JP4193363B2 - 画像表示媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示媒体であって、特に、繰り返し使用が可能で、複写機等にも適用可能な画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆる電子ペーパーの技術として、着色粒子の回転、電気泳動、サーマルリライタブル、液晶、エレクトロクロミー等の表示技術が多数知られている。この中でトナーを用いたディスプレー技術として、導電性着色トナーおよび白色粒子を対向する基板間に封入し、非表示基板の内側表面に設けた電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷を注入し、電荷注入された導電性着色トナーが非表示基板に対向して位置する表示基板側へ、基板間の電界により移動し、導電性着色トナーが表示基板へ付着して導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストにより画像表示されることが知られている。上記の従来技術では、コントラストの低さ、視野角の狭さ等において改善の余地がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、その目的は、表示画像の濃度コントラストや視野角等を改善した画像表示媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明の画像表示媒体を提供することにより解決される。すなわち、本発明は、
<1> 少なくとも、表示基板と、該表示基板に対向して配置される対向基板と、前記表示基板と前記対向基板との間隙に所定雰囲気と共に封入される封入物と、からなる画像表示媒体であって、
前記封入物が、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子からなり、
前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の単位重量あたりの帯電量の絶対値が、0.0001〜0.1C/kgであることを特徴とする画像表示媒体である。
【0005】
<2> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の平均粒径が、前記表示基板と前記対向基板との間隔の1/1000〜9/10であり、かつ、少なくとも1種の他の絶縁性粒子の平均粒径が前記間隔の5/100〜9/10であることを特徴とする<1>に記載の画像表示媒体である。
【0006】
<3> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子について、粒子径が平均粒径±該平均粒径の50%の範囲にある絶縁性粒子の重量割合が、その絶縁性粒子の全体量に対し、30%以上を占めることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像表示媒体である。
【0007】
<4> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の球形度が、0.1〜1であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0008】
<5> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の比表面積形状係数が、15以下であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0009】
<6> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の表面エネルギーが、2J/m2以下であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0010】
<7> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の安息角が、80°以下であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0011】
<8> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の縦弾性係数が、1MPa〜300GPaであることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0012】
<9> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の体積密度が、10〜21500kg/m3であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0013】
<10> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、平均粒径が最も大きい1種の絶縁性粒子と、平均粒径が最も小さい1種の絶縁性粒子との前記平均粒径の比が、1/30〜30/1であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0014】
<11> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子の総数 に対して、他種の絶縁性粒子のそれぞれの総数が、 ×1/900≦N≦ ×900の範囲にあることを特徴とする<1>〜<10>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0015】
<12> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子の総表面積 に対して、他種の絶縁性粒子のそれぞれの総表面積が、 ×1/10≦S≦ ×10の範囲にあることを特徴とする<1>〜<11>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0016】
<13> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子と、他種の絶縁性粒子と、の前記帯電量の絶対値の比が、1/10〜10/1であることを特徴とする<1>〜<12>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0017】
<14> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子が、1〜70質量%の顔料を含有していることを特徴とする<1>〜<13>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0018】
<15> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子のガラス転移点が、55℃以上であることを特徴とする<1>〜<14>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0019】
<16> 前記表示基板と前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子との間に形成される付着力が、1pN〜0.1Nであることを特徴とする<1>〜<15>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0020】
<17> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の該絶縁性粒子間に形成される付着力が、1pN〜0.1Nであることを特徴とする<1>〜<16>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0021】
<18> 前記表示基板と前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子とのすべり摩擦係数が、0.8以下であることを特徴とする<1>〜<17>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0022】
<19> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の粒子間すべり摩擦係数が、0.8以下であることを特徴とする<1>〜<18>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0023】
<20> 前記表示基板と前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子との転がり摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする<1>〜<19>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0024】
<21> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の粒子間転がり摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする<1>〜<20>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0025】
<22> 前記表示基板と前記対向基板との間隙の相対湿度が5〜90%であることを特徴とする<1>〜<21>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0026】
<23> 前記少なくとも2種以上の絶縁性粒子の体積充填率(前記絶縁性粒子の総体積/前記表示基板と前記対向基板との間隙の体積)が0.001〜0.5であることを特徴とする<1>〜<22>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0027】
<24> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子と、他種の絶縁性粒子と、の前記比重の比が、1/10〜10/1であることを特徴とする<1>〜<23>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0028】
<25> 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子のかさ密度が、0.2g/cm3以上であることを特徴とする<1>〜<24>のいずれかに記載の画像表示媒体である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の画像表示媒体は、少なくとも、表示基板と、該表示基板に対向して配置される対向基板と、前記表示基板と前記対向基板との間隙に所定雰囲気と共に封入される封入物と、からなる。当該画像表示媒体は、表示基板および対向基板に電界を印加し、封入物である帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種を表示基板側に移動させ、画像を形成する。
