JP2008310003A - 表示媒体、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質劣化を抑制可能な表示媒体及び表示装置を提供する。
【解決手段】電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、この一対の基板間に封入された分散媒と、この分散媒中に分散され一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、を有する表示媒体12の、この一対の基板の対向面の少なくとも一方に、下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理層を設ける。一般式(1)R−Si(OR(上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上以下の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、表示媒体、及び表示装置に関するものである。
従来、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、着色粒子を用いた画像表示媒体が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
この画像表示媒体は、例えば一対の基板と、一対の基板間に形成された電界に応じて基板間を移動可能に該基板間に封入された粒子群と、を含んで構成されている。また、基板間には、粒子が基板内の特定の領域に偏るのを防ぐため等の理由により、基板間を複数のセルに仕切るための間隙部材が設けられる場合もある。
一対の基板間に封入された粒子群としては、特定の色に着色された1種類の粒子群である場合や、互いに色及び移動に必要な電界強度の異なる複数種類の粒子群である場合等がある。
この画像表示媒体では、一対の基板間に電圧を印加することにより封入されている粒子を移動させることで、何れか一方の基板側に移動した粒子の量及び移動した粒子の色に応じた色の画像を表示させている。すなわち、表示対象となる画像の色及び濃度に応じて、移動させる対象となる粒子群を移動させるための強度の電圧を基板間に印加することで、移動対象となる粒子群を一対の基板の何れか一方側へ移動させて表示対象の画像の色及び濃度に応じた画像を表示している。
また、上記特許文献1〜5では、表示安定性と駆動安定性に優れた表示媒体を提供するために、さらに、帯電粒子の表面を親水性とするとともに内壁表面を親水性とし分散媒を疎水性とした構成としたり、一対の基板の一方に凹凸形状を有する反射層を設けた構成としたり、帯電粒子が集合する定着面に帯電粒子と逆極性の表面電荷を定常的に帯電した荷電膜を配置した構成としたり、内壁に帯電制御剤を含有させた構成とする等の改善が行われている。
特開2006−023711 特開2006−284917 特開2000−258805 特開2001−133815 特開2004−279647
本発明は、画質劣化を抑制可能な表示媒体、及び表示装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方を下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理剤によって処理することにより形成された処理層と、を有することを特徴とする表示媒体である。
一般式(1) R−Si(OR
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
請求項2に係る発明は、前記一対の基板の少なくとも一方に設けられ、前記粒子群とは異なる帯電極性で帯電された帯電層を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、前記帯電層は、前記一対の基板の少なくとも一方と、前記処理層との間に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の表示媒体である。
請求項4に係る発明は、前記一対の基板が表示基板と背面基板であり、少なくとも表示基板側の前記対向面に前記処理層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項5に係る発明は、前記帯電層は、少なくとも前記表示基板側の対向面に設けられた処理層と、該表示基板との間に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の表示媒体である。
請求項6に係る発明は、前記処理層の厚みが10nm以上200nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の表示媒体である。
請求項7に係る発明は、電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方を下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理剤によって処理することにより形成された処理層と、を有する表示媒体と、前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
一般式(1) R−Si(OR
(上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
請求項8に係る発明は、前記粒子群は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子から構成されることを特徴とする請求項7に記載の表示装置である。
請求項9に係る発明は、前記複数種類の粒子は、種類毎に電界に応じて移動するために必要な電圧範囲を有し、且つ互いに該電圧範囲の異なることを特徴とする請求項8に記載の表示装置である。
請求項1に係る発明によれば、基板の対向面の少なくとも一方に処理層が設けられていない場合と比較して、画質劣化を抑制する、という効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、帯電層が設けられていない場合と比較して、帯電量が制御された基板表面とすることができ、駆動制御が安定になると共に、帯電層の設けられた基板側へと電気泳動した粒子群が該基板側へ付着したときの粒子群の飛散を低減させる、という効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、より駆動制御が安定になる、といった効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、表示基板側の対向面に処理層が設けられていない場合と比較して、表示基板側へ付着した粒子を他方側へ移動させるための電界が基板間に形成されても粒子群が該表示基板側へ付着した状態で保持されることを抑制するという効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、処理層と表示基板との間に帯電層が設けられていない場合に比較して、非電界形成時における経時による濃度低下及び画質劣化が抑制されるという効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、処理層の厚みが請求項6に規定される範囲外である場合に比べて、低電圧による駆動が可能であり且つ画質劣化を抑制するという効果を奏する。
請求項7に係る発明によれば、表示媒体の画質劣化を抑制するという効果を奏する。
