JPH02160684A - コンポストの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はコンポストの製造方法に関するものであり、更
に詳細には、木質系物質を原料として塩基置換容量の高
い良質のコンポストを製造する方法に関するものである
。

したがって本発明は、肥料工業の技術分野のみでなく、
木材工業、公害防止工業等の技術分野においても重用さ
れるものである。

（従来の技術） 堆肥は、従来より自給肥料として農家で製造されており
、先ず稲わら等を切断した後に石灰乳を加えて堆積し、
しかる後に混合切返しを行い、硫安等を添加した後頁に
堆積し、完熟せしめて製造している。

また、特に木粉、鋸屑、樹皮、木材チップ等木材系の原
料を用いてコンポストを製造するには、例えば第１図に
図示したようなパーク堆肥の製造工程が採用されている
。すなわち、木質系物質に副原料（家畜や家禽の排泄物
、汚泥等）を加え、更に必要に応じて水、尿素、硫安、
リン酸等を加えて堆積し、発酵、熟成させてコンポスト
を製造している。

（発明が解決しようとする問題点） 従来のコンポスト化は、主として、原料水分の除去、易
分解性物質の分解に重点が置かれ、土壌施用時の作業性
は向上するものの、コンポストの品質向上、コンポスト
の肥効増進等には注意が払われていないのが技術の現状
である。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、このような技術の現状に鑑みてなされたもの
であって、従来顧慮されていなかったコンポストの質と
いう面に着目し、品質向上及び肥効力の増進という技術
課題を新たに設定し、この新規な技術課題を解決するた
めになされたものである。

このような目的を達成するために各方面から鋭意研究し
た結果、熟成過程時に腐植物質生成糸状菌を接種したと
ころ、全く予期せざることに、腐植物質の生成が向上し
て塩基置換容量（ＣＥＣ）が大巾に増加すること、つま
り肥効が増大してコンポストの質の向上が計られるとい
う新しい知見を発見した。

本発明は、この新規にして有用に知見を基礎としてなさ
れたものであるが、更に研究の結果、フェノールオキシ
ダーゼ活性を有する微生物であればどのようなタイプの
ものも適宜使用できることを確認し、腐植物質生成菌の
ほか例えばリグニン分解菌も利用できることも確かめ、
本発明の完成に到ったものである。

すなわち１本発明は、木質系物質を原料とするコンポス
トの製造工程中にフェノールオキシダーゼ活性を有する
微生物を添加して処理する点を重要なポイントとする高
品質コンポストの製造法に関するものである。

本発明を実施するに際して、主原料である木質系物質と
しては、稲わら、麦わら、もみがら、豆から、そばから
、栗がら、きびから、大豆粕その他農産排棄物ないし農
産製造粕のほか、パーク堆肥の原料である木粉、木材チ
ップ、鋸屑、樹皮等も使用できるし、また、緑草、竹等
も広く使用することができる。

これらの木質系原料を常法にしたがって堆積発酵せしめ
てコンポスト化するのであるが、木質系原料には副原料
を配合するのが好ましい、配合する副原料としては、次
のものが例挙される：家畜糞尿、家禽糞、家禽舎廃棄物
、汚泥、糞尿１台所廃棄物、農産製造粕（［粉製造粕、
脱脂大豆、大豆粕、アルコール製造粕等）、水産製造粕
（魚粕、フィツシュミール、魚類内臓等）、畜産製造粕
（畜肉製品製造粕、内臓、頭等）、化学肥料、水、草木
灰、きゅう肥その他。これらの他、堆肥の副原料として
常用されるものであれば、すべてのタイプのものが通常
の使用量で添加使用される。

これらの原料を用いて、原料の選別、原料サイズの調整
、水分の調整等の前処理を行った後、主原料及び副原料
の配合を行う０次いで堆積、′切返し、後熟工程を行い
、この間に微生物を接種発酵せしめて、易分解性物質の
分解を効率よく行い。

腐熟化を促進せしめるのである。微生物の接種時期は、
特・に限定はしないが、後熟（熟成）工程時とするのが
好ましい６以上パーク堆肥の製造工程を例にとって説明
したが１通常の方法による製造工程においても同様であ
って、微生物の接種は、堆肥製造工程のいずれの時期に
行ってもよいし、その回数も工ないし数回に分けて行っ
てもよい。

本発明において使用する微生物としては、フェノールオ
キシダーゼ活性を有する菌であれば広く使用することが
できるが、その代表例としては、腐植物質生成糸状菌、
リグニン分解菌等が非限定的に挙げられる。

