JP5959321B2 - 表示用白色粒子、表示用粒子分散液、表示媒体、及び表示装置 - Google Patents

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本発明は、表示用白色粒子、表示用粒子分散液、表示媒体、及び表示装置に関する。
従来、繰り返し書き換えが可能な表示媒体として、泳動粒子を用いた表示媒体が知られている。この表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動可能に該基板間に封入された粒子と、を含んで構成されている。また、表示媒体には、白色を表示するために、白色粒子を基板間に封入することがある。
例えば、特許文献1には、顔料をビニルナフタレンで被覆した白色の複合粒子が提案されている。
特開2008−122468号公報
本発明の課題は、電界応答性を抑制した表示用白色粒子を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
無機白色粒子と、
前記無機白色粒子を被覆し、ビニル基を一つ有するビフェニル化合物及びビニル基を二つ有するビフェニル化合物から選択される少なくとも一種を重合成分として含む重合体を構成要素とする被覆層と、
を有し、
電気泳動表示装置に用いる表示用白色粒子。
請求項2に係る発明は、
前記ビニル基を一つ有するビフェニル化合物がモノビニルビフェニルであり、前記ビニル基を二つ有するビフェニル化合物がジビニルビフェニルである請求項1に記載の表示用白色粒子。
請求項3に係る発明は、
前記重合体が、前記ビニル基を一つ有するビフェニル化合物及び前記ビニル基を二つ有するビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、シリコーン鎖を持つ重合成分と、の共重合体である請求項1又は2に記載の表示用白色粒子。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示用白色粒子を含む粒子群と、
前記粒子群を分散するための分散媒と、
を有する表示用粒子分散液。
請求項5に係る発明は、
少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に封入され、電界に応じて泳動する泳動粒子群と、
前記一対の基板間に封入され、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示用白色粒子を含む白色粒子群と、
前記一対の基板間に封入され、前記泳動粒子群及び前記白色粒子群を分散するための分散媒と、
を有する表示媒体。
請求項6に係る発明は、
請求項5に記載の表示媒体と、
前記一対の基板間に電界を形成する電界形成手段と、
を備える表示装置。
請求項1、2、3に係る発明によれば、上記被覆層を有さない無機白色粒子に比べ、電界応答性を抑制した表示用白色粒子を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、上記被覆層を有さない無機白色粒子を白色粒子群として適用した場合に比べ、表示白色粒子の電界応答性を抑制した表示用粒子分散液を提供できる。
請求項5、6に係る発明によれば、上記被覆層を有さない無機白色粒子を白色粒子群として適用した場合に比べ、表示用白色粒子の電界応答性に起因する混色表示を抑制した表示媒体、及び表示装置を提供できる。
第1実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 第1実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。 第2実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 第2実施形態に係る表示装置における、印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。 表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(表示用白色粒子、表示用粒子分散液)
本実施形態に係る表示用白色粒子は、無機白色粒子と、無機白色粒子を被覆してなる被覆層と、を有して構成されている。
そして、被覆層は、ビニル基を一つ有するビフェニル化合物及びビニル基を二つ有するビフェニル化合物(以下、この2種のビフェニル化合物を「ビニルビフェニル化合物」と称することがある。)から選択される少なくとも一種を重合成分として含む重合体を構成要素としている。
ここで、従来、表示媒体では背景色を白色とする場合、その白色表示を維持する観点から、表示用白色粒子は分散媒中に浮遊した状態を維持することが望ましい。
しかしながら、酸化チタン粒子等に代表される無機白色粒子は、高屈折率を有することから白色度の高い表示が実現されるものの、その電荷量が高いことから高い電界応答性を有しており、電界による泳動速度が速く、その結果、他色の泳動粒子(表示用粒子)と共に表示媒体の表示面側へと泳動してしまい混色表示の原因ともなっているのが現状である。
これに対して、本実施形態に係る表示用白色粒子では、ビニルビフェニル化合物の少なくとも一種を重合成分として含む重合体を構成要素とする被覆層を、無機白色粒子の表面に被覆することにより、電界応答性が低減される。つまり、電界による泳動速度が低減される。これは、ビニルビフェニル化合物の少なくとも一種を重合成分として含む重合体が低帯電性を示す材料であると考えられるためである。
その結果、本実施形態に係る表示用白色粒子を適用した表示媒体(及び表示装置)では、表示用白色粒子の電界による泳動速度が低減される、つまり、表示用白色粒子が他色の表示用粒子(泳動粒子)と共に電界により泳動し難い状態となることから、他色の表示用粒子(泳動粒子)の表示特性に影響を与え難く、その結果、表示用白色粒子の電界応答性に起因する混色表示が抑制される。
また、本実施形態に係る表示用白色粒子は、ビニルビフェニル化合物の少なくとも一種を重合成分として含む重合体が高い屈折率(例えば1.63以上1.66以下)を示す傾向の材料であることから、当該重合体を構成要素とする被覆層で無機白色粒子の表面を被覆することによる白色度の低減も抑えられると考えられる。
以下、各成分について説明する。
まず、無機白色粒子について説明する。
無機白色粒子としては、例えば、酸化チタン粒子、酸化ケイ素粒子、酸化亜鉛粒子、酸化スズ粒子等の金属酸化物粒子が挙げられる。
これらの中でも、屈折率が高く、高い白色度の表示が実現される観点から、酸化チタン粒子がよい。
次に、被覆層について説明する。
被覆層は、ビニルビフェニル化合物から選択される少なくとも一種を重合成分の一つとして含む重合体を構成要素としている。つまり、被覆層は、当該重合体を含んで構成される。
被覆層の構成要素となる重合体として具体的には、例えば、ビニルビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、他の重合成分と、の共重合体であることがよい。
他の重合成分としては、シリコーン鎖を持つ重合成分、アルキル鎖を持つ重合成分、及びノニオン性重合成分から選択される少なくとも1種が挙げられる。
被覆層の構成要素となる重合体としては、例えば、
1)ビニルビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、シリコーン鎖を持つ重合成分と、必要に応じて、ノニオン性重合成分と、の共重合体、
2)ビニルビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、アルキル鎖を持つ重合成分と、必要に応じて、ノニオン性重合成分と、の共重合体、
3)ビニルビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、ノニオン性重合成分と、の共重合体
が挙げられる。
ビニルビフェニル化合物は、ビニル基を一つ有するビフェニル化合物、及びビニル基を二つ有するビフェニル化合物から選択される。
ビニル基を一つ有するビフェニル化合物としては、例えば、モノビニルビフェニル(例えば、下記構造式(A)で示されるモノビニルビフェニル)が挙げられる。
ビニル基を二つ有するビフェニル化合物としては、例えば、ジビニルビフェニル(例えば、下記構造式(B)で示されるジビニルビフェニル)が挙げられる。
シリコーン鎖を持つ重合成分(シリコーン鎖を持つ単量体)としては、片末端に(メタ)アクリレート基を持ったジメチルシリコーンモノマー(下記構造式(1)で示されるシリコーン化合物:例えば、チッソ社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越シリコーン(株):X−22−174DX,X−22−2426,X−22−2475等)、下記構造式(2)〜(6)で表されるシリコーン化合物等が挙げられる。
