JP2008261428A - 非接触形メカニカルシール - Google Patents

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智行 辻
Masaki Miyamoto
正樹 宮本
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Abstract

【目的】密封環とシールガスやハウジング内流体との接触や密封環同士の接触により金属イオンやパーティクルを発生することがなく、厳格なコンタミネーション対策を講じておく必要のある回転機器の軸封手段として好適に使用することができる非接触形メカニカルシールを提供する。
【構成】回転機器ハウジング21の軸貫通壁部20に設けたハウジング側密封環4と当該軸貫通部20を貫通する回転軸22に設けた軸側密封環6とを、ハウジング側密封環4に形成したシールガス通路8からシールガス90を両密封環4,6の対向端面4a,6a間に供給することにより非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体が存在する機内領域Hと機外領域Lとを遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシール1であり、一方の密封環を樹脂材で構成すると共に他方の密封環を樹脂材又はセラミックスで構成してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体、半導体製造用材料(電子材料)又は医薬品等の製造プロセスで使用される攪拌機等の回転機器であって、金属イオン等のコンタミネーションを防止するためにハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニング(PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),フッ素樹脂等による樹脂ライニングやガラスライニング等)を施してある回転機器において軸封手段として装備される非接触形メカニカルシールに関するものである。
このような非接触形メカニカルシールとしては、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより、非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体をシールするように構成された静圧形ノンコンタクトガスシールが周知である(例えば、特許文献1を参照)。
WO99/27281公報
ところで、このような静圧形ノンコンタクトガスシールである非接触形メカニカルシールにあっては、一般に、一方の密封環をカーボンで構成すると他方の密封環をステンレス鋼等の金属材(相手密封環との対向端面(密封端面)には必要に応じてセラミックコーティングが施される)で構成しているのが普通である(例えば、特許文献1の第13頁第4〜7行を参照)。
しかし、このように密封環の一方が金属材で構成されている非接触形メカニカルシールは、シールガス又はハウジング内流体との接触により金属イオンが発生することになり、半導体、半導体製造用材料(電子材料)又は医薬品等の製造プロセスで使用される攪拌機等のように厳格なコンタミネーション対策を講じる必要のあるメタルフリーの回転機器においては好適に使用することができない。
そこで、本発明者は、先に、密封環の一方をカーボン又はセラミックスで構成すると共に他方をセラミックスで構成した静圧形ノンコンタクトガスシールを開発したが、かかるメタルフリーシールにあっても、十分なコンタミネーション防止を図ることができないでいた。
すなわち、密封環の一方をカーボンで構成した場合には、金属イオンの発生はないものの、シールガスとの接触によりカーボン表面から微細なパーティクル(カーボン粉)が発生する場合があり、このような場合には、このパーティクルがシールガスと共に密封端面間からハウジング内流体に混入する虞れがあった。また、両密封環をセラミックスで構成した場合には、金属イオンの発生やシールガスとの接触によるパーティクルの発生はないものの、シールガスの停止等により密封環同士が接触するような場合、その衝撃によりセラミック粉が発生し、これがシールガスに同伴してハウジング内流体に混入することが虞れがあった。したがって、両密封環をメタルフリーのカーボンやセラミックスで構成した場合にも、コンタミネーションの防止を十分に図ることができないでいた。
本発明は、このような点に鑑みて、密封環とシールガスやハウジング内流体との接触や密封環同士の接触により金属イオンやパーティクルを発生することがなく、厳格なコンタミネーション対策を講じておく必要のあるメタルフリー回転機器の軸封手段として好適に使用することができる非接触形メカニカルシールを提供することを目的とするものである。
