JP2617569B2 - ビール粕を利用する有機質肥料の製造方法 - Google Patents
ビール粕を利用する有機質肥料の製造方法Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/20—Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
Landscapes
- Fertilizers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微生物によるビール粕を主原料として利用す
る有機質肥料の製造方法に関し、特に悪臭を有しないも
のを速成に製造可能なことを特徴としたものである。
る有機質肥料の製造方法に関し、特に悪臭を有しないも
のを速成に製造可能なことを特徴としたものである。
食生活の向上に伴って、ビールの消費量が増大し多量
にビール粕が発生し毎年約100万tに達している。ビー
ル粕は70〜80%の水分を含み、そのまま放置すると酪酸
等が発生するので悪臭が生じるなど保存性に問題があ
り、飼料としての利用があるが、それにも限界がある。
その為、現在その処理が大きな問題となっている。
にビール粕が発生し毎年約100万tに達している。ビー
ル粕は70〜80%の水分を含み、そのまま放置すると酪酸
等が発生するので悪臭が生じるなど保存性に問題があ
り、飼料としての利用があるが、それにも限界がある。
その為、現在その処理が大きな問題となっている。
一方、農業の近代化が進むにつれて、主に、無機肥料
の使用が普及し、増加したが、その弊害として地力の低
下が全国的に広がってしまった。
の使用が普及し、増加したが、その弊害として地力の低
下が全国的に広がってしまった。
それを救う方法は良質な有機質肥料を投与する以外に
はない。
はない。
ビール粕(ビール製造工程で、麦汁をしぼる過程で生
ずる濾過残渣)は、その化学成分の見地から、多孔
質性から土地の改良に効果があると考えられる。本発明
者らの一人は既にこの点に注目し、ビール粕を利用する
有機質肥料を調製し、その花卉、野菜への効果を証明す
ると共に肥料登録をしている。
ずる濾過残渣)は、その化学成分の見地から、多孔
質性から土地の改良に効果があると考えられる。本発明
者らの一人は既にこの点に注目し、ビール粕を利用する
有機質肥料を調製し、その花卉、野菜への効果を証明す
ると共に肥料登録をしている。
しかしながら、従来の技術では、熟成させるまで長時
間を要し、製造工程において低級脂肪酸及び硫黄化合物
等の悪臭原因物質が発生してくるため悪臭を有すること
等の欠点があり、経済性のみならず肥料工場の立地の点
からも問題があった。故に本発明はビール粕の悪臭原因
物質を短時間で分解除去する有機質肥料の速成な製造方
法を新たに提供することを目的とする。
間を要し、製造工程において低級脂肪酸及び硫黄化合物
等の悪臭原因物質が発生してくるため悪臭を有すること
等の欠点があり、経済性のみならず肥料工場の立地の点
からも問題があった。故に本発明はビール粕の悪臭原因
物質を短時間で分解除去する有機質肥料の速成な製造方
法を新たに提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明者らは、その解決を製
造装置の改良及び使用菌株の選択の両面から鋭意検討し
てきた結果、製造装置を考案(別出願)すると共に、発
明者らが見出したビール粕を主原料として利用する有機
質肥料の製造方法に適した微生物群(ロードコッカス属
に属する菌群)を組み合わせることにより、低級脂肪酸
ならびに硫黄化合物等の悪臭原因物質を速やかに分解
し、他の菌群(繊維素分解菌群)は並行的にセルロー
ス、ヘミセルロース等を分解、熟成させるので、製造期
間を著しく短縮出来る事実を見出し、上述の課題を克服
したビール粕を主原料として利用する有機質肥料の製造
方法を提供するに至った。
造装置の改良及び使用菌株の選択の両面から鋭意検討し
