JP2008170626A - 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置 - Google Patents

画像表示媒体、書込装置、及び表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008170626A
JP2008170626A JP2007002485A JP2007002485A JP2008170626A JP 2008170626 A JP2008170626 A JP 2008170626A JP 2007002485 A JP2007002485 A JP 2007002485A JP 2007002485 A JP2007002485 A JP 2007002485A JP 2008170626 A JP2008170626 A JP 2008170626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle group
particle
voltage
density
magenta
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007002485A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Shigehiro
清 重廣
Yasushi Suwabe
恭史 諏訪部
Yoshinori Machida
義則 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2007002485A priority Critical patent/JP2008170626A/ja
Publication of JP2008170626A publication Critical patent/JP2008170626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

【課題】階調表現の可能な画像表示媒体及びこの画像表示媒体への書込装置を提供する。
【解決手段】画像表示媒体の一対の基板間に封入された分散媒中に、一対の基板間に予め定められた閾値電圧以上の駆動電圧が印加されることにより形成された電界に応じて分散媒中を移動し、同色であって且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第1の群を備えたことを特徴とする画像表示媒体と、この画像表示媒体に、表示対象となる色及び濃度に応じて、移動対象となる粒子群の閾値電圧に応じた電圧を基板間に印加する。
【選択図】図13

Description

本発明は画像表示媒体、書込装置、及び表示装置に関する。
従来、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、着色粒子を用いた画像表示媒体が知られている。
この画像表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動可能に該基板間に封入された粒子群と、を含んで構成されている。また、基板間には、粒子が基板内の特定の領域に偏るのを防ぐため等の理由により、基板間を複数のセルに仕切るための間隙部材が設けられる場合もある。
一対の基板間に封入された粒子群としては、特定の色に着色された1種類の粒子群である場合や、互いに色及び移動に必要な電界強度の異なる複数種類の粒子群である場合等がある。
この画像表示媒体では、一対の基板間に電圧を印加することにより封入されている粒子を移動させることで、何れか一方の基板側に移動した粒子の量及び移動した粒子の色に応じた色の画像を表示させている。すなわち、表示対象となる画像の色及び濃度に応じて、移動させる対象となる粒子群を移動させるための強度の電圧を基板間に印加することで、移動対象となる粒子群を一対の基板の何れか一方側へ移動させて表示対象の画像の色に応じた画像を表示している。
また、上記の着色粒子を用いた画像表示媒体として、同極性に帯電し、色毎に電気泳動速度の異なる3種類の電気泳動粒子を分散させて、電気泳動速度の違いを利用して、画像表示媒体の観測面側に所望の色の電気泳動粒子を付着させることで、カラー画像表示を行う技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
USP6017584号公報
本発明は、階調表現の可能な画像表示媒体、この画像表示媒体への書込装置、及びこれらを用いた表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散されると共に、前記一対の基板間に予め定められた閾値電圧以上の電圧が印加されることにより形成された電界に応じて該分散媒中を移動し、同色であって且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第1の群と、を備えたことを特徴とする画像表示媒体である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像表示媒体において、前記第1の群とは異なる色であって、且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第2の群を備えたことを特徴とする画像表示媒体である。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の画像表示媒体において、前記複数種類の粒子群は、該種類間で互いに粒子1個あたりの磁気量が異なることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れか1つに記載の画像表示媒体において、前記複数種類の粒子群は、該種類間で前記分散媒との界面における抵抗が異なることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4の何れか1つに記載の画像表示媒体において、前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの体積平均一次粒径が異なることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5の何れか1つに記載の画像表示媒体において、前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの形状係数SF1が異なることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項7に係る発明は、請求項3から請求項6の何れか1つに記載の画像表示媒体において、前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの平均帯電量が一定であることを特徴とする画像表示媒体である。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記画像表示媒体に表示する画像の色を示す色情報及び濃度を示す濃度情報を含む画像情報を取得する取得手段と、色情報と、濃度情報と、前記粒子群の前記駆動電圧の駆動電圧情報と、を対応づけて予め記憶した記憶手段と、前記取得手段が取得した画像情報に含まれる色情報及び濃度情報に対応する駆動電圧情報を読み取り、読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を印加するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えた書込装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像表示媒体と、前記画像表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記画像表示媒体に表示する画像の色を示す色情報及び濃度を示す濃度情報を含む画像情報を取得する取得手段と、色情報と、濃度情報と、前記粒子群の前記駆動電圧の駆動電圧情報と、を対応づけて予め記憶した記憶手段と、前記取得手段が取得した画像情報に含まれる色情報及び濃度情報に対応する駆動電圧情報を読み取り、読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を印加するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、を備えた表示装置である。
請求項1に係る発明によれば閾値電圧が同一の単一の同色粒子群を用いて構成した場合に比べて、複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、さらに複数色での階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、磁気量に基づいて複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、界面の抵抗に基づいて複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、粒径に基づいて複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、粒子形状に基づいて複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項7に係る発明によれば、複数種類間での平均帯電量は一定としたままで、粒子の移動に関わる他の因子を制御することで階調表現することが可能となるという効果を奏する。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、閾値電圧が同一の単一の同色粒子群を用いて構成した場合に比べて、複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となるという効果を奏する。
請求項9にかかる発明によれば、閾値電圧が同一の単一の同色粒子群を用いて構成した場合に比べて、複数種類の同色粒子群を利用した階調表現が可能となる表示装置を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の書込装置、表示方法、及び表示装置の一の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る表示装置13は、書込装置10と、画像表示媒体12と、を含んで構成されている。書込装置10は、画像表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、記憶部14と、取得部15と、を含んで構成されている。
画像表示媒体12は、画像表示面とされる表面基板20、表面基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表面基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された複数種の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cを含んで構成されている。
これらの粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cは、同色に予め着色されており、これらの粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cが、本発明の画像表示媒体の第1の群に相当する。
なお、本実施の形態では、第1の群を構成する複数種の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cを総称する場合には、粒子群34と称して説明する。
大径粒子群39は、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する複数の粒子の集合体であり、粒子群34を構成する各粒子より大きな粒径の粒子から構成されている(詳細後述)。
なお、本実施の形態では、各セル内には、複数種の粒子群として3種類の粒子群(粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C)が含まれている場合を説明するが、各セル内には複数種の粒子群が含まれていれば良く、2種類、または4種類以上であってもよい。
また、本実施の形態では、複数種の粒子群34は互いに同色に着色されているとして説明する。
なお、粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C各々が、本発明の画像表示媒体の同色粒子群に相当する。
上記セルとは、表面基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。各粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表面基板20と背面基板22との基板間を大径粒子群39の間隙を通じて移動する。
なお、この画像表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、画像表示媒体12を、画素毎の表示が可能となるように構成することができる。
なお、本実施の形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施の形態を説明する。
表面基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を順に積層した構成となっている。
表面基板20、または表面基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施の形態における透光性とは、可視光の透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であることを示している。
上記支持基板38及び支持基板44としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
背面電極46及び表面電極40には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等を使用することができる。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成できる。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100〜2000Åである。背面電極46及び表面電極40は、従来の液晶表示素子あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成することができる。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料が各粒子群34の各粒子の電気的特性または磁気的特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、各粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表面基板20及び背面基板22と分離させ、画像表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表面基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表面基板ではなく背面基板22に形成することが好ましい。
なお、画像表示媒体12を単純マトリクス駆動とすると、画像表示媒体12を備えた詳細を後述する書込装置10の構成を簡易な構成とすることができ、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動とすると、単純マトリクス駆動に比べて表示速度を速くすることができる。
上記表面電極40及び背面電極46が、各々支持基板38及び支持基板44上に形成されている場合、表面電極40及び背面電極46の破損や、各粒子群34の各粒子の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、必要に応じて表面電極40及び背面電極46各々上に誘電体膜としての表面層42及び表面層48各々を形成することが好ましい。
この表面層42及び表面層48各々を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
また、誘電体膜を構成する材料として上述した材料の他に、この材料中に電荷輸送物質を含有させたものも使用できる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いることもできる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜としての表面層42及び表面層48は、各粒子群34の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、各粒子群34の組成等に応じて選択する。画像表示媒体12を構成する表面基板20は、上述のように透光性を有する必要があるので、上記各材料のうち透光性を有する材料を使用することが好ましい。
表面基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、表面基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成することができる。
間隙部材24は表面基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38または支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理または印刷処理等を行うことによって作製することができる。
この場合、間隙部材24は、表面基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製することができる。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、画像表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが好ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用することができる。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが好ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用できる。
なお、「透明」とは、可視光に対して透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の透過率を有することを示している。
各粒子群34が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが好ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が10Ω・cm以上であることを示している。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、鉱物油、オリーブオイル、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用できる。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒50として好適に使用することができる。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが好ましく、107Ωcm〜1019Ωcmであることがより好適であり、さらに1010Ωcm〜1019Ωcmであることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが好ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用できる。
イオン性および非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01重量%以上、20重量%以下が好ましく、特に0.05〜10重量%の範囲が好ましい。0.01重量%を下回ると、希望とする帯電制御効果が不充分であり、また20重量%を越えると、現像液の過度な電導度の上昇を引き起こし、使い難くなるからである。
なお、画像表示媒体12に封入される上記各粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C)は、分散媒50として高分子樹脂に分散されていることも好ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲルであることも好ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、及びアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体を挙げることができる。
これら中でも、製造安定性、電気泳動特性等の観点から、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が好ましく用いられる。
これら高分子樹脂は、前記絶縁性液体と共に分散媒50として用いることが好ましい。
また、この分散媒50に下記着色剤を混合することで、画像表示媒体12に各粒子群34の色とは異なる色を表示させることができる。例えば、着色剤として白色を示す着色剤を混合することにより、各粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C)の色が黒色の場合には、画像表示媒体12に白色と黒色とを表示することができる。
この分散媒50に混合する着色剤としては、公知のカラー染顔料や白色顔料、黒色顔料また、カラー染顔料が結着樹脂に分散された着色樹脂粒子や白色樹脂粒子、黒色樹脂粒子
を挙げることができる。
樹脂粒子としては、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の球状粒子、((株)日本触媒製エポスター)、酸化チタン含有架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(積水化成品工業(株)製MBX−ホワイト)、架橋ポリメチルメタクリレートの球状微粒子(綜研化学製ケミスノーMX)、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL、 Shamrock TechnologiesInc.製 SST-2 )、フッ化炭素の微粒子(日本カーボン製CF-100、ダイキン工業製CFGL,CFGM)、シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製トスパール)、酸化チタン含有ポリエステルの微粒子(日本ペイント製ビリューシア PL1000ホワイトT)、酸化チタン含有ポリエステル・アクリルの微粒子(日本油脂製コナックNo181000ホワイト)、シリカの球状微粒子(宇部日東化成製ハイプレシカ)等が挙げられる。上記に限定せずに、酸化チタン等の白色顔料を樹脂に混合分散したのち、所望の粒子径に粉砕、分級したものでもよい。あるいは、カラー染顔料や白色顔料、黒色顔料を分散した上記粒子や上記微粒子もよい。
本実施の形態において、上述のように、各セル内の分散媒50中には、互いに閾値電圧の異なる複数の粒子群34が分散されている。各々の粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C)は、表面電極40と背面電極46との基板間(すなわち、表面基板20と背面基板22との基板間)に、各粒子群34各々に対応する閾値電圧以上の電圧が印加されることにより分散媒50中に形成された電界に応じて分散媒50中を移動する。
画像表示媒体12における表示色や表示濃度の変化は、この各粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C)の内の、1または複数の粒子群に属する粒子が分散媒50中を移動することによって生じる。
すなわち、粒子群34は、各種類間で互いに異なる閾値特性を有している。
この閾値特性とは、本実施の形態では、表面基板20と背面基板22との基板間に電圧が印加されることにより分散媒50内に形成された電界によって、複数の各粒子群34各々を構成する粒子が分散媒50内を移動し、基板間に各粒子群34の閾値電圧未満の電圧を印加されたときには画像表示媒体12の表示色の明度(すなわち濃度。以下、濃度と称する。)に変化が現れず、粒子群34毎の閾値電圧以上の電圧を印加されたときに対応する粒子群34の分散媒50中の移動により、表示濃度に変化が現れるという表示に寄与する特性をいう。
上記閾値電圧とは、表面基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値を連続的に変化させたときに、各粒子群34を構成する各粒子の移動によって画像表示媒体12の表示濃度に変化が現れない状態から表示濃度に変化が現れた状態へと移行したときの電圧値を示している。すなわち、各粒子群34の閾値電圧未満の電圧が画像表示媒体12の表面基板20と背面基板22との基板間に印加されているときには、画像表示媒体12の表示濃度に変化は現れず、複数種の粒子群34A、粒子群34B、粒子群34Cの内の何れかの粒子群(例えば、粒子群34A)の閾値電圧以上の電圧が印加されたときに、この粒子群34Aの移動により表示濃度に変化が現れる。
