JP4194992B2 - 抽出層を用いてアナライトを測定する方法 - Google Patents

抽出層を用いてアナライトを測定する方法 Download PDF

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Description

本特許出願は、液体サンプル中のアナライトを測定する方法であって、特にアナライトの測定を妨害する他物質がその液体サンプル中に存在するときに、高い特異性と感度をもつアナライト測定を可能にする上記方法に関する。本特許出願はまた、本発明による方法に対応する、液体サンプル中のアナライトを測定する試験系ならびに本発明によるその使用に関する。
複雑なサンプル中のある特定の生物学および医学関連物質、いわゆるアナライトの濃度の分析検出および測定は、現代医学診断の重要な基礎である。
いわゆる担体結合試験(carrier-bound test)が液体サンプル、特に血液または尿中のアナライトの定性的および定量的測定用にしばしば利用される。これらのドライケミストリー法においては、試薬はサンプルと接触させる固体試験担体の適当な層の上もしくは内に、乾燥形態で存在する。液体サンプルの試薬との反応は、検出可能なシグナル、特に色もしくは蛍光の変化を生じ、これを目視によりまたは計器の助けをかりて、通常、反射光測定または蛍光測定を用いて評価することができる。他の検出法は電気化学的方法に基づくものであり、例えば電荷、電位または電流の変化を検出する。そのような試験担体はしばしばテストストリップ(test strip)の形態であり、本質的には、細長い担体層、検出試薬を含有する検出層、および場合によっては他の補助層、例えば濾過層で構成される。
これらの分析法の大きな問題は、多くの場合、アナライトとは別に、サンプル液中に存在する他物質がアナライト測定に影響を及ぼすかまたは完全に阻止することすらあるので、複雑なサンプル混合物中のアナライトを直接検出できないことである。そのような場合、従来の方法では、特異的で感度のよいアナライト測定をとにかく実施できるように、アナライトを予めこれらの妨害物質から分離する必要がある。実際のアナライト測定に先行するそのような精製ステップはしばしば、その操作中に、洗浄ステップ、沈降反応、遠心分離ステップ、吸着ステップ、相分離ステップ、または濾過などのさらなるステップを必要とし、従って、そのような方法はしばしば、非常に時間がかかり、手間がかかり、そして複雑な装置を必要とする。従って、分析を単純化しかつさらに経済的にするためには、そのようなさらなる精製ステップを避けることが所望される。精製ステップの他の欠点は、それらがサンプル液組成を変えることである。その結果、自然の反応環境において、特に複数の反応ステップおよび反応パートナーに関わる複雑な検出反応、例えば、血液凝固などの酵素反応カスケードの場合、もはやアナライトの測定を保証することができず、従って、アナライトの測定が偽りまたは不可能になる。
層状の試験系では、特異的酵素検出反応と次にこのプロセスで形成された生成物(いわゆる指標物質)の検出により、しばしば多様な血液パラメーターが検出される。しかし、これに対する必要条件は、サンプル液の特性、特に同じサンプル中の他物質の存在が指標物質の検出に決して影響を与えないことである。従って、光学的方法による血中のアナライトの測定は、血中に高濃度で存在するヘモグロビンがその光学的特性によってアナライトを低濃度で光学的に測定することを不可能にするので、しばしば、サンプルの複雑な前処理をしないと実施することができない。従って、これらの場合に、従来使用される方法においてはこれらの物質または細胞の分離を通常避けることができない。
特に酵素反応を用いてアナライトを検出するときにしばしば起こる問題は、そのような反応混合物がしばしば非常に複雑な組成を有して、一方ではこれが低い安定性と検出反応の妨害に高い感受性を有することである。他方では、検出反応ができるだけ自然環境に類似した環境で起こりうるようにするために、そのいくつかは反応混合物中に極く低濃度で存在するかまたはその成因もしくは意味がなお未知である多数の物質がしばしば必要である。この一例は凝固反応である。しかし、サンプルまたは検出試薬中に存在する物質の間で様々な相互作用が起こってそれが指標物質の測定に大きな影響を与えうるので、この複雑な組成は、検出反応の経過で転化されるこの反応混合物中の指標物質を検出するのに不利である。それぞれの場合に、それらが指標物質の測定を妨害または阻止しないように、そのような液体サンプルの妨害成分を分離するための複雑な対策が必要である。このことは、特に全血中のアナライトを測定するときに、さらなる血漿分離が避けられないことを意味する。
この例の1つは、特に発色反応の一部分としてグルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼによるグルコースの酵素転化の原理に基づく光度測定法による全血中の血糖の測定である。この場合、血球、特に赤血球は検出層表面上で濾過により除去されて、ほとんど無色の血漿だけが検出層中に浸透しうるようにしなければならない。次いで発色反応をこの層内で起こさせてその光度を測定することができる。しかし、このためには赤血球を確実に分離しかつさらなる色素によりその赤色を検出層から阻む必要がある。
例えばEP 0045476に記載のように、グラスファイバー・フリースをこの目的に使用することができる。検出反応が始まる前にこれらのグラスファイバー・フリースにより既に妨害成分、特に赤血球は分離されている。その操作原理は、濾過およびクロマトグラフィ効果に基づく。
他の例は、蛍光トロンビン基質の転化に基づく血液凝固パラメーターの測定である。この場合にも、サンプル液の妨害成分および特に強い吸収性ヘモグロビンの除去が必要である。そのような方法は、例えば凝固パラメーターを測定するAvocetシステムにおいて使用されている(Avocet Medical Inc., San Jose, CA, USA)。この場合、赤血球とヘモグロビンは膜により分離される一方、血漿は膜を通過することができるのでトロンビンを測定する検出反応は下層内で起こりうる。この反応の経過において蛍光粒子がこの層内に形成され、血液凝固の時間経過を反映する。血液は蛍光を完全に抑制しうるので、血液自身の中で測定を実施することはできない。この場合にも、妨害成分は実際の検出反応が始まる前に既にサンプル液から分離されている。
EP 0974303は、血糖レベルをサンプル中の色変化に基づいて測定する血糖測定計器を記載し、この計器の試薬層セクションは、血液との反応により着色する実際の試薬層および血球を濾過するフィルター層を含む。この場合、血糖の測定は、血液の1滴を塗布用開口部に塗布することにより行われ、それが次いで試薬層に到達し、そこで検出反応が起こり、その過程でサンプル液の色変化がある。次いで、サンプル液はさらにフィルター層中に移動し、そこで血球は濾過除去される。フィルター層では、サンプルの色変化の反射-測光検出も行われる。EP 0974303は0.45μmの孔径を有する細孔ポリエチレンスルホンフィルムを、血球分離フィルター層に使用する。この場合、所望でない成分は純粋に物理的な方法により分離される。すなわち、所望でない物質はサイズ排除の原理によりフィルター層に入ることができない。そのような細孔濾過法の欠点は、そのようなフィルター層の孔が容易に詰まることである。従って、全血の場合のように、特にサンプル中の粒子濃度が高いと濾過層は速やかに詰まり、孔が詰まると検出層中に浸透する量が低下するので、指標物質の検出は著しく害される。それ故にそのような方法の結果は、特に元のサンプルに依っては、濃度値が低過ぎてかつ再現性に乏しいということになりうる。
