以下、本発明の表示装置及び表示方法の一実施形態を図面に基づき説明する。なお、実質的に同じ機能・作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1及び図2は、実施形態に係る表示装置を示す概略構成図である。なお、図1は、移動性粒子群34が背面基板22側に位置している図であり、図2は、移動性粒子群34が表示基板20側へ位置している図である。
実施形態に係る表示装置10は、図1及び図2に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加して表示媒体12内に電界を形成する電界形成部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、及び各セル内に封入された移動性粒子群34(第1粒子)を含んで構成されている。また、各セル内には、反射粒子群28が封入されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。移動性粒子群34は、複数の移動性粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示が可能となるように構成することができる。
なお、本実施形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を順に積層した構成となっている。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施形態における透光性とは、可視光の透過率が60%であることを示している。
支持基板38及び支持基板44としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
背面電極46及び表面電極40には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等を使用することができる。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成できる。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100Å以上2000Å以下である。背面電極46及び表面電極40は、従来の液晶表示素子あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成することができる。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料が各移動性粒子群34の各粒子の電気的特性又は磁気的特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、各移動性粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板22に形成することが望ましい。
なお、表示媒体12を単純マトリクス駆動とすると、表示媒体12を備えた詳細を後述する表示装置10の構成を簡易な構成とすることができ、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動とすると、単純マトリクス駆動に比べて表示速度を速くすることができる。
上記表面電極40及び背面電極46が、各々支持基板38及び支持基板44上に形成されている場合、表面電極40及び背面電極46の破損や、各移動性粒子群34の各粒子の固着を招く電極間のリークの発生を防止するため、必要に応じて表面電極40及び背面電極46各々上に誘電体膜としての表面層42及び表面層48各々を形成することが望ましい。
この表面層42及び表面層48各々を形成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。
また、誘電体膜を構成する材料として上述した材料の他に、この材料中に電荷輸送物質を含有させたものも使用できる。
電荷輸送物質としては、例えば、正孔輸送物質であるヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等が挙げられる。また、電子輸送物質であるフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等も使用できる。さらに、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いることもできる。
具体的には、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4806443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート等が挙げられる。誘電体膜としての表面層42及び表面層48は、各移動性粒子群34の帯電特性や流動性に影響を及ぼすことがあるので、各移動性粒子群34の組成等に応じて選択する。表示媒体12を構成する表示基板20は、上述のように透光性を有する必要があるので、上記各材料のうち透光性を有する材料を使用することが望ましい。
表面層42及び表面層48は、粒子拘束層であってもよい。粒子拘束層は、シート状(層状)であって、移動性粒子群34が層方向(厚み方向)に通過する複数の孔を有すると共に移動性粒子群34を拘束する機能を有し、且つ分散媒50に浸された状態において光透過性を有している。
この分散媒50に浸された状態とは、粒子拘束層の孔内に分散媒50が満たされた状態を示しており、粒子拘束層は、この孔内に分散媒50が満たされた状態において光透過性を有する。
この粒子拘束層を、分散媒50に浸された状態において光透過性を有する構成とすることにより、粒子拘束層を、光透過性を有し且つ移動性粒子群34を拘束する層として機能させることができる。
上述のように粒子拘束層は、移動性粒子群34を拘束する機能を有している。この移動性粒子群34を拘束する機能とは、粒子拘束層の表面に移動性粒子群34を付着させて拘束する機能を示している。
なお、本実施形態において、この「粒子拘束層の表面」とは粒子拘束層における分散媒50と接する領域、すなわち、粒子拘束層に設けられている孔の内壁を示している。
また、「拘束」とは、移動性粒子群34が粒子拘束層から離脱が生じない程度の付着力が、移動性粒子群34と粒子拘束層との間に作用している事を意味している。