請求項8に係る発明によれば、単一画素で多色表示がなされるという効果を奏する。
請求項9に係る発明によれば、混色を抑制したカラー表示がなされるという効果を奏する。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、作用・機能が同様の働きを担う部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する場合がある。
図1は、実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図2は、実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34、及び粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する大径着色粒子群36を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34(詳細後述)は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を大径着色粒子群36の間隙を通じて移動する。
なお、本実施の形態では、1つのセル内に封入されている粒子群34は、所定の色を有すると共に、正又は負に帯電処理されて予め調製されているものとして説明する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示が可能となるように構成することができる。
また、本実施の形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施の形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40を積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46を積層した構成となっている。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施の形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38及び支持基板44としては、ガラスや、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極40及び背面電極46には、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等を使用することができる。これらは単層膜、混合膜あるいは複合膜として使用でき、蒸着法、スパッタリング法、塗布法等で形成できる。また、その厚さは、蒸着法、スパッタリング法によれば、通常100〜2000Åである。背面電極46及び表面電極40は、従来の液晶表示媒体あるいはプリント基板のエッチング等従来公知の手段により、所望のパターン、例えば、マトリックス状、あるいはパッシブマトリックス駆動を可能とするストライプ状に形成することができる。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料を粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を可能にするために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。配線の積層化及び部品実装が容易であることから、TFTは表示基板ではなく背面基板22に形成することが望ましい。
表示基板20と背面基板22の対向面(本実施形態では表面電極40及び背面電極46の対向面)には、粒子群の帯電極性と異なる帯電極性となるように帯電処理が施されることにより帯電層27及び帯電層29各々が設けられている。
なお、本実施の形態では、表示基板20と背面基板22の対向面の双方に帯電処理が施されることにより対向面各々に帯電層27及び帯電層29各々が設けられている場合を説明するが、帯電処理が施されていない構成であってもよい。また、帯電層27及び帯電層29が設けられている場合には、表示基板20と背面基板22の対向面の何れか一方にのみ帯電層(帯電層27または帯電層29)が施された構成であってもよく、少なくとも表示基板20側の対向面に帯電層27が設けられた構成であることが画質劣化の抑制の観点から好ましい。
この帯電層27及び帯電層29は、上述のように、表示基板20と背面基板22の各々に帯電処理を行うことによって形成される。
この帯電処理は、粒子群34が正帯電粒子で構成されている場合、負帯電処理が行われ、粒子群34が負帯電粒子で構成されている場合、正帯電処理が行われる。
この帯電処理は、化学的な処理により行われることがよく、例えば、酸性基あるいは塩基性基で修飾されてなることがよい。具体的には、例えば、正帯電処理を施す場合、塩基性化合化合物を用いて処理を施すことがよく、負帯電処理を施す場合には、酸性化合物を用いて処理を施すことがよい。例えば、塩基性化合物により処理が行われると塩基性基(例えばNH )が表面に配置されて正に帯電される。一方、酸性化合物により処理が行われると、酸性基(例えばSO 、COO)が表面に配置されて負に帯電される。
正帯電処理を施すための塩基性化合物としては、例えば、以下のものを使用することができるが、これに限られるわけではない。
・polyallylamine hydrochloride
・poly(p−phenylene vinylene)
・poly(p−metylpyridinium vinylene)
・protonated poly(p−pyridyl vinylene)
・poly(2−N−methylpyridinium acetylene)
・γ−Aminopropyltriethoxysilane
・N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン
負帯電処理を施すための酸性化合物としては、例えば、以下のものを使用することができるが、これに限られるわけではない。
・sulfonated polyaniline
・poly(thiophene−3−acetic−acid)
・sulfonated polystyrene
・polyvinylsulfate potassium salt
・Poly−4−vinylbenzyl−(N,N−diethyl−N−methyl−)ammonium iodide
・カルボキシエチルシラントリオール
これらの化合物を用いて基板を処理するには、例えば次のようにして行うことが可能である。これらの化合物をメタノール、エタノール、IPAなどのアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に0.01wt%〜10wt%となるように溶解し、その中に、基板を1分〜60分浸漬する。その後、アルコール、水、又はアルコールと水の混合液により基板に付着した過剰の液を洗い落とす。その後、100〜150℃で5〜60分乾燥させることにより、基板の処理を行うことができる。化合物をアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に溶解する際、塩酸、酢酸、アンモニア水等を0.01wt%〜10wt%添加することも有効である。
また、被処理面によっては、酸性化合物により処理を施したのち、塩基性化合物を処理することもできる。無論、その逆を行うことができる。
