JP4198393B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿載置トレイに載置された原稿を1枚ずつ分離搬送し、原稿上の画像を読み取る画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スキャナ機能を備えた画像読取装置を用いて原稿の画像情報を読み取って印刷を行う複写機等の画像形成装置においては、シート状の原稿を順次搬送しながら画像情報を読み取って印刷を行わせるためのADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)を備えた画像読取装置が用いられている。
【0003】
ここで、従来のADFを備えた画像読取装置の基本構成について、以下に説明する。
【0004】
例えば、図9に示すように、画像読取装置100は、原稿載置トレイ101、給紙ローラ102、湾曲搬送経路103、CCD(Charge Coupled Device)読取ユニット104、CIS(密着イメージセンサ)105、及び排出トレイ106を含んでいる。また、原稿を搬送するための複数のローラ対も含んでいる。
【0005】
上記原稿載置トレイ101は、図示しない原稿を載置するためのものである。給紙ローラ102は、原稿載置トレイ101に載置された原稿を1枚ずつ取り出して湾曲搬送経路103に供給するためのものである。湾曲搬送経路103は、原稿載置トレイ101から排出トレイ106まで原稿を搬送する経路をコンパクトにするために設けられる原稿の搬送路である。湾曲搬送経路103には、原稿を搬送するための複数のローラ対が備えられている。
【0006】
また、上記CCD読取ユニット104及びCIS105は、原稿上の画像を読み取るためのものである。
【0007】
CCD読取ユニット104は、光学ユニット107とCCD108とを備えている。CCD読取ユニット104は、搬送される原稿に対して、読取位置C1における画像を光学ユニット107を用いて縮小してCCD108に結像させて、原稿の一面の画像を読み取るようになっている。
【0008】
CIS105は、読取位置Dにおいて、搬送される原稿の上記とは異なる一面の画像を、原稿の搬送路と略同等の幅(最大原稿幅よりも若干広い幅)を有する図示しないリニアCCDを用いて読み取るようになっている。
【0009】
また、CCD読取ユニット104は、読取位置C1〜C3に光学ユニット107を移動させることによって静止した原稿の画像を読み取ることもできる。
【0010】
排出トレイ106は、搬送されて画像が読み取られた原稿を排出して載置するためのものである。
【0011】
上記構成において、上記画像読取装置100は、以下のように動作する。
【0012】
まず、原稿載置トレイ101から給紙ローラ102によって原稿を1枚ずつ取り出して、給紙ローラ102によって湾曲搬送経路103に供給する。湾曲搬送経路103において、ローラ対によって搬送される原稿は、CCD読取ユニット104又は/及びCIS105によって、画像を読み取られる。なお、CCD読取ユニット104及びCIS105にて原稿が読み取られるのは、両面印刷原稿の場合である。画像を読み取られた原稿は、原稿排出点109まで搬送され、排出トレイ106に載置される。
【0013】
上記画像読取装置100のような基本構成を有する従来の画像読取装置であって、公報に記載された画像読取装置について、以下に説明する。
【0014】
まず、従来の画像読取装置のより具体的な一例として、例えば、特開平9−46472号公報(公開日:1997年2月14日)に開示された原稿読取用の原稿自動送り装置がある。
【0015】
上記原稿自動送り装置200は、図10に示すように、原稿載置トレイ(載置トレイ)201、給紙ローラ202、湾曲搬送経路(反転搬送経路)203、第1読取ユニット204、第2読取ユニット205、透明板206、排出トレイ207、透明原稿台208及びスライド軸209を備えている。
【0016】
以下においては、上述した一般的な概略構成と同様の働きをする部材については、同じ名称により参照し、説明は省略する。
【0017】
上記構成における第1読取ユニット204及び第2読取ユニット205は、それぞれ搬送される1枚の原稿Pの一面と他面とを読み取るためのものである。また、透明板206は、搬送される原稿Pを第1読取ユニット204によって読み取る際の台である。
【0018】
また、透明原稿台208は、原稿Pを搬送しながら読み取るのでなく、例えば本を開いた状態のような静止した原稿を読み取る際の台である。さらに、スライド軸209は、透明原稿台208上に載置された静止した原稿を読み取る際に、第1読取ユニット204を自身に沿って移動させるためのものである。
【0019】
上記構成において、原稿自動送り装置200は、原稿載置トレイ201に載置された原稿Pを、給紙ローラ202によって1枚ずつ湾曲搬送経路203へと供給する。湾曲搬送経路203においては、供給された原稿Pを経路に沿って搬送する。そして、湾曲搬送経路203の途中に設けられた第2読取ユニット205によって、原稿Pの一方の面を読み取る。
【0020】
次に、湾曲搬送経路203から供給された原稿Pを、透明板206の位置において、第1読取ユニット204によって、上記読み取られた面とは異なる他方の面を読み取る。この場合、第1読取ユニット204は、自身を移動させずに停止した状態で読み取るようになっている。そして、読み取った原稿Pを排出トレイ207に排出する。
【0021】
以上の動作によって、複数の原稿Pを停止させることなく搬送させながら順次読み取ることができた。
【0022】
また、上記構成において、第1読取ユニット204は、スライド軸209を介して移動可能となっている。透明原稿台208上に載置された原稿Pを、スライド軸209を介して第1読取ユニット204を移動させることによって読み取ることができる。これにより、ブック原稿等の原稿を搬送しながらでは処理できない原稿を、マニュアルでセットして読み取ることができる。
【0023】
上記構成においては、湾曲搬送経路203の途中に第2読取ユニット205が設けられ、その後、第1読取ユニット204によって第2読取ユニット205とは異なる面を読み取るようになっているので、1度の搬送で1枚の原稿の両面を読み取ることができる。
【0024】
また、従来の画像読取装置の他の具体例として、特開平11−32164号公報(公開日:1999年2月2日)」に開示された画像読取装置がある。
【0025】
上記画像読取装置300は、図11に示すように、原稿載置トレイ(原稿トレイ)301、給紙ローラ(ピックアップコロ)302、湾曲搬送経路(ガイド板)303、第1読取手段304、第2読取手段305及び排出トレイ(排紙トレイ)306を備えている。
【0026】
上記構成における第1読取手段304及び第2読取手段305は、それぞれ搬送される1枚の原稿の一面と他面とを読み取るために設けられているものである。
【0027】
第1読取手段304は、読取位置Eにおいて、搬送されている原稿の画像を、光学ユニット307を介してCCD308にて読み取るようになっている。
【0028】
上記構成において、画像読取装置300は、原稿載置トレイ301に載置された原稿Pを給紙ローラ302によって1枚ずつ湾曲搬送経路303へと供給する。湾曲搬送経路303において、供給された原稿Pは所定の経路に沿って搬送される。
【0029】
次に、湾曲搬送経路303から搬送コロ309によって供給された原稿Pの一方の面を、読取位置Eにおいて第1読取手段304によって読み取る。この際、第1読取手段304は、読取位置Eに光学ユニット307を停止させたまま、搬送される原稿Pにおける一方の面の読取を行う。
【0030】
次に、第2読取手段305によって、上記の搬送される原稿Pの他方の面を読み取る。そして、原稿Pを排出トレイ306に排出する。
【0031】
これにより、複数の原稿Pを停止させることなく搬送させながら順次読み取ることができた。また、第1読取手段304と第2読取手段305とを用いて、1枚の原稿Pの両面を読み取ることができた。
【0032】
なお、上記構成において、ガラス原稿台310上の原稿を読み取る場合には、ガラス原稿台310上に載置した図示しない原稿に対して光学ユニット307を移動させて、画像を読み取るようになっている。
【0033】
また、従来の画像読取装置のさらに他の具体例として、特開平11−27444号公報(公開日:1999年1月29日)に開示された原稿読取り装置がある。上記原稿読取り装置410を備えている複写装置400の構成について、図12に基づいて説明する。
【0034】