より具体的には、「拘束」とは、本実施形態の表示媒体12において、表示基板20と背面基板22との基板間に電界を形成して移動性粒子群34を移動させた後にこの電界の形成を停止し、電界形成停止直後の反射率を基準(100%)として、電界形成停止から10日後における反射率の変動が、−5%以内であることを意味する。
この移動性粒子群34を拘束する機能は、移動性粒子群34と粒子拘束層との物体間に作用する力や、粒子拘束層の孔による立体障害による物理的な拘束によって調整する。物体間に作用する力としては、静電力や、磁力、分子間力等がある。
この立体障害による物理的な拘束や、静電力や、磁力、分子間力等の調整は、移動性粒子群34を構成する材料の選択、粒子拘束層を構成する材料の選択、粒子拘束層の表面への表面処理、粒子拘束層の表面への帯電処理、粒子拘束層の空隙率、孔の開口率、及び孔の平均孔径等の各々又はこれらを組み合わせて調整することによって、実現することができると考えられる。
粒子拘束層の空隙率としては60%以上90%以下であることが表示に必要な数の移動性粒子群34を含有させ、所望の拘束力を維持するとの理由から望ましく、75%以上85%以下であることがより望ましい。
粒子拘束層の孔の平均孔径は、移動性粒子群34を構成する粒子が通過可能なサイズであれば特に限定されないが、移動性粒子群34の平均粒径が、移動性粒子群34の体積平均一次粒径の1.2倍以上10倍以下の範囲内であることが望ましく、2倍以上5倍以下の範囲内であることがより望ましい。
粒子拘束層の孔の平均孔径が、移動性粒子群34の体積平均一次粒径の1.2倍未満であると、粒子の移動度が低下し電場応答性が悪くなると言う問題があり、10倍を超えると、粒子と拘束層の衝突確率が小さくなり、粒子の捕集効率が低下すると言う問題が生じる場合がある。
粒子拘束層の平均孔径、厚み、空隙率は、粒子拘束層各々の断面のSEM観察により求めた。平均孔径は、断面に観察される孔の任意の5つのエリアについて平均孔径を測定し、各点における孔径の平均値として求めた。また、厚みや、空隙率は、断面について5つのエリアをSEMによって観察し、各点における厚みや空隙率の平均値として求めた。
粒子拘束層の厚みは、表示基板20と背面基板22との基板間の距離や、空隙率等にも依存するが、1μm以上20μm以下であることが望ましく、5μm以上10μm以下であることが更に望ましい。粒子拘束層の厚みが1μm未満であると粒子拘束による十分な色素濃度が得られないと言う問題が生じる場合があり、厚みが20μmを超えると、電極間距離が大きくなり高い駆動電圧が必要になると言う問題がある。
次に、粒子拘束層を構成する材料や好適な光学的特性等について説明する。
粒子拘束層は、上述したように、シート状(層状)であって、移動性粒子群34が通過する複数の孔を有すると共に移動性粒子群34を拘束する機能を有し、且つ分散媒50に浸された状態において光透過性を有するものであれば特に限定されないが、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレン、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素化樹脂等からなる樹脂シートを適用することができる。
特に望ましく適用できるのは、機械強度が高く、基板間の間隙を良好に保持できるとの理由から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリエチレン(PE)である。
なお、粒子拘束層の極性や帯電性は、粒子拘束層を構成する主たる材料そのものによって制御することもできるが、必要に応じて帯電制御剤を添加することが望ましい。
また、粒子拘束層の帯電性を制御するために必要に応じて表面処理を施したものを用いることができる。
また、移動性粒子群34が軟磁性材料や、強磁性材料を含む場合、粒子拘束層には、磁性材料が含まれていてもよい。これによって、移動性粒子群34と粒子拘束層との間に働く拘束力を静電力に加えて磁力によっても制御してもよい。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成することができる。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製することができる。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製することができる。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用することができる。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用できる。
なお、「透明」とは、可視光に対して50%以上の透過率を有することを示している。
各移動性粒子群34が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が107Ω・cm以上であることを示している。
絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用できる。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒50として好適に使用することができる。該体積抵抗値としては、103Ωcm以上であることが望ましく、107Ωcm以上1019Ωcm以下であることがより好適であり、さらに1010Ωcm以上1019Ωcm以下であることがよりよい。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界を印加することが可能となり、かつ、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。又、これらの添加剤は、溶媒に溶解されていることが好ましい。また、分散いかんに問わず、、表示に対して、影響度の少ないものであれば、使用可能である。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用できる。これらも溶解している状態が好ましいが、表示に対し、影響度の少ないものであれば、使用可能である。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01重量%以上、20重量%以下が望ましく、特に0.05重量%以上10重量%以下の範囲が望ましい。0.01重量%を下回ると、希望とする帯電制御効果が不充分であり、また20重量%を越えると、現像液の過度な電導度の上昇を引き起こし、使い難くなるからである。