このように、本実施形態では、表示基板20及び背面基板22の対向面を帯電させるために化学的な処理(例えば、酸性基あるいは塩基性基で修飾させる処理:具体的には、例えば塩基性化合物、酸性化合物を用いた処理)を行い、極性基を利用して帯電させている。
表示基板20と背面基板22の対向面には、各々、処理層21及び処理層23が設けられている。
詳細には、表示基板20に設けられた帯電層27上(帯電層27の背面基板22側)に処理層21が設けられていると共に、背面基板22の帯電層29上(帯電層29の表示基板20側)に処理層23が設けられている。
なお、本実施の形態では、表示基板20と背面基板22の対向面の双方に処理層(処理層21及び処理層23各々)が設けられている場合を説明するが、表示基板20と背面基板22の対向面の何れか一方にのみ設けられた構成であってもよく、少なくとも表示基板20側の対向面に処理層21が設けられた構成であることが画質劣化の抑制の観点から好ましい。
また、本実施の形態では、表示基板20と背面基板22の各々の対向面に上述の帯電処理が施されて帯電層27及び帯電層29が各々形成されており、且つこの帯電処理された帯電層27及び帯電層29各々上に処理層(処理層21及び処理層23)が設けられている場合を説明するが、帯電処理されていない(帯電層27及び帯電層29の設けられていない)対向面上に直接処理層が設けられた構成であってもよい。例えば、背面基板22の表示基板20との対向面上の各々に、帯電処理が施されず、且つ各々の対向面上に直接処理層21及び処理層23各々が設けられた構成であってもよい。
処理層21及び処理層23各々は、少なくとも下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理剤によって、表示基板20と背面基板22各々の対向面、または、帯電層29及び帯電層27の対向面を処理されることによって形成される。
一般式(1) R−Si(OR
上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上18以下の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数1以上4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表している。
上記一般式(1)中、Rによって示される上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、上述のように、7以上18以下であり、8以上18以下であることが好ましく、12以上18以下であることが特に好ましい。
この脂肪族炭化水素基の炭素数が7以上18以下の範囲であると、処理層を形成した時、処理層表面が撥水性を有するので、表示基板20と背面基板22との基板間に形成された電界によって電気泳動して表示基板20側または背面基板22側に泳動した粒子群34が、表示基板20側または背面基板22側に到達した後に、対向面側の基板へ移動させる電界が基板間(表示基板20と背面基板22との間)に形成された場合であっても、粒子群34が到達した基板側に付着したまま存在することが抑制される。
一方、脂肪族炭化水素基の炭素数が7未満であると、処理層21または処理層23に付着した粒子群34の付着力が強まり、電気泳動により表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34が、対向する基板側へ移動させる電界が形成されることによって対向する基板側へと移動することが困難となる場合がある。また、脂肪族炭化水素の炭素数が18を超えると、形成された処理層が固化しにくくなるため、付着した粒子群34の付着力が強まり、電気泳動により表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34が、対向する基板側へ移動させる電界が形成されることによって対向する基板側へと移動することが困難となる場合がある。
上記一般式(1)中、Rによって示される上記脂肪族炭化水素基は、上述のように、炭素数が7以上18以下であれば、直鎖状、分岐状、の何れであってもよく、また、置換、無置換の何れであってもよい。
具体的には、例えば、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,5ジメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、ジブチルアミノエチル基、ブトキシプロピル基、エトキシエトキシエチル基、n−ヘキシルオキシプロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、撥水性の理由からn-ドデシル基、ヘキサデシル基、オクダデシル基を用いることが好ましい。
上記一般式(1)中、Rによって示される上記脂肪族炭化水素基置換基の有しても良い置換基としては、フェニル基、アミノ基、チオール基、フルオロ基等を挙げることができる
上記一般式(1)中、Rによって示される上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、上述のように、1以上4以下であり、1以上2以下であることが好ましい。
この脂肪族炭化水素基の炭素数が1以上4以下の範囲であると、加水分解しやすくなるので、処理層を容易に、かつ強固に形成することができる。
一方、炭素数が0であると、処理層を形成する事が困難という問題が生じる場合がある。また、脂肪族炭化水素の炭素数が3を超えると、化合物自体を製造、または入手することが困難である。
上記一般式(1)中、Rによって示される上記脂肪族炭化水素基は、上述のように、炭素数が1以上4以下であれば、直鎖状、分岐状、の何れであってもよい。
具体的には、炭素数1〜4の置換もしくは無置換の直鎖または分岐のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、容易に、かつ強固に薄膜を形成できるという理由からメチル基、エチル基を用いることが好ましい。
処理層21及び処理層23を形成するための上記処理剤中における、上記一般式(1)で示されるシランカップリング剤の含有量は、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上10重量%以下であることが更に好ましい。
処理剤における、上記一般式(1)で示されるシランカップリング剤の含有量が、20重量%を超えると、処理層を形成する際、処理層の膜厚制御が困難という問題が生じる場合があり、0.01重量%以下であると、均一な処理層を形成できないと言う問題が生じる場合がある。
この処理層21及び処理層23が設けられていることで、粒子群34が表示基板20側または背面基板22側から離脱しやくなり、基板間に形成された電界によって、表示基板20側または背面基板22側に粒子群34が移動した後に、対向側の基板へと粒子群34を移動させる電界が基板間に形成されたときに、電界形成前に付着していた基板側(表示基板20側または背面基板22側)に粒子群34が付着したままとなることを抑制することができると考えられる。このようにすれば、粒子群34の表面を構成する材料によらず、画質劣化を抑制することができる。
処理層21及び処理層23の厚みは、10nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましく、20nm以上100nm以下の範囲内であることが更に好ましく、20nm以上50nm以下の範囲内であることが特に好ましい。
