JP4196261B2 - 伸縮嵩高性短繊維織編物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵩高性に優れた短繊維織編物に関し、さらに詳しくは、スポーツインナーニット、スポーツアウターニット、カジュアルニット、セーター、ジャケット、パンツ、スカート、ユニフォーム、芯地、タオル、スカーフ、腹巻、靴下、クッション側地等に最適なバルキーで保温性、軽量、吸水速乾性等に優れるとともに、優れた抗ピル性を有するポリエステル系短繊維織編物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリエステル短繊維を用いた織編物は抗ピリング性(以下、抗ピル性とも表記)がなく、特に編物においてはその欠点が用途拡大の大きな障害となっている。しかしながら、カジュアルニットや学生用体育衣料、通学用衣料等にはエステル綿混紡ニット等はその低コスト性や生地の汎用性から抗ピル性が不十分なまま用途展開されているのが実状である。このような背景下、高品位で、かつソフト、バルキー、清涼感、または保温性、吸水速乾性等の快適性が付加されたポリエステル織編物は益々希求されており、これらの要求を満たすために、変性ポリエステル繊維を用いた紡績糸や結束紡績等による抗ピル性織編物が提案されているが、これらも以下の理由で十分な性能、特性を備えるものにはなっていない。
【0003】
即ち、有機スルホン酸塩基含有化合物共重合ポリエステル繊維やリン含有化合物共重合ポリエステル繊維等の変性ポリエステル繊維は、レジン物性や紡糸、延伸工程などで繊維強度を低下させ、更には染色仕上げ工程で酸またはアルカリ浴中で加水分解して繊維強度(結節強度)を低下させ、生地表面の毛羽を脱落しやすくするものである(例えば、特許文献1、2)。しかし、このような変性ポリエステル繊維、特に有機スルホン酸塩基含有化合物共重合ポリエステル繊維においては、一般的な丸断面形状の繊維形態でさえも紡糸中に金属塩が析出し易く、紡糸性が悪く、異型断面繊維の紡出は尚更に困難さを増す。かつ繊維強度が弱いため紡績性が劣る欠点を有する。可紡性を向上させるために繊維強度を上げると、抗ピル性を得るためには染色加工工程で繊維強度を低下させることが必要であり、この染色加工で一定の品質を保つためには、厳密な加工管理が必要であり、製造工程が煩雑になる欠点がある。
【0004】
このような変性ポリエステル繊維の染色加工において、処理液をpH3〜4等の強酸性サイドで行なう場合は、処理中の液pHの変化、バッチ間差を最小に制御することは困難であり、制御が不十分であれば生地の脆化や変色が発生し、実用生地強力低下や品位低下につながり、著しく製品価値を損ねてしまう。また、このような変性ポリエステル繊維で構成された生地は、染色加工品揚がりで糸または生地の強力低下のため、再染色加工が不可能で、極めて不経済である。また、これら変性ポリエステルと綿等の他繊維との混紡糸は変性ポリエステル100%紡績糸の場合と異なり、弱い繊維が強い繊維に絡みつく構造になり、一般に抗ピル性を悪化させる傾向にある。
また、サイドバイサイド型潜在捲縮繊維を用いた伸縮性紡績糸は遍く知られている。(例えば、特許文献3など)この素材は捲縮を発現させるために液流染色機等で揉布処理を行なう必要があり、その際に生地表面上に多くの毛羽玉が発生する。そのため毛焼き及びアルカリ減量加工等により除去する工程が不可欠である。このような理由でシルク、ウール、アクリル、プロミックス、レーヨン、スパンデックス等のアルカリ耐性のない素材との混紡や交編織は不可能であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−173718号公報(請求項1など)
【特許文献2】
特開平8−13274号公報(請求項1など)
【特許文献3】
特開平6−287809号公報(請求項1など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、抗ピリング性(抗ピル性)で、かつ伸縮性で嵩高性に優れた短繊維織編物を提供しようとするものであり、抗ピル性を得るための特別な毛焼き、アルカリ減量加工などの必要がなく、紡糸、紡績さらには染色加工時の製造トラブルの発生が少なく、熱水処理などの簡単な処理だけで、かつエア交絡紡績糸でありながらソフトなバルキー性と抗ピル性とを合わせ持つ伸縮嵩高性に優れたポリエステル系短繊維織編物を得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成からなる。
1.下記(1)式を満足するエア交絡紡績糸を用いた織編物であり、該織編物中のエア交絡紡績糸が、熱処理されて捲縮を発現し、かつ繊度1.0〜6.0dtexのサイドバイサイド型捲縮短繊維を少なくとも10質量%含有してなり、抗ピリング性が3級以上であることを特徴とする伸縮嵩高性短繊維織編物。