てきた結果、製造装置を考案(別出願)すると共に、発
明者らが見出したビール粕を主原料として利用する有機
質肥料の製造方法に適した微生物群(ロードコッカス属
に属する菌群)を組み合わせることにより、低級脂肪酸
ならびに硫黄化合物等の悪臭原因物質を速やかに分解
し、他の菌群(繊維素分解菌群)は並行的にセルロー
ス、ヘミセルロース等を分解、熟成させるので、製造期
間を著しく短縮出来る事実を見出し、上述の課題を克服
したビール粕を主原料として利用する有機質肥料の製造
方法を提供するに至った。
すなわち、本発明は、種菌群中に存在するロードコッ
カス属に属する菌群(これらを以下では脂肪酸等分解菌
群という)を切り返しを行なうなど好気的にビール粕中
で増殖させることによって、従来のビール粕の肥料化法
で生ずる悪臭原因物質をすみやかに分解させること及び
種菌群中に存在する繊維素分解菌群の組み合せが良好
で、特にバチルスやクロストリディウム等の分解菌群は
熟成時高温下に麦がらのセルロース、ヘミセルロース等
を部分分解し、低級脂肪酸及び硫黄化合物を産生する。
そして切り返し後の好気的条件で脂肪酸等の分解菌群が
これらの低級脂肪酸を分解するというサイクルをくり返
すことによって、麦がらのセルロースは相当程度分解さ
れ、熟成するが、多孔質性を失うことなく、有機質肥料
としての成分と物性を持った特徴のある肥料を短時間に
製造することが出来る方法を提供するものである。
カス属に属する菌群(これらを以下では脂肪酸等分解菌
群という)を切り返しを行なうなど好気的にビール粕中
で増殖させることによって、従来のビール粕の肥料化法
で生ずる悪臭原因物質をすみやかに分解させること及び
種菌群中に存在する繊維素分解菌群の組み合せが良好
で、特にバチルスやクロストリディウム等の分解菌群は
熟成時高温下に麦がらのセルロース、ヘミセルロース等
を部分分解し、低級脂肪酸及び硫黄化合物を産生する。
そして切り返し後の好気的条件で脂肪酸等の分解菌群が
これらの低級脂肪酸を分解するというサイクルをくり返
すことによって、麦がらのセルロースは相当程度分解さ
れ、熟成するが、多孔質性を失うことなく、有機質肥料
としての成分と物性を持った特徴のある肥料を短時間に
製造することが出来る方法を提供するものである。
まず、本発明で使用する菌群について具体的に説明す
る。
る。
(1) ロードコッカス属のMT2040株、MT2041株は第1
表に示す性質を有し、スコットランドのNational Colle
ction of Industrial Bacteria Torry Research(国立
工業用微生物収集トリー研究所)によりRhodococcus s
p.(ロードコッカス・sp.)と同定されたものである。
これらの微生物はRhodococcus sp MT2040(FERM P−106
55),Rhodococcus sp MT2041(FERM P−10656)として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託している。
表に示す性質を有し、スコットランドのNational Colle
ction of Industrial Bacteria Torry Research(国立
工業用微生物収集トリー研究所)によりRhodococcus s
p.(ロードコッカス・sp.)と同定されたものである。
これらの微生物はRhodococcus sp MT2040(FERM P−106
55),Rhodococcus sp MT2041(FERM P−10656)として
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託している。
また、MT2040及びMT2041は脂肪酸を分解する能力が強
い。脂肪酸の好気的な分解は次式で示すとおり、酸素の
吸収量で脂肪酸の分解性を相対値として表わすことが出
来る。
い。脂肪酸の好気的な分解は次式で示すとおり、酸素の