この「画像表示媒体12の表示濃度に変化が現れた」状態とは、画像表示媒体12の表面電極40と背面電極46とに電圧を印加して、この電圧値を0Vから離散的に変化させたときの、表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定し、電圧印加前の濃度に対する濃度変化が、0.01未満である状態から、0.01以上となり始めたときの境界の状態を示している。
具体的には、画像表示媒体12内の粒子群34が、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cから構成されているとすると、例えば、図2に示す閾値特性を有している。
なお、以下で説明する電圧値Vt1、Vd1、Vt2、Vd2、Vt3、及びVd3の絶対値は、|Vt1|<|Vd1|<|Vt2|<|Vd2|<|Vt3|<|Vd3|の関係であるとして説明する。
本実施の形態では、粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C各々は、本実施の形態では負極に帯電されており、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が電圧値Vt1を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Aの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させ、基板間に印加された電圧が電圧値Vd1となると、画像表示媒体12において粒子群34Aの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧の電圧値が電圧値Vt2の電圧を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Bの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧の電圧値が電圧値Vd2となると、画像表示媒体12において粒子群34Bの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧の電圧値が電圧値Vt3を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧の電圧値が電圧値Vd3となると、画像表示媒体12において粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧の電圧値が電圧値−Vt1の絶対値を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Aの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧の電圧値が−Vd1となると、画像表示媒体12において粒子群34Aの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧の電圧値が電圧値−Vt2の絶対値を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Bの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表面基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧の電圧値が−Vd2となると、画像表示媒体12において粒子群34Bの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表面基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧の電圧値が電圧値−Vt3の絶対値を超えると、画像表示媒体12において粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に電圧値−Vd3の電圧が印加されると、画像表示媒体12において粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施の形態では、図2に示すように、電圧値−Vt1から電圧値Vt1の範囲内(電圧値|Vt1|以下)の電圧が表面基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34Aの粒子の移動は生じていないといえる。そして、電圧値Vt1及び電圧値−Vt1の絶対値以上の電圧が印加されると、画像表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34Aの粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じ、電圧値−Vd1から電圧値Vd1の範囲内(電圧値|Vd1|)以上の電圧値が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
この場合には、電圧値Vt1及び電圧値−Vt1の絶対値が、粒子群34Aの閾値電圧として定められる。また、粒子群34Aにおいて上記単位電圧あたりの表示濃度の変化が生じなくなる電圧値である電圧値Vd1及び電圧値−Vd1の絶対値を、粒子群34Aの駆動電圧と称して説明する。
同様に、電圧値Vt2及び電圧値−Vt2の絶対値が、粒子群34Bの閾値電圧として定められる。また、粒子群34Bにおいて、上記単位電圧あたりの表示濃度の変化が生じなくなる電圧値Vd2及び電圧値−Vd2の絶対値を、粒子群34Bの駆動電圧と称して説明する。
同様に、電圧値Vt3及び電圧値−Vt3の絶対値が、粒子群34Cの閾値電圧として定められる。また、粒子群34Cにおいて、上記単位電圧あたりの表示濃度の変化が生じなくなる電圧値Vd3及び電圧値−Vd3の絶対値を、粒子群34Cの駆動電圧と称して説明する。
すなわち、閾値電圧は、画像表示媒体12に特定の粒子群34の移動による濃度変化が現れ始めたときに分散媒50中に形成されている「電界強度」に相当する。この「電界強度」とは、単位距離当りの電位差(V/m)である。すなわち、閾値電圧とは、画像表示媒体12に濃度変化が現れる程度の量の粒子が一方の基板側から他方の基板側へ移動する電界強度の電界を生じさせるために、基板間に印加する電圧の電圧値の絶対値を意味している。
また、駆動電圧は、対応する粒子群34の閾値電圧以上の電圧であって、画像表示媒体12に特定の粒子群34の移動による濃度変化が現れ始めた後に濃度変化が停止したときに表面基板20と背面基板22との間に印加されている電圧の電圧値であって、特定の種類の粒子群34の移動によって表現可能な最大濃度または最小濃度を呈示するための量の粒子が表面基板20と背面基板22との何れか一方側に到達させるために、基板間に印加する電圧の電圧値の絶対値を示している。
ここで、画像表示媒体12に含まれる互いに閾値電圧の異なる複数種類の粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C各々の駆動電圧は、各々の粒子群34の閾値電圧以上であり、且つ各々の粒子群34の閾値電圧以上の閾値電圧を有する他の粒子群34の内の最も閾値電圧の小さい粒子群34の閾値電圧未満となるように設定される。
例えば、粒子群34Aの駆動電圧は、粒子群34Aの閾値電圧Vt1以上であり、且つ粒子群34B及び粒子群34Cの内の閾値電圧の小さい粒子群43Bの閾値電圧Vt2未満の値として、Vd1を定めればよい(図2参照)。
上述のように、各粒子群34と表示濃度との関係は、表面基板20と背面基板22との間を移動する粒子の量によって定まることから、以下では、図2の説明を印加電圧と表示濃度との関係として説明する。
電圧と粒子群34の移動した粒子量との関係は、例えば、図3に示す線図によって示すことができる。具体的には、図3の線図66に示すように、表面基板20と背面基板22との基板間に閾値電圧Vt1以上の電圧が印加されることによって、セル内に分散された粒子群34Aの粒子が分散媒50中を移動する。この粒子群34Aの移動は、形成された電界を中和する量に達するまで継続して生じる。移動する粒子群の量は基板間に形成された電界、すなわち基板間に印加する電圧の大きさに相関する。例えば電圧値Vd1の駆動電圧が印加されると、駆動電圧Vdlによって形成された電界を中和する量の粒子群34Aが基板間を移動する。なお、移動する粒子群34Aの粒子の量は表面基板20と背面基板22との基板間に封入された粒子群34Aが、一方の基板側から他方の基板側へすべて移動した段階で最大となり、駆動電圧Vd1以上高い電圧を印加しても増加しない。
また、図3の線図67に示すように、セル内に全ての粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cが分散された状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に閾値電圧値Vt2以上の電圧が印加されることによって、セル内に分散された粒子群34Aの粒子と粒子群34Bの粒子が分散媒50中を移動する。この粒子群34Aと粒子群34Bとの移動は、形成された電界を中和する量に達するまで継続して生じる。例えばVd2の駆動電圧が印加されると、駆動電圧Vd2の印加によって形成された電界を中和する量の粒子群34Aの粒子と粒子群34Bの粒子が移動する。なお、移動する粒子群34Aと粒子群34Bの粒子の量は表面基板20と背面基板22との基板間に封入された粒子群34Aと粒子群34Bがすべて移動した段階で最大となり、駆動電圧Vd2以上高い電圧を印加しても増加しない。
また、図3の線図68に示すように、セル内に全ての粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cが分散された状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に閾値電圧値Vt3以上の電圧が印加されることによって、セル内に分散された粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C各々の粒子が分散媒50中を移動する。この粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C各々の粒子の移動は、形成された電界を中和する量に達するまで継続して生じる。例えばVd3の駆動電圧が印加されると、駆動電圧Vd3の印加によって形成された電界を中和する量の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cの粒子が移動する。なお、移動する粒子群34A、粒子群34B、粒子群34Cの粒子の量は表面基板20と背面基板22との基板間に封入された粒子群34Aと粒子群34Bがすべて移動した段階で最大となり、駆動電圧Vd3以上高い電圧を印加しても増加しない。
上記閾値電圧は、粒子群34の静電力と、粒子群34を表面基板20側または背面基板22側に拘束する力(以下、拘束力と称する)と、によって定まり、静電力から拘束力を減算した値の絶対値が大きいほど、閾値電圧が大きく、静電力から拘束力を減算した値の絶対値が小さいほど、閾値電圧は小さくなる。
なお、以下では、この静電力から拘束力を減算した値の絶対値を粒子の移動する力を意味するとして「移動力」と称して説明する場合がある。
静電力には、各粒子群34を構成する各粒子の平均帯電量等が寄与する。
拘束力には、磁気量や、粒子間の弱い相互力による粒子の分散媒50に対する流動抵抗や、粒子間や粒子と表面基板20及び背面基板22間のファンデルワールス力、体積平均一次粒子径、形状係数SF1等が寄与する。
拘束力として働く力について具体的に説明する。粒子群34が表面基板20及び背面基板22の何れか一方側に付着している状態では、表面基板20及び背面基板22と、粒子群34の各粒子間には、各基板に付着するための付着力が作用している。この付着力は、物理的な接触によって生じる物質固有のファンデルワールス力であり、粒子、および基板表面の材質に依存する。この力は、基板に接触している粒子の接触面積、粒子と基板間の距離に依存し、接触面積が大きくなればなるほど、距離が小さくなればなるほど大きくなる。この接触面積と距離は、粒子の粒径(体積平均一次粒径)、及び粒子の形状係数に依存している。
また、粒子が電荷を保持している場合には、粒子が付着している表面基板20、あるいは背面基板22との間に鏡像力が発生するが、鏡像力は他の力に較べて小さいと言われている。
また、粒子が磁化を保持している場合には、表面基板20、あるいは、背面基板22のより近い位置に存在する粒子と表面基板20、あるいは、背面基板22との基板間に磁気力が発生する。この場合、表面基板20、あるいは、背面基板22には、磁石を設けて、磁石からの磁束に基づく磁気勾配を表面基板20の周辺、あるいは、背面基板22の周辺に発生させ、表面基板20、あるいは、背面基板22により近い位置に存在する粒子に磁気力が作用する。このため、粒子の磁気量についても拘束力に寄与する。
さらに、複数種類の各粒子群34は分散媒50に分散されていることから、表面基板20と背面基板22との基板間に電界が付与されて移動を開始するときには、各粒子の表面と分散媒50との界面において抵抗が発生する。この抵抗は、基板表面上および基板の周辺に集積した粒子が緩やかな粒子間の相互関係(ネットワーク、会合体)を形成することにより生じるものと考えられる。この抵抗は、各粒子の移動を開始したときに大きく、移動開始して粒子間距離が開くと小さくなる。なお、本実施の形態では、この分散媒50と粒子群34の各粒子との界面における抵抗の最大値(移動開始時の抵抗値)を、「流動抵抗」と称して説明する。
従って、粒子群34の上記閾値電圧を調整するためには、前述したように各種類の粒子群34の静電力から拘束力を減算した値である移動力を調整すればよい。そのために、粒子群34を構成する粒子の、平均帯電量、各粒子表面の分散媒に対する流動抵抗、平均磁気量(磁化の強さ)、粒子の粒径、及び粒子の形状係数SF1の何れか1つまたは複数を調整すればよいが、制御のしやすさと安定性の理由から、静電力及び拘束力に寄与する複数の上記変数の内の1つの変数のみを調整し、この調整する変数以外の変数を一定として移動力を調整することが好ましい。
なお、静電力を一定にして拘束力(磁気量、粒子間の弱い相互力による粒子の流動抵抗や、粒子間や粒子と表面基板20及び背面基板22間のファンデルワールス力、体積平均一次粒子径、形状係数SF1)を調整することで、移動力の互いに異なる粒子群を調整してもよいし、各種類の粒子群34の拘束力を一定にして静電力(平均帯電量)を調整することで、移動力の互いに異なる粒子群を調整してもよいし、静電力及び拘束力の双方を調整することで移動力の互いに異なる粒子群を調整してもよい。
ここで、上記「静電力が一定」とは、各種類の粒子群34の帯電量を調整することによって得られた静電力の値が所望の値に対して±25%の範囲内、望ましくは±10%以下の範囲内であることを示している。
また上記「拘束力が一定」とは、各種類の粒子群34の拘束力(磁気量、粒子間の弱い相互力による粒子の流動抵抗、粒子間や粒子と表面基板20及び背面基板22間のファンデルワールス力、体積平均一次粒子径、形状係数SF1)を調整することによって得られた拘束力の値が所望の値に対して±25%の範囲内、望ましくは±10%以下の範囲内であることを示している。
静電力としての、各粒子群34を構成する各粒子の平均帯電量の調整は、具体的には、前記した樹脂に配合する帯電制御剤の種類と量、粒子表面に結合するポリマー鎖の種類と量、粒子表面に添加したり埋め込んだりする外添剤の種類と量、粒子表面に付与する界面活性剤やポリマー鎖やカップリング剤の種類と量、粒子の比表面積(体積平均一次粒径や粒子の形状係数)等を調整することによって可能である。
上記平均帯電量は、所定重量の粒子の電気泳動電流を測定することによって計測することが出来る。測定した電荷量と粒子の重量から粒子1個当りの電荷量を算出した。なお、粒子を真球形状で均一な径を持つものと仮定して計算した。
拘束力としての磁気量の調整は、粒子に磁性を付与する各種の方法を用いることで実現することができる。
例えば、従来の電子写真の磁性トナーのように、粉末状のマグネタイト等の磁性体を樹脂に混合して粒子を作成したり、磁性体とモノマーを分散し、重合して粒子を作成したりすることができる。また、多孔質粒子の細孔に磁性体を沈着させて作成する。あるいは、磁性体を被覆する方法も知られている。例えば、磁性体表面に設けた活性点から重合させて磁性体を樹脂でコーティングした粒子を作成したり、磁性体表面に溶解させた樹脂を沈着させて磁性体を樹脂でくるんだ粒子を作成したりする。磁性体として軽くて透明な、あるいは着色した有機磁性体も使用可能である。粒子の磁気量の調整は、使用する磁性体の種類と量を調整することによって可能である。
上記磁気量(磁化の強さ)は、東映工業社製、商品名振動試料形磁力計を用いて、1kOeの外部磁場の条件で測定した結果から、粒子1個あたりの磁気量を求めることにより測定することができる。
拘束力としての粒子間の弱い相互力による、分散媒50に対する粒子の流動抵抗の調整は、粒子表面を、長鎖アルキル基を含む化合物で改質し、この長鎖アルキル基の炭素数や長鎖アルキル基を含む化合物の表面改質量を粒子群34の種類毎に変えることによって、流動抵抗を粒子群34の種類毎に調整することができる。
この長鎖アルキル基を含む化合物としては、具体的には、オクタデシルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、ドコシルメチルジクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、メチルオクタデシルジクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、等のクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン等を用いることができ、中でもオクタデシルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、ドデシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランを用いることが、分散媒がシリコーンオイルの場合にシリコーンオイルを取り込んだネットワークを形成しやすいので望ましい。
また、粒子表面の分散媒50に対する流動抵抗の調整は、分散媒50中で粒子表面を低分子ゲル化剤で被覆し、この低分子ゲル化剤の被覆量や種類を粒子群34毎に変えることによっても調整することができ、この方法によれば、粒子表面の低分子ゲル化剤同士が形成するネットワーク(会合体)による流動抵抗を粒子群34毎に調整することができる。
この低分子ゲル化剤としては、具体的には、ジベンジリデン−D−ソルビトール、12−ヒドロキシステアリン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ビス−n−ブチルアミド、スピンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体、ジアルキルリン酸アルミニウム、L−イソロイシン誘導体、L−バリン誘導体、L−リシン誘導体、環状ジペプチド型誘導体、シクロヘキサンジアミン誘導体、ジベンゾイル尿素誘導体、含フッ素ジエステル化合物、長鎖アルキル変性シリコーン、カルボン酸多価金属塩変性オルガノシロキサン等を用いることができ、中でもL−イソロイシン誘導体、L−バリン誘導体を用いることが分散媒としてシリコーンオイルを用いた場合にシリコーンオイルを取り込んだネットワークを形成しやすいので望ましい。
流動抵抗は、表面基板20と背面基板22との基板間に電界が付与されて、例えば背面基板22の表面上と基板の周辺に粒子が集積されたのち、反対方向の表面基板側へ電界が付与されて、粒子が移動開始する時の電圧を計測することにより測定することができる。この測定は粒子と背面基板22との付着力が小さな条件下で測定する。
なお、該「小さな条件下」とは、具体的には、低表面エネルギーな基板表面の条件下であることを示す。
拘束力としての体積平均一次粒子径の調整は、粒子を作成する際に行う。粒子を重合法にて作成する場合は分散剤等の量や分散条件、加熱条件等、また、粒子を混練粉砕分級して作成する場合は分級条件等、また、粒子の構成材料をボールミル粉砕して作成する場合はボールミルに用いられる鋼球のサイズ、回転時間、回転速度等、を調整することによって可能である。上記に限られるわけではない。
拘束力としての形状係数SF1の調整は、例えば、特開平10−10775公報記載の溶媒にポリマーを溶解し、着色剤を混合し、無機分散剤の存在下で水系媒体中に分散し粒子化させる、所謂、懸濁重合法において、モノマーと相溶性のある重合性のない有機溶媒を添加し、懸濁重合をおこない、粒子を作製、取り出し、乾燥させる工程で、有機溶媒を除去させる乾燥方法を選択する方法が好適に挙げられる。この乾燥方法としては凍結乾燥法が好適に挙げられ、この凍結乾燥法においては、−10℃から−200℃、さらには−30℃から−180℃の範囲で行うことが好ましい。また、凍結乾燥法は、圧力40Pa以下程度で行うが、特に13Pa以下で行うことが好ましい。また、特開2000−292971公報記載の小粒子を凝集させ、合一させ、所望の粒子径に増大させる方法等でも粒子形状を制御させるができる。
また、上記のように、平均帯電量、各粒子表面の分散媒に対する流動抵抗、平均磁気量(磁化の強さ)、粒子の粒径、及び粒子の形状係数SF1を調整する以外の、拘束力及び静電力を調整する方法として、表面基板20及び背面基板22の表面層42及び表面層48の平均表面粗さを調整することで、拘束力及び移動力を調整することも可能である。
表面基板20及び背面基板22の表面層42及び表面層48の平均表面粗さの調整は、機械的な方法や化学的な方法を用いることができる。機械的な方法としては、例えば、サンドブラスト法、エンボス法、型押し法、型剥離法、型転写法などがある。また、化学的な方法としては、光照射法、乾燥速度が異なる混合溶媒による混合溶媒乾燥法などがある。また、基板表面の表面粗さを調整する方法としては、例えば、フッ素系樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子などの粒子を混合分散した樹脂を塗布する方法がある。平均表面粗さは上記方法で調整することによって可能である。
この平均表面粗さとしては、十点平均表面粗さRzを用い、この十点平均表面粗さは、JIS B 0601に記載の測定方法で測定することができる。一般的には、市販の触針式表面平滑度測定器を用いて容易に測定することができる。
また、粒子群34は、分散媒50中を移動するので、分散媒50の粘度が所定値以上であると、分散媒の粘性抵抗の寄与が粒子移動に対して大きくなり、所望の電界に対する粒子移動の閾値範囲がとれなくなることから、分散媒50の粘度についても、調整することが必要である。
分散媒50の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s〜20mPa・sであることが粒子の移動速度、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s〜5mPa・sであることが好ましく、0.1mPa・s〜2mPa・sであることが更に好ましい。
分散媒50の粘度を0.1mPa・s〜20mPa・sの範囲とすることにより、分散媒50中に分散されている粒子群34と、表面基板20または背面基板22との付着力や流動抵抗や電気泳動時間のばらつきを抑制することができる。
分散媒50の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって可能である。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いることができる。
この粒子群34の各粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
また、粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げることができる。
粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが好ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが好ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の一次粒子は、一般的には5〜100nmであり、10〜50nmであることがより良いが、これに限定されない。
外添剤と粒子の配合比は粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100重量部に対して、0.01〜3重量部、また0.05〜1重量部であることがより良い。