これらのうち、腐植物質生成糸状菌としては次のものが
例示される：アスペルギルス属（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕ
ｓ　ｓｙｄｏｗｉ　ＩＦＯ３２１９６等）、スタキボト
リス属（Ｓｔａｃｈｙｂｏｔｒｙｓ　ｃｈａｒｔａｒｕ
ｍ　ＩＦｏ　７２２２等）、エピコツカム属（Ｅｐｉｃ
ｏｃｃｕｍ　ｎｉｇｒｕｍ　＝＝Ｅ、　ｐｕｒｐｕｒａ
ｓｅｅｎｓ　ＩＦｏ　７８０８等）その他。

リグニン分解菌としては次のものが例示される：コリオ
ラス属（Ｃｏｒｉｏｌｕｓ　ｖｅｒｓｉｃｏｌｏｒ　Ｉ
ＦＯ３０３４０：カワラタケ等）、ファネロカエテ属 （Ｐｈａｎａｒｏｃｈａｅｔｅ　ｃｈｒｙｓｏｇｅｎｕ
ｍ　ＡＴＣＣ３４５４１等）、トラメテス属（ダエダレ
ア属）　（Ｔｒａｍｅｔａｓ　ｄｉｃｋｉｎｓｉｉ＝Ｄ
ａｅｄａｌａａ　ｄｉｃｋｉｎｓｉｉ　ＩＦＯ６４８８
：　　ホウロクタケ等）、ポリポラス属（イノノタス属
）（Ｐｏｌｙｐｏｒｕｓｍｉｋａｄｏｉ＝Ｉｎｏｎｏｔ
ｕｓ　ｍ１ｋａｄｏｉ　ＩＦＯ６５１７等）、　ステレ
ウム属（Ｓｔｅｒｅｕｍ　ｆｒｕｓｔｕｌｏｓｕｍ　Ｉ
ＦＯ４９３２：カタウロコタケ、Ｓ、　ｈｉｒｓｕｔｕ
ｍ　ＩＦＯ６５２０：キウロコタケ等）、ガノデルマ属
（Ｇａｎｏｄａｒｍａ　ａｐｐｌａｎａｔｕｍ　ＩＦＯ
６４９９：コフキサルノコシ力ケ、Ｇ、　ｌｕｃｉｄｕ
ｍ　ＩＦＯ８３４６：レイン等）、レンチナス属（Ｌｅ
ｎｚｉｔｅｓｂｅｔｕｌｉｎａ　ＩＦＯ８７１４：カイ
ガラタケ、Ｌ、　ｇｉｂｂｏｓａ　：オウチリメンタケ
等）、ホーメス属 （Ｆｏｒｍｅｓ　ｆｏｒｍｅｎｔａｒｉｕｓ　ＩＦＯ３
０３７１：ツリガネタケ、Ｆ、　１ｇｎ１ａｒｉｕｓ　
：　ニセホクチタケ等）、　レンチナス属（Ｌａｎｔｉ
ｎｕｓ　ｅｄｏｄｅｓ　ＩＦＯ３１３３６：シイタケ等
）。

ポロディスキュラス属（Ｐｏｒｏｄｉｓｃｕｌｕｓ　ｐ
ｅｎｄｕｌｕｓＩＦＯ４９６７：ヌルデタケ等）、その
他。

これらの微生物としては、分離した菌体自体、胞子のほ
か、その培養物が包含される。該培養物としては、菌（
胞子）の培養物、培養液、これらの濃縮物、希釈物、抽
出単離したフェノールオキシダーゼ自体、その含有物、
該酵素の濃縮物、その希釈物等が包含される。微生物の
接種量としては、コンポストに対して乾物重量比で約０
．０００１〜０．１％以上であれば良いが、接種量が多
ければ多い程、微生物の働きは顕著に現われると考えら
れる。−方、上記接種量よりも少ないと、堆積中に増殖
した他の菌によって接種菌が阻害されて所期の効果が奏
されない、しかしながら、原料の種類、気温等によって
、接種量は上記範囲から逸脱することもある。微生物は
数種混合して使用してもよいし。

培養物も同様であるし、微生物と酵素の混用も可能であ
る。

このようにして微生物処理を行うことによって。

原料水分が除去され、易分解性物質が分解され且つ土壌
散布時の作業性が向上するという通常のコンポストが有
する性質のほかに、腐植物質が大量に生成することによ
って、カチオン置換容量が大巾に増大する即ち肥効が大
巾に高まるという新規にしてきわめて有用な性質が付与
される。

