JP2000016889A - 発酵肥料の製造方法 - Google Patents

発酵肥料の製造方法

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JP2000016889A
JP2000016889A JP4584599A JP4584599A JP2000016889A JP 2000016889 A JP2000016889 A JP 2000016889A JP 4584599 A JP4584599 A JP 4584599A JP 4584599 A JP4584599 A JP 4584599A JP 2000016889 A JP2000016889 A JP 2000016889A
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manure
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acetic acid
porous material
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Masayasu Kobayashi
正泰 小林
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KOBAYASHI KANKYO KAGAKU KENKYU
KOBAYASHI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO KK
MITAJIRI CHEM IND
MITAJIRI KAGAKU KOGYO KK
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KOBAYASHI KANKYO KAGAKU KENKYU
KOBAYASHI KANKYO KAGAKU KENKYUSHO KK
MITAJIRI CHEM IND
MITAJIRI KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未熟堆肥および厩肥を排除して、肥効機能を
向上させた完熟堆肥および厩肥を安定して製造できるよ
うにした発酵肥料の製造方法を提供する。 【解決手段】 光合成細菌培養液と酢酸あるいはその含
有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩を多孔
質資材に吸着させて熟成促進剤とし、堆肥あるいは厩肥
の等の発酵肥料原料に添加して発酵熟成させる発酵肥料
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光合成細菌培養液
と酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あるいは
プロピオン酸塩を多孔質資材に吸着させたものを熟成促
進剤として使用することにより、堆肥あるいは厩肥等の
発酵肥料の発酵を促進させると共に、肥効機能を向上さ
せ、発酵肥料を安定して製造できるようにした発酵肥料
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在行われている堆肥あるいは厩肥等の
発酵肥料の製造方法は、一般に動植物廃棄物、動物排泄
物、食品工場廃棄物、汚泥、生ごみ等の原料を、藁、鋸
屑、籾殻、発泡スチロール、水等で、水分55〜60%
程度に調整し、必要に応じて細菌、酵母、乳酸菌等の市
販発酵資材を用いて堆積発酵させ、通常5〜6ヵ月程度
で完熟させている。また、速成法としては、炭素率(C
/N比)を調整して約40程度と低くし、分解を促進さ
せ、また、堆積物中の空気の流通を図り、さらに、酸性
化防止のための石灰チッソの混入とか、微生物の働きを
促進するために米糠等の栄養分の強化を行い、約2ヶ月
程度で熟成堆肥とするのである。
【0003】厩肥の場合は、炭素率は10程度と低く、
分解し易いが、水分が多く、糞尿分離後の固形分も水分
は約80%で、鋸屑、籾殻、藁等を用いるか、ビニルハ
ウス内乾燥等により水分60%程度に調整し、これを高
さ2m位に堆積し、3〜5回の切り返しを行い、約2〜
3ケ月位で段取りが適正であれば完熟させているのであ
る。しかし、市販の堆肥、厩肥中には、技術の未熟と発
酵期間の短縮等のため、未熟なものが多く、使用者の不
評をかっているのが実情であった。
【0004】本出願人は、特許第1378578号(特
