JP4195720B1 - 発酵堆肥とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第一の課題は多孔質有機廃棄物、特にコーヒー粕又はそば殻を短期間で分解することにあり、更なる課題は生育阻害のない、安価で有機質資材として優れた肥効を有する発酵堆肥とその製造方法を提供することにある。
【解決手段】多孔質有機廃棄物なかでもコーヒー粕又はそば殻に魚類廃棄物とトレハロースとを配合し発酵することにより得られる発酵堆肥及びその製造方法で、特に、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとの配合割合が、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%であり、発酵に際してコンクリートミキサーが簡便で、効率がよい。更にトレハロースに加えてクエン酸又はその塩を配合すると一層堆肥化は促進される。そして、このようにして製造した発酵堆肥は良好な肥効を発現する。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質有機廃棄物のなかでも良好な結果をもたらすコーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物を主原料とした発酵堆肥及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースを主原料として使用することを特徴とする発酵堆肥及びその製造方法に関する。
多孔質有機廃棄物、例えばコーヒー粕においては、国内の食品・清涼飲料工業等から排出される廃棄物量は、年間10万〜11万トン程度と推定されている。一般的にコーヒー粕のpHは弱酸性の6弱である。無機成分は少なく肥料成分の燐酸、カリが各0.2〜0.3%、他に微量要素の鉄、マンガンが少量含まれている程度で99%は有機成分である。
コーヒー粕の性状は粉砕方法等によって異なるが、通常その粒子径が数mm以下の黒色の粉末で、その多くは有効な用途もなく廃棄あるいは焼却されているのが現状である。このように多量に排出されるコーヒー粕の有効利用については、多くの検討がなされている。そのひとつとして、コーヒー粕を田畑に施用することも検討されているが、コーヒー粕はこれを直接田畑に施用した場合、窒素飢餓の原因となるだけでなく、作物の生育阻害を招来する。
そこで、堆肥化原料としての利用が検討され、これまで幾多の研究がなされてきた。例えば、長期間野積みして、コーヒー粕を分解し堆肥化する方法、コーヒー粕に鶏糞、牛糞等の家畜糞、もみがら、おがくず、おから、米糠等を配合し、発酵処理して堆肥化する方法、リグニン分解活性を有する微生物を用いて、コーヒー粕を分解し堆肥化する方法、コーヒー粕と紅茶粕を適度の割合で配合し堆積、切返しを行い堆肥化する方法等である。
これら従来のコーヒー粕を用いた有機廃棄物の堆肥化処理に関して、例えば、特許文献1〜5に記載されている。特許文献1には畜産排泄物を主原料とする有機性廃棄物に米糠、穀類滓等にて放線菌を培養した発酵菌体と木炭、竹炭あるいはコーヒー粕を加えて発酵処理した有機肥料を混合した後、更に糖蜜希釈液を加えて発酵処理した、地温保持に用いる有機肥料が記載されている。この他、同様に有機廃棄物として家畜糞尿等有機肥料を製造する際に発酵助剤としてコーヒー粕等を配合処理して悪臭の発生を抑える鶏糞や牛糞利用の肥料とする装置について特許文献2に、また、コーヒー粕にセメント破砕物や酢酸含有物として、食酢、木酢液、竹酢液、モミ酢または酢酸塩を用いて肥効性を高めた完熟堆肥とすることが特許文献3や4に記載されている。更に、コーヒー粕の肥料化方法に主眼点をおいて発酵肥料とする発明が特許文献5,6に記載されている。
また、そば殻についていえば、わが国では玄そばベースで年間約12万トンが消費され、約2万5千トンのそば殻が発生している。このうち、約50%が肥料・園芸用に使用され、残りの一部が枕の中身として使用され、残りは産業廃棄物として処分されている。そば殻は、近年注目を集めているポリフェノールの一種であるルチンを多く含み、炭素率は40〜45%程度で強い繊維組織構造を有している。このようなそば殻の有効利用法として、シイタケ菌等食用菌栽培の培地としての利用法が確立しており、またそば殻の堆肥化も研究され、そば殻を高温好気性発酵処理した多孔質体そば殻と植物性有機ボカシ肥料に、糖蜜、乳酸菌、酵母菌等の有用微生物群を加え完熟させた堆肥も知られている。また、そば殻に、海藻類からアルギン酸を抽出する際に生出する残滓物を加え発酵させたそば殻堆肥(特許文献7)も提案されている。現実にそば殻堆肥も販売され、そば殻発酵堆肥を利用した融雪剤(特許文献8)も提案されている。