外添剤は、複数種類の粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種または全種類の粒子へ添加してもよい。全粒子の表面に外添剤を添加する場合は、粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
本実施の形態では、1つのセル内に封入されている粒子群34を構成する各粒子の色及び閾値電圧は所定の値に予め調整されているものとする。このため、上述した粒子を構成する材料を選択することで、所望の閾値電圧及び色を有し、且つ各種類間で閾値電圧の異なる複数種類の粒子群34を調整することができる。
例えば、拘束力が一定で、静電力を種類間で異ならせることで、互いに移動力の異なる粒子群34A、粒子群34B、粒子群34Cを調整した場合には、図4に示すように、基板間に印加する電圧と、粒子に作用する力としての静電力(単位:N(ニュートン))との関係は、各々線図61(粒子群34A)、線図62(粒子群34B)、線図63(粒子群34C)によって示される。
このとき、拘束力(単位:N(ニュートン))が線図64に示されるように一定であることから、この線図64と線図62との交点に対応する印加電圧の電圧値Vt1が粒子群34Aの閾値電圧に相当する。また、線図64と線図62との交点に対応する印加電圧の電圧値Vt2が粒子群34Bの閾値電圧に相当し、線図64と線図63との交点に対応する印加電圧の電圧値Vt3が粒子群34Cの閾値電圧に相当する。
上記の各粒子群34を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料および帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用できる。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作成してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤および/または着色剤の分解点より低い温度で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤および分散媒の原材料を分散および混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作成することができる。
さらにまた、分散および混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を好ましい温度範囲、例えば80〜160℃で分散および混練する方法が使用できる。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が好ましく用いられる。この方法によって粒子を作成するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中および冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断および/または、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表面基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、画像表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くすることができる。一般的には、0.01〜50質量%である。
画像表示媒体12における上記セルの大きさとしては、画像表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示可能な画像表示媒体12を作製することができ、通常、画像表示媒体12の表面基板20の板面方向の長さが10μm〜1mm程度である。
上記表面基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用することができる。
このように構成される画像表示媒体12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用することができる。
上記に示したように、本発明の実施の形態に係る表示装置13は、書込装置10と、画像表示媒体12と、を含んで構成されている。書込装置10は、画像表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、記憶部14と、取得部15と、を含んで構成されている(図1参照)。
なお、表示装置13が本発明の表示装置に相当し、画像表示媒体12が本発明の書込装置の画像表示媒体に相当し、書込装置10が本発明の書込装置に相当し、電圧印加部16が、本発明の書込装置の電圧印加手段に相当する。また、制御部18が、本発明の書込装置の制御手段に相当し、取得部15が、本発明の書込装置の取得手段に相当し、記憶部14が、本発明の書込装置の記憶手段に相当する。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16、記憶部14、及び取得部15は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラムや後述する図3に示す処理ルーチンによって示されるプログラムを含む各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。取得部15は、書込装置10の装置外部から画像表示媒体12に表示する画像の色(以下、表示色と称する場合がある)の表示色情報と、表示する画像の濃度を示す濃度情報と、を含む表示画像情報を取得する。
なお、上記画像の色及び表示色とは、色相に相当し、上記画像の濃度とは、上記説明した表示濃度に相当する。
取得部15の一例には、有線通信網や無線通信網に接続するための接続ポートが挙げられる。また、取得部15は、操作者の操作指示を受け付ける操作パネルであってもよく、この場合には、この操作パネルとしての取得部15の表示画像情報指示のための操作指示が操作者によってなされることによって、取得部15は表示画像情報を取得するようにすればよい。
記憶部14は、対応テーブル14A等の各種テーブルや、初期電圧情報や、各種データ等を予め記憶すると共に、各種データを記憶する。
初期電圧情報は、画像表示媒体12へ画像を表示する前の初期動作として、黒または白等の色を表示するときに表面基板20と背面基板22との基板間に印加する電圧の電圧値情報、この電圧の極性を示す極性情報、電圧印加時間を示す電圧印加時間情報を含んでいる。
この初期電圧情報の電圧は、本実施の形態では、セル内の粒子群34の全てを背面基板22側に移動させるために、セル内の複数種類の粒子群34の閾値電圧の中の最も大きい閾値電圧以上の電圧が定められている。
極性情報は、正極を示す正極情報または負極を示す負極情報であって、本実施の形態では、極性情報が正極情報である場合には、表面電極40側を正極とし背面電極46側を負極とすることを示し、極性情報が負極情報である場合には、表面電極40側を負極とし背面電極46側を正極とすることを示しているが、反対の設定であってもよい。
対応テーブル14Aは、図5に示すように、本実施の形態では、表示する画像の表示色を示す表示色情報と、表示する画像の濃度を示す濃度情報と、駆動電圧を示す駆動電圧情報と、駆動電圧の印加時間を示す印加時間情報と、を対応づけて記憶したテーブルである。
対応テーブル14Aに記憶されている表示色情報とは、画像表示媒体12に表示する対象となる画像の色を示す情報である。濃度情報とは、画像表示媒体12に表示する対象となる画像の濃度を示す情報である。
駆動電圧情報とは、画像表示媒体12内の各種類の粒子群34に対応する駆動電圧を示す情報である。この駆動電圧は、図2及び図3を用いて説明したように、各粒子群34の閾値電圧以上の電圧であり、且つ各々の粒子群34の閾値電圧以上の閾値電圧を有する他の粒子群34の内の最も閾値電圧の小さい粒子群34の閾値電圧未満の電圧であって、対応する色情報の色で且つ対応する濃度情報の濃度の画像を表示するために表面電極40及び背面電極46に印加する電圧の電圧値を示す情報である。
印加時間情報とは、対応する色情報の色及び濃度情報の濃度の画像を表示するために表面電極40及び背面電極46に印加する駆動電圧の印加時間を示す情報である。
対応テーブル14Aとしては、画像表示媒体12に、黒色の粒子群34であって、互いに駆動電圧の異なる3種類の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cが各セル内に封入されている場合には、例えば、図5に示す対応テーブル14Aが予め記憶部14に記憶されている。
図5に示す例では、対応テーブル14Aは、例えば、9個の項目「表示色」、「粒子種類」、「粒子色」、「濃度」、「駆動電圧」、「高画質濃度」、及び「電圧印加時間」から構成されている。
「表示色」の項目には、画像表示媒体12に表示する対象となる色を示す情報が格納されており、本実施の形態では、黒色を示すブラック情報が予め格納されている。
「粒子種類」の項目には、3種類の粒子群34の粒子群の種類を示す粒子種類情報が格納されており、粒子群34Aを識別するための識別情報としての「K1」、粒子群34Bを識別するための識別情報としての「K2」、及び粒子群34Cを識別するための識別情報としての「K3」を示す情報の何れかが格納されている。
「粒子色」の項目には、上記粒子種類情報に対応する各粒子群34の色を示す情報が格納されている。本実施の形態では、粒子の色は黒色であるため、黒色を示す情報「K」が予め格納されている。
「濃度」の項目には、上記粒子種類情報に対応する種類の粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C)各々が画像表示媒体12中を移動することによって表現可能な濃度値の範囲が示されている。ここでいう濃度とは、上記説明したように、表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定した濃度である。
本実施の形態では、粒子種類「K1」の粒子群34Aの移動により表現可能な濃度範囲として濃度値Aから濃度値Bの範囲を示す「A〜B」を示す情報が、対応する粒子種類情報「K1」に対応づけて格納されている。また、粒子種類「K2」の粒子群34Bの移動により表現可能な濃度範囲として濃度値Cから濃度値Dの範囲を示す「C〜D」を示す情報が、対応する粒子種類情報「K2」に対応づけて格納されている。また、粒子種類「K3」の粒子群34Cの移動により表現可能な濃度範囲として濃度Eから濃度Fの範囲を示す「E〜F」を示す情報が、対応する粒子種類情報「K3」に対応づけて格納されている。
なお、本実施の形態では、濃度「A〜B」「C〜D」「E〜F」の順に濃度を示す濃度範囲の値が高くなるように濃度範囲が定められているとして説明する。
「駆動電圧」の項目には、上記粒子種類情報の各粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C)の駆動電圧が、対応する粒子群34の粒子種類情報に対応づけて格納されている。本実施の形態では、粒子群34Aの閾値電圧Vt1以上で且つ粒子群34Bの閾値電圧Vt2未満の電圧値の駆動電圧「Vd1」が粒子種類情報「K1」に対応づけて格納されている。また、粒子群34Bの閾値電圧Vt2以上で且つ粒子群34Cの閾値電圧Vt3未満の電圧値の駆動電圧「Vd2」が粒子種類情報「K2」に対応づけて格納されている。また、粒子群34Cの閾値電圧Vt3以上の電圧値の駆動電圧「Vd3」が粒子種類情報「K3」に対応づけて格納されている(図2参照)。
なお、上述のように、この駆動電圧は、Vd1<Vd2<Vd3の関係を有するものとして説明する。
「高画質濃度」の項目には、「濃度」の項目に示される濃度範囲内を複数に分割した濃度範囲を示す濃度情報が格納されている。この濃度範囲を示す情報は、対応する粒子種類の粒子群が、基板間を移動することにより表現可能な濃度範囲を示しており、後述する電圧印加時間によって調整可能な濃度範囲を示している。
本実施の形態では、濃度「A〜B」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「A〜B」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。なお、濃度「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」は、濃度範囲「A〜B」の範囲内で且つこの「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
また、濃度「C〜D」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「C〜D」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。
なお、濃度「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」は、濃度範囲「C〜D」の範囲内で且つこの「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
また、濃度「E〜F」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「E〜F」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。
なお、濃度「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」は、濃度範囲「E〜F」の範囲内で且つこの「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
なお、本実施の形態では、「濃度」の項目に示される濃度情報に対応する「高画質濃度」の濃度情報として、3種類の濃度情報が対応づけられている場合を説明するが、3種類に限られるものではない。
「電圧印加時間」の項目には、対応する駆動電圧の印加時間を示す情報が格納されている。この電圧印加時間が調整されることにより、対応する駆動電圧、例えば駆動電圧Vd1が印加されたときに、この駆動電圧Vd1に対応する濃度範囲「A〜B」の範囲内で、更に表示濃度を上記高画質濃度項目に示される濃度範囲内となるように数段階に調整することができる。
本実施の形態では、「電圧印加時間」の電圧印加時間情報として、時間T1、時間T2、及び時間T3を示す情報が各高画質濃度項目に対応して格納されている。なお、本実施の形態では、各粒子種類情報に対応する電圧印加時間情報として、3種類の時間情報が格納されている場合を説明するが、3種類に限られるものではない。また、本実施の形態では、各粒子種類情報間の3種類の電圧印加時間情報が格納されている場合を説明するが、異なる値及び異なる種類数であってもよい。
これらの表示色情報、粒子種類情報、粒子色情報、濃度情報、駆動電圧情報、高画質濃度情報、及び電圧印加時間情報は、画像表示処理前に予め測定して、対応テーブル14Aに予め記憶するようにすればよい。
次に、書込装置10の作用を、図6を用いて説明する。
なお、図6は、画像表示媒体12に所定色の画像を表示するときに、制御部18によって実行される処理プログラムの流れを示すフローチャートであり、このプログラムは、制御部18の図示を省略するROMの所定の領域に予め記憶されて、制御部18内の図示を省略するCPUから読み出されることで実行される。
また、画像表示媒体12に封入されている各粒子群34は、上述のように、3種類の粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cにより構成され、図2に示す閾値特性を有し、図5に示す対応テーブル14Aに格納された情報に基づいて特定の表示色及び表示濃度を表現可能であり、負極に帯電しており、且つ各粒子群34は黒色に着色されている場合を説明する。また、大径粒子群39は、白色に着色されている場合を説明する、
すなわち、本実施の形態では、画像表示媒体12は、各粒子群34の移動によって黒色または白色を表示する場合を説明する。
ステップ100では、取得部15から表示画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されると、ステップ102へ進む。
ステップ102では、まず、初期動作として、記憶部14から初期電圧情報を読み取り、次のステップ104において、読み取った初期電圧情報に含まれる電圧値情報の電圧を、電圧印加時間情報の電圧印加時間、極性情報の極性すなわち表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す初期動作信号を、電圧印加部16へ出力する。
本実施の形態では、初期電圧情報として、粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cの内最も閾値電圧の高い粒子群43Cの閾値電圧Vt3以上の電圧である駆動電圧Vd3以上の電圧を示す情報が定められているものとする。
初期動作信号を受け付けた電圧印加部16は、表面電極40と背面電極46との電極間に、初期動作信号に含まれる電圧値情報の電圧を、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として該電圧印加時間継続して印加する。
ステップ104の処理によって、基板間に電圧が印加されると、負極に帯電している粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cを構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に到る(図7(A)参照)。
このとき、表面基板20側から視認される画像表示媒体12の色は、白色の大径粒子群39の色としての白色として視認される。
次のステップ106では、上記ステップ100で取得した表示画像情報に含まれる表示色情報及び濃度情報に対応する駆動電圧の駆動電圧情報及び電圧印加時間の電圧印加時間情報を、対応テーブル14Aから読み取る。
例えば、上記ステップ100で取得した表示画像情報に、表示色情報としてブラック情報が含まれ、濃度情報として濃度範囲A〜Bの範囲内に相当する濃度情報であって、且つ濃度範囲Aa〜Acの範囲内に相当する濃度情報が含まれている場合には、ステップ108の処理によって、図5に示す対応テーブル14Aから、濃度「A〜B」及び高画質濃度「Aa〜Ac」に対応する駆動電圧「Vd1」及び電圧印加時間「T1」を読み取る。
次のステップ110では、上記ステップ108で読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を、電圧印加時間情報の電圧印加時間、表面電極40が正極となり背面電極46が負極となるように印加することを示す電圧印加信号を、電圧印加部16へ出力する。なお、この電圧印加信号としては、該電圧印加時間、該電圧、及び該極性を示すように、パルス幅及び電位を調整したパルス信号を用いても良い。
電圧印加信号を受け付けた電圧印加部16は、電圧印加信号に含まれる表面電極40を負極とし背面電極46を正極とする情報に基づいて表面電極40を負極とし背面電極46を正極として、電圧印加信号に含まれる駆動電圧情報の駆動電圧を、印加時間情報の印加時間継続して印加した後に、本ルーチンを終了する。
例えば、電圧印加部16に、駆動電圧「Vd1」及び電圧印加時間「T1」を示す情報と、表面電極40を負極とし背面電極46を正極とする情報とが含まれていた場合には、電圧印加部16は、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として、電圧値Vd1の駆動電圧を、時間T1時間継続して印加する。
この電圧の印加によって、図7に示すように、ステップ104の処理によって全粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34C)が背面基板22側に存在する状態から(図7(A)に示す白色表示状態)、図7(B)に示すように、印加した駆動電圧Vd1以下の閾値電圧を有する粒子種類K1の粒子群34Aの粒子だけが、印加時間に応じた量、表面基板20側に移動する。
また、ステップ100において、濃度「Ca〜Cc」を示す濃度情報及び色「黒」を示す色情報を含む表示画像情報を取得した場合には、上記ステップ100からステップ110の処理が実行されることによって、電圧印加部16から基板間に、濃度「Ca〜Cc」を示す濃度情報に対応する駆動電圧Vd2の電圧が時間T1の電圧時間印加されると、図7(A)に示す背面基板22側に存在する粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cの内の、電圧値Vd2以下の閾値電圧を有する粒子群34A及び粒子群34Bが、印加時間に応じた量だけ分散媒50中を表面基板20側に移動する(図7(C)参照)。
また、ステップ100において、濃度「Eg〜Ei」を示す濃度情報及び色「黒」を示す色情報を含む表示画像情報を取得した場合には、上記ステップ100からステップ110の処理が実行されることによって、電圧印加部16から基板間に、濃度「Eg〜Ei」を示す濃度情報に対応する駆動電圧Vd3の電圧が時間T3の電圧時間印加されると、図7(C)に示す背面基板22側に存在する粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cの内の、電圧値Vd3以下の閾値電圧を有する粒子群34A、粒子群34B、及び粒子群34Cが、印加時間に応じた量だけ分散媒50中を表面基板20側に移動する(図7(D)参照)。
このため、基板間に印加する電圧に応じて、基板間に存在する互いに閾値電圧の異なり且つ同色の複数種類の粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C)の内の、印加した電圧以下の閾値電圧を有する種類の粒子群34の1または複数種を選択的に移動させることができる。このため、表示対象となる色及び濃度に応じて、表面基板20側または背面基板22側に移動させる同色の粒子の量を調整することができ、表示濃度を調整ことができる。
また、駆動電圧の印加時間を調整することで、同じ閾値電圧を有する粒子群34を構成する複数の粒子について、移動する粒子の量、すなわち、表面基板20側または背面基板側22に到達する粒子の量を調整することができ、各種類毎の粒子群34の移動による濃度調整に加えて、さらなる繊細な濃度調整が可能となり、本構成を用いない場合に比べて高い階調表現が可能となる。
なお、上記実施の形態では、各セル内に封入されている複数種の粒子群34として、種類間で互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群34であって且つ種類間で同色(黒色)の粒子群34が封入されている場合を説明し、且つ各種類毎に3種類の印加時間を用いたので、黒色の濃淡を3×3の9階調表現可能であるが、各セル内に封入されている複数種の粒子群34の種類をさらに多種類(4種類以上)とすれば、さらなる高階調表現を行うことができる。また、印加時間の種類を更に細かく設定することで、さらなる高階調表現を行うことができる。
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、画像表示媒体12の各セル内に同色で且つ種類間で互いに閾値電圧の異なる複数種類の粒子群34(粒子群34A、粒子群34B、粒子群34C)からなる第1の群が封入されている場合を説明したが、本実施の形態では、特定の色を有する該第1の群と共に、該色とは異なる色であって、且つ互いに閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第2の群を1または複数備えた場合を説明する。
図8に示すように、本実施の形態の表示装置73は、書込装置70と、画像表示媒体72と、を含んで構成されている。書込装置70は、電圧印加部16と、制御部19と、記憶部21と、取得部15と、を含んで構成されている。電圧印加部16と、記憶部21と、取得部15と、は、制御部19に信号授受可能に接続されている。制御部19は、制御部18と同じように、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータとして構成されており、図示を省略するROMに後述する図13に示す処理ルーチンによって示されるプログラムが予め記憶されている。
なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同じ構成には同じ符号を付与し、その説明は省略する。
画像表示媒体72は、画像表示面とされる表面基板20、表面基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表面基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群35、及び各セル内に大径粒子群39を含んで構成されている。
粒子群35は、同色であって互いに閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる同色粒子群(本発明の画像表示媒体の第1の群に相当する)と、この同色粒子群とは異なる色であって互いに閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる同色粒子群(本発明の画像表示媒体の第2の群に相当する)と、から構成されている。