公昭61−49277号)において、各種有機性資材を
用いて発酵肥料を製造するに際し、クロレラおよび光合
成細菌を添加する方法を開発し、良質な発酵肥料を得る
ことができる発酵肥料の製造法を提案した。しかし、そ
の後の検討において、発酵のさらなる活性化と、発酵肥
料原料の堆積物中の通気性の確保が要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑み、未熟堆肥および厩肥を排除して、肥効機能を向上
させた完熟堆肥および厩肥を安定して製造できるように
した発酵肥料の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため鋭意検討した結果、光合成細菌培養液と
酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あるいはプ
ロピオン酸塩を多孔質資材に吸着させたものが、堆肥あ
るいは厩肥等の発酵肥料の発酵を促進すると共に、肥効
機能を向上させることを知り、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、光合成細菌培養液と酢酸ある
いはその含有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン
酸塩を多孔質資材に吸着させたものを熟成促進剤とし、
堆肥あるいは厩肥等の発酵肥料原料に添加して発酵熟成
させることを特徴とする発酵肥料の製造方法である。
【0007】そして、上記発酵肥料の製造方法におい
て、酢酸含有物としては、食酢、木酢液、竹酢液、モミ
酢、酢酸塩が好適に用いられる。また、多孔質資材とし
ては、木、鋸屑、竹、柑橘類の搾り粕、椰子殻、籾殻、
麦殻、甘薯の搾り粕、焼酎粕、甜菜糖の抽出粕、綿実
殻、クルミ殻、コーヒー粕あるいは豆類の搾り粕を炭化
処理して得られる多孔質材、または黒曜石を焼成処理し
たもの、あるいは蛭石が好適に用いられる。
【0008】光合成細菌は多面的な無数の機作を保持し
ているが、その中で、本発明の発酵肥料の製造に用いた
場合の機作についてみると、光合成細菌およびその成分
は、乳酸菌等の発酵菌の発育を促進する因子を保有して
いること、菌体成分は蛋白質が乾物中約70%で極めて
多く、貴重なビタミンB群のB12、ビオチン(成長因
子)、葉酸を酵母の数十倍の多量含有し、重要な生理活
性物質ユビキノンを多量に含有していることである。ま
た、酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あるい
はプロピオン酸塩を本発明の発酵肥料の製造に用いた場
合の効用は、堆肥および厩肥の腐熟促進と、糞尿の脱臭
とハエの発生を防止することである。さらに、木酢液が
植物の発芽、発根を促進させる作用を有することは、よ
く知られている事実である。さらに漢方生薬の抽出液を
添加すると、光合成細菌は生薬に含まれるアミノ酸、蛋
白質を利用して増殖する。また、生薬より抽出された成
分は、植物が生育するために必要な成分を含んでおり、
土壌に散布すると土壌に不足している微量元素を供給
し、土壌の団粒構造を促して有機物を分解する微生物の
働きを活発にする。
【0009】これらの光合成細菌培養液と酢酸あるいは
その含有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩
の性能が、発酵肥料の発酵を促進するのに有効に作用す
るのであるが、この光合成細菌培養液と酢酸あるいはそ
の塩またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩を多孔
質資材に吸着させたものを用いると、発酵肥料原料の堆
積物中の通気性が確保されるので、これが発酵の促進を
さらに増長することになる。そして、この発酵の促進に
よって、切り返しの回数を節減することができるのであ
る。また、特に厩肥においては、発酵原料の糞尿の脱臭
とハエの発生を防止することが、環境の改善となる副次
的効果をもたらすことになる。
【0010】本発明に用いる光合成細菌は、5科に分類
されている内の有機物資化性菌の3科の紅色無硫黄細菌
科〔ロドスピリエーシエ(Rhodospirillaceae) 、エクト
チオロドスピルエーシエ(Ectothiorhodospiraceae)、ク
ロロフレキエーシエ(Chloroflexaceae) 〕の菌株で、こ
れを増殖させるには、例えば、水道水1リットル中に無
水酢酸ソーダ3g、第1リン酸カリ0.5g、硫安0.