0.4Y≦X≦2.5Y ・・・・・・ (1)式
X:長さ1mm以上の毛羽の10m当りの本数
Y:紡績糸の断面繊維本数
紡績糸の断面繊維本数:5315×1.11÷(英式綿番手×単繊維のdtex)
2.前記エア交絡紡績糸が沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)が4%以下の低収縮短繊維を少なくとも10質量%含有することを特徴とする第1に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物。
3.前記の捲縮短繊維又は/及び低収縮短繊維が、中空率5%以上の中空断面又は繊維断面外周上に一個以上の突起部を有する異型度1.8以上の異型断面のポリエステル系短繊維であることを特徴とする第1又は2に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物。
4.繊度0.8〜4.0dtexのサイドバイサイド型潜在捲縮短繊維を少なくとも10質量%含有するエア交絡紡績糸であり、かつ該紡績糸の毛羽数(X)と該紡績糸の断面繊維本数(Y)との関係が下記(1)式を満足するエア交絡紡績糸を用いて織編物とし、次いで該織編物を熱収縮させることを特徴とする伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
0.4Y≦X≦2.5Y ・・・・・・ (1)式
X:長さ1mm以上の毛羽の10m当りの本数
Y:紡績糸の断面繊維本数
紡績糸の断面繊維本数:5315×1.11÷(英式綿番手×単繊維のdtex)
5.前記潜在捲縮短繊維が沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)20%以上であることを特徴とする第4に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
6.前記エア交絡紡績糸が、沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)4%以下の低収縮短繊維を90〜10質量%、沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)20%以上の潜在捲縮短繊維を10〜90質量%含有することを特徴とする第4又は5に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
7.前記の潜在捲縮短繊維又は/及び低収縮短繊維が、中空率8%以上の中空断面または繊維断面外周上に一個以上の突起部を有する異型度1.8以上の異型断面のポリエステル系短繊維であることを特徴とする第4〜6のいずれかに記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
【0008】
本発明は熱収縮特性の大きなサイドバイサイド型潜在捲縮短繊維をエア交絡紡績糸として利用するものであり、特に潜在捲縮ポリエステル短繊維を他の繊維と混紡してエア交絡紡績糸形態にした後、織編物形態にて熱処理を施して十分な収縮を発現させ、繊維間に空隙を多く設ける糸構造にすることで、交絡繊維間の変形に対する柔軟性を高め、嵩性とソフト感及び伸縮性を付与するものである。更に染色加工時に繊維毛羽玉の原因となる潜在捲縮性繊維の多くを紡績糸内層部に閉じ込める構造にすることで毛羽玉発生を抑制し、特別な毛焼きやアルカリ減量加工などを施すことなく生地品位の改善を図るものである。
なお、以下、特に断わらない限り、繊維とは短繊維を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明におけるサイドバイサイド型潜在捲縮短繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのホモポリエステルや該ポリエステルを基本骨格とし、第3、第4成分などが共重合された共重合ポリエステルなどから得られるポリエステル系潜在捲縮繊維が好ましい。例えば、一方の成分(A)が汎用のホモポリエステルで他方の成分(B)がその共重合ポリエステルの組み合わせであり、(A)/(B)の質量比率が45/55から55/45の程度の範囲であるサイドバイサイド型複合繊維等が採用される。
【0010】
本発明における共重合ポリエステルの共重合成分として、熱収縮応力や熱収縮率の点からイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどの酸やグリコール成分を適宜選択して使用されるが、その共重合量は、高融点タイプでは4〜18モル%が好ましく、より好ましくは、5〜12モル%の範囲であり、低高融点タイプでは12〜40モル%が好ましく、より好ましくは、18〜30モル%の範囲である。共重合量が4モル%未満では繊維の収縮が不十分になり、また40モル%を超えると、後加工時に応力緩和が起き易く、収縮力、原綿強力、熱安定性が低下する傾向がある。