以下、これらについて説明する。
【0030】
<表示基板および対向基板>
表示基板は、後述する封入物としての種々の絶縁性粒子を適宜、前記表示基板側に移動させ、画像表示を行う。
表示基板は、実質的に透明であれば、公知の基板材料を使用すること可能で、ガラスやプラスチック(例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等)等からなる支持体の表面に、画素電極層、絶縁層等が適宜形成されている。
なお、「実質的に透明」とは、光の透過率が50%以上(好ましくは70%以上)のものをいう。
【0031】
対向基板は、画像表示に寄与しない後述する絶縁性粒子を前記対向基板側に移動させる。
対向基板は、公知の基板材料を使用すること可能で、前述したような透明性を有する支持体や、(対向基板は特に光透過性を有する必要がないので)プリント基板のような不透明の支持体を使用することでき、その支持体の表面に、均一電極層、絶縁層等が適宜形成されている。
【0032】
表示基板および対向基板は、それぞれ、少なくとも、支持体表面に、光透過性電極層または該光透過性電極層に光透過性絶縁層を順次積層した積層体とし、表示基板の光透過性電極層を画素電極とするか、または、表示基板および/または対向基板の光透過性電極層をマトリックス電極層とするのが好ましい。また、表示基板および対向基板の間隔は、画像表示媒体の用途により適宜設定することが好ましい。
【0033】
<封入物>
封入物は、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子からなり、前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の単位重量あたりの帯電量の絶対値が、0.0001〜0.1C/kgとなっている。
【0034】
少なくとも1種の絶縁性粒子の単位重量あたり帯電量の絶対値を、0.0001〜0.1C/kgの範囲に設定することにより、電界により個々の絶縁性粒子に作用する静電気力を十分に大きくすることができ、その結果、電界に忠実に絶縁性粒子を移動させ、高コントラストで、視野角の広い画像表示が可能となる。
【0035】
封入物が、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子からなることにより、画像領域と非画像領域で互いに種類の異なる粒子を電界等により選択的に配置させることが可能となり、得られる画像の濃度コントラストおよび視野角を改善することができる。
【0036】
また、前記少なくとも2種の絶縁性粒子の特性を、以下に示すように適宜選択することにより、画像表示媒体の性能、例えば濃度コントラスト、濃度均一性、鮮鋭度、視野角、表示応答性、繰り返し表示性、画像保持性、寿命等を改善することができる。
【0037】
少なくとも1種の絶縁性粒子の平均粒径を、対向する1対の基板間の間隔に対して1/1000〜9/10とし、少なくとも他の1種の絶縁性粒子の平均粒径を、5/100〜9/10とすることが好ましい。これにより、絶縁性粒子の選択的な移動が容易となるとともに、高精細な画像の表示が可能となる。
【0038】
少なくとも2種の絶縁性粒子の平均粒径が、相互に略同一とすることが好ましい。種類の異なる絶縁性粒子同士が相互に付着する現象を防止でき、絶縁性粒子の動きの安定性を増加させることができる。
従って、高コントラストで視野角の広い画像の高速表示が長時間可能となり、高精細な画像表示が可能となる。
ここで、「略同一」とは、2種の絶縁性粒子のうち1の絶縁性粒子の平均粒径が、他方の絶縁性粒子の平均粒径±該平均粒径の10%の範囲にあるものをいう。
【0039】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子について、粒子径が平均粒径±該平均粒径の50%の範囲にある絶縁性粒子の重量割合が、その絶縁性粒子の全体量に対し、30%以上を占めることが好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、画像濃度の均一性や精細度が向上する。また、重量割合を50%以上とすると、絶縁性粒子を基板全面に均一に分散させることが可能で、基板間の間隔を高精度に保持することが可能となる。その結果、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げるられるため、画像表示媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0040】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の球形度を、0.1〜1とすることが好ましい。このようにすることで、粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げるられるため画像表示媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0041】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の比表面積形状係数を、15以下にすることが好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げるられるため媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0042】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の表面エネルギーを、2J/m2以下にすることが好ましく、0.001〜0.1J/m2とすることがより好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げられるため、画像受像媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0043】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の安息角を、80°以下にすることが好ましく、5〜40°とすることがより好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げられるため画像受像媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0044】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の縦弾性係数を、1MPa〜300GPaとすることが好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げられ、また、繰り返し表示による絶縁性粒子の劣化が少ないため、画像受像媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0045】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の体積密度を、10〜21500kg/m3とするが好ましい。このようにすることで、絶縁性粒子の動きやすさが向上し、画像表示が安定かつ高速に行える。
【0046】
少なくとも2種の絶縁性粒子の平均粒径は、既述のように相互に略同一とするのが好ましいが、略同一でなくとも、平均粒径が最も大きい1種の絶縁性粒子(以下、「大径粒子」ということがある)と、平均粒径が最も小さい1種の絶縁性粒子(以下、「小径粒子」ということがある)との前記平均粒径の比を、1/30〜30/1とすることで、表示駆動を良好にすることができる。
【0047】
しかし、大径粒子は基板との付着力や粒子間の付着力が小さく低電圧で移動するが、小径粒子は付着力が大きいために低電圧で移動できず、大径粒子に強く付帯してしまい、表示は可能だが高い表示コントラストを得ることは難しい。
従って、それぞれの粒子を電界によって引き剥がして別の方向へ移動させ、より大きなコントラストを得るためには、それぞれの粒子の平均粒径が近い方が好ましい。具体的には、表示コントラストの高い良好な表示を行う観点から、平均粒径の比が1/6〜6/1であることが好ましく、1/3〜3/1であることがより好ましい。
【0048】
また、各粒子の粒子径を積極的に変えることよって、各粒子の基板との付着力、および粒子間の付着力に差を持たせ、印加電圧に対する表示特性(特に印加電圧に対する各粒子の表示開始電圧)を変えることが可能であり、これを利用して多色表示を行うことができる。
【0049】
図1に3種類の絶縁性粒子を使用して画像表示を行った場合の印加電圧に対する表示特性の一例を示す。
当該例では、絶縁性粒子として、負に帯電させた平均粒径が5μmのマゼンタ粒子、平均粒径が30μmの白粒子、および正に帯電させた平均粒径が20μmの黒粒子を使用している。これらを封入物として使用すると、負に帯電した微小なマゼンタ粒子は、正に帯電した黒粒子に付帯した状態で存在する。
【0050】
ここで、各印加電圧に対する各粒子の表示特性は図1に示すように表示開始電圧がそれぞれ異なる。
このような状態で、表示基板に−300Vを印加する(対向基板は接地)と、マゼンタ粒子を付帯した黒粒子が表面に付着し、黒表示を行うことができる。また、−400Vを印加すると、黒粒子に付帯したマゼンタ粒子を背面基板に移動させることができ、完全な黒表示を行うことができる。さらに、表示基板に+200Vを印加することによって表示基板に白粒子を付着させ、白表示を行うことができる。また、+400Vを印加することによって黒に付帯したマゼンタ粒子を表示基板に付着させ、白粒子とマゼンタ粒子が混合した淡いマゼンタ表示を行うことができる。この状態からさらに、−200Vを印加することによって表示基板の白粒子のみを背面基板側に移動させ、マゼンタ表示を行うができる。
【0051】
さらに、粒子径を変えて所望の表示駆動開始電圧をもたせた、前記3種類の粒子と色の異なる絶縁性粒子を付加した封入物を使用すれば、表現できる色数をさらに増やすことが可能である。
【0052】
なお、当該例で使用した絶縁性粒子は、球形で、MBX粒子(白,黒)とマゼンタトナーである。各絶縁性粒子の封入量は、白粒子が20質量%、黒粒子が30質量%、マザンタ粒子が40質量%であり、表示基板を覆うのに十分な粒子数となるように調整した。表示基板および対向基板は、ガラス(厚さ:1.1mm)にITO膜(厚さ:0.1μm(1000Å))を形成し、さらにPC−Z(ポリカーボネート、厚さ:2μm)を形成したものを用いている。表示基板および対向基板の間隔は、0.3mmとしている。
【0053】
通常、各絶縁性粒子の封入量は、少なくとも表示基板の表示面を覆う(表示濃度を飽和させる)のに十分な絶縁性粒子数以上に設定される。ただし、あまりに過剰に粒子を封入すると、基板間の空隙率が低下して絶縁性粒子の移動がスムーズに行えなくなり表示コントラストが逆に低下したり、余剰な絶縁性粒子が凝集体を形成して表示欠陥を形成したりしてしまう。従って各絶縁性粒子の封入量は、各粒子が表示面を覆うのに必要十分な程度に設定することが好ましい。つまり、それぞれの平均粒径がほぼ同等であれば、各絶縁性粒子の粒子数比は、ほぼ同等となるようにすることが好ましい。
