JP4193527B2 - 半導体熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハの表面に、例えばポリシリコン膜や窒化膜等の非酸化膜や酸化膜を形成するための半導体熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体熱処理用の低圧CVD装置や高温熱処理炉に用いられるアウターチューブやインナーチューブとしては、高純度のものが入手しやすく、耐熱性があり、また熱膨張率が小さいので発生熱応力が小さく、しかも熱伝導率が小さいので断熱性に優れる等の理由で石英ガラスが一般的に使用されてきた。近年、堆積膜がポリシリコン膜や窒化膜の場合、石英ガラスとの熱膨張率の差により装置内の堆積膜が剥離してウエハーの汚染源となるパーティクルが発生する問題点やさらなる耐熱性の要求から炭化ケイ素製のアウターチューブ(特許文献1、2参照。)等を使用した半導体熱処理装置が提案されている。
【0003】
しかし、炭化ケイ素は熱膨張率と熱伝導率が共に石英ガラスに比べて大きいことから、特許文献2の第7図(本件図6)に示されるように主にA、B、Cの3箇所に引張応力や曲げ応力が発生するため壊れやすいという問題がある。さらに、熱伝導率が大きいためにアウターチューブと基台との間にシール部材として通常、介装されるOリングが焼き付けしやすく、それによってガスシール性が損なわれやすいという問題もある。
【0004】
この対策として、熱源からOリングを物理的に離すため炭化ケイ素質アウターチューブの下面とヒータの最下端との間の距離を200mm以上とする方法(以下、対策Aという)が提案されている(特許文献1参照。)。別の対策として炭化ケイ素質アウターチューブのフランジ部と基台との間にシール部材を介在させると共に、前記フランジ部の前記シール部材よりも内周の部分を基台上に当接支持させる方法(以下、対策Bという)も提案されている(特許文献2参照。)。
【0005】
ところが、近年、1回の処理で大量のSiウエハを処理したいとの要望も強く、低圧CVD装置等の半導体熱処理炉内でのSiウエハ処理枚数を増やすため、均熱帯を広くする、すなわちヒータ下端をできるだけ基台に近づける傾向にあり、前記200mm以上を確保することが難しくなっているため、対策A以外の方法が要求されるようになってきた。
【0006】
また、Siウエハの口径は200mmから300mm以上へと、ますます大口径化し、それにつれてアウターチューブの外径も350mm以上へと大口径化している。そのため、対策Bを採用する場合、アウターチューブのフランジの冷却が不充分となるおそれがあるほか、内周で支持する箇所が線接触で、その接触位置も熱処理温度により変化することから、シール部材への荷重圧力が温度により変化し、特に低温での処理の際にシール圧が不足しガス漏れのおそれもある。
【0007】
すなわち、対策A、対策B以外の方法で、大口径化、大処理量化、パーティクル汚染防止等の要求に対応し、使用するアウターチューブ等の形状、使用に制約が少なく、アウターチューブ等を内周で当接支持しなくてもアウターチューブ等が熱応力で破損しにくく、耐久性が充分にあり、しかもシール性に優れた半導体熱処理装置は提案されていない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−251991号公報(第1頁〜第7頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−195657号公報(第1頁〜第8頁、図1〜図7、特に図7)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大口径化、大処理量化、パーティクル汚染防止等の要求に対応し、使用するアウターチューブ等の形状、使用に制約が少なく、アウターチューブ等を受ける基台の内周で当接支持しなくてもアウターチューブの耐久性が充分にあり、しかもシール性に優れた半導体熱処理装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上部が閉塞され、下