Ramjee(「血漿および全血凝固の分析のための、トロンビン生成をモニターする蛍光発生物質の利用(The Use of Fluorogenic Substances to Monitor Thrombin Generation for the Analysis of Plasma and Whole Blood Coagulation)」, Analytical Biochemistry 277, 11-18 (2000))が記載する蛍光トロンビン基質の蛍光を測定する方法は、サンプル液の妨害成分を分離せずに直接実施することができる。この方法で使用できるサンプル物質は、再溶解され凍結乾燥されたフィブリン含有血漿、新鮮な血小板欠乏血漿、血小板含有血漿、および全血である。トロンビンは、弱蛍光トロンビン基質を強蛍光反応生成物(これはサンプル溶液中で指標物質として直接検出できる)に転化することにより検出される。この場合、サンプル成分を妨害する成分の分離はなく、それは検出反応と指標物質測定の両方が同じコンパートメント内、すなわちこの場合は直接サンプル液中で起こることを意味する。このトロンビン検出は液試験としてのみ記載され、ドライケミストリーの場合については記載されていない。しかし、これらの試験系は、極く限られた範囲でのみ全血中のトロンビン測定が可能であることを示す。全血をサンプルとして用いると、蛍光シグナル強度は、血漿と比較して血漿値の10分の1未満に低下する。従って、これらの方法を用いて全血中の高感度分析測定を実施することはできない。全血におけるこの測定蛍光強度の著しい低下は、血中の発色物質、特に指標粒子と同じコンパートメント内に存在するヘモグロビンによる励起光および蛍光の吸収に因る。従って、感度を増加するには、例えば濾過または遠心分離により妨害物質を分離することがさらに必要であり、これは先に記載した欠点と関連する。
ドイツで公開された特許出願第DE 10221846.3号は、サンプルを、補酵素および触媒活性のない補酵素結合タンパク質を含有する検出試薬と接触させることにより、酵素反応によりサンプル中のアナライトを検出する方法を記載している。その発明によれば、補酵素はアナライトとの反応で変化し、その変化した形態で触媒活性のない補酵素結合タンパク質と結合する。変化した補酵素の検出をアナライト測定に利用する。この場合、触媒活性のない補酵素結合タンパク質は、変化した補酵素をさらに転化することなくそれと結合することにより、少なくとも部分的に捕獲物質の機能を有する。この場合、捕獲物質は他の検出試薬に加えられる。特定の実施形態においては、捕獲物質と他の検出試薬を共通層内に置くようにして、全検出反応物をマトリックス中に組込む。
本発明の目的は、少なくとも部分的に、記載した従来の技術の欠点を避けることにある。特に本発明は、複雑なサンプル液中であっても感度が良くかつ特異的なアナライトの測定を可能にし、そして経済的でかつ使用者が使い易い日常的な分析の要求を満すものである、アナライトの検出方法を提供することを意図する。
この目的は本発明によれば、従来技術に記載される試験系の構成要素に追加の抽出層を加えることによって達成される。この追加の抽出層は、アナライト測定に使われる指標物質がこの指標物質の分析検出が行われる試験系領域中に選択的に濃縮されることを可能にする。本発明による抽出層はさらに、検出層で指標物質の測定を妨害しうる物質が阻止されることを可能にする。特に、血中に存在するアナライトの場合、アナライトを測定するための検出反応はこのように実際に全血中で行われる一方、これらの反応に関与する指標粒子は次いでこの血液コンパートメントから抽出層に選択的に濃縮され、その後、この層において実質的に妨害を受けずに検出することができる。これにより、単一試験系におけるアナライトの正確でかつ感度の良い測定がさらなる分離ステップなしでも可能になる。
従って、本発明の対象の1つは、液体サンプル中のアナライトを測定するために必要な検出反応が第1コンパートメント(すなわち、反応空間)において実施され、そして少なくとも検出反応に関わる1つの物質、すなわち指標物質の分析測定が第2コンパートメント(すなわち、抽出層)において行われることを特徴とする少なくとも2つのコンパートメントを含む試験系を用いて、液体サンプル中のアナライトを測定する方法である。本発明によるこのような試験系は、指標物質の抽出層中への進入を可能にしかつ指標物質の分析測定を妨害しうる他物質の抽出層中への進入を少なくとも部分的に阻止する様式によって、2つのコンパートメントが分離されることを特徴とする。さらに、本発明による試験系は、指標物質を選択的に濃縮する少なくとも1つの他物質が捕獲物質として抽出層内に固定された形態で存在することを特徴とする。
他の本発明の対象は、少なくとも2つの空間的に分離されたコンパートメントから成り、ここで、特に、液体サンプル中のアナライトを測定するために必要である指標物質が関わる検出反応が第1コンパートメント(すなわち、反応空間)において実施され、そして指標物質の分析測定が第2コンパートメント(すなわち、抽出層)において実施されることを特徴とする、液体サンプル中のアナライトを測定するための試験系である。本発明によれば、特異性と感度を増加させるために抽出層はさらに指標物質を選択的に濃縮する固定された形態の捕獲物質を含有する。本発明によれば、これらの2つのコンパートメントは、特に、指標物質の抽出層中への進入には有利であるが、他方、そこで指標物質の分析測定を妨害しうる物質は少なくとも部分的にこの層から排除されるという様式で空間的に分離される。
他の本発明の対象は、液中のアナライトを測定するための本発明による試験系の使用である。
本発明による試験系の操作の原理は次のように記載することができる。
アナライトの測定は直接行われるのでなく、アナライト特異的検出反応の経過で転化されるかまたは形成される指標物質により媒介される。これらの検出反応は、所要の検出試薬の添加または遊離の後に、好ましくは、さらなるサンプル調製なしに、サンプル液中で直接起こる。指標物質の濃度はこのプロセスにおいて、測定されるアナライトから直接、またはアナライトが関わる反応のさらに複雑な連鎖を経由して変化する。この指標物質は低分子量であって、特に拡散の結果、反応空間と抽出層の間で平衡分布が確立している。抽出層中に固定された捕獲物質は、選択的に抽出層内の指標物質を濃縮し、従ってアナライト測定の感度をかなり増加させる。それ故に、それ自身は抽出層に進入できないアナライトを高感度で測定することができる。他方、指標物質の測定を妨害しうる他のサンプル構成要素(例えば吸収の強いヘモグロビン)は抽出層から実質的に排除される。
しかし、本発明による試験系および方法はまた、複雑なサンプル混合物の存在が測定方法によりそれほど大きい問題とはならない電気化学的検出法に使用することもできる。そこでは固定された捕獲物質による抽出層内の指標物質の濃縮は測定シグナルを増加させ、分析測定の感度と特異性を高めることができる。
本特許出願の意味における試験系は、液体サンプル中のアナライトの測定を可能にする全ての装置である。そのような試験系は好ましくは担体と結合した構造を有する。そのような試験担体はしばしば、テストストリップの形態であり、プラスチック材料で作られた細長い支持層とその上に試験の場として搭載された検出エレメントから本質的に構成される。しかし、小さい正方形または矩形板の形態である試験担体も知られている。特に好ましい実施形態は不活性の基礎支持体であって、その上に本発明による抽出層が搭載され、そしてさらにアナライトと指標物質に関わる検出反応が起こり従って検出反応に必要な物質を含有する反応空間をもつ上記支持体を含む。この反応空間は、試験系の特殊な層として存在してもまたは液体サンプルそれ自身より形成されてもよい。後者の場合、検出試薬は試験担体上に、特に抽出層上または内に乾燥形態で存在してもよく、そして液体サンプルを塗布して反応空間で検出反応がスタートするまで反応空間中に溶解していないしかつ遊離していない。さらに、所要の検出試薬を前ステップで液体サンプルに加えて、次にこの反応混合物を試験担体、特に抽出層に塗布してもよい。