【0054】
また、それぞれの絶縁性粒子の平均粒径がほぼ同等でない場合は、1種の絶縁性粒子(平均粒径をr1とする)の総数N1に対して、他種の絶縁性粒子(平均粒径をr2とする)のそれぞれの総数N2が、N1:N2=1/(r12:1/(r22となるように封入することが好ましい。このようにすることで、各絶縁性粒子の総表面積を同等とすることができる。
ここで、「総表面積」とは、同種の絶縁性粒子のそれぞれの表面積を合計したものをいう。当該表面積は、各粒子の粒子径を粒度分布で測定し、これより算出することができる。
【0055】
ところで、絶縁性粒子の粒子間の摩擦による当該絶縁性粒子の帯電量は、各絶縁性粒子の総表面積の比に依存するため、これを変えることによって粒子の帯電量を制御することができる。したがって、粒子数比を変え、各粒子の総表面積比を変えることによって、各粒子の帯電量を制御し、各粒子の表示特性を変えることが可能である。
【0056】
図2に白粒子と黒粒子との総表面積の比を2:1,1:1,1:2としたときの印加電圧に対する表示特性の一例を示す。
このように、総表面積の比を変えることによって表示特性を変えることができ、例えば、黒さをより強調したい表示媒体や、白さをより強調したい表示媒体等に適宜適用させることができる。
【0057】
絶縁性粒子の総表面積の比を変化させていった結果、総表面積比が3:1から1:3までは、表示コントラストをほぼ維持させたままで、表示特性を変えることができる。このような効果は、少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子の総表面積 に対して、他の絶縁性粒子のそれぞれの総表面積が、 ×1/10≦S≦ ×10の範囲にあれば得られるため、かかる範囲に総面積比を設定することが好ましい。
【0058】
かかる範囲外にすると、一方の絶縁性粒子が過剰になりすぎ、前記したように表示コントラストが極端に低下したり、余剰な絶縁性粒子が凝集体を形成して表示欠陥を形成したりしてしまうことがある。
【0059】
なお、当該例で使用した絶縁性粒子は、球形のMBX粒子(白,黒)である。各絶縁性粒子の平均粒径は、白粒子が20μmであり、黒粒子が20μmである。総表面積が小さい方の粒子数を、表示面を覆うのに必要十分な粒子数となるように調整した。
表示基板および対向基板は、ガラス(厚さ:1.1mm)にITO膜(厚さ:0.1μm(1000Å))を形成し、さらにPC−Z(ポリカーボネート、厚さ:2μm)を形成したものを用いている。表示基板および対向基板の間隔は、0.2mmとしている。
【0060】
各絶縁性粒子の帯電量によって、各絶縁性粒子が基板間に形成された電界から受けるクーロン力がきまる。それぞれの絶縁性粒子について、基板との非静電的な付着力および絶縁性粒子間の付着力が同程度である場合、各絶縁性粒子の帯電量を同程度とすることで、それぞれの絶縁性粒子をほぼ同一電圧値で駆動することができる。
【0061】
また、付着力の異なる絶縁性粒子を使用する場合、付着力が大きい絶縁性粒子は移動しにくくなるため、付着力が大きい絶縁性粒子の帯電量を大きくすることが好ましい。これにより、付着力が大きい絶縁性粒子に、同電圧でより高いクーロン力を作用させることができるため、駆動電圧を低く抑えることができる。例えば、平均粒径の異なる絶縁性粒子を使用する場合、平均粒径が小さい絶縁性粒子は基板との付着力および絶縁性粒子間の付着力が大きくなり、移動しにくくなるため、平均粒径が小さい絶縁性粒子の帯電量を高めにすることが好ましい。
【0062】
但し、絶縁性粒子の帯電量を過度に高くすると、当該絶縁性粒子と基板との間の静電的な鏡像力が大きくなって付着力が増大してしまい、逆に絶縁性粒子が移動しにくくなってしまうことがあるため、かかる弊害が生じない範囲で絶縁性粒子の帯電量を設定することが好ましい。また、例えば、2種の絶縁性粒子のそれぞれの帯電量の比が20:1を超えるような極端に差がある場合、絶縁性粒子の凝集が発生しやすいという問題が顕著になってしまうことがある。
【0063】
従って、少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子と、他種の絶縁性粒子と、の帯電量の絶対値の比を、1/10〜10/1とすることが好ましく、1/4〜4/1とすることがより好ましい。かかる範囲に帯電量を制御することによって、絶縁性粒子の凝集を発生させることなく、より低電圧で駆動させることができる。なお、各絶縁性粒子の帯電量には分布があり、ここでいう帯電量とは帯電量分布の平均値をいう。
【0064】
また、各絶縁性粒子の帯電量を積極的に変えることよって、それぞれの印加電圧に対する表示特性(特に印加電圧に対する各粒子の表示開始電圧)を変えることが可能であり、これを利用して多色表示を行うことができる。
【0065】
絶縁性粒子の基板間移動はクーロン力によって行われ、クーロン力は基板間に形成した電界の強度と各絶縁性粒子の帯電量に依存する。例えば、基板との付着力、および絶縁性粒子間の付着力がほぼ等しい同一平均粒径の複数種の絶縁性粒子を使用した場合、帯電量の小さい絶縁性粒子は高い電圧でないと付着力に打ち勝つクーロン力が得られないが、帯電量の大きい絶縁性粒子は低い電圧でも十分なクーロン力が得られるため、印加する電圧値によって3種類以上の絶縁性粒子を独立に駆動させることができる。
【0066】
図3に3種類の絶縁性粒子を使用して、画像表示を行った場合の印加電圧に対する表示特性の一例を示す。
当該例では、−25FCに帯電した白粒子と、−5FCに帯電したグレーの粒子と、+15FCに帯電した黒粒子とを使用している。これらを封入物として使用した場合、各粒子の表示特性は図3に示しすように表示開始電圧がそれぞれ異なっている。
【0067】
この表示媒体の表示基板に−300Vを印加する(対向基板は接地)と、黒粒子が表面に付着して黒表示を行うことができる。また、表示基板に+180Vを印加することによって表示基板に白粒子を付着させて、白表示を行うことができる。さらに、+400Vを印加することによってグレー粒子を表示基板に付着させ、白粒子とグレー粒子とが混合した淡いグレー表示を行うことができる。この状態からさらに、−200Vを印加することによって表示面の白粒子のみを背面基板(対向基板)側に移動させ、グレー表示を行うができる。以上のようにして、白、淡いグレー、グレー、黒の4値レベルの濃度を連続的に変化させて、画像を表示することができる。
【0068】
さらに、帯電量を変えて所望の表示駆動開始電圧をもたせ、前記3種類の粒子と色の異なる粒子を付加した粒子表示媒体を使用すれば、表現できる色数をさらに増やすことも可能である。
なお、絶縁性粒子の帯電量の制御は、例えば、絶縁性粒子を構成する材料を適宜選択したり、絶縁性粒子に帯電量をコントロールする微小粒子(例えば、酸化ケイ素、酸化チタン等)を適当量外添することによって行うことができる。
【0069】
なお、当該例で使用した絶縁性粒子は、球形のMBX粒子(白,黒,グレー、それぞれの平均粒径:20μm)である。封入物としての各絶縁性粒子の封入量は、白粒子が40質量%、黒粒子が30質量%、グレー粒子が30質量%であり、表示基板を覆うのに十分な粒子数となるように調整した。表示基板および対向基板は、ガラス(厚さ:1.1mm)にITO膜(厚さ:0.1μm(1000Å))を形成し、さらにPC−Z(ポリカーボネート、厚さ:2μm)を形成したものを用いている。表示基板および対向基板の間隔は、0.25mmとしている。
【0070】
表示媒体の表示面(対向基板の表示面)を鉛直方向に立てて使用する場合、絶縁性粒子が基板間を移動する際に重力の作用によってわずかに落下する。それぞれの絶縁性粒子の比重の差が大きいと、この落下量に差が生じ、表示劣化や初期化不良を引起こす。従って、表示媒体を立てて使用する場合、各粒子の比重の差は小さい方が好ましい。
【0071】
本発明らの行った実験によれば、比重の異なる2種の絶縁性粒子の比重を振った結果、各絶縁性粒子の比重比が10:1を超えるような範囲では、絶縁性粒子の落下程度に差が見られた。各絶縁性粒子の比重比がこの範囲内であれば、絶縁性粒子の落下程度の差は小さく、さらに各絶縁性粒子の比重比が3:1から1:3の範囲では各絶縁性粒子の落下程度に差はほとんど見られず、良好な表示が行うことができた。従って、少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、比重が最も大きい1種の絶縁性粒子と、比重が最も小さい1種の絶縁性粒子と、の比重の比は、1/10〜10/1とすることが好ましく、1/3〜3/1とすることがより好ましい。
なお、表示媒体の表示面を水平にして使用する場合は、比重比の大きく異なる絶縁性粒子を使用することができる。また、一方の絶縁性粒子に軽量な発泡粒子を使用し、比重比が100対1を超えるような絶縁性粒子の組合せであっても良好な表示が可能であった。
ここで、発泡粒子とは、気体を内包した多孔質のスポンジ状粒子や中空なカプセル粒子をいう。
【0072】
なお、当該実験で使用した絶縁性粒子は、球形のMBXの発泡粒子(白,黒、平均粒径は、それぞれ20μm)である。比重の異なる絶縁性粒子は、顔料濃度を変えたり、発泡粒子の発泡度合いの調整等によって、作製した。各絶縁性粒子の封入量は、白粒子および黒粒子が表示基板を覆うのに十分な粒子数となるように調整した。表示基板および対向基板は、ガラス(厚さ:1.1mm)にITO膜(厚さ:0.1μm(1000Å))を形成し、さらにPC−Z(ポリカーボネート、厚さ:2μm)を形成したものを用いている。表示基板および対向基板の間隔は、0.3mmとしている。
【0073】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子は、顔料を含有していることが好ましく、当該顔料濃度(顔料重量/絶縁性粒子重量)は、選択する材料の種類等によって異なるが、隠蔽性を考慮すると、1質量%以上が好ましい。特に粒子径が数μmの絶縁性粒子を使用する場合は、より高い隠蔽性が必要であり、3質量%以上がより好ましい。顔料濃度を高くしすぎると、顔料を結着する樹脂成分が不足し、絶縁性粒子の機械的強度が著しく低下するため、70質量%以下とすることが好ましい。
【0074】
平均粒径が数μmの微小の絶縁性粒子を使用する場合、絶縁性粒子の隠蔽性が低下するため、背面基板面(対向基板面)を一方の絶縁性粒子と同じ色に着色しておくことで、一方の表示濃度の低下を抑えることもできる。
また、絶縁性粒子の隠蔽性が低い表示媒体において、背面基板面を粒子と色相の異なる色に着色すると、表示媒体に全体的に色味を付加することができる。
【0075】