同図に示すように、原稿読取り装置410は、原稿載置トレイ(原稿載置台)401、分離部402、ブックスキャナ部405、CIS(密着型イメージセンサ)406及び排出トレイ(排紙トレイ)407を備えている。
【0035】
また、複写装置400は、原稿読取り装置410によって読み取った情報を印刷するための記録部408をも備えている。
【0036】
ここで、分離部402は、分離パッド403及び分離ローラ404からなる。分離パッド403及び分離ローラ404によって、上述した従来の構成例における給紙ローラと同様に、原稿載置トレイ401の原稿Pを1枚ずつ取り出すことができる。上記構成における分離ローラ404による搬送が、上述した従来の構成例における湾曲搬送経路における搬送に相当する。
【0037】
搬送された原稿Pを、ブックスキャナ部405及びCIS406を用いて読み取る。ここで、ブックスキャナ部405において原稿の一面を読み取り、CIS406において原稿の他の面を読み取るようになっている。そして、読み取った原稿Pを排出トレイ407に排出する。
【0038】
これにより、複数の原稿Pを停止させることなく搬送させながら順次読み取ることができた。また、ブックスキャナ部405とCIS406とを用いて、1枚の原稿の両面を読み取ることができた。
【0039】
また、従来の画像読取装置のさらに他の具体例として、特開平8−34542号公報(公開日:1996年2月6日)に開示された画像読取り装置の原稿搬送装置がある。
【0040】
上記原稿搬送装置500は、図13に示すように、原稿載置トレイ(原稿トレイ)501、給紙ローラ(ピックアップローラ)502、湾曲搬送経路(原稿搬送路)503、レジストローラ装置504、プラテンローラ505、プラテン506、走査装置507、CCD508及び排出トレイ509を備えている。
【0041】
ここで、レジストローラ装置504は、搬送される原稿Pの先端の位置を整合し、所定のタイミングで読取位置へと送り出すためのものである。また、プラテンローラ505及びプラテン506は、原稿Pの読取位置において原稿を搬送移動させるためのものである。
【0042】
上記構成において、原稿搬送装置500は、原稿載置トレイ501に載置された原稿Pを給紙ローラ502によって1枚ずつ湾曲搬送経路503へと供給する。湾曲搬送経路503においては、供給された原稿Pは経路に沿って搬送される。そして、レジストローラ装置504によって、原稿Pの先端の位置を整合して、所定の送り出しのタイミングで、プラテンローラ505とプラテン506との間に原稿Pを送り出す。これによって、原稿読取のタイミングを調整できる。また、原稿の斜め送り等を補正できる。
【0043】
また、プラテンローラ505とプラテン506との間において、搬送されている原稿Pを、走査装置507として示されているミラー等を介してCCD508において読み取る。そして、読み取った原稿Pを排出トレイ509に排出する。
【0044】
以上のように、原稿搬送装置500は、レジストローラ装置504を用いて原稿Pの先端の位置を整合して、所定のタイミングで読取位置に原稿Pを送り出す構成なので、読取のタイミングを調整して原稿Pの斜め送り等を補正できる。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の各画像読取装置及び画像形成装置では、大量の原稿を扱うことができず、また、厚紙の原稿を適切に読み取ることができないという問題を生ずる。
【0046】
すなわち、近年、上述した各画像読取装置を備えたプリンタ等は、従来と比較して種々の用途に用いられるようになっている。例えば、従来は扱われなかった厚みの原稿を扱う必要も生じている。また、従来と比較してより大量の情報を扱う必要があるので、より大量の原稿を高速に読み取る必要も生じている。
【0047】
ところが、上述した各構成によれば、以下のような問題点を生じるおそれがある。
【0048】
すなわち、図13に示す上記特開平8−34542号公報記載の原稿搬送装置500は、レジストローラ装置504によってプラテンローラ505とプラテン506との間に原稿Pを送り込み、プラテンローラ505によって原稿Pを搬送する構成である。このため、プラテンローラ505とプラテン506との間に送り込める原稿Pの紙厚に制限が生じるという問題がある。
【0049】
また、上記構成においては、原稿Pの片面のみを読み取る構成が示されており、原稿Pを搬送しながら両面を読み取るための構成をどのようにすべきか明らかでないという問題がある。
【0050】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、大量の原稿を分離搬送でき、厚紙の原稿であっても効率よく原稿上の画像を読み取ることのできる画像読取装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0051】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像読取装置は、上記課題を解決するために、原稿を載置する原稿載置手段と、上記原稿載置手段に載置された上記原稿を1枚ずつ取り出す原稿供給手段と、上記原稿供給手段によって取り出された上記原稿を搬送する湾曲搬送経路と、上記原稿上の画像を読み取る画像読取手段とを備えている画像読取装置において、上記湾曲搬送経路を搬送された上記原稿のレジスト調整を行うレジスト手段が設けられている一方、上記画像読取手段は、上記レジスト手段を経た原稿の一方の面を読み取るCCD(電荷結合素子)読取手段と、上記CCD読取手段にて読み取られた上記原稿の他方の面を読み取るCIS(密着イメージセンサ)読取手段とからなるとともに、上記CCD読取手段の焦点深度の補償範囲は、CIS読取手段の焦点深度の補償範囲よりも広いことを特徴としている。
【0052】
上記の発明によれば、画像読取手段は、レジスト手段を経た原稿の一方の面を読み取るCCD読取手段と、このCCD読取手段にて読み取られた原稿の他方の面を読み取るCIS読取手段とを備えている。したがって、画像読取装置は、原稿を湾曲搬送経路からレジスト手段を介して画像読取手段に導く。そして、画像読取手段において、この原稿をCCD読取手段及びCIS読取手段の順で読み取る。
【0053】
ここで、レジスト手段とは、搬送する原稿の斜め補正及び先端を送り出すタイミングを調整するためのものである。したがって、このレジスト手段による先端調整及び斜め補正の後に画像読取を行った後、原稿の搬送動作が安定した適切な状態で、原稿の表裏の両面をそれぞれ画像読取することができる。
【0054】
そして、本発明では、CCD読取手段の焦点深度の補償範囲はCIS読取手段の焦点深度の補償範囲よりも広いので、画像読取の際には、焦点深度の補償範囲が広いCCD読取手段、及び焦点深度の補償範囲が狭いCIS読取手段の順に配置して、原稿の各面における画像を読み取っている。ここで、焦点深度とは、焦点面の前後で鮮明な画像を得ることができる範囲を意味する。
【0055】
ところで、画像読取手段による読取位置に原稿が送り出されるときには、原稿の厚みに応じて、搬送される原稿のたわみ状態は異なることになる。具体的には、レジスト手段から離れた位置においては、原稿は自由な状態となっているため、このようなたわみは生じない。一方、レジスト手段と、上記のレジスト手段から離れた位置との中間においては、原稿の厚みに応じて、たわみ状態は異なることとなる。
【0056】
すなわち、例えば斜め上方に配置されたレジスト手段から、水平面の読取位置へと原稿が送り出される場合には、レジスト手段から離れた位置において原稿は水平面に接触してたわみが生じないが、その中間点つまりレジスト手段と読み取り位置の間においては紙厚に応じて原稿の曲がり方つまり反り方が異なり、いくらかの浮きが生じる。この場合には、紙厚が厚い程、中間における浮きの量が大きくなる。
【0057】
そこで、本発明のように、生じ得るたわみの幅が大きいレジスト手段に近い側において、焦点深度が大きいCCD読取手段を配置し、生じ得るたわみが小さいレジスト手段から遠い側において、焦点深度が小さいCIS読取手段を配置すれば、いずれの読取位置においても、原稿の読取を確実にできる。
【0058】
この結果、原稿の搬送動作の安定及び原稿の確実な読取が保証されるので、大量の原稿を連続して読み取る場合であっても確実に原稿の読取を行うことができる。また、紙厚が厚い原稿を読み取る場合であっても、確実に読み取ることができる。
【0059】
したがって、大量の原稿を分離搬送でき、厚紙の原稿であっても効率よく原稿上の画像を読み取ることのできる画像読取装置を提供することができる。
【0060】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記湾曲搬送経路は、全域に渡って一定の曲率で形成されていることを特徴としている。