なお、シリコーン鎖を持つ重合成分は、モノマーを用いてもよいし、マクロモノマーを用いてもよい。この「マクロモノマー」とは、重合性官能基を持ったオリゴマー(重合度2以上300以下程度)あるいはポリマーの総称であり、高分子と単量体(モノマー)との両方の性質を有するものである。また、シリコーン鎖を持つ重合成分は単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。

構造式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R’は、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。mは自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)を表す。xは1以上3以下の整数を示す。


構造式(2)、(3)、(5)、(6)中、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又は炭素数1以上4以下のフルオロアルキル基を表す。Rは、水素原子、又はメチル基を表す。p、q及びrはそれぞれ独立に、1以上1000以下の整数を表す。xは、1以上3以下の整数を表す。
構造式(4)中、R’は、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。mは自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)を表す。xは1以上3以下の整数を示す。
構造式(2)及び(5)で表されるシリコーン化合物は、R及びRがブチル基で、R、R、R、R及びRがメチル基で、Rがメチル基で、p及びqがそれぞれ独立に1以上5以下の整数で、xが1以上3以下の整数である態様が望ましい。
構造式(3)及び(6)で表されるシリコーン化合物は、R、R、R、R、R、R、R、R及びR10がメチル基で、Rが水素原子又はメチル基で、p、q及びrがそれぞれ独立に1以上3以下の整数で、xが1以上3以下の整数である態様が望ましい。
構造式(2)で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のMCS−M11等が挙げられる。構造式(3)で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のRTT−1011等が挙げられる。構造式(4)で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のMCR−V21等が挙げられる。構造式(5)で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のMCS−V12等が挙げられる。構造式(6)で表されるシリコーン化合物としては、例えば、Gelest社製のVTT−106等が挙げられる。以下にこれらのシリコーン化合物の構造式を示す。

MCS−M11は、上記の構造式においてm及びnがそれぞれ独立に2以上4以下の整数であり、その分子量が800以上1000以下である。

MCR−V21は、上記の構造式においてmが72以上85以下の整数であり、その分子量が5500以上6500以下である。

MCS−V12は、上記の構造式においてm及びnが6以上10以下の整数であり、その分子量が1200以上1400以下である。

アルキル鎖を持つ重合成分(アルキル鎖を持つ単量体)としては、例えば、長鎖アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、具体的には、例えば、炭素数4以上30以下のアルキル鎖をもったものが望ましく、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ノニオン性重合成分(ノニオン性単量体)としては、非イオン性単量体が挙げられ、具体的には、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、ビニルカルバゾール、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
なお、「(メタ)アクリル」との表記は「アクリル、メタクリル」、「(メタ)アクリロ」との表記は「アクリロ、メタクリロ」、「(メタ)アクリレート」との表記は「アクリレート、メタクリレート」の双方の表記を意味している。
被覆層の構成要素となる重合体において、ビニルビフェニル化合物の質量比は、重合体全体に対して1質量%以上99質量%以下(望ましくは10質量%以上80質量%以下)とすることがよい。
次に、表示用白色粒子の特性について説明する。
表示用白色粒子の体積平均粒径は、例えば、0.1μm以上10μm以下であることがよく、望ましくは0.15μm以上5μm以下、より望ましくは0.15μm以上1μm以下であることがよい。
なお、粒子の体積平均粒径は、大塚電子株式会社製「FPAR−1000:粒径アナライザー」で測定した値である。
表示用白色粒子において、無機白色粒子に対する被覆層の被覆量は、例えば、無機白色粒子の質量に対して1質量%以上99質量%以下であることがよく、望ましくは、望ましくは5質量%以上80質量%以下である。
この被覆層の被覆量は、例えば、次のようにして求められる。一つは作製した表示用白色粒子を遠心沈降させて、その質量を測定することで無機白色粒子材料量に対する増加量分として算出する。その他には粒子の組成分析、熱重量分析から算出してもよい。
次に、表示用白色粒子の製造方法について説明する。
表示用白色粒子は、例えば、有機溶媒に無機白色粒子を分散させた無機白色粒子分散液と準備し、無機白色粒子分散液に、被覆層の構成要素となる重合体の各原料成分(単量体)と、必要に応じて、重合開始剤等のその他添加剤と、を添加・混合し、混合溶液を調製する。
その後、例えば、この混合溶液を加熱することにより、重合反応を進行させると、重合反応と共に、無機白色粒子の表面に重合体が析出する。これは、
具体的には、例えば、重合成分としてのビニルビフェニル化合物の重合部分が重合と共に有機溶媒に非相溶な部位となって、析出し、無機白色粒子の表面に層状に堆積する。このため、重合成分として、他の重合成分を含む重合体の場合、ビニルビフェニル化合物の重合部位が内側、他の重合成分の重合部位が外側に配向しつつ、無機白色粒子の表面に層状に堆積すると考えられる。
これにより、特定の共重合体を構成要素とする被覆層により被覆された無機白色粒子からなる表示用白色粒子が得られる。
ここで、使用する有機溶媒は、例えば、ビニルビフェニル化合物は溶解するがその重合体を溶解しないといった性質を有する溶媒が採用され、具体的には、例えば、パラフィン、ヘキサン等の炭化水素系の溶媒単独、又は、これらの溶媒とシリコーンオイルとトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒との混合溶媒を用いる。
次に、表示用白色粒子を利用した表示用粒子分散液について説明する。
表示用白色粒子を利用した表示用粒子分散液(本実施形態に係る表示用粒子分散液)は、表示用白色粒子を含む粒子群と、粒子群を分散するための分散媒と、を有する。
表示用粒子分散液は、粒子群として、他の表示用粒子(泳動粒子)を含んでいてもよい。また、表示用粒子分散液には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散剤、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加してもよい。
分散媒としては、表示媒体用に利用される各種分散媒が適用されるが、低誘電溶媒(例えば誘電率5.0以下、望ましくは3.0以下)が選択されることがよい。分散媒は、低誘電溶媒以外の溶媒を併用してもよいが、50体積%以上の低誘電溶媒を含むことがよい。なお、低誘電率の誘電率は、誘電率計(日本ルフト製)により求められる。
低誘電溶媒としては、例えば、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイル、フッ素系液体など石油由来高沸点溶媒が挙げられるが、被覆層の構成要素である共重合体の種類に応じて選択されることがよい。
具体的には、例えば、重合成分としてシリコーン鎖を持つ重合成分を含む共重合体を適用する場合、分散媒としてはシリコーンオイルを選択することがよい。また、重合成分としてアルキル鎖を持つ重合成分を含む共重合体を適用する場合、分散媒としてはパラフィン系炭化水素溶媒を選択することがよい。無論、これに限られるわけではない。
シリコーンオイルとして具体的には、シロキサン結合に炭化水素基が結合したシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等)が挙げられる。これらの中も、ジメチルシリコーンが特に望ましい。