本発明は、ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニング(PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),フッ素樹脂等による樹脂ライニングやガラスライニング等)を施してある回転機器(以下「メタルフリー回転機器」という)において、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより、非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体をシールするように構成された非接触形メカニカルシールを提案するものであり、上記の目的を達成すべく、特に当該非接触形メカニカルシールにおいて、両密封環を以下に述べる(1)、(2)、(3)又は(4)のように構成しておくことを提案するものである。
(1) 一方の密封環を樹脂材で構成すると共に他方の密封環を樹脂材又はセラミックスで構成しておく。
(2) 一方の密封環を樹脂材又はセラミックスで構成し、他方の密封環をカーボン又は金属材で構成すると共に当該密封環におけるハウジング内流体及び機内領域へと流出するシールガスと接触する部分に樹脂コーティングを施しておく。
(3) 両密封環をカーボン又は金属材で構成すると共に、各密封環におけるハウジング内流体及び機内領域へと流出するシールガスと接触する部分に樹脂コーティングを施しておく。
(4) 両密封環をセラミックスで構成し、各密封環又は一方の密封環の表面部分であって相手密封環と接触する可能性のある部分に樹脂コーティングを施しておく。
密封環を構成する樹脂材としては、ハウジング内流体の性状等のシール条件や相手密封環の材質に応じて、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)又はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)系樹脂等が使用される。また、密封環を構成するセラミックスとしては、アルミナ又は炭化珪素等が使用される。また、樹脂コーティング材としては、コーティングすべき密封環の基体材料との密着性やハウジング内流体の性状等に応じて、PEEK又はPTFE系樹脂等が使用される。
本発明の非接触形メカニカルシールによれば、シールガス又はハウジング内流体との接触により或いは密封環同士の接触によっては金属イオンやパーティクルが発生することがなく、金属イオン汚染等を生じない高度のコンタミネーション対策を講じておくことでき、メタルフリー回転機器の軸封を良好に行うことができる。
以下、本発明の構成を図1〜図12を参照して具体的に説明する。
図1は本発明に係る非接触形メカニカルシールの一例を示す縦断正面図であり、図2は同縦断側面図であり、図3は図1のIII−III線に沿う要部の横断平面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う要部の横断底面図であり、図5〜図11は夫々異なる密封環の構成態様を示すものであって図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図12は本発明に係る非接触形メカニカルシールを装備したメタルフリー回転機器の一例を示す縦断正面図である。
メタルフリー回転機器2は、例えば、図12に示す如く、半導体製造用材料(電子材料)の製造工程等において使用される攪拌機であり、上部に軸貫通壁部20を形成したハウジング21と、軸貫通壁部20を貫通して上下方向に延びる攪拌軸たる回転軸22と、回転軸22の下端部に設けられた攪拌翼23と、回転軸22を回転させる原動機(モータ等)24とを具備するものであり、ハウジング内流体(例えば、攪拌機内において攪拌されるべき或いは攪拌により反応されるべき流体やその蒸発成分等であって、ハウジング21内に存在するガス又は液分や固形分を含有するガスである)と接触する部分(ハウジング21の内面、回転軸22の外周面、攪拌翼23の表面等)には、PEEKライニング、フッ素樹脂ライニング又はガラスライニング等のメタルフリーライニングが施されている。
非接触形メカニカルシール1は、図12に示す如く、軸貫通壁部20と回転軸22との間に装填されて、機内領域(ハウジング21内の領域)Hと機外領域(ハウジング21外の大気領域)Lとの間をシールするものであり、次のように構成されている。
すなわち、非接触形メカニカルシール1は、図1に示す如く、ハウジング21の軸貫通壁部20に取り付けられたシールフランジ3と、シールフランジ3を介して軸貫通壁部20に固定されたハウジング側密封環4と、ハウジング側密封環4の機外側(上方側)に配して回転軸22に固定されたスプリングリテーナ5と、ハウジング側密封環4とスプリングリテーナ5との間に配して、回転軸22に嵌挿保持された軸側密封環6と、軸側密封環6とスプリングリテーナ5との間に介装されたスプリング部材7と、シールフランジ3及びハウジング側密封環4を貫通して両密封環4,6の対向端面たる密封端面4a,6a間に開口する一連のシールガス通路8と、機内領域Hの圧力(ハウジング21内の圧力)より高圧のシールガス90をシールガス通路8から密封端面4a,6a間に噴出させるシールガス噴出機構9とを具備する静圧形ノンコンタクトガスシールである。
シールフランジ3は、図1及び図2に示す如く、円環状をなすものであり、適当数のボルト30により軸貫通壁部20の上面に取付けられている。