より具体的には、融点が240〜260℃程度の高融点タイプとしては、ポリエチレンテレフタレート(A)と5モル%のイソフタル酸と2モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸が共重合された共重合ポリエステル(B)との組み合わせ、また、融点が140〜160℃程度の低融点タイプとしては、(B)成分が例えばネオペンチルグリコール30モル%が共重合された共重合ポリエステルなどが採用される。混紡繊維がセルロース系繊維等の比較的耐熱性のある組み合わせには(B)成分が高融点タイプの、また比較的耐熱性が要求されないシルク、ウールなどを用いたニット用途には低融点タイプの採用が好ましい。
【0011】
本発明における潜在捲縮繊維の熱水収縮率は、繊維の特性を損わず、収縮率が最大になる液中温度条件で求めるものであり、低融点タイプではボイル温度で、また高融点タイプでは高圧条件下で、フリー収縮率が20%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上である。熱水収縮率が20%未満では収縮発現力が不十分で交絡繊維間の異収縮率差が得られずソフト風合や伸縮性が得られにくい。
【0012】
潜在捲縮繊維の繊度は0.8dtex以上、4.0dtex以下、好ましくは1.0dtex以上、3.3dtex以下であり、より好ましくは2.5dtex以下である。0.8dtex未満では応力緩和し易く、収縮力が不十分で嵩性が得られないのみならず、紡績糸中の構成繊維本数が増し、毛羽が誘発されピリング要因になりやすいからである。4.0dtexを超えると、収縮力が増すが、紡績の機構上太繊度繊維が細繊度繊維より遠心力で紡績糸の外側に多く配される構造になり、潜在捲縮繊維が織編や染色工程、また製品着用や洗濯により擦過され、毛羽玉誘発機会が増し、抗ピル効果を著しく阻害するためである。そのため潜在捲縮繊維の繊度は混紡繊維と同等以下とし、紡績糸の内部に多く配される構造とすることが望ましい。
【0013】
潜在捲縮繊維は、エア交絡紡績糸に紡績されて織編物となり、織編物状態で熱処理されて熱収縮することによって捲縮が発現される。したがって、本発明の織編物中では、繊度1.0〜6.0dtex程度の捲縮繊維が存在することになる。
【0014】
本発明におけるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維の断面形状は、前記(A)、(B)成分比の範囲であれば丸型の他、中空繊維や楕円、三角、Y型、偏平、四角等の異型繊維であってもよい。中空型や異型形状は太繊度が得られ易く、一般に丸断面より熱応力が強い傾向がある。また、剛性があるため高速渦流に対し、抵抗が働き易く、外側に飛散されにくく構造とすることが可能であり、本発明ではより有効に作用する。また、混紡糸繊維間の収縮率差を得るためには潜在捲縮繊維の収縮発現力を高める必要があり、このような繊維形状は本発明の効果をより強調することが可能である。
【0015】
本発明におけるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維は、織編物の特性として30%以上の高伸縮性を求める場合は、それ単独又は100%近い状態で用いられるが、適度の伸縮性があればよく、織編物の実用特性を重視する場合は、沸水収縮率が4%以下の低収縮性の繊維と混紡して用いる。潜在捲縮繊維と混紡される低収縮性の混紡素材としては、剛性の強い繊維断面形状及び繊度(比重)のものが好ましくは、紡績糸外側に多く配され、潜在捲縮繊維を覆う紡績糸構造とすることが望ましい。それに見合う繊維として中空率8%以上の中空繊維や繊維外周上に一個以上の突起部を有する異型度1.8以上のポリエステル短繊維がある。
【0016】
中空繊維の場合、中空部の断面形状は丸、楕円、三角、偏平、四角等であってもよい。また断面中の中空の個数は1個又は複数個でもよく、中空の形成は紡糸時でも、また、綿、糸、又は布帛で特定成分を溶解除去した後でもよい。中空率の合計は8%以上、40%未満が好ましく、8%未満では収縮力が低下し、40%以上では剛性、繊維形態保持性が低く、断面が潰れたりして収縮効果が減少してしまう傾向がある。
【0017】
また、異型繊維の場合、異型度(外接円直径/内接円直径)は1.8以上であり、好ましくは2.0以上の繊維断面外周上に3個以上の突起部を有する異型断面形状(Y型、十字型、星型、他の溝型等)を有する繊維であることが好ましい。異型度がそれ未満では応力緩和が大きく、混紡糸中での収縮力が発現されにくく、目的とするバルキー性やソフト風合が得られにくくなる。
【0018】