パラフィン系炭化水素溶媒としては、炭素数20以上(沸点80℃以上)のノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素が挙げられるが、安全性、揮発性等の理由から、イソパラフィンを用いることが望ましい。具体的には、シェルゾル71(シェル石油製)、アイソパーO、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーG、アイソパーM(アイソパーはエクソン社の商品名)やアイピーソルベント(出光石油化学製)等が挙げられる。
帯電制御剤としては、イオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部からなるブロック若しくはグラフト共重合体類、環状、星状若しくは樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった化合物、サリチル酸の金属錯体、カテコールの金属錯体、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、重合性シリコーンマクロマ(チッソ:サイラプレーン)とアニオンモノマあるいはカチオンポリマとの共重合体等が挙げられる。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下が望ましく、特に0.05質量%以上10質量%以下の範囲が望ましい。
本実施形態に係る表示用白色粒子及び表示用粒子分散液は、電気泳動方式の表示媒体などに利用される。
(表示媒体、表示装置)
以下、実施形態に係る表示媒体、及び表示装置の一例について説明する。
−第1実施形態−
図1は、第1実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図2は、第1実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
第1実施形態に係る表示装置10は、その表示媒体12の粒子群34として、電界に応じて泳動する白色以外の泳動粒子群を適用し、反射粒子群36として上記本実施形態に係る表示用白色粒子を含む白色粒子群を適用した形態である。
また、粒子群34として、粒子群34Aと、当該粒子群34Aとは異なる色を呈し、且つ帯電極性が異なる粒子群34Bと、を適用した形態である。
本実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を特定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子群36を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。セル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を反射粒子群36の間隙を通じて移動(泳動)する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示を行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
まず、一対の基板について説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を積層した構成となっている。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38及び支持基板44の材料としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極40及び背面電極46の材料としては、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が挙げられる。表面電極40及び背面電極46は、これらの単層膜、混合膜又は複合膜のいずれであってもよい。表面電極40及び背面電極46の厚さは、例えば、100Å以上2000Å以下であることがよい。背面電極46及び表面電極40は、例えば、マトリックス状、又はストライプ状に形成されていてもよい。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料を粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を実施するために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。TFTは表示基板ではなく背面基板22に備えることがよい。
次に、表面層について説明する。
表面層42及び表面層48は、表面電極40及び背面電極46各々上に形成されている。表面層42及び表面層48を構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
表面層42及び表面層48は、上記樹脂と電荷輸送物質を含んで構成されていてもよく、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を含んで構成されてもよい。
次に、間隙部材について説明する。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で構成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製する。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製する。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、無色透明であることがよく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等で構成される。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
次に、粒子群について説明する。
表示媒体12に封入される粒子群34は、分散媒50として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることも望ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、及びアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体が挙げられる。
これら中でも、製造安定性、電気泳動特性等の観点から、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が望ましく用いられる。
これら高分子樹脂は、前記絶縁性液体と共に分散媒50として用いることが望ましい。
各セル内に封入されている粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動する。
粒子群34の粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に絶縁性の着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
粒子群34の粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体が例示される。
また、粒子群34の粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示される。これらは、複数の色材と組み合わせて用いてもよい。
粒子群34の粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子が挙げられる。
粒子群34の粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いてもよい。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが望ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
粒子群34の粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子群34の粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子群34の粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理してもよい。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが望ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子群34の粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることが実現され、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性が制御され、且つ付与される帯電能も従来の酸化チタンのそれより改善がなされる。