本実施の形態では、粒子群35は、イエロー色のイエロー粒子群35Y、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M、及びシアン色のシアン粒子群35Cの3種類の同色粒子群から構成されているとして説明する。
なお、本実施の形態では、粒子群35は、3種類、すなわち3色の同色粒子群から構成されている場合を説明するが、この同色粒子群の種類は、2種類すなわち2色、または4種類以上すなわち4色以上であってもよい。
また、本実施の形態では、各色のイエロー粒子群35Y、マゼンタ粒子群35M、及びシアン粒子群35C各々は、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群から構成されているとして説明する。
具体的には、本実施の形態では、イエロー色のイエロー粒子群35Yは、互いに閾値電圧の異なるイエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3からなり、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mは、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3からなり、シアン色のシアン粒子群35Cは、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3から構成される場合を説明する。
なお、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3各々が、本発明の画像表示媒体の同色粒子群に相当する。
なお、本実施の形態では、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3を総称する場合には、単に“粒子群”と称して説明する。
また、本実施の形態では、イエロー粒子群35Y、マゼンタ粒子群35M、及びシアン粒子群35Cを総称する場合には、単に“同色粒子群”と称して説明する。
また、これらの粒子群の全て、すなわち画像表示媒体12の各セル内に封入されている粒子群を総称する場合には、“粒子群35”と称して説明する。
また、画像表示媒体12で用いる複数種類の同色粒子群(イエロー粒子群35Y、マゼンタ粒子群35M、及びシアン粒子群35C)の閾値電圧は、シアン粒子群35C、マゼンタ粒子群35M、イエロー粒子群35Yの順に大きい値となるように予め調整されているとして説明する。
また、各同色粒子群に属する複数の粒子群の閾値電圧は、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、の順に大きい値となるように予め調整されているとして説明する。
同様に、画像表示媒体12で用いる複数種類の同色粒子群(イエロー粒子群35Y、マゼンタ粒子群35M、及びシアン粒子群35C)の駆動電圧は、シアン粒子群35C、マゼンタ粒子群35M、イエロー粒子群35Yの順に大きい値となるように予め調整されているとして説明する。
また、各同色粒子群に属する複数の粒子群の駆動電圧は、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、の順に大きい値となるように予め調整されているとして説明する。
下記では、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3の閾値電圧は、各々、Vtc1、Vtc2、Vtc3、Vtm1、Vtm2、Vtm3、Vty1、Vty2、Vty3であり、その値の関係は順に大きく、すなわち、Vtc1<Vtc2<Vtc3<Vtm1<Vtm2<Vtm3<Vty1<Vty2<Vty3であるものとして説明する(図9参照)。
また、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3の駆動電圧は、各々、Vdc1、Vdc2、Vdc3、Vdm1、Vdm2、Vdm3、Vdy1、Vdy2、Vdy3であるとして説明する。
また、これらの駆動電圧と閾値電圧との電圧値の関係は、図9に示すように、Vtc1<Vdc1<Vtc2<Vdc2<Vtc3<Vdc3<Vtm1<Vdm1<Vtm2<Vdm2<Vtm3<Vdm3<Vty1<Vdy1<Vty2<Vdy2<Vty3<Vdy3の関係であるものとして説明する。
本実施の形態では、図9に示すように、表面基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に電圧値を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vtc1の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72ではシアン粒子群35C1の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて基板間に印加される電圧が電圧値Vdc1の駆動電圧となると、画像表示媒体72ではシアン粒子群35C1の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を除々に上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vtc2の閾値電圧を超えると、シアン粒子群35C2の基板間の移動により濃度変化が現れ始める。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdc2の駆動電圧となると、画像表示媒体72ではシアン粒子群35C2の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧を上昇させて基板間に印加される電圧が電圧値Vtc3の閾値電圧を超えると、シアン粒子群35C3の基板間の移動による濃度変化が生じ始める。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdc3の駆動電圧となると、画像表示媒体72においてシアン粒子群35C3の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vtm1の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72ではマゼンタ粒子群35M1の移動による濃度変化が生じ始める。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdm1の駆動電圧となると、画像表示媒体72においてマゼンタ粒子群35M1の移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vtm2の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72では、マゼンタ粒子群35M2の基板間の移動による表示濃度の変化が生じはじめる。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdm2の駆動電圧となると、画像表示媒体72ではマゼンタ粒子群35M2の移動による濃度変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vtm3の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72では、マゼンタ粒子群35M3の基板間の移動による表示濃度変化が生じはじめる。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdm3の駆動電圧となると、画像表示媒体72では、マゼンタ粒子群35M3の移動による濃度変化が止まる。
さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧がVty1の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72では、イエロー粒子群35Y1の基板間の移動による表示濃度の変化が生じはじめる。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vdy1の駆動電圧となると、画像表示媒体72ではイエロー粒子群35Y1の移動による濃度変化が止まる。
さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vty2の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72では、イエロー粒子群35Y2の基板間の移動による表示濃度の変化が生じはじめる。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加された電圧が電圧値Vdy2の駆動電圧となると、画像表示媒体72ではイエロー粒子群35Y2の移動による表示濃度の濃度変化が止まる。
さらに電圧を上昇させて、基板間に印加される電圧が電圧値Vty3の閾値電圧を超えると、画像表示媒体72では、イエロー粒子群35Y3の基板間の移動による表示濃度の変化が生じはじめる。さらに電圧を上昇させて、基板間に印加された電圧が電圧値Vdy3の駆動電圧となると、画像表示媒体72では、イエロー粒子群35Y3の移動による表示濃度の変化が止まる。
また、表面基板20と背面基板22との基板間に、上記電圧値(Vtc1、Vdc1、Vtc2、Vdc2、Vtc3、Vdc3、Vtm1、Vdm1、Vtm1、Vdm1、Vtm2、Vdm2、Vty1、Vdy1、Vty2、Vdy2、Vty3、Vdy3)の極性を反転させた負極性の電圧を、0Vから除々にマイナス極側に上昇させて印加したときについても同様に、各電圧が印加されたときに絶対値が同一で且つ正極の電圧が印加されたときの表示濃度変化に起因する種類の粒子群が、濃度変化が生じる程度に基板間を移動する。
なお、上記「表示濃度の変化が生じる程度の濃度変化」や「閾値電圧」や「駆動電圧」等の定義については、第1の実施の形態で説明したため説明を省略する。
すなわち、本実施の形態では、画像表示媒体72内の複数の粒子群35の内の特定の種類の粒子群35の閾値電圧の電圧を基板間に印加すると、該閾値電圧以下の電圧値を閾値電圧とする種類の粒子群が基板間を移動する。そして、該特定の種類の粒子群35の駆動電圧の電圧を基板間に印加すると、該駆動電圧印加の電圧値を閾値電圧とする種類の粒子群の移動によって呈示可能な最大または最小の濃度を呈示することができる。
このように、画像表示媒体72の各セル内には、互いに色及び閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群が封入されており、且つ各色の同色粒子群は、互いに閾値電圧の異なる複数種類の粒子群から構成されている。
なお、これらの同色粒子群各々に属する複数の粒子群の閾値電圧は、色間で閾値電圧の範囲が重ならないように定められている。このため、閾値電圧を調整することで、詳細を後述する画像表示媒体72への画像表示時に、色毎の階調表現が可能となる。
この粒子群35を構成する粒子としては、第1の実施の形態で説明した粒子群34を構成する材料として挙げた材料を用いることによって構成し、且つ粒子群34で用いた方法で製造することができる。
粒子群35の閾値電圧を、粒子群間で互いに異なる値となるように調整する方法としては、第1の実施の形態で説明した調整方法を用いて、粒子群の種類毎に閾値電圧が異なるように、第1の実施の形態で説明した方法を用いて、静電力と拘束力とを調整すればよい。
ここで、図10を参照して、画像表示媒体72に色表示するときの粒子移動のメカニズムを説明する。図10では、互いに色の異なる各同色粒子群毎に、粒子を移動させる場合を説明する。
なお、図10の例では、説明を簡略化するために、画像表示媒体72の各セル内には、閾値電圧がVtc3であり駆動電圧がVdc3であるシアン色のシアン粒子群35C、このシアン粒子群35Cより閾値電圧の大きいマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M(閾値電圧Vtm3、駆動電圧Vdm3)、このマゼンタ粒子群35Mより閾値電圧の大きいイエロー色のイエロー粒子群35Y(閾値電圧Vty3、駆動電圧Vdy3)の粒子群35が封入されている場合を説明する。
また、上記説明したように、粒子群35を構成する粒子は、全て負極に帯電されており、電圧値は、Vtc3、Vdc3、Vtm3、Vdm3、Vty3、及びVdy3の順に大きい値(Vtc3<Vdc3<Vtm3<Vdm3<Vty3<Vdy3)であるとして説明する(図9参照)。
図10(A)に示すように、初期状態ではマゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Yが背面基板22側に位置されているとすると、この初期状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に正極性の駆動電圧Vdy3が印加されると、この駆動電圧Vdy3以下の閾値電圧を有する粒子群であるマゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Yが表面基板20側に移動する。この状態で、印加電圧をゼロにしても、各粒子群各々は表面基板20側に付着したまま移動せずに、マゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Yによる減色混合(マゼンタ色と、シアン色と、イエロー色の減色混合)によりブラック色を表示したままの状態となる(図10(B)参照)。
次に、図10(B)の黒色表示状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に、負極性の駆動電圧Vdm3(−Vdm3)の電圧が印加されると、全粒子群35の内、駆動電圧Vdm3以下の閾値電圧を有するマゼンタ粒子群35M及びシアン粒子群35Cが背面基板22側に移動する。このため、表面基板20側にはイエロー粒子群35Yだけが付着した状態となり、画像表示媒体72にはイエロー色(黄色)が表示される(図10(C)参照)。
さらに、図10(C)の状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に正極性の駆動電圧Vdc3が印加されると、背面基板22側に移動したマゼンタ粒子群35M及びシアン粒子群35Cの内、駆動電圧Vdc3以下の閾値電圧を有するシアン粒子群35Cのみが表面基板20側に移動する。このため、表面基板20側には、イエロー粒子群35Y及びシアン粒子群35Cが付着した状態となり、画像表示媒体72にはイエローとシアンとの減色混合によるグリーン色(緑色)が表示される(図10(D)参照)。
また、上記図10(B)の状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に負極性の駆動電圧Vdc3(−Vdc3)が印加されると、駆動電圧Vdc3以下の閾値電圧を有するシアン粒子群35Cのみが背面基板22側に移動する。このため、表面基板20側にはイエロー粒子群35Yとマゼンタ粒子群35Mが付着した状態となることから、画像表示媒体72は、シアンとマゼンタの減色混合によるレッド色(赤色)が表示される(図10(I)参照)。
一方、図10(A)に示す上記初期状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に正極の駆動電圧Vdm3が印加されると、全粒子群(マゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Y)の内、駆動電圧Vdm3以下の閾値電圧を有するマゼンタ粒子群35Mとシアン粒子群35Cとが表面基板20側に移動する。このため、表面基板20側には、マゼンタ粒子群35Mとシアン粒子群35Cとが付着するので、マゼンタとシアンの減色混合によるブルー色(青色)が表示される(図10(E)参照)。
この図10(E)の状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に負極の駆動電圧Vdc3(−Vdc3)が印加されると、表面基板20側に付着しているマゼンタ粒子群35Mとシアン粒子群35Cの内の、駆動電圧Vdc3以下の閾値電圧を有するシアン粒子群35Cだけが背面基板22側に移動する。
このため、表面基板20側には、マゼンタ粒子群35Mだけが付着した状態となるので、画像表示媒体72には、マゼンタ色が表示される(図10(F)参照)。
この図10(F)の状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に負極の駆動電圧Vdm3(−Vdm3)が印加されると、表面基板20側に存在している粒子群であり且つ駆動電圧Vdm3以下の閾値電圧を有するマゼンタ粒子群35Mが背面基板22側に移動する。
このため、表面基板20側には、何も付着しない状態となるため、大径粒子群39の色としての白色が表示される(図10(G)参照)。
また、上記図10(A)に示す上記初期状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に正極の駆動電圧Vdc3が印加されると、背面基板22側に存在する全粒子群35(マゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Y)の内、駆動電圧Vdc3以下の閾値電圧を有するシアン粒子群35Cが表面基板20側に移動する。このため、表面基板20側には、シアン粒子群35Cが付着するので、画像表示媒体72にはシアン色が表示される(図10(H)参照)。
さらに、上記図10(I)に示す状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に負極の駆動電圧Vdy3(−Vdy3)が印加されると、図10(G)に示すように、駆動電圧Vdy3以下の閾値電圧を有するマゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Yが背面基板22側に移動する。このため、画像表示媒体72には、大径粒子群39の色としての白色が表示される。
また、上記図10(D)に示す状態から、表面基板20と背面基板22との基板間に負極の駆動電圧Vdy3(−Vdy3)が印加されると、図10(G)に示すように全粒子群35が背面基板22側に移動して、大径粒子群39の色としての白色が表示される。
このように、画像表示媒体72の表面基板20と背面基板22との基板間の分散媒50中に、色及び閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群の粒子を封入して、各同色粒子群に応じた閾値電圧を印加することで、選択的に所望の色の同色粒子群に属する粒子を移動させて複数色を表示することができる。
ここで、本実施の形態では、図9を用いて上記説明したように、画像表示媒体72の各セル内の粒子群35は、同色であって互いに閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる同色粒子群と、この同色粒子群とは異なる色であって互いに閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる1または複数の同色粒子群と、から構成されている。
このため各色の同色粒子群毎に、移動対象となる粒子群を選択的に移動させることで、各色内における濃度表現が可能となる
本実施の形態では、画像表示媒体72の各セル内には、マゼンタ粒子群35M、シアン粒子群35C、及びイエロー粒子群35Yの3色の同色粒子群が封入されており、各各色の同色粒子群は互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群から構成されている場合を説明する。
具体的には、上記図9を用いて説明したように、マゼンタ粒子群35Mは、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3から構成され、シアン粒子群35Cは、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3から構成され、イエロー粒子群35Yは、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3の合計9種類の粒子群から構成されているものとして説明する。
記憶部21は、対応テーブル21A及び対応テーブル21B等の各種テーブルや、初期表示を行うときに基板間に印加する電圧の電圧値、極性、及び電圧印加時間を示す初期電圧情報や、各種データ等を予め記憶すると共に、各種データを記憶する。
対応テーブル21Aは、粒子群35の種類を識別する識別情報と、該粒子群35の種類に応じた閾値電圧の閾値電圧情報と、該閾値電圧を超える超過電圧情報と、該超過電圧の印加時間を示す印加時間情報と、極性情報と、を対応づけて記憶した領域である。
対応テーブル21Aは、図11に示すように、本実施の形態では、粒子群の種類(以下、粒子種類と称する)を示す粒子種類情報と、粒子の色を示す粒子色情報と、表示する画像の濃度を示す濃度情報と、駆動電圧を示す駆動電圧情報と、駆動電圧の印加時間を示す印加時間情報と、該濃度情報の濃度を所定の濃度範囲毎に分割した該濃度範囲を示す高画質濃度情報と、を対応づけて記憶したテーブルである。
本実施の形態では、対応テーブル21Aには、図9に示すように、9種類の粒子群として、シアン粒子群35C1(駆動電圧Vdc1)、シアン粒子群35C2(駆動電圧Vdc2)、シアン粒子群35C3(駆動電圧Vdc3)、マゼンタ粒子群35M1(駆動電圧Vdm1)、マゼンタ粒子群35M2(駆動電圧Vdm2)、マゼンタ粒子群35M3(駆動電圧Vdm3)、イエロー粒子群35Y1(駆動電圧Vdy1)、イエロー粒子群35Y2(駆動電圧Vdy2)、及びイエロー粒子群35Y3(駆動電圧Vdy3)を示す情報が格納されているものとして説明する。
なお、これらの粒子群の駆動電圧は、図9に示したように、駆動電圧Vdc1、駆動電圧Vdc2、駆動電圧Vdc3、駆動電圧Vdm1、駆動電圧Vm2、駆動電圧Vdm3、駆動電圧Vdy1、駆動電圧Vdy2、及び駆動電圧Vdy3の順に大きい値となるように予め調整されている。
また、画像表示媒体72に含まれる互いに閾値電圧の異なる複数種類の粒子群35各々の駆動電圧は、各々の粒子群35の閾値電圧以上であり、且つ各々の粒子群35の閾値電圧以上の閾値電圧を有する他の粒子群35の内の最も閾値電圧の小さい粒子群35の閾値電圧未満となるように設定されている。
図11に示す例では、対応テーブル21Aは、6個の項目「粒子種類」、「粒子色」、「濃度」、「駆動電圧」、「高画質濃度」、及び「電圧印加時間」から構成されている。
本実施の形態では、「粒子種類」の項目には、9種類の粒子群の粒子種類を示す粒子種類情報が格納されており、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3各々を示す粒子種類として、「C1」、「C2」、「C3」、「M1」、「M2」、「M3」、「Y1」、「Y2」、「Y3」を示す情報が格納されている。
「粒子色」の項目には、上記粒子種類情報に対応する各粒子群の色を示す情報が格納されている。
本実施の形態では、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3を示す粒子種類情報に対応して、シアン色を示す情報「C」が格納されている。
また、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3を示す粒子種類情報に対応して、マゼンタ色を示す情報「M」が格納されている。
また、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3を示す粒子種類情報に対応して、イエロー色を示す情報「Y」が格納されている。
「濃度」の項目には、上記粒子種類情報に対応する種類の粒子群各々が画像表示媒体12中を移動することによって表現可能な濃度値の範囲が示されている。ここでいう濃度とは、第1の実施の形態で説明したため説明を省略する。なお、特に説明の無い限り、本実施の形態の中で用いている言語の定義は、第1の実施の形態内で説明した定義と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、粒子種類「C1」のシアン粒子群35C1の移動により表現可能な濃度範囲として濃度値Aから濃度値Bの範囲を示す「A〜B」を示す情報が、対応する粒子種類情報「C1」に対応づけて格納されている。
同じように、粒子種類「C2」、及び「C3」各々に対応する濃度情報として、濃度情報「C〜D」、及び濃度情報「E〜F」を示す情報が対応づけられている。また、粒子種類「M1」、「M2」、及び「M3」各々に対応する濃度情報として、濃度情報「A〜B」、濃度情報「C〜D」、及び濃度情報「E〜F」を示す情報が対応づけられている。
また、粒子種類「Y1」、「Y2」、及び「Y3」各々に対応する濃度情報として、濃度情報「A〜B」、濃度情報「C〜D」、及び濃度情報「E〜F」を示す情報が対応づけられている。
なお、濃度情報「A〜B」、「C〜D」、「E〜F」の順に濃度を示す濃度範囲の値が高くなるように濃度範囲が定められているとする。