【0061】
すなわち、例えば、湾曲搬送経路において曲率の異なる領域が複数存在するとなると、湾曲された状態で搬送される原稿の搬送状態(条件)が湾曲搬送経路内において変化することとなり、原稿の先端ずれや斜め送り等の搬送不良の発生につながることとなる。
【0062】
この点、本発明によれば、湾曲搬送経路は、全域に渡って一定の曲率で形成されている。したがって、比較的厚い原稿であっても全域に渡って略一定の搬送条件にて湾曲搬送経路内を通過させることができるので、原稿の搬送不良の発生を防止することができる。
【0063】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記CCD読取手段は、透明な原稿載置台上に載置され、位置が固定された原稿に対して、読取位置を所定の移動読取領域において移動させることによって原稿を読み取り可能とする移動読取手段を備える一方、前記CIS読取手段は、上記移動読取手段の移動読取領域の外側に備えられていることを特徴としている。
【0064】
すなわち、例えばCIS読取手段が上記移動読取領域の内側に備えられている場合には、原稿を搬送しながら読み取る場合と位置が固定された原稿に対して移動読取手段を移動させながら読み取る場合とを切り換える際に、CIS読取手段による読取領域の分だけ余分に読取位置を移動させる必要がある。
【0065】
しかし、本発明では、CCD読取手段は、透明な原稿載置台上に載置され、位置が固定された原稿に対して、読取位置を所定の移動読取領域において移動させることによって原稿を読み取り可能とする移動読取手段を備える一方、前記CIS読取手段は、上記移動読取手段の移動読取領域の外側に備えられている。
【0066】
したがって、原稿を搬送しながら読み取る場合と位置が固定された原稿に対して移動読取手段を移動させながら読み取る場合とを切り換える際に、すぐに切り換えを行うことができる。
【0067】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記レジスト手段から送り出される原稿を案内するための第1ガイド部材が設けられるとともに、上記第1ガイド部材は、前記CCD読取手段による読取位置背面側に配され、上記原稿を上記CCD読取手段の焦点深度の範囲内において案内することを特徴としている。
【0068】
上記の発明によれば、レジスト手段から送り出される原稿を案内するための第1ガイド部材が設けられるとともに、第1ガイド部材は、CCD読取手段による読取位置背面側に配され、原稿をCCD読取手段の焦点深度の範囲内において案内する。
【0069】
したがって、例えば厚みのある原稿が読取位置に送り出された場合でも、CCD読取手段における焦点深度の補償範囲内で、原稿を無理なく案内できるので、原稿の安定した搬送及び確実な読取を保証することができる。
【0070】
なお、上記構成において、第1ガイド部材は、原稿進入側が開かれた構成であることも望ましい。
【0071】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記CCD読取手段にて読み取られた原稿を案内するための第2ガイド部材が設けられるとともに、上記第2ガイド部材は、前記CIS読取手段による読取位置に配され、上記CIS読取手段の原稿読取面と平行に設けられていることを特徴としている。
【0072】
上記の発明によれば、CCD読取手段にて読み取られた原稿を案内するための第2ガイド部材が設けられる。また、第2ガイド部材は、CIS読取手段による読取位置に配され、CIS読取手段の原稿読取面と平行に設けられている。
【0073】
したがって、CIS読取手段にて読み取りの完了した原稿を、曲げることなく排出させることができる。すなわち、原稿の読み取り状態を維持したままでCIS読取手段の読取位置から排出できるので、読取後の搬送経路の配置による原稿の搬送異常等を発生させず、かつ原稿画像の読取においてもぶれ及びひずみを発生させない。
【0074】
また、本発明の画像形成装置は、上記記載の画像読取装置を備えていることを特徴としている。
【0075】
このため、上述の画像読取装置を備えているので、種々の原稿を大量に読み取った上で、印刷を行うことができる。
【0076】
この結果、大量の原稿を分離搬送でき、厚紙の原稿であっても効率よく原稿上の画像を読み取ることのできる画像形成装置を提供することができる。
【0077】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0078】
本実施の形態の画像読取装置は、例えばデジタル複写機等の画像形成装置に設けられており、原稿載置トレイに載置された複数の原稿を一枚ずつ分離搬送し、原稿上の画像を読み取る画像読取装置である。
【0079】
上記画像読取装置1は、図1に示すように、原稿載置トレイ(原稿載置手段)2、給紙ローラ(原稿供給手段)6、原稿さばき手段7、湾曲搬送経路8、ガラス原稿台9、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)読取ユニット(画像読取手段)10、レジスト・斜行補正領域13、レジストローラ(レジスト手段)14、CIS(密着イメージセンサ)読取ユニット(画像読取手段)15、排出ローラ(排出手段)16及び排出トレイ(排出載置手段)18を備えている。
【0080】
原稿載置トレイ2は、原稿Pを載置するためのものである。上記の原稿載置トレイ2は、画像読取装置1から片持ち梁状に張り出して固定状態に設けられる載置トレイ固定部2aと、この載置トレイ固定部2aの延長上に設けられて昇降自在の電動トレイ3とからなっている。本実施の形態では、この電動トレイ3は、給紙ローラ6への原稿Pの供給をスムーズに行うために特に設けられたものとなっている。なお、同図において電動トレイ3の上側に見えているのは、画像読取装置1の後部側において、電動トレイ3の端部に立設されている側面ガイド壁3aである。
【0081】
上記の電動トレイ3は、載置トレイ固定部2aの端部にヒンジ部3bを有して回動可能に取り付けられている。一方、電動トレイ3の自由端側の下方には、この電動トレイ3における自由端側の底面を支持するレバー4がレバーシャフト4aを軸として回動可能に設けられている。そして、このレバーシャフト4aは、画像読取装置1の後側に延びており、画像読取装置1の後側に設けられた図示しないモータに例えばギア等を介して回転可能に接続されている。したがって、モータを駆動することによりレバーシャフト4aが回転し、これにより、レバーシャフト4aに固定して設けられているレバー4がこのレバーシャフト4aを中心に回動し、レバー4の先端に当接された電動トレイ3を下側から押し上げる。その結果、電動トレイ3が、ヒンジ部3bを中心として回動し、上昇移動するようになっている。なお、レバー4を逆回転させると、電動トレイ3が下降するようになっている。
【0082】
また、上記電動トレイ3には、さらに、振り子5及びセンサS1が設けられており、これら振り子5及びセンサS1によって、電動トレイ3は、原稿載置トレイ2上に原稿Pが載置されたときに、原稿Pを載せた状態で上記レバー4により上昇して給紙ローラ6への原稿Pの供給をスムーズに行うようになっている。したがって、上記電動トレイ3及びレバー4は、本発明の原稿昇降手段としての機能を有している。なお、上記振り子5の動作を含む電動トレイ3の昇降動作の詳しい説明については後述する。
【0083】
次に、給紙ローラ6は、原稿載置トレイ2に載置された原稿Pを1枚ずつ取り出して湾曲搬送経路8に供給するためのものである。原稿さばき手段7は、給紙ローラ6から供給される原稿Pを、確実に一枚ずつ湾曲搬送経路8に送り出すためのものである。
【0084】
湾曲搬送経路8は、原稿載置トレイ2から排出トレイ18まで原稿Pを搬送する経路をコンパクトにするために設けられる原稿の搬送路である。湾曲搬送経路8は、原稿Pを搬送するための送りローラR1〜R3を備えている。
【0085】
また、本実施の形態の湾曲搬送経路8は、送りローラR1から送りローラR3の位置までが、一定の曲率で湾曲した状態に形成されている。さらに、本実施の形態では、湾曲搬送経路8は、図1に示すように、画像読取装置1の設置幅19の範囲内において、内側に向かって設けられている。すなわち、本実施の形態の画像読取装置1では、原稿載置トレイ2が画像読取装置1の外側に設けられており、湾曲搬送経路8の湾曲部分が画像読取装置1の内側に向かって凸となるように湾曲している。この点で、前記従来例にて図9〜図11に示す画像読取装置100、原稿自動送り装置200、及び画像読取装置300と異なる。
【0086】