少なくとも2種の絶縁性粒子として、例えば、色が異なる2種の絶縁性粒子の組合せとしては、紙に印字した画像と同様の視認性を出す観点から、白色および黒色の組み合わせ等を挙げることができる。特に表示を強調する場合は、補色の組合せ(例えば青と、黄)を用いることができる。セル併置カラー表示の観点から、白およびY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)それぞれの組合せや、黒およびR(レッド),G(グリーン),B(ブルー)それぞれの組合せ等を挙げることができる。
色の異なる(絶縁性)粒子とは、色み(色相)が異なる他に、濃度(明度)が異なるものや、彩度が異なるもの等、粒子の分光特性が異なるものをいう。
【0076】
また、色が異なる3種の絶縁性粒子の組合せとしては、特色表現を出す観点またはセル併置カラー表示の観点から、白、黒および有彩色;白、黒およびY,M,Cそれぞれの組合せ;白、黒およびR,G,Bそれぞれの組合せ;等を挙げることができる。
さらに、白、黒およびグレー粒子との組合せにより、モノトーン階調性を出したり、白と、濃度の異なる2種類以上のY,M,Cとの組合せにより、階調性を出しながらセル併置カラー表示を行うことができる。同様に、黒と、濃度の異なる2種類以上のR,G,Bとの組合せによっても階調性を出しながらセル併置カラー表示を行うことができる。
【0077】
色の組合せには、上記の他に、可視領域以外に異なる分光特性を有する粒子の組合わせ等も使用することができる。これによれば、書き換え可能な不可視情報を付与することができる。
【0078】
さらに、下記の絶縁性粒子を用いることにより、種々の特性を得ることができる。
例えば、少なくとも1種の絶縁性粒子にイエロー顔料を含有させ、少なくとも他の1種の絶縁性粒子にマゼンタ顔料を含有させ、また、少なくとも他の1種の絶縁性粒子にシアン顔料を含有させることで、通常のカラー・プリント画像のように自然で高コントラストなカラー画像表示が可能となる。
【0079】
また、少なくとも1種の絶縁性粒子にレッド顔料を含有させ、少なくとも他の1種の絶縁性粒子にグリーン顔料を含有させ、また少なくとも他の1種の絶縁性粒子にブルー顔料を含有させることで、カラー表示画像の色再現域を大きくでき、高画質の画像表示が可能となる。
【0080】
さらに、少なくとも1種の絶縁性粒子をメタリック色を呈するようにすることにより、画像領域または非画像領域がメタリック色となって、印象的な画像表示が可能となる。
【0081】
3種類以上の絶縁性粒子を使用した表示媒体の駆動方法は、前記したように各絶縁性粒子の平均粒径を変えることで、各絶縁性粒子の基板との付着力、および絶縁性粒子間の付着力を変え、これによって各絶縁性粒子の表示開始電圧を変えることで、各絶縁性粒子を独立に駆動させることができる。
付着力を変える方法として、この他にも絶縁性粒子自体の材料を所望の付着力が得えられるものに変えたり、絶縁性粒子の形状や表面粗さを制御して付着力をコントロールすることができる。また、絶縁性粒子に微小な粒子(酸化ケイ素、酸化チタン等)を外添させることによって付着力を制御することも可能である。
また、前記したように各絶縁性粒子の帯電量を制御することによっても、3種類以上の絶縁性粒子を独立に駆動させることができる。
【0082】
絶縁性粒子のガラス転移点は、電子ペーパーの耐熱性を左右する。従って、電子ペーパーの使用環境、輸送環境、保存環境を考慮して、絶縁性粒子のガラス転移点は55℃以上(オフィス環境)、好ましくは85℃以上(車の中の環境)であることが好ましい。本発明の画像表示媒体に使用される絶縁性粒子は、電子写真の熱定着方式に使用されるトナーのような熱溶融性を有する必要がないので、熱硬化性樹脂を用いることができる。従って、ガラス転移点が明瞭でなく、200℃以上で熱分解するような樹脂を用いることも可能である。
【0083】
絶縁性粒子のかさ密度は、その流動性を表わす特性値であり、単位体積当りの粒子の重量(g/cm3)で表わされる。一般に同一組成の絶縁性粒子では、かさ密度の値が大きい方が流動性が高い。かさ密度の測定はホソカワミクロン社製パウダーテスタを使用することができる。絶縁性粒子の流動性は高い方が粒子群の移動が円滑であるため好ましい。従って、絶縁性粒子のかさ密度は、高い方が良く、0.2g/cm3以上が好ましく、0.3〜3.0g/cm3がより好ましい。ただし、発泡粒子を使用する場合は、この限りではない。
【0084】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の融点を、70℃以上にすることが好ましく、90〜150℃とするのがより好ましい。このようにすることで、高温環境下であっても長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げられ、また、繰り返し表示による絶縁性粒子の劣化が少ないため、画像表示媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0085】
少なくとも2種の絶縁性粒子の分光反射特性を相互に異ならせることにより、高コントラストな画像表示が可能となる。
【0086】
少なくとも1種の絶縁性粒子を無色透明または白色とし、少なくとも他の1種の絶縁性粒子を黒色とすることにより、通常の白黒プリント画像のように自然で高コントラストな画像表示が可能となる。
【0087】
少なくとも1種の絶縁性粒子を無色透明の絶縁性粒子とし、屈折率を1.2〜1.85とすることにより、非画像領域での白色度を向上させることができ、通常の白黒プリント画像のように自然で高コントラストな画像表示が可能となる。
【0088】
少なくとも1種の絶縁性粒子を白色の絶縁性粒子とし、反射濃度を0.2以下好ましくは、0.1以下とすることにより、非画像領域での白色度を向上させることができ、通常の白黒プリント画像のように自然で高コントラストな画像表示が可能となる。
【0089】
少なくとも1種の絶縁性粒子を黒色の絶縁性粒子とし、反射濃度を0.3以上好ましくは、0.7以上とすることにより、画像領域の濃度を向上させることができ、通常の白黒プリント画像のように自然で高コントラストな画像表示が可能となる。
【0090】
少なくとも1種の絶縁性粒子について、表示面積に対する絶縁性粒子の被覆率を40%以上とすることにより、絶縁性粒子の動きやすさが向上し画像表示が安定かつ高速に行えるとともに、長期にわたって絶縁性粒子の凝集等が防げられるため、媒体の信頼性、寿命が向上する。
【0091】
少なくとも2種の絶縁性粒子の重量混合比率は、1種の絶縁性粒子の重量(質量)をMとした場合に、他種の絶縁性粒子のそれぞれの重量が、M×1/9≦M≦M×9の範囲にあることが好ましい。このようにすることで、画像領域、非画像領域双方での異種粒子の混入を減少させることができ、コントラストが向上する。
【0092】
表示基板と前記絶縁性粒子との間に形成される付着力(以下、「基板間付着力ということがある」)は、1pN〜0.1Nであることが好ましく、0.1nN〜1mNであることがより好ましい。付着力をこのような数値に設定することにより、十分な画像コントラストと表示応答性、画像保持性が得られる。
【0093】
前記表示基板と前記絶縁性粒子との間に形成される付着力は、以下のようにして求めることができる。
まず、基板上にクラウド状にした1種の絶縁性粒子を薄層に堆積させた後、対向電極を設置して電界を形成する。電界を徐々に上げていき電界強度と剥離した絶縁性粒子の粒子量(もしくは残留した粒子量)を計測する。半数の絶縁性粒子が剥離したときの電界強度を剥離電界強度とする。別途絶縁性粒子の帯電量を計測して帯電量×剥離電界強度から剥離力を算出し、最後に重力を差し引いて、付着力を求めることができる(電界法)。
この他に、遠心法、衝撃法、原子間力顕微鏡による方法、引っ張り法等によって測定してもよい。
【0094】
少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の該絶縁性粒子間に形成される付着力(以下、「粒子間付着力」ということがある)は、1pN〜0.1Nであることが好ましく、0.1nN〜1mNであることがより好ましい。付着力をこのような数値に設定することにより、上記の場合と同様に、十分な画像コントラストと表示応答性、画像保持性が得られる。
粒子間付着力は、基板上に均一に粒子を塗布した上で、上記と同様の測定を行えばよい。
【0095】
基板間付着力は、ファンデルワールス力、液架橋力等の総和であり、接触物体間の結合の強さを示す指標である。基板間付着力は、絶縁性粒子の基板からの剥離の困難さを表し、画像コントラスや表示応答性に影響する。すなわち、表示面に付着した絶縁性粒子が剥離困難である場合、表示切替が正常になされずに画像コントラストの低下を招いたり、切替に時間を要したりするという不具合が発生することがある。同時に、画像を形成した際の画像保持性にも影響することがある。すなわち、表示基板面に付着した絶縁性粒子が容易に剥離できてしまう場合、表示後に外的な衝撃や重力等の作用によって粒子が剥離し、表示画像が損傷を受ける等の不具合が発生することがある。
【0096】
また、粒子間付着力は、粒子の流動性の良さを表し、画像コントラスや表示応答性、繰り返し表示性に大きく影響することがある。すなわち、絶縁性粒子同士が強固に付着しあって剥離困難である場合、粒子が凝集して表示切替時の移動が困難になるという不具合が発生することがある。さらに、異色の絶縁性粒子同士がこのように凝集して画像を形成した場合には、画像の濃度が低下する、または逆に背景部の濃度が増加する等の不具合が発生することがある。
【0097】
基板間付着力および粒子間付着力は、絶縁性粒子の種類、基板表面の材質、形状等により制御することが可能であり、接触角、表面エネルギー、表面粗さ、粒径、粒子形状、硬度、ヤング率等の特性を最適に設計または選択することが好ましい。
【0098】
表示基板と少なくとも1種の絶縁性粒子とのすべり摩擦係数(以下、「粒子基板間すべり摩擦係数」ということがある)は、0.8以下であることが好ましい。また、少なくとも1種の絶縁性粒子のすべり摩擦係数(以下、「粒子間すべり摩擦係数」ということがある)は、0.8以下であることが好ましい。
【0099】
表示基板と前記絶縁性粒子とのすべり摩擦係数は、基板を設置し、絶縁性粒子を均一に塗布し固定した平板を載せ、所定荷重を印加した状態で水平方向に引っ張る際の力を測定し、水平力と荷重の比からすべり摩擦係数を算出することができる。
粒子間すべり摩擦係数は、基板上に均一に粒子を塗布し固定した上で上記と同様の測定を行うことで求めることができる。
【0100】
上記すべり摩擦係数は、粒子の流動性の良さを表し、画像コントラスや表示応答性、繰り返し表示性に大きく影響する。すなわち、すべり摩擦係数が大きすぎる場合には、粒子の移動が摩擦力により妨げられ、表示切替時の移動が困難になるという不具合が発生する。これらの特性を考慮すると、0.8以下に設定することが適当であり、より好ましくは、0.5以下とする。すべり摩擦係数をこのような数値に設定することにより、十分な画像コントラストと表示応答性繰り返し表示性が得られる。
【0101】
表示基板と前記絶縁性粒子との転がり摩擦係数(以下、「粒子基板間転がり摩擦係数」ということがある)は0.3以下であることが好ましい。また、少なくとも1種の絶縁性粒子の転がり摩擦係数(以下、「粒子間転がり摩擦係数」ということがある)は0.3以下であることが好ましい。
