JP4194739B2 - 病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耳鼻科医院等の病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
耳鼻科医院等の病院用椅子は、背もたれに支持部材をもってヘッドレストを取り付けているが、ヘッドレストの背面はボルトで支持部材に連結されているために、医師等がヘッドレストを両手で持って力を入れて動かすこととなり、角度を変えるときに大きな力を必要とする。また、ヘッドレストの角度を折角調整しても、完全に患者に合った適正な位置にロックができず、このため位置決めも大雑把になりやすかった。
【0003】
即ち、ヘッドレストは本来固定して使用するべきものであるが、患者一人一人の姿勢に合わすには、関節部を柔らかく動き易くしなければ困難である。また、柔らかければ固定できない面もあり、固定しようと思えば、さらにネジ等で締め付けなければならない。また、ネジ方向の逆の力が作用したときは、緩んでしまう危険がある。
【0004】
また、従来の支持部材はヘッドレストの背もたれに接離する方向及び上下方向の動きがスムーズでなく、この点の改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、ヘッドレストを作動させるときは柔らかく、固定するときは完全にロックすることができ、而も必要な角度、位置にワンタッチで固定することができ、更にヘッドレストの背もたれに接離する方向及び上下方向の動きがスムーズに行えるようになしたヘッドレスト支持装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
而して、本発明の要旨とするところは、背もたれに固定し、角度調節部材における一方の連結孔に嵌合する連結軸を支承する軸承体と、長さ方向の両端部に連結孔を設けると共に、該連結孔を縮径するようになした前記角度調節部材と、長さ方向の一端部に、周壁の一部に軸方向に沿ったスリットを有する筒状部を直角に設け、該筒状部を前記角度調節部材における他方の連結孔に嵌合する第1連杆と、長さ方向の一端部に前記第1連杆の筒状部内に嵌合する連結軸を直角に設けた第2連杆と、前記第1連杆の他端部に一方の端部を枢着連結する第3連杆と、背面の板状連結部に前記第2連杆と第3連杆の他端部を枢着連結するヘッドレストとからなる病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置にある。
【0007】
また、上記構成における角度調節部材としては、柱状をなし、長さ方向の両端部に連結孔を設けると共に、該連結孔を結ぶスリットを設け、更に長さ方向の中心部に配置した加圧手段をもって加圧することにより前記スリットを狭め、もって連結孔を縮径するようになした角度調節部材としてもよい。
【0008】
更にまた、上記構成における角度調節部材としては、柱状本体の長さ方向の両端部に環状の連結孔を設けると共に、これら連結孔に同一側において切欠部を設け、更に加圧手段をもって加圧することにより前記切欠部を狭め、もって連結孔を縮径するようになした角度調節部材としてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施形態の斜視図、図2は同左側面図、図3は同右側面図、図4は角度調節部材の中央縦断面図、図5は角度調節部材の作用説明図、図6は連杆の分解斜視図である。
【0010】
図中、1は背もたれ(図示せず。)の背面上部中央にネジによって固定し、角度調節部材3における一方の連結孔4に嵌合する連結軸2を支承する軸承体である。
【0011】
3は角度調節部材である。また、該角度調節部材3は、柱状をなし、長さ方向の両端部に連結孔4、5を設けると共に、該連結孔4、5を結ぶスリット6を設け、更に長さ方向の中心部に配置した加圧手段である油圧シリンダー7をもって加圧することにより、前記スリット6を狭めるようになすものである。また油圧シリンダー7は後記ヘッドレストに設けたスイッチによって操作するものである。尚、8は油圧シリンダーの押圧作動片となるピストン、9は油圧シリンダー7の下部に一体的に延設した脚部7aを固定するためのピンである。また、油圧シリンダー7はポート7b及び接続パイプ7cを介して図示しない油圧機構に接続している。尚、本実施形態ではパイプ7cの一端側を前記連結軸2に接続し、これの内部から前記軸承体1内を通って油が流通するようにしている。
【0012】
そして、該油圧シリンダー7は、図5に示す如く油圧によってピストン8を押し下げ、スリット6が狭まるように撓ませるものである。これにより両端部の連結孔4、5は縮径され、それに嵌合した部材を締め付けるものである。
【0013】
10は第1連杆である。該第1連杆10は長さ方向の一端部に、周壁の一部に軸方向に沿ったスリット11を有する筒状部12を直角に設け、該筒状部12を前記角度調節部材3における他方の連結孔5に嵌合するものである。10aは枢軸連結孔、10bは枢軸である。
【0014】
13は第2連杆であり、長さ方向の一端部に前記第1連杆10の筒状部12内に嵌合する連結軸14を直角に設けている。13aは枢軸挿通孔、13bは枢軸である。
【0015】
15は第3連杆であり、前記第1連杆10の他端部に一方の端部を枢着するものである。15a、15bは枢軸挿通孔、15cは枢軸である。また、該第3連杆15は、本実施形態ではスペーサー16を介して2個用いている。
【0016】
17はヘッドレストであり、背面の板状連結部17aに前記第2連杆13と第3連杆15の他端部を枢着連結している。そしてまた、該ヘッドレスト17の適宜の部位には、前記油圧シリンダー7を操作するためのスイッチ18を設けている。
【0017】
而して、本実施形態にあっては、ヘッドレストを固定する前は、ヘッドレスト17に設けたスイッチ18を押したままにする。これにより軸承体1に支承した連結軸2と、第1連杆10の筒状部12及び第2連杆13の連結軸14は、夫々柱状の角度調節部材3の連結孔4、5内で自由に回転し得る状態である。したがって、力を要さずヘッドレストの角度、位置を自在に調整することができる。そしてヘッドレスト17が最適な角度、位置になったらスイッチ18を押していた指を離して、油圧シリンダー7を作動させれば、柱状の角度調節部材3の連結孔4、5が縮径し、瞬時に固定されるものである。
【0018】
また、固定するまでの間、ヘッドレスト17は柱状の角度調節部材3及び第1連杆10、第2連杆13、第3連杆15の共働作用により、背もたれと接離する方向及び上下方向にスムーズに動かすことができる。