処理層21及び処理層23の厚みが10nm未満であると、処理層21及び処理層23が存在することによる粒子群34の剥がれやすさ(対向面側に粒子群34を移動させるための電界が基板間に形成されたときに、電界形成前に付着していた基板側から離脱して対向面側へと移動をする移動し易さ)が低下し、画質劣化を引き起こす場合がある。
一方、処理層21及び処理層23の厚みが200nmを超えると、厚みが200nm未満である場合に比べて、基板間において粒子群34を移動させるために高い電圧を基板間に印加する必要があり、駆動性能や応答速度の低下につながる場合がある。
これらの処理層21及び処理層23を表示基板20及び背面基板22各々の対向面に設ける方法としては、例えば、上記帯電処理された表示基板20及び背面基板22各々の対向面に、これらの化合物をメタノール、エタノール、IPAなどのアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に0.01wt%〜20wt%となるように溶解し、その中に、基板を1分〜60分浸漬する。その後、アルコール、水、又はアルコールと水の混合液により基板に付着した過剰の液を洗い落とす。その後、100℃〜150℃で5分〜60分乾燥させることにより、基板の処理を行うことができる。化合物をアルコール、水、又はアルコールと水の混合液に溶解する際、塩酸、酢酸、アンモニア水等を0.01wt%〜10wt%添加することも有効である。あるいは、これらの化合物を含有する処理剤を浸漬塗布、スピンコーティングする事によって設ける方法が用いられる。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、表示基板20の透光性を損なわないように形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成することができる。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製することができる。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製することができる。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、表示媒体12に表示される表示画像に悪影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂等を使用することができる。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用できる。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
粒子群34が分散される分散媒50としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積固有抵抗が1011Ωcm以上であることを示している。以下同様である。
上記絶縁性液体として具体的には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、ジククロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に使用できる。
また、下記体積抵抗値となるよう不純物を除去することで、水(所謂、純水)も、分散媒50として好適に使用することができる。該体積抵抗値としては、10Ωcm以上であることが望ましく、10Ωcm〜1019Ωcmであることがより好適であり、さらに1010Ωcm〜1019Ωcmであることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界を印加することが可能となり、かつ、電極反応に起因する液体の電気分解による気泡の発生が抑制され、通電毎に粒子の電気泳動特性が損なわれることがなく、優れた繰り返し安定性を付与することができる。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加することができるが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加して使用できる。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01重量%以上、20重量%以下が望ましく、特に0.05〜10重量%の範囲が望ましい。0.01重量%を下回ると、希望とする帯電制御効果が不充分であることがあり、また20重量%を越えると、現像液の過度な電導度の上昇を引き起こすことがあり、使い難くなるからである。
なお、表示媒体12に封入される上記粒子群34は、分散媒50として高分子樹脂に分散されていることも望ましい。この高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることも望ましい。
この高分子樹脂としては、アガロース、アガロペクチン、アミロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、イソリケナン、インスリン、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カードラン、カゼイン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カロース、寒天、キチン、キトサン、絹フィブロイン、クアーガム、クインスシード、クラウンゴール多糖、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、ケラチン蛋白質、コラーゲン、酢酸セルロース、ジェランガム、シゾフィラン、ゼラチン、ゾウゲヤシマンナン、ツニシン、デキストラン、デルマタン硫酸、デンプン、トラガカントゴム、ニゲラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プスツラン、フノラン、分解キシログルカン、ペクチン、ポルフィラン、メチルセルロース、メチルデンプン、ラミナラン、リケナン、レンチナン、ローカストビーンガム等の天然高分子由来の高分子ゲルが挙げられる他、合成高分子の場合にはほとんどすべての高分子ゲルが挙げられる。
更に、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、及びアミドの官能基を繰り返し単位中に含む高分子等が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドやこれら高分子を含む共重合体を挙げることができる。
これら中でも、製造安定性、電気泳動特性等の観点から、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が望ましく用いられる。
これら高分子樹脂は、前記絶縁性液体と共に分散媒50として用いることが望ましい。
また、この分散媒50に下記着色剤を混合することで、表示媒体12に粒子群34の色とは異なる色を表示させることができる。例えば、着色剤として白色を示す着色剤を混合することにより、粒子群34の色が黒色の場合には、表示媒体12にいて白色と黒色とを表示することができる。
この分散媒50に混合する着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして挙げることができる。
分散媒50はその中で粒子群34が移動することから、分散媒50の粘度が所定値以上であると、背面基板22及び表示基板20への付着力のばらつきが大きく、電界に対する粒子移動の閾値がとれないことから、分散媒50の粘度についても、調整することがよい。