上記送りローラR1・R2は、湾曲搬送経路8において原稿Pを搬送するためのローラである。送りローラR3は、湾曲搬送経路8を介して搬送された原稿Pを、レジスト・斜行補正領域13に送り出して、レジストローラ14とともにレジスト及び斜行補正を行うためのものである。
【0087】
レジスト・斜行補正領域13は、送りローラR3とレジストローラ14との間で、原稿Pのレジスト及び斜行補正を行うために設けた領域である。レジストローラ14は、送りローラR3からレジスト・斜行補正領域13を介して送り出された原稿Pの先端を捕捉して停止させ、所定のタイミングで読取位置A1・Bへと送り出すためのものである。
【0088】
ガラス原稿台9は、図示しない例えばブック原稿をその上に載置して、CCD読取ユニット10によって画像を読み取る際の台である。CCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15は、原稿Pを読み取る画像読取手段として機能する。
【0089】
CCD読取ユニット10は、移動読取手段としての光学ユニット(露光走査装置)11及びCCD(Charge Coupled Device)12からなる。上記CCD12は、光を電気信号に変換する半導体製の受光素子である。
【0090】
上記CCD読取ユニット10は、例えば読取位置A1の画像を光学ユニット11を用いて縮小してCCD12に結像させて、原稿Pの一面を読み取るようになっている。この場合、CCD読取ユニット10は、読取位置A1において光学ユニット11を固定させたまま、搬送されている原稿Pを読み取る。
【0091】
また、CCD読取ユニット10は、ガラス原稿台9に載置した図示しない原稿に対して、光学ユニット10を読取位置A1から読取位置A2・A3まで移動させて原稿を読み取ることもできる。ただし、読取位置A2は、光学ユニット10の読取通過ポイントにしか過ぎない。すなわち、読取位置A1は、待機中のホームポジションでもあり、ガラス原稿台9にセットされた原稿Pを露光走査する際には、読取位置A1から読取位置A3の範囲内でスキャンを行う。また、このときのスキャン幅も、読取位置A1から読取位置A3の間をフルにスキャンするのではなく、原稿サイズ、記録サイズ、倍率等の関係から決定される範囲をスキャンする。
【0092】
一方、CIS読取ユニット15は、読取位置Bにおいて、搬送されている原稿Pの上記とは異なる一面を、原稿Pの搬送路と略同等の幅(最大原稿幅よりも若干広い幅)を有する図示しないリニアCCDを用いて読み取るようになっている。
【0093】
本実施の形態においては、CIS読取ユニット15の読取位置Bは、CCD読取ユニット10の読取位置A1〜A3の占める領域の外側となっている。この構成によれば、例えばCIS読取ユニット15の読取位置BがCCD読取ユニット10の読取位置A1〜A3の占める領域の内部にある場合と比較して、ガラス原稿台9に載置した図示しない原稿を読み取る際に、光学ユニット11を余分に移動させる手間を省くことができる。
【0094】
排出ローラ16は、原稿Pを排出トレイ18に排出するためのものである。排出トレイ18は、搬送されて画像が読み取られた原稿Pを排出して載置するためのものである。
【0095】
上記構成の画像読取装置1における原稿Pの読取動作について以下に説明する。
【0096】
最初に、原稿載置トレイ2上に原稿Pが載置される場合の動作について、図2ないし図4に基づいて説明する。
【0097】
まず、図2に示すように、原稿載置トレイ2上に原稿が載置されていない状態では、振り子5の先端が、電動トレイ3の載置面上に表れている。すなわち、振り子5は、電動トレイ3に回動自在に回動軸5aによって軸支されており、シーソーのように揺動自在となっているとともに、回動軸5aから各端部へのアームの距離が互いに異なっている。したがって、電動トレイ3に原稿Pが載置されていないときには、振り子5の短い方のアームの先端が電動トレイ3の載置面上に表れるようになっている。そして、原稿載置トレイ2上に原稿Pが載置されることによって、図3に示すように、振り子5の先端が原稿Pによって上記の載置面下に押し込まれる。これにより、振り子5が回動軸5aを中心として回動し、振り子5の他端がセンサS1に当接するので、このセンサS1によって振り子5の回動が検知され、原稿載置トレイ2上に原稿Pが載置されたと判断される。
【0098】
その結果、図4に示すように、所定のタイミングでレバー4がレバーシャフト4aを中心として同図において反時計回りに回転し、それとともにレバー4の端部が電動トレイ3の底面を押し上げ、電動トレイ3が回動して上昇する。電動トレイ3は、原稿載置トレイ2の上面にセットされた原稿Pの束の最上面が給紙ローラ6に接触し、給紙ローラ6への原稿Pの供給がスムーズに行える位置で停止するようになっている。すなわち、給紙ローラ6に備えられたセンサS2を用いて、原稿Pの束の最上面による給紙ローラ6への押圧が検出され、これにより所定の押圧状態で電動トレイ3が停止するようになっている。また、このように電動トレイ3を上昇させて原稿Pを給紙ローラ6に接触させることができるので、原稿Pは、給紙ローラ6に対して常に平行な状態が維持される。
【0099】
図1に戻ると、この状態において図示しないスイッチにより原稿Pの読み込み開始信号が入力されると、給紙ローラ6は回転駆動して、原稿Pを1枚ずつ湾曲搬送経路8に順次供給する。
【0100】
なお、電動トレイ3が上昇して所定の位置で停止した後に、一定時間にわたって上記した原稿Pの読み込み開始信号が入力されなかった場合には、電動トレイ3は所定のレベルまで降下する。
【0101】
給紙ローラ6から供給された原稿Pは、原稿さばき手段7にて確実に1枚ずつに分離されて、湾曲搬送経路8へと送り出される。仮に、給紙ローラ6によって複数枚の原稿が供給された場合であっても、原稿さばき手段7によって、原稿載置トレイ2上において最も上に位置していた原稿Pの1枚のみを確実に送り出すことができる。
【0102】
上記原稿さばき手段7によって分離された1枚の原稿Pは、センサS3によって、上記原稿さばき手段7によりさばかれた原稿Pの到達が検知される。その後、原稿Pは、送りローラR1によって湾曲搬送経路8に導かれる。
【0103】
上記湾曲搬送経路8は、原稿載置トレイ2に通常セットされ得るものであってかつメーカーが保証できるような原稿Pを安定して搬送できるように、搬送中の原稿Pが所定の範囲の曲率となるように設計されている。したがって、例えば、こしのある厚紙の原稿Pを用いる場合にも、湾曲搬送経路8は搬送中の原稿Pを緩やかな曲率にて支障なく搬送することができるようになっている。
【0104】
また、湾曲搬送経路8においては、さらに、従動ローラからなる送りローラR2を介して原稿Pが送り出される。湾曲搬送経路8の出口付近においては、センサS4によって、湾曲搬送経路8を経由した原稿Pの搬送状態を検出し、原稿Pが問題なく搬送されてきたかどうかを確認する。そして、送りローラR3によって、レジスト・斜行補正領域13に原稿Pを送り出す。
【0105】
原稿Pの先端がレジスト・斜行補正領域13を通過し、レジストローラ14の手前に配置されたセンサS5によってその先端部分が検出されると、レジストローラ14を停止させたままの状態でさらに送りローラR3によって原稿Pが送り出される。これにより、所定の時間にわたって、レジスト・斜行補正領域13において、レジスト及び斜行の補正が行われる。
【0106】
このレジスト・斜行補正領域13は、上述のレジスト及び斜行の補正が行われる際に、送りローラR3とレジストローラ14との間において原稿Pが略直線状となるように設計されている。具体的には、レジスト・斜行補正領域13の上下にはガイド面が設けられている。また、上ガイド面13aは、断面が逆V字状に形成されており、これによって、搬送経路の上側に空間ができるようになっている。
【0107】
したがって、例えばこしのある厚手の原稿Pを搬送する場合においても、上方に開放された空間を用いて原稿Pに撓みを形成させ、レジスト補正後の原稿Pが待機中もその補正後の状態を維持するようになっている。したがって、確実にレジスト及び斜行の補正を行うことができる。
【0108】