吸収量で脂肪酸の分解性を相対値として表わすことが出
来る。
CH3COOH+202→2CO2+2H2O 37℃、トリス塩酸緩衝液中での分解活性を第2表に示
した。
した。
トリス塩酸緩衝液pH8に基質を0.8mM添加,酸素吸収速
度を37℃で測定 (2) 繊維素分解菌群(セルラーゼ、キシラナーゼな
ど)としては、トリコデルマ、バチルス、クロストリデ
ィウム、セルロモナス等があげられる。特に、Trichode
rma reesei(トリコデルマ レーセ)QM9414、Bacillus
tumilus(バチルス トゥミイルス)ATCC7061、Clostr
idium thermocellum(クロストリデェウム サーモセラ
ム)ATCC27405、Cellulomonas flavigena(セルロモナ
ス フラブイゲラ)IF03753等が適当であり、商品とし
ては例えばサナ菌(有限会社アキヤマ社製、SANA−S,サ
ナ−完堆の素)として市販されているものが適当であ
る。
度を37℃で測定 (2) 繊維素分解菌群(セルラーゼ、キシラナーゼな
ど)としては、トリコデルマ、バチルス、クロストリデ
ィウム、セルロモナス等があげられる。特に、Trichode
rma reesei(トリコデルマ レーセ)QM9414、Bacillus
tumilus(バチルス トゥミイルス)ATCC7061、Clostr
idium thermocellum(クロストリデェウム サーモセラ
ム)ATCC27405、Cellulomonas flavigena(セルロモナ
ス フラブイゲラ)IF03753等が適当であり、商品とし
ては例えばサナ菌(有限会社アキヤマ社製、SANA−S,サ
ナ−完堆の素)として市販されているものが適当であ
る。
本発明は以上述べた菌群を主とし、新鮮なビール粕
(水分 約70〜80%)に接種し、増殖させ発酵、熟成を
はかるものである。
(水分 約70〜80%)に接種し、増殖させ発酵、熟成を
はかるものである。
被処理物はビール粕を主体とするが、少量の絞り粕、
糠、尿素、乾燥糞、魚粉、骨粉等の有機物、活性汚泥等
が混合されていてもよい。菌群をビール粕に接種する方
法としては、菌群を各々適切な培地で培養し、TM2040、
MT2041の場合は第3表に示す培地で培養し、集菌後、常
法により(例えば脱脂粉乳5%、グルタミン酸ソーダ1
%)を含む保護剤中で凍結乾燥する。
糠、尿素、乾燥糞、魚粉、骨粉等の有機物、活性汚泥等
が混合されていてもよい。菌群をビール粕に接種する方
法としては、菌群を各々適切な培地で培養し、TM2040、
MT2041の場合は第3表に示す培地で培養し、集菌後、常
法により(例えば脱脂粉乳5%、グルタミン酸ソーダ1
%)を含む保護剤中で凍結乾燥する。
こうして得た凍結乾燥菌株にセライトを加え約5〜8
×109cell/gの菌体を含む種菌を調製しビール粕に散布
してもよいし、予め各種低級脂肪酸を主炭素源とする第
3表の培地で培養した培養菌体をオガクズに混合したも
のを添加してもよいし、菌群が十分生育した処理ビール
粕を、新鮮ビール粕と混合してもよい。それらを堆積す
るとやがて温度が上昇するので、1日1〜3回程度切り
かえしを行なう。約35〜40日で有機質肥料が製造され
る。普通では3〜6ケ月かかるのと比べるとその効果は
大きい。本発明の特徴の一つである菌株群MT2040,MT204
1を添加しない場合には、低級脂肪酸及び硫黄化合物の
発生による著しい悪臭が認められるが、本法によりそれ
は解決される。そして、多少時間はかかるが肥料がえら
れる。一方、繊維素分解菌群を添加しないと麦がら残が
多く残り熟成不足になる。さらに、望ましくは発明者ら
が考案した装置(別出願)を用いると製造諸条件がコン
トロール出来るので製造期間を更に5〜7日程度短縮出
来る。その上、周辺の環境への影響がなく肥料を製造す
ることが可能である。
×109cell/gの菌体を含む種菌を調製しビール粕に散布
してもよいし、予め各種低級脂肪酸を主炭素源とする第