分散媒50の粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s〜100mPa・sであることが粒子の移動速度、すなわち、表示速度の観点から必須であり、0.1mPa・s〜50mPa・sであることが望ましく、0.1mPa・s〜20mPa・sであることが更に望ましい。
分散媒50の粘度を0.1mPa・sPa・s〜100mPa・sの範囲とすることにより、分散媒50中に分散されている粒子群34と、表示基板20又は背面基板22との付着力や流動抵抗や電気泳動時間のばらつきを抑制することができる。
分散媒50の粘度の調整は、分散媒の分子量、構造、組成等を調整することによって可能である。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いることができる。
粒子群34は、複数の粒子から構成され、各粒子は正又は負に帯電されており、表面電極40と背面電極46との電極間に(すなわち、表示基板20と背面基板22と基板間に)、所定の電圧が印加されて表示基板20と背面基板22との基板間に所定の電界強度以上の電界が形成されることで分散媒50中を移動するものである。
表示媒体12における表示色の変化は、この粒子群34を構成する各粒子の分散媒50中の移動によって生じる。
この粒子群34の各粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が挙げられる。
粒子の製造に使用される熱可塑性樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
また、粒子の製造に使用される熱硬化性樹脂としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体や架橋ポリメチルメタクリレート等の架橋樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等を使用することができ、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤を挙げることができる。具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電制御剤を混合してもよい。帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子を挙げることができる。
粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合してもよい。磁性材料は必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料を使用する。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性粉として、例えば、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉を用いることができる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが望ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光を波長選択的に反射するものである。
粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させてもよい。外添剤の色は、粒子の色に影響を与えないように、透明であることが望ましい。
外添剤としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物等の無機粒子が用いられる。粒子の帯電性、流動性、及び環境依存性等を調整するために、これらをカップリング剤やシリコーンオイルで表面処理することができる。
カップリング剤には、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタン系カップリング剤、ニトリル系カップリング剤等の正帯電性のものと、窒素原子を含まない(窒素以外の原子で構成される)シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、エポキシシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤等の負帯電性のものがある。また、シリコーンオイルには、アミノ変性シリコーンオイル等の正帯電性のものと、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負帯電性のものが挙げられる。これらは外添剤の所望の抵抗に応じて選択される。
上記外添剤の中では、よく知られている疎水性シリカや疎水性酸化チタンが望ましく、特に特開平10−3177記載のTiO(OH)と、シランカップリング剤等のシラン化合物との反応で得られるチタン化合物が好適である。シラン化合物としてはクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。このチタン化合物は、湿式工程の中で作製されるTiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥させて作製される。数百度という焼成工程を通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集が全くなく、粒子は一次粒子の状態である。さらに、TiO(OH)にシラン化合物あるいはシリコーンオイルを直接反応させるため、シラン化合物やシリコーンオイルの処理量を多くすることができて、シラン化合物の処理量等を調整することにより帯電特性を制御でき、且つ付与できる帯電能も従来の酸化チタンのそれより顕著に改善することができる。
外添剤の一次粒子は、一般的には1nm〜100nmであり、5nm〜50nmであることがより良いが、これに限定されない。
外添剤と粒子の配合比は粒子の粒径と外添剤の粒径の兼ね合いから調整される。外添剤の添加量が多すぎると粒子表面から該外添剤の少なくとも一部が遊離し、これが他方の粒子の表面に付着して、所望の帯電特性が得られなくなる。一般的には、外添剤の量は、粒子100重量部に対して、0.01重量部〜3重量部、また0.05重量部〜1重量部であることがより良い。
外添剤は、複数種類の粒子の何れか1種にだけ添加してもよいし、複数種又は全種類の粒子へ添加してもよい。全粒子の表面に外添剤を添加する場合は、粒子表面に外添剤を衝撃力で打込んだり、粒子表面を加熱して外添剤を粒子表面に強固に固着したりすることが望ましい。これにより、外添剤が粒子から遊離し、異極性の外添剤が強固に凝集して、電界で解離させることが困難な外添剤の凝集体を形成することが防止され、ひいては画質劣化が防止される。
粒子群34を作製する方法としては、従来公知のどの方法を用いてもよい。例えば、特開平7−325434公報記載のように、樹脂、顔料及び帯電制御剤を所定の混合比になるように計量し、樹脂を加熱溶融させた後に顔料を添加して混合、分散させ、冷却した後、ジェットミル、ハンマーミル、ターボミル等の粉砕機を用いて粒子を調製し、得られた粒子をその後分散媒に分散する方法が使用できる。また、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の重合法やコアセルベーション、メルトディスパージョン、エマルジョン凝集法で帯電制御剤を粒子中に含有させた粒子を調製し、その後分散媒に分散して粒子分散媒を作製してもよい。さらにまた、樹脂が可塑化可能で、分散媒が沸騰せず、かつ、樹脂、帯電制御剤及び/又は着色剤の分解点よりも低温で、前記の樹脂、着色剤、帯電制御剤及び分散媒の原材料を分散及び混錬することができる適当な装置を用いる方法がある。具体的には、流星型ミキサー、ニーダー等で顔料と樹脂、帯電制御剤を分散媒中で加熱溶融し、樹脂の溶媒溶解度の温度依存性を利用して、溶融混合物を撹拌しながら冷却し、凝固/析出させて粒子を作製することができる。