具体的には、回転停止したレジストローラ14のニップ部分に原稿Pの先端が到達しても、その上流側つまり湾曲搬送経路8の出口に設けられた送りローラR3は、原稿Pの搬送を継続する。この送りローラR3は、一方の駆動ローラに対して他方の従動ローラが圧接した一対のローラとなっており、先端がレジストローラ14によって規制された原稿Pを後方から押し付けることにより、原稿Pの搬送状態が斜めになっていれば、その原稿Pを真っ直ぐになるように補正するようにしている。より詳細には、送りローラR3の従動ローラは、原稿Pを搬送できる程度の圧力で駆動ローラ側に圧接する一方、斜め送り状態にある原稿Pが補正されるときに滑る程度の圧力で原稿Pを把持している。また、本実施の形態では、原稿Pの斜め送り補正が行われた後も、原稿Pがその状態を保てるように、レジストローラ14と送りローラR3との間、つまりレジスト・斜行補正領域13において、原稿Pに撓みを形成させた状態で原稿Pを待機させる。これは、原稿Pの先端がレジストローラ14のニップに向かって、当接した状態で原稿Pの搬送再開をまっているようにしたものであり、先端調整及び斜め送り補正後も原稿Pにずれが発生しないように考慮されているものである。
【0109】
また、上記レジスト・斜行補正領域13の原稿Pの搬送方向にわたる長さ、すなわち送りローラR3とレジストローラ14と間の距離は、本実施の形態の画像読取装置1において原稿Pとして使用可能な原稿のうち、最もサイズの小さい原稿Pを考慮して設定されている。この結果、送りローラR3とレジストローラ14と間の距離は、最もサイズの小さい原稿Pが通過する際の長さよりは小さいように設定されており、これにより、最もサイズの小さい原稿Pでも確実に搬送を行えるようになっている。ただし、必ずしもこれに限らず、送りローラR3とレジストローラ14と間の距離をできるだけ長くとって、レジスト補正する際にレジスト・斜行補正領域13に送り込まれる原稿Pの領域をできるだけ広くすれば、湾曲搬送経路8中に停滞している原稿Pの後端部分が少なくなり、原稿Pの後端部分が抵抗となって補正に影響を与えることが少なくなる。
【0110】
上述したように、レジスト及び斜行の補正が行われると、次に、所定のタイミングでレジストローラ14が回転して、原稿Pを読取位置A1へと送り出すようになっている。
【0111】
読取位置A1においては、CCD読取ユニット10によって、搬送されている原稿Pの一面が読み取られる。読取位置A1にはその上側に第1ガイド部材としてのガイドG1が形成されており、搬送される原稿PはこのガイドG1によって案内される範囲内を通過するようになっている。
【0112】
ここで、CCD読取ユニット10は焦点深度の補償範囲が比較的広くなっているとともに、上記のガイドG1は、搬送される原稿が確実にCCD読取ユニット10の焦点深度の範囲内となる位置に設けられている。このため、図5に示すように、例えば、レジストローラ14から搬送される原稿Pのこしが強いことにより原稿P上の読取位置A1が高くなっても、又は、図7に示すように、原稿Pの紙厚が薄いことにより原稿P上の読取位置A1が低くなっても、読取位置A1において原稿を確実に読み取ることができる。
【0113】
次いで、レジストローラ14が原稿Pをさらに送り出すことによって、原稿Pは読取位置Bを通過する。読取位置Bにおいては、搬送されている原稿Pの、上述の一面とは逆の一面が読み取られる。また、同図に示すように、読取位置Bの下側には第2ガイド部材としてのガイドG2が形成されているので、搬送される原稿PはこのガイドG2によって案内される範囲内を通過するようになっている。なお、ガイドG2及びCCD読み取りポイントにおけるガラス板は、図2、図3、図4及び図8に示すように、CCD読取ユニット10のガラス原稿台9を延長して1枚のガラス板にて構成したり、又は、図示されていないが、CCD読み取りポイントにおけるガラス板を延長して1枚のガラス板にて構成したりすることも可能である。
【0114】
ここで、CIS読取ユニット15は、焦点深度の補償範囲が比較的狭くなっている。しかし、CIS読取ユニット15における読取位置Bは、レジストローラ14から離れているので、レジストローラ14から搬送されてくる原稿Pのたわみも少ない。したがって、この読取位置Bにおいて、原稿Pを確実に読み取ることができる。
【0115】
また、上記ガイドG2は、CIS読取ユニット15の原稿読取面と略平行に設けられているとともに、搬送される原稿PがCIS読取ユニット15の焦点深度の範囲内となるように設計されている。これにより、原稿Pの読取を確実にできる。また、読取の途中で原稿Pを折り曲げるおそれを無くすことができる。
【0116】
ここで、上述のガイドG1・G2の働きについて、図5ないし図7に基づいて補足的に説明する。
【0117】
原稿Pの紙厚が厚い場合には、図5に示すように、レジストローラ14から送り出された原稿Pはこしがあるため、比較的まっすぐ伸びている。この状態においては、レジストローラ14から近い位置の、原稿P上の読取位置A1は、前記ガラス原稿台9から離れることになる。しかしながら、本実施の形態においては、焦点深度の補償範囲が広いCCD読取ユニット10による読取位置A1を、レジストローラ14から近い位置としているので、このような厚紙の原稿Pも確実に読み取ることができる。また、ガイドG1によって原稿Pが存在する範囲がCCD読取ユニット10の焦点深度の補償範囲内に限定されるので、読取を確実にできる。
【0118】
一方、原稿Pの紙厚が普通の厚さである場合を図6に示すとともに、原稿Pの紙厚が薄い場合を図7にそれぞれ示す。これらの場合においても、CCD読取ユニット10とCIS読取ユニット15との配置関係、及びガイドG1・G2の働きによって、読取を確実にできることはもちろんである。
【0119】
図1に戻ると、上述のように読取が行われた原稿Pは、排出ローラ16によって、原稿排出点17よりも低い位置にありかつ画像読取装置1本体の側面に形成された排出トレイ18へと排出される。このとき、センサS6によって、原稿Pが排出されたか否かが確認される。
【0120】
画像読取装置1は、以上に説明した動作によって、原稿Pを原稿載置トレイ2から湾曲搬送経路8を介して読取位置A1・Bに導き、その後に排出トレイ18に排出する。
【0121】
そして、画像読取装置1は、図8に示すように、原稿載置トレイ2に載置された他の原稿Pについても、順次、上述と同様の動作によって、読取を行うようになっている。
【0122】
ここで、電動トレイ3は、原稿Pが順次搬送される毎に、上述のセンサS2の出力信号に応じて、搬送された原稿Pによって原稿載置トレイ2上の原稿Pの高さが下がった分だけ上昇する。これにより、給紙ローラ6と原稿Pの束の最上面とは所定の接触状態を保つようになっている。さらに、電動トレイ3は、原稿Pが厚紙の場合でも対応できるように、かつ大量の原稿を処理できるように、所定の位置まで下がることができる。
【0123】
また、本実施の形態においては、原稿Pを搬送する経路をコンパクトにするために設けられた湾曲搬送経路8による上下の高さ幅を利用して、電動トレイ3が、湾曲搬送経路8の出口に設けられたレジスト・斜行補正領域13の位置から湾曲搬送経路8の入口に設けられた給紙ローラ6の位置までを、上下に移動可能となっている。なお、本実施の形態において、原稿Pの湾曲した状態での搬送を補償することによって発生する湾曲搬送経路8の入口から出口までの高さが、厚手の原稿Pの搬送を補償すればするほど、湾曲搬送経路8の曲率が緩やかになり、結果として高くなってしまう。そこで、比較的厚手の原稿搬送を補償することにより発生してしまう湾曲搬送経路8の入口の高さから出口の高さまでの範囲内で上下する電動トレイ3を配置することにより、大量の原稿Pのセットが可能となっているものである。
【0124】
以上の動作が、原稿載置トレイ2上にセットされた原稿Pがなくなるまで繰り返される。読み取りが完了した原稿Pは全て排出トレイ18上に順次排出される。
【0125】
ここで、排出トレイ18は、上述のように画像読取装置1の側面に形成されている。また、排出トレイ18は、図8に示すように、原稿載置トレイ2よりも側面に突出して形成されている。このため、排出トレイ18に排出された原稿Pは、原稿載置トレイ2が妨げとなることなく、簡単に目視によって確認できる。さらに、排出トレイ18から、処理後の原稿Pを取り出す操作も簡単に行える。
【0126】
以上に説明したように、本実施の形態の画像読取装置1は、上述の構成をもつので、〔従来の技術〕欄において引用した各公報に開示された従来の構成と比較して、以下のような利点を有している。
【0127】
前述した特開平9−46472号公報に記載の原稿自動送り装置200は、図10に示す構成のため、以下のような問題がある。
【0128】
上記構成によれば、原稿載置トレイ201と排出トレイ207との水平方向の位置が重なっているため、排出された原稿Pの存在が分かり難く、原稿の取り忘れにつながるおそれがある。
【0129】
また、排出トレイ207の上方に原稿載置トレイ201が略全面を覆うように近接して形成されているために、原稿Pの取り出しに不便となる可能性があるという問題がある。
【0130】