ハウジング側密封環4は、図1及び図2に示す如く、回転軸22に同心状に遊嵌された状態でシールフランジ3に第一及び第二Oリング31,32を介して内嵌保持された円環状体であり、先端面(上端面)を平滑な密封端面4aに構成してある。第一Oリング31は、ハウジング側密封環4の上端外周部とシールフランジ3との間に装填されていて、シールフランジ3とハウジング側密封環4との間を二次シールしている。第二Oリング32は、シールフランジ3とハウジング側密封環4の下端外周部と軸貫通部20とで囲繞された環状空間に装填されていて、これらの部材3,4,20相互間(シールフランジ3とハウジング側密封環4との間、シールフランジ3と軸貫通部20との間及びハウジング側密封環4と軸貫通部20との間)を二次シールしている。
スプリングリテーナ5は、図1及び図2に示す如く、環状壁部50とその内周部から下方に突出する円筒状のOリング係止部51と環状壁部50の外周部から下方に突出する円筒状の保持部52とを有する金属材製(ステンレス鋼等)の筒状体である。スプリングリテーナ5は、図2に示す如く、環状壁部50及びOリング係止部51を回転軸22に嵌合させると共に環状壁部50に螺合させたセットスクリュー53を回転軸22へと締め付けることにより、回転軸22に固定されている。
軸側密封環6は、図1及び図2に示す如く、その先端面(下端面)をハウジング側密封環4の密封端面4aに直対向する平滑な密封端面6aに構成した円環状体であり、ハウジング側密封環4とスプリングリテーナ5との間に配して、軸側密封環6の内周面と回転軸22の外周面との間に第一Oリング61を装填した二次シール状態で、回転軸22に軸線方向移動可能に嵌挿保持されている。第一Oリング61の下方への移動は軸側密封環6の下端内周部に形成された環状のOリング係止面62によって阻止されており、上方への移動はスプリングリテーナ5のOリング係止部51の端面によって阻止されている。このOリング係止部51の端面は軸線に直交しているが、Oリング係止面62は、図1及び図2に示す如く、内周方向且つ下方向へと傾斜するテーパ面とされている。軸側密封環6の外周部は、スプリングリテーナ5の保持部52に、上下一対の第二Oリング68,68を介して、軸側密封環6の軸線方向移動を許容する状態で嵌合保持されている。また、軸側密封環6の基端部(上端部)には、金属材製(ステンレス鋼等)のドライブカラー63が衝合されている。ドライブカラー63は、図1に示す如く、これに突設したピン64を軸側密封環6に形成した凹部に係合させることにより、軸側密封環6との相対回転を阻止されている。
スプリング部材7は、図1に示す如く、スプリングリテーナ5と軸側密封環6との間に介挿された複数のコイルスプリング(一個のみ図示)で構成されていて、軸側密封環6をハウジング側密封環4へと押圧附勢するものであり、密封端面4a,6a間を閉じる方向に作用する閉力を発生させるものである。スプリング部材7は、基端部をスプリングリテーナ5の環状壁部50に形成した凹部に保持すると共に、先端部をドライブカラー63に当接させることにより、軸側密封環6を押圧附勢するものである。また、図2に示す如く、スプリングリテーナ5の環状壁部50に貫通孔50aを形成すると共に、この貫通孔50aに上方から挿通させたドライブピン66をドライブカラー63に螺着することにより、軸側密封環6をスプリングリテーナ5に軸線方向移動を許容しつつ相対回転不能に保持させている。
シールガス通路8は、図5、図6、図7、図8、図9、図10又は図11に示す如く、シールフランジ3とハウジング側密封環4との嵌合部分に形成された空間であって、Oリング31,32によってシールされた環状の連絡空間81と、シールフランジ3を径方向に貫通して連絡空間81に至るフランジ側通路82と、密封端面4aに形成された複数の静圧発生溝83…と、ハウジング側密封環4を貫通して連絡空間81から静圧発生溝83…に至る密封環側通路84とからなる。静圧発生溝83…は、図3に示す如く、密封端面4aと同心の環状をなして並列する円弧状凹溝であり、また密封環側通路84の下流側端部は分岐されていて、その分岐部分84aが各静圧発生溝83に開口されている。
シールガス噴出機構9は、図1に示す如く、機内領域Hの圧力より高圧としたシールガス90をシールガス通路8から密封端面4a,6a間に噴出させるものである。機内領域Hの圧力より高圧のシールガス90を、フランジ側通路82、連絡空間81、密封環側通路84を経て静圧発生溝83…に供給させることにより、両密封端面4a,6a間にこれを非接触状態に保持する静圧を発生させるようになっている。シールガス90としては、ハウジング内流体(シールガスを除く流体)に対して不活性なガスが使用され、この例では窒素ガスを使用している。なお、シールガス通路8の適所(密封環側通路84等)には、必要に応じて、オリフィス,毛細管,多孔質部材等の絞り器が設けられ、密封端面4a,6a間の隙間が自動調整されるように構成される。すなわち、回転機器2の振動等により密封端面4a,6a間の隙間が大きくなったときは、静圧発生溝83…から密封端面4a,6a間に流出するシールガス量と絞り器を通って静圧発生溝83…に供給されるシールガス量とが不均衡となり、静圧発生溝83…内の圧力が低下して、開力が閉力より小さくなるため、密封端面4a,6a間の隙間が小さくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。逆に、密封端面4a,6a間の隙間が小さくなったときは、上記したと同様の作用により静圧発生溝83…内の圧力が上昇して、開力が閉力より大きくなり、密封端面4a,6a間の隙間が大きくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。