部が開口され、下部外周にフランジ部が設けられた炭化ケイ素質のアウターチューブと、前記アウターチューブを下部で支持し、前記アウターチューブの下面との間を気密シールしてなる基台と、この基台の中央部に設けた開口に対して開閉可能に設けられた蓋体と、前記アウターチューブの外周面および上面を囲み、内側にヒータを設けた炉壁とをそなえた半導体熱処理装置であって、前記アウターチューブと前記基台との間に環状のシール部材と環状の支持部材とを介装し、かつ前記支持部材と前記アウターチューブとの接触位置が前記アウターチューブのフランジ部外周端より内周側であり、前記シール部材と前記アウターチューブとの接触位置より外側であって、さらに、前記支持部材が前記アウターチューブと接する面に外周方向に向かって高さが低くなるように、テーパおよび/またはステップを有することを特徴とする半導体熱処理装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体熱処理装置(以下、本装置という)は、上部が閉塞され、下部が開口され、下部外周にフランジ部が設けられた炭化ケイ素質のアウターチューブ(以下、外管という)と、前記外管を下部で支持し、前記外管の下面との間を気密シールしてなる基台と、この基台の中央部に設けた開口に対して開閉可能に設けられた蓋体と、前記外管の外周面および上面を囲み、内側にヒータを設けた炉壁とをそなえた半導体熱処理装置である。なお、本装置を低圧CVD装置として用いる場合は、前記外管の内周に所定の間隙を介して配置され、上下が開口された炭化ケイ素質のインナーチューブ(以下、内管という)を、前記基台の上に載置することが好ましい。
【0012】
以下、本装置を図面を用いて説明する。図1は、本装置60が低圧CVD装置の場合の縦断面図の一例である。この本装置60は、金属缶体61と、その内周に貼られた断熱材62とからなる炉壁63を有している。炉壁63の内周にはヒータ64が取り付けられている。炉壁63の下面は、基台65によって閉塞されている。
【0013】
基台65の中央には、半導体ウエハWの導出入口をなす開口が設けられ、図示しないリフトによって昇降動作することにより、上記開口を開閉する蓋体66が設けられている。蓋体66の上にはウエハWを載せるためのウエハボート50が載置されている。ウエハボート50は、端板51、52とそれらを連結する支柱53とからなる。基台65にはガスの導入排出口67が設けられている。
【0014】
基台65上には、上下端面が開口された炭化ケイ素質の内管71と、この内管71の外周を所定の間隙をもって囲む、同じく炭化ケイ素質の外管72の二重管73が設置されている。なお、内管71は本装置においては、必ずしも必要なものではないが、低圧CVD装置には通常あるものである。外管72は、円筒状の周壁72aと、この周壁72aの上面を閉塞する上壁72bと、周壁72aの下端外周に設けられたフランジ部72cとで構成されている。
【0015】
基台65のフランジ部72cの下面が接する部分には環状の凹部、またはステップが形成され、この凹部等に環状のシール部材68、が介装されていて、フランジ部72cの下面を気密的にシールしている。なお、基台65内には、図示しない水冷ジャケットが形成されており、環状のシール部材68の熱損傷を防止するようにしている。環状のシール部材68の外周には環状の支持部材92がある。フランジ部72cの拡大図を図2に示す。図中、92が環状のシール部材68の外周に介装される環状の支持部材である。なお、フランジ部72cは熱処理時には先端が下向きになるような変形をするのでそれをやや誇張して示してある。
【0016】
本装置60は、前述したような対策Aや対策Bを採用しなくとも外管72に発生する熱応力を低減でき、しかも外管72が破損しにくく、シール性にも優れる半導体熱処理装置60を提供するため、シール性の確保はあくまでもOリングに代表される環状のシール部材68によることとし、外管72に発生する熱応力を低減させるために、シール部材68の外周側に介装する支持部材92の外管72との接触位置Pが外管72のフランジ部外周端Qより内周側であることを特徴とする(図2参照。)。