8g、硫酸マグネシウム0.2g、食塩0.5〜2g、
酵母エキス0.01gを溶解したもの1〜1.5リット
ルをガラス容器に入れ、前記の光合成細菌培養液(1m
l中菌体個数5×109 個)100mlを添加し、pH
7〜7.5程度、水温20〜25℃の条件下で、弱い通
気攪拌培養を行う。約1週間〜10日後、全液が1ml
中2〜3×109 個以上の増殖菌体を得ることができ
る。
【0011】本発明においては、上記光合成細菌と共
に、酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あるい
はプロピオン酸塩を用いる。酢酸含有物としては、食
酢、木酢液、竹酢液、モミ酢または酢酸塩が用いられる
が、これらは、通常の方法により得られるものでよい。
例えば、木酢液は通常の方法により広葉樹から得られる
ものが好ましいが、特に材料にこだわるものではない。
木酢液の製造には、ドラム缶利用、一般の炭窯利用等、
種々の材料による炭化法があり、先ず排煙を冷却して粗
木酢液を得る。さらに、精製してタール分のない精製木
酢液を得る。一般に、原料木材100kgから木炭25
kg、粗木酢液8リットル、精製木酢液約5リットルが
得られる。食酢には、酢酸酢、醸造酢、合成酢、加工酢
があり、また、醸造酢には、アルコール酢、米酢、酒粕
酢、麦芽酢、リンゴ酢、ブドウ酢、玄米酢等がある。
【0012】上記光合成細菌培養液と酢酸あるいはその
含有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩は、
多孔質資材に吸着させて熟成促進剤とするのであるが、
多孔質資材としては、木、鋸屑、竹、柑橘類の搾り粕、
椰子殻、籾殻、麦殻、甘薯の搾り粕、焼酎粕、甜菜糖の
抽出粕、綿実殻、クルミ殻、コーヒー粕あるいは豆類の
搾り粕を炭化処理して得られる多孔質材、またはゼオラ
イト、黒曜石を焼成処理したもの、あるいは蛭石が用い
られる。上記の炭化処理は、通常の方法により行えばよ
く、柑橘類の搾り粕等においては、搾り粕を箱型乾燥機
で水分10%程度まで予備乾燥を行い、次に、炭化炉で
400〜600℃にて炭化処理して多孔質材とする。こ
れら炭化処理したものは、粒状または粉状にして用いる
のが、堆肥あるいは厩肥等の発酵肥料としては好ましい
ものである。なお、予備乾燥に用いる熱源は、炭化処理
の際に発生する排ガスを用いてもよい。
【0013】ゼオライトは沸石とも言い、玄武岩などの
塩基性岩中から産出する含水アルミノ珪酸塩鉱物で、イ
オン交換性、吸湿性、分子篩作用よりカリウム、燐を吸
着させて土壌改良剤として利用されており、このような
特異性も有効である。フヨーライトは商品名であるが、
黒曜石を焼成化した粒状の無機体で、強固なガラス質の
被膜で覆われ、吸水率は5〜15%(容積)、比重は
0.08〜0.3で、吸水させても内部に50%以上の
空気を保持するので、この特性を利用して吸着剤として
用いれば、発酵肥料の製造において、粒状または粉状の
木炭以上の通気性と切り返し回数の減少の効果が発揮さ
れる。
【0014】本発明において、光合成細菌培養液と酢酸
あるいはその含有物またはプロピオン酸あるいはプロピ
オン酸塩との配合割合は、光合成細菌/酢酸あるいはそ
の含有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩=
1/1〜8が好ましく、さらに好ましくは1/1〜5で
ある。脱臭効果を十分にするためには、酢酸あるいはそ
の含有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩の
量を多くするのが好ましい。また、光合成細菌培養液と
酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あるいはプ
ロピオン酸塩とを合わせて、多孔質資材に対して30重
量%以下の量を加える。30重量%を超えると、多孔質
資材に吸着しきれない場合が生じて好ましくない。ま
た、あまり少なくなると、熟成促進剤としての効果が得
られなくなるので、状況に応じて適宜にきめて実施す
る。
【0015】前記の光合成細菌培養液0.5〜1.5リ
ットルと酢酸あるいはその含有物またはプロピオン酸あ
るいはプロピオン酸塩1.0〜1.5リットルを粒状径
1〜3mmの多孔質資材20〜30リットル(見掛け比
重0.3)に含浸吸着させた含浸物、すなわち、本発明
の熟成促進剤は、不活性状態で長期保存が可能である。
上記のようにして得られる熟成促進剤は、動植物廃棄
物、動物排泄物、食品工場廃棄物、汚泥、生ごみ等の発
酵肥料原料に数%の割合で添加して、常法により堆積し
て発酵熟成させる。厩肥の場合は、厩肥原料とする厩舎
内の糞尿に直接上記熟成促進剤を添加しておけば、糞尿
の脱臭が行われると共に、ハエの発生が防止されるの
で、厩舎を含む環境の改善が行われ好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を挙げて説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。以下の実施例において用いた光合成細菌培養
液と木酢液は、次の製造例によるものである。 (光合成細菌培養液の製造例)ロドスピリエーシエ(Rho
dospirillaceae) 科のロドシュウドモナス(Rhodopseudo
monas)属の10株、ロドスピリラム(Rhodospirillum)属
の3株、エクトチオロドスピルエーシエ(Ectothiorhodo
spiraceae)科のエクトチオロドスピラー(Ectothiorhodo
spira)属の3株、クロロフレキエーシエ(Chloroflexace
ae) 科のクロロフレックス(Chloroflexus)属の2株、計
18株の純粋培養液各1リットルを、水道水100リッ
トル中に無水酢酸ナトリウム250g、リンゴ酸ナトリ
ウム50g、第1リン酸カリウム80g、硫安50g、
硫酸マグネシウム20g、食塩100g、酵母エキス5
gを溶解した培養液に接種し(200リットル容ダイラ
イトタンク使用)、pH7.5前後で緩い攪拌をしなが
ら20〜30日増殖させ、さらに、拡大培養を同様培地
で行い、1ml中1×109 個以上の菌体を含有する光
合成細菌混合培養液を作製した。 (木酢液の製造例)クヌギを一般の黒炭窯で薪炭材を製
造する時の煙道を冷却して、採取した粗木酢液を6ヵ月
以上貯蔵した後、中層液を加工調製して精製木酢液を得
た。
【0017】
【実施例1】マレーシア産製材の端材を原料として製造
した粒状の木炭(粒度1〜3mm)40リットル(見掛
け比重0.3)に、光合成細菌培養液の製造例で製造し
た光合成細菌培養液2リットルと、木酢液の製造例で製
造した木酢液1.5リットルを共に吸着させたもの2袋
を、コーヒー粕1トン、豆腐粕500kg、鶏糞1ト
ン、木材屑500kgを水分60%に調整したものに、
発酵剤(市販のバイムフード)1.5kgと共に、均一
に混和し、高さ2mに堆積発酵させ、2ケ月で切り返し
3回を行い、3ケ月で完熟堆肥を製造した。
【0018】
【比較例1】鋸屑、チップ屑等の乾物1トンに、乾燥鶏
糞300kg,米糠30kg、酵素剤3kgをよく混合
し、水をかけて水分を60%に調整し、高さ1.5〜2
mに堆積し、上部に覆いをかけて保温し、雨水の流入も
防止する。そのまま3〜4日すると、60℃以上の高温
で発酵を始め、堆積後10〜15日目ごとに、2〜3回
切り返しを行い、40〜60日すると温度も低下して、