本特許出願の意味において、本発明による方法または対応する装置を用いて測定できるアナライトは、分析、特に臨床診断において重要な全ての粒子である。特に、用語「アナライト」は、原子、イオン、分子および高分子、特に生物学的高分子、例えば核酸、ペプチドおよびタンパク質、脂質、代謝物、細胞および細胞断片を包含する。全血中に存在するアナライトであって、全血中に存在する他物質を必要とする検出反応を用いて検出される上記アナライトは、本発明の方法を用いて特に有利に測定することができる。この例は血液凝固に関わるアナライト、例えばトロンビンまたは第Xa因子であり、これらの測定は凝固カスケードにおいて全血中に存在しかつしばしば高分子である他の不可欠な物質を必要とするので、そのようなアナライト測定は全血中で実施しなければならない。
他の好ましいアナライトは酵素または酵素基質である。酵素アナライトは特に加水分解酵素、例えばペプチダーゼ、エステラーゼ、グリコシダーゼ、ホスファターゼおよびスルファターゼであってもよい。これらの酵素の基質、特に自然基質も測定することができる。この目的には、自然基質と人工標識した基質類似体との競合を利用することができる。切断酵素はいずれの場合にも2つのうちの1つだけ切断することができるので、自然基質が存在すると人工標識した基質からの指標物質の切断はより低くなる。この効果を利用して自然基質の量を測定することができる。
他の好ましいアナライトとして、グルコースおよびグリコシル化ヘモグロビンも測定することができる。この場合、特に、多くの光度測定および電気化学的グルコース試験の中間生成物であるフェニレンジアミンの遊離を利用することができる。このフェニレンジアミンを指標物質に用いて、例えば、シクロデキストリンにより抽出層中に濃縮し、検出法の感度を増加しかつサンプル中のブリーディング(bleeding)のリスクを避けることができる。
他の好ましいアナライトは、特異的結合対のパートナーであってもよい。特異的に結合する分子がその標識した結合パートナーと反応空間において相互作用しうるようにしておき、更に上記標識したパートナーに対する特異的捕獲物質を抽出層に備えておくことにより、反応空間と抽出層の間において平衡分布が確立して、抽出層中に存在する標識した結合パートナーが多いほど、反応空間のサンプル液中の特異的に結合した標識したパートナーが少なくなる。この場合、標識は、測定法にとって好適でありかつ捕獲物質に対して十分なアフィニティを有するように選択しなければならない。この例は、標識したハプテンと特異的抗体、標識した補助因子と酵素または標識した相補性核酸である。この場合、またビオチン/ストレプトアビジンまたはビオチン/アビジンなどの他の結合パートナーを利用することもできる。
本発明の意味における液体は、純粋な液体および均質または不均質な混合物、例えば分散液、乳濁化液もしくは懸濁液であってもよい。液体中には、特に、原子、イオン、分子および高分子、特に生物学的高分子、例えば核酸分子、ペプチドおよびタンパク質、脂質、代謝物ならびにまた生物細胞または細胞断片が存在してもよい。試験される好ましい生物由来の液は血液、血漿、血清、尿、脳脊髄液、涙液、細胞懸濁液、細胞上清、細胞抽出液、組織溶解物などである。しかし、液はまた、較正物質溶液、対照溶液、試薬溶液または標準化したアナライト濃度を含有する溶液、いわゆる標準であってもよい。
本発明においては、物質の測定または検出は、物質の定性的ならびに定量的検出を意味する。特にそれぞれの物質の濃度または量の測定、物質の不在または存在の確認もその物質の測定とみなされるものであると理解する。
アナライトは、分析分野で公知の方法の特異的検出反応を用いて測定する。測定されるアナライトを直接検出するのでなく、測定されるアナライトは1以上の検出反応に参加し、アナライトと異なる指標物質がアナライト濃度について結論を引き出すことができる様式で検出反応の経過に関わるのである。
検出反応は、本特許出願において、測定されるアナライトに関わる化学および生化学、特に酵素反応であると理解され、そしてその検出反応の経過において、アナライトと異なる指標物質の濃度はアナライトの濃度と相関のある様式で変化する。指標物質はアナライトが直接参加する単一反応において形成されるかまたは転化されてもよいし、または他方では、凝固測定の場合のように、指標物質はアナライトが異なる場所で関わる反応カスケードの経過でのみ形成されるかまたは転化される。転化される指標物質の量とサンプル中に含有されるアナライトの量との相関は、化学量論関係に基づくことが好ましい。キャリブレーションは、指標物質に対する測定値と測定されるアナライトの濃度との関係を与える。このようにして、グルコースを、例えば酸素の存在のもとでグルコースオキシダーゼによりグルコノラクトンおよび過酸化水素に転化し、その過酸化水素は指標物質の存在のもとでペルオキシダーゼにより反応して水および着色物質を形成しうる。この場合、この着色物質が指標物質に対応し、その濃度を光度によりまたは視覚で測定することができる。この指標物質の濃度の変化は、アナライトの量と相関があるので、この指標物質の測定を利用して存在するアナライトの量を推定することができる。このような検出反応と指標物質の他の例はトリグリセリドの酵素的検出である。この場合、サンプル液を最初に、アナライト測定に必要な物質、特に、酵素、補酵素および基質を含有する反応混合物と混合する。トリグリセリドは、最初、エステラーゼによりグリセロールに転化され、これは順にグリセロキナーゼによりグリセロール-3-リン酸に転化され、次いでグルタチオンペルオキシダーゼによりジヒドロキシアセトンリン酸および過酸化水素に転化される。これは無色の指標物質の存在のもとでペルオキシダーゼにより水と着色物質に転化され、この着色物質をトリグリセリドの量を測定する指標物質として利用することができる。複雑な酵素検出反応カスケードはまた、血液凝固パラメーター、例えばトロンビンまたは第Xa因子を測定するためにもしばしば必要である。化学検出反応の例はグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)の蛍光ボロン酸との反応であり、その結果として遊離ボロン酸の量はサンプル中のHbA1c濃度の増加とともHbA1cの量と相関をもって減少する。
アナライトそれ自身の濃度を測定することに加えて、本発明による方法を利用して検出反応および特に指標物質の転化の速度を測定することができる。そして、これらの値を用いて、関わる物質、特に関わる酵素の濃度および活性についての情報を誘導することができる。
指標物質は、本特許出願の意味においては、アナライトの量または濃度と相関のある検出可能なシグナルを発生する物質を意味する。発色物質または蛍光物質を特に指標物質として利用することができる。発色物質は発色し、その色を失いまたはその色を変化しうる。蛍光物質は蛍光を発生し、その蛍光を失いまたはその蛍光特性を変化しうる。特にこのような指標物質は、アナライト特異的反応により転化または形成されてもよい。指標物質の他の例は、酸または塩基または酸化還元同等物であり、特に電気化学的検出法に利用することができる。