【0102】
表示基板と前記絶縁性粒子との転がり摩擦係数は、基板を設置し、絶縁性粒子を単層にほぼ均一に塗布した同一基板を載せ、所定荷重を印加した状態で水平方向に引っ張る際の力を測定し、水平力と荷重との比から転がり摩擦係数を算出することができる。
粒子間転がり摩擦係数は、基板上に多層に粒子を塗布した上で上記と同様の測定を行うことで求めることができる。
【0103】
転がり摩擦係数は、粒子の流動性の良さを表し、画像コントラスや表示応答性、繰り返し表示性に大きく影響する。すなわち、すべり摩擦係数と同様に転がり摩擦係数が大きすぎる場合には、粒子の移動が摩擦力により妨げられ、表示切替時の移動が困難になるという不具合が発生する。これらの特性を考慮すると、0.3以下に設定することが適当であり、より好ましくは、0.1以下がより好ましい。転がり摩擦係数をこのような数値に設定することにより、十分な画像コントラストと表示応答性繰り返し表示性が得られる。
【0104】
表示基板と前記対向基板との間隙の相対湿度は5〜90%であることが好ましい。かかる範囲とするには、均一な所定雰囲気(窒素雰囲気等)に調整した室内、またはチャンバ内で粒子充填を行い、外気と遮断して本発明の画像表示媒体を作製すればよい。
【0105】
表示媒体内相対湿度は、封入した絶縁性粒子の電気特性や付着特性に影響し、さらには画像コントラスや表示応答性、繰り返し表示性に影響を与える。すなわち、湿度が高すぎる場合、まず液架橋力等の付着力が高くなり、絶縁性粒子同士が強固に付着しあって剥離困難となることがある。この場合、絶縁性粒子が凝集して表示切替時の移動が困難になるという不具合が発生することがある。また、異色の絶縁性粒子同士がこのように凝集して画像を形成した場合には、画像の濃度が低下する、または逆に背景部の濃度が増加する等の不具合が発生することがある。さらに湿度が高すぎる場合、絶縁性粒子や基板表面の抵抗値が低下し、絶縁性粒子表面の帯電電荷が減衰しやすくなるため、駆動力となる十分な静電気力が与えられなくなる。一方、湿度が低すぎる場合、絶縁性粒子や基板表面の抵抗値が増加し、絶縁性粒子表面で過度な帯電電荷が蓄積することで放電しやすくなる等の不具合が発生する。これらの特性を考慮すると、5〜90%の範囲に設定することが好ましく、30〜70%がより好ましい。表示媒体内相対湿度をこのような数値に設定することにより、十分な画像コントラストと表示応答性、繰り返し表示性が得られる。
【0106】
少なくとも2種以上の絶縁性粒子の体積充填率(前記絶縁性粒子の総体積/前記表示基板と前記対向基板との間隙の体積)は、0.001〜0.5であることが好ましい。前記体積充填率は、基板間の間隔と基板サイズから算出した体積に対して、粒子の占める体積割合として算出する。絶縁性粒子の占める体積は、重量と、体積密度から換算して算出することができる。
ここで、「総体積」とは、前記間隙に存在する少なくとも2種以上の絶縁性粒子の体積の合計をいう。
【0107】
体積充填率は、基板間での絶縁性粒子の高流動性の指標となり、画像コントラストや濃度均一性、表示応答性、繰り返し表示性に大きく影響する。すなわち、充填率が高すぎる場合、絶縁性粒子の移動の自由度が低くなるだけでなく、相互の機械的な押圧力が増加することで、付着力、摩擦力も増加してしまうという不具合が発生する。充填率が低い場合には、表示の際、表示面で画像部分や背景部分を形成するのに必要な絶縁性粒子が供給されなくなる場合が発生し、十分な濃度が得られなくなったり、背景部の濃度が上昇したりする。これらの特性を考慮すると、体積充填率は、0.001〜0.4の範囲に設定することがより好ましく、0.001〜0.25とすることが特に好ましい。体積充填率をこのような数値に設定することにより、十分な画像コントラストと濃度均一性、表示応答性、繰り返し表示性が得られる。
【0108】
次に、少なくとも2種の絶縁性粒子についてさらに具体的に説明する。
相互に帯電極性の異なる絶縁性粒子としては、例えば、負に帯電している白色絶縁性粒子および正に帯電している黒色絶縁性粒子のように帯電列の異なる絶縁性粒子の組み合わせを用いることができる。
【0109】
まず、白色絶縁性粒子としては、酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ホワイト)、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(綜研化学製ケミスノーMX)、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL、 Shamrock Technologies Inc.製 SST−2 )、フッ化炭素の微粒子(日本カーボン製CF−100、ダイキン工業製CFGL,CFGM)、シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製トスパール)、酸化チタン含有ポリエステルの微粒子(日本ペイント製ビリューシア PL1000ホワイトT)、酸化チタン含有ポリエステル・アクリルの微粒子(日本油脂製コナックNo1800ホワイト)、シリカの球状微粒子(宇部日東化成製ハイプレシカ)等が挙げられる。また通常の電子写真トナーや、顔料を分散させない透明トナ―も利用できる。
【0110】
黒色絶縁性粒子としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる真球状粒子(積水化学工業製ミクロパールBBおよびミクロパールBBP)、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ブラック)等が挙げられる。
【0111】
また、樹脂バインダーにイエロー、マゼンタ、シアン顔料および赤、緑、青顔料等のいずれかの顔料を加えた着色絶縁性粒子も利用可能である。該着色絶縁性粒子を用い、後述するような画像表示媒体に封入することにより、フルカラーの画像表示が可能となる。
【0112】
このような絶縁性粒子は、表示基板と対向基板の間隙に封入物として封入する前に、混合して摩擦帯電させるか、もしくは、画像表示媒体内に封入された状態で、繰り返し電界を作用させることで摩擦帯電させて、帯電性が付与される。帯電量を所望の値に制御するため、必要に応じて帯電制御剤を含有させることが有効である。また、超音波振動で機械的に粒子を振動・攪拌し、摩擦帯電によって粒子を帯電(イニシャライズ)させてもよい。
【0113】
次に、既述した絶縁性粒子を用いる本発明の画像表示媒体について、図を用いて説明する。
図4は本発明の画像表示媒体の一例を示すものである。図4に示す画像表示媒体は、表示基板100aと、該表示基板に対向して配置される対向基板100bと、前記表示基板と前記対向基板との間隙に封入される封入物(白色絶縁性粒子106および黒色絶縁性粒子105)と、からなる。
【0114】
図4に示すように、表示基板100aと対向基板(非表示基板)100bとが図示しないスぺーサ粒子を介して平行に対向して配置されている。両基板の間隔は6〜15000μmが好ましく、20〜750μmがより好ましい。実際的には、50〜500μmの間隔が設けられる。
【0115】
表示基板100aは、光透過性支持体である支持体101aの表面に光透過性電極層である画素電極層102、光透過性絶縁層である絶縁層103aが順次設けられた構造となっている。また、対向基板100bは、支持体101bの表面に均一電極層104、絶縁層103bが設けられた構造となっている。
【0116】
また、図4中の電極駆動装置108は、画素電極層102および均一電極層104と連通している。支持体101aおよび101bは、強度、柔軟性および光透過性に優れたプラスチック製フィルムが好ましく、フィルムの厚さは10〜1000μmが好ましい。実際的には、厚さ100μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられる。画素電極層102および均一電極層104は光透過性の導電膜が好ましく、膜厚は0.05〜1μmが好ましい。実際的には、蒸着により作製した厚さ0.1μm程度のITO膜が用いられる。
【0117】
絶縁層103aおよび103bは、画素電極層102および均一電極層105の保護、異常放電防止、絶縁性粒子の電極面への付着防止等のために設けるもので、これらが問題にならないような場合には、必ずしも必須のものではない。絶縁層103aおよび103bを構成する成分としては、例えば、電子写真装置の静電潜像担持体を構成する電荷輸送層等に用いられるバインダー樹脂等が挙げられる。また、絶縁性粒子の付着性を低下させて表示性能を向上させるためには、市販の絶縁性撥水材料(旭ガラス製、サイトップ等)を利用してもよい。この場合の膜厚は1〜50μmが好ましい。
【0118】
画素電極層102、均一電極層104には、所定のタイミングで電圧を供給する電極駆動装置108が接続されている。画素電極層102には、画素に対応する個々の微小電極に画像信号に応じて選択的に電圧が印加される。
【0119】
表示基板100aと対向基板100bとの間隙には、スぺーサ粒子のほかに、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子が封入されている。2種の絶縁性粒子としては、例えば、黒色絶縁性粒子105として、カーボン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ブラックを分級したもの)が挙げられ、白色絶縁性粒子106として、イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を重量比(白色絶縁性粒子106:イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末=)100:0.1の割合で混合した体積平均粒径20μmの酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製テクポリマーMBX−20−ホワイトを分級したもの)が挙げられる。そして、これらは、ほぼ等量で、空隙中の体積充填率が50%程度となるように封入されるの好ましい。
【0120】
これら少なくとも2種の絶縁性粒子は、封入物として封入される前に混合し、市販のブレンダ等で数分程度攪拌することで、±0.0001〜0.1C/kgに摩擦帯電させる。この際、必要に応じて帯電制御剤を混合し、双方が異なる極性に帯電するようにする。例えば、白色絶縁性粒子を負帯電させるには、負帯電制御剤を混入すればよい。上記のイソプロピルトリメトキシシラン処理されたチタニアの微粉末は、白色絶縁性粒子を負帯電させ、かつ帯電性を高すぎない適性レベルに押さえ、また白色絶縁性粒子の流動性を高いレベルに保つ作用がある。また、この際、黒色絶縁性粒子は、白色絶縁性粒子との間で摩擦帯電され、白色絶縁性粒子が負極性に帯電していることから、帯電極性が正となる。
【0121】