特開2006-193378公報、[請求項1]、[0001] 特開2003-171191公報、[請求項1]、[請求項2]、[0001] 特開2003-095772公報、[請求項1]、[0001] 特開2000-016889公報、[請求項1]、[0007] 特開平05-294772公報、[請求項1]、[0016] 特開平05-294771公報、[請求項1]、[0016] 特開2000-169272公報、[0001]、[0054] 特開2000-297275公報、[請求項1]、[請求項2]
多孔質有機廃棄物のなかでもコーヒー粕は、成分については上記の通りであるが、有機成分は主に粗蛋白質、粗脂肪、可溶性無窒素物、粗繊維から構成され堆肥化に長期間を要し、加えてタンニン等の生育阻害物質を含有し、また、堆肥化が十分でないと、堆肥化過程で前記有機物質の分解により生成する有機酸が植物の生育を阻害する等の難題を有している。
これまでの堆肥化方法は、とりわけ野積み、堆肥舎での堆積・発酵等では堆肥化に3月以上という長時間を要することが大きな課題であった。また、従来の方法では、生育阻害物質の分解が十分でなかったり、ある研究では分解に特殊な微生物を利用する等のため堆肥化は比較的早いものの、微生物入手が困難であったり、高価である等、それぞれ一長一短があり商業的規模でコーヒー粕の堆肥化がなされていないのが現状である。そば殻については、上記の通りそば殻堆肥は販売されているが、そば殻は強固な繊維組織構造を有していることから、コーヒー粕同様堆肥化には長時間を要する。
かかる現状に鑑み、本発明の主要課題はコーヒー粕又はそば殻を短期間で分解することにあり、加えて、生育阻害のないことは勿論、安価で有機質資材として優れた肥効を有する発酵堆肥を製造する方法及び優れた肥効を有する発酵堆肥を提供することを目的としている。
本発明者は多孔質有機廃棄物、特にコーヒー粕又はそば殻の堆肥化促進材について、家畜糞尿、生ゴミ等各種材を検討するなかで、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し堆肥化促進材として有効に作用することを発見したが、更に堆肥化を促進すべく鋭意検討を重ねた結果、魚類廃棄物との共働において、トレハロースが優れた堆肥化促進効果を有すること、更にクエン酸又はその塩がいっそう堆肥化を促進することを発見し、かかる知見に基づき本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、多孔質有機廃棄物と魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の発酵物からなる発酵堆肥である。多孔質有機廃棄物は、製材工場から排出される木材チップや鋸屑等の木材廃棄物、ヤシ殻、もみ殻、豆粕、豆腐粕、コーヒー粕あるいはそば殻など多数に及び、いずれの多孔質有機廃棄物に対しても本発明は適用できるが、特に、コーヒー粕又はそば殻において、魚類廃棄物とトレハロースの効果が顕著である。
ここで、多孔質有機廃棄物がコーヒー粕又はそば殻であり、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の割合を示す成分比率は、魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の割合を、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%(乾量、以下同じ)、好ましくは20〜80重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%、好ましくは2〜0.01重量%の範囲にして混合発酵させて得られる発酵堆肥である。いずれも固形物換算の配合割合である。
また、本発明は、多孔質有機廃棄物と魚類廃棄物とトレハロースに加えてクエン酸又はその塩との配合原料の発酵物からなる発酵堆肥である。
この場合も、本発明は、多孔質有機廃棄物がコーヒー粕又はそば殻であり、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の割合がコーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとクエン酸又はその塩との配合原料の割合は、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%、好ましくは20〜80重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%、好ましくは2〜0.01重量%、これらに加えてクエン酸又はその塩がトレハロースに対し10〜80重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲にして混合発酵させた発酵堆肥及びその製造方法の提供にある。
ここで上記の発酵堆肥は、その発酵を回転体容器中で行なうことで短期間に製造でき、回転体容器の一例としてコンクリートミキサーが挙げられる。コンクリートミキサーはトラックに掲載された市販のコンクリートミキサー車を使用すると、配合原料の収集に便利である。もちろん地面に設置して使用することもできる。