本発明によれば、検出反応は第1コンパートメント、すなわち反応空間において少なくとも指標物質の形成または転化まで進行する。反応空間は、液体サンプルの他に、検出反応を遂行して検出物質を形成または転化するために必要な物質および助剤を含有する。特に、酵素的検出反応においては、このために必要な酵素、補酵素、補因子、基質、バッファー物質、指標および媒介物が反応空間に存在するかまたは反応空間中に放出される。この試薬混合物またはこの混合物の部分は、溶液または懸濁液の形態で水性または非水性液中に存在してもよくまたは粉末または凍結乾燥物として存在してもよい。さらに、それらは、試薬混合物を担体に塗布するドライケミストリーテストストリップの形態で存在してもよい。担体は、例えば吸収剤または膨潤材料であってもよく、サンプル液で湿らすとその結果、この材料中にまたは材料上に存在する乾燥形態の試薬混合物がサンプル液に溶解して検出反応が起こってもよい。試薬混合物はまた、可溶性層またはフィルムの形態で担体基質に塗布してもよい。検出反応は、サンプル液と試薬混合物を反応空間において直接接触させることによるかまたは検出反応にとって必須である物質を後で加えることにより開始させてもよい。この反応空間の設計に対する制限はなく、機器分析の分野の業者はそれぞれの検出法に対して工夫することができる。従って、例えば、反応空間は、キュベットまたはマイクロタイタープレートウエルなどの反応容器の内部として設計することができる。特に、ドライケミストリーテストストリップの場合には、反応空間は液体サンプルの容積に対応してもよい。もし、例えば、血液の1滴を、検出試薬を与えたテストストリップに塗布することにより、試薬混合物を溶解して検出反応を開始する。この場合、血液自身の1滴が反応空間に対応する。従って、その幾何学的形状に関わらず、反応空間はその中で検出反応が少なくとも指標物質の転化または形成まで行われる容積とみなされる。
本発明によれば、指標物質は反応空間それ自身の中で検出または測定されるのでなく、特別な第2コンパートメント、すなわち抽出層において測定される。この抽出層は反応空間から空間的に分離されているが、液体および液体に溶解した少なくともある特定の排除サイズ未満の物質が反応空間から抽出層へ進入しうる様式で反応空間と接触している。本発明によれば、抽出層は次のいくつかの機能、すなわち:
・指標物質がこの測定にとって特に好適な環境で検出されるようにする機能、
・指標物質の検出を妨害しうる物質が抽出層内に進入するのを防止して指標物質が実質的に妨害を受けずに検出されるようにする機能、および
・抽出層内に特別な物質、いわゆる捕獲物質を含有し、捕獲物質が選択的に抽出層内の指標物質を濃縮してアナライト測定の感度と特異性を増加させる機能を遂行する。
従って、抽出層の機能の1つは、できるだけ妨害を受けずに指標物質を測定できるようにすることである。このためには特に必要なのは、空間的に境界を定めた領域を創出し、その領域内で、一方では、指標物質が容易に検出することができてその反応空間内の濃度と相関のある濃度で存在し、かつ他方では、妨害物質が進入しえないかまたはほんの僅かしか進入しないのでこれらの妨害物質による指標物質の測定の歪曲が実質的に避けられることである。
指標物質の測定を妨害しうる物質は、本特許出願の意味においては、液体サンプル中に指標物質および/または試薬混合物と一緒に存在すると、それぞれの検出法による指標物質の測定を妨害するかまたは阻止する全ての物質または粒子と理解される。そのような物質は、例えば、疎水性またはイオン相互作用の結果として例えば指標物質と特異的にまたは非特異的に相互作用して、それぞれの検出法で利用される指標物質の特性を変えることができる。この一例は、他分子との相互作用によって、または指標物質のミクロ環境の変化(クエンチングもしくは蛍光共鳴エネルギー移動もしくはpHの局所的変化などのプロセスに基づく妨害物質による)によって起こりうる指標物質の蛍光特性の変化である。他のこのような妨害相互作用は、特に、サンプル中に存在するタンパク質によっても起こりうるのであって、例えば、「蛍光プローブと研究製品のハンドブック(Handbook of Fluorescent Probes and Research Products)」(第9版, Molecular Probes Europe, Leiden, Netherlands)に記載されている。しかし、妨害物質はまた、その特性によって、少なくとも部分的に指標物質の測定シグナルをマスキングすることにより指標物質の測定を妨害または阻止して測定結果を歪曲する物質または粒子であってもよい。特に反応混合物中に存在する発色物質は光学的検出法に指標物質のシグナルに重なる追加の測定シグナルを生じ、指標物質のシグナルと妨害物質の影響を識別できなくなり、指標物質の測定を妨害または阻止する。そのような発色物質はサンプル中に元来すでに存在することもあり、検出反応の経過でだけ生成することもある。例えば、光学的検出法によるアナライト測定は全血中では非常に限られた範囲でしか実施しかつ評価することができない。その理由は、全血中に高濃度で存在するヘモグロビンが広範囲の波長にわたって強く吸収し、従って通常小量しか存在しない指標物質の特異的吸収をしばしば完全にマスキングするからである。蛍光指標物質に基づく検出方法にも、その励起および発光が高濃度ヘモグロビンによりしばしば完全に吸収されるので同様の問題がある。
電気化学的検出方法において、指標物質と相互作用する酸化還元物質は、例えば妨害物質としても作用しうる。
本発明によれば、抽出層を全試験系内の特別な層として設計することにより抽出層は反応空間から空間的に分離され、そして上記抽出層はある特定の物質に対する拡散障害となるので、物質は反応空間から抽出層中に選択的に進入するようになる。選択的とは、本特許出願の意味においては、必ずしもある特定の物質のある層からの完全な排除またはある層への完全な進入を意味しない。選択的とはまた、ある特定の物質が選択的に層に進入しうることおよびそこに蓄積しうるかまたは少なくとも部分的にその層に取込まれうることを意味する。従って、実際には物質を100%排除する必要はないので、ある物質の層による選択的排除は必ずしもこの物質の対応するコンパートメント中の完全な不在を意味するのでなく、対応する領域中のこの物質の濃度低下を意味する。
特に抽出層が1500g/mol超、好ましくは2000g/mol超、特に好ましくは15000g/mol超の分子量をもつ物質を選択的に排除するサイズを有するマトリックスであるという事実によって、抽出層は反応空間から分離されている。このようなマトリックス材料として、液体を吸上げることができる膨潤性および吸収性材料が特に考えられる。それらは、例えば、対応するフリース、繊維、編んだ繊維または多孔質プラスチック材料などの細孔繊維状材料であってもよい。特に、このような材料はまた、多孔質もしくは非多孔質フィルム、膜、ゲルマトリックスまたはポリマー層などの非繊維状材料であってもよい。特に好ましい実施形態においては、抽出層はゲルマトリックスの形態でもあって、その中に抽出層の他の構成要素、特に捕獲物質が組込まれている。ゲルマトリックスは好ましくは、50μm未満、特に5μm未満の層厚みを有して、少なくとも部分的に光学的に透明な支持体に塗布される。ゲルマトリックスは、好ましくは光重合性モノマーに基づく組成を有するポリマーであり、上記モノマーとしては、例えば、アクリルモノマー、例えばアクリルアミドもしくは/およびアクリル酸エステル例えばポリエチレングリコールジアクリレート、またはビニル芳香族モノマー、例えば4-ビニルベンゾスルホン酸、あるいはそれらの組合わせなどが挙げられる。
このようなゲルマトリックスを調製するために、1以上の光重合性モノマー、捕獲物質および場合によっては着色色素などの他のさらなる抽出層の構成要素を、好ましい実施形態においては、少なくとも部分的に光学的に透明なプラスチック箔などの支持体に塗布し、そして例えばUV光を用いて後ろから照射して支持体上のモノマーを重合し、予め定めた層厚さにすることができる。層厚さは吸収物質を試薬に添加することによりおよび/または照射の時間もしくは強度を用いて制御することができる。過剰の液体試薬は重合後に除去して再利用してもよい。
他方、マトリックスはまた、通常のコーティング操作によって調製してもよく、その場合、抽出層に必要な全試薬の懸濁物を支持体に塗布し、すなわち上記懸濁物を適当な方法で、例えばドクターナイフを用いて所要の厚さにし、次いで乾燥するかまたは完全に重合させる。