絶縁性粒子に混合する帯電制御剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン等が挙げられる。これらは、シラン化合物、シランカップリング剤、あるいはシリコーンオイルと反応させた後、乾燥処理を施して変性させて、正負の帯電性、流動性、環境依存性等が調整されているのが好ましい。具体的な帯電制御剤としては、疎水性シリカや疎水性酸化チタンがよく知られているが、特に、特開平10−3177号公報に記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤のようなシラン化合物と、の反応で得られるチタン化合物が適している。このチタン化合物は、湿式工程中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を経ないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子はほぼ一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量の大小で帯電を制御でき、かつ、付与できる帯電能も従来の酸化チタンに対し、大きく改善されている。
【0122】
ここでシラン化合物としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれを使用することも可能である。また、シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0123】
白色絶縁性粒子としては、上記酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ホワイト)の他に、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(綜研化学(株)製ケミスノーMX)の酸化チタン顔料微粉末を添加し混合したもの、さらにこの球状微粒子に衝撃力を与えて顔料微粉末を打込み微粒子表面に固定化したもの、さらにスチレン樹脂やフェノール樹脂やシリコーン樹脂やガラス等各種材料からなる母粒子の表面に白色顔料の微粉末を付着させたり、埋め込んだりした粒子が挙げられる。白色顔料は、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が用いられる。
【0124】
黒色絶縁性粒子としては、上記の架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ブラック)の他に、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる真球状粒子(積水化学工業(株)製ミクロパールBB、ミクロパールBBP)、フェノール樹脂粒子を焼成したアモルファスカーボンの微粒子(ユニチカ製 ユニベックスGCP)、炭素および黒鉛質の球状微粒子(日本カーボン(株)製ニカビーズICB、ニカビーズMC、ニカビーズPC)が挙げられる。
【0125】
上記の構成は、表示媒体の用途により最適に設定されるものである。例えば、本発明の画像表示媒体は、書き換え可能なポスターや、書き換え可能な大型の屋外看板等としても利用することが可能である。その場合、強度を確保するため、基板の厚さや1対の基板の間隔を大きくする必要がある。例えば、屋外看板として使用する場合、全体の面積に応じて両基板の間隔を50μm〜15cmの範囲で設定するのが好ましい。また、1対の基板の間隔を大きくした場合には、粒子の移動範囲を制約し、粒子が一方向に偏らないように、適当にリブを設け区画を作ることが有効である。
【0126】
図5は、図4に示す画像表示媒体を用いて表示基板100a側に画像を表示させる原理を示す。図5(A)は画像表示媒体の初期状態を示しており、黒色絶縁性粒子105と白色絶縁性粒子106とが混合した状態で封入物として、表示基板100aと対向基板100bとの間隙に封入されている。画素電極層102(102a、102b)と均一電極層104とは、スイッチング110により連通可能となっている。初期状態ではスイッチング110はオフ状態である。表示段階では、スイッチング110をオン状態とし、図5(B)のように画像領域となる画素電極層102bには低電圧を、非画像領域となる画素電極層102aには高電圧を、また対向基板側の均一電極層104にはその中間となる電圧を供給すると、均一電極層104と画像領域となる画素電極層102bとの間では概ね、絶縁層103a側に向かう電界が形成される。一方、均一電極層104と非画像領域となる画素電極層102aとの間では、概ね、絶縁層103b側に向かう電界が形成される。その結果、正帯電した黒色絶縁性粒子105は画像領域となる画素電極層102b方向に、負帯電した白色絶縁性粒子106は非画像領域となる画素電極方向に移動する。移動した導電性黒色粒子105は画素電極102b周辺に達し、鏡像力やファンデルワールス力等の付着力によって絶縁層103aに付着した状態で保持される。このようにして、画像部分のみに黒色絶縁性粒子が付着し、非画像部分には白色絶縁性粒子が付着することで画像が表示される。画像を消去する場合は、画素電極層102を高電位に、均一電極層104を低電位とすれば黒色絶縁性粒子が図面上、下方に移動し、さらに白色絶縁性粒子が図面上、上方に移動して画像が消去される。
【0127】
以上のように、本発明の画像表示媒体によれば、表示基板100a側の画像部分に黒色絶縁性粒子105が密に付着し、一方、非画像部分には白色絶縁性粒子106が密に付着するので、高コントラストの画像を形成することができる。このようにして得られる高コントラストの画像は、従来の表示媒体に比べ格段に優れるものである。さらに本発明の画像表示媒体は、電荷輸送層を用いていないため、安価に作製することが可能で、経時安定性および応答性に優れる等の利点も有する。また、導電性粒子に電荷を注入させるタイプでは、電荷輸送層に接触している一部の粒子のみが帯電するのに対し、本発明の画像表示媒体は、ほとんど全ての絶縁性粒子が帯電しているため、よりコントラストの高い画像表示が可能となる。
【0128】
次に本発明の画像表示媒体の他の例を、図6および図7を用いて説明する。この例の画像表示媒体は、図7の例と基本的構成は同じであるが、図6に示すように、表示基板100aと対向基板(非表示基板)100bとが、それぞれ、絶縁層103a、103bのみで構成される点が図7の例とは異なっている。絶縁層103a、103bのそれぞれの膜厚は10〜1000μmが好ましく、50〜500μmより好ましい。1対の基板は絶縁層103a、103bのみで構成されるため、この層に支持体101aおよび101bと同等の自己支持性の樹脂を用い、曲げ、伸び等の画像表示媒体に加わる外力に強い構造をとることが好ましい。基板間には図示しないスぺーサ粒子のほかに、図7の画像表示媒体で使用するのと同様の少なくとも2種類の絶縁性粒子(例えば、黒色絶縁性粒子105および白色絶縁性粒子106)を、同様の充填率で封入するのが好ましい。
【0129】
この例における画像表示媒体は、図7に示すような構成の装置により画像表示を行う。すなわち、画像表示媒体401を静電潜像担持体402と導電性ローラ403との間(ニップ部)を通過させて表示動作を行うものである。静電潜像担持体402は、通常の電子写真画像形成工程と全く同等に負帯電、画像部露光を行って作製した静電潜像を保持しているものである。
【0130】
表示動作の前に画像表示媒体の初期化を行う。すなわち、対向基板100b(103b)を低電位に、表示基板100a(103a)を高電位とするように、直流電圧を導電性ローラ403に供給し、黒色絶縁性粒子105を、図4および5の説明で述べた原理と同様に、均一に下側に移動させておく。初期化した後、画像表示媒体401に静電潜像担持体402表面の静電潜像を接触させると同時に、図面上、対向基板100b(103b)の下側から導電性ローラ403を圧接する。静電潜像は画像部で低電位(負極性で絶対値が大)、非画像部で高電位となっており、導電性ローラの電位をこの中間に設定しておけば、図4の画像表示媒体と全く同じ原理で、画像部に黒色絶縁性粒子105、非画像部に白色絶縁性粒子106が付着した画像が形成できる。
【0131】
このようにして作製した表示画像は、高品質なものである。この例の画像表示媒体401は、1対の基板の構成が簡略であり安価に作製することができ、かつ図4におけるものと同様、高コントラストで視野角の広い画像表示が可能である。また、繰り返し使用時にも絶縁性粒子の凝集等が無く、安定した画像表示が可能である。画像表示動作は、通常の電子写真装置を利用して行うことができ、特殊な装置を必要としないという利点もある。
【0132】
次に、前記少なくとも2種の絶縁性粒子を用いてフルカラー表示が可能な画像表示媒体の例を図8に示す。この例の画像表示媒体は、図4で示した画像表示媒体と基本的構成および動作はほぼ同一である。
【0133】
表示基板100aと、該表示基板に対向して配置される対向基板100bと、前記表示基板と前記対向基板との間隙に封入される封入物と、区画手段である隔壁905と、からなる画像表示媒体であって、隔壁905により、微小セルが形成されており、該微小セル中に封入物である、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子(白色絶縁性粒子106と、イエロー粒子902、マゼンタ粒子903およびシアン粒子904のいずれか)が含有されている。
【0134】
表示基板100aは支持体101a表面に画素電極層102と絶縁層103aとが順次積層したものであり、対向基板100bは支持体101b表面に均一電極層104と絶縁層103bとが順次積層したものである。表示基板100aと対向基板100bとの間隙に画素に対応する複数の隔壁905により区画されて微小セルが形成されている。各微小セルには、白色絶縁性粒子106と、着色絶縁性粒子であるイエロー粒子902、マゼンタ粒子903およびシアン粒子904のいずれかと、がそれぞれ別のセルに封入されている。
【0135】
白色絶縁性粒子106は、図4の画像表示媒体で使用したものと同様のものが使用される。着色絶縁性粒子は、樹脂中にそれぞれの顔料を所定量分散させたもので、それぞれの微小セルにおいて、白色絶縁性粒子と着色絶縁性粒子とがほぼ等量で、空隙中の体積充填率が50%程度となるように封入されている。
【0136】
各微小セルでは、図4の画像表示媒体の場合と全く同じ動作で、着色絶縁性粒子を荷電移動させて表示基板上に付着させる。各セルに対応する画像信号に応じて付着動作を行うことによりカラー画像表示が可能となる。着色絶縁性粒子の色についてはイエロー、マゼンタ、シアンのほかに、赤、緑、青、黒等を適宜加えれば、色再現域を調整することが可能となる。
【0137】
この例の画像表示媒体は、3色の着色絶縁性粒子を利用してフルカラー画像表示が可能であり、また図4の場合と同様に高コントラストで、視野角の広い画像表示が可能である。さらに、繰り返し使用時にも粒子の凝集等が無く安定した画像表示が可能である。
【0138】
なお、本発明において絶縁性粒子の特性は以下のように定義される。
(1)単位重量あたり帯電量