なお、表示媒体12に封入される移動性粒子群34は、分散媒50として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることも望ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、及びアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体を挙げることができる。
これら中でも、製造安定性、電気泳動特性等の観点から、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が望ましく用いられる。
これら高分子樹脂は、前記絶縁性液体と共に分散媒50として用いることが望ましい。
各セル内に封入されている移動性粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。
この移動性粒子群34の各移動性粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に絶縁性の着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
移動性粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
また、移動性粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。これらは、複数の色材と組み合わせて用いることができる。
移動性粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げることができる。
移動性粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが望ましい。この光干渉薄膜とは、SiO2やTiO2等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
移動性粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、移動性粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。移動性粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが望ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)2と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、移動性粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)2にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の体積平均一次粒径は、一般的には5nm以上100nm以下であり、10nm以上50nm以下であることがよりよいが、これに限定されない。
外添剤と移動性粒子の配合比は移動性粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると移動性粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の移動性粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、移動性粒子100重量部に対して、0.01重量部以上3重量部以下、また0.05重量部以上1重量部以下であることがよりよい。
外添剤は、複数種類の移動性粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種又は全種類の移動性粒子へ添加してもよい。全移動性粒子の表面に外添剤を添加する場合は、移動性粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、移動性粒子表面を加熱して外添剤を移動性粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が移動性粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の集合体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
本実施形態において、移動性粒子群34では、基板間に形成された電界に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動するために、予め平均帯電量や静電量等の電界に応じた移動に寄与する特性が予め調整されているものとして説明する。
この、移動性粒子群34を構成する各移動性粒子の平均帯電量の調整は、具体的には、前記した樹脂に配合する帯電制御剤の種類と量、移動性粒子表面に結合するポリマー鎖の種類と量、移動性粒子表面に添加したり埋め込んだりする外添剤の種類と量、移動性粒子表面に付与する界面活性剤やポリマー鎖やカップリング剤の種類と量、移動性粒子の比表面積(体積平均一次粒径や移動性粒子の形状係数)等を調整することによって可能である。
また、各移動性粒子の磁気量の調整は、具体的には、移動性粒子に磁性を付与する各種の方法を用いることができる。
移動性粒子は、例えば、従来の電子写真の磁性トナーのように、粉末状のマグネタイト等の磁性体を樹脂に混合して移動性粒子を作製したり、磁性体とモノマーを分散し、重合して移動性粒子を作製したりすることができる。また、移動性粒子は、多孔質粒子の細孔に磁性体を沈着させて作製する、あるいは、磁性体を被覆する方法も知られている。移動性粒子は、例えば、磁性体表面に設けた活性点から重合させて磁性体を樹脂でくるんだ粒子を作製したり、磁性体表面に溶解させた樹脂を沈着させて磁性体を樹脂でくるんだ粒子を作製したりすることでも得れる。磁性体として軽くて透明な、あるいは着色した有機磁性体も使用可能である。移動性粒子の磁気量の調整は、使用する磁性体の種類と量を調整することによって可能である。