このような設計とした理由としては、大量の原稿を扱うという課題が意識されておらず、原稿載置トレイ201にセット可能な原稿Pの枚数として50枚程度を想定していたためと考えられる。この理由によれば、上記公報記載の構成のように、デザインを優先した薄型の原稿自動送り装置200の構成であってもよい。ここで、上記構成において、単に、原稿載置トレイ201と排出トレイ207との間隔を広くすることによって大量原稿の扱いを可能とすると、原稿自動送り装置200の厚みが増大して、デザイン的に変になってしまう。
【0131】
また、上記構成によれば、湾曲搬送経路34を介してすぐに第1読取ユニット204によって原稿Pの読取を行い、その後に、その読取位置よりも高い位置にある排出トレイ207まで原稿Pを搬送して排出するようになっている。このため、第1読取ユニット204の近傍での原稿Pの搬送経路は、非常に曲率が大きくなっている。したがって、特に厚紙等のこしの強い原稿Pでは、原稿Pの搬送に無理があり、安定した搬送が保証されず、結果としてブレ等の読取画像への影響、及び原稿Pの搬送異常につながるおそれがある。
【0132】
この問題を、例えば、単に、原稿自動送り装置200のサイズを大きくすることによって、上述した読取位置近傍において搬送経路の曲率が大きい部分を解消して解決しようとする場合には、原稿自動送り装置200の設置面積が大きくなる、又は原稿自動送り装置200の高さが高くなるという問題が生じてしまう。
【0133】
また、上記の構成において、単に、原稿載置トレイ201に給紙可能な原稿Pの枚数を増やしたとしても、給紙ローラ202による原稿Pの一枚ずつの供給を安定して行えないというおそれがある。これは、原稿載置トレイ201上の供給するべき原稿Pの位置が原稿Pの搬送に伴って次第に下がる一方、上述のように、大量原稿を給紙可能とした場合にはこの下がる長さが非常に大きくなり得るためである。
【0134】
このように、原稿自動送り装置200は、大量の原稿Pを連続して処理できないという課題と、厚紙の原稿Pの搬送が安定しないおそれがあるという課題を合わせて抱えている。
【0135】
また、前述した特開平11−32164号公報に記載の画像読取装置300は、図11に示す構成のため、以下のような問題がある。
【0136】
すなわち、上記構成によれば、原稿Pは、所定の曲率の湾曲搬送経路303から搬送コロ309によって読取位置Eに送り出されるようになっている。この送り出しにおいては、読取位置Eに搬送される原稿Pをガイド部材等によって抑え込むようになっており、こしの強い原稿Pの場合にガイド部材との摩擦による負荷(抵抗)が発生し、読取位置Eにおける原稿Pの搬送状態に問題が生じるおそれがある。
【0137】
また、上記構成によれば、読取位置Fにおいて読み取った原稿Pを、搬送経路を介して原稿排出点311から排出するようになっている。このため、読取位置Fの平面と原稿排出点311までの搬送経路との間で、大きな曲率をもつ遷移領域が形成されてしまう。こしの強い原稿Pの搬送において、上記遷移領域での摩擦による負荷(抵抗)が発生し、読取位置Fにおける原稿Pの搬送状態に影響を生じるおそれがある。また、大量の原稿Pを扱う場合には原稿排出点311の高さをさらに高くする必要があるので、原稿Pの搬送状態がさらに問題を生じるおそれがある。
【0138】
また、上記構成においては、原稿Pを搬送しながら読み取る際の第1読取手段304の読取位置Eとガラス原稿台310上に載置された図示しない原稿を読み取る際の第1読取手段304の読取位置との間に、第2読取手段305の読取位置Fが設けられている。このため、例えば、原稿Pを搬送しながら読み取った後に、読取モードを切り換えて、ガラス原稿台310上に載置された図示しない原稿を読み取る場合には、読取位置Fが設けられた領域分だけ光学ユニット307を余分に搬送する必要がある。このため、読取モードの切り換えに余分な時間を必要とする問題がある。
【0139】
また、前述した特開平11−27444号公報に記載の原稿読取り装置410を備えた複写装置400においては、図12に示す構成のため、以下のような問題がある。
【0140】
すなわち、上記の構成によれば、原稿載置トレイ401と排出トレイ407との水平方向の位置が重なっているため、排出された原稿Pの存在が分かり難く、原稿Pの取り忘れにつながるおそれがある。
【0141】
また、排出トレイ上407に原稿載置トレイ401が略全面を覆うように近接して形成されているために、原稿Pの取り出しが不便であるという問題がある。また、大量の原稿を扱おうとする場合には、装置本体の大型化につながってしまうという問題がある。
【0142】
また、上記構成によれば、分離ローラ404による湾曲した形状の原稿搬送路から、一気に読取位置へと原稿Pが送り出されるようになっているので、厚紙等のこしの強い原稿Pを搬送する場合に、搬送状態に問題が生じたり、原稿の斜め搬送、先端ずれ等の問題が発生したりするおそれがある。
【0143】
また、上記構成によれば、ブックスキャナ部405及びCIS406によって原稿画像を読み取った後に、水平でなく斜めに形成された排出トレイ407に原稿Pを送り出すようになっているので、原稿Pが原稿排出点近傍の曲率の大きい領域を通過する際に折れ曲がり、ブックスキャナ部405及びCIS406による読取に影響を与えるおそれがある。
【0144】
また、前述した特開平8−34542号公報に記載の画像読取り装置の原稿搬送装置500においては、図13に示す構成のため、以下のような問題がある。
【0145】
すなわち、上記構成によれば、レジストローラ装置504によってプラテンローラ505とプラテン506との間に原稿Pを送り込む構成なので、プラテンローラ505とプラテン506との間に送りこめる原稿Pの紙厚に制限が生じるという問題がある。
【0146】
また、排出トレイ509上に原稿載置トレイ501が覆うように近接して形成されているために、原稿Pの取り出しが不便である。また、大量の原稿Pを扱おうとする場合には、原稿搬送装置500の設置面積が大きくなるか又は原稿搬送装置500の高さが高くなるという問題が生じる。
【0147】
また、上記の構成によれば、単に、原稿載置トレイ501に給紙可能な原稿Pの枚数を増やしたとしても、給紙ローラ502による原稿Pの一枚ずつの供給が、安定してなされないおそれがある。これは、原稿載置トレイ501上の供給するべき原稿Pの位置は原稿Pの搬送に伴って次第に下がる一方で、上述のように大量の原稿Pを給紙可能とした場合にはこの下がる長さが非常に大きくなり得るためである。
【0148】
また、上記構成によれば、湾曲搬送経路503からプラテンローラ505を介して、読取位置よりも高い位置にある排出トレイ509に原稿Pを排出するようになっている。このため、プラテンローラ505近傍の搬送領域においては大きな曲率となる部分が生じており、こしの強い原稿Pの搬送において上記部分での摩擦による負荷(抵抗)が発生し、読取位置における原稿Pの搬送状態に影響を生じるおそれがある。
【0149】
一方、本実施の形態の画像読取装置1においては、上述した問題は、以下のように解決されている。
【0150】
すなわち、図1に示すように、排出トレイ18は原稿載置トレイ2よりも画像読取装置1の側面に突出して形成されているので、視認性が向上して、排出された原稿Pの存在を容易に確認でき、また、原稿Pの取り忘れ等を防止できる。
【0151】
また、原稿Pの取り出しも容易となる。さらには、大量原稿の取り扱いを可能とした場合であっても、画像読取装置1のサイズを不必要に増大させることがない。
【0152】
また、上記構成においては、レジスト・斜行補正領域13を設けた上で、略水平方向に原稿Pを搬送して排出するので、原稿Pの搬送経路はあまり曲率を持たないような構成となっている。これにより、厚紙等のこしの強い原稿Pであっても、原稿Pの安定した搬送を確実に行って、ブレ等の読取画像への影響及び原稿Pの搬送異常等を確実に防ぐことができる。
【0153】
また、上記構成によれば、原稿載置トレイ2上の原稿Pが1枚ずつ搬送されるに伴って、上述したように電動トレイ3が上昇するので、大量原稿を扱う場合でも給紙ローラ6への供給を確実にできる。
【0154】
また、CIS読取ユニット15の読取位置Bは、CCD読取ユニット10の読取位置A1〜A3の占める領域の外側となっているので、上述のようなモード切り換えの場合に、光学ユニット11を余分に移動させることなく、すばやくモード切り換えを行うことができる。
【0155】
また、図1に示すように、原稿Pは、レジストローラ14からCCD読取ユニット10の読取面とガイドG1との間の空間、及びCIS読取ユニット15とガイドG2との間の空間に送り込まれるようになっており、この空間は原稿Pが自由に移動できるように余裕を持って設計されているので、読取位置A1・Bに送り込む原稿Pの紙厚に実際上の制限はない。