例えば、チャージスペクトログラフ法等で計測した粒子1個あたりの平均帯電量を粒子1個あたりの重量で除して算出する。一般にチャージスペクトログラフ法では、所定長さlの円筒形容器内に鉛直方向の速度vの空気層流と、この流れと垂直方向の電界Eを形成する。この上端部中央から帯電した粒子を挿入し、粒子が空気層流により下端部まで移動する間に電界によって流れと垂直の方向に移動する距離dxから帯電量を求める。粒子の半径をrとすれば近似的に以下の式で粒子1個あたりの帯電量qが算出できる。ただし、ηは空気の粘性抵抗である。
【0139】
【数1】
Figure 0004193363
【0140】
(2)平均粒径(d)
d=Σmdp/Mの式により定義される。ここでdは平均粒径(μm)を、mは所定の粒径区分にある粒子群の重量を、dpは粒径区分の中心値を、Mは全重量をそれぞれ意味する。
【0141】
(3)球形度
球形度=(dpv/dps)2により定義される。ここでdpvは等体積球相当径(該当粒子の体積と同一の体積を有する球の径)を、dpsは等面積球相当径(該当粒子の投影面積と同一の面積を有する円の径)をそれぞれ意味する。
【0142】
(4)比表面積形状係数
比表面積形状係数=dp×s/vにより定義される。ここでdpは代表径(短軸径、長軸径、厚み、二軸算術平均径、三軸算術平均径、三軸幾何平均径、投影面積円相当径、等表面積球相当径、等体積球相当径等)を、sは実表面積を、vは体積をそれぞれ示す。
【0143】
(5)表面エネルギー(σ)
σ=σ1(1+cosθ)2/4により定義される。ここでσは表面エネルギー、σ1は液体の表面張力を、θは粒子単独または粒子を構成するバルク材料に対する液体の接触角をそれぞれ意味する。
【0144】
(6)安息角
安息角は、粒子を面上に山状に堆積させたときに、粒子群の形成する山の斜面と堆積面が形成する角度を意味する。
【0145】
(7)縦弾性係数(ヤング率)
E=F×L/(A×ΔL)により定義されるヤング率Eを意味する。粒子を構成するバルク材料を所定サイズ(断面積A、長さL)の直方体試験片にし、長さ方向に所定の荷重Fを印加して変形量ΔLを測定し、前記に挿入し計算してヤング率を求める。
【0146】
(8)屈折率
粒子を構成するバルク材料を用い、ASTM D 542−70に準じて計測する。
【0147】
(9)反射濃度
粒子を構成するバルク材料を用い、シート状にし、その上で市販の反射濃度計(マクベス濃度計等)により計測する。
これらは、それぞれ、従来公知の装置および方法により測定される。
【0148】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0149】
(実施例1〜10、比較例1および2)
図4で示した構造の画像表示媒体を用いて画像を表示させ、濃度コントラスト、視野角等の画像評価を行った。絶縁性粒子は表1に示すものを使用し、これらを表2に示すように組み合わせた。100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体101a、101bとし、これに厚さ0.1μmのITO膜からなる画素電極層102、および絶縁性撥水層(絶縁層103a)として旭ガラス製サイトップを厚さ5μmに順次積層させた表示基板100aを作製した。電極層として画素電極層102に代えて均一電極層104とする他は同様にして対向基板100bを作製した。両基板を100μmの間隔を保って配置させ、その間隙に、表1および表2で示される絶縁性粒子の組み合わせ(実施例1〜10および比較例1、2)で、相互に帯電極性の異なる2種類の絶縁性粒子を封入した。
【0150】
【表1】
Figure 0004193363
【0151】
【表2】
Figure 0004193363
【0152】
このようにして作製した画像表示媒体を、図5に示すように配線し、画像領域となる画素電極102bには低電圧を、非画像領域となる画素電極102aには高電圧を、また対向基板100b側の均一電極層104にはその中間となる電圧を供給すると、前述の原理に基づき画像領域に画像が表示された。画像評価結果を表3に示す。評価指標は以下の通りである(表6についても同様)。
◎:実用上十分な性能
○:実用上問題ないレベル
×:実用に耐えないレベル
【0153】
【表3】
Figure 0004193363
【0154】
なお、表1の絶縁性粒子aは、カーボン含有架橋ポリメチルメタクリレートの黒色球状微粒子であり、また絶縁性粒子bは、イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を重量比(白色絶縁性粒子:イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末=)100:0.1の割合で混合した酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの白色球状微粒子である。また、粒子cの白色絶縁性粒子は酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの白色球状微粒子で、絶縁性粒子bと同じ成分の絶縁性粒子であり、イソプロピルトリメトキシシラン処理したチタニアの微粉末を混合しないものである。粒子d〜gおよび粒子mの黒色絶縁性粒子および白色絶縁性粒子はそれぞれ絶縁性粒子aまたは絶縁性粒子bと同じ成分の絶縁性粒子で、所定の平均粒径および粒径分布となるように分級して得たものである。また、粒子hの黒色絶縁性粒子は、絶縁性粒子aと同じ成分の絶縁性粒子で、絶縁性粒子を層状に形成したのち、加圧変形させて作製したものである。
【0155】
粒子iの黒色絶縁性粒子は、絶縁性粒子aと同じ成分の絶縁性粒子を用い、表面に部分的に金属層を被覆することにより作製したものである。粒子jの黒色絶縁性粒子は、低硬度シリコーンゴム材料にカーボンブラックを分散させて色および体積抵抗率を調整して得られる。粒子kの黒色絶縁性粒子は、ワックス系の低融点樹脂材料にカーボンブラックを分散させて色および体積抵抗率を調整して得られる。粒子lの黒色絶縁性粒子は、樹脂材料にカーボンブラックを分散させて色および体積抵抗率を調整したベース材料を使用し、市販の発泡粒子と同様の工程で作製した発泡粒子である。粒子Mの黒色絶縁性粒子および白色絶縁性粒子はそれぞれ絶縁性粒子aまたは絶縁性粒子bと同じ成分の絶縁性粒子で、所定の平均粒径および粒径分布となるように分級して得たものである。粒子Nおよびoは、それぞれ、粒子bおよびaと同一の粒子であり、混合後の撹拌を行わず帯電量を混合前の状態に保ったままとしたものである。
【0156】
表3に示すように本発明の画像表示媒体である実施例1〜10はいずれも濃度コントラスト、視野角等に優れているものであり、画像表示媒体として充分使用可能である。これに対し、比較例1および2は、濃度コントラスト、視野角等のいずれも劣るものであり、画像表示媒体として使用不可能である。また、表3には、絶縁性粒子の平均粒径、絶縁性粒子の粒径が平均粒径±該平均粒径の50%以内にある絶縁性粒子の重量割合、球形度、比表面積形状係数、表面エネルギー、安息角、屈折率、反射濃度、縦弾性係数、融点、体積密度を種々変えることにより、前述のような性能が得られることが示されている。
【0157】
(実施例11〜14)
上記実施例で作製された粒子mおよびbについて、表示基板と前記絶縁性粒子との間に形成される付着力、絶縁性粒子の間に形成される付着力、表示基板と前記絶縁性粒子とのすべり摩擦係数、絶縁性粒子のすべり摩擦係数、表示基板と前記絶縁性粒子との転がり摩擦係数、絶縁性粒子の転がり摩擦係数を測定した。
また、上記実施例で作製された粒子bで平均粒径が45μmのものを使用し、この粒子の表面にシリコーンゴムを添加し付着力を大きくした粒子pを作製した。この粒子についても同様の測定を行った。
結果を表4に示す。なお、前記それぞれの測定は、以下のようにして行った。
【0158】
▲1▼表示基板と前記絶縁性粒子との間に形成される付着力および絶縁性粒子の間に形成される付着力:
基板間付着力の測定は、既述の電界法によって行った。
まず、コロナ帯電器により粒子を十分正帯電させた後、表示基板上に粒子をクラウド状にして薄層に堆積させ、表面の粒子被覆面積率を確認した。粒子被覆面積率は、基板表面をデジタルカメラで拡大撮影し、撮影データを画像処理して算出した。
【0159】
なお、粒子の一部をサンプリングして、その帯電量を、チャージスペクトログラフ(粒子の電界下での移動量から帯電量を計測する装置)を用いて確認した。次いで、この基板に厚さ100〜500μm程度のスペーサを介して対向電極(ガラス板にITOを蒸着したもの)を設置したサンプル基板を作製した。パッシェン放電を避けるため、低圧環境にしたチャンバ内にサンプル基板を設置し、表示基板側電極を接地、対向電極に負電圧を印加した。印加電圧を徐々に下げて(負極性で絶対値が大きくなるように)いき、電界強度と剥離し対向電極側に付着した粒子量との関係を測定した。対向電極側に付着した粒子量の測定は前記粒子被覆面積率の測定と同様に行った。電界強度と剥離して対向電極側に付着した粒子量の関係から、半数の粒子が剥離したときの電界強度を剥離電界強度として求め、最初に測定した粒子の平均帯電量との積を剥離時の作用力とした。最後に、粒子の平均粒径と平均体積密度から粒子1個あたりの重量を求めて重力を算出し、作用力から差し引いた値を付着力とした。
粒子間付着力に関しては、前記のとおり基板上に均一に粒子を塗布、接着させた上で上記と同様の測定を行って求めた。
【0160】
▲2▼表示基板と前記絶縁性粒子とのすべり摩擦係数および絶縁性粒子のすべり摩擦係数:
まず粒子を均一に塗布し固定した平板をサンプルとして作製した。この際、平板表面に接着剤を塗布した上で、粒子をクラウド状にして薄層に堆積させ、接着後不要な粒子を振動によって除去し、ほぼ単層の粒子層を形成した。次いで、表示基板を固定し、該表示基板に粒子固定面が接触するように平板を重ねた上で、平板上におもりを載せて軽く圧接させた。この状態で平板を水平方向に数mm/s程度の速度で引っ張り、その際の水平方向に発生する力をロードセルで検出した。粒子と表示基板接触面で作用している法線力(おもりと平板の全荷重)と水平方向のすべり摩擦力との比からすべり摩擦係数を求めた。粒子間すべり摩擦係数に関しては、表示基板表面にも上記平板と同様に粒子を塗布、固定し、粒子同士が接触するよう設置して、上記と全く同様の手順で計測した。
【0161】
▲3▼表示基板と前記絶縁性粒子との転がり摩擦係数、絶縁性粒子の転がり摩擦係数:
転がり摩擦係数の測定は、上記すべり摩擦係数の測定と全く同一手順で測定を行ったが、粒子は固定せず回転運動可能なようにした。
粒子間転がり摩擦係数に関しては、サンプルとなる粒子数を多くし、粒子同士の転がり運動が発生するようにして測定を行った。この場合、測定した摩擦力(水平方向の検出荷重)から表示基板と前記絶縁性粒子との転がり摩擦係数測定時の摩擦力を差し引いて粒子間転がり摩擦力とした。
【0162】
【表4】
Figure 0004193363
【0163】
上記粒子b、mおよびpについて、表5に示すように配合し、実施例1〜10と同様に画像表示媒体を作製した。
また、画像表示媒体内の相対湿度および前記粒子の体積充填率を以下のようにして求めた。これらの結果も併せて、表5に示す。
【0164】
体積充填率の測定:
