61a,62aとの間に形成される環状空間に装填されている。また、静止密封環7の下端部には軸線方向に延びる円形孔7cが形成されており、この円形孔7cにシールケース6のスプリング保持部63に植設した金属製(例えば、SUS316等のステンレス鋼製)のドライブピン13を係合させることにより、静止密封環7を、その軸線方向移動を所定範囲で許容しつつ、シールケース6に対して相対回転不能ならしめている。なお、円形孔7c及びこれに係合するドライブピン13の数は任意であり、必要に応じて複数個設けられる。
スプリング部材8は、図1に示す如く、静止密封環7とその下位のスプリング保持部63との間に介装された複数個(1個のみ図示)のコイルスプリングで構成されていて、静止密封環7を回転密封環5へと押圧附勢するものであり、密封端面5a,7aを閉じる方向に作用する閉力を発生させるものである。
シールガス通路9は、図1及び図2に示す如く、プラスチックカバー3に形成された第1シールガス通路部分91と、シールケース6に形成された第2シールガス通路部分92と、静止密封端面7aに形成された静圧発生溝93と、静止密封環7とシールケース6との間に形成され且つOリング12,12によりシールされた環状の連通空間94と、静止密封環7を貫通して連通空間94から静圧発生溝93に至る第3シールガス通路部分95とからなる。
第1シールガス通路部分91は、図1に示す如く、プラスチックカバー3を上下方向(プラスチックカバー3の軸線方向)に貫通して、その上端部(下流端)はカバー段部3aに開口されており、その下端部(上流端)は適宜のシールガス供給路(図示せず)に接続されている。
第2シールガス通路部分92は、図1に示す如く、下密封環保持部62を軸線方向に貫通する第1ガス路92aと、上密封環保持部61をその下端部から内周部へと貫通する第2ガス路92bとからなる。第1ガス路92aの上端部と第2ガス路92bの下端部とは、上下密封環保持部61,62間に介装したフッ素ゴム製のOリング15によりシールされた状態で、連通接続されている。第2ガス路92bの上端部(下流端)は連通空間94に連通されている。なお、シールケース6の表面及び第2シールガス通路部分92の内表面には、PFA,PTFE等の耐薬品性プラスチックによるコーティング層が形成されている。
第2シールガス通路部分92の第1ガス路92aの下端部(上流端)は、第1シールガス通路部分91の上端開口部(下流端開口部)に直対向してシールケース6の下端部6aに開口されている。そして、両者91a,92の対向端部間は、カバー段部3aとシールケース6の下端部6aとの間に介装したフッ素ゴム製のOリング16によりシールされた状態で、連通接続されている。
静圧発生溝93は、静止密封端面7aと同心状の環状をなして連続又は断続する浅い凹溝であり、この例では後者を採用している。すなわち、静圧発生溝93は、図3に示す如く、静止密封端面7aと同心環状をなして並列する複数の円弧状凹溝93a…で構成されている。連通空間94は、密封環保持部7aと静止密封環7との対向周面間に形成された環状空間であって、Oリング12,12によってシールされている。連通空間94の上下方向幅(Oリング12,12間の間隔)は、静止密封環7に必要とされる上下方向移動量に応じて設定されている。
第3シールガス通路部分95の一端部(上流端)は環状突部7bの外周面に開口されており(連通空間94に開口されており)、その他端部(下流端)は、分岐されていて、各分岐部95aを、図3に示す如く、静圧発生溝93を構成する各円弧状凹溝93aに開口させてある。なお、シールガス通路9の適所(例えば、第3シールガス通路部分95の上流側部分)には、必要に応じて、オリフィス等の絞り器96が配設される。