約3トンの堆肥が得られる。上記実施例1および比較例
1の堆肥の品質は表1に示すとおりで、実施例1で得ら
れる堆肥は、比較例1で得られる堆肥に比べ極めて良質
の堆肥である。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例2】固液分離後の牛糞、豚糞各1トンにと、鶏
糞1トンをビニルハウス内で天日乾燥により水分60%
前後に調整したものに、フヨーライト125リットル
(見掛け比重0.16)に光合成細菌培養液の製造例で
製造した光合成細菌培養液3リットルと、木酢液の製造
例で製造した木酢液3リットルの混合液を含浸させたも
の1袋を、できるだけ均一に混合しながら、約2mの高
さに堆積して発酵を行った。発酵約2ケ月間、切り返し
は1回で完熟が完了した。
【0021】
【比較例2】牛の糞尿の厩肥製造は、一般にひき藁に鋸
屑を厚さ15〜20cm使用し、1ヵ月1回ボロ出しし
て、ビニルハウス内で60%程度まで乾燥した後、高さ
2m程度に堆積する。3〜5日すると60〜70℃にな
り、高熱のため水分が蒸発を始め、窒素分も有機物もな
くなる。このため必ず水をうって温度を下げる。2〜3
週間して第1回の切り返しを行い、さらに3〜4週間し
てから第2回の切り返し行う。このようにして管理を繰
り返し、2ケ月もすれば量は半分になり、完熟厩肥が得
られる。上記実施例2および比較例2の厩肥の品質は表
2に示すとおりで、実施例1で得られる厩肥は、比較例
2で得られる厩肥に比べ極めて良好なものであった。
【0022】
【表2】
【0023】
【実施例3】牛舎床(敷き藁)、豚舎床(敷き鋸屑)、
鶏舎の堆積糞に共に床面1m2 に対し、ゼオライト20
kg中に光合成細菌培養液の製造例で製造した光合成細
菌培養液2.0リットルと、木酢液の製造例で製造した
木酢液2.0リットルを吸着させたものを、0.5kg
散布した。これにより畜舎内のハエの発生は皆無とな
り、外部よりの進入も防止し、悪臭源の糞尿分解物の酪
酸は分解され、硫化水素(H2S) の発生も防止し、アンモ
ニア(NH3) も光合成細菌により固定されて、発生は極減
された。この牛・豚の糞尿を固液分離し、乾燥させて水
分を60%前後に調整したものを、高さ2m程度に堆積
して発酵を行った結果、2ケ月程度で表3に示すような
良質な厩肥を得た。
【0024】
【表3】
【0025】
【実施例4】国内産の竹を原料として製造した粒状の竹
炭(粒度1〜3mm)100リットル(見掛け比重0.
3)に、光合成細菌培養液の製造例で製造した光合成細
菌培養液2リットルと米酢8リットルを共に吸着させ
る。吸着物に、水分60%に調整した牛糞1.2トン、
豚糞0.4トン、鶏糞0.4トンの混合物を均一に混合
し、高さ1.5〜1.8mに堆積して発酵させる。2ケ
月で切り返し3回を行い、3ケ月で堆肥を製造した。
【0026】
【比較例3】水分60%の牛糞1.2トン、豚糞0.4
トン、鶏糞0.4トンの混合物を高さ1.5〜1.8m
に堆積後、上部にビニルシートの覆いを掛けて保温す
る。そのまま2〜3日すると、発酵温度は60℃とな
り、堆積後15〜20日ごとに2〜3回切り返しを行
う。堆積後90日すると、温度は低下して堆肥が得られ
る。上記実施例4および比較例3の堆肥の品質は表4に
示すとおりで、実施例4で得られる堆肥は、比較例3で
得られる堆肥に比べて良質の堆肥である。
【0027】
【表4】
【0028】
【実施例5】椰子殻を原料として製造した粒状のココ椰
子殻炭(粒度1〜3mm)100リットル(見掛け比重
0.3)に、光合成細菌培養液の製造例で製造した光合
成細菌培養液2リットルと竹酢液8リットルを吸着させ
る。次に、この吸着物を水分60%に調整した牛糞1.