体積充填率は以下の方法で算出した。まず、基板間の間隔と基板サイズから基板間空間の容積を算出した。これに対して、粒子の占める体積割合を算出して体積充填率とした。粒子の占める体積は、充填した粒子重量と、粒子の平均体積密度から換算して求めた。
【0165】
相対湿度の測定:
外気と遮断したチャンバ内で表示媒体サンプルを作製し、そのときのチャンバ内相対湿度を市販の湿度計を用いて計測して表示媒体内相対湿度とした。
【0166】
【表5】
Figure 0004193363
【0167】
作製した画像表示媒体について、実施例1〜10と同様の評価を行った。結果を表6に示す。
【0168】
【表6】
Figure 0004193363
【0169】
表6に示される結果から、いずれの実施例でも良好な特性が得られた。特に、実施例11では、すべての評価において、優れた結果が得られた。
【発明の効果】
上記のごとく、本発明は表示基板と対向基板との間隙に封入する封入物としての絶縁性粒子として、隠蔽性を有し、色の異なる複数の種類の絶縁性粒子であって、相互に帯電極性が異なる2種類の絶縁性粒子を含むことにより、繰り返し使用が可能で、また複写機やプリンタを用いて用紙へ出力することもできる画像表示媒体において、従来技術では得られなかった表示画像の濃度コントラストと視野角の広さ等を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3種類の絶縁性粒子を使用して画像表示を行った場合の印加電圧に対する表示特性の一例を示す図である。
【図2】 白粒子と黒粒子との総表面積の比を変えたときの印加電圧に対する表示特性の一例を示す図である。
【図3】 3種類の絶縁性粒子を使用して、画像表示を行った場合の印加電圧に対する表示特性の一例を示す図である。
【図4】 本発明の画像表示媒体の一例の断面図を模式的に示す図である。
【図5】 図4の画像表示媒体の画像表示原理を示す概念図であり、図5(A)は初期状態を、図5(B)は画像表示状態を示す。
【図6】 本発明の画像表示媒体の他の一例の断面図を模式的に示す図である。
【図7】 図6の画像表示媒体に静電潜像担持体を用いて画像表示する原理を示す概念図である。
【図8】 カラー表示が可能な画像表示媒体の一例の断面図を模式的に示す図である。
【符号の説明】
100a 表示基板
100b 対向基板
101a,101b 支持体
102 画素電極
103a,103b 絶縁層
104 電極
105 黒色導電性粒子
106 白色絶縁性粒子
108 電極駆動装置

Claims (25)

  1. 少なくとも、表示基板と、該表示基板に対向して配置される対向基板と、前記表示基板と前記対向基板との間隙に所定雰囲気と共に封入される封入物と、からなる画像表示媒体であって、
    前記封入物が、隠蔽性を有し、かつ、色および相互に帯電極性の異なる少なくとも2種の絶縁性粒子からなり、
    前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の単位重量あたりの帯電量の絶対値が、0.0001〜0.1C/kgであることを特徴とする画像表示媒体。
  2. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の平均粒径が、前記表示基板と前記対向基板との間隔の1/1000〜9/10であり、かつ、少なくとも1種の他の絶縁性粒子の平均粒径が前記間隔の5/100〜9/10であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  3. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子について、粒子径が平均粒径±該平均粒径の50%の範囲にある絶縁性粒子の重量割合が、その絶縁性粒子の全体量に対し、30%以上を占めることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示媒体。
  4. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の球形度が、0.1〜1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示媒体。
  5. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の比表面積形状係数が、15以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示媒体。
  6. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の表面エネルギーが、2J/m2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体。
  7. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の安息角が、80°以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体。
  8. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の縦弾性係数が、1MPa〜300GPaであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示媒体。
  9. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子の体積密度が、10〜21500kg/m3であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像表示媒体。
  10. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、平均粒径が最も大きい1種の絶縁性粒子と、平均粒径が最も小さい1種の絶縁性粒子との前記平均粒径の比が、1/30〜30/1であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像表示媒体。
  11. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子の総数 に対して、他種の絶縁性粒子のそれぞれの総数が、 ×1/900≦N≦ ×900の範囲にあることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像表示媒体。
  12. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子の総表面積 に対して、他種の絶縁性粒子のそれぞれの総表面積が、 ×1/10≦S≦ ×10の範囲にあることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像表示媒体。
  13. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子と、他種の絶縁性粒子と、の前記帯電量の絶対値の比が、1/10〜10/1であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像表示媒体。
  14. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子が、1〜70質量%の顔料を含有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像表示媒体。
  15. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子のガラス転移点が、55℃以上であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像表示媒体。
  16. 前記表示基板と、前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子と、の間に形成される付着力が、1pN〜0.1Nであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像表示媒体。
  17. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の該絶縁性粒子間に形成される付着力が、1pN〜0.1Nであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像表示媒体。
  18. 前記表示基板と、前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子と、のすべり摩擦係数が、0.8以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の画像表示媒体。
  19. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の粒子間すべり摩擦係数が、0.8以下であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の画像表示媒体。
  20. 前記表示基板と、前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子と、の転がり摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の画像表示媒体。
  21. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、少なくとも1種の絶縁性粒子の粒子間転がり摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の画像表示媒体。
  22. 前記表示基板と前記対向基板との間隙の相対湿度が5〜90%であることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の画像表示媒体。
  23. 前記少なくとも2種以上の絶縁性粒子の体積充填率(前記絶縁性粒子の総体積/前記表示基板と前記対向基板との間隙の体積)が0.001〜0.5であることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の画像表示媒体。
  24. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち、1種の絶縁性粒子と、他種の絶縁性粒子と、の前記比重の比が、1/10〜10/1であることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の画像表示媒体。
  25. 前記少なくとも2種の絶縁性粒子のうち少なくとも1種の絶縁性粒子のかさ密度が、0.2g/cm3以上であることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の画像表示媒体。
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