【0019】
次に、図7及び図8に示した本発明の第2実施形態について説明する。尚、本実施形態と前記第1実施形態とは、柱状の角度調節部材の点において相違するのみであるから、その他の部材についての説明は省略する。
【0020】
19は柱状の角度調節部材である。20、21は連結孔、22はスリットである。23は長さ方向の中心部に穿設したスリット22と直交する孔、24はネジ杆25を前記孔23に挿通した連結杆であり、該ネジ杆25の孔23から突出している部分には押圧体26を螺着している。27は回動自在に軸着した操作レバー、28は前記操作レバー27の回動によってその一端側が押されて回動するように軸着された揺動杆であり、その他端側に前記連結杆24を枢着連結している。
【0021】
而して、該柱状の角度調節部材19にあっては、操作レバー27を図8中矢標方向に回動するように押しつけると、揺動杆28が矢標方向に回動して連結杆24を矢標方向に引きつけ、押圧体26が上側から押圧してスリット22が狭まるように撓めるものである。これにより各連結孔20、21は縮径してその内部に嵌合された部材を締め付けるものである。尚、本実施形態のその他の作用は前記第1実施形態と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0022】
次に、図9に示した本発明の第3実施形態について説明する。尚、本実施形態と前記第1実施形態とは、角度調節部材の点において相違するのみであるから、その他の部材についての説明は省略する。
【0023】
29は角度調節部材である。30は柱状本体であり、その長さ方向の両端部には環状の連結孔31、32を設けている。そしてまた、該連結孔31、32は同一側において切欠部33、34を設けている。35は前記柱状本体30にその長さ方向に移動自在に貫挿する引張杆である。また、該引張杆35は、その一方側の端部を柱状本体30より突出させて押圧体36を取着すると共に、他方側の端部近傍には柱状本体30の切欠して設けた加圧部30aに当接する押圧体37を取着し、更に他方側の端部は後記操作レバーの基部に枢着連結している。38は前記柱状本体30の端部に設けた枠部30bに回動自在に軸着した操作レバーであり、基部周面に歯状部39を設けている。40は前記柱状本体30の前記枠部30bに回動自在に軸着したクリックである。
【0024】
而して、該角度調節部材29にあっては、操作レバー38を図9中矢標方向に回動するように引きつけると、その基部が軸38aを支点として回動する。これに伴い引張杆35が矢標方向に移動し、それに取着した各押圧体36、37によって柱状本体30が引きつけられて撓み、連結孔31、32の切欠部33、34が狭められるものである。そしてこれにより各連結孔31、32は縮径してその内部に嵌合された部材を締め付けるものである。また、この縮径した状態は操作レバー38の歯状部39とクリック40により保持される。尚、本実施形態のその他の作用は前記第1実施形態と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上記の如き構成、作用であるから、ヘッドレストを作動させるときは柔らかく、固定するときは完全にロックすることができ、而も必要な角度、位置にワンタッチで固定することができるものである。また、ヘッドレストの背もたれに接離する方向及び上下方向の動きをスムーズに行わせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の左側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の右側面図である。
【図4】角度調節部材の中央縦断面図である。
【図5】角度調節部材の作用説明図である。
【図6】連杆の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態における角度調節部材の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態における角度調節部材の中央縦断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態における角度調節部材の中央縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸承体
2 連結軸
3 角度調節部材
4、5 連結孔
6 スリット
7 油圧シリンダー
10 第1連杆
11 スリット
12 筒状部
13 第2連杆
14 連結軸
15 第3連杆
17 ヘッドレスト
18 スイッチ
19 角度調節部材
20、21 連結孔
22 スリット
23 孔
24 連結杆
25 ネジ杆
26 押圧体
27 操作レバー
28 揺動杆
29 角度調節部材
30 柱状本体
31、32 連結孔
33、34 切欠部
35 引張杆
36、37 押圧体
38 操作レバー
39 歯状部
40 クリック
Claims (3)
- 背もたれに固定し、角度調節部材における一方の連結孔に嵌合する連結軸を支承する軸承体と、長さ方向の両端部に連結孔を設けると共に、該連結孔を縮径するようになした前記角度調節部材と、長さ方向の一端部に、周壁の一部に軸方向に沿ったスリットを有する筒状部を直角に設け、該筒状部を前記角度調節部材における他方の連結孔に嵌合する第1連杆と、長さ方向の一端部に前記第1連杆の筒状部内に嵌合する連結軸を直角に設けた第2連杆と、前記第1連杆の他端部に一方の端部を枢着連結する第3連杆と、背面の板状連結部に前記第2連杆と第3連杆の他端部を枢着連結するヘッドレストとからなる病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置。
- 角度調節部材が、柱状をなし、長さ方向の両端部に連結孔を設けると共に、該連結孔を結ぶスリットを設け、更に長さ方向の中心部に配置した加圧手段をもって加圧することにより前記スリットを狭め、もって連結孔を縮径するようになした角度調節部材である請求項1記載の病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置。
- 角度調節部材が、柱状本体の長さ方向の両端部に環状の連結孔を設けると共に、これら連結孔に同一側において切欠部を設け、更に加圧手段をもって加圧することにより前記切欠部を狭め、もって連結孔を縮径するようになした角度調節部材である請求項1記載の病院用椅子におけるヘッドレスト支持装置。
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