「駆動電圧」の項目には、各粒子群の粒子種類に対応する駆動電圧が格納されている。本実施の形態では、粒子種類情報「C1」、「C2」、「C3」、「M1」、「M2」、「M3」、「Y1」、「Y2」、及び「Y3」各々に対応づけて、駆動電圧「Vdc1」、「Vdc2」、「Vdc3」、「Vdm1」、「Vdm2」、「Vdm3」、「Vdy1」、「Vdy2」、及び「Vdy3」が各々対応づけられている。
「高画質濃度」の項目には、「濃度」の項目に示される濃度範囲内を複数に分割した濃度範囲を示す濃度情報が格納されている。本実施の形態では、濃度「A〜B」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「A〜B」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。なお、濃度「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」は、濃度範囲「A〜B」の範囲内で且つこの「Aa〜Ac」、「Ad〜Af」、「Ag〜Ai」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
また、濃度「C〜D」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「C〜D」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。
なお、濃度「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」は、濃度範囲「C〜D」の範囲内で且つこの「Ca〜Cc」、「Cd〜Cf」、「Cg〜Ci」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
また、濃度「E〜F」に対応する高画質濃度情報の項目として、この濃度「E〜F」の範囲内の濃度値を複数領域に分割した濃度範囲である、濃度「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」の値を示す3種類の濃度範囲が格納されている。
なお、濃度「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」は、濃度範囲「E〜F」の範囲内で且つこの「Ea〜Ec」、「Ed〜Ef」、「Eg〜Ei」の順に濃度を示す値が高くなるように濃度範囲が定められている。
なお、本実施の形態では、「濃度」の項目に示される濃度情報に対応する「高画質濃度」の濃度情報として、3種類の濃度情報が対応づけられている場合を説明するが、3種類に限られるものではない。
「電圧印加時間」の項目には、対応する駆動電圧の印加時間を示す情報が格納されている。例えば、この電圧印加時間が調整されることにより、対応する駆動電圧、例えば駆動電圧Vdc1が印加されたときに、この駆動電圧Vdc1に対応する濃度範囲「A〜B」の範囲内で、更に表示濃度を上記高画質濃度項目に示される特定の濃度範囲内となるように調整することができる。
本実施の形態では、「電圧印加時間」の電圧印加時間情報として、時間T1、時間T2、及び時間T3を示す情報が各高画質濃度項目に対応して格納されている。なお、本実施の形態では、各粒子種類情報に対応する電圧印加時間情報として、3種類の時間情報が格納されている場合を説明するが、3種類に限られるものではない。また、本実施の形態では、各粒子種類情報間で同じ値の3種類の電圧印加時間情報が格納されている場合を説明するが、異なる値及び異なる種類数であってもよい。
これらの粒子種類情報、粒子色情報、濃度情報、駆動電圧情報、高画質濃度情報、及び電圧印加時間情報は、画像表示処理前に予め測定して、対応テーブル21Aに予め記憶するようにすればよい。
対応テーブル21Bは、図12に示すように、画像表示媒体72に表示する画像の色を示す表示色情報と、順序情報と、粒子色情報と、極性情報と、を関連づけて記憶した領域である。
ここで、図10で説明したように、画像表示媒体72に色表示を行うときに、図10(A)に示す白色表示状態から、ブラック色表示、ブルー表示、シアン表示を行う場合には、一度の電圧印加によって表示色を変更することが可能であるが、例えば、図10(A)に示す白色表示状態から、図10(D)に示すグリーン色表示を行うためには、表示対象となる色としてのグリー色以外のブラック色表示(図10(B)参照)、及びイエロー色表示(図10(C)参照)を経由した後に、図10(D)に示すグリーン色表示を行うことができる。
このため、粒子色情報としては、表示する対象となる色を表示するために必要な粒子の色を示す情報や、表示する対象となる色を表示する前に表示する色を表示するために必要な粒子の色を示す情報が格納されている。
順序情報は、上記粒子色情報の色に対応する表示順序を示す情報である。
極性情報は、正極を示す正極情報または負極を示す負極情報であって、本実施の形態では、極性情報が正極情報である場合には、表面電極40側を正極とし背面電極46側を負極とすることを示し、極性情報が負極情報である場合には、表面電極40側を負極とし背面電極46側を正極とすることを示しているが、反対の設定であってもよい。
なお、粒子色情報の定義は、上記対応テーブル21Aにおいて説明したため、説明を省略する。
図12に示す例では、対応テーブル21Bは、4個の項目「表示色」、「順序」、「粒子色」、「極性」から構成されている。
本実施の形態では、「表示色」の項目には、粒子群の各色の組み合わせによって表現可能な色として、「ブラック」、「ブルー」、「シアン」、「マゼンタ」、「イエロー」、「レッド」、及び「グリーン」の7色を示す情報が格納されている。
「順序」を示す項目には、順序が最も早いことを示す「1」、「1」の次の順序を示す「2」、「2」の次の順序を示す「3」の情報が格納されている。
「粒子色」の項目には、対応する表示色を表現するために必要な粒子群の粒子の色を示す情報が格納されており、本実施の形態では、イエロー色を示す「Y」、マゼンタ色を示す「M」、シアン色を示す「C」の何れか1つまたは複数が順序情報に対応づけて格納されている。
「極性」の項目には、「正極」または「負極」を示す情報が格納されている。
次に、書込装置70の作用を、図13を用いて説明する。
なお、図13は、画像表示媒体72に所定色の画像を表示するときに、制御部19によって実行される処理プログラムの流れを示すフローチャートであり、このプログラムは、制御部19の図示を省略するROMの所定の領域に予め記憶されて、制御部19内の図示を省略するCPUから読み出されることで実行される。
また、画像表示媒体72の各セル内には、上記図9に示した閾値特性を有する9種類の粒子群が封入されているとし、記憶部21には、上記対応テーブル21A及び対応テーブル21Bが記憶されているとする。
ステップ200では、取得部15から表示画像情報を取得したか否かを判別し、否定されると本ルーチンを終了し、肯定されると、ステップ202へ進む。
ステップ202では、まず、初期動作として、記憶部21から初期電圧情報を読み取る。この初期電圧情報には、電圧情報、電圧印加時間情報、及び極性情報が含まれている。この電圧情報としては、画像表示媒体72中に格納されている9種類の粒子群の内の、最も駆動電圧の高い粒子群の駆動電圧の駆動電圧情報が定められており、本実施の形態では、駆動電圧Vdy3を示す情報が定められている。また、初期電圧情報に含まれる極性情報としては、負極情報が格納されている。また、初期電圧情報に含まれる電圧印加時間情報としては、この初期電圧情報に含まれる電圧情報の電圧を該極性情報に基づいて基板間に印加したときに、画像表示媒体72に含まれる9種類すべての粒子群が背面基板22側に移動するために必要な時間が予め定められている。
次のステップ204では、読み取った初期電圧情報に含まれる電圧値情報の電圧を、電圧印加時間情報の電圧印加時間、極性情報の極性すなわち表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す初期動作信号を、電圧印加部16へ出力する。
初期動作信号を受け付けた電圧印加部16は、表面電極40と背面電極46との電極間に、初期動作信号に含まれる電圧値情報の電圧を、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として該電圧印加時間継続して印加する。
ステップ204の処理によって、基板間に電圧が印加されると、負極に帯電している9種類の粒子群の全てが背面基板22側へと移動して、背面基板22に到る(図14(A)参照)。
このとき、表面基板20側から視認される画像表示媒体12の色は、分散媒50中の大径粒子群39の色としての白色として視認される。
次のステップ208では、上記ステップ200で取得した表示画像情報に含まれる表示色情報に対応する順序情報の順序の最大値を対応テーブル21Bから読み取る。
ステップ208の処理では、例えば、上記ステップ200で取得した表示画像情報にレッド色を示す表示色情報が含まれている場合には、「表示色」項目の“レッド”情報に対応する「順序」項目の情報として対応づけられている“1”及び“2”のうちの最大値である“2”を読み取る。
また、例えば、上記ステップ200で取得した表示画像情報にシアン色を示す表示色情報が含まれる場合には、「表示色」項目の“シアン”情報に対応する「順序」項目の情報の最大値の情報として、“1”を読み取る。
次のステップ210では、上記ステップ208で読み取った順序情報の順序の最大値が“1”であるか否かを判別する。ステップ210の処理によって、上記ステップ200で取得した表示画像情報に含まれる表示色情報に対応する順序情報の数が、1つであるか複数であるかを判別することができる。
ステップ210の判断で肯定されると、ステップ212へ進み、否定されると、ステップ222へ進む。
ステップ222では、記憶部21内に予め設けられているカウンタ21Cのカウンタ値Nを“1”とすることにより、カウンタ値を初期化する。
次にステップ224では、上記ステップ200で取得した表示画像情報に含まれる表示色情報に対応する順序情報の内、カウンタ21Cのカウンタ値Nによって示される値と同じ値を示す順序情報に対応する粒子色情報を、対応テーブル21Bから読み取る。
次にステップ226では、上記ステップ224で読み取った粒子色情報に対応する1または複数の粒子色情報各々に対応する閾値電圧を対応テーブル21Aから読み取り、読み取った駆動電圧の中の最大値を読み取る。
次のステップ228では、上記ステップ226で読み取った最大値の駆動電圧を、対応テーブル21Bに格納されている、カウンタ21Cのカウンタ値の順序情報に対応する極性情報の極性で、所定時間印加する電圧印加信号を電圧印加部16へ出力する。
なお、この所定時間とは、予め定められた時間であって、この最大値の駆動電圧以上の駆動電圧を有する粒子群が基板間を移動しうる時間として、駆動電圧毎に予め対応づけて記憶部21に記憶し、ステップ228の処理実行時に読み出せばよい。
次のステップ230では、カウンタ21Cのカウンタ値をカウントアップする。
次のステップ232では、カウンタ21Cのカウンタ値が、上記ステップ208で読み取った最大値情報と一致するか否かを判別し、否定されると上記ステップ224へ戻り、肯定されると、ステップ212へ進む。
例えば、上記ステップ222の判断においてカウンタ値Nが1であり、且つ上記ステップ200で取得した表示画像情報にレッド色を示す表示色情報が含まれている場合には、上記ステップ224では、「表示色」項目の“レッド”情報に対応する「順序」項目の情報として対応づけられている“1”及び“2”のうちの、順序情報「1」に対応する粒子色情報として「Y、M、C」を読み取る。
そして、次のステップ226の処理において、対応テーブル21Aから、粒子色情報「Y」、「M」、「C」各々に対応する駆動電圧の中の最大値である駆動電圧Vdy3を読み取る。そして次のステップ228において、読み取った駆動電圧Vdy3の電圧を正極性で所定時間印加することを示す電圧印加信号を電圧印加部16へ出力する。
これによって、画像表示媒体72は、駆動電圧Vdy3以下の閾値電圧を有する粒子群35が表面基板20側へと移動して、図10(A)に示す白色表示状態から、図10(B)に示す黒色表示状態へと変る。
一方、ステップ210の判断で肯定、または上記ステップ232の判断で肯定されると、ステップ212へ進み、上記ステップ208で読み取った順序の最大値の順序情報に対応する1または複数の粒子色情報と、極性情報と、を、対応テーブル21Bから読み取る。
次のステップ214では、上記ステップ210の処理で読み取った1または複数の粒子色情報各々に対応する駆動電圧を対応テーブル21Aから読み取る。
次のステップ215では、上記ステップ214で読み取った駆動電圧の中の最も大きい駆動電圧に対応する粒子色情報を対応テーブル21Aから読み取る。
上記ステップ212からステップ215の処理において、例えば、上記ステップ200で取得した表示画像情報にレッド色を示す表示色情報が含まれている場合には、上記ステップ208で読み取った順序情報の順序の最大値“2”に対応する粒子色情報“C”を読み取った後に、この読み取った粒子色情報“C”に対応する駆動電圧を対応テーブル21Aから読み取ることで、3種類の駆動電圧Vdc1、Vdc2、及びVdc3を読み取る。そして、これら3種類の駆動電圧Vdc1、Vdc2、及びVdc3の内の最も大きい駆動電圧Vdc3に対応する粒子色情報“C”を対応テーブル21Aから読み取る。
次のステップ216では、上記ステップ215で読み取った粒子色情報の粒子色によって示される濃度を、上記ステップ200で取得した表示画像情報に含まれる濃度情報に応じて求める。
ステップ216の濃度算出処理は、本実施の形態では、表示濃度に対応する濃度を画像表示媒体72において表現する場合に、最後に移動させる粒子群の内の最も高い駆動電圧に対応する粒子色の濃度を導出する処理である。
なお、この「最後に移動させる粒子群」とは、対応テーブル12Bの表示色情報に対応する順序情報の内の、最大値に対応する粒子色情報の粒子色を示す粒子群を意味している。
この濃度の算出は、例えば、予め表示濃度と、上記ステップ215の処理によって読み取られる粒子色情報の粒子色の濃度と、を該表示濃度が該粒子色の濃度によって表現可能となるように予め測定して、予め関連づけて記憶する、または予め関係式を導き出して記憶部21に記憶すればよい。
このように、本実施の形態では、表示濃度に対応して、濃度調整を行う粒子の色及び濃度を、図10に示したように段階的に色表示を行って目的とする色表示を行う場合において、最後の段階で移動させる対象となる粒子の内の、最も高い駆動電圧を有する粒子群の色の濃度を調整する場合を説明している。
例えば、表示色としてグリーン色を表示する場合には、最後の段階とは図10(C)に示すイエロー色表示から図10(D)に示すグリーン色表示を行う段階を示し、この場合には、最後の段階で移動させる対象となる粒子は、イエロー色のイエロー粒子群35Yに属する粒子群と、シアン色のシアン粒子群35Cに属する粒子群となる。そして、この場合には、シアン粒子群35Cの色であるシアン色の濃度を調整することによって、表示色濃度を調整する。
ステップ218では、上記ステップ216で導出した導出濃度に対応する濃度情報と、上記ステップ215の処理により読み取った粒子色情報と、の双方に対応する駆動電圧の駆動電圧情報及び電圧印加時間の電圧印加時間情報を、対応テーブル21Aから読み取る。
例えば、上記ステップ216の処理によって、粒子色がシアン色のA〜Bの範囲内で且つAa〜Acの範囲内の濃度の濃度情報が導出された場合には、ステップ218の処理によって、シアン色及び濃度Aa〜Acの範囲内に対応する駆動電圧として駆動電圧Vdc1を読み取るとともに、電圧印加時間T1を対応テーブル21Aから読み取る。
次のステップ220では、上記ステップ218で読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を、上記ステップ212で読み取った極性情報の極性で印加することを示す電圧印加信号を、電圧印加部16へ出力する。なお、この電圧印加信号としては、該電圧印加時間、該電圧、及び該極性を示すように、パルス幅及び電位を調整したパルス信号を用いても良い。
電圧印加信号を受け付けた電圧印加部16は、電圧印加信号に含まれる極性情報に基づいて表面電極40を負極または正極とし背面電極46を正極または負極として、電圧印加信号に含まれる駆動電圧情報の駆動電圧を、印加時間情報の印加時間継続して印加した後に、本ルーチンを終了する。
例えば、電圧印加部16に、駆動電圧「Vdc1」及び電圧印加時間「T1」を示す情報と、表面電極40を負極とし背面電極46を正極とする情報とが含まれていた場合には、電圧印加部16は、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として、電圧値Vdc1の駆動電圧を、時間T1時間継続して印加する。
この電圧の印加によって、例えば、図14に示すように、ステップ220の処理によって全ての種類の粒子群35が背面基板22側に存在する状態(図14(A)に示す白色表示状態)から、図14(B)に示すように、印加した駆動電圧Vdc1以下の閾値電圧を有する、粒子種類C1のシアン粒子群35C1のみが、印加時間T1に応じた量、表面基板20側に移動する。
また、例えば、電圧印加部16に、駆動電圧「Vdc2」及び電圧印加時間「T1」を示す情報と、表面電極40を負極とし背面電極46を正極とする情報とが含まれていた場合には、電圧印加部16は、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として、電圧値Vdc2の駆動電圧を、時間T1時間継続して印加する。
この電圧の印加によって、例えば、図14に示すように、ステップ220の処理によって全ての種類の粒子群35が背面基板22側に存在する状態(図14(A)に示す白色表示状態)から、図14(C)に示すように、印加した駆動電圧Vdc2以下の閾値電圧を有する、粒子種類C1のシアン粒子群35C1と、粒子種類C2のシアン粒子群35C2と、の双方が、印加時間T1に応じた量、表面基板20側に移動する。
また、例えば、電圧印加部16に、駆動電圧「Vdc3」及び電圧印加時間「T2」を示す情報と、表面電極40を負極とし背面電極46を正極とする情報とが含まれていた場合には、電圧印加部16は、表面電極40を負極とし背面電極46を正極として、電圧値Vdc3の駆動電圧を、時間T2時間継続して印加する。
この電圧の印加によって、例えば、図14に示すように、ステップ220の処理によって全ての種類の粒子群35が背面基板22側に存在する状態(図14(A)に示す白色表示状態)から、図14(D)に示すように、印加した駆動電圧Vdc3以下の閾値電圧を有する、粒子種類C1のシアン粒子群35C1と、粒子種類C2のシアン粒子群35C2と、粒子種類C3のシアン粒子群35C3と、が、印加時間T2に応じた量、表面基板20側に移動する。
このように、本実施の形態では、画像表示媒体72の各セル内に、同色であって且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色の粒子群からなる同色粒子群が、複数色含まれているので、基板間に印加する電圧に応じて、基板間に存在する互いに閾値電圧の異なる複数種類の粒子群の内の、印加した駆動電圧以下の閾値電圧を有する粒子群を選択的に移動させることができる。
このため、各色毎に、表示対象となる画像の濃度に応じて、表面基板20側または背面基板22側に移動させる粒子の量を調整することができ、表示濃度を色毎に調整ことができる。
さらに、粒子群の駆動電圧に応じた電圧を、表示する対象となる画像の濃度に応じた時間印加することができるので、同じ閾値電圧を有する粒子群の種類毎に、さらなる細かい階調表現を行う事が可能となる。
なお、上記実施の形態では、各セル内には、3色の色毎に3種類の互いに閾値電圧の異なる粒子群が含まれている場合を説明したので、各色毎の濃度を3階調表現可能であるが、各セル内に封入する各色毎の互いに閾値電圧の異なる粒子群の種類は2種類であってもよく、また4種類以上としてもよい。各色毎の互いに駆動電圧の異なる粒子群の種類を4種類以上とすれば、さらなる高階調表現を行うことができる。
なお、上記実施の形態では、各セル内には、分散媒中に白色反射層として白色粒子群を含んだ場合を説明したが、白色粒子群に代えて白色顔料微粒子を分散媒に含んでもよい。あるいは、発色性や明るさは劣るが、分散媒に白色反射層を含まない場合も可能である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、部は重量部を示す。
(実施例1)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各色各々の同色粒子群を、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例1では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子に、磁性材料としてマグネタイトを含有させることで、各粒子に磁気力を付与した。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部、マグネタイト(商品名: MTH-009F、戸田工業社製、外部磁場1kOeのときの飽和磁化63emu/g、平均粒径0.19μm)をマゼンタ色の着色剤(大日精化社製、商品名カーミン6B)を含むアクリル樹脂でコートしたマゼンタ色のマグネタイト12.0重量部を、直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを調整した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部を、上記と同じようにボールミルによる粉砕を10時間実施することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。
また、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、上記炭酸カルシウム分散液B20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
上記作製した分散液A35重量部と、ジビニルベンゼン1重量部と、重合開始剤AIBN:0.35重量部を充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを上記作製した混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施した。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した後に、得られた粒子を60℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して、マゼンタ色の粒子群M1を作製した。
上記作製したマゼンタ粒子群35M1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。得られた混合液に含まれるマゼンタ色の粒子群M1の極性を、平行電極版を用いて測定したところ、負極性であった。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
上記マゼンタ色のマグネタイトの含有量を、13.3重量部に変更した以外はマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2を作製した。
上記作製したマゼンタ粒子群35M2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。得られた混合液に含まれる粒子群M2の極性を上記と同じようにして測定したところ、負極性であった。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
上記マゼンタ色のマグネタイトの含有量を、14.6重量部に変更した以外はマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3を作製した。
上記作製したマゼンタ粒子群35M3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。また、上記と同じようにしてマゼンタ粒子群35M3の極性を測定したところ、負極性であった。
―シアン色の粒子群の作製―
シアン色のシアン粒子群35Cに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるシアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3として、シアン色の粒子を以下の手順で調整した。
――シアン粒子群35C1の作製――
上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を3重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをシアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、マゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1を作製した。