外添剤の体積平均粒径は、一般的には5nm以上100nm以下であり、10nm以上50nm以下であることがよりよいが、これに限定されない。
外添剤と粒子群34の粒子の配合比は粒子群34の粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子群34の粒子表面から該外添剤の一部が遊離し、これが他方の粒子群34の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子群34の粒子100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下、また0.05質量部以上1質量部以下であることがよりよい。
外添剤は、複数種類の粒子群34の粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種又は全種類の粒子群34の粒子へ添加してもよい。粒子群34の全粒子の表面に外添剤を添加する場合は、粒子群34の粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、粒子群34の粒子表面を加熱して外添剤を粒子群34の粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が粒子群34の粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の集合体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
粒子群34の粒子は、基板間に形成された電界に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を移動するために、予め平均帯電量や静電量等の電界に応じた移動に寄与する特性が予め調整されているものとして説明する。
粒子群34粒子の平均帯電量の調整は、具体的には、前記した樹脂に配合する帯電制御剤の種類と量、粒子群34の粒子表面に結合するポリマー鎖の種類と量、粒子群34の粒子表面に添加したり埋め込んだりする外添剤の種類と量、粒子群34の粒子表面に付与する界面活性剤やポリマー鎖やカップリング剤の種類と量、粒子群34の粒子の比表面積(体積平均粒径や粒子群34の粒子の形状係数)等を調整することによって可能である。
粒子群34の粒子を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を特定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子群34の粒子を調製し、得られた粒子群34の粒子をその後分散媒に分散する方法が使用される。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を内部に含有させた粒子群34の粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子群34の粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点より低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬する適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子群34の粒子が作製される。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80℃以上160℃以下で分散及び混練する方法が使用される。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって粒子群34の粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒径を小さくする。
セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くでき得る。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
次に、反射粒子群について説明する。
反射粒子群36は、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子から構成され、粒子群34とは異なる色を表示する反射部材として機能するものである。そして、表示基板20と背面基板22との基板間の移動を阻害することなく、移動させる空隙部材としての機能も有している。すなわち、反射粒子群36の間隙を通って、背面基板22側から表示基板20側、又は表示基板20側から背面基板22側へ粒子群34の各粒子は移動される。
そして、反射粒子群36として、上記本実施形態に係る表示用白色粒子の白色粒子群が適用される。
次に、表示媒体のその他構成について説明する。
表示媒体12における上記セルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示する表示媒体12を作製することができ、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
上記表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用する。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用してもよい。
このように構成される表示媒体12は、例えば、画像の保存及び書換えがなされる掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用するドキュメントシート等に使用する。
次に、表示装置について説明する。
上記に示したように、本実施形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18とを含んで構成されている(図1参照)。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号授受されるように接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する
次に、表示装置10の作用を説明する。この作用は制御部18の動作に従って説明する。
ここで、表示媒体12に封入されている粒子群34のうち、粒子群34Bが負極性に帯電されており、粒子群34Bが正極性に帯電されている場合を説明する。また、分散媒50は透明であり、反射粒子群36が白色であるものとして説明する。すなわち、本実施形態では、表示媒体12は、粒子群34A及び粒子群34Bの移動によって、それぞれの呈する色を表示し、その背景色として白色を表示する場合を説明する。
まず、電圧を、特定時間、表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す初期動作信号を、電圧印加部16へ出力する。基板間に負極で且つ濃度変動が終了する閾値電圧以上の電圧が印加されると、負極に帯電している粒子群34Aを構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に到る(図2(A)参照)。一方で、正極に帯電している粒子群34Bを構成する粒子が表示基板20側へと移動して、表示基板20に至る(図2(A)参照)。
このとき、表示基板20側から視認される表示媒体12の色は、反射粒子群36の色としての白色を背景色とし、粒子群34Bの呈する色が視認される。なお、粒子群34Aは、反射粒子群36に隠蔽され、視認され難くなる。
このT1時間は、初期動作における電圧印加における電圧印加時間を示す情報として、予め制御部18内の図示を省略するROM等のメモリ等に記憶しておけばよい。そして、処理実行のときに、この特定時間を示す情報を読み取るようにすればよい。
次に、表面電極40と背面電極46との電極間に、基板間に印加した電圧とは極性を反転させて、表面電極40を正極とし背面電極46を負極として電圧を印加すると、負極に帯電している粒子群34Aは表示基板20側へと移動し、表示基板20側に至る(図2(B)参照)。一方で、正極に帯電している粒子群34Bを構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に至る(図2(B)参照)。
このとき、表示基板20側から視認される表示媒体12の色は、反射粒子群36の色としての白色を背景色とし、粒子群34Aの呈する色が視認される。なお、粒子群34Bは、反射粒子群36に隠蔽され、視認され難くなる。
このように、本実施形態に係る表示装置10では、粒子群34(粒子群34A、粒子群34B)が表示基板20又は背面基板22に到達して、付着することで表示が行われる。
−第2実施形態−