【0156】
以上のように、本発明に係る画像読取装置1によれば、厚紙原稿であっても確実に搬送でき、また大量の原稿を処理することが可能となる。
【0157】
また、本実施の形態では、上記画像読取装置1は、画像形成装置としての例えばデジタル複写機に備えられている。具体的には、デジタル複写機は、デジタル複写機本体の上部に上記画像読取装置1を備え、下部に画像形成のための印刷部を備えて構成される。上記印刷部は、印刷シートを備えている用紙トレイから印刷シートを1枚ずつ用紙搬送路へと供給して、読み取った原稿Pの画像を図示しない画像形成部にて印刷シートに印刷し、シート排出トレイへと排出するようになっている。
【0158】
なお、上述の説明では、画像読取装置1を備えた画像形成装置としてのデジタル複写機について説明したが、必ずしもこれに限らず、例えば、画像読取装置1を画像形成装置としてのプリンタ(画像記録装置)や該画像読取装置1にて読み取った原稿Pの画像をネットワークに接続される他の画像形成装置としてのプリンタ(画像記録装置)に送信して印刷することが可能である。後者の場合、画像読取装置1は、ネットワークスキャナとして機能することになる。
【0159】
このように、本実施の形態の画像読取装置1では、画像読取手段は、レジストローラ14を経た原稿Pの一方の面を読み取るCCD読取ユニット10と、このCCD読取ユニット10にて読み取られた原稿Pの他方の面を読み取るCIS読取ユニット15とを備えている。したがって、画像読取装置1は、原稿Pを湾曲搬送経路8からレジストローラ14を介してCCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15に導く。そして、CCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15において、この原稿PをCCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15の順で読み取る。
【0160】
ここで、レジストローラ14及び送りローラR3は、搬送する原稿Pの斜め補正及び先端を送り出すタイミングを調整するためのものである。したがって、このレジストローラ14及び送りローラR3による先端調整及び斜め補正の後に画像読取を行った後、原稿Pの搬送動作が安定した適切な状態で、原稿Pの表裏の両面をそれぞれ画像読取することができる。
【0161】
そして、本実施の形態では、CCD読取ユニット10におけるCCD12の焦点深度の補償範囲はCIS読取ユニット15の焦点深度の補償範囲よりも広いので、画像読取の際には、焦点深度の補償範囲が広いCCD読取ユニット10におけるCCD12の、及び焦点深度の補償範囲が狭いCIS読取ユニット15の順に配置して、原稿Pの各面における画像を読み取っている。ここで、焦点深度とは、焦点面の前後で鮮明な画像を得ることができる範囲を意味する。
【0162】
ところで、CCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15による読取位置に原稿Pが送り出されるときには、原稿Pの厚みに応じて、搬送される原稿Pのたわみ状態は異なることになる。具体的には、レジストローラ14から離れた位置においては、原稿Pは自由な状態となっているため、このようなたわみは生じない。一方、レジストローラ14と、上記のレジストローラ14から離れた位置との中間においては、原稿Pの厚みに応じて、たわみ状態は異なることとなる。
【0163】
すなわち、例えば斜め上方に配置されたレジストローラ14から、水平面の読取位置へと原稿Pが送り出される場合には、レジストローラ14から離れた位置において原稿Pは水平面に接触してたわみが生じないが、その中間点つまりレジストローラ14と読取位置Bとの間においては紙厚に応じて原稿Pの曲がり方つまり反り方が異なり、いくらかの浮きが生じる。この場合には、紙厚が厚い程、中間における浮きの量が大きくなる。
【0164】
そこで、本実施の形態のように、生じ得るたわみの幅が大きいレジストローラ14に近い側において、焦点深度が大きいCCD読取ユニット10のCCD12の読取位置A1を配置し、生じ得るたわみが小さいレジストローラ14から遠い側において、焦点深度が小さいCIS読取ユニット15を配置すれば、いずれの読取位置A1・Bにおいても、原稿Pの読取を確実にできる。
【0165】
この結果、原稿Pの搬送動作の安定及び原稿の確実な読取が保証されるので、大量の原稿Pを連続して読み取る場合であっても確実に原稿Pの読取を行うことができる。また、紙厚が厚い原稿Pを読み取る場合であっても、確実に読み取ることができる。
【0166】
したがって、大量の原稿Pを分離搬送でき、厚紙の原稿Pであっても効率よく原稿P上の画像を読み取ることのできる画像読取装置1を提供することができる。
【0167】
ここで、従来の画像読取装置の構成においては、CCD読取ユニット10及びCIS読取ユニット15からなる画像読取手段に対して湾曲搬送経路8から原稿Pを搬送する場合に、レジストローラ14及び送りローラR3が設けられていなかったので、原稿Pの搬送状態が不安定となり、原稿Pの斜め送り等の問題が発生するおそれがある。
【0168】
また、例えば、CCD読取ユニット10からなる画像読取手段とレジストローラ14とを含んでいる構成であっても、通過し得る紙厚に制限のある読取位置を介して、原稿Pが搬送される構成になっていた。このため、厚紙の原稿Pは読み取ることができないという問題がある。
【0169】
一方、本実施の形態の画像読取装置1によれば、上記のように、大量の原稿Pを、厚紙の原稿Pであっても確実に読み取ることができる。
【0170】
また、本実施の形態の画像読取装置1では、湾曲搬送経路8は、全域に渡って一定の曲率で形成されている。
【0171】
すなわち、例えば、湾曲搬送経路8において曲率の異なる領域が複数存在するとなると、湾曲された状態で搬送される原稿Pの搬送状態(条件)が湾曲搬送経路8内において変化することとなり、原稿Pの先端ずれや斜め送り等の搬送不良の発生につながることとなる。
【0172】
この点、本実施の形態では、湾曲搬送経路8は、全域に渡って一定の曲率で形成されているので、比較的厚い原稿Pであっても全域に渡って略一定の搬送条件にて湾曲搬送経路8内を通過させることができる、原稿Pの搬送不良の発生を防止することができる。
【0173】
ところで、例えばCIS読取ユニット15が光学ユニット11の移動読取領域の内側に備えられている場合には、原稿Pを搬送しながら読み取る場合と、位置が固定された原稿Pに対して光学ユニット11を移動させながら読み取る場合とを切り換える際に、CIS読取ユニット15による読取領域の分だけ余分に読取位置を移動させる必要がある。
【0174】
しかし、本実施の形態では、CCD読取ユニット10は、透明なガラス原稿台9上に載置され、位置が固定された原稿Pに対して、読取位置を所定の移動読取領域において移動させることによって原稿Pを読み取り可能とする光学ユニット11を備える一方、CIS読取ユニット15は、光学ユニット11の移動読取領域の外側に備えられている。
【0175】
したがって、原稿Pを搬送しながら読み取る場合と位置が固定された原稿Pに対して光学ユニット11を移動させながら読み取る場合とを切り換える際に、すぐに切り換えを行うことができる。
【0176】
また、本実施の形態の画像読取装置1では、レジストローラ14から送り出される原稿Pを案内するためのガイドG1が設けられるとともに、ガイドG1は、CCD読取ユニット10による読取位置A1の背面側に配され、原稿PをCCD読取ユニット10のCCD12における焦点深度の範囲内において案内する。
【0177】
したがって、例えば厚みのある原稿Pが読取位置A1に送り出された場合でも、CCD読取ユニット10のCCD12における焦点深度の範囲内で、原稿Pを無理なく案内できるので、原稿Pの安定した搬送及び確実な読取を保証することができる。
【0178】
なお、上記構成において、ガイドG1は、原稿Pの進入側が開かれた構成であることも望ましい。
【0179】
また、本実施の形態の画像読取装置1では、CCD読取ユニット10にて読み取られた原稿Pを案内するためのガイドG2が設けられる。また、ガイドG2は、CIS読取ユニット15による読取位置Bに配され、CIS読取ユニット15の原稿読取面と平行に設けられている。
【0180】
したがって、CIS読取ユニット15にて読み取りの完了した原稿Pを、曲げることなく排出させることができる。すなわち、原稿Pの読み取り状態を維持したままでCIS読取ユニット15の読取位置Bから排出できるので、読取後の搬送経路の配置による原稿Pの搬送異常等を発生させず、かつ原稿画像の読取においてもぶれ及びひずみを発生させない。