上記の移動性粒子群34を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて移動性粒子を調製し、得られた移動性粒子をその後分散媒に分散する方法が使用できる。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を内部に含有させた移動性粒子を調製し、その後分散媒に分散して移動性粒子分散媒を作成してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点より低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて移動性粒子を作成することができる。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用できる。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって移動性粒子を作成するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
セル中の全重量に対する移動性粒子群34の含有量(重量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くすることができる。一般的には、0.01重量%以上50重量%以下である。
表示媒体12における上記セルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示可能な表示媒体12を作製することができ、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
本実施形態に係る表示媒体12において、この表示媒体12を構成する表示基板20と背面基板22との間に形成されたセル内には、反射粒子群28が封入されている。
この反射粒子群28は、移動性粒子群34を構成する粒子とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子26から構成されている。反射粒子26は、移動性粒子群34の各粒子各々が通過可能な間隙をもって、セル内に配列されている。このため、移動性粒子群34を構成する各粒子は、複数の反射粒子26により構成される隙間を通じて、表示基板20と背面基板22との基板間とを移動する。
反射粒子群28は、図1及び図2に示すように、表示基板20と背面基板22との基板間において、表示基板20の板面方向の全面に亘って存在するように配置されている。反射粒子群28は、複数の反射粒子26が、表示基板20と背面基板22との積層方向に直交する方向に一列に配列されて設けられている。
なお、本実施形態では、反射粒子群28のセルの厚み方向における配置(表示基板20と背面基板22との基板間における、これらの基板の積層方向における位置)は、表示基板20と背面基板22との基板間に、これらの基板双方に接触しない位置に設けられている場合を説明するが、図3に示す表示媒体13に示されるように、表示媒体に表示される色や画像を観察者が視認する側に位置するよう、反射粒子群28を配置することが、視野角依存性の低減の観点からよりよい。なお、表示媒体13の構成は、表示媒体12と反射粒子群28の配置位置が異なる以外は全て同一であるため、詳細な説明を省略する。
また、本実施形態では、反射粒子群28を構成する複数の反射粒子26は、表示基板20と背面基板22との積層方向に直交する方向に一列に配列されて設けられている場合を説明するが、この形態に限られるものではなく、図4の表示媒体14に示すように、複数列に配列されて設けられていてもよい。なお、表示媒体14の構成は、表示媒体12と反射粒子群28の構成が、反射粒子26が複数列に配置されている以外は全て同一であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、反射粒子群28は、セル中への反射粒子26の充填率を高めることで反射粒子群28自体に起因する色濃度を容易に高められ、表示媒体12における高いコントラストや隠蔽力が得れる。
また、「移動性粒子群34を構成する粒子とは異なる光学的反射特性を有する」とは、移動性粒子群34だけが分散された分散媒50と、反射粒子群28とを対比して目視で観察した場合に、色度、明度、及び彩度において、両者の差異が識別できる差異があることを意味する。なお、これらの色度、明度、及び彩度のうち、色度が異なることが望ましい。
上記「識別できる差異」とは、例えば、色度が異なる場合には、具体的には、この移動性粒子群34だけが分散された分散媒50と、反射粒子群28と、の各々におけるCIELAB値をX−Rite社製X−Rite404により測定したときのa*、b*の差が、5以上であることを示している。
反射粒子群28を構成する反射粒子26は、色材粒子の集合体を含んで構成されている。具体的には、反射粒子26は、例えば、図5に示すように、粒子全体が色材粒子26Aの集合体で構成されている形態が挙げられる。
反射粒子26は、図5に示すように、色材粒子26Aの集合体を含むと、光(図中矢印で表示)が色材粒子26Aで反射される際、集合体であるが故に散乱光が近傍の色材粒子26Aにより反射されるといった多重散乱が生じ、光の透過が抑制される。結果、反射粒子26で構成される反射粒子群28の色度が増加される。従って、反射粒子26に構成する色材粒子26Aの集合体は、反射粒子の径方向の一部に当該粒子を覆うように層をなして存在していれば、上記多重散乱が生じ、光の透過が抑制されることとなる。
反射粒子26は、上記構成に限られず、図6に示すように、色材粒子26Aと共に樹脂粒子26Bを含む集合体で構成された形態が挙げられる。色材粒子26Aと共に、樹脂粒子26Bを併用して集合体を構成することで、反射粒子26の比重が調整される。
また、反射粒子26は、上記構成に限られず、図7に示すように、色材粒子26Aの間隙(空隙)に樹脂(以下、充填樹脂26Cと称する)を含む集合体で構成された形態が挙げられる。色材粒子26A間の空隙に、充填樹脂26Cが含まれることで、例えば、集合体の空隙率が高く集合体の強度が弱い場合等でも、反射粒子26の強度が確保される。
また、反射粒子26は、上記構成に限られず、図8に示すように、コア樹脂層26Dを中心に、粒子間の空隙に充填樹脂26Cが含まれた色材粒子26Aの集合体からなる色材粒子層26Eと、樹脂層26Fと、色材粒子層26Eと、が同心円状に積層された形態も挙げられる。なお、例えば、コア樹脂層26D、樹脂層26Fは、充填樹脂26Cと同様の材料種で構成されている。
なお、反射粒子26は、図示しないが、帯電制御剤などのその他の添加剤が含まれていてもよい。
ここで、色材粒子26Aの集合体とは、複数の隣合う色材粒子26A同士が、近接、接触又は接触し、3次元的な繋がりを持って集合している形態を意味する。
以下、各材料について説明する。まず、色材粒子26Aについて説明する