3表の培地で培養した培養菌体をオガクズに混合したも
のを添加してもよいし、菌群が十分生育した処理ビール
粕を、新鮮ビール粕と混合してもよい。それらを堆積す
るとやがて温度が上昇するので、1日1〜3回程度切り
かえしを行なう。約35〜40日で有機質肥料が製造され
る。普通では3〜6ケ月かかるのと比べるとその効果は
大きい。本発明の特徴の一つである菌株群MT2040,MT204
1を添加しない場合には、低級脂肪酸及び硫黄化合物の
発生による著しい悪臭が認められるが、本法によりそれ
は解決される。そして、多少時間はかかるが肥料がえら
れる。一方、繊維素分解菌群を添加しないと麦がら残が
多く残り熟成不足になる。さらに、望ましくは発明者ら
が考案した装置(別出願)を用いると製造諸条件がコン
トロール出来るので製造期間を更に5〜7日程度短縮出
来る。その上、周辺の環境への影響がなく肥料を製造す
ることが可能である。
当該肥料の肥効について、菊、トンネルかぼちゃ、メ
ロンを対象として、その成育状況を調査したが、その結
果は次のようであった。
ロンを対象として、その成育状況を調査したが、その結
果は次のようであった。
(1) 菊については、葉の大きさが15〜20%拡大する
と共に、葉の厚さも増大し、花も大きく、日持ちも良く
なり、当該肥料を添加した栽培が当該肥料無添加のもの
に対し価格も大巾に上昇した。
と共に、葉の厚さも増大し、花も大きく、日持ちも良く
なり、当該肥料を添加した栽培が当該肥料無添加のもの
に対し価格も大巾に上昇した。
(2) トンネルかぼちゃについては、当該肥料を添加
した栽培品の収量は当該肥料無添加のものに比し、総収
量で11%(品質の高いものでは31%、中級品では17%)
増加した。また、1個当り重量も31%増加した。
した栽培品の収量は当該肥料無添加のものに比し、総収
量で11%(品質の高いものでは31%、中級品では17%)
増加した。また、1個当り重量も31%増加した。
(3) メロンについては、同じく当該肥料を添加した
栽培品の収量は、当該肥料無添加のものに比し、総収量
で18%増収し、また1個当り重量も27.1%増加した。
栽培品の収量は、当該肥料無添加のものに比し、総収量
で18%増収し、また1個当り重量も27.1%増加した。
その他の野菜類についても同様に肥効が認められ、全
体的に添加した栽培品は、果色、葉色が良くなり、又、
糖分の増加が認められ、明らかに当該肥料の肥効が顕著
に認められた。
体的に添加した栽培品は、果色、葉色が良くなり、又、
糖分の増加が認められ、明らかに当該肥料の肥効が顕著
に認められた。
ビール粕にMT2040株、MT2041株(ロードコッカス属に
属する菌群);Trichoderma reesei(トリコデルマ レ
ーゼ)QM9414、Bacillus tumilus(バチルス トウミイ
ルス)ATCC7061、Clostridium thermocellum(クロスト
リディウム サーモセラム)ATCC27405又はサナ菌(有
限会社 アキヤマ社製)(繊維分解菌群)を接種し、適
当な切りかえと堆積の繰返しにより、嫌気、好気性の条
件を作り出しつつ発酵させればサナ菌等によりビール粕
のセルロース、ヘミセルロース等が部分分解され、それ
に伴って低級脂肪酸及び硫黄化合物を産生する。切り返
し等により好気的な条件にすればMT2040株、MT2041株に
とって良好な発酵条件となり、上記脂肪酸及び硫黄化合
物が分解されてCO2,O2等のガスやH2Oとなり、発生する
悪臭原因物質である低級脂肪酸及び硫黄化合物が除去さ
れ多孔質性の有機質肥料が得られる。また、水分が多少
多い時は切り返しを多くするなどによりトリコデルマ、
及びBacillus tumilus ATCC7061やサナ菌によるビール
粕のセルロース等の部分分解とMT2040株、MT2041株の低
級脂肪酸及び硫黄酸化物の分解の二者がほぼ並行するた
め短時間で、ビール粕を利用する有機質肥料が製造可能
となる。