【0181】
また、本実施の形態のデジタル複写機は、上記の画像読取装置1を備えているので、種々の原稿を大量に読み取った上で、印刷を行うことができる。
【0182】
この結果、大量の原稿Pを分離搬送でき、厚紙の原稿Pであっても効率よく原稿P上の画像を読み取ることのできるデジタル複写機を提供することができる。
【0183】
【発明の効果】
本発明の画像読取装置は、以上のように、湾曲搬送経路を搬送された上記原稿のレジスト調整を行うレジスト手段が設けられている一方、上記画像読取手段は、上記レジスト手段を経た原稿の一方の面を読み取るCCD(電荷結合素子)読取手段と、上記CCD読取手段にて読み取られた上記原稿の他方の面を読み取るCIS(密着イメージセンサ)読取手段とからなるとともに、上記CCD読取手段の焦点深度の補償範囲は、CIS読取手段の焦点深度の補償範囲よりも広いものである。
【0184】
それゆえ、画像読取装置は、原稿を湾曲搬送経路からレジスト手段を介して画像読取手段に導く。そして、画像読取手段において、この原稿をCCD読取手段及びCIS読取手段の順で読み取る。したがって、このレジスト手段による先端調整及び斜め補正の後に画像読取を行った後、原稿の搬送動作が安定した適切な状態で、原稿の表裏の両面をそれぞれ画像読取することができる。
【0185】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記湾曲搬送経路は、全域に渡って一定の曲率で形成されているものである。
【0186】
それゆえ、比較的厚い原稿であっても全域に渡って略一定の搬送条件にて湾曲搬送経路内を通過させることができるので、原稿の搬送不良の発生を防止することができるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明では、CCD読取手段の焦点深度の補償範囲はCIS読取手段の焦点深度の補償範囲よりも広いので、生じ得るたわみの幅が大きいレジスト手段に近い側において、焦点深度が大きいCCD読取手段を配置し、生じ得るたわみが小さいレジスト手段から遠い側において、焦点深度が小さいCIS読取手段を配置して、いずれの読取位置においても、原稿の読取を確実にできる。
【0188】
この結果、大量の原稿を分離搬送でき、厚紙の原稿であっても効率よく原稿上の画像を読み取ることのできる画像読取装置を提供することができるという効果を奏する。
【0189】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記CCD読取手段は、透明な原稿載置台上に載置され、位置が固定された原稿に対して、読取位置を所定の移動読取領域において移動させることによって原稿を読み取り可能とする移動読取手段を備える一方、前記CIS読取手段は、上記移動読取手段の移動読取領域の外側に備えられているものである。
【0190】
それゆえ、CIS読取手段は、上記移動読取手段の移動読取領域の外側に備えられているので、原稿を搬送しながら読み取る場合と位置が固定された原稿に対して移動読取手段を移動させながら読み取る場合とを切り換える際に、すぐに切り換えを行うことができるという効果を奏する。
【0191】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記レジスト手段から送り出される原稿を案内するための第1ガイド部材が設けられるとともに、上記第1ガイド部材は、前記CCD読取手段による読取位置背面側に配され、上記原稿を上記CCD読取手段の焦点深度の範囲内において案内するものである。
【0192】
それゆえ、例えば厚みのある原稿が読取位置に送り出された場合でも、CCD読取手段における焦点深度の補償範囲内で、原稿を無理なく案内できるので、原稿の安定した搬送及び確実な読取を保証することができるという効果を奏する。
【0193】
また、本発明の画像読取装置は、上記記載の画像読取装置において、前記CCD読取手段にて読み取られた原稿を案内するための第2ガイド部材が設けられるとともに、上記第2ガイド部材は、前記CIS読取手段による読取位置に配され、上記CIS読取手段の原稿読取面と平行に設けられているものである。
【0194】
それゆえ、CIS読取手段にて読み取りの完了した原稿を、曲げることなく排出させることができる。すなわち、原稿の読み取り状態を維持したままでCIS読取手段の読取位置から排出できるので、読取後の搬送経路の配置による原稿の搬送異常等を発生させず、かつ原稿画像の読取においてもぶれ及びひずみを発生させないという効果を奏する。
【0195】
また、本発明の画像形成装置は、上記記載の画像読取装置を備えているものである。
【0196】
それゆえ、大量の原稿を分離搬送でき、厚紙の原稿であっても効率よく原稿上の画像を読み取ることのできる画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像読取装置の実施の一形態の構成を示す構造図である。
【図2】上記画像読取装置において、原稿載置トレイに原稿が載置されていない状態を示す構造図である。
【図3】上記画像読取装置において、原稿載置トレイに原稿が載置され原稿の重みで電動トレイが下降した状態を示す構造図である。
【図4】上記画像読取装置において、原稿載置トレイに原稿が載置され下降した電動トレイをレバーにて持ち上げた状態を示す構造図である。
【図5】上記画像読取装置における読取位置A1に厚紙の原稿が通るときの状態を示す要部拡大である。
【図6】上記画像読取装置における読取位置A1に普通紙の原稿が通るときの状態を示す要部拡大である。
【図7】上記画像読取装置における読取位置A1に薄い原稿が通るときの状態を示す要部拡大である。
【図8】上記画像読取装置における排出トレイに原稿が排出された状態を示す構造図である。
【図9】従来の画像読取装置の基本構成を示す構造図である。
【図10】従来の他の画像読取装置の構成を示す構造図である。
【図11】従来のさらに他の画像読取装置の構成を示す構造図である。
【図12】従来のさらに他の画像読取装置の構成を示す構造図である。
【図13】従来のさらに他の画像読取装置の構成を示す構造図である。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 原稿載置トレイ(原稿載置手段)
3 電動トレイ
3b ヒンジ部
4 レバー
6 給紙ローラ(原稿供給手段)
8 湾曲搬送経路
9 ガラス原稿台(原稿載置台)
10 CCD読取ユニット(画像読取手段、CCD読取手段)
11 光学ユニット(移動読取手段)
12 CCD12
13 レジスト・斜行補正領域
14 レジストローラ(レジスト手段)
15 CIS読取ユニット(画像読取手段、CIS読取手段)
16 排出ローラ(排出手段)
18 排出トレイ(排出載置手段)
A1 読取位置
B 読取位置
G1 ガイド(第1ガイド部材)
G2 ガイド(第2ガイド部材)
P 原稿
R3 送りローラ(レジスト手段)
Claims (2)
- 原稿を載置する原稿載置手段と、上記原稿載置手段に載置された上記原稿を1枚ずつ取り出す原稿供給手段と、上記原稿供給手段によって取り出された上記原稿を搬送する湾曲搬送経路と、上記湾曲搬送経路を介して搬送される原稿上の画像を読み取る画像読取手段とを備えている画像読取装置において、
上記画像読取手段の読取位置の手前には、湾曲搬送経路を介して搬送された上記原稿のレジスト調整を行い、このレジスト調整された原稿を上記読取位置へ搬送すべく、該読取位置に最も近い位置に存在する搬送手段として成るレジスト手段が設けられ、かつ上記画像読取手段の読取位置には、上記レジスト手段を介して搬送される原稿の一方の面が当接する1枚で構成されたガラス板が設けられ、
上記画像読取手段は、上記レジスト手段を経て上記ガラス板に当接した原稿の一方の面を読み取るCCD(電荷結合素子)読取手段と、上記CCD読取手段にて読み取られた上記原稿の他方の面を読み取るCIS(密着イメージセンサ)読取手段とからなるとともに、
上記CCD読取手段の焦点深度の補償範囲は、CIS読取手段の焦点深度の補償範囲よりも広いことを特徴とする画像読取装置。 - 前記レジスト手段から送り出される原稿を前記ガラス板面側に向かって案内するための第1ガイド部材が設けられるとともに、
上記第1ガイド部材は、前記CCD読取手段による読取位置背面側に配され、上記原稿を上記CCD読取手段の焦点深度の範囲内において案内することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
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