低収縮繊維は、ボイル水中20分間のフリー収縮での沸水収縮率が4%以下の繊維であれば特に限定はされないが、繊度、繊維断面形状などを任意に決めることができるので合成繊維が好ましく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどに代表されるポリアルキレンテレフタレートなどのホモポリエステル繊維が好ましい。
【0019】
紡績糸におけるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維の混率は10質量%以上、60質量%以下が好ましく、更に好ましくは15質量%以上、45質量%以下である。特に高異型度繊維の場合には、収縮応力が強いため40質量%以下であることが好ましい。混率が60質量%を超えると、紡績糸自身の収縮が大きくなり、紡績糸としてのバルキー性が得られにくくなり、風合を損うことがある。また、10質量%未満では十分な高収縮性の潜在捲縮繊維と低収縮繊維との収縮率差が得られず紡績糸のバルキー性が不足し、ソフト性が得られないことがある。
【0020】
潜在捲縮繊維と混紡される低収縮繊維は、繊度が0.1〜5.0dtex 程度であることが好ましく、さらには繊維断面の形状は、通常の中実の丸断面でもよいが、中空率8%以上の中空繊維、または異型度1.8以上のポリエステル短繊維であることが抗ピル性の点から好ましい。このような繊度、形態を有する繊維は繊維断面本数が少なく、かつ剛性が比較的強いため、繊維同士が絡合しにくく、抗ピル性が得られ易いからである。しかし、これらに限定されるものではなく、抗ピリング性が3級以上を満たすことができれば、綿、ウール、シルク、麻等の天然繊維、レーヨン、モダール、キュプラ、ポリノジック、リヨセル、アセテート(ジ、トリ)等の再生繊維、精製繊維、半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、カチオン可染性や常圧可染性のポリエステル繊維、ポリアミド繊維とポリエステル繊維との2成分紡糸割繊型繊維等の合成繊維が使用でき、これらの繊維が混用されてもよい。
【0021】
低収縮繊維の内の低収縮合成繊維は、酸化チタン、炭化ジルコニウムやカオリナイト等の無機粒子を0.1〜5.0質量%含んでいてもよい。酸化チタンや炭化ジルコニウム等を含有していると、体温からの放射熱を吸収し、繊維間内部に熱を蓄えるため保温性を高めることが可能である。また、酸化チタンは可視光線を吸収し、太陽光を遮り、夏場の衣服内温度上昇を妨げる効果がある。無機粒子の含有率が5.0質量%を超えると紡糸性が悪化し、1.0質量%未満では保温性や遮熱効果は得られにくい。
【0022】
また、低収縮繊維が異型度2.4程度の高異型度Y型断面繊維では繊維軸に対し直角方向に外力を受けた場合、柔軟に変形し、外力が取り除かれた後は回復するため適度なクッション効果があり、ソフト風合化に寄与し、長さ方向の変形に対しては中空断面形状繊維と同様に抵抗力があり、これが繊維間の絡合性を弱め、繊度との相乗効果も相俟って抗ピル性に効果的に作用する。
【0023】
低収縮繊維の沸水収縮率は、潜在捲縮繊維との収縮率差を大きくし、バルキーでソフトな紡績糸を得るためには、4.0%以下であることが必要であり、好ましくは3.0%以下である。仕上品である織編物の混紡糸中の高収縮繊維と低収縮繊維の繊維長差は7%以上であることが好ましく、より好ましくは8%以上である。7%未満では生地としてバルキー性、ソフトさが乏しくなりやすい。紡績糸に含まれる添加物は前記酸化チタン、炭化ジルコニウム、カオリナイトなどの他、抗菌防臭剤、制菌剤、防かび剤、顔料等特に制約はない。
【0024】
本発明における紡績糸の沸水収縮率は、8%以上が好ましく、更に好ましくは12%以上である。潜在捲縮繊維100%糸では20%以上であることが好ましい。それ未満では十分な捲縮発現が起こらないことがあり、従って、伸縮性が得られにくくなることがある。本発明における混紡糸によれば、高収縮性の潜在捲縮繊維繊維と種々の特性の低収縮性繊維を含有することにより、紡績糸自身の収縮を適度に抑制してふくらみ感を出すため、適度の伸縮性を保持し、混紡素材の特徴が生かされたソフト風合が得られることになる。
【0025】
本発明におけるエア交絡紡績糸の製造方法、即ち、高収縮性の潜在捲縮繊維単独又は他の低収縮繊維とから紡績糸を得る方法としては、カード混綿等の均一混綿方式の粗糸を用いることもできるが、好ましくは、スライバー混繊等による粗糸工程までに潜在捲縮繊維を芯部に多く配し、低収縮繊維を鞘部に多く配する芯鞘構造の粗糸とし、該粗糸を精紡工程でドラフトするか、または精紡工程のドラフトゾーンで潜在捲縮繊維と低収縮繊維の各粗糸をドラフト後、オープンエンド、結束紡績等の高速エア流体交絡することで得られる。これらのエア交絡紡績方式はリング紡績糸と異なり、構造体として糸毛羽を抑制する効果がある反面、風合が硬化しやすい。本発明においては紡績条件は紡績糸の風合、嵩性、抗ピル性に配慮する必要があり、交絡度合が増して風合が硬化する高エア圧下での低速紡出速度等は避けることが望ましい。