而して、非接触形メカニカルシール1の好ましい実施の形態にあっては、本発明に従って両密封環4,6は図5、図6、図7、図8、図9、図10又は図11に示す如く構成される。
図5に示す第1の実施の形態では、図1〜図4に示す非接触形メカニカルシール1において、両密封環4,6の一方を樹脂材(PEEK又はPTFE系樹脂等)で構成すると共に、その他方を樹脂材(PEEK又はPTFE系樹脂等)又はセラミックス(アルミナ又は炭化珪素等)で構成してある。すなわち、ハウジング側密封環4を樹脂材で構成すると共に軸側密封環6を樹脂材又はセラミックスで構成するか、ハウジング側密封環4を樹脂材又はセラミックスで構成すると共に軸側密封環6を樹脂材で構成するのである。
図6に示す第2の実施の形態又は図7に示す第3の実施の形態では、図1〜図4に示す非接触形メカニカルシール1において、両密封環4,6の一方を樹脂(PEEK又はPTFE系樹脂等)又はセラミックス(アルミナ又は炭化珪素等)で構成し、他方を金属材又はカーボンで構成すると共に当該密封環に樹脂コーティング(PEEK又はPTFE系樹脂等)を施してある。樹脂コーティングは、少なくとも、当該密封環における、ハウジング内流体及びシールガス90との接触により金属イオン又はカーボンパーティクルを発生する虞れのある部分、つまりハウジング内流体と接触する(又は接触する可能性のある)部分(以下「ハウジング内流体接触部分」という)及び密封端面4a,6a間から機内領域Hに流出するシールガス90と接触する(又は接触する可能性のある)部分(以下「シールガス接触部分」という)に施される。すなわち、第2の実施の形態にあっては、図6に示す如く、軸側密封環6を樹脂材又はセラミックスで構成し、ハウジング側密封環4を金属材又はカーボンで構成すると共に、当該密封環4における、少なくとも、シールガス接触部分である密封端面4a、連絡空間81に面する外周面4b(連絡空間81を通過するシールガス90に接触する部分又は接触可能性のある部分)、各静圧発生溝83の表面4c及び密封環側通路84の表面4dとハウジング内流体接触部分である内周面4e及び下端面4fとに樹脂コーティング層4A,4B,4C,4D,4E,4Fを被覆形成してある。また、第3の実施の形態にあっては、図7に示す如く、ハウジング側密封環4を樹脂材又はセラミックスで構成し、軸側密封環6を金属材又はカーボンで構成すると共に、当該密封環6における、少なくとも、シールガス接触部分である密封端面6aとハウジング内流体接触部分である内周面6bとに樹脂コーティング層6A,6Bを被覆形成してある。
図8に示す第4の実施の形態では、図1〜図4に示す非接触形メカニカルシール1において、両密封環4,6を金属材又はカーボンで構成すると共に、各密封環4,6に樹脂コーティング(PEEK又はPTFE系樹脂等)を施してある。樹脂コーティングは、少なくとも、ハウジング内流体及びシールガス90との接触により金属イオン又はカーボンパーティクルを発生する虞れのあるハウジング内流体接触部分及びシールガス接触部分に施される。すなわち、第4の実施の形態にあっては、図8に示す如く、ハウジング側密封環4を金属材又はカーボンで構成すると共に、当該密封環4における、少なくとも、シールガス接触部分である密封端面4a、連絡空間81に面する外周面4b(連絡空間81を通過するシールガス90に接触する部分又は接触可能性のある部分)、各静圧発生溝83の表面4c及び密封環側通路84の表面4dとハウジング内流体接触部分である内周面4e及び下端面4fとに樹脂コーティング層4A,4B,4C,4D,4E,4Fを被覆形成してある。また、軸側密封環6を金属材又はカーボンで構成すると共に、当該密封環6における、少なくとも、シールガス接触部分である密封端面6aとハウジング内流体接触部分である内周面6bとに樹脂コーティング層6A,6Bを被覆形成してある。
図9に示す第5の実施の形態、図10に示す第6の実施の形態又は図11に示す第7の実施の形態では、図1〜図4に示す非接触形メカニカルシール1において、両密封環4,6をセラミックス(アルミナ又は炭化珪素等)で構成すると共に、各密封環4,6又は一方の密封環の表面部分であって相手密封環と接触する可能性のある部分(一般には、密封端面4a,6aである)に樹脂コーティング(PEEK又はPTFE系樹脂等)が施されている。すなわち、第5の実施の形態にあっては、図9に示す如く、ハウジング側密封環4の密封端面4aに樹脂コーティング層4Aを被覆形成してあり、第6の実施の形態にあっては、図10に示す如く、軸側密封環6の密封端面6aに樹脂コーティング層6Aを被覆形成してあり、第7の実施の形態にあっては、図11に示す如く、両密封環4,6の密封端面4a,6aに夫々樹脂コーティング層4A,6Aを被覆形成してある。