色材粒子26Aとしては次のものが挙げられる。白色系の色材粒子26Aとしては、酸化チタン(ルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタン等)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の白顔料が挙げられる。黒色系の色材粒子26Aとしては、カーボンブラック、チタンブラック、磁性粉、オイルブラック、等有機、無機系の黒顔料が挙げられる。これらは、複数混合して使用されてもよい。
有彩色の色材粒子26Aとしては、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系、縮合系、不溶性レーキ顔料、無機酸化物系の顔料を使用することができる。その具体例としては、例えばアニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示される。
ここで、反射粒子群28は、白色を呈することが望ましいことから白色系の色材粒子26Aを適用することがよく、白色度が高い点から当該白色系の色材粒子26Aとしては、酸化チタンが望ましい。この酸化チタンの中でも、ルチル型の酸化チタンが望ましい。また、反射粒子26のゼータ電位を調整する目的から、酸化チタンと共に、他の白色系の色材粒子26A(例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)を併用してもよい。
色材粒子26Aの体積平均一次粒子径は、0.01μm以上1.0μm以下(望ましくは0.02μm以上0.5μm以下)であるものがよい。
また、色材粒子26Aには表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、白色度に影響を与えない範囲で、各種カップリング剤、有機物を溶媒で溶解させたものが使用できる。
色材粒子26Aの反射粒子26に対する密度は、1.5g/cm3以上5g/cm3以下であることが望ましく、より望ましくは2.0g/cm3以上5g/cm3以下であり、さらに望ましくは2.5g/cm3以上5g/cm3以下である。この密度が上記範囲であると、反射粒子26が有効に多重散乱を生じさせ、色度が向上される。なお、図8に示す如く、色材粒子の集合体が層状に形成された反射粒子26における当該密度は、当該層状の色材粒子の集合体の層(色材粒子層26E)における密度を意味する。
ここで、密度の測定方法は、次の通りである。
反射粒子断面を透過型電子顕微鏡で観察し、色材粒子の集合体の単位面積あたりの色材面積率A%、樹脂層を有す場合、樹脂層の樹脂面積率B%をもとめ、色材粒子の比重C、樹脂の比重Dより、以下の式で求める。
密度=A×C/((A+B)×D+F×1)
但し、Fは空隙の面積率(%)であり、A+B+F=100
次に、樹脂粒子26Bについて説明する。樹脂粒子26Bを構成する材料としては、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレンーアクリル酸エステル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル樹脂等のビニル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、又はこれらが架橋されているものが挙げられる。
樹脂粒子26Bの体積平均一次粒子径は、0.05μm以上1.0μm以下(望ましくは0.1μm以上0.5μm以下)であるものがよい。
次に、充填樹脂26Cについて説明する。充填樹脂26Cとしては、フッ素(F)を含有する樹脂(例えば、メタクリル酸エステルにフッ素基含有ビニルモノマーを共重合したもの)、及びシラノール構造(−Si−O−)を有する樹脂(例えば、ビニルシラン化合物とメタクリル酸エステルを共重合したもの)、セルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス樹脂などが挙げられる。これらの中でも、反射粒子26の汚染抑制、即ち、付着物による色低下を抑制する点から、フッ素を含有する樹脂、シラノール構造を有する樹脂が望ましい。
次に、帯電制御剤について説明する。帯電制御剤は、反射粒子26の帯電性を制御するために添加されるものである。
帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、P−51、P−53(オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、又は、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子をあげることができる。
帯電制御剤の添加量は、反射粒子26全体100重量部に対して0.1重量部以上10重量%以下が望ましく、さらに、0.5重量部以上5重量%以下が望ましい。
帯電制御剤の反射粒子26中における分散単位の大きさとしては、体積平均一次粒径で、5μm以下のものが用いられ、1μm以下のものが望ましい。この帯電制御剤は、反射粒子26中において相溶状態で存在していてもよい。
帯電制御剤は、無色、低着色力、又は、反射粒子26全体の色と同系色であることが望ましい。無色、低着色力、又は、反射粒子26全体の色と同系色の帯電制御剤を使用することにより、表示デバイス用粒子の色相へのインパクトを低減することができる。
ここで、「無色」とは、色彩を有しないことをいい、「低着色力」とは、含まれる表示デバイス用粒子全体の色彩に与える影響が小さいことをいう。また、「反射粒子26全体の色と同系色」とは、帯電制御剤自身、色相を有するものの、含まれる反射粒子26全体の色と同色ないし、近似した色相であり、結果として、含まれる反射粒子26全体の色彩に与える影響が小さいものであることをいう。例えば、白色顔料を色材として含有する反射粒子26において、白色の帯電制御剤は、「含まれる粒子全体の色と同系色」の範疇に含まれる。
いずれにしても、帯電制御剤の色としては、「無色」、「低着色力」、「含まれる粒子全体の色と同系色」に拘らず、それが含まれる反射粒子26の色が所望の色となるものであればよい。
上記構成の反射粒子26は、反射粒子26の汚染抑制、即ち、付着物による色低下を抑制する点から、その表面に表面処理がなされていることがよい。例えば、表面処理としては、各種カップリング剤によるカップリング処理や、樹脂被服層(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素系樹脂(例えばサイトップ(旭ガラス社製)、INT−330(NIマテリアル社製)等)を溶解した液を塗布乾燥させてコート層を形成する処理などが挙げられる。