【0026】
エア交絡紡績糸は繊維長が短く、細繊度である程高速渦流で飛散されやすく、紡績糸外側に多く配される傾向がある。そのため潜在捲縮繊維の繊維長は混紡繊維と同等以上とし、紡績糸の内層部に多く配されるような組み合せ構造とすることが好ましい。潜在捲縮繊維の繊維長は38から51mm程度が好ましく、混紡繊維はそれらと同等以下、例えば44mmから32mm程度であることが望ましい。
【0027】
本発明においては紡出された紡績糸は、該紡績糸の毛羽数(X)と該紡績糸の断面繊維本数(Y)との関係が下記(1)式を満足するエア交絡紡績糸である。
0.4Y≦X≦2.5Y ・・・・・・ (1)式
X:長さ1mm以上の毛羽の10m当りの本数
Y:紡績糸の断面繊維本数
紡績糸の断面繊維本数:5315×1.11÷(英式綿番手×単繊維のdtex)
但し、複数の異なる繊度の単繊維が混合使用されている場合は、その混合比率で毛羽数を計算し、合算する。
【0028】
次いで、得られたエア交絡紡績糸を織編物にする際、該紡績糸を単独で用いてもよく、また本発明の範囲内であれば他の繊維と交編織してもよい。本発明の織編物は、スムース、天竺や綾、サテン等通常の織編組織の他、鹿の子、ジャカード、パイル等の浮き組織の多い織編組織において効果を発揮する。
【0029】
さらに、得られた織編物は、一般的な精錬、リラックス、染色などと同様な熱水処理などの熱処理で、特に織編物を構成する紡績糸中の高収縮繊維を熱収縮させることによって、紡績糸のバルキー性を発現させてソフトな風合を呈し、かつ抗ピル性に優れ、目的とする短繊維織編物になる。
【0030】
本発明における紡績糸は、沸水中では5%から40%程度の収縮を起こす。このため、仕上った織編物の風合、目付、巾長さ等を考慮して紡績糸や生機設計をすることが必要である。本発明における紡績糸としての沸水収縮率は、8%以上が好ましく、更に好ましくは12%以上である。染色加工においては紡績糸、また生地の持つ潜在収縮力を精練、リラックス工程、染色工程などで十分に発現させる必要があり、液流染色機の使用が望ましい。特に精練、リラックス工程において70〜80℃前後で10〜20分間程度均一で十分な弛緩処理を行った後、昇温することが望ましく、柔軟剤の併用も好ましい。
【0031】
本発明における織物においては、他の繊維、特にセルロース系繊維等の品位、風合、物性改善のための毛焼き、シルケット加工等を行ってもよいが、合成繊維の抗ピル性を得るための特別の毛焼き、アルカリ減量、酸処理、シャリング等を行わずに仕上げることができるのが本発明の特徴である。編物においても同様に合成繊維の抗ピル性を得る目的でのアルカリ処理や酸処理を施す事なく仕上げる。他の繊維の抗ピル性を得るための樹脂加工や、スキンケア、抗菌防臭加工等を施してもよい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
測定方法
▲1▼原綿繊維の熱水収縮率:JIS L 1015の熱水収縮率に準拠して 測定した。なお、沸水処理時間は20分間であり、高融点タイプの潜在 捲縮繊維は130℃で20分間である。
▲2▼紡績糸の毛羽数:敷島紡績株式会社製F−インデックステスターを使用し、10m当たりの長さ1mm以上の毛羽本数を求めた。
▲3▼生地の洗濯方法 :JIS L0217 103法に準拠した。
▲4▼生地の伸縮性:織物及び編物について、それぞれ以下の測定法に準拠した。
(織物)JIS L1096 伸長率B法(定荷重法:1.47N 1分)
(編物)JIS L1018 定荷重時伸び率(カットストリップ法)
▲5▼生地の抗ピリング性:JIS L1076 A法(ICI形試験機 5時間 )に準拠した。
▲6▼生地の風合評価 :5人のパネラーの触感判定でソフトさ、嵩高性を評価した。
◎:ソフトで嵩高性に優れる、 ○:ソフトさ、嵩高性ほぼ良好、
×:硬くふくらみ感がなく不良
▲7▼総合評価: ◎は非常に良好、 ○は概ね良好、×は不良を意味する。
【0033】
実施例1
(潜在捲縮ポリエステル繊維Iの製造)
ポリエステル(A)として、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.607、融点265℃)、ポリエステル(B)として、ポリエチレンテレフタレートを基本骨格とし、酸成分の4モル%がイソフタル酸、2モル%が5−ナトリウムスルホイソフタル酸である共重合ポリエステル(固有粘度0.637、融点248℃)を用い、複合紡糸ノズルを用いてポリマー温度282℃、紡糸速度1600m/分で紡糸した。その後延伸工程で延伸温度155℃、延伸倍率2.64、延伸速度140m/分で延伸し、捲縮付与後、カットファイバーとした。得られた中実丸断面のサイドバイサイド型潜在捲縮ポリエステル繊維I(繊度2.0dtex、カット長38mm)は、熱水収縮率(130℃、20分間、フリー収縮)37.8%であった。