発酵に際しては、配合物の水分量を45〜70重量%、好ましくは50〜65重量%に調整すると、良好な発酵堆肥となる。この水分量範囲から外れると少なすぎても、多すぎても発酵時間が大幅に長引いて実用的でない。
本発明は、大半が産業廃棄物として処理され、その利用が強く要請されている多孔質有機廃棄物、特に、コーヒー粕又はそば殻の有効利用方法を提供するとともに、乾燥して一部飼料等に利用されてはいるものの、大半は廃棄されている魚類廃棄物と食品等に利用されているトレハロースが共働して相乗的にコーヒー粕又はそば殻に作用し、コーヒー粕又はそば殻の迅速堆肥化に極めて有効に作用することを発見し、更にまた、クエン酸又はその塩がいっそう堆肥化を促進することを発見し、これを堆肥化原料として有効に利用するものであり、その技術的意義はもちろん、産業的意義は絶大である。本発明は、コーヒー粕又はそば殻の発酵に際し、魚類廃棄物とともに、堆肥化促進剤としてトレハロースを使用するものであるが、このトレハロースも、他の糖類とは異なり、格段に発酵性能が上がり、かつ、魚類廃棄物の悪臭を緩和させる作用が大きい。
このようなことから、本発明方法によれば、腐植化困難なコーヒー粕又はそば殻を迅速に堆肥化することができ、安価な原料の使用及び迅速な堆肥化から、また後述する装置の利用により甚だ安価に発酵堆肥を製造することができる。更に、本発明においては、魚類廃棄物の発酵で予想された悪臭発生が、製造過程でほとんどなく、そして本発明方法により製造される発酵堆肥は植物生育阻害物質を含まず、その結果、優れた肥効を有する発酵堆肥である。
本発明に使用する多孔質有機廃棄物において、発酵堆肥として好ましい性質、すなわち、発芽率の向上、肥料効果の高い、コーヒー粕又はそば殻について具体的実施形態を述べるが、多孔質有機廃棄物に広く適用でき、かつコーヒー粕又はそば殻はどんな種類のコーヒー粕又はそば殻であってもよい。
本発明に使用するトレハロースについていえば、ブドウ糖2分子がα、α−1、1で結合した、非還元性の糖質で、きのこ類に多く含まれ、豆類、えび類、海草類にも含まれている。現在、トレハロースは、澱粉の微生物分解法により工業的に生産されており、容易に入手することができる。工業的生産により安価に入手できることから、用途も多様化し、甘味料、澱粉老化防止剤、蛋白変質防止剤、味や臭いを引き立てたり、抑えたりする矯味・矯臭剤、吸湿防止剤等として主に食品分野で使用されている。このトレハロースの機能としては、細胞や蛋白質を冷結や乾燥による障害から保護する作用を有していることが知られており、また、ある種植物においては、発根を促進し、植物生長促進効果のあることも知られている。
魚臭の原因の一つは、たんぱく質や脂質の分解により、低分子の揮発性物質が生成するためといわれている。もう一つの原因は、生魚には多かれ少なかれトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)という前駆物質が含まれており、発酵の段階においてTMAOが分解し、魚臭をもたらす成分として知られるトリメチルアミン(TMA)やジメチルアミン(DMA)が生成することによる。このような発酵時の魚臭等による悪臭の減少主要因は、定かではないが、堆肥化進行によりコーヒー粕又はそば殻が更に多孔質化し、悪臭が堆肥化コーヒー粕又はそば殻により多く吸着吸収されること、また、TMAOの酸素の部分とトレハロースの相互作用により、TMAOの分解が抑制されることによるものと推定される。
次に、鮮魚等生魚のあらからなる魚類廃棄物についていえば、本発明の魚類廃棄物とは、魚市場、各種食品工場、鮮魚店、料理店、食材店等から日々排出される不良・不用魚及び魚の頭、骨類、尾、内臓並びに魚粕をいい、鮮魚であっても、腐敗魚であっても、乾燥魚であっても魚類廃棄物の原材料となり得る。
また、本発明に使用するクエン酸の塩についていえば、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウム等が好例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、まず、これら堆肥化原料、すなわち、コーヒー粕又はそば殻、魚類廃棄物、トレハロースをコーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとの配合割合が、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%になるように配合する。更に好ましい割合は、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し20〜80重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.01重量%である。更に堆肥化を促進するためにこれらクエン酸又はその塩を配合することができ、その配合割合はクエン酸又はその塩がトレハロースに対し10〜80重量%、好ましくは20〜80重量%である。