以下、第2実施形態に係る表示装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図4は、第2実施形態に係る表示装置における、印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。図5は、第2実施形態に係る表示装置における、表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
第2実施形態に係る表示装置10は、3種類の粒子群34を適用した形態である。なお、3種類の粒子群34は、全て同じ極性で帯電されている。
第2実施形態に係る表示装置10は、図3に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
なお、第2実施形態に係る表示装置10において、上記第1実施形態で説明した表示装置10と同一の構成には、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を定められた間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34、および粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子群36を含んで構成されている。
表示基板20および背面基板22の対向面は、第1実施形態に記載のごとく帯電処理されており、この対向面上には、表面層42および表面層48各々が設けられている。
本実施形態では、粒子群34として、互いに色の異なる複数種の粒子群34が分散媒50に分散されている。
なお、本実施形態では3種類の粒子群34として、互いに色の異なる粒子群34、即ちイエロー色のイエロー粒子群34Y、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、およびシアン色のシアン粒子群34Cが分散されているとして説明するが、3種類に限られない。
この複数種類の粒子群34は、基板間を電気泳動する粒子群であり、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。すなわち、各色の粒子群34(イエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、およびシアン粒子群34C)は、色毎に各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲を有し、当該電圧範囲がそれぞれ異なる。
この電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なる複数種の粒子群34の各粒子としては、前述の泳動粒子を構成する材料の内の、例えば、粒子を構成する樹脂の種類や濃度、帯電制御剤の量等を換える等して、帯電量の異なる粒子を含む粒子分散液をそれぞれ作製し、これを混合することで得られる。
ここで、上述のように、本実施形態に係る表示媒体12には3種類の粒子群34として、互いに色の異なるイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、およびシアン粒子群34Cが分散されており、これらの複数種類の粒子群34は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
なお、本実施形態では、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、およびイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々が移動を開始するときの電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vtm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vtc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vty|であるとして説明する。また、各色粒子群34のゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、およびイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々を全て移動させるための最大電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vdm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vdc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vdy|であるとして説明する。
なお、以下で説明するVtc、−Vtc、Vdc、−Vdc、Vtm、−Vtm、Vdm、−Vdm、Vty、−Vty、Vdy、及び−Vdyの絶対値は、|Vtc|<|Vdc|<|Vtm|<|Vdm|<|Vty|<|Vdy|の関係であるとして説明する。
具体的には、図4に示すように、例えば、3種類の粒子群34は、全て同極性に帯電された状態で分散媒50内に分散され、シアン粒子群34Cを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtc≦Vc≦Vdc|(Vtc以上Vdc以下の値の絶対値)、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(Vtm以上Vdm以下の値の絶対値)、およびイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(Vty以上Vdy以下の値の絶対値)が、この順で重複することなく、大きくなるように設定されている。
また、各色の粒子群34を独立駆動するために、シアン粒子群34Cを全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|が、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(Vtm以上Vdm以下の値の絶対値)、およびイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(Vty以上Vdy以下の値の絶対値)よりも小さく設定されている。また、マゼンタ粒子群34Mを全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|が、イエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(Vty以上Vdy以上の値の絶対値)よりも小さく設定されている。
即ち、本実施形態では、各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲が重ならないように設定することによって、各色の粒子群34が独立駆動されるようにしている。
なお、「粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲」とは、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲を示す。
また、「粒子群34を全て移動させるために必要な最大電圧」とは上記の移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和する電圧を示す。
また、「全て」とは、各色の粒子群34の特性バラツキがあるため、一部の粒子群34の特性が表示特性に寄与しない程度異なるものがあることを含む。すなわち上述した移動開始からさらに電圧および電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和した状態である。
また、「表示濃度」は、表示面側における色濃度を光学濃度(Optical Density=OD)の反射濃度計X−rite社の反射濃度計で測定しながら、表示面側と背面側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に徐々に変化(印加電圧を増加または減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧および電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