反射粒子26は、その粒子間間隙を通じて移動性粒子群34の各粒子が移動可能であることが必要であることから、移動性粒子群34を構成する各粒子より10倍以上大きい体積平均一次粒径のものを適用することが好適であり、20倍以上大きいことが更に好適である。但し、反射粒子26は、基板間に封入させるため、基板間距離よりも小さい粒径とする。
ここで、反射粒子26の大きさは、移動性粒子群34の径が均一である場合、この移動性粒子群34の粒子よりも10倍以上の大きさでもよいが、移動性粒子群34の各粒子の径にばらつきがある場合には、20倍以上の大きさであった方が、移動性粒子群34を構成する粒子が反射粒子26間に詰まることがなくなり、表示性能が安定する。
反射粒子26の粒径が小さすぎると移動性粒子群34を構成する粒子が移動可能な粒子間隙を確保できない場合があり、大きすぎると基板間隙が大きくなり、高電圧化や表示速度低下が生じることがある。なお、反射粒子26の体積平均一次粒径が10μm程度の場合、体積平均一次粒径が数十nmの移動性粒子群34の粒子は反射粒子26同士の間隙を通じて移動可能である。
反射粒子26の体積平均一次粒径としては、一概には言えないが、良好な画像を得るためには、1μm以上30μm以下が望ましく、さらに2μm以上20μm以下が望ましく、特に2μm以上15μm以下が望ましい。
また、粒子の粒度分布はシャープなものがよく、単分散であることが望ましい。
なお、本実施形態において、測定する粒子直径が2μm以上の場合、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、体積平均一次粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、より良くはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積16%となる粒径を体積平均一次粒径D16v、数で累積16%となる累積個数粒径をD16pと定義する。同じように、体積で累積50%となる粒径を体積平均一次粒径D50v、数で累積50%となる粒径を個数平均粒子径D50pと定義する。また、同じように、体積で累積84%となる粒径を体積平均一次粒径D84v、数で累積84%となる累積個数粒径をD84pと定義する。体積平均粒径は該D50vである。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2より算出され、数平均粒度指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2より算出され、小径側個数平均粒度指標(下GSDp)は{(D50p)/(D16p)}により算出される。
一方、測定する粒子直径が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、2分待って、セル内の濃度が安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、より良くはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1,000Hz)にて2分間分散して、試料を作製し、前述の分散液と同じ方法で、測定した。
反射粒子26の形状は、球形であることが望ましいが、これに限られず、不定形であってもよい。
反射粒子26の製造方法は、例えば、色材粒子26Aを造粒させて色材粒子26Aの集合体を形成することで得られる。造粒法としては、湿式高剪断造粒法、回転造粒法、流動層造粒法、乾式造粒法、押し出し造粒法が挙げられ、湿式高剪断造粒法、回転造粒法、流動層造粒法が好適である。これら造粒法においては、目的とする構成に応じて、色材粒子26A、充填樹脂26Cを配合して造粒してもよい。
また、造粒後に、反射粒子26の色材粒子26A間に充填樹脂26Cを含ませる手法としては、
1)色材粒子26Aを造粒後、当該粒子間に、充填樹脂26Cを溶解した溶媒(例えば水、有機溶媒等)を造粒粒子(色材粒子26Aの集合体)の間隙に願浸させた後、乾燥することで、色材粒子26A間に充填樹脂26Cの充填する手法、
2)色材粒子26Aを造粒後、当該粒子間に、充填樹脂26C(例えば充填樹脂26Cとして光重合樹脂や熱重合樹脂を適用)の単量体を溶解させた溶媒を造粒粒子(色材粒子26Aの集合体)の間隙に願浸させた後、重合(光重合・熱重合)することで、色材粒子26A間に充填樹脂26Cの充填する手法
3)色材粒子26Aを造粒後、当該粒子間に、熱溶融させた充填樹脂26Cを含浸させ、冷却して、色材粒子26A間に充填樹脂26Cの充填する手法、
が挙げられる。
また、図8に示す同心円状に色材粒子層26Eを設けられた反射粒子26を作製する手法としては、例えば、次の通りである。
まず、例えば、コア樹脂層26Dとしての樹脂粒子に、色材粒子26Aを外添させ、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いたメカノケミカル法により当該色材粒子26Aを樹脂粒子に埋没させる。これにより、コア樹脂層26Dの表面に色材粒子層26Eが形成される。次いで、この色材粒子が表面に埋没させた樹脂粒子に、他の樹脂粒子を外添させ、同じく、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いたメカノケミカル法により、色材粒子が表面に埋没させた樹脂粒子の表面に、他の樹脂粒子を埋没させる。これにより色材粒子層26E上に樹脂層26Fが形成される。そして、さらに、色材粒子層26E及び樹脂層26Fが形成された樹脂粒子の表面に、他の色材粒子を外添させ、同じく、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いたメカノケミカル法により、色材粒子層26E及び樹脂層26Fが形成された樹脂粒子の表面に、他の色材粒子を埋没させる。これにより、コア樹脂層26Dを中心に、粒子間の空隙に充填樹脂26Cが含まれた色材粒子26Aの集合体からなる色材粒子層26Eと、樹脂層26Fと、色材粒子層26Eと、が同心円状に積層された反射粒子26が得られる。
上記手法で得られた造粒粒子(色材粒子26Aの集合体)は、必要に応じて、上記表面処理がなされ、粒度分布を調整するために、分級操作がなされる。