得られた潜在捲縮ポリエステル繊維を、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーMVSを用い、スライバーゲレンを300、ドラフトを180倍とし、ノズル圧0.45Mpa、紡出速度400m/分で紡績し、英式綿番手30番のエア交絡紡績糸を得た。紡績糸は毛羽数(Y)が225本、断面繊維本数(X)が98本、Y/Xが2.3であった。
【0034】
得られた紡績糸を緯糸に、経糸に英式綿番手30番手の綿糸を用いて2/1綾織物を得た。該織物を糊抜き精練後、液流染色機で120℃、20分間リラックス後、脱水乾燥し、170℃、30秒間の中間セットを施し、高圧液流染色機を用いて分散蛍光染料0.8%omfで130℃で30分間染色し、還元洗浄後脱水、乾燥後、綿の毛焼き工程を経て、170℃、30秒間の仕上げセットを行った。中間セット後と仕上げセット後の生地品位、伸縮性、風合を評価した。得られた生地の評価結果を表1に示した。該織物は、毛羽数が160本で、中間セット、仕上げセットでも毛羽玉が殆どなく、生地伸長率が34.2%で、若干のドライ感を有するソフトな織物であった。
【0035】
比較例1
実施例1で得られた潜在捲縮ポリエステル繊維を用いて、粗糸140ゲレン、ドラフト36倍、精紡機回転数9000rpmでリング紡績糸(英式30番手、撚係数3.2)を得た。得られたリング紡績糸を緯糸に用いる以外は実施例1と同様にして織物を得て、中間セット後と仕上セット後の生地品位、伸縮性、風合を評価し、その評価結果を表1に示した。生地の伸長率は37.6%あるものの中間セット段階で既に全面に毛羽玉が発生し、生地品位不良を呈した。従来通り毛焼きとアルカリ減量処理による毛羽玉除去が必要な水準であった。
【0036】
比較例2
(潜在捲縮ポリエステル繊維IIの製造)
ポリエステル(A)として、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.607、融点265℃)、ポリエステル(B)として、ポリエチレンテレフタレートを基本骨格とし、グリコール成分の2.5モル%がジエチレングリコール、酸成分の10モル%がイソフタル酸の共重合ポリエステル(固有粘度0.646)とポリエチレンテレフタレートを基本骨格とし、グリコール成分の3.3モル%がジエチレングリコール、酸成分の4.4モル%が5−ナトリウムスルホイソフタル酸である共重合ポリエステル(固有粘度0.390)とを50/50(質量比)で用いて得られた融点244.5℃の共重合ポリエステルを用い、複合紡糸ノズルを用いてポリマー温度285℃、紡糸速度1600m/分で紡糸した。その後延伸工程で延伸温度155℃、延伸倍率2.64、延伸速度140m/分で延伸し、捲縮付与後、カットファイバーとし、サイドバイサイド型潜在捲縮ポリエステル繊維(繊度1.0dtex、カット長38mm)を得た。該繊維の熱水収縮率(130℃、20分間、フリー収縮)36.5%であった。
得られた潜在捲縮ポリエステル繊維を用いて、英式綿番手30番手のエア交絡紡績糸を得た。該紡績糸は毛羽数(Y)が599本、断面繊維本数(X)が197本、Y/Xが3.0であった。該紡績糸を用いて実施例1と同様にして仕上セット織物までを製造して同様に評価した。その評価結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
比較例1は従来のリング紡績糸の場合であり、織物の伸長率は37.6%あるものの中間セット段階で既に全面に毛羽玉が発生し、生地品位不良を呈した。従来通り毛焼きとアルカリ減量処理による毛羽玉除去が必要な水準であった。比較例2は糸の毛羽数が多く、比較例1程多くはないが同様に中間セット工程で既に毛羽玉が発生しており、仕上セット後の品位はやはり毛焼き、アルカリ減量またはシャリングによる毛羽玉除去が必要な水準であり、実施例1に比べ品位の劣るものであった。
【0039】
実施例2
(Y型断面繊維の製造)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.633)を、Y型断面繊維用紡糸ノズルを用いてポリマー温度288℃、紡糸速度1600m/分で紡糸した。その後延伸工程で延伸温度112℃、延伸倍率2.32、延伸速度140m/分で延伸し、捲縮付与後、カットファイバーとした。得られたY型断面の低収縮繊維(繊度1.3dtex、異型度2.4、カット長38mm)の沸水収縮率は1.4%であった。