而して、静圧発生溝93には、両領域A,Bより高圧で且つパーティクルを含まない清浄なシールガス10がシールガス通路9(第1シールガス通路部分91、第2シールガス通路部分92、連通空間94及び第3シールガス通路部分95)から供給される。シールガス10としては、各領域A,Bに流出しても何らの悪影響を及ぼさない性状のものを、シール条件に応じて適宜に選定する。この例では、各種物質に対して不活性であり且つ人体に無害である清浄な窒素ガスが使用されている。なお、シールガス10は、一般に、回転テーブル1の運転中(回転軸2aの駆動中)においてのみ供給され、運転停止後には供給を停止される。回転テーブル1の運転は、シールガス10の供給が開始された後であって、密封端面5a,7a間が適正な非接触状態に保持された後において開始され、シールガス10の供給停止は、回転テーブルの運転停止後であって回転軸2aが完全に停止した後に行なわれる。なお、必要に応じて、回転テーブル1の発停に拘らず、シールガス10の供給を継続して行なうようにすることも可能である。
シールガス10を静圧発生溝93に供給すると、静圧発生溝93に導入されたシールガス10により、密封端面5a,7a間にこれを開く方向に作用する開力が発生する。この開力は、密封端面5a,7a間に導入されたシールガス10によって発生する静圧によるものである。したがって、密封端面5a,7aは、この開力と密封端面5a,7a間を閉じる方向に作用するスプリング部材8による閉力(スプリング荷重)とがバランスする非接触状態に保持される。すなわち、静圧発生溝93に導入されたシールガス10は密封端面5a,7a間に静圧の流体膜を形成し、この流体膜の存在によって、密封端面5a,7aの外周側領域(処理領域)Aとその内周側領域(カバー内領域)Bとの間が遮蔽シールされる。シールガス10の圧力及びスプリング部材8のバネ力(スプリング荷重)は、密封端面5a,7a間の隙間が適正(一般に、5〜15μmである)となるように、シール条件に応じて適宜に設定される。
以上のように構成されたシール装置(静圧形ノンコンタクトガスシール)4を使用した処理装置(基板洗浄装置)にあっては、回転テーブル1に設けた回転密封環5とプラスチックカバー3内に設けた静止密封環7との対向端面である密封端面5a,7a間からシールガス10が両領域A,Bに噴出することから、処理領域Aとカバー内領域Bとの間が完全に遮断されることになる。また、両密封端面5a,7aはシールガス10によって非接触状態に保持されるから、密封端面5a,7aの接触による摩耗粉等のパーティクルを生じることがない。したがって、カバー内領域Bで発生する粉塵等が処理領域Aに侵入することがなく、処理領域Aが清浄に保持される。逆に、処理領域Aで生じる処理残渣がカバー内領域Bに侵入して、回転軸2aの駆動系等がトラブルを生じることもない。
ところで、シールガス通路9は、例えば図1に鎖線で示すように、第1シールガス通路部分91の下流端91dをプラスチックカバー3の内周面に開口させると共に第2シールガス通路部分92の上流端92dを上密封環保持部61の外周面に開口させて、両開口端91d,92d間を連通させるような形態とすることも可能であるが、このようにすると、両開口端91d,92dの連通部分に高圧のシールガス10による圧力が作用するため、プラスチックカバー3が径方向に変形する。その結果、両開口端91d,92dの連通部分におけるシール機能が低下又は喪失して、シールガス供給が良好に行われない等の問題を生じる虞れがある。
しかし、シール装置4にあっては、第1及び第2シールガス通路部分91,92を上記した如く形成して、第1シールガス通路部分91から第2シールガス通路部分92へのガス流動がプラスチックカバー3の軸線方向において行われるように工夫されているから、プラスチックカバー3の材質や肉厚(径方向の厚み)に拘わらず、プラスチックカバー3が変形することがなく、上記した問題は生じない。したがって、プラスチックカバー3の材質,形状(肉厚)を、上記ガス圧に対する強度を考慮することなく、処理装置の使用条件に応じて自由に設定することができる。また、当該カバー3と回転テーブル1との間に前記したようなラビリンスシール1aを設ける場合にも、プラスチックカバー3が変形しないことから、当該ラビリンスシール1aの機能を損なうようなことがない。
なお、本発明に係る処理装置用シール装置は上記した構成に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変形することが可能である。
例えば、上記した例では、シール装置を、シールガス10による静圧のみによって密封端面5a,7a間を非接触状態に保持する静圧形ノンコンタクトガスシール4に構成したが、図4に示す如く、密封端面5a,7aをこの間に静圧に加えて動圧を発生させることにより非接触状態に保持する非接触形メカニカルシールたる複合形ノンコンタクトガスシール104に構成しておいてもよい。