この堆肥化原料の配合は、一度に配合することが望ましいが、魚類廃棄物は魚市場、鮮魚店、料理店では逐次発生する場合が多く、魚類廃棄物にあっては、堆肥化も速いので堆肥化中に逐次添加をしても何ら問題はない。しかしながら、魚類廃棄物の逐次添加は、発酵完了5日前程度までとし、魚類廃棄物を逐次添加する場合は、その量に合わせて、トレハロースも逐次添加することが望ましい。ここで、トレハロースはその使用割合が少量であることから、他の堆肥化原料に均一配合させるため水に溶解(溶解度・・20℃、約70重量%)して使用することが望ましい。
また、クエン酸又はその塩については、トレハロースと同時に使用することが望ましい。最も望ましい使用態様は、トレハロースとクエン酸を一緒に水に溶解し、使用することである。
さて、上記配合において、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5重量%以下ではコーヒー粕又はそば殻の発酵促進を期待することができず、120重量%を上回ってもさらなる発酵促進効果を期待できない。加えて、適量であれば、悪臭発生がほとんどないとはいえ、このような多量使用になると発酵中の臭いがひどくなり、環境上好ましくない。また、場合によってはコーヒー粕又はそば殻に見合う魚類廃棄物を生産現場近くで入手することが困難となり、魚類廃棄物調達に費用を要し、高価な発酵堆肥となる。
次に、トレハロースについていえば、魚類廃棄物に対し0.001重量%以下では発酵促進効果を期待できない。一方、2重量%以上配合しても配合量に見合う発酵促進効果を期待することができず経済的でない。魚類廃棄物とトレハロースとの配合関係についていえば、魚類廃棄物が多く配合されている程トレハロースを多く配合することが好ましい。具体的には、コーヒー粕又はそば殻に対し、魚類廃棄物120重量%であれば、トレハロースは魚類廃棄物に対し2重量%、魚類廃棄物5重量%であれば、トレハロースは魚類廃棄物に対し0.001重量%である。経済的・工業的に好ましい配合割合は前記の通りである。
また、クエン酸又はその塩については、トレハロースの場合と同様、10重量%以下では一層の発酵促進効果を期待できず、80重量%以上配合しても配合量に見合う発酵促進効果を期待することができず経済的でない。
このように配合された堆肥化原料はついで水分45〜70重量%に調整される。更に好ましくは50〜65重量%である。水分調整された堆肥化原料は、環境温度、堆肥化原料量、堆肥化原料の配合割合、堆肥化装置等により異なるが、冬場であっても1週間も堆積放置すれば十分発酵を開始し、夏場であれば、半日〜2日もあれば発酵を開始する。しかしながら、スタート時は市販の発酵菌、例えば、乳酸菌、商品名バチロンZ(登録商標)(新明和工業株式会社)、商品名EM菌製品(EM研究所)等を添加することが好ましい。
堆肥製造が連続的に行われるようになれば、製造された発酵堆肥を種菌として利用すればよい。その使用割合は、環境温度、堆肥化原料の配合割合、堆肥化方法等により異なり、一概に規定することはできないが、概ね堆肥化原料に対し、5〜30重量%である。下限に関してはこれを逸脱してもあまり問題はないが、上限をあまり大きく超えると生産効率が悪くなる。本発明が最も推奨する範囲は10〜20重量%である。
発酵に先立ち、本発明の効果を阻害しない程度であれば、多孔質有機廃棄物として先に列挙した廃棄物などの本発明堆肥化原料に、鶏糞、牛糞、豚糞等の家畜糞尿、生ゴミ、余剰汚泥、尿素、おから、おがくず、バーク等を添加配合することは何ら支障はない。しかしながら、これら他の添加資材が本発明堆肥化原料に対し30重量%を上回ることは、コーヒー粕又はそば殻の単独又は混合物の有効処理という点から好ましくない。
このようにして発酵原料を調整した後は、通常の方法によって堆肥化する。すなわち、堆積し、発酵−切返しを繰り返し行なう。この発酵−切返しも環境温度、堆肥化原料の配合割合、堆積量等により異なり一概に規定することはできないが、4〜7日毎に切返し、発酵温度が30〜40℃になれば切返しを終了する。発酵温度が30〜40℃に落ち着くと堆肥化は完了する。
本発明者は、コーヒー粕又はそば殻の発生場所を考慮し、すなわち、市街・都市近郊での製造を考慮し、堆積発酵方法より、格段に狭小な場所で、かつ短期間で堆肥化する方法について更に検討した結果、回転体容器を使用することにより、その目的が達成できることが実験により確立できた。
本発明の回転体容器は、その形状は、球状、円筒状、楕円状、円錐状等いずれの形状の容器でもよいが、回転軸を中心にして、対称であることが好ましい。回転体容器には、原料投入口と堆肥排出口が、より好ましくは更に空気導入口、加熱・保温装置、温度計が配設されており、当該回転体容器はモーター等の駆動装置により回動するように構成されていることが必要である。本発明者が最も推奨する回転体容器は、極めて容易に入手することができるコンクリートミキサーである。