共有結合により架橋したポリマーゲルマトリックスの他に、非共有結合により架橋したゲル、例えば、ポリ電解質ゲル例えば2価イオンを用いて架橋したアルギネートゲルを抽出層の構成要素として利用することも可能である。
マトリックス材料として、ポリアミド、ポリビニリデンジフルオリド、ポリエーテルスルホンまたはポリスルホン膜を使用することも可能である。抽出層中に存在する他物質、特に捕獲物質は、例えば、含浸により膜中に組込むことができる。さらに、例えばEP-B-0 016 387に記載のもののような、いわゆるオープンフィルムを抽出層に利用してもよい。この目的では、微細な不溶性の有機または無機粒子の形態の固体をフィラーとしてフィルム形成性有機プラスチックの水性分散液に加え、抽出層中に含有される他物質、特に捕獲物質をさらに加える。適当なフィルム形成体は、好ましくは、水性分散液の形態の、有機プラスチック、例えばポリビニルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリスチレン、例えばブタジエンとスチレンのもしくはマレイン酸エステルと酢酸ビニルの混合ポリマーまたは他のフィルム形成性の天然および合成有機ポリマー、ならびにそれらの混合物である。分散液を支持体上に広げて均一な層を形成させ、乾燥後に耐水性フィルムを得てもよい。抽出層に存在する他物質、特に捕獲物質は通常、オープンフィルムを調製するために用いる分散液に加えるが、形成したフィルムにその製造後、これらの試薬を含浸させることも有利でありうる。フィラーに試薬を予め含浸させることも可能である。
マトリックス材料の排除サイズは、上記の場合、当業者に公知の方法を用いて、例えば、適切なフィラーとその濃度を選択することにより、ポリマーゲルマトリックスの架橋度を制御することにより、またはポリ電解質ゲル中の架橋イオンの好適な濃度により調節し、特に、排除すべき妨害物質に適合させることができる。
抽出層内の指標物質は、機器分析の分野の当業者に公知の様々な検出方法を用いて測定することができる。特に、光学的および電気化学的検出方法を利用することが可能である。光学的方法は、例えば、吸収、透過、円二色性、旋光、分散、屈折率測定または好ましくは蛍光測定を含む。電気化学的方法は、特に、荷電、ポテンシャルまたは電流の測定であってもよい。本発明による試験系および方法は、特に妨害物質、特に血液成分による光吸収に悩まされる光学的方法にとって有利である。
固定した捕獲物質は抽出層の必須の構成要素である。捕獲物質は、本特許出願の意味においては、指標物質と相互作用して、この物質を抽出層に選択的に濃縮することができる全ての物質として理解される。選択的濃縮は、指標物質の抽出層中への純粋な拡散流の結果として生じうる濃度より高い抽出層における指標物質の濃度を得ることを特徴とする指標物質の濃縮と理解される。特に捕獲物質は指標物質を、その濃度がサンプルまたは試薬混合物の他の成分と比較して抽出層内で増加するという意味で、選択的に濃縮しなければならない。この目的で捕獲物質は、例えば抗原-抗体相互作用の場合のように、必ずしも指標物質と物質特異的に相互作用しなくてもよい。特異性はまた、特に類似した化学構造または類似した物理化学的特性の結果として共通の特性を有する物質群を包含してもよい。例えば、全てのアニオン性指標物質は、原理的に、カチオン性捕獲物質により濃縮することができるし、逆に全てのカチオン性指標物質はアニオン性捕獲物質により濃縮することができる。従って捕獲物質はまた、一般的相互作用に基づいた指標物質に対する限られた特異性を有してもよい。
特に、親水性または疎水性相互作用に基づいて指標物質を特異的に濃縮できる物質を、捕獲物質として利用してもよい。例えば、疎水性効果に基づいて、シクロデキストリンまたは糖誘導体を捕獲物質として、抽出層内の炭水化物または相対的に疎水性の指標物質、例えばアミノクマリン、ニトロアニリンまたはフェニレンジアミンを選択的に濃縮するために利用することができる。血清アルブミンも利用することができる。
イオン性相互作用に基づいて指標物質を特異的に濃縮できる物質も捕獲物質として利用することができる。例えば、ポリカチオンまたはポリスルホン酸などのポリ電解質を捕獲物質として利用し、静電気相互作用に基づいて、抽出層内の反対の電荷を有する指標物質を選択的に濃縮することができる。
さらに、錯体を形成する特性に基づいて指標物質を特異的に濃縮できる物質を捕獲物質として利用することができる。例えば、エチレンジアミン四酢酸誘導体などのキレート剤を抽出層内の多価イオンを選択的に濃縮する捕獲物質として利用することができる。
さらに、沈降反応に基づいて指標物質を特異的に濃縮できる物質を捕獲物質として利用することができる。例えば、好適な塩を加えることにより溶解タンパク質が抽出層内の沈降物として完全または部分的に沈着しうるので、アニオンまたはカチオンをタンパク質を選択的に濃縮する捕獲物質として利用することができる。
さらに、「鍵と鍵穴(key-lock)」の原理によって特異的結合対のパートナー間の特異的相互作用に基づいて指標物質を濃縮できる物質を捕獲物質として利用することができる。例えば、抗体または抗体フラグメントを、特別な抗原またはハプテンの捕獲物質として特異的に利用することができる。さらにタンパク質および特に酵素を、対応する補因子特に補酵素の捕獲物質として、または不活性な形態でもこれらの酵素の基質の捕獲物質として特異的に利用することができる。さらに、核酸、特にDNAもしくはRNAを、これらの核酸とハイブリダイズする対応する核酸、特に相補的核酸の捕獲物質として特異的に利用することができる。ビオチン/ストレプトアビジンまたはビオチン/アビジンなどの他の生物学的または化学的結合対の個々のパートナーも捕獲物質として利用することができる。
本発明によれば、捕獲物質は抽出層中に固定された形態で存在しなければならない。固定は、本発明の意味においては、捕獲物質が抽出層内に保持されて反応空間に到達しない効果を有する全てのプロセスおよび対策と理解される。これは抽出層内の指標物質の選択的濃縮の基本である。この意味で、固定は様々な方法で実施することができる。そのための方法は当業者にとって公知である。その方法は、特に抽出層内の捕獲物質の固定を含む。固定は、特に、好ましくは抽出層のマトリックスである担体物質と結合することにより達成することができる。担体との結合は好ましくは、吸着、イオン結合または共有結合により行うことができる。さらに、固定は、捕獲物質が通り抜けることのできないゲル、ミクロカプセルまたは繊維の形態での層内封じ込めにより行うことができる。この場合の固定層は好ましくは、抽出層のマトリックスである。さらに固定は、抽出層内で捕獲物質を架橋することにより達成してもよい。
捕獲物質の他に、抽出層は、この層内の指標物質の検出能を高め得る他物質を含有してもよい。例えば、その後ろの着色された層による妨害を最小限に抑えるため、着色色素を抽出層に加えてもよい。これは、全血中のアナライトを測定するための光学的検出方法において、ヘモグロビンの強い背景色を最小化するのに特に有利でありうる。この目的で、高い屈折率を有する色素を抽出層に加えることができる。好ましくは、二酸化チタンを加えてもよく、その場合、約0.2〜0.8μmの平均直径を有する粒子が特に有利であることが証明されている。
抽出層内の指標物質の濃度は、反応空間内の指標物質の濃度と相関がある。この反応空間内の指標物質の濃度は反応空間内のアナライトの濃度と相関があり、サンプル液と反応混合物の容積比が既知であるときは、それから液体サンプル中のアナライトの濃度が誘導される。従って、抽出層内の指標物質を測定すると、液体サンプル中のアナライトの濃度の計算が可能になる。
指標物質の測定、従ってアナライトの測定は、測定値の単一測定、特に終点測定もしくはある特定の時間間隔後の測定により、または区切られた測定値が数回区切られた時間間隔に測定されるある特定の期間にわたる測定により、または測定値の連続測定によるある特定の期間にわたる測定により実施することができる。