属する菌群);Trichoderma reesei(トリコデルマ レ
ーゼ)QM9414、Bacillus tumilus(バチルス トウミイ
ルス)ATCC7061、Clostridium thermocellum(クロスト
リディウム サーモセラム)ATCC27405又はサナ菌(有
限会社 アキヤマ社製)(繊維分解菌群)を接種し、適
当な切りかえと堆積の繰返しにより、嫌気、好気性の条
件を作り出しつつ発酵させればサナ菌等によりビール粕
のセルロース、ヘミセルロース等が部分分解され、それ
に伴って低級脂肪酸及び硫黄化合物を産生する。切り返
し等により好気的な条件にすればMT2040株、MT2041株に
とって良好な発酵条件となり、上記脂肪酸及び硫黄化合
物が分解されてCO2,O2等のガスやH2Oとなり、発生する
悪臭原因物質である低級脂肪酸及び硫黄化合物が除去さ
れ多孔質性の有機質肥料が得られる。また、水分が多少
多い時は切り返しを多くするなどによりトリコデルマ、
及びBacillus tumilus ATCC7061やサナ菌によるビール
粕のセルロース等の部分分解とMT2040株、MT2041株の低
級脂肪酸及び硫黄酸化物の分解の二者がほぼ並行するた
め短時間で、ビール粕を利用する有機質肥料が製造可能
となる。
また、切り返しの周期、MT2040株、MT2041株及び繊維
素分解菌群の相対接種量、添加物、発酵・熟成の日数等
により肥料としての性質を変えられる多様な有機質肥料
が製造可能である。
素分解菌群の相対接種量、添加物、発酵・熟成の日数等
により肥料としての性質を変えられる多様な有機質肥料
が製造可能である。
即ち、上記ビール粕に添加物として絞り粕、糠、尿
素、乾燥糞、魚粉、活性汚泥等の有機物を補助的に加え
れば、最終的には全窒素(T−N)、燐酸(P2O5)、加
里(K2O)、石灰(CaO)、苦土(MgO)等々の含有率を
高めつつその含有率を調整可能となる。特に骨粉により
石灰(CaO)、苦土(MgO)の含有率を高くしてやれば、
これらは土壌を塩基性にする肥効があるため、とかく火
山灰が多く土壌が酸性になり易い日本においてそれを矯
正可能とする。第4表に上記有機物の全窒素(T−
N)、燐酸(P2O5)、加里(K2O)の含有率を示すが骨
粉が燐酸(P2O5)を多く含有することにも注目しなけれ
ばならない。
素、乾燥糞、魚粉、活性汚泥等の有機物を補助的に加え
れば、最終的には全窒素(T−N)、燐酸(P2O5)、加
里(K2O)、石灰(CaO)、苦土(MgO)等々の含有率を
高めつつその含有率を調整可能となる。特に骨粉により
石灰(CaO)、苦土(MgO)の含有率を高くしてやれば、
これらは土壌を塩基性にする肥効があるため、とかく火
山灰が多く土壌が酸性になり易い日本においてそれを矯
正可能とする。第4表に上記有機物の全窒素(T−
N)、燐酸(P2O5)、加里(K2O)の含有率を示すが骨
粉が燐酸(P2O5)を多く含有することにも注目しなけれ
ばならない。
〔実施例〕 以下、本発明を具体的な実施態様を用いてより詳細に
説明していくが、本発明はこれらに制限されるものでは
ない。
説明していくが、本発明はこれらに制限されるものでは
ない。
(実施例1) MT2040株、MT2041株、トリコデルマ レーセQM9414、
バチルス トゥミルスATCC7071及びクロステリディム
サーモセラムATCC27405からなる種菌(調製法は前述の
とおりである)0.1%を約10kgのビール粕に添加し、20c
m(H)×30cm(W)×50cm(高さ)で下面に網を張っ
た箱に堆積して、室温(10〜20℃)に放置した。1日1
〜2回切り返しをした。菌株の投与後の発酵温度の堆移
は、第5表の通りである。外観上、30日でほぼ肥料化が
完了した。その組成を第6表に示した。本組成から、判
断しても有機質肥料として良好である。
バチルス トゥミルスATCC7071及びクロステリディム
サーモセラムATCC27405からなる種菌(調製法は前述の