回転体容器の回転速度は、その容量、充満率、堆肥化原料の配合割合、環境温度等により異なり一概にいうことはできないが、一般的には20〜50rpmである。回転体容器の稼働は10〜50分/日程度で良く、空気が十分供給されていれば、2〜5日に1回程度の稼働で良い。堆肥化に回転体容器を使用することにより、堆積発酵法と比べて、同容量を処理するのに必要な時間を、約20%以上短縮することができ、かつ狭い製造用地で発酵堆肥を製造することができる。
本発明の最も大きな特徴は、多孔質有機廃棄物、特にコーヒー粕又はそば殻を魚類廃棄物とトレハロースとの併用により、更にはクエン酸又はその塩を使用して短期間に堆肥化することである。後述するように両者のいずれ、すなわち、魚類廃棄物とトレハロースのいずれかが欠けても本発明の目的を達成することはできない。
以下に本発明の実施例を挙げ、更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
コーヒー粕500kg(乾量)に対し魚市場より排出した魚類廃棄物20重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.1重量%、コーヒー粕に対し尿素1.2重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(本発明発酵堆肥1)とした。
コーヒー粕500kg(乾量)に対し魚市場より排出した本発明発酵堆肥1と同じ魚類廃棄物20重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.1重量%、トレハロースに対しクエン酸25重量%、コーヒー粕に対し尿素1.2重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(本発明発酵堆肥2)とした。
コーヒー粕500kg(乾量)に対し魚市場より排出した本発明発酵堆肥1と同じ魚類廃棄物20重量%、コーヒー粕に対し尿素1.2重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥1)とした。
コーヒー粕500kg(乾量)に対し牛糞20重量%、牛糞に対しトレハロース0.1重量%、コーヒー粕に対し尿素1.2重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥2)とした。
これら4つの堆肥化原料を用意し、これを水分60重量%に調整し、8週間堆積して発酵堆肥を製造した。この間5日毎に切返しを行なった。堆肥化中の発酵堆肥最高温度を測定したところ、表1のような結果が得られた。
Figure 0004195720
この発酵堆肥を用いて小松菜生育試験を行った。同量の市販複合肥料(8−8−8)を元肥として施用した畑土壌100部に、発酵堆肥40部を良く混合した培土を鉢に充填した。この培土充填鉢を4鉢用意し、これに小松菜の種を20粒/鉢播種して屋内に放置した。播種20日経過後小松菜の生体重を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004195720
すなわち、堆肥化最高温度及び小松菜生育試験から、本発明方法によればコーヒー粕が短期間に完熟発酵堆肥になることが分かる。
実施例2
コーヒー粕500kg(乾量)に対し魚市場より排出した魚類廃棄物40重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.5重量%、コーヒー粕に対し尿素1.4重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(本発明発酵堆肥3)とした。
本発明発酵堆肥3のトレハロースに代えて砂糖0.5重量%を用いたことを除いては、本発明発酵堆肥3と同種同量を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥3)とした。また、本発明発酵堆肥3のトレハロースに代えてブドウ糖0.5重量%を用いたことを除いては、本発明発酵堆肥3と同種同量を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥4)とした。
これら3つの堆肥化原料を用意し、これを水分65重量%に調整し、7週間堆積して発酵堆肥を製造した。この間5日毎に切返しを行った。堆肥化中の発酵堆肥最高温度を測定したところ、表3の結果となった。
Figure 0004195720
この各発酵堆肥を25倍容量の水と混合し、常温で2日間放置した。2日間放置後、布を用いて濾過し、この濾液10mlを、濾紙を敷いた皿に入れ、小松菜の種子50粒を播いた。これを室温に放置し、5日後に発芽率と根の状態を観察した。その結果を表3の下段に示した。
すなわち、堆肥化最高温度及び小松菜発芽試験から、本発明方法によればコーヒー粕が短期間に堆肥化され完熟発酵堆肥になることが分かる。
実施例3
コーヒー粕200kg(乾量)に対し料理店より排出した魚類廃棄物(内蔵主体)60重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.7重量%、コーヒー粕に対し尿素1.4重量%及びコーヒー粕に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料を水分60重量%に調整し、これを3週間堆積し、5日毎に切返しを行い、外見上完熟発酵堆肥を製造した(本発明発酵堆肥4)。