【0017】
該接触位置Pが外管72のフランジ部外周端Qより内周側に移動するほど外管72のフランジ部72cへの曲げ応力が低減する。すなわち図2において接触位置Pがフランジ部外周端Qより内周側にあり、フランジ部72cとシール部材68との接触位置Rに近づくことを意味する。。なお、図2(以下の図3〜図5においても同様)において支持部材92の外周側を左、内周側を右となるように図示してある。
【0018】
単に接触位置Pをできるかぎりフランジ部72cとシール部材68との接触位置Rに近づけるだけであれば、支持部材92をかみそり刃のようなもので環状としたものが考えられるが、支持部材92の機械的強度を確保して耐久性を充分なものとするためにはステップおよび/またはテーパとする。また、ステップおよび/またはテーパを形成することによりシール部材68の位置決めも容易となる。
【0019】
本装置60において、支持部材92が外管72と接する面に外周方向に向かって高さが低くなるように、テーパ92tおよび/またはステップ92sを有するものであると接触位置Pが容易にフランジ部外周端Qより内周側となる。すなわち、支持部材92の外管72と接する面に外周方向に向かって高さが低くなるように、テーパ92tやステップ92sを形成すると、支持部材92とフランジ部72cとの接触位置Pがフランジ部72cの外周端Qから内周側に移動するためフランジ部72cへの曲げモーメントが低減し外管72の破損等を防止できる(図2参照。)ほか、支持部材の機械的強度を確保でき耐久性の点でも好ましい。
【0020】
参考のため、高温使用時の外管72の変形を図6に模式的に示す。なお、図ではわかりやすいように変形を誇張して示した。また、テーパ92tとステップ92sの形状を図3、図4にそれぞれ示す。
【0021】
テーパ92tの形状としては外管72に発生する熱応力に起因する変形を緩和できるものであれば特に制限されない。図3(a)においてθで表される、テーパ92tの角度としては、使用温度により発生するたわみ量と同等かそれ以上の角度をつけることが好ましい。テーパ92tの角度θを0.1〜30°とすると好ましく、0.5〜10°とするとさらに好ましい。テーパ92tの角度θを1〜5°とすると特に好ましい。テーパ92tは図3(a)に示すように全面に形成してもよいが、図3(b)に示すように外周側だけにテーパ92tを形成する等一部でもよい。
【0022】
支持部材92の好ましい形態として、テーパ以外にステップが挙げられる。支持部材のステップとしては、支持部材92とフランジ部72cとの接触位置Pを、フランジ部72cとシール部材68との接触位置Rに近づけることのできる形状であれば特に制限されない。ステップの段数としては図4(a)に示すような1段のものや図4(b)に示すような2段のものが例示される。段数が3段以上でもよいが、支持部材の製作の容易性などからは1段または2段が好ましい。ステップの高さとしては、段数が2段の場合は、0.1〜3mmとすると好ましく、0.3〜1.5mmとするとさらに好ましい。なお、階段状にステップ92sを設け、それにさらに図4(c)、(d)に示すようなテーパ92stを形成してもよい。
【0023】
なお、支持部材92としては、一つの材料で一体物で形成するものに限られず、同種、同一材料を高さ方向および/または周方向に積層してもよく、また、異種材料を高さ方向および/または周方向(同心リング状、年輪状)に積層してもよい。支持部材92を伝熱方向と同方向である高さ方向に積層構造とするとフランジ部72cを介して行われる熱伝導特性を抑制できるため、支持部材92が高熱伝導性の材料である場合、適度な熱伝導特性に制御することで外管72に発生する熱応力を低減できるため好ましい。
【0024】
一例を図5に示す。図5(a)は高さ方向に部材を積層し、かつテーパ92tを形成した支持部材92の例を示し、図5(b)は同心リング状(年輪状)に部材を積層し、かつテーパ92tを形成した支持部材92の例を示す。
【0025】