得られたY型断面の低収縮繊維と前記の潜在捲縮ポリエステル繊維IIとを用いてカード混綿後、村田機械(株)製ムラタボルテックススピナーMVSを用い、スライバーゲレンを200、ドラフトを160倍とし、ノズル圧0.45Mpa、紡出速度400m/分で紡績し、英式綿番手40番手の結束紡績糸を得た。紡績糸中の潜在捲縮ポリエステル繊維IIの混率は20%、低収縮繊維の混率は80%であった。また、紡績糸は毛羽数(Y)が245本、断面繊維本数(X)が120本、Y/Xが2.20であった。
得られた紡績糸を用いて、28ゲージ、ループ長は100ウェル当たり325mmで天竺組織の編物を得た。該編物を開反し、液流染色機で精練剤とともに80℃で10分間の弛緩熱収縮処理した後、110℃まで昇温し、10分間の熱収縮処理を行った。その後脱水乾燥し、有り巾で170℃、40秒間の中間セットを施した。その後高圧液流染色機を用いて130℃で20分間、分散蛍光染料0.8%omfで染色し、還元洗浄、脱水乾燥後、有り巾で160℃、60秒間の仕上セットを行なった。得られた生地の評価結果を表2に示した。
【0040】
比較例4
紡績糸をリング紡績糸(比較例2記載と同様の製造方法)に変更する以外は実施例2と同様の繊維構成のリング紡績糸を得て、実施例2と同様に編物から仕上セット生地までを製造して評価した。その評価結果を表2に示した。
【0041】
実施例3
実施例2における潜在捲縮ポリエステル繊維IIの混率を30%に変更し、Y型断面繊維をレーヨン繊維(繊度1.7dtex、カット長38mm)に変更する以外は実施例2と同様にして紡績糸から仕上セット生地までを製造して評価した。評価結果を表2に示した。
【0042】
実施例4
(潜在捲縮ポリエステル繊維IIIの製造)
ポリエステル(A)として、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.627、融点265℃)、ポリエステル(B)として、ポリエチレンテレフタレートを基本骨格とし、グリコール成分としてネオペンチルグリコールを30モル%共重合した共重合ポリエステル(固有粘度0.607、融点162℃)を用い、複合紡糸ノズルを用いてポリマー温度282℃、紡糸速度1700m/分で紡糸した。その後延伸工程で延伸温度室温、延伸倍率2.55、延伸速度150m/分で延伸し、捲縮付与後、カットファイバーとした。得られた中実丸断面のサイドバイサイド型潜在捲縮ポリエステル繊維III(繊度1.6dtex、カット長38mm)は、沸水収縮率53.2%であった。
得られた潜在捲縮ポリエステル繊維IIIと前記のY型断面繊維とを用い、混綿方式をスライバー混綿方式(芯に潜在捲縮ポリエステル繊維III、鞘部にY型断面繊維が多く配されるような芯鞘構造にした。)に変更し、かつY型断面繊維の混率80%を70%になるように変更する以外は実施例2と同様にして結束紡績糸、編物、開反生地を得た。次いで、70℃でリラックス後、染色温度100℃とし、中間セットを130℃、仕上セットを120℃とする以外は実施例2と同様にして仕上セット生地を得て評価した。評価結果を表2に示した。
【0043】
実施例5
潜在捲縮ポリエステル繊維IIIを潜在捲縮ポリエステル繊維IIに変更し、Y型断面繊維を通常の中実丸断面ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度2.0dtex)に変更する以外は実施例4と同様にして、結束紡績糸から仕上セット生地までを得て評価した。評価結果を表2に示した。
【0044】
比較例5
結束紡績糸を毛羽数(Y)が15本、断面繊維本数(X)が74本、Y/Xが0.2の非常に毛羽が少ない結束紡績糸に変更する以外は実施例5と同様にして仕上セット生地までを得て評価した。評価結果を表2に示した。
【0045】
比較例6
通常の中実丸断面ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度2.0dtex)である低収縮繊維を単独で使用する以外は実施例2と同様にして紡績糸から仕上セット生地までを得て評価した。評価結果を表2に示した。
【0046】
比較例7
実施例2において、潜在捲縮ポリエステル繊維IIの繊度を4.4dtexに変更する以外は実施例2と同様にして、紡績糸から仕上セット生地までを得て評価した。評価結果を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】
実施例2は毛羽数が少なく、ソフトでサラッとした風合で伸縮性は十分(定荷重時伸び率が30%以上)で、潜在捲縮繊維を含まない比較例7に比較し、バルキーで20.2%増しの目付に仕上がり、ピリングは4級と良好であった。実施例2と同様繊維構成で従来のリング紡績糸による比較例4はバルキーでソフト風合であったが、毛羽玉が全面に発生し、品位不良で、かつピリングが1級と不良であった。