上記の60重量%に調整した堆肥化原料と同様の堆肥化原料を、コンクリートミキサーに投入し、時々空気を導入し、40rpmで、30分/日、3日毎に稼働し、3週間で完熟発酵堆肥を製造した(本発明発酵堆肥5)。
このようにしてコンクリートミキサーにより3週間で製造した本発明発酵堆肥5及び同様の成分で3週間堆積切返し発酵した本発明発酵堆肥4を、実施例2と同様の方法により小松菜発芽試験を行った結果、本発明発酵堆肥5においては、発芽率82%、根の状態は良好であった。一方、本発明発酵堆肥4は、トレハロースを用いていても3週間堆積発酵では発酵時間が不足して発芽率は64%と低く、根の状態もやや不良であった。すなわち、堆積切返し発酵では上記実施例2の表3に示した本発明発酵堆肥3のように7週間の発酵期間を要するが、これと同様の品質の堆肥が、回転体容器を使用すれば、短期間にコーヒー粕を高品質堆肥化できることが分かる。
実施例4
そば殻500kg(乾量)に対し魚市場より排出した魚類廃棄物30重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.3重量%、そば殻に対し尿素1.0重量%及びそば殻に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(本発明発酵堆肥6)とした。そば殻500kg(乾量)に対し魚市場より排出した本発明発酵堆肥6と同じ魚類廃棄物30重量%、魚類廃棄物に対しトレハロース0.3重量%、トレハロースに対しクエン酸ナトリウム35重量%、そば殻に対し尿素1.0重量%及びそば殻に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(本発明発酵堆肥7)とした。
そば殻500kg(乾量)に対し魚市場より排出した本発明発酵堆肥6と同じ魚類廃棄物30重量%、そば殻に対し尿素1.0重量%及びそば殻に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥5)とした。そば殻500kg(乾量)に対し牛糞30重量%、牛糞に対しトレハロース0.3重量%、そば殻に対し尿素1.0重量%及びそば殻に対し本発明方法で製造したコーヒー粕堆肥10重量%を配合した堆肥化原料(比較発酵堆肥6)とした。これら4つの堆肥化原料を用意し、これを水分55重量%に調整し、6週間堆積して堆肥を製造した。この間5日毎に切返しを行った。堆肥化中の堆肥最高温度を測定したところ、表4のような結果が得られた。
Figure 0004195720
この堆肥を用いて小松菜生育試験を行った。同量の市販複合肥料(10-10-10)を元肥として施用した畑土壌100部に、堆肥30部を良く混合した培土を鉢に充填した。この培土充填鉢を4鉢用意し、これに小松菜の種を20粒/鉢播種して屋内に放置した。播種20日経過後小松菜の生体重を測定した。その結果を表5に示す。
Figure 0004195720
すなわち、堆肥化最高温度及び小松菜生育試験から、本発明によればそば殻が短期間に完熟堆肥になることが分かる。

Claims (7)

  1. 多孔質有機廃棄物と魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の発酵物からなる発酵堆肥。
  2. 多孔質有機廃棄物がコーヒー粕又はそば殻であり、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとの配合原料の割合は、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%である請求項1記載の発酵堆肥。
  3. 多孔質有機廃棄物と魚類廃棄物とトレハロースに加えてクエン酸又はその塩との配合原料の発酵物からなる発酵堆肥。
  4. 多孔質有機廃棄物が、コーヒー粕又はそば殻であり、コーヒー粕又はそば殻と魚類廃棄物とトレハロースとクエン酸又はその塩との配合原料の割合が、魚類廃棄物がコーヒー粕又はそば殻に対し5〜120重量%、トレハロースが魚類廃棄物に対し2〜0.001重量%、クエン酸又はその塩がトレハロースに対し10〜80重量%である請求項3記載の発酵堆肥。
  5. 配合原料の発酵を回転体容器中で行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発酵堆肥の製造方法。
  6. 回転体容器がコンクリートミキサーである請求項5記載の発酵堆肥の製造方法。
  7. 発酵前の原料配合物の水分量が45〜70重量%で行うことを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の発酵堆肥の製造方法。
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