なお、上記した各実施の形態の何れにおいても、ハウジング内流体又はシールガス90と接触する(又は接触する可能性のある)各Oリング31,32,61,68を耐食性,耐熱性に優れたフッ素系ゴム(例えば、パーフロロゴム)で構成してある。また、シールフランジ3は金属材(ステンレス鋼等)又はセラミックスで構成されるが、金属材で構成する場合には、シールガス90と接触する連絡空間81に面するフランジ内周面及びフランジ側通路82の内周面に樹脂コーティングを施しておく(シールフランジ3がハウジング内流体に接触する部分を有する構成をなす場合にあっては、当該部分にも樹脂コーティングを施しておく)。
以上のように構成されたメカニカルシール1によれば、金属イオン発生等のコンタミネーションを生じることなく機内領域Hを良好にシールすることができる。
すなわち、シールガス90をシールガス通路8から密封端面4a,6a間に供給させると、密封端面4a,6a間にこれを開く方向に作用する開力が発生することになる。この開力は、静圧発生溝83…に供給されたシールガス90によって発生する静圧によるものである。したがって、密封端面4a,6aは、この開力と密封端面4a,6a間を閉じる方向に作用する閉力(ハウジング側密封環4を軸側密封環6へと押圧附勢するスプリング部材7によるもの)とがバランスする非接触状態に保持される。そして、シールガス90が機内領域Hの圧力より高圧であることから、機内流体は密封端面4a,6a間に侵入せず、機内領域Hが完全にシールされることになり、周辺環境を悪化させる虞れはない。
このとき、密封端面4a,6aを非接触状態に保持しつつ機内領域Hをシールさせることから、密封端面4a,6aの接触による摩耗粉が機内領域Hに侵入するようなことがなく、しかも両密封環4,6を上記した各実施の形態のように構成しておくことによって冒頭で述べた如き問題を確実に回避し得て、金属イオンの発生等によるコンタミネーションを生じない良好なコンタミレスシール機能が発揮される。
すなわち、図5に示す第1の実施の形態にあっては、両密封環4,6が樹脂材又はセラミックスで構成されているから、ハウジング内流体やシールガスとの接触によって金属イオン等を発生するようなことがない。しかも、両密封環4,6が樹脂材で構成されている場合は勿論、一方の密封環がセラミックスで構成されている場合にも、他方の密封環が樹脂材で構成されているから、両密封環4,5が不測に接触するようなことがあっても、その接触による衝撃によってセラミックス粉が発生するようなことがない。
また、図6に示す第2の実施の形態にあっては、ハウジング側密封環4が金属材又はカーボンで構成されているが、当該密封環4のシールガス接触部分4a,4b,4c,4d及びハウジング内流体接触部分4e,4fに樹脂コーティング層4A,4B,4C,4D,4E,4Fが被覆形成されているから、ハウジング側流体又はシールガス90との接触により金属イオンやカーボンパーティクルが発生するようなことがない。しかも、軸側密封環6が樹脂材で構成される場合は勿論、セラミックスで構成される場合にも、ハウジング側密封環4の密封端面4aに樹脂コーティング層4Aが形成されていることから、両密封環4,6が不測に接触するようなことがあっても、その接触による衝撃によってセラミックス粉が発生するようなことがない。
また、図7に示す第3の実施の形態にあっては、軸側密封環6が金属材又はカーボンで構成されているが、当該密封環6のシールガス接触部分6a及びハウジング内流体接触部分6bに樹脂コーティング層6A,6Bが被覆形成されているから、ハウジング側流体又はシールガス90との接触により金属イオンやカーボンパーティクルが発生するようなことがない。しかも、ハウジング側密封環4が樹脂材で構成される場合は勿論、セラミックスで構成される場合にも、軸側密封環6の密封端面6aに樹脂コーティング層6Aが形成されていることから、両密封環4,6が不測に接触するようなことがあっても、その接触による衝撃によってセラミックス粉が発生するようなことがない。
また、図8に示す第4の実施の形態では、両密封環4,6が金属材又はカーボンで構成されているが、各密封環4,6のシールガス接触部分4a,4b,4c,4d,6a及びハウジング内流体接触部分4e,4f,6bに樹脂コーティング層4A,4B,4C,4D,6A及び4E,4F,6Bが被覆形成されているから、ハウジング側流体又はシールガス90との接触により金属イオンやカーボンパーティクルが発生するようなことがない。
また、図9に示す第5の実施の形態、図10に示す第6の実施の形態及び図11に示す第7の実施の形態では、両密封環4,6がセラミックスで構成されているが、相手密封環と接触する可能性のある密封端面4a,6aの少なくとも一方に樹脂コーティング層4A,6Aを形成してあるから、両密封環4,6が不測に接触するようなことがあっても、その接触による衝撃によってセラミックス粉が発生するようなことがない。勿論、両密封環4,6はセラミックス製のものであるから、ハウジング内流体やシールガス90との接触により金属イオン等を発生することはない。
なお、本発明は、上記した各実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。