上記作製したシアン粒子群35C1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。また、上記と同じようにしてシアン粒子群35C1の極性を測定したところ、負極性であった。
――シアン粒子群35C2の作製――
上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を3重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをシアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、マゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2を作製した。
上記作製したシアン粒子群35C2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてシアン粒子群35C2の極性を測定したところ、負極性であった。
――シアン粒子群35C3の作製――
上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を3重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをシアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、マゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3を作製した。
上記作製したシアン粒子群35C3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてシアン粒子群35C3の極性を測定したところ、負極性であった。
―イエロー色の粒子群の作製―
イエロー色のイエロー粒子群35Yに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるイエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3として、イエロー色の粒子を以下の手順で調整した。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を1重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをイエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、マゼンタ粒子群35M1と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y1を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y1の極性を測定したところ、負極性であった。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
上記マゼンタ色のイエロー粒子群35Y2の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を3重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをイエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、マゼンタ粒子群35M2と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y2を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y2の極性を測定したところ、負極性であった。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
上記マゼンタ色のイエロー粒子群35Y3の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)の量を3重量部に変更し、分散液Aのマゼンタ色のマグネタイトをイエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトに変更した以外は、イエロー粒子群35Y3と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y3を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y3の極性を測定したところ、負極性であった。
上記作製したマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3、シアン色のシアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3、イエロー色のイエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3、各々について、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、及び形状係数SF1各々を測定し、後述する方法で作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。
測定結果と設定した閾値電圧、及び駆動電圧を表1に示した。

なお、上記均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、及び形状係数SF1各々は、下記測定方法で測定した。
<体積平均一次粒子径の測定方法>
体積平均一次粒子径は、測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、より良くは、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積16%となる粒径を体積平均粒子径D16v、数で累積16%となる累積個数粒径をD16pと定義する。同じように、体積で累積50%となる粒径を体積平均粒子径D50v、数で累積50%となる粒径を個数平均粒子径D50pと定義する。また、同じように、体積で累積84%となる粒径を体積平均粒子径D84v、数で累積84%となる累積個数粒径をD84pと定義する。体積平均一次粒子径は該D50vである。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v) 1/2 より算出され、数平均粒度指標(GSDp)は(D84p/D16p) 1/2 より算出され、小径側個数平均粒度指標(下GSDp)は{(D50p)/(D16p)}により算出される。
一方、測定する粒子直径が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度変化が安定したところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均一次粒子径を、体積平均一次粒子径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均一次粒子径とした。
<平均帯電量の測定方法>
平均帯電量は、例えば、所定重量の粒子の電気泳動電流を測定することによって計測することが出来る。所定重量の粒子が分散された分散液を平行平板電極セルの中に充填し、平行平板電極間に電圧を印加して、充填した全粒子が電極間を移動したときの電流を計測し、電荷量を算出した。この電荷量と粒子の重量から粒子1個当りの電荷量を算出した。なお、粒子を真球形状で均一な径を持つものと仮定して計算した。
<分散媒との界面における流動抵抗の測定方法>
分散媒との界面における流動抵抗は、後述する方法で作成した画像表示媒体に、上記作製した粒子群各々を1種類のみ分散媒(ここでいう分散媒とは、後述する画像表示媒体に各色粒子を含む3種類の分散液を混合させた混合液を混合した混合液溶液を示している)中に封入して、電極間に電圧を印加して、粒子群が移動を開始する電圧値を計測する。分散媒に電圧を印加して一方の基板側に粒子群を集めたのちに、もう一方の基板側へ移動する方向で、電圧を印加した。電極基板の表面はフッ素樹脂等の低表面エネルギーな材料を塗布することによって、基板と粒子間の相互作用を極小化した状態で測定した。得られた電圧値に粒子群各々の電荷量を乗じた値をもって流動抵抗を表す2次的な物性値とした。
<磁気量の測定方法>
磁気量は東映工業社製、商品名振動試料形磁力計を用いて、1kOeの外部磁場のもとで測定した。
<形状係数SF1の測定方法>
形状係数SF1は、粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した画像をルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製)に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積を各々示す。
静電力と拘束力との差分の絶対値(単位:ニュートン(N))の算出方法
<閾値電圧の測定方法>
閾値電圧は、後述する方法で作成した画像表示媒体に、上記作製した粒子群各々を1種類のみ分散媒中に封入して、電極間に電圧を印加して、濃度計(X-Rite社製、商品名X-Rite964)を用いて表面基板の濃度を測定し、10Vあたりの濃度測定前後の濃度差が0.01以上となったときの閾値に相当する電圧を閾値電圧として測定した。
―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
表面基板20及び背面基板22として、50mm×50mm×1.1mmの7059ガラス支持基体上に透明ITO電極を各画素毎に形成し、その上に厚さ5μmのポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製、PC−Z)層を形成したものを使用した。50mm×50mm×0.3mmのシリコーンゴムシートの中央部から20mm×20mmの正方形を切り抜いたものをスペーサとして使用し、これを背面基板上に置いた。
この表面基板20と背面基板22各々の向かい合う側の面の十点平均表面粗さRzを、JIS B 0601に記載の通りの測定方法で測定したところ、各々、0.1μmであった。
ここで、まず、上記得られたマゼンタ粒子群35M1を含む混合液と、マゼンタ粒子群35M2を含む混合液と、マゼンタ粒子群35M3を含む混合液と、を当量ずつ混合することによって、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3を含む分散液を得た。
同じようにして、上記得られたイエロー粒子群35Y1を含む混合液と、イエロー粒子群35Y2を含む混合液と、イエロー粒子群35Y3を含む混合液と、を当量ずつ混合することによって、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3を含む分散液を得た。
さらに、同じようにして、上記得られたシアン粒子群35C1を含む混合液と、シアン粒子群35C2を含む混合液と、シアン粒子群35C3を含む混合液と、を当量ずつ混合することによって、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3を含む分散液を得た。
さらに、大径粒子群39を下記方法で作製して、作製した大径粒子群39(80重量部)を、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)20重量部に分散した分散液を得た。
−大径粒子群39の作製−
大径粒子群39としては、次のように作成した粒子の集合体を用いた。
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、酸化チタン:(タイペークCR63:石原産業社製):45重量部、およびシクロヘキサン:5重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作成した。次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて微粉砕することにより、炭カル分散液Bを作成した。また、2%セロゲン水溶液:4.3g、炭カル分散液8.5g、および20%食塩水:50gを混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作成した。そして、分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gを、充分混合し、超音波機で脱気を10分行う。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施した。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に60℃で10時間反応させ粒子を作製した。さらに、冷却後、この分散液を、凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間シクロヘキサンを除いた。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、粒度を揃え、これを乾燥さることにより大径粒子群39を作製した。
また、作製した大径粒子群39の体積平均一次粒径は、20μmであった。
上記マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3を含む分散液と、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3を含む分散液と、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3を含む分散液と、を当量ずつと、上記大径粒子群39を含む分散液を画像表示媒体72の表面基板と背面基板との間の空間体積に対して6割の量(体積)と、を混合した混合溶液を調整した。
この混合溶液1mlを、静置した後に、前記スペーサの中央の正方形に切り抜かれた空間に注入した。その後、スペーサ上に表面基板を密着させ、両基板をダブルクリップで加圧保持して、スペーサーと両基板とを密着させ、画像表示媒体72を作製した。
この画像表示媒体72の表面基板の電極を電圧印加部16としての トレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表1に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
なお、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置が、表示画像情報として、シアン色濃度0.5を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度0.45であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.0を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.95であった。また、該色で且つ濃度1.5を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.45であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのマゼンタ色で、且つ濃度を0.5、1.0、1.5、の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.47、1.01、1.52であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。
(実施例2)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各同色粒子群を互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例2では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子に、互いに磁気特性の異なる磁性材料を含有させることで、種類間で互いに閾値電圧の異なる各粒子群を作製した。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部、マグネタイト(商品名MTH-009F、戸田工業社製、外部磁場1kOeのときの飽和磁化64emu/g、平均粒径0.19μm)をマゼンタ色の着色剤(大日精化社製、商品名カーミン6B)を含むアクリル樹脂でコートしたマゼンタ色のマグネタイト(Mag−m1)12.0重量部を、直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを調整した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部を、上記と同じようにボールミルによる粉砕を10時間実施することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。
また、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、上記炭酸カルシウム分散液B20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
上記作製した分散液A35重量部と、ジビニルベンゼン1重量部と、重合開始剤AIBN:0.35重量部を充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを上記作製した混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化を実施した。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した後に、得られた粒子を60℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1を作製した。
この作製したマゼンタ粒子群35M1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてマゼンタ粒子群35M1の極性を測定したところ、負極性であった。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
上記マゼンタ色でコートした磁性材料としてのマグネタイト(商品名MTH-009F、戸田工業社製、外部磁場1kOeのときの飽和磁化64emu/g、平均粒径0.19μm)に換えて、外部磁場1kOeのときの飽和磁化70emu/gのマグネタイト(Mag−m2)を用いた以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2を作製した。
この作製したマゼンタ粒子群35M2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてマゼンタ粒子群35M2の極性を測定したところ、負極性であった。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
上記マゼンタ色でコートした磁性材料としてのマグネタイト(商品名MTH-009F、戸田工業社製、外部磁場1kOeのときの飽和磁化64emu/g、平均粒径0.19μm)に換えて、外部磁場1kOeのときの飽和磁化76emu/gのマグネタイト(Mag−m3)を用いた以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3を作製した。
この作製したマゼンタ粒子群35M3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてマゼンタ粒子群35M3の極性を測定したところ、負極性であった。
―シアン色の粒子群の作製―
シアン色のシアン粒子群35Cに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるシアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3として、シアン色の粒子を以下の手順で調整した。
――シアン粒子群35C1の作製――
実施例2におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマゼンタ色のマグネタイトに換えて、マグネタイト(商品名MTH-009F、戸田工業社製、外部磁場1kOeのときの飽和磁化64emu/g、平均粒径0.19μm)をシアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたシアン色のマグネタイト(Mag−c1)を用いた以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1を作製した。
この作製したシアン粒子群35C1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてシアン粒子群35C1の極性を測定したところ、負極性であった。
――シアン粒子群35C2の作製――
実施例2におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマゼンタ色のマグネタイトに換えて、シアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイト(Mag−c2)に変更した以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2を作製した。
この作製したシアン粒子群35C2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてシアン粒子群35C1の極性を測定したところ、負極性であった。
――シアン粒子群35C3の作製――
実施例2における上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマグネタイトに換えて、シアン色の着色剤(大日精化社製、商品名シアニンブルー4933M)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイト(Mag−c3)に変更した以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3を作製した。
この作製したシアン粒子群35C3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてシアン粒子群35C3の極性を測定したところ、負極性であった。
―イエロー色の粒子群の作製―
イエロー色のイエロー粒子群35Yに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるイエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3として、イエロー色の粒子を以下の手順で調整した。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
実施例2における上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマグネタイトに換えて、イエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイト(Mag−y1)に変更した以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y1を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y1を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y1の極性を測定したところ、負極性であった。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
実施例2における上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマグネタイトに換えて、イエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトMag−y2)に変更した以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y2を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y2を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y2の極性を測定したところ、負極性であった。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
実施例2における上記マゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ色の着色剤を含む樹脂でコートした磁性材料としてのマグネタイトに換えて、イエロー色の着色剤(大日精化社製、商品名ピグメントイエロー17)を含むアクリル樹脂でコートしたマグネタイトMag−y3)に変更した以外は、実施例2におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてイエロー色のイエロー粒子群35Y3を作製した。