分級操作としては、例えば、各種振動篩、超音波篩、空気式篩、及び湿式篩、遠心力の原理を使用したローター回転式分級機、風力分級機等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独、又は、複数組み合わせることにより、所望の粒度分布に調整できる。特に精密に調整する場合は、湿式篩を使用するのが望ましい。
上記作製した反射粒子26を表示基板20と背面基板22との基板間へ封入するには、例えば、電子写真法やトナージェット法などにより行う。また、反射粒子26を固定化する場合には、例えば、反射粒子26を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、反射粒子26の粒子群表層を固めることで、粒子間隙を維持されやすくなる。
この反射粒子26で構成される反射粒子群28の、各セル中の体積充填率は、反射粒子26の色、例えば白色度の理由から、10vol%以上95vol%以下であることが良く、20vol%以上90vol%以下であることが更に良く、30vol%以上90vol%以下であることが特によい。
上記構成の表示媒体12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用することができる。
上記に示したように、本発明実施形態に係る表示装置10は、上記表示媒体12に電圧を印加することで表示媒体12の表示基板20と背面基板22との基板間に電界を形成する電界形成部16と、制御部18と、を含んで構成されている(図1及び図2参照)。電界形成部16は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
なお、表示媒体12が本発明の表示媒体に相当し、表示装置10が本発明の表示装置に相当し、電界形成部16が、本発明の表示装置の電界形成手段に相当する。
電界形成部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電界形成部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電界形成部16に接続された構成であってもよい。
なお、表示装置10には、表示媒体12を装着するための装着部(図示省略)が設けられている。この装着部(図示省略)に表示媒体12が装着されると、表面電極40及び背面電極46は、表示装置10の電界形成部16と信号授受可能に接続される。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラムを含む各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されている。
電界形成部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
表示装置10の図示を省略する装着部に表示媒体12が装着されて、制御部18の制御によって電界形成部16から表示媒体12の表面電極40と背面電極46とに電圧が印加されると、印加された電圧に応じた電界が分散媒50中に形成される。
この形成された電界によって、移動性粒子群34が表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。例えば、移動性粒子群34を構成する粒子が負極に帯電されており、表面電極40に正極の電圧、背面電極46に負極の電圧が印加されると、移動性粒子群34を構成する粒子は、反射粒子群28の空隙を通って、背面基板22側から表示基板20側に移動する(図2参照)。このとき、表示基板20側から視認されると、表示基板20側に位置する移動性粒子群34の粒子の色が、表示媒体12の色として視認される。
この際、反射粒子群28の色度が向上されていることから、移動性粒子群34の粒子の色が鮮明に表示され、コントラストが向上される。
一方、表面電極40に負極の電圧、背面電極46に正極の電圧が印加されると、移動性粒子群34を構成する粒子は、反射粒子群28の空隙を通って、表示基板20側から背面基板22側に移動する(図1参照)。このとき、表示基板20側から視認されると、反射粒子群28の色が、表示媒体12の色として視認される。
この際、反射粒子群28の色度が向上されていることから、移動性粒子群34を構成する移動性粒子の色が呈されることなく、反射粒子群28の色が呈され、隠蔽力が向上される。
従って、本実施形態では、背景色の色度を向上させ、コントラスト及び隠蔽力の向上が実現される。
[試験例]
本実施形態に係る表示装置(表示媒体)の効果を実証するため、白色の反射粒子26を作製し、評価を行った。
(試験例1)
−分散液A1の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A1を調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル:47重量部
・ビニルトリメトキシシラン:3重量部
・ルチル型酸化チタン粒子(CR63:石原産業製)―1(白色顔料:体積平均一次粒子径:0.3μm):40重量部
・トルエン:10重量部
−分散液Bの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して分散液Bを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム粒子(体積平均一次粒子径:0.2μm):40重量部
・水:60重量部
−混合液Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液Cを調製した。
<組成>
・分散液B:8.5g
・20%食塩水:50g
次に、分散液A1:35gとジメタクリル酸エチレングリコール1g、重合開始剤AIBN:0.35gを秤量した後、充分混合し、超音波機で脱気を3分おこなった。これを前記混合液Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液を耐圧ビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。この状態で60℃で15時間反応させ粒子を作製した。その後、ろ過し、固形分を75度、減圧乾燥させ、トルエン成分を除去させたのち、得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。