アナライトまたは指標物質の測定の後に、アナライト測定の結果から出発し、他の計算を行って他の誘導量を取得して診断パラメーターとして利用することができる。この一例は、凝固障害の存在についての診断情報を与えうるパラメーターの測定であって、トロンビンの測定に基づくである。すなわち、例えば、外因系の凝固障害のパラメーターとしてのプロトロンビン値またはクイック値(Quick value)をトロンビンの測定、特にトロンボプラスチンおよびカルシウムをクエン酸添加血液中に加えた後のトロンビン値の時間経過から確認することができる。さらに、内因系の凝固障害のパラメーターとしての活性部分トロンボプラスチン時間は、例えば、トロンビンの測定、特に血小板第III因子をクエン酸添加血液中に加えた後のトロンビン値の時間経過から確認することができる。活性凝固時間は、新鮮血が接触活性化因子の存在のもとで凝固する時間であり、例えば、トロンビンを測定することにより、特に無菌の珪質土を加えた後のトロンビン値の時間経過から測定することができる。活性凝固時間を血小板数と組合わせて用いると、内因性凝固系の機能を推定するのに利用することができる。トロンビン測定に基づいてこれらのパラメーターを計算する方法は、臨床診断の分野の専門家には公知である。
これらの方法に加えて、本発明はまた、液体サンプル中のアナライトを測定するための少なくとも2つの空間的に分離されたコンパートメントからなる試験系であって、特に液体サンプル中のアナライトを測定するために必要な指標物質に関わる検出反応を第1コンパートメント(すなわち反応空間)で実施し、そして指標物質の分析測定は第2コンパートメント(すなわち抽出層)で実施することを特徴とする上記試験系に関する。特異性と感度を増加させるために、本発明による抽出層はさらに、指標物質を選択的に濃縮する固定された形態の捕獲物質を含有する。本発明によれば、これらの2つのコンパートメントは、特に指標物質の抽出層への進入には好都合であるが、他方、抽出層で指標物質の分析測定を妨害しうる物質は少なくとも部分的にこの層から排除する様式で空間的に分離されている。
他の本発明の対象は、液中のアナライトを測定するための本発明による試験系の使用である。
本発明の上記の態様は、単独でまたはいずれかの組合わせで利用することができる。
本発明をさらに、次の実施例と図により説明する。
実施例1:蛍光トロンビン測定を用いて凝固パラメーターを測定するための本発明の方法の使用
このトロンビン測定は、次のプロセスに基づく:
血液サンプルの凝固は、例えば、組織因子を加えることによりトリガーされ、その結果、凝固カスケードが進行して最終的にプロトロンビンがトロンビンに転化される。Pefafluor TH(Pefa-15865;供給元:Pentapharm Ltd., Engelsgasse 109, CH-4002 Basle)はトロンビンの特異的基質であり、トロンビンによりアミノメチルクマリンの切断を伴ってタンパク分解的に転化される。アミノメチルクマリンの蛍光特性は基質形態ではトリペプチドとのアミド結合によりかなり低下している。遊離されたアミノメチルクマリンは342nmの励起波長および440nmの発光波長において強い蛍光を有し、従ってトロンビン活性を検出するために、従ってサンプル中のトロンビンの量および濃度を測定するために利用することができる。アミノメチルクマリンの遊離により測定したトロンビン濃度は、凝固カスケードの経過と相関がある。トロンビン濃度をある特定の期間(通常、凝固反応開始後、数分)にわたって測定しかつ記録することにより、トロンビン濃度の時間経過から他の凝固特異的パラメーター、例えばプロトロンビン時間、活性凝固時間または活性部分トロンボプラスチン時間を測定することが可能である。これらのパラメーターは血液凝固の障害を診断するために広く利用されている。
実施例1a:抽出層を使わない全血および血漿中のトロンビン測定
最初に、本発明による方法と対照的に、追加の抽出層を使わないで行う予備実験を実施した。このために、Mowiol 4-88、Hepesバッファー、スクロース、グリシン、RPLA-4、Pefa-15865、組織因子、ポリブレンおよびmega 8を前処理してない全血サンプル5μlに加えた。これらの物質の濃度は、実施例1cに記載の凝固用混合物上にスプレーしたものの濃度と同様である。明確に可視性の凝固が起こるが、蛍光シグナルは血液中では検出されなかった。もし全血の代わりに血漿をサンプル液として用いた場合には、蛍光測定によるアミノメチルクマリンの切断をはっきりと観察することが可能である。これは、Pefa-15865からの強蛍光性アミノメチルクマリンの切断によりトロンビンを測定する原理が凝固パラメーターを測定するために利用できることを示す。さらに、ヘモグロビンまたは赤血球が同時に存在するとヘモグロビンは血中に溶解したアミノメチルクマリンの蛍光をほとんど完全にクエンチするので、全血中のこのような測定の実施は不可能であることも示した。この蛍光クエンチングは、全血から血漿を単離するステップの一部としての血球、従ってまたヘモグロビンを含有する赤血球の分離によっても起こらなくなったが、遠心分離などのさらなる手間のかかる処理ステップが必要であり、これは検出方法をさらに複雑にしかつさらに妨害を受け易くする。
実施例1b:様々な捕獲物質を含有する抽出層内におけるアミノメチルクマリン測定
例えば全血中のグルコースを検出するために使用されるような、前部に妨害物質を除去するフィルター層をもつ通常の層構造は、患者血中の所要の凝固因子が高分子量であるために、層により少なくとも部分的に阻まれるので、トロンビンの蛍光測定により凝固を測定するのに使用することはできない。同様に、凝固に必須でありかつこれもまた非常に大きいリン脂質も円滑に移動することができない。それ故に、通常の層構造における個々の層の排除判定基準により、特に高分子の凝固因子が反応層中に円滑に進入できないので、円滑な凝固反応は不可能である。
従って本発明によれば、従来の試験系の欠点を避けるために、上記の抽出層を用いて操作する試験系および方法を使用した。これについては、抽出層内のアミノメチルクマリンを特に濃縮できる、異なる捕獲物質を含有する様々な抽出層の組成物を、検出領域が透明であるポリ-カーボネート箔(Pokalon(登録商標)、140μm厚み)上にナイフを用いてコーティングし、そしてアミノメチルクマリンを約30mg/lの濃度で加えておいた血液を加えて、それらの蛍光を光学的に測定した。この目的のために、抽出層を下から透明な担体を通してLEDにより発光された励起光を用いて照射した。励起光はアミノメチルクマリンを励起して蛍光を発光させる。この蛍光を透明な担体の下に配置した好適なフィルターを通過させた後に検出器で測定した。
抽出層の基本処方は次の成分を有する:
Figure 0004194992