すなわち、図4に示す処理装置用シール装置たる複合形ノンコンタクトガスシール104にあっては、一方の密封端面である回転密封環5の密封端面(回転密封端面)5aに動圧発生溝19を形成して、この動圧発生溝19により密封端面5a,7a間に動圧を発生させるように構成してある。動圧発生溝19の形状は、シール条件等に応じて適宜に設定することができるが、この例では、動圧発生溝19を、図6又は図7に示す如く、回転密封端面5aにおける静圧発生溝93に対向する部位から外径方向であって且つ回転密封環5の回転方向(イ方向)と逆方向に傾斜状に延びる第1グルーブ部分20aと内径方向且つ回転密封環5の回転方向(イ方向)と逆方向に傾斜状に延びる第2グルーブ部分20bとからなる複数のグルーブ20が密封端面5aの周方向に並列してなる形状に構成してある。各グルーブ20は1〜10μmの浅い深さ一定の溝であり、その最外径側端部(第1グルーブ部分20aの外径側端部)及び最内径側端部(第2グルーブ部分20bの内径側端部)は、両密封端面5a,7aの重合領域内に位置されている。すなわち、図5に示す如く、動圧発生溝19の内外径E,Fは、静止密封環7の密封端面(静止密封端面)7aの外径(≦回転密封端面5aの外径)A及びその内径(≧回転密封端面5aの内径)D並びに静圧発生溝93(円弧状凹溝93a)の外径B及びその内径Cに対して、B<F<A,D<E<Cの関係を有する範囲で適宜に設定されている。この例では、0.5≦(F−B)/(A−B)≦0.9又は0.5≦(C−E)/(C−BD)≦0.9の条件を満足するように設定されている。各グルーブ20は、図6に示す如く、第1グルーブ部分20aと第2グルーブ部分20bとが基端部で一致する略く字状をなすものとするか、図7に示す如く、第1グルーブ部分20aと第2グルーブ部分20bとの基端部が周方向に齟齬する千鳥形状をなすものとされる。
このような複合形ノンコンタクトガスシール104,141によれば、密封端面5a,7a間にシールガス10による静圧に加えて動圧発生溝19による動圧が発生し、これらの静圧及び動圧により密封端面5a,7a間を非接触状態に保持する。したがって、シールガス10による静圧によっては密封端面5a,7aを適正な非接触状態に保持し得ない事態が発生したときにも、動圧によって適正な非接触状態を維持することができる。また、静圧のみで非接触状態に保持する静圧形ノンコンタクトガスシールに比して、シールガス10による静圧によってシールガス10の必要供給量を少なくすることができる。また、動圧発生溝19を密封端面5a,7aの重複領域外に開放されていないため、各グルーブ20の最内径側端部及び最外径側端部が、密封端面5a,7a間に導入されたシールガス10に対する堰として機能することになると共に、密封端面5a,7a間に形成される漏れ間隙を狭めるように作用することになる。その結果、密封端面5a,7a間に導入されたシールガス10の処理領域(被密封ガス領域)A側への漏れ量が抑制されて動圧発生溝19によるシールガス10の捕捉特性が極めて良好なものになる。したがって、シールガス10の消費量を低減でき、万一シールガス10に同伴されるパーティクルがある場合にも、その侵入を極力抑制することができる。
なお、図4に示されたシール装置104の構成は、上記した構成(動圧発生溝19を設けた点)を除いて、図1に示されたシール装置4と同一である。
ところで、図4に示されたシール装置たる複合形ノンコンタクトガスシール104を装備する処理装置の構成,使用条件等によっては、回転テーブル1ないし回転軸2aが一方向でなく両方向に回転される場合があるが、かかる場合には、上記動圧発生溝19を回転密封環5が正転方向及び逆転方向の何れの方向に回転しても動圧を発生しうるような形状としておけばよい。このような動圧発生溝19の形状については、シール条件等に応じて任意に設定することができ、従来からも種々の形状が提案されている。例えば、回転密封端面5aに、径方向に縦列し且つ直径線に対して対称形状をなす第1動圧発生溝と第2動圧発生溝とからなる動圧発生溝ユニットを周方向に所定間隔を隔てて複数組並列状に形成して、回転密封環5が正転方向に回転するときには第1動圧発生溝により動圧が発生せしめられ、また回転密封環5が逆転方向に回転するときには第2動圧発生溝により動圧が発生せしめられるように構成しておくのである。各第1及び第2動圧発生溝としては、例えば、溝深さ及び溝幅を一定とするL字形溝等を採用することができる。