さらにまた、分散及び混練のための粒状メデイアを装備した適当な容器、例えばアトライター、加熱したボールミル等の加熱された振動ミル中に上記の原材料を投入し、この容器を望ましい温度範囲、例えば80〜160℃で分散及び混練する方法が使用できる。粒状メデイアとしては、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が望ましく用いられる。この方法によって粒子を作製するには、あらかじめ流動状態にした原材料をさらに粒状メデイアによって容器内に分散させた後、分散媒を冷却して分散媒から着色剤を含む樹脂を沈殿させる。粒状メデイアは冷却中及び冷却後にも引き続き運動状態を保ちながら、剪断及び/又は、衝撃を発生させ粒子径を小さくする。
粒子群34の含有量(セル中の全質量に対する含有量(質量%))は、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くすることができる。一般的には、0.01質量%〜50質量%である。
大径着色粒子群36は、帯電されていない粒子群であり、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する大径着色粒子から構成され、粒子群34とは異なる色を表示する反射部材として機能するものである。そして、表示基板20と背面基板22との基板間の移動を阻害することなく、移動させる空隙部材としての機能も有している。
大径着色粒子群36は、具体的には、例えば、粒子群34を構成する各粒子より大きな粒径で、且つ粒子群34の色とは異なる色に着色されており、粒子群34による色とは異なる色を表示媒体12に表示させるための部材である。本実施の形態では、大径着色粒子群36は白色である場合を説明するが、この色に限定されることはない。
大径着色粒子群36は、例えば、酸化チタンや酸化ケイ素、酸化亜鉛などの白色顔料を、ポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMA、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などに分散した粒子が使用できる。また、着色部材を構成する粒子として、白色以外の粒子を適用する場合、例えば、所望の色の顔料、あるいは染料を内包した前記した樹脂粒子を使用することができる。顔料や染料は、例えばRGBやYMC色であれば、印刷インキやカラートナーに使用されている一般的な顔料あるいは染料を使用できる。
大径着色粒子群36を基板間へ封入するには、例えば、インクジェット法などにより行う。また、大径着色粒子群36を固定化する場合、例えば、大径着色粒子群36を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、大径着色粒子群36の粒子群表層を溶かすことで、粒子間隙を維持させつつ行われる。
表示媒体12における上記セルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示可能な表示媒体12を作製することができ、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm〜1mm程度である。
上記表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用することができる。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用することができる。
このように構成される表示媒体12は、画像の保存及び書換えが可能な掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシート等に使用することができる。
上記に示したように、本発明の実施の形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18とを含んで構成されている(図1参照)。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号授受可能に接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されていることも可能である。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
次に、表示装置10の作用を説明する。この作用は制御部18の動作に従って説明する。
ここで、表示媒体12に封入されている粒子群34は、黒色であり且つ負極性に帯電されている場合を説明する。また、分散媒50は透明であり、大径着色粒子群36が白色であるものとして説明する。すなわち、本実施の形態では、表示媒体12は、粒子群34の移動によって黒色又は白色を表示する場合を説明する。
まず、電圧を、所定時間、表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す初期動作信号を、電圧印加部16へ出力する。基板間に負極で且つ濃度変動が終了する閾値電圧以上の電圧が印加されると、負極に帯電している粒子群34を構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に到る(図2(A)参照)。
このとき、表示基板20側から視認される表示媒体12の色は、大径着色粒子群36の色としての白色として視認される。
このT1時間は、初期動作における電圧印加における電圧印加時間を示す情報として、予め制御部18内の図示を省略するROM等のメモリ等に記憶しておけばよい。そして、処理実行のときに、この所定時間を示す情報を読み取るようにすればよい。
次に、表面電極40と背面電極46との電極間に、基板間に印加した電圧とは極性を反転させて、表面電極40を正極とし背面電極46を負極として電圧を印加すると、図2(B)に示すように、粒子群34は表示基板20側へと移動して表示基板20側に到達し、粒子群34による黒表示がなされる。
このようにして、本実施形態に係る表示装置10では、粒子群34が表示基板20又は背面基板22に到達して、付着することで表示が行われる。この際、表示基板20及び背面基板22の互いの対向面を、粒子群34の帯電極性とは異なる極性で帯電させておく(帯電処理を施しておく)ことで、粒子群34を基板へ付着させ電圧印加を停止しても(非電界付与時)、粒子群34と基板との間で静電力が働き、粒子群34の粒子間反発や、粒子のイオン吸引による反電場の発生に対しても、その粒子群34の基板への付着状態が安定化する。
特に、表示基板20の対向面を、粒子群34の帯電極性とは異なる極性で帯電させておくと、電圧印加停止後(非電界付与時)でも、その粒子群34の基板への付着状態が安定化するので、表示画像が安定化する。
一方、背面基板の対向面を、粒子群34の帯電極性とは異なる極性で帯電させておくと、電圧印加停止後(非電界付与時)でも、その粒子群34の基板への付着状態が維持されるので、表示基板20へ粒子群34の粒子が移動することが抑制される。