次いで様々な量の潜在的捕獲物質をこの基本処方20gに加えて混合した。最初に、基本処方20g当たり、ポリスチレンスルホン酸5g、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン5gまたはPEG 20000 5gをそれぞれ含有する混合物を調製し、そして上記のようにポリカーボネート箔に塗布した。次に、アミノメチルクマリンを加えておいた全血をそれぞれの層に塗布し、アミノメチルクマリンの蛍光を上記のように測定した。この場合PEG 20000を含有する抽出層を使用すると、血液サンプルを試験担体に加えた後60秒内に約1000相対単位のごく僅かな蛍光増加を示しただけであった。ポリスチレンスルホン酸を含有する抽出層を使用すると、血液サンプルを試験担体に加えた後60秒内に約2500相対単位のかなりの蛍光増加を示した。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含有する抽出層を使用すると、血液サンプルを試験担体に加えた後60秒内に3000相対単位を超えるさらに著しい蛍光増加を示した。従って、以下の実験においては、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを捕獲物質として使用した。しかし特に検出の感度があまり重要ではない場合には、上記物質ならびにさらなる物質を捕獲物質として使用することも可能である。アミノメチルクマリン捕獲物質であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン濃度を5gから7.5gへ増加すると、測定される蛍光のさらなる増加が得られる。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを10gへさらに増加すると、蛍光強度の僅かな増加が得られるだけであり、従って、基本処方20g当たり7.5gのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン濃度を次の実験で使用した。
実施例1c:全血中のトロンビンの蛍光測定を用いる凝固の時間経過の測定
予備実験結果に基づいて、基本処方20g当たりヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン7.5gの層を上記の方法で試験担体に塗布し、そして凝固用試薬をスプレーした。基本処方だけを含有して追加の捕獲物質を含有しない層を塗布した試験担体を、対照として用いた。
この凝固用試薬は次の組成を有した:
Figure 0004194992
コーティングした箔上にこの試薬をスプレーした後、試験担体を乾燥した(40℃、10分間)。
凝固の時間経過を測定するために、非安定化血液を測定開始の少し前まで氷浴中で冷却し、測定直前に約35℃に加熱した。測定は非加熱の測定ブロック上で行い、測定および凝固時間経過中の温度がほぼ室温となるようにした。凝固反応は酵素反応であり、従って強く温度に依存するので、それ故に、サンプルを37℃に加熱する方法と比較してスタートから遅い凝固時間経過が予想される。本発明による装置はまた、さらなる温度制御装置により加熱して、より迅速な凝固測定を実施しうるようにしてもよい。分析機器分野の業者は、サンプル液を簡単な方法で加熱しうる温度制御装置をよく知っている。先に記載のように、蛍光はサンプルを試験担体に加えた後に測定した。
図1は、このような試験担体に対して、時点t=0で全血を添加した後の測定蛍光強度に対する2つの時間経過を示す。秒で表した時点tを横軸にプロットし、測定した励起波長340nmおよび470nmの発光波長における蛍光強度Iを縦軸に相対単位でプロットした。この場合、上側の曲線1は、基本処方20g当たり7.5gのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含有する抽出層を用いた11件の個々の測定の平均値の曲線を表し、そして下側の曲線2は、基本処方だけを含有して特定の捕獲物質を含有しない抽出層を用いた10件の対照測定値の平均値の曲線である。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが抽出層内捕獲物質として存在すると、その他は同一の試験条件のもとで測定蛍光強度が顕著に高められることが明らかに示される。従って、本発明による方法の助けによって、測定計器のより広い測定範囲を利用してさらに正確でかつ感度のある測定値を得ることが特に可能である。そしてこのことにより、このような測定に基づく分析法の感度と特異性が高められる。
実施例1d:正常なドナーとMarcumar(登録商標)投薬患者の全血中のトロンビンの蛍光測定を用いる凝固の時間経過の比較
Marcumar(登録商標)(Hoffmann-La Roche Aktiengesellschaft, Basle, Switzerland)は、血液凝固を遅延させるが完全に無効化するものでない経口投与凝固阻害剤である。Marcumar(登録商標)は凝固第II、第VII、第IXおよび第X因子のビタミンK依存性合成を抑制する。Marcumar(登録商標)は、静脈血栓症、心筋梗塞および肺塞栓症の予防および治療に主に利用される。その作用は出血傾向の上昇と関連するので、必要あれば投与量を調節できるように、規則的な制御測定によるモニタリングが絶対に必要である。モニタリングは、医師または患者自身が実施する凝固特異的パラメーターの規則的な測定に基づく。本発明による方法をこの目的に利用することができれば好ましい。
図2は、時点t=0で正常なドナーとMarcumar(登録商標)投薬患者からの全血を添加した後の測定蛍光強度に対する2つの時間経過を示す。秒で表した時点tを横軸にプロットし、測定した励起波長340nmおよび470nmの発光波長における蛍光強度Iを縦軸に相対単位でプロットした。両事例において、基本処方20g当たりヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン7.5gを含有する抽出層を用いた。この場合、上側の曲線1は、正常ドナーからの全血をサンプル液として用いた12件の測定値の平均値の曲線を表し、そして下側の曲線2は、Marcumar(登録商標)投薬患者からの全血をサンプル液として用いた12件の対照測定値の平均値の曲線である。これは、正常なドナーとMarcumar(登録商標)投薬患者の間の異なる時間経過が本発明による方法によって記録できることを明らかに示す。健康な正常なドナーでは、サンプル塗布後ほぼ60秒の550相対単位から360秒後にほぼ4000相対単位への蛍光強度のかなりの増加が観察される。しかし、Marcumar(登録商標)投薬患者では、最初に測定された蛍光強度の若干の減少すら見られ、約120秒後になって始めて若干の増加があり、そして360秒後に約1300相対単位の蛍光強度に達するのが観察された。これは、Marcumar(登録商標)投薬により引起された凝固の遅延による。
指標物質の酵素切断の原理は、切断される種およびそれぞれの基質に依存しない。他の基質、指標物質および捕獲物質も利用することができる。
本実施例は明らかに、本発明による方法および試験系が複雑なサンプル混合物中のアナライト濃度の高感度で特異的な測定を可能にすることを示す。さらに、本発明による方法および試験系は、検出反応の経過を妨害することなく、アナライトの濃度をある特定の期間にわたりまたは区切られた時間間隔に連続測定することを可能にする。
実施例2:蛍光標識したボロン酸を用いるグリコシル化ヘモグロビンの測定
特別な抽出層内の指標物質の測定に基づいてアナライトを測定する本発明による原理は、特別な捕獲物質を用いることにより指標物質が抽出層内に濃縮され妨害物質が抽出層内に排除されて留まることを特徴とし、この原理は他のアナライトおよびパラメーターに応用することができる。
他の例は、蛍光標識したボロン酸を用いるグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)の測定である。HbA1cはグルコースが共有結合しているヘモグロビンである。HbA1cは健康人の赤血球中に小量存在するが、糖尿病においては長期血糖レベルによって存在の程度が増加する。従って、HbA1cは、3〜4ヶ月の赤血球の平均寿命と釣り合ったこれらの患者の炭水化物収支を遡及して評価するために、および短期パラメーターである血糖含量に加えて血糖レベルのモニタリングを補足する長期パラメーターとして、特に好適である。この意味で、HbA1cの測定は診断上の重要性が高い。
蛍光標識したボロン酸を特に指標物質として利用することができ、かつ特別な糖類および糖類誘導体、特にジオールを抽出層内の対応する捕獲物質として利用することができる。