とおりである)0.1%を約10kgのビール粕に添加し、20c
m(H)×30cm(W)×50cm(高さ)で下面に網を張っ
た箱に堆積して、室温(10〜20℃)に放置した。1日1
〜2回切り返しをした。菌株の投与後の発酵温度の堆移
は、第5表の通りである。外観上、30日でほぼ肥料化が
完了した。その組成を第6表に示した。本組成から、判
断しても有機質肥料として良好である。
(実施例2) MT2040株とMT2041株をビール粕に添加した以外は実施
例1と同様に操作した。
例1と同様に操作した。
実施例1に比べてやや時間はかかった。
(実施例3) MT2040株とMT2041株及びサナ菌(商品名SANA−S+サ
ナ−完堆の素)をビール粕に添加した以外は実施例1と
同様に操作した。その温度経過は実施例1とほぼ同じで
第5表に示す。外観上は、30日でほぼ肥料化が完了し
た。
ナ−完堆の素)をビール粕に添加した以外は実施例1と
同様に操作した。その温度経過は実施例1とほぼ同じで
第5表に示す。外観上は、30日でほぼ肥料化が完了し
た。
その組織を第6表に示した。本組成から判断しても有
機質肥料として適していると考えられる。
機質肥料として適していると考えられる。
(比較例1) 比較例1は、市販の有機質肥料用種菌のみを添加した
こと以外は、実施例1と同じような操作を行なった。比
較例及び各実施例の使用菌を第7表に示し、約10kgスケ
ール小試験の結果を第8表に示した。
こと以外は、実施例1と同じような操作を行なった。比
較例及び各実施例の使用菌を第7表に示し、約10kgスケ
ール小試験の結果を第8表に示した。
(実施例4) ビール粕原料を用い実施例3に対し、オガクズに固定
化したMT2040,MT2041,サナ菌及びクロストリディウム
サーモセラムATCC27405を種菌として添加し実施例1と
同様な方法で、肥料化を実施し30日でほぼ終了した。
化したMT2040,MT2041,サナ菌及びクロストリディウム
サーモセラムATCC27405を種菌として添加し実施例1と
同様な方法で、肥料化を実施し30日でほぼ終了した。
外観は、実施例1,3の製品と同じ。
分析値は、 C:30% TN:3.5% C/N=8% で炭素率が実施例1より低く熟成していると考えられ
る。
る。
(実施例5) 原料ビール粕9部に対して、発酵3日後の培養物を1
倍返送して、上記のように種菌群(MT2040,MT2041,サナ
菌)と共に混合し、コンクリート製の実装置に堆積し肥
料化を行なった。1日1回〜2回撹拌/切り返しをし、
30日経過して肥料化が終了した。その分析値を第6表に
示した。外観及び組成から判断し良好な有機質肥料とい
える。
倍返送して、上記のように種菌群(MT2040,MT2041,サナ
菌)と共に混合し、コンクリート製の実装置に堆積し肥
料化を行なった。1日1回〜2回撹拌/切り返しをし、
30日経過して肥料化が終了した。その分析値を第6表に
示した。外観及び組成から判断し良好な有機質肥料とい
える。
なお、当然のことながら開放系での肥料化であるか
ら、本発明の実施例での製品は多くの菌が存在する。そ
の代表的なものは前記(本特許の特徴とする菌株)以外
にいわゆる土壌菌であるストレプトマイセス アンチビ
オチカス、ストレプトマイセス グルセウスをはじめ多
種類の微生物が関与することが、当該技術分野では常識
である。
ら、本発明の実施例での製品は多くの菌が存在する。そ
の代表的なものは前記(本特許の特徴とする菌株)以外
にいわゆる土壌菌であるストレプトマイセス アンチビ
オチカス、ストレプトマイセス グルセウスをはじめ多
種類の微生物が関与することが、当該技術分野では常識
である。
本発明において、毎年約100万tものビール粕が発生
し、それに対応できないこと、一方、無機肥料の使用の
普及による地力の低下の問題に鑑み、廃棄物利用も兼ね
たビール粕を利用した良質な有機質肥料の製造方法が従
来の技術より短時間に、且つ、悪臭原因物質である低級