上記作製したイエロー粒子群35Y3を2重量部、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部中に投入し、攪拌分散して混合液を得た。上記と同じようにしてイエロー粒子群35Y3の極性を測定したところ、負極性であった。
実施例2において作製したマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3、シアン色のシアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3、イエロー色のイエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、及びイエロー粒子群35Y3、各々について、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、及び形状係数SF1各々を測定し、上記実施例1と同様にして作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。測定結果と設定した駆動電圧を表2に示した。

なお、上記均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、及び形状係数SF1各々は、実施例1と同じようにして測定した。
―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
実施例1で用いた3種類の混合液体に換えて、下記混合液体を用いた。
まず、実施例2で調整した、上記イエロー粒子群35Y1の混合液と、イエロー粒子群35Y2の混合液と、イエロー粒子群35Y3の混合液と、を当量ずつ混合することによって、イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3を含む分散液を得た。
さらに、同じようにして、実施例2で調整した、上記マゼンタ粒子群35M1の混合液と、マゼンタ粒子群35M2の混合液と、マゼンタ粒子群35M3の混合液と、を当量ずつ混合することによって、マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3を含む分散液を得た。
また、同じようにして、実施例2で調整した、上記シアン粒子群35C1の混合液と、シアン粒子群35C2の混合液と、シアン粒子群35C3の混合液と、を当量ずつ混合することによって、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3を含む分散液を得た。
さらに、大径粒子群39を実施例1と同様にして作製して、作製した大径粒子群39(80重量部)を、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)20重量部に分散した分散液を得た。
上記マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3を含む分散液と、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3を含む分散液と、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3を含む分散液と、を当量ずつと、上記大径粒子群39を含む分散液を画像表示媒体72の表面基板と背面基板との間の空間体積に対して6.5割の量(体積)と、を混合した混合溶液を調整した。
この混合溶液1mlを用いて、実施例1と同様にして画像表示媒体72を作製した。
この実施例2で作製した画像表示媒体72の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表2に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
なお、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置に、表示画像情報として、シアン色、濃度 0.50を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度 0.45であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.00を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.96であった。また、該色で且つ濃度 1.50を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.47であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのマゼンタ色で、且つ濃度を0.50 、1.00、1.50、の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.47、1.01、1.49であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。
(実施例3)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各同色粒子群を、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例3では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子を、長鎖アルキル基を含む化合物で改質することによって、種類毎に互いに粒子間の分散媒に対する流動抵抗が異なる用に調整することで、種類間で互いに閾値電圧の異なる各粒子群を作製した。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部、を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作製した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。そして、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、炭酸カルシウム分散液20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
作製したこの分散液A35重量部、ジビニルベンゼン1重量部、重合開始剤AIBN:0.35重量部を、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化させた。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した後に、得られた粒子をオクタデシルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名LS−6970)を濃度0.5%溶解した酢酸濃度0.5%の酢酸水溶液中に分散させ1時間攪拌して粒子表面を改質処理した。その後、60℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して粒子を作製した。
作製した粒子を2重量部、オクタデシルトリエトキシシラノール基で表面修飾されたマゼンタ粒子群35M1の混合液を得た。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
実施例3において、オクタデシルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名LS−6970)を濃度0.5%溶解した酢酸水溶液に換えて、オクタデシルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名LS−6970)を濃度1.0%溶解した酢酸水溶液を用いた以外は実施例3におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、オクタデシルトリエトキシシラノール基で表面修飾されたマゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
実施例3において、オクタデシルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名LS−6970)を濃度1.0%溶解した酢酸水溶液に換えて、オクタデシルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名LS−6970)を濃度1.5%溶解した酢酸水溶液を用いた以外は実施例3におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、オクタデシルトリエトキシシラノール基で表面修飾されたマゼンタ粒子群35M3の混合液を得た。
――シアン粒子群35C1の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1の混合液を得た。
――シアン粒子群35C2の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2の混合液を得た。
――シアン粒子群35C3の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y1の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y2の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
実施例3におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例3におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y3の混合液を得た。
得られた混合液中の各粒子群について、実施例1と同じようにして、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、分散媒(オクタメチルトリシロキサン)との界面における流動抵抗、磁気量、及び形状係数SF1各々を測定し、実施例1と同様にして作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。測定結果と設定した駆動電圧を表3に示した。

なお、上記均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、分散媒(オクタメチルトリシロキサン)との界面における抵抗、磁気量、及び形状係数SF1各々は、実施例1と同じようにして測定した。
さらに、大径粒子群39を実施例1と同様にして作製して、作製した大径粒子群39(80重量部)を、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)20重量部に分散した分散液を得た。
上記マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3を含む分散液と、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3を含む分散液と、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、シアン粒子群35C3を含む分散液と、を当量ずつと、上記大径粒子群39を含む分散液を画像表示媒体72の表面基板と背面基板との間の空間体積に対して6.5割(体積)の量と、を混合した混合溶液を調整した。
この混合溶液1mlを用いて、実施例1と同様にして画像表示媒体72を作製した。
この実施例3で作製した画像表示媒体72の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表3に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
なお、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置が、表示画像情報として、シアン色、濃度0.5を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度0.48であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.0を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.98であった。また、該色で且つ濃度1.5を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.49であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのイエロー色で、且つ濃度を0.5、1.0、1.5、の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.49、0.99、1.51であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。さらに、駆動電圧を印加する時間を変化させるパルス幅変調を組み合わせるとさらに高い階調表現が可能と考えられる。
(実施例4)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各同色粒子群を、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例4では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子を、乾燥条件を調整することによって、種類毎に互いに粒子間の粒子の形状係数が異なる様に調整することで、種類間で互いに閾値電圧の異なる各粒子群を作製した。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部、シクロヘキサン9重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作製した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。そして、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、炭酸カルシウム分散液B20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
作製したこの分散液A35重量部、ジビニルベンゼン1重量部、重合開始剤AIBN:0.35重量部を、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化させた。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。冷却後、粒子を含む分散液を、1.3×104Pa、30℃で5時間乾燥させてシクロヘキサンを除いた。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した。その後、30℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して粒子を作製した。
作製した粒子2重量部をシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部に投入し、攪拌分散して混合することによって、マゼンタ粒子群35M1の混合液を得た。得られた粒子の形状係数を求めたところ120であった。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、分散液Aのシクロヘキサンを7重量部にした以外は実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の形状係数を求めたところ115であった。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、分散液Aのシクロヘキサンを5重量部にした以外は実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の形状係数を求めたところ110であった。
――シアン粒子群35C1の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1の混合液を得た。
――シアン粒子群35C2の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2の混合液を得た。
――シアン粒子群35C3の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y1の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y2の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
実施例4におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y3の混合液を得た。
得られた混合液中の各粒子群について、実施例1と同じようにして、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、形状係数SF1各々を測定した。実施例1と同様にして作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。測定結果と設定した駆動電圧を表4に示した。

―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
実施例1で用いた3種類の混合液体に換えて、実施例4において上記調整した混合液を当量ずつ混合した混合液体(マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3各々を含む混合液を当量ずつ混合した混合液体)を用いた以外は、実施例1と同じようにして、画像表示媒体を作製し、評価を行った。
この実施例4で作製した画像表示媒体の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表4に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
なお、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置が、表示画像情報として、シアン色、濃度0.5を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度0.49であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.0を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.99であった。また、該色で且つ濃度1.5を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.48であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのイエロー色で、且つ濃度を0.5、1.0、1.5の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.48、1.00、1.51であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。さらに、駆動電圧を印加する時間を変化させるパルス幅変調を組み合わせるとさらに高い階調表現が可能と考えられる。
(実施例5)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各同色粒子群を、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例5では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子を、乾燥条件を調整することによって、種類毎に互いに粒子間の粒子の体積平均一次粒子径が異なる様に調整することで、種類間で互いに閾値電圧の異なる各粒子群を作製した。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作製した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。そして、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、炭酸カルシウム分散液B20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
作製したこの分散液A35重量部、ジビニルベンゼン1重量部、重合開始剤AIBN:0.35重量部を、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化させた。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した。その後、30℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して粒子を作製した。
作製した粒子2重量部をシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部に投入し、攪拌分散して混合することによって、マゼンタ粒子群35M1の混合液を得た。得られた粒子の体積平均一次粒子径を求めたところ1.0μmであった。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
実施例5におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、混合液C中の炭酸カルシウム分散液Bの量を20.1重量部にした以外は実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の体積平均一次粒子径を求めたところ1.4μmであった。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
実施例5におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、混合液C中の炭酸カルシウム分散液Bの量を19.8重量部にした以外は実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の体積平均一次粒子径を求めたところ1.8μmであった。
――シアン粒子群35C1の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1の混合液を得た。
――シアン粒子群35C2の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2の混合液を得た。
――シアン粒子群35C3の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y1の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y2の混合液を得た。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
実施例5におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例4におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y3の混合液を得た。
得られた混合液中の各粒子群について、実施例1と同じようにして、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、形状係数SF1各々を測定した。実施例1と同様にして作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。測定結果と設定した駆動電圧を表5に示した。

―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
実施例1で用いた3種類の混合液体に換えて、実施例4において上記調整した混合液を当量ずつ混合した混合液体(マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3各々を含む混合液を当量ずつ混合した混合液体)を用いた以外は、実施例1と同じようにして、評価を行った。
なお、実施例5で作製した画像表示媒体の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表5に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