実施例3は抗ピリング性が4−5級で抗ピル性がよく、適度なふくらみ感があり、リング紡績糸に近いソフトな風合に仕上がり、伸縮性、回復性とも十分で、インナー用に好適な水準に仕上がった。実施例4及び5は芯部に潜在捲縮繊維が多く配された芯鞘構造のスライバーを用いたもので、編地上には毛羽玉が殆どなく、ふくらみ感に富み、ソフトで抗ピリング性が4級と良好であった。特に収縮力の強い実施例4は実施例5よりふくらみと柔軟性があり、伸縮性と回復性に富む良好な編地に仕上がった。
【0049】
比較例5は実施例5と同一構成で糸毛羽数が少ない水準で、交絡が強過ぎ、潜在捲縮繊維の特徴が生かされず、従来の単一繊維によるエア交絡紡績糸と大差のない硬い風合に仕上がり、伸縮性も殆どないものであった。比較例6はピリングはよいものの地薄で風合が硬く、実施例に比較し、見劣りするものであった。また、比較例7は毛羽数は少ないものの、編地の捲縮発現工程において毛羽玉が多発し、比較例4よりは少ないものの品位不良で実用性のないものであった。これは紡績糸表面に潜在捲縮性繊維が実施例より多く配された構造になっているためと考えられる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリエステル系短繊維を主体とする結束紡績糸使いの短繊維織編物でありながら、熱水処理などの簡単な処理だけで、抗ピル性のみならずソフトなバルキー性を兼備し、伸縮性にも優れた短繊維織編物を提供することができる。このため本発明によれば、ベア天竺のような生地の伸縮性と回復性を得るために不可欠なスパンデックスベアヤーン(裸糸)編込み装置が不要で、従来の編機で抗ピル性とバルキーでソフト性、伸縮回復性に富む編物を容易に製造することが可能である。
Claims (7)
- 下記(1)式を満足するエア交絡紡績糸を用いた織編物であり、該織編物中のエア交絡紡績糸が、熱処理されて捲縮を発現し、かつ繊度1.0〜6.0dtexのサイドバイサイド型捲縮短繊維を少なくとも10質量%含有してなり、抗ピリング性が3級以上であることを特徴とする伸縮嵩高性短繊維織編物。
0.4Y≦X≦2.5Y ・・・・・・ (1)式
X:長さ1mm以上の毛羽の10m当りの本数
Y:紡績糸の断面繊維本数
紡績糸の断面繊維本数:5315×1.11÷(英式綿番手×単繊維のdtex) - 前記エア交絡紡績糸が沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)が4%以下の低収縮短繊維を少なくとも10質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物。
- 前記の捲縮短繊維又は/及び低収縮短繊維が、中空率5%以上の中空断面又は繊維断面外周上に一個以上の突起部を有する異型度1.8以上の異型断面のポリエステル系短繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物。
- 繊度0.8〜4.0dtexのサイドバイサイド型潜在捲縮短繊維を少なくとも10質量%含有するエア交絡紡績糸であり、かつ該紡績糸の毛羽数(X)と該紡績糸の断面繊維本数(Y)との関係が下記(1)式を満足するエア交絡紡績糸を用いて織編物とし、次いで該織編物を熱収縮させることを特徴とする伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
0.4Y≦X≦2.5Y ・・・・・・ (1)式
X:長さ1mm以上の毛羽の10m当りの本数
Y:紡績糸の断面繊維本数
紡績糸の断面繊維本数:5315×1.11÷(英式綿番手×単繊維のdtex) - 前記潜在捲縮短繊維が沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)20%以上であることを特徴とする請求項4に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
- 前記エア交絡紡績糸が、沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)4%以下の低収縮短繊維を90〜10質量%、沸水収縮率(JIS L 1015に準拠)20%以上の潜在捲縮短繊維を10〜90質量%含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
- 前記の潜在捲縮短繊維又は/及び低収縮短繊維が、中空率8%以上の中空断面または繊維断面外周上に一個以上の突起部を有する異型度1.8以上の異型断面のポリエステル系短繊維であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の伸縮嵩高性短繊維織編物の製造方法。
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