ここで、表示基板20と背面基板22の対向面に帯電処理が施されていることで、上述のように、基板間に電界が形成されることで基板間を移動した粒子群34が表示基板20側または背面基板22側に付着されて安定的に保持された状態となるが、この対向面が帯電処理されることで、表示基板20側と背面基板22側の何れか側に移動した粒子群34を他方の基板側へと移動させるための電界が基板間に形成されたときに、粒子群34が表示基板20側または背面基板22側に保持されたままであると、画質劣化が生じる事が懸念される。
しかし、本実施の形態の表示媒体12においては、上述のように、表示基板20と背面基板との各々に処理層21及び処理層23各々が設けられていることから、処理層21及び処理層23の存在によって、表示基板20及び背面基板22の各々に付着した粒子が、付着している基板側に留まらずに、基板間に形成された電界に応じて対向面側の基板側へと容易に移動する。
このため、表示基板20と背面基板22との基板間に電界が形成されることによって、表示基板20側及び背面基板22側への粒子群34の移動が繰り返し行われた場合であっても、基板間に形成された電界に応じて粒子群34を移動させることができ、画質劣化を抑制することができると考えられる。
従って、本実施の形態の表示媒体12及び表示装置10によれば、表示基板20及び背面基板22各々に処理層21及び処理層23各々が設けられているので、表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34を対向面側へと移動させる電界が基板間に形成されたときに、対向面側へと粒子群34を容易に移動させることができる。このため、画質劣化を抑制することができる。
さらに、表示基板20及び背面基板22の対向面に帯電処理を行った後に処理層21及び処理層23各々を設けているので、この対向面の帯電処理により、電気泳動によって表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34を到達した側に保持することができ、優れた画質保持性をも得ることができる。
なお、本実施形態では、表示基板20及び背面基板22の双方に帯電処理を施した形態を説明したが、いずれかに帯電処理を施した形態であってもよい。また、本実施形態では、表示媒体の一方の面(表示基板20側)のみを表示機能を持たせた形態を説明したが、これに限られず、両面に表示機能を持たせた形態、即ち一対の基板を表示基板(双方ともに透光性を持った基板)で構成してもよい。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、粒子群34を1種類のみ使用した形態を説明したが、本実施の形態は、2種類以上の粒子群を適用した形態を説明する。なお、2種類以上の粒子群は、全て同じ極性で帯電されている。
本実施の形態の表示装置11は、図3に示すように、表示媒体13と、表示媒体13に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18と、を含んで構成されている。
なお、表示装置11は、上記第1の実施の形態で説明した表示装置10と略同一の構成であるため、同一構成には同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
表示媒体13は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を所定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34、及び粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する大径着色粒子群36を含んで構成されている。
表示基板20及び背面基板22の対向面は、第1の実施の形態と同様に帯電処理されており、この対向面上には、処理層21及び処理層23各々が設けられている。
本実施の形態では、粒子群34として、互いに色の異なる複数種の粒子群34が分散媒50に分散されている。
なお、本実施の形態では3種類の粒子群34として、互いに色の異なる粒子群34として、イエロー色のイエロー粒子群34Y、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、及びシアン色のシアン粒子群34Cが分散されているとして説明するが、3種類に限られない。
この複数種類の粒子群34は、基板間を電気泳動する粒子群であり、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。すなわち、各色の粒子群34(イエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、及びシアン粒子群34C)は、色毎に各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲を有し、当該電圧範囲がそれぞれ異なる。
このような、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なる複数種の粒子群34の各粒子としては、上記第1実施形態で説明した粒子群34を構成する材料の内の、例えば、帯電制御剤や磁性粉の量、粒子を構成する樹脂の種類や濃度等を換える等して、帯電量の異なる粒子を含む粒子分散液をそれぞれ作製し、これを混合することで得られる。
ここで、上述のように、本実施の形態の表示媒体12には3種類の粒子群34として、互いに色の異なるイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、及びシアン粒子群34Cが分散されており、これらの複数種類の粒子群34は、電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が各色の粒子群でそれぞれ異なる。
なお、本実施の形態では、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々が移動を開始するときの電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vtm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vtc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vty|であるとして説明する。また、各色粒子群34のゼンタ色のマゼンタ粒子群34M、シアン色のシアン粒子群34C、及びイエロー色のイエロー粒子群34Yの3色の粒子群各々をほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値として、マゼンタ色のマゼンタ粒子群34Mが|Vdm|、シアン色のシアン粒子群34Cが|Vdc|、イエロー色のイエロー粒子群34Yが|Vdy|であるとして説明する。
なお、以下で説明するVtc、−Vtc、Vdc、−Vdc、Vtm、−Vtm、Vdm、−Vdm、Vty、−Vty、Vdy、及び−Vdyの絶対値は、|Vtc|<|Vdc|<|Vtm|<|Vdm|<|Vty|<|Vdy|の関係であるとして説明する。
具体的には、図4に示すように、例えば、3種類の粒子群34は、全て同極性に帯電された状態で分散媒50内に分散され、シアン粒子群34Cを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtc≦Vc≦Vdc|(VtcからVdcの間の値の絶対値)、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)が、この順で重複することなく、大きくなるように設定されている。