そして、本実施形態に係る表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtcを超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdcとなると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vtmを超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtyを超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧−Vtcの絶対値を超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdc以上となると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtmの絶対値を超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtyの絶対値を超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に印加された電圧が−Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施形態では、図4に示すように、基板間に印加される電圧が−Vtcから+Vtcの範囲内(電圧範囲|Vtc|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子群34(シアン粒子群34C、マゼンタ粒子群34M、およびイエロー粒子群34Y)の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtcおよび電圧−Vtcの絶対値より高い電圧が印加されると、3色の粒子群34の内のシアン粒子群34Cについて表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じはじめて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdcおよび電圧Vdcの絶対値|Vdc|以上の電圧が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加される電圧が−Vtmから+Vtmの範囲内(電圧範囲|Vtm|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程のマゼンタ粒子群34Mおよびイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtmおよび電圧−Vtmの絶対値より高い電圧が印加されると、マゼンタ粒子群34Mおよびイエロー粒子群34Yの内のマゼンタ粒子群34Mについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdmおよび電圧Vdmの絶対値|Vdm|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加する電圧が−Vtyから+Vtyの範囲内(電圧範囲|Vty|以下)となる電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程のイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtyおよび電圧−Vtyの絶対値より高い電圧が印加されると、イエロー粒子群34Yについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程の粒子の移動が生じ始めて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdyおよび電圧Vdyの絶対値|Vdy|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
次に、図5を参照して、表示媒体12に画像を表示するときの粒子移動のメカニズムを説明する。
例えば、表示媒体12に、複数種類の粒子群34として、図4を用いて説明したイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34Cが封入されているとして説明する。
また、以下では、イエロー粒子群34Yを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つイエロー粒子群34Yの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「大電圧」と称し、マゼンタ粒子群34Mを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つマゼンタ粒子群34Mの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「中電圧」と称し、シアン粒子群34Cを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つシアン粒子群34Cの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「小電圧」と称して説明する。
また、表示基板20側に背面基板22側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「+大電圧」、「+中電圧」、及び「+小電圧」と各々と称する。また、背面基板22側に表示基板20側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「−大電圧」、「−中電圧」、及び「−小電圧」と各々と称して説明する。
図5(A)に示すように、初期状態では全ての粒子群としてのマゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yの全てが背面基板22側に位置されるとすると(白色表示状態)、この初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+大電圧」を印加させると、全ての粒子群として、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yが表示基板20側に移動する。この状態で、電圧印加を解除しても、各粒子群各々は表示基板20側に付着したまま移動せずに、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Yによる減色混合(マゼンタと、シアンと、イエロー色の減色混合)により黒色を表示したままの状態となる。(図5(B)参照)。
次に、図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−中電圧」を印加させると、全ての色の粒子群34の内、マゼンタ粒子群34Mと、シアン粒子群34Cと、が背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yのみが付着した状態となることから、イエロー色表示がなされる(図5(C)参照)。
さらに、図5(C)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、背面基板22側に移動したマゼンタ粒子群34Mおよびシアン粒子群34Cの内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、イエロー粒子群34Yおよびシアン粒子群34Cが付着した状態となり、イエローとシアンとの減色混合による緑色が表示される(図5(D)参照)。
また、上記図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、全ての粒子群34の内、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yとマゼンタ粒子群34Mが付着した状態となることから、シアンとマゼンタの加色混合による赤色表示がなされる(図5(I)参照)。
一方、図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+中電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Y)の内、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが付着するので、マゼンタとシアンの減色混合による青色が表示される(図5(E)参照)。
この図5(E)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cの内の、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mのみが付着した状態となるので、マゼンタ色が表示される(図5(F)参照)。
この図5(F)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、何も付着しない状態となるため、反射粒子群36の色としての白色が表示される(図5(G)参照)。
また、上記図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、およびイエロー粒子群34Y)の内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、シアン粒子群34Cが付着するので、シアン色が表示される(図5(H)参照)。