全血中のHbA1cを測定するための本発明による試験担体の一実施形態は、cis-ジオール、例えば、多糖またはポリアルコールを固定された形態で特定の捕獲物質として含有する抽出層がその上に塗布された試験担体を含む。さらに、少なくとも1つのサポニンなどの溶解試薬とある特定の量の蛍光標識した、例えばアミノメチルクマリンまたはピレントリスルホネートにより標識したボロン酸を含有する試薬混合物を、試験担体に、好ましくは先に塗布した抽出層の表面上に直接塗布する。液体サンプル(この場合は全血)を塗布した後、試薬混合物が溶解して反応空間(この場合は液体サンプルの容積に対応する)で検出反応がスタートする。このプロセスにおいて、蛍光標識したボロン酸のボロン基が液体サンプル中に存在するHbA1cのグルコースユニットと共有結合する。ヘモグロビンと結合する蛍光標識したボロン酸の量はサンプル中のHbA1cの濃度と相関がある。サンプル中に存在するHbA1cが多いほど、ヘモグロビンと結合した蛍光標識したボロン酸が多く、そして反応空間内の遊離した蛍光標識したボロン酸の濃度が低い。遊離の蛍光標識したボロン酸は指標物質として作用するので、本実施例は、指標物質が必ずしも検出反応の部分として反応空間内で形成されなくてもよく、既に存在する指標物質の転化もアナライトの測定に利用しうることを示す。ヘモグロビンは蛍光標識したボロン酸の蛍光検出を阻止しうるので、抽出層はヘモグロビンがその中に浸透することを許さない排除サイズを有する。従って、ヘモグロビンと結合した蛍光標識したボロン酸は検出層中に進入することができない。その代わりに、遊離の蛍光標識したボロン酸はその著しく小さい分子サイズによって抽出層に進入することができ、かつその特異的特性によって特異的捕獲物質とその相互作用によってそこに蓄積するので、遊離の蛍光標識したボロン酸を指標物質として使用する。サンプル中に存在するHbA1cが多いほど、抽出層に進入しうる遊離した蛍光標識したボロン酸は少なく、そして測定されるシグナルは小さくなる。抽出層内の蛍光標識したボロン酸を、光学的蛍光法の助けをかりて検出する。本発明によるこのような試験系の診断上の適合性は、それをマルチパラメーター試験系として設計することによりさらに増加することができる。従って、例えば、ある特定の臨床像が存在するときに、濃度の特徴的な変化を示すことが知られているかまたは一般的に不在であるかもしくは存在する複数の異なるアナライトを共通の試験系で測定することができる。複数のこのような関係するパラメーターの同時測定は、異なるアナライトを同時点でかつ単一操作で測定して迅速な診断情報を得ることを可能にする。さらに、個々の分析結果の特定の組合わせを考察することにより、1つのパラメーターを考察するだけでは得られない診断情報を得ることがしばしば可能である。特に、診断方法の特異性および/または感度をこの方法で増加させることができる。本事例においては、HbA1c測定を、特に血液サンプル中の全ヘモグロビン含量の測定と組合わせることができる。これらの2つの測定値を、次いで互いに関係づけることができる。特に、全ヘモグロビン含量のHbA1c比率を測定することができ、この共通の手法に基づいてさらに正確な診断情報が可能になる。
図1は、抽出層内のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの関数として凝固パラメーターを測定するために、本発明による試験担体を用いて測定した全血中のアミノメチルクマリンの蛍光強度の平均値の時間経過を示す。 図2は、正常なドナーとMarcumar(登録商標)投薬患者の全血中の凝固パラメーターを測定するために、本発明による試験担体を用いて測定したアミノメチルクマリンの蛍光強度の平均値の時間経過を示す。

Claims (10)

  1. 少なくとも2つのコンパートメントを含む試験系を用いて全血またはそれから誘導される血液産物中のグリコシル化ヘモグロビンを測定する方法であって、グリコシル化ヘモグロビンを測定するために必要な検出反応が第1コンパートメント内で実施され、そして検出反応に関与する指標物質の分析測定が第2コンパートメント内で行われ、
    a)2つのコンパートメントは、指標物質が第2コンパートメント内に進入することを可能にしかつ第2コンパートメント内で指標物質の分析測定を妨害しうる妨害サンプル成分の進入を少なくとも部分的に阻止する様式で互いに分離されていること、および
    b)第2コンパートメント内の指標物質を、指標物質との間の親水性/疎水性相互作用に基づいて選択的に濃縮する特異的捕獲物質が第2コンパートメント内に固定された形態で存在すること、
    を特徴とし、さらに
    c)第1コンパートメント内で、グリコシル化ヘモグロビンと特異的に結合する低分子量の標識した試薬が検出反応の経過中に指標物質として存在するステップ、
    d)第2コンパートメント内で、グリコシル化ヘモグロビンと結合していない指標物質を特異的捕獲物質を用いて濃縮する一方、妨害するサンプル成分を排除しかつグリコシル化ヘモグロビンと結合した指標物質を排除するステップ、および
    e)第2コンパートメント内で、指標物質を光学的方法を用いて検出するステップ
    を特徴とする上記方法。
  2. 低分子量の標識した試薬が低分子量の蛍光標識したボロン酸であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. 特異的捕獲物質が炭水化物もしくはジオールであることを特徴とする、請求項1またはに記載の方法。
  4. 妨害サンプル成分が血球および発色物質であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 発色物質がヘモグロビンであることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 光学的方法が蛍光-光学的方法であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 第2コンパートメントが選択的に浸透可能なマトリックスの形態に設計されていることにより2つのコンパートメントが分離されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法
  8. 選択的に浸透可能なマトリックスがゲル、フィルム、膜またはポリマー層であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. 特異的捕獲物質を固定するマトリックスが同時に2つのコンパートメントを分離することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 少なくとも2つのコンパートメントを含む、全血またはそれから誘導される血液産物中のグリコシル化ヘモグロビンを測定するための試験系であって、グリコシル化ヘモグロビンを測定するために必要な検出反応が実施される第1コンパートメントと、検出反応に関与する指標物質の分析測定が行われる第2コンパートメントとを含み、
    a)2つのコンパートメントは、指標物質が第2コンパートメント内に進入することを可能にしかつ第2コンパートメント内で指標物質の分析測定を妨害しうる妨害サンプル成分の進入を少なくとも部分的に阻止する様式で互いに分離されており、
    b)指標物質が、グリコシル化ヘモグロビンと特異的に結合する低分子量の標識した試薬であり、
    c)第2コンパートメント内のグリコシル化ヘモグロビンと結合していない指標物質を、指標物質との間の親水性/疎水性相互作用に基づいて選択的に濃縮する特異的捕獲物質が第2コンパートメント内に固定された形態で存在する
    ことを特徴とする上記試験系。
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