また、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置が、表示画像情報として、シアン色、濃度0.5を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度0.49であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.0を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.99であった。また、該色で且つ濃度1.5を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.48であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのイエロー色で、且つ濃度を0.5、1.0、1.5の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.48、1.00、1.51であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。さらに、駆動電圧を印加する時間を変化させるパルス幅変調を組み合わせるとさらに高い階調表現が可能と考えられる。
(実施例6)
―粒子の作製―
粒子群として、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の3色間で閾値電圧が互いに異なり、且つ各同色粒子群を、互いに閾値電圧の異なる3種類の粒子群で構成した。
なお、実施例6では、下記に示すように、各粒子群を構成する粒子を、帯電制御剤の配合量を調整することによって、種類毎に互いに粒子間の粒子の平均帯電量が異なる様に調整することで、種類間で互いに閾値電圧の異なる各粒子群を作製した。
すなわち、実施例6では、粒子群の種類毎の表面基板20及び背面基板22に対する拘束力が一定で、且つ静電力が異なるように粒子を調整した場合を説明する。
―マゼンタ色の粒子群の作製―
マゼンタ色のマゼンタ粒子群35Mに属する3種類の互いに閾値電圧の異なるマゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、及びマゼンタ粒子群35M3として、マゼンタ色の粒子を以下の手順で調整した。
――マゼンタ粒子群35M1の作製――
メタクリル酸シクロヘキシル:53重量部、マゼンタ顔料(カーミン6B;大日精化社製)3重量部、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)2. 3重量部を直径10mmのジルコニアボールを使用し、ボールミル粉砕を20時間実施することにより、分散液Aを作製した。
次に、炭酸カルシウム:40重量部および水:60重量部をボールミルにて粉砕することにより、炭酸カルシウム分散液Bを作製した。そして、2%セロゲン水溶液:4.3重量部、炭酸カルシウム分散液B20.4重量部、および20%食塩水:50重量部を混合し、超音波機で脱気を10分間行い、乳化機で攪拌することにより、混合液Cを作製した。
作製したこの分散液A35重量部、ジビニルベンゼン1重量部、重合開始剤AIBN:0.35重量部を、充分混合し、超音波機で脱気を10分行った。これを混合液Cの中にいれ、乳化機で乳化させた。
次にこの乳化液をビンにいれ、シリコン詮をし、注射針を使用して減圧脱気を充分行った後に、窒素ガスで封入した。次に、この乳化液を60℃で10時間反応させて粒子粉を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水を用いて炭酸カルシウムを分解させた後に、ろ過を行った。その後、蒸留水による洗浄を繰り返した。その後、30℃で6時間真空乾燥し、アトライタを用いて30分間粉砕して粒子を作製した。
作製した粒子2重量部をシリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)98重量部に投入し、攪拌分散して混合することによって、マゼンタ粒子群35M1の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−16C/個であった。
――マゼンタ粒子群35M2の作製――
実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を2重量部にした以外は実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−14C/個であった。
――マゼンタ粒子群35M3の作製――
実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038;クラリアントジャパン製)を1.7重量部にした以外は実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにして、マゼンタ粒子群35M2の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−12C/個であった。
――シアン粒子群35C1の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3.45重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C1の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−24C/個であった。
――シアン粒子群35C2の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を3重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C2の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−21C/個であった。
――シアン粒子群35C3の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、シアニン顔料(シアニンブルー4933M、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を2.55重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のシアン粒子群35C3の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−18C/個であった。
――イエロー粒子群35Y1の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M1の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1.25重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M1と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y1の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−9C/個であった。
――イエロー粒子群35Y2の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M2の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を1重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M2と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y2の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−7C/個であった。
――イエロー粒子群35Y3の作製――
実施例6におけるマゼンタ色のマゼンタ粒子群35M3の作製手順のうち、上記マゼンタ顔料に換えて、イエロー顔料(ピグメントイエロー17、大日精化社製)を用い、帯電制御剤の量を0.75重量部に換えた以外は、実施例6におけるマゼンタ粒子群35M3と同じようにしてシアン色のイエロー粒子群35Y3の混合液を得た。得られた粒子の平均帯電量を求めたところ−5C/個であった。
得られた混合液中の各粒子群について、実施例1と同じようにして、「静電力」に寄与する平均帯電量、「拘束力」に寄与する、体積平均一次粒子径、磁気量、形状係数SF1各々を測定した。実施例1と同様にして作製した画像表示媒体を用いて印加電圧と表示濃度との関係を測定し、閾値電圧を求め、駆動電圧を設定した。測定結果と設定した駆動電圧を表6に示した。

―画像表示媒体及び画像表示装置の作製―
実施例1で用いた3種類の混合液体に換えて、実施例6において上記調整した混合液を当量ずつ混合した混合液体(マゼンタ粒子群35M1、マゼンタ粒子群35M2、マゼンタ粒子群35M3、上記イエロー粒子群35Y1、イエロー粒子群35Y2、イエロー粒子群35Y3、シアン粒子群35C1、シアン粒子群35C2、及びシアン粒子群35C3各々を含む混合液を当量ずつ混合した混合液体)を用いた以外は、実施例1と同じようにして、評価を行った。
なお、この実施例6で作製した画像表示媒体72の表面基板の電極を電圧印加部16としてのトレック社製、商品名トレック610C に接続し、背面基板の電極を接地した。また、この電圧印加部16に、制御部19、記憶部21、及び取得部15の機能を有する機械としてパーソナルコンピュータ(パナソニック社製、商品名 CF−R1)を接続するとともに、このパーソナルコンピュータ内に、上記図13に示す処理プログラムを予め記憶するとともに、上記表6に示した値を格納した上記図11及び上記図12に示す対応テーブル21A及び対応テーブル21Bをパーソナルコンピュータ内の記憶領域に記憶した。
また、対応テーブル21Aに示される濃度、高画質濃度、及び電圧印加時間については、各々の種類の粒子群のみを移動させたときに画像表示媒体72に表示可能な濃度として、濃度0.5、1.0、1.5の三段階を表現するために、画像表示媒体72に各粒子群の駆動電圧を印加するときの電圧印加時間を予め測定して、測定した濃度及び電圧印加時間各々を対応する駆動電圧に対応づけて格納した。
<評価>
上記画像表示装置が、表示画像情報として、シアン色、濃度0.5を示す画像情報をパーソナルコンピュータのキーボードを介して受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、画像表示媒体72の表面基板20の濃度を濃度計(X−Rite社製、X−Rite404A)によって測定したところ、濃度0.51であった。
次に、表示画像情報として、上記受け付けた色と同じ色で且つ濃度1.0を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、0.98であった。また、該色で且つ濃度1.5を示す表示画像情報を受け付けた場合の濃度測定結果は、1.49であった。
さらに、上記色とは異なる色としてのイエロー色で、且つ濃度を0.5、1.0、1.5の3段階に換えた画像情報を順次受け付けて、図13に示す処理プログラムを該パーソナルコンピュータにおいて実行させた後に、同じようにして表面基板の濃度を測定したところ、各々0.49、1.01、1.50であった。
このように、各色毎に階調表現が可能であった。さらに、駆動電圧を印加する時間を変化させるパルス幅変調を組み合わせるとさらに高い階調表現が可能と考えられる。
第1の実施の形態に係る書込装置及び画像表示媒体の概略構成図である。 第1の実施の形態における、粒子群の閾値特性の一例を示す線図であり、印加電圧と表示濃度との関係を示す線図である。 第1の実施の形態における、粒子群の閾値特性の一例を示す線図であり、印加電圧と移動粒子量との関係を示す線図である。 第1の実施の形態における、印加電圧と粒子に作用する力との関係の一例を示す線図である。 対応テーブル14Aに格納されている情報の一例を示す表である。 第1の実施の形態において制御部で実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第1の実施の形態において書込装置から画像表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様の一例を模式的に示す説明図である。 第2の実施の形態に係る書込装置及び画像表示媒体の概略構成図である。 第2の実施の形態に係る画像表示媒体に封入されている粒子群の閾値特性の一例を示す線図であり、印加電圧と表示濃度との関係を示す線図である。 第2の実施の形態における、画像表示媒体への電界形成態様と、粒子群の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。 第2の実施の形態に係る対応テーブル21Aに格納されている情報の一例を示す表である。 第2の実施の形態に係る対応テーブル21Bに格納されている情報の一例を示す表である。 第2の実施の形態において制御部で実行される処理を示すフローチャートである。 (A)〜(D)第2の実施の形態において書込装置から画像表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様の一例を模式的に示す線図である。
符号の説明
10、70 書込装置
12、72 画像表示媒体
14、21 記憶部
15 取得部
16 電圧印加部
18、19 制御部
20 表面基板
22 背面基板
34、35 粒子群

Claims (9)

  1. 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入された分散媒と、
    前記分散媒中に分散されると共に、前記一対の基板間に予め定められた閾値電圧以上の駆動電圧が印加されることにより形成された電界に応じて該分散媒中を移動し、同色であって且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第1の群と、
    を備えたことを特徴とする画像表示媒体。
  2. 前記第1の群とは異なる色であって、且つ互いに前記閾値電圧の異なる複数種類の同色粒子群からなる第2の群を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。
  3. 前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの磁気量が異なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示媒体。
  4. 前記複数種類の粒子群は、該種類間で各粒子の前記分散媒との界面における抵抗が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像表示媒体。
  5. 前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの体積平均一次粒径が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体。
  6. 前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの形状係数SF1が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像表示媒体。
  7. 前記複数種類の粒子群は、該種類間で粒子1個あたりの平均帯電量が一定であることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項記載の画像表示媒体。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記画像表示媒体に表示する画像の色を示す色情報及び濃度を示す濃度情報を含む画像情報を取得する取得手段と、
    色情報と、濃度情報と、前記粒子群の前記駆動電圧の駆動電圧情報と、を対応づけて予め記憶した記憶手段と、
    前記取得手段が取得した画像情報に含まれる色情報及び濃度情報に対応する駆動電圧情報を読み取り、読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を印加するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
    を備えた書込装置。
  9. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の画像表示媒体と、
    前記画像表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記画像表示媒体に表示する画像の色を示す色情報及び濃度を示す濃度情報を含む画像情報を取得する取得手段と、
    色情報と、濃度情報と、前記粒子群の前記駆動電圧の駆動電圧情報と、を対応づけて予め記憶した記憶手段と、
    前記取得手段が取得した画像情報に含まれる色情報及び濃度情報に対応する駆動電圧情報を読み取り、読み取った駆動電圧情報の駆動電圧を印加するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
    を備えた表示装置。
JP2007002485A 2007-01-10 2007-01-10 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置 Pending JP2008170626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007002485A JP2008170626A (ja) 2007-01-10 2007-01-10 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007002485A JP2008170626A (ja) 2007-01-10 2007-01-10 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008170626A true JP2008170626A (ja) 2008-07-24

Family

ID=39698784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007002485A Pending JP2008170626A (ja) 2007-01-10 2007-01-10 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008170626A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282359A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Bridgestone Corp パネル内の粒子付着力測定方法
JP2010181477A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体の駆動装置及び画像表示装置
JP2011059652A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパー表示装置及びその製造方法
JP2011059651A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパ表示素子
US8537454B2 (en) 2011-01-05 2013-09-17 Fuji Xerox Co., Ltd. Display medium driver, non-transitory computer-readable medium, display device, and method of driving display medium
JP2013250384A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置
CN104062826A (zh) * 2013-03-18 2014-09-24 精工爱普生株式会社 电光装置、电子设备和电光装置的控制方法
JP2015207015A (ja) * 2015-06-17 2015-11-19 Nltテクノロジー株式会社 メモリ性を有する画像表示装置
JP2016014784A (ja) * 2014-07-02 2016-01-28 凸版印刷株式会社 表示装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282359A (ja) * 2008-05-23 2009-12-03 Bridgestone Corp パネル内の粒子付着力測定方法
JP2010181477A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示媒体の駆動装置及び画像表示装置
JP2011059652A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパー表示装置及びその製造方法
JP2011059651A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 電子ペーパ表示素子
US8537454B2 (en) 2011-01-05 2013-09-17 Fuji Xerox Co., Ltd. Display medium driver, non-transitory computer-readable medium, display device, and method of driving display medium
US8988764B2 (en) 2011-01-05 2015-03-24 Fuji Xerox Co., Ltd. Display medium driver, non-transitory computer-readable medium, display device, and method of driving display medium
JP2013250384A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体の駆動装置、駆動プログラム、及び表示装置
CN104062826A (zh) * 2013-03-18 2014-09-24 精工爱普生株式会社 电光装置、电子设备和电光装置的控制方法
JP2014182171A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Seiko Epson Corp 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の制御方法
CN104062826B (zh) * 2013-03-18 2018-06-22 精工爱普生株式会社 电光装置、电子设备和电光装置的控制方法
JP2016014784A (ja) * 2014-07-02 2016-01-28 凸版印刷株式会社 表示装置
JP2015207015A (ja) * 2015-06-17 2015-11-19 Nltテクノロジー株式会社 メモリ性を有する画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5125305B2 (ja) 画像表示媒体、及び画像表示装置
JP5119674B2 (ja) 画像表示媒体、画像表示装置、書込装置、及び画像表示プログラム
JP5135771B2 (ja) 表示装置、書込み装置、及び表示プログラム
JP2008170626A (ja) 画像表示媒体、書込装置、及び表示装置
JP5333045B2 (ja) 電気泳動粒子、電気泳動粒子分散液、表示媒体、および表示装置
JP2007304409A (ja) 表示媒体用粒子および情報表示用パネル
US8581899B2 (en) Display medium and display device
US20070188509A1 (en) Image displaying medium, image display device, and image displaying method
JP2008286855A (ja) 表示媒体及び表示装置
JP2010204537A (ja) 表示用白色粒子、表示媒体、及び表示装置
JP2004029699A (ja) 画像表示用粒子及びそれを用いた画像表示装置
JP2008310003A (ja) 表示媒体、及び表示装置
JP2013174805A (ja) 表示用粒子、表示用粒子分散液、表示媒体、及び表示装置
JP5299543B2 (ja) 表示用白色粒子、表示用粒子分散液、表示媒体、及び表示装置
JP5380801B2 (ja) 表示媒体、及び表示装置
JP5412723B2 (ja) 表示媒体、及び表示装置
JP2009037185A (ja) 粒子分散液、表示媒体、及び表示装置
JP2011145490A (ja) 非電気泳動粒子、電気泳動粒子分散液、および電気泳動表示媒体
JP5052104B2 (ja) 表示媒体用粒子、情報表示用パネルおよび情報表示装置
JP6371623B2 (ja) 表示用分散液、表示媒体、および表示装置
JP2009210916A (ja) 表示媒体、及び表示装置
JP2009031662A (ja) 表示媒体及び表示装置
JP5644601B2 (ja) 電気泳動粒子、電気泳動粒子分散液、表示媒体、及び表示装置
JP2008122447A (ja) 表示媒体、及び表示装置
JP2008134536A (ja) 表示媒体、及び表示装置