その後充分な蒸留水で洗浄した。さらに、この粉末をメタノール中に分散させ、室温にて、3時間、攪拌し、モノマー残渣、及び、トルエン残渣を取り除き、ろ過したのち、60度にて、減圧乾燥させ、凝集をほぐし、未分級の白粒子を得た。次で、目開き:10μm、15μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、体積平均一次粒径13μmの表面に多数、0.3μm程度の孔のあいた白粒子を得た。得られた白粒子の断面を観察すると、酸化チタンの粒子からなる集合体で構成されていた。なお、酸化チタンの密度は、2.2g/cm3であった。
(試験例2)
・体積平均一次粒径8μmのPMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子:95重量部
・体積平均一次粒径20nmのルチル型酸化チタン粒子5重量部、
をヘンシェルミキサーで混合し、PMMA粒子表面に酸化チタン粒子を外添させたのち、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いて、メカノケミカル法にて、酸化チタン粒子をPMMA粒子表面に埋没させ、粒子Aを得る。
次に、この粒子A:93重量部に0,2μmのPTFE(フッ素樹脂粒子)粒子7重量部をヘンシェルミキサーで混合し、A粒子表面にPMMA粒子を外添させたのち、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いて、メカノケミカル法にて、PMMA粒子をA粒子表面に埋没させ、粒子Bを得る。
粒子B:95重量部、体積平均一次粒径20nmのルチル型酸化チタン粒子5重量部をヘンシェルミキサーで混合し、PMMA粒子表面に酸化チタン粒子を外添させたのち、ハイブリダイザー(奈良機械製)を用いて、メカノケミカル法にて、酸化チタン粒子をB粒子表面に埋没させ、白粒子を得た。ついで、目開き:10μm、15μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、体積平均一次粒径12.5μmの白粒子を得た。得られた白粒子の断面を観察すると、PMMA層を中心に、酸化チタン粒子の集合体からなる層、PMMA層、酸化チタン粒子の集合体からなる層が順次同心円状積層されていた。酸化チタン粒子の集合体からなる層における酸化チタンの密度は、3.8g/cm3であった。
(試験例3)
・スチレンメタクリル酸樹脂:10重量部
・体積平均一次粒径0.2μmのルチル型酸化チタン粒子:50重量部
・トルエン:40重量部
をボールミルにて、分散させた後、スプレードライヤーにて、粒子造粒,乾燥を行った。その後、減圧乾燥にて、十分に残存溶媒を乾燥させ、目開き:10μm、15μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、体積平均一次粒径12.3μmの白粒子を得た。得られた白粒子の断面を観察すると、酸化チタン粒子からなる集合体で構成され、当該粒子間の間隙には樹脂が充填されていた。酸化チタンの密度は、2.6g/cm3であった。
(比較例1)
−分散液A2の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A2を調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル:80重量部
・ルチル型酸化チタン(CR63:石原産業製:体積平均一次粒径0.3μm)―1(白色顔料):20重量部
−分散液Bの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して分散液Bを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40重量部
・水:60重量部
−混合液Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液Cを調製した。
<組成>
・分散液B:8.5g
・20%食塩水:50g
次に、分散液A2:35gとジメタクリル酸エチレングリコール1g、重合開始剤AIBN:0.35gを秤量した後、充分混合し、超音波機で脱気を3分おこなった。これを前記混合液Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液を耐圧ビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。この状態で60℃で15時間反応させ粒子を作製した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄した。さらに、この粉末をメタノール中に分散させ、室温にて、3時間、攪拌し、モノマー残渣、を取り除き、ろ過したのち、60度にて、減圧乾燥させ、凝集をほぐし、未分級の白粒子を得た。ついで、目開き:10μm、15μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、体積平均一次粒径13μmの表面に孔のあいていない白粒子を得た。得られた白粒子の断面を観察すると、酸化チタンは、樹脂中にほぼ均一に分散した状態になっており、酸化チタン粒子間が、かなり離れていた状態となっていた。酸化チタンの密度は、1.2g/cm3であった。
(評価)
30μmのスペーサが配置された1枚のガラスプレートに上に、密度2.2g/cm3で得られた白粒子を配置し、シリコーンオイルを含浸させた後、他のガラスプレートで上から押さえ込み、評価サンプルを得た。下地に黒紙をおき、この評価サンプルの反射率を計測装置(X−Rite社製:504)で測定した。結果を表1に示す。評価基準は以下の通りである。
○:40%以上
△:30%以上40%未満
×:30%未満
白色粒子の汚染性については、目視により官能評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:若干、着色しているが、凝視しないとほぼ目立たない。
△:薄く着色しているが、(凝視しなくても)、何とか使用に耐える。
×:色が明らかに目立つ。濃い着色が散逸される。使用に耐えない。
また、白色粒子の密度については、上述のように測定し、10箇所の平均値とし評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:2.0g/cm3以上
△:1.5g/cm3以上2.0g/cm3未満
×:1.5g/cm3未満
上記結果から、試験例では、比較例に比べ反射率が向上しており、表示媒体における背景色の色度が向上し、コントラスト及び隠蔽力に優れることがわかる。