支持部材92の材質としては、外管72の材質である炭化ケイ素(弾性率が約350GPa)や基台65に使用されることの多いステンレス(弾性率が約200GPa)より変形しやすいものであって、使用温度での耐熱性があれば特に制限されない。シール部材68より弾性率が高いとシール部材68の耐久性が確保できるため好ましい。支持部材92の弾性率が0.2〜120GPaであるとシール部材68の耐久性があり、しかも外管72の変形に対応して熱応力を緩和できるので好ましい。使用温度が高い場合は、支持部材92の弾性率が80GPa以下であるとさらに好ましく、50GPa以下であると特に好ましい。支持部材92の弾性率が0.5GPa以上であると耐久性の点でさらに好ましい。
【0026】
外管72のフランジ部72cから基台65への単位時間当たりの伝熱量を支持部材92の基台65と接する面の面積で割った値、すなわち有効熱伝達係数が40〜1000W/(m2・K)であるとフランジ部72cでの破損を防止でき、またフランジ部72cの冷却効果も得られるため好ましい。支持部材の有効熱伝達係数が100〜600W/(m2・K)であるとさらに好ましい。
【0027】
支持部材92の具体的な材質としては、耐熱性のあるものであれば特に制限されない。耐熱性樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの共重合体(FEP)、四フッ化エチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、四フッ化エチレンとエチレンとの共重合体などのフッ素樹脂が挙げられる。弾性率や熱特性を制御するため、ガラス繊維との複合材料としてもよく、多孔質体としてもよい。
【0028】
耐熱性樹脂以外のものとしては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、シルミン(Al88%−Si12%)に代表されるアルミニウム−シリコン合金、チタン(Ti)などの非鉄金属が挙げられる。なお、弾性率や熱特性を制御するため他の材料と複合化して複合材料としてもよく、また多孔質体としてもよい。
【0029】
支持部材92を図5のように積層する場合には、Alやフッ素樹脂などの同種材料を単独で積層してもよいが、Alとフッ素樹脂などの異種材料を組み合わせて積層してもよい。
【0030】
なお、シール部材68としては、基台65と外管72との間のシール性が確保されるものであれば特に制限されないが、フッ素ゴムなどの耐熱性のあるゴム製Oリングが挙げられる。シール部材68は環状であれば周方向に複数に分割されていてもよいが、一体物のリングであればシール性、メンテナンス性、入手性などの点で好ましい。この点に関しては、支持部材92も同様である。
【0031】
本装置60において外管72は、半導体処理用途の炭化ケイ素質であれば特に制限はないが、鉄に代表される不純物が50質量ppm以下の高純度であると好ましく、表面に炭化ケイ素膜がCVDコートされていると、HF等の酸による繰り返しの洗浄に対しても耐久性が高くなるので、さらに好ましい。
【0032】
内管71を併用する二重管73の場合、内管71を外管72と同様の高純度の炭化ケイ素とするとより好ましい。また基台65、蓋体66は、通例、ステンレス製とされ、炉壁63はステンレスの金属缶体61とシリカ・アルミナ系の断熱材62の組み合わせが好適な例として挙げられる。
【0033】
また、本装置60は上記構成を有し半導体ウエハを熱処理するものであれば特に制限はないが、用途としては低圧CVD装置(図1参照。)、熱酸化処理炉、アニール炉などが挙げられる。
【0034】
低圧CVD装置の使用方法を簡単に説明する。ウエハボート50に多数の半導体ウエハWを挿入支持させ、蓋体66上に載置させ二重管73内に導入し、蓋体66によって基台65の開口部を閉じる。次に、ガス導入排出口67を通して二重管73内を減圧し、反応ガスを導入して半導体ウエハWの表面にCVD膜を形成する。こうして成膜が終了したら、二重管73内の減圧を解除し、蓋体66を下降させてウエハボート50に支持された半導体ウエハを取り出す。このような操作を繰り返すことにより、半導体ウエハWの表面に繰り返しCVD膜を形成できる。
【0035】
【実施例】