本発明に係る非接触形メカニカルシールの一例を示す縦断正面図である。 同縦断側面図である。 図1のIII−III線に沿う要部の横断平面図である。 図1のIV−IV線に沿う要部の横断底面図である。 第1の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第2の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第3の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第4の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第5の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第6の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 第7の実施の形態を示すものであって、図1の要部を拡大して示す詳細図である。 本発明に係る非接触形メカニカルシールを装備したメタルフリー回転機器の一例を示す縦断正面図である。
符号の説明
1 非接触形メカニカルシール
2 メタルフリー回転機器
3 シールフランジ
4 ハウジング側密封環
4a ハウジング側密封環の密封端面
4A 樹脂コーティング層
4B 樹脂コーティング層
4C 樹脂コーティング層
4D 樹脂コーティング層
4E 樹脂コーティング層
4F 樹脂コーティング層
5 スプリングリテーナ
6 軸側密封環
6a 軸側密封環の密封端面
6A 樹脂コーティング層
6B 樹脂コーティング層
7 スプリング部材
8 シールガス通路
9 シールガス噴出機構
20 ハウジングの軸貫通壁部
21 回転機器のハウジング
22 回転軸
81 連絡空間
82 フランジ側通路
83 静圧発生溝
84 密封環側通路
90 シールガス
H 機内領域(ハウジング内の領域)
L 機外領域(大気領域)

Claims (4)

  1. ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニングを施してある回転機器において、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体が存在する機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシールであって、
    一方の密封環を樹脂材で構成すると共に他方の密封環を樹脂材又はセラミックスで構成してあることを特徴とする非接触形メカニカルシール。
  2. ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニングを施してある回転機器において、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより、非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体が存在する機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシールであって、
    一方の密封環を樹脂材又はセラミックスで構成し、他方の密封環をカーボン又は金属材で構成すると共に当該密封環におけるハウジング内流体及び機内領域へと流出するシールガスと接触する部分に樹脂コーティングを施してあることを特徴とする非接触形メカニカルシール。
  3. ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニングを施してある回転機器において、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体が存在する機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシールであって、
    両密封環をカーボン又は金属材材で構成すると共に、各密封環におけるハウジング内流体及び機内領域へと流出するシールガスと接触する部分に樹脂コーティングを施してあることを特徴とする非接触形メカニカルシール。
  4. ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にメタルフリーライニングを施してあるメタルフリー回転機器において、ハウジングの軸貫通壁部に設けたハウジング側密封環と当該軸貫通部を貫通する回転軸に設けた軸側密封環とを、ハウジング側密封環に形成したシールガス通路からシールガスを両密封環の対向端面間に供給することにより、非接触状態に保持させつつ、ハウジング内流体が存在する機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成された非接触形メカニカルシールであって、
    両密封環をセラミックスで構成し、各密封環又は一方の密封環の表面部分であって相手密封環と接触する可能性のある部分に樹脂コーティングを施してあることを特徴とする非接触形メカニカルシール。
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