脂肪酸及び硫黄化合物等をほとんど含有することなく製
造する方法が確立された。この製造方法により経済性か
らも、肥料工場立地条件からも従来方より優れ、事業化
への道がより確固としたものとなる。また、本発明で得
られるビール粕を利用した有機質肥料はその化学成分及
び多孔質性から農耕地の置換酸度、加水酸度、CEC、p
H、緩衝能、B/F値、生態系、比表面積、団粒構造等々に
好ましいものとなる。
し、それに対応できないこと、一方、無機肥料の使用の
普及による地力の低下の問題に鑑み、廃棄物利用も兼ね
たビール粕を利用した良質な有機質肥料の製造方法が従
来の技術より短時間に、且つ、悪臭原因物質である低級
脂肪酸及び硫黄化合物等をほとんど含有することなく製
造する方法が確立された。この製造方法により経済性か
らも、肥料工場立地条件からも従来方より優れ、事業化
への道がより確固としたものとなる。また、本発明で得
られるビール粕を利用した有機質肥料はその化学成分及
び多孔質性から農耕地の置換酸度、加水酸度、CEC、p
H、緩衝能、B/F値、生態系、比表面積、団粒構造等々に
好ましいものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−22191(JP,A) 特開 平2−129086(JP,A)
Claims (7)
- 【請求項1】ロードコッカス属に属する菌群をビール粕
を主原料とする被処理物に接種し、発酵し、次いで熟成
して成るビール粕を利用する有機質肥料の製造方法。 - 【請求項2】ロードコッカス属に属する菌群及び繊維素
分解菌群をビール粕を主原料とする被処理物に接種し、
発酵し、次いで熟成して成るビール粕を利用する有機質
肥料の製造方法。 - 【請求項3】ロードコッカス属に属する菌群が低級脂肪
酸及び硫黄化合物等、悪臭の原因物質を分解する菌群で
あることを特徴とする請求項1又は2記載のビール粕を
利用する有機質肥料の製造方法。 - 【請求項4】ロードコッカス属に属する菌が、ロードコ
ッカスsp.MT2040及び/又はMT2041株であることを特徴
とする請求項1又は2記載のビール粕を主原料として利
用する有機質肥料の製造方法。 - 【請求項5】発酵、熟成の工程において切り返しを行な
って成る請求項1又は2記載のビール粕を利用する有機
質肥料の製造方法。 - 【請求項6】上記ビール粕に絞り粕、糠、尿素、乾燥
糞、魚粉、骨粉等の有機物を混入して成る請求項1又は
2記載のビール粕を主原料として利用する有機質肥料の
製造方法。 - 【請求項7】上記ビール粕に活性汚泥を混入して成る請
求項1又は2記載のビール粕を利用する有機質肥料の製
造方法。
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---|---|---|---|
JP1103495A JP2617569B2 (ja) | 1989-04-25 | 1989-04-25 | ビール粕を利用する有機質肥料の製造方法 |
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JP1103495A JP2617569B2 (ja) | 1989-04-25 | 1989-04-25 | ビール粕を利用する有機質肥料の製造方法 |
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---|---|
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-
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- 1989-04-25 JP JP1103495A patent/JP2617569B2/ja not_active Expired - Lifetime
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