以下に本発明の実施例(例1、例4)と比較例(例2、例3)を示す。
【0036】
[例1]
不純物としてFe5質量ppmを含む炭化ケイ素からなる、内径270(mm)、厚さ2.5(mm)、高さ1200(mm)の内管71と、不純物としてFe5質量ppmを含む炭化ケイ素からなる、内径307(mm)、厚さ4.5(mm)、高さ1400(mm)、フランジ内径307(mm)、フランジ外径400(mm)、フランジ厚さ10(mm)の外管72とを備えた低圧CVD装置を使用した。
【0037】
前記外管72と前記基台65との間には、シール部材68としてはフッ化ビニリデンゴム製のOリング(JIS B2401 呼び番号V335)を介装し、支持部材92として外径410(mm)、内径350(mm)、高さ約4(mm)のPTFE製のリングであって、角度2°の勾配を全面につけたものをOリング68の外側に配置されるように介装させた。
【0038】
また、外管72のフランジ下端からのヒータ高さHは80mmとなるようにしてある。この低圧CVD装置60を使用して半導体ウエハWに対するドープドポリシリコン(D−Poly)CVD膜の形成作業を550℃にて40回繰り返したが、外管72、Oリング68にクラック等の異常は観察されなかった。また、シール性も充分あり二重管73の内部の真空度も一定の範囲内であった。なお、支持部材92の弾性率は0.4GPa、有効熱伝達係数は48W/(m2・K)であった。
【0039】
[例2]
例1の低圧CVD装置において、支持部材92の上面にテーパを形成しないこと以外は例1と同様にした。これを用いて、例1と同様のCVD膜の形成作業を40回繰り返したが、外管72にクラック等の異常は観察されなかった。また、シール性も充分あり二重管73の内部の真空度も一定の範囲内であった。
【0040】
ただし、Oリングの一部につぶれがみられ、40回でOリングの交換が必要になった。なお、支持部材92の弾性率は0.4GPa、有効熱伝達係数は65W/(m2・K)であった。同じ装置を用いて、例1より温度の高い750℃にて窒化ケイ素CVD膜の形成作業を2回繰り返したところ、外管72の下部Cの部分にクラックが形成されているのを確認した。またOリング68の一部に焼けが認められた。
【0041】
[例3]
例1の低圧CVD装置において、支持部材92を使用しないで、基台65のOリング68より内周側に幅15(mm)、高さ4(mm)の凸部を形成した以外は例1と同様にした。これを用いて、例1と同様のCVD膜の形成作業を40回繰り返したが、外管72にクラック等の異常は観察されなかった。ただし、Oリング68の一部に焼けが認められ、約10回でシール性が不充分となりパーティクル数が増加した。
【0042】
焼けが認められたOリング68を交換し、さらにSiO2膜を形成するためテトラエトキシシラン(TEOS)を用いて温度の低い400℃でCVDしようとしたところOリング68よりガス漏れし、所定の真空度までいかなかったため作業を中止した。ガス漏れの原因は、前記凸部の高さとOリング68の高さの差による傾斜が400℃でのフランジ部72cの変形による微小な傾きと合っていなかったものと思われる。
【0043】
[例4]
例1の低圧CVD装置において、支持部材92として外径390(mm)、内径350(mm)、厚さ3(mm)のAl製のリングの上に外径370(mm)、内径350(mm)、厚さ1(mm)のPTFE製のリングを積層してステップを形成した以外は例1と同様にした。これを用いて例1と同様のCVD膜の形成作業を40回繰り返したが、外管72にクラック等の異常は観察されなかった。シール性も充分あり二重管73の内部の真空度も所定の範囲内であった。
【0044】
同じ装置を用いて例1より温度の高い750℃にて窒化ケイ素CVD膜の形成作業を40回繰り返したが、外管72には特に異常は観察されなかった。また、シール性も充分あり二重管73の内部の真空度も所定の範囲内であった。支持部材92の弾性率は、1.9GPa、有効熱伝達係数は121W/(m2・K)であった。
【0045】
【発明の効果】