さらに、上記図5(I)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
また、上記図5(D)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
本実施形態では、各粒子群34に応じた電圧を基板間に印加することで、当該電圧による電界に応じて選択的に目的とする粒子を移動させるので、目的とする色以外の色の粒子が分散媒50中を移動することを抑制され、目的とする色以外の色が混じる混色が抑制され、表示媒体12の画質劣化を抑制しつつ、カラー表示がなされる。
なお、各粒子群34は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なれば、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧範囲が重なっていても、鮮明なカラー表示が実現されるが、当該電圧範囲が互いに異なるほうが、より混色を抑制してカラー表示が実現される。
また、シアン、マゼンタ、イエローの3色の粒子群34を分散媒50中に分散することによって、シアン、マゼンタ、イエロー、青色、赤色、緑色、および黒色を表示すると共に、例えば、白色の反射粒子群36によって白色を表示し、特定のカラー表示を行うことが実現される。
なお、上記いずれの実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、表示基板20に表面電極40、背面基板22に背面電極46を設けて当該電極間(即ち基板間)に電圧を印加して、当該基板間を粒子群34を移動(泳動)させて表示させる形態を説明したが、これに限られず、電極間を移動する形態、例えば、表示基板20に表面電極40を設ける一方で、間隙部材に電極を設けて、当該電極間に電圧を印加して、表示基板20と間隙部材との間を粒子群34を移動させて表示させる形態であってもよい。
上記いずれの実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、表示基板20に表面電極40、背面基板22に背面電極46を設けて、表示媒体12を構成した形態を説明したが、各電極を表示媒体12の外部に配した形態であってもよい。
また、上記いずれの実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、粒子群34として2又は3種種類(2色又は3色)の粒子群(34A、34B)を適用した形態を説明したが、1種類(1色)の粒子群を適用した形態であってもよいし、4種類(4色)以上の粒子群を適用した形態であってもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
[比較例1]
(酸化チタン粒子の表面処理)
・酸化チタン粒子(マックススライト「TS−01」昭和電工社製:体積平均粒径0.1μm) :1質量部
・3−メタクロキシプロピルトリクロロシラン(Gelest社製) :0.5質量部
・トルエン(関東化学社製) :10質量部
上記組成で、各材料を混合した後、ガラスビーズ(φ1mm)20質量部を加え、ロッキングミルで2時間分散することにより、酸化チタン粒子の表面処理を行った(以下、表面処理済の酸化チタン粒子と表記)。
(シリコーン系高分子分散剤の作製)
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R1’=ブチル基、m=68、x=3]) :10質量部
・スチレン(和光純薬社製) :10質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製) :0.5質量部
・トルエン(関東化学社製) :20質量部
上記組成で、各材料を混合した後、65℃で24時間反応後、ヘキサン(和光純薬社製)中で再沈精製し、乾燥することにより、シリコーン系高分子分散剤を得た。
(比較白粒子分散液の作製)
・表面処理済の酸化チタン粒子 :0.5質量部
・シリコーン系高分子分散剤 :0.15質量部
・ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs): 10質量部
上記組成で、各材料を混合し、この混合溶液にジルコニアビーズ(φ1mm)20質量部を加え、ロッキングミルで1時間分散させた後、ジルコニアビーズを取り除き、酸化チタン粒子分散液を得た。得られた酸化チタン粒子の体積平均粒子径は0.52μmであった。
得られた酸化チタン粒子分散液を、比較白色粒子分散液とした。
[実施例1]
(酸化チタン分散液1の作製)
・表面処理済の酸化チタン粒子(比較例1で得られたもの) :0.5質量部
・シリコーン系高分子分散剤(比較例1で得られたもの) :0.15質量部
・アイソパーM(Isopar M:登録商標、エクソンモービル社製):10質量部
・ヘキサン:2質量部
・トルエン:2質量部
上記組成で、各材料を混合し、この混合溶液にジルコニアビーズ(φ1mm)20質量部を加え、ロッキングミルで1時間分散させた後、ジルコニアビーズを取り除き、酸化チタン粒子分散液1を得た。
(白色粒子分散液1の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R1’=ブチル基、m=68、x=3]) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体積平均粒径は0.58μmであった。
そして、得られた酸化チタン粒子分散液を、白色粒子分散液1とした。
[実施例2]
(白色粒子分散液2の作製)
・酸化チタン粒子分散液1(実施例1で得られたもの) :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :0.95質量部
・4,4’−ジビニルビフェニル(synthonix社製) :0.05質量部
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R1’=ブチル基、m=68、x=3]) :1.5質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニル及び4,4’−ジビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体)で構成された被覆層により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体積平均粒径は0.53μmであった。
そして、得られた酸化チタン粒子分散液を、白色粒子分散液2とした。
[実施例3]
(白色粒子分散液3の作製)
・酸化チタン粒子分散液1(実施例1で得られたもの) :14質量部
・4,4’−ジビニルビフェニル(synthonix社製) :0.5質量部
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R1’=ブチル基、m=68、x=3]) :1.5質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.015質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4,4’−ジビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体積平均粒径は0.49μmであった。
そして、得られた酸化チタン粒子分散液を、白色粒子分散液3とした。
[実施例4]
(白色粒子分散液4の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・MCS−M11(Gelest社製、重量平均分子量Mw=800〜1000
) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.52μmであった。
[実施例5]
(白色粒子分散液5の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・RTT−1011(Gelest社製、重量平均分子量Mw=570〜620) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.55μmであった。
[実施例6]
(白色粒子分散液6の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・MCR−V21(Gelest社製) :0.7質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.42μmであった。
[実施例7]
(白色粒子分散液7の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・MCS−V12(Gelest社製) :0.7質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.45μmであった。