8トンおよび柑橘加工残渣0.2トンと均一に混合し、
高さ1.5mに堆積して発酵させる。2ケ月で切り返し
3回を行い、発酵開始後3ヵ月で堆肥を生産した。
【0029】
【比較例4】水分60%に調整した牛糞1.8トンと蜜
柑加工残渣0.2トンの混合物を高さ1.5〜1.8m
程度に堆積する。保温するために、ビニルシートで上部
に覆いを掛けて保温する。3〜5日すると60〜70℃
になり水分が蒸発する。2〜3週間して第1回の切り返
しを行い、さらに3〜4週間してから、第2回の切り返
しを行う。以上のような操作を繰り返し、3ケ月もすれ
ば堆肥が得られる。上記実施例5および比較例4の堆肥
の品質は表5に示すとおりであり、実施例5で得られる
堆肥は、比較例4で得られる堆肥に比べ良質の堆肥であ
る。
【0030】
【表5】
【0031】
【実施例6】かぼ酢の搾り粕を原料として製造した粒状
の炭(粒度1〜3mm)150リットル(見掛け比重
0.3)に、光合成細菌培養液の製造例で製造した光合
成細菌培養液3リットルと5%プロピオン酸水溶液12
リットルを共に吸着させる。吸着物に水分60%に調整
した牛糞2.1トン、豚糞0.6トン、鶏糞0.3トン
の混合物を均一に混合し、高さ1.2〜1.5mに堆積
して発酵させる。2ヵ月で切り返し4回を行い、3ケ月
で堆肥を製造した。
【0032】
【比較例5】乾燥舎内で水分60%に調整された牛糞3
トンを高さ1.5〜2mに堆積する。3〜5日すると6
0〜70℃になり、水分が蒸発する。2〜3週間して第
1回の切り返しを行い、さらに3〜4週間してから第2
回の切り返しを行う。以上のような操作を繰り返し、3
ヵ月もすれば堆肥が得られる。上記実施例6および比較
例5の堆肥の品質は表6に示すとおりであり、実施例6
で得られる堆肥は、比較例5で得られる堆肥に比べ良質
の堆肥である。
【0033】
【表6】
【0034】
【実施例7】籾殻を原料として製造したくん炭30kg
に、光合成細菌培養液の製造例で製造した光合成細菌培
養液2リットルと5%酢酸水溶液8リットルを吸着させ
る。次に、この吸着物を水分60%に調整した牛糞1.
2トン、豚糞0.4トン、鶏糞0.4トンの混合物を均
一に混合し、高さ1.5〜1.8mに堆積して発酵させ
る。2ヵ月で切り返し3回を行い、3ヵ月で堆肥を製造
した。
【0035】
【比較例6】水分60%に調整した牛糞1.2トン、豚
糞0.4トン、鶏糞0.4トンの均一混合物を高さ1.
5〜1.8mに堆積後、上部にシートの覆いを掛けて保
温する。3〜4日すると発酵温度は60℃となり、堆積
後15〜20日目ごとに2〜3回切り返しを行う。堆積
後90日すると、温度は低下して堆肥が得られる。上記
実施例7および比較例6の厩肥の品質は表7に示すとお
りであり、実施例7で得られる堆肥は、比較例6で得ら
れる堆肥に比べ良質の堆肥である。
【0036】
【表7】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、堆肥、厩肥等の発酵肥
料の発酵が促進され、肥効機能を向上させて、完熟した
優良な発酵肥料を安定して製造することができ、切り返
し作業の回数が節減されると共に、発酵原料の糞尿の脱
臭とハエの発生を防止し、環境改善の副次的効果をもた
らす。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光合成細菌培養液と酢酸あるいはその含
    有物またはプロピオン酸あるいはプロピオン酸塩を多孔
    質資材に吸着させて熟成促進剤とし、堆肥あるいは厩肥
    等の発酵肥料原料に添加して発酵熟成させることを特徴
    とする発酵肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】 酢酸含有物が、食酢、木酢液、竹酢液、
    モミ酢または酢酸塩である請求項1に記載の発酵肥料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 多孔質資材が、木、鋸屑、竹、柑橘類の
    搾り粕、椰子殻、籾殻、麦殻、甘薯の搾り粕、焼酎粕、
    甜菜糖の抽出粕、綿実殻、クルミ殻、コーヒー粕あるい
    は豆類の搾り粕を炭化処理して得られる多孔質材、また
    はゼオライト、黒曜石を焼成処理したもの、あるいは蛭
    石である請求項1または2に記載の発酵肥料の製造方
    法。
JP4584599A 1998-04-27 1999-02-24 発酵肥料の製造方法 Pending JP2000016889A (ja)

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