本装置60では、基台65と外管72との間にシール部材68以外にテーパおよび/またはステップが形成されている支持部材92を介装することにより、装置使用時において熱応力に起因する外管72の変形を吸収でき、外管72の破損を防止できる。その結果、外管72の耐久性に優れるほか、外管72の形状の自由度が大きくなるため外管72の設計・製造が容易になる。
【0046】
また、本装置60により外管72の口径を大口径化したり、ヒータ64の最下端の位置を外管下端から200mmよりもかなり近づけても外管72が発生する熱応力で破損しないため、1回の熱処理で大量の半導体ウエハを処理できる特徴を有する。また、外管72を基台65の内周で支持する場合に比べてシール性も格段に向上する。
【0047】
本装置の外管72は炭化ケイ素質であるのでパーティクル発生が少なく、パーティクル汚染に強く、しかも耐熱性に優れるため熱処理条件が広く装置の汎用性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置に係る低圧CVD装置の縦断面図。
【図2】図1の支持部材92周辺の部分拡大図。
【図3】支持部材92のテーパ92tの実施態様。
(a):外管と接する面全体にテーパが形成されている例。
(b):外管と接する面の一部にテーパが形成されている例。
【図4】支持部材92のステップ92sの実施態様。
(a):ステップが1段形成されている例。(b):ステップが複数形成されている例。(c):ステップとテーパの両方が形成されている例。(d):ステップとテーパの両方が形成されている他の例。
【図5】積層されている支持部材92のテーパ92tの実施態様。(a):高さ方向に部材を積層し、かつテーパを形成した支持部材92。(b):同心リング状に部材を積層し、かつテーパを形成した支持部材92。
【図6】高温使用時の外管72の変形概念図。
【符号の説明】
50:ウエハボート
51:端板
52:端板
53:支柱
60:本装置(低圧CVD装置)
61:金属缶体
62:断熱材
63:炉壁
64:ヒータ
65:基台
66:蓋体
67:ガスの導入排出口
68:シール部材(Oリング)
71:インナーチューブ(内管)
72:アウターチューブ(外管)
72a:周壁
72b:上壁
72c:フランジ部
73:二重管
92:支持部材
92s:ステップ
92st:ステップに形成したテーパ
92t:テーパ
H :外管72の下端からヒータ64の最下端までの高さ
P :支持部材92とフランジ部72cとの接触位置
Q :フランジ部外周端
R :シール部材68とフランジ部72cとの接触位置
W :半導体ウエハ
θ :テーパの角度
Claims (5)
- 上部が閉塞され、下部が開口され、下部外周にフランジ部が設けられた炭化ケイ素質のアウターチューブと、前記アウターチューブを下部で支持し、前記アウターチューブの下面との間を気密シールしてなる基台と、この基台の中央部に設けた開口に対して開閉可能に設けられた蓋体と、前記アウターチューブの外周面および上面を囲み、内側にヒータを設けた炉壁とをそなえた半導体熱処理装置であって、前記アウターチューブと前記基台との間に環状のシール部材と環状の支持部材とを介装し、かつ前記支持部材と前記アウターチューブとの接触位置が前記アウターチューブのフランジ部外周端より内周側であり、前記シール部材と前記アウターチューブとの接触位置より外側であって、さらに、前記支持部材が前記アウターチューブと接する面に外周方向に向かって高さが低くなるように、テーパおよび/またはステップを有することを特徴とする半導体熱処理装置。
- 前記支持部材の弾性率が0.2〜120GPaである請求項1記載の半導体熱処理装置。
- 前記支持部材が複数の部材を高さ方向および/または周方向に積層したものである請求項1または2記載の半導体熱処理装置。
- 前記支持部材がフッ素樹脂および/またはアルミニウムで構成される請求項1、2または3記載の半導体熱処理装置。
- 前記アウターチューブの内周に所定の間隙を介して配置され、上下が開口された炭化ケイ素質のインナーチューブを含む請求項1〜4のいずれか記載の半導体熱処理装置。
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