[実施例8]
(白色粒子分散液8の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・VTT−106(Gelest社製) :0.7質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.43μmであった。
[実施例9]
(白色粒子分散液9の作製)
・酸化チタン粒子分散液1 :14質量部
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000):0.7質量部
・MCS−M11(Gelest社製) :0.3質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイ
ル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層
により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。被覆層で被覆された酸化チタン粒子の体
積平均粒径は0.53μmであった。
[評価]
得られた各白色粒子分散液体について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(電荷量)
粒子固形分量が10質量%となるように、得られた各白色粒子分散液を調整した後、インジウムスズ酸化物(ITO)電極が形成された一対のガラス基板間(一対のガラス基板間に50μmのスペーサ(間隙部材)を介在させたセル内)に封入して、表示面積が2cm×2cmの素子サンプルを作製した。そして、素子サンプルについて、6515SYSTEMELECTROMETER(KEITHLEY社製)を用いて、電荷量(nC)を測定した。
(混色表示)
−素子サンプルの作製−
下記シアン粒子の固形分量が1.5質量%、各白粒子の固形分量が白色度が50%になる濃度(表1に記載)のそれぞれ混合し、混合分散液を得た。
次に、混合分散液をインジウムスズ酸化物(ITO)電極が形成された一対のガラス基板間(一対のガラス基板間に50μmのスペーサ(間隙部材)を介在させたセル内)に封入した素子サンプルを作製した。
−シアン粒子分散液−
ヒドロキシエチルメタクリレート 65質量部、サイプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000) 30質量部、メタクリル酸 5質量部を、イソプロピルアルコール100質量部に混合し、重合開始剤としてAIBN:0.2質量部を溶解し、窒素下で70℃、6時間重合を行なった。生成物を、ヘキサンを再沈殿溶媒として精製、乾燥し高分子を得た。
次に、イソプロピルアルコール 9gに上記高分子 0.5gを加え、溶解させた後、山陽色素製シアン顔料(シアニンブルー4973) 0.5gを添加し、0.5mmΦのジルコニアボールを使用し、48時間分散させ、顔料含有高分子溶液を得た。
この顔料含有高分子溶液を3g取り出し、これを超音波を印加させながら、2CSのシリコーンオイル(信越化学社製:KF96)12gを少量ずつ滴下させて、乳化させた後、60度℃に加温、減圧乾燥させ、IPAをエバポレートさせ、高分子及び顔料を含む泳動粒子を得た。この後、遠心分離機で、粒子を沈降させ、上澄み液を除去、上記シリコーンオイル5gを加え、超音波を与え、洗浄し、遠心分離機で粒子を沈降させ、上澄み液を除去して、さらに上記シリコーンオイル5gを加えシアン粒子分散液を得た。得られたシアン粒子の体積平均粒径は、0.2μmのシアン粒子であった。
なお、本分散液中の粒子の帯電極性を、2枚の電極基板間に該分散液を封入し、直流電圧を印加して泳動方向を評価することで求めた結果、負帯電であった。
−評価方法−
素子サンプルの両電極に電圧10VのDC(直流)を印加し、正負を入れ替えてシアン粒子を移動させた。表示側の電極に正電圧を印加したとき、シアン粒子が表示側のガラス基板に移動しシアン色を表示した。一方、表示側の電極に負電圧を印加したとき、シアン粒子が背面側のガラス基板に移動し白色を表示した。
そして、表示側の電極に正電圧を印加し、シアン色を表示したときのシアン色と白色との混色表示について評価した。具体的には、表示側の基板に正電圧を印加した際のシアン濃度を色彩計X−Rite404(X−Rite社製)を用いて測定し、評価した。
評価基準は以下の通りである。
A:シアン濃度0.9以上
B:シアン濃度0.7以上0.9未満
C:シアン濃度0.5以上0.7未満
D:シアン濃度0.5未満
(白色度)
得られた各白色粒子分散液をインジウムスズ酸化物(ITO)電極が形成された一対のガラス基板間(一対のガラス基板間に50μmのスペーサ(間隙部材)を介在させたセル内)に封入した素子サンプルを作製した。
そして、作製した素子サンプルで白色度が50%となる白色粒子分散液の粒子固形分量を調べた。
なお、白色度は、色彩計X−Rite404(X−Rite社製)を使用し、白色反射濃度を測定し、これを下記式に基づき白反射率に換算して求めた。
式:白色度(白反射率)=10−(白反射濃度)*100(%)
(粘度)
色度が50%となるように、得られた各白色粒子分散液の固形分量を調整(表1に記載)した後、デジタル粘度計LVDVII+(BROOKFIELD社製)を用いて、分散液の粘度を測定した。
ここで、下記参考白色粒子分散液(粒子固形分量20質量%の粘度についても、同様に測定したところ、3.9cPであった。
−参考白色粒子分散液−
・酸化チタン粒子分散液1(実施例1で得られたもの) :14質量部
・4−ビニルナフタレン(新日鐵化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(チッソ社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R1’=ブチル基、m=68、x=3]) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルナフタレンを重合成分として含む共重合体で構成された被覆層により被覆された酸化チタン粒子分散液を得た。
そして、得られた酸化チタン粒子分散液を、参考白色粒子分散液とした。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、白色粒子分散液中の白色粒子の帯電量が小さく、また、混色表示についても良好であり、白色粒子の電界応答性が低減されていることがわかる。
また、本実施例は、比較例に比べ、白色度50%となる白色粒子分散液の粒子固形分が多いものの、その増加量が小さいことがわかる。
なお、参考白色粒子分散液は、本実施例及び比較例の白色粒子分散分に比べ、粘度上昇が生じていることがわかる。
10 表示装置、12 表示媒体、16 電圧印加部、18 制御部、20 表示基板、22 背面基板、24 間隙部材、34(34A、34B、34Y、34C、34M) 粒子群、36 反射粒子群、38 支持基板、40 表面電極、42 表面層、44 支持基板
46 背面電極、48 表面層、50 分散媒

Claims (6)

  1. 無機白色粒子と、
    前記無機白色粒子を被覆し、ビニル基を一つ有するビフェニル化合物及びビニル基を二つ有するビフェニル化合物から選択される少なくとも一種を重合成分として含む重合体を構成要素とする被覆層と、
    を有し、
    電気泳動表示装置に用いる表示用白色粒子。
  2. 前記ビニル基を一つ有するビフェニル化合物がモノビニルビフェニルであり、前記ビニル基を二つ有するビフェニル化合物がジビニルビフェニルである請求項1に記載の表示用白色粒子。
  3. 前記重合体が、前記ビニル基を一つ有するビフェニル化合物及び前記ビニル基を二つ有するビフェニル化合物から選択される少なくとも一種からなる重合成分と、シリコーン鎖を持つ重合成分と、の共重合体である請求項1又は2に記載の表示用白色粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示用白色粒子を含む粒子群と、
    前記粒子群を分散するための分散媒と、
    を有する表示用粒子分散液。
  5. 少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入され、電界に応じて泳動する泳動粒子群と、
    前記一対の基板間に封入され、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示用白色粒子を含む白色粒子群と、
    前記一対の基板間に封入され、前記泳動粒子群及び前記白色粒子群を分散するための分散媒と、
    を有する表示媒体。
  6. 請求項5に記載の表示媒体と、
    前記一対の基板間に電界を形成する電界形成手段と、
    を備える表示装置。
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