このようにして製造されたコンポストは、粉砕、選別、
計量、包装して販売することができるし。

！ｌ家において自給原料を利用して自家消費用のコンポ
ストとすることもできる。

以下１本発明の実施例について述べる。

実施例１ 次の３種の微生物を、それぞれポテトデキストロースブ
ロス中で２８℃、２週間培養した後、洗浄・集菌した。

Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ　ｓｙｄｏｗｉ　ＩＦＯ３１２
９６Ｓｔａｃｈｙｂｏｔｒｙｓ　ｃｈａｒｔａｒｕｍ　
ＩＦＯ７２２２Ｃｏｒｉｏｌｕｓ　ｖｅｒｓｉｃｏｌｏ
ｒ　ＩＦＯ３０３４０一方、稲わらと下水道汚泥とを乾
物重量比で約９＝１に混合し、５０℃で４週間保持した
。そして。

上記によって集菌した３種の菌体を、上記コンポストに
乾物重量比で約０．Ｏ１％接種し、２８℃で４週間培養
を行った後、塩基置換容量を測定した。

その結果を第１表に示す。

第１表 塩基置換容量の変化 試験区分　　　　塩基置換容量（ｍｅｑ／　１００ｇ）
培養開始時　　　　　　　　　　６０ Ａ、　ｓｙｄｏｗｉ接種　　　　　　　　　８０Ｓ、ｃ
ｈａｒｔａｒｕｍ　　＃　　　　　　　　７７Ｃ，ｖｅ
ｒｓｉｃｏｌｏｒ　＃　　　　　　　　７８対　照（菌
体無添加区）７０ 上記第１表からも明らかなように、塩基置換容量は、培
養開始時が６０　ｗａｑ／　１００ｇであるのに対して
、Ａｓｐ、　ｓｙｄｏｗｉ接種区では、４週間で（ｇｏ
−６０）／６０＝０．３３で、３３％増加、またＳ、　
ｃｈａｒｔａｒｕｍ接種区では約２８％増加している。

無添加区では、４週間後に７０ａ＋ｅｑ／　１００ｇで
あるので、　Ａｓｐ、　ｓｙｄｏｗｉ接種区では接種量
は２倍にも達することが判る。このように、後熟（熟成
）時に、上記糸状菌を接種することによって、コンポス
ト製品の品質を大巾に向上せしめることができた。

実施例２ 実施例１において、微生物としてＥｐｉｃｏｃｃｕｍｎ
ｉｇｒｕｍ　ＩＦｏ　７８０８を用い且つ菌体を分離す
ることなく培養物全体を使用したほかは、実施例１と同
様の処理を行った。

その結果、７３　ｍｅｑ／１００ｇの塩基置換容量が得
られ、上記糸状菌の有効性が立証された。

（発明の効果） 本発明は、特にフェノールオキシダーゼ活性を有する微
生物及び／又はその培養物を使用するという従来未知の
新規な構成を採用したことにより、土壌中の肥料成分、
養分などを保持する能力を示す塩基置換容量が増大した
コンポストの製造が可能となるという著効を奏するもの
である。

その詳細なメカニズムは今後の研究にまたねばならない
が、熟成過程において腐植物質生成糸状菌等が、発熱発
酵後の残存栄養分を基質として腐植物質を生成すること
により、熟成過程での腐植物質が増加する。そして腐植
物質は塩基置換容器が高い物質であるので、腐植物質が
増加することによって、コンポストの塩基置換容量が増
大する。

つまり肥効が大巾に増大するものと一応思料される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来からのパーク堆肥の製造工程を示したブロ
ック図である。 代理人　弁理士　戸　１）親　男 手 続 補 正 書（方式） 補正の対象 平成 １年 ４月 ６日 図 面 ７゜ 補正の内容 特 許 庁 長 官 殿 第１図を別紙のとおり補正する。 １、事件の表示 昭和６３年 特 許 願 第３１３７９８号 ２、発明の名称 コンポストの製造方法 ３、補正をする者 事件との関係　　特許出願人 住所　東京都北区西ケ原１丁目２６番３号名　称　　有
機質肥料生物活性利用技術研究組合理事長　　１）　中
　　　隆 ４０６代 理　　人 住 所 〒１０５東京都港区虎ノ門−丁目１９番１４号５、補正
命令の日付（発送口）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、木質系物質に家畜糞、汚泥等の副原料を配合し、つ
   いで堆積、後熟してなるコンポストの製造方法において
   、前記後熟工程においてフェノールオキシダーゼ活性を
   有する菌及び／又はその培養物を接種することを特徴と
   するコンポストの製造方法。 ２、フェノールオキシダーゼ活性を有する菌が腐植物質
   生成糸状菌およびリグニン分解菌の少なくとも一種以上
   であることを特徴とするコンポストの製造方法。