また、回転密封環5は、回転軸2a以外の回転側部材(例えば、回転テーブル1)に設ける他、回転軸2a又はそのスリーブに固定するようにしてもよい。また、シール条件によっては、静止密封環7をシールケース6に固定し、回転密封環5を回転側部材に軸線方向移動可能に且つ相対回転不能に保持するようにすることも可能である。
本発明に係る処理装置用シール装置を装備した処理装置の一例を示す縦断正面図である。 図1の要部の拡大図である。 当該シール装置における静止密封環の平面図である。 本発明に係る処理装置用シール装置の変形例を示す図2相当の縦断正面図である。 図4の要部の拡大図である。 動圧発生溝の一例を示す回転密封環の半截平面図である。 動圧発生溝の変形例を示す回転密封環の半截平面図である。
符号の説明
1 回転テーブル
2 駆動部
2a 回転軸
2b 支持機枠
3 プラスチックカバー
3a カバー段部
4 シール装置(静圧形ノンコンタクトガスシール)
5 回転密封環
5a 回転密封環の密封端面
6 シールケース
6a シールケースの下端部
7 静止密封環
7a 静止密封環の密封端面
8 スプリング部材
9 シールガス通路
10 シールガス
19 動圧発生溝
91 第1シールガス通路部分
92 第2シールガス通路部分
104 シール装置(複合形ノンコンタクトガスシール)
A 処理領域
B プラスチックカバー内の領域(カバー内領域)

Claims (2)

  1. 上下方向に延びる回転軸(2a)を具備する回転テーブルの駆動部(2)軸線が上下方向に延びる筒状をなす耐薬品性のプラスチックカバー(3)で覆ってある処理装置において回転テーブル(1)が配置された処理領域(A)とプラスチックカバー内の領域(B)との間を遮蔽すべく設けられるシール装置であって、
    回転テーブル(1)にその回転軸線と同心状に固定された回転密封環(5)と、
    プラスチックカバー(3)内に配して駆動部(2)の支持機枠(2b)に取り付けられた円筒状のシールケース(6)と、
    回転密封環(5)と同心状をなして当該回転密封環(5)に直対向する状態で、シールケース(6)の内周部に軸線方向移動可能に保持された静止密封環(7)と、
    シールケース(6)と静止密封環(7)との間に介装されて、静止密封環を回転密封環へと押圧附勢するスプリング部材(8)と、
    プラスチックカバー(3)の内周部に形成されてシールケース(6)の下端部(6a)に衝合する環状のカバー段部(3a)と、
    プラスチックカバー(3)、シールケース(6)及び静止密封環(7)を貫通して両密封環(5,7)の対向端面である密封端面(5a,7a)間に開口する一連のシールガス通路(9)であって、プラスチックカバー(3)に形成されて当該カバー(3)の軸線方向に延びる第1シールガス通路部分(91)とシールケース(6)に形成される第2シールガス通路部分(92)とがカバー段部(3a)とシールケースの下端部(6a)との衝合部分において連通接続されているシールガス通路(9)と、を具備して、
    密封端面(5a,7a)間を、これにシールガス通路(9)からシールガス(10)を噴出させることにより、非接触状態に保持しつつ、前記両領域(A,B)間を遮蔽シールする非接触形メカニカルシールに構成されていることを特徴とする処理装置用シール装置。
  2. 一方の密封環の密封端面に動圧発生溝(19)を形成して、密封端面(5a,7a)間にシールガス(10)による静圧に加えて動圧発生溝(19)による動圧を作用させることにより、密封端面(5a,7a)間を非接触状態に保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載する処理装置用シール装置。
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