また、各色の粒子群34を独立駆動するために、シアン粒子群34Cをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdc|が、マゼンタ粒子群34Mを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vtm≦Vm≦Vdm|(VtmからVdmの間の値の絶対値)、及びイエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。また、マゼンタ粒子群34Mをほぼ全て移動させるための最大電圧の絶対値|Vdm|が、イエロー粒子群34Yを移動させるために必要な電圧範囲の絶対値|Vty≦Vy≦Vdy|(VtyからVdyの間の値の絶対値)よりも小さく設定されている。
即ち、本実施形態では、各色の粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲が重ならないように設定することによって、各色の粒子群34が独立駆動されるようにしている。
なお、「粒子群34を移動させるために必要な電圧範囲」とは、粒子が移動開始するために必要な電圧と移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和するまでの電圧範囲を示す。
また、「粒子群34をほぼ全て移動させるために必要な最大電圧」とは上記の移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和する電圧を示す。
また、「ほぼ全て」とは、各色の粒子群34の特性ばらつきがあるため、一部の粒子群34の特性が表示特性に寄与しない程度異なるものがあることを表す。すなわち上述した移動開始からさらに電圧及び電圧印加時間を増加させても、表示濃度の変化が生じなくなり、表示濃度が飽和した状態である。
また、「表示濃度」は、表示面側における色濃度を光学濃度(Optical Density=0D)の反射濃度計X-rite社の反射濃度計で測定しながら、表示面側と背面側との間に電圧を印加して且つこの電圧を測定濃度が増加する方向に徐々に変化(印加電圧を増加又は減少)させて、単位電圧あたりの濃度変化が飽和し、且つその状態で電圧及び電圧印加時間を増加させても濃度変化が生じず、濃度が飽和したときの濃度を示している。
そして、本実施形態に係る表示媒体12では、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vから電圧を印加して除々に印加電圧の電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtcを超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdcとなると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vtmを超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が+Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに、電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vtyを超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値を上昇させて、基板間に印加された電圧が+Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
反対に、表示基板20と背面基板22との基板間に0Vからマイナス極の電圧を印加して除々に電圧の絶対値を上昇させ、基板間に印加された電圧−Vtcの絶対値を超えると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの基板間の移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに、電圧値の絶対値を上昇させ、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdc以上となると、表示媒体12においてシアン粒子群34Cの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtmの絶対値を超えると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、表示基板20と背面基板22との基板間に印加された電圧が−Vdmとなると、表示媒体12においてマゼンタ粒子群34Mの移動による表示濃度の変化が止まる。
さらに電圧値の絶対値を上昇させてマイナス極の電圧を印加し、表示基板20と背面基板22との基板間に印加される電圧が−Vtyの絶対値を超えると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動により表示濃度に変化が現れ始める。さらに電圧値の絶対値を上昇させて、基板間に印加された電圧が−Vdyとなると、表示媒体12においてイエロー粒子群34Yの移動による表示濃度の変化が止まる。
すなわち、本実施の形態では、図4に示すように、基板間に印加される電圧が−VtcからVtcの範囲内(電圧範囲|Vtc|以下)となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子群34(シアン粒子群34C、マゼンタ粒子群34M、及びイエロー粒子群34Y)の粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtc及び電圧−Vtcの絶対値以上の電圧が印加されると、3色の粒子群34の内のシアン粒子群34Cについて表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdc及び電圧Vdcの絶対値|Vdc|以上の電圧が印加されると、単位電圧あたりの表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加される電圧が−VtmからVtmの範囲内(電圧範囲|Vtm|以下)となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のマゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vtm及び電圧−Vtmの絶対値以上の電圧が印加されると、マゼンタ粒子群34M及びイエロー粒子群34Yの内のマゼンタ粒子群34Mについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じはじめて単位電圧あたりの表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdm及び電圧Vdmの絶対値|Vdm|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
さらに、基板間に印加する電圧が−VtyからVtyの範囲内(電圧範囲|Vty|以下)となるような電圧が表示基板20と背面基板22との基板間に印加された場合には、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度のイエロー粒子群34Yの粒子の移動は生じていないといえる。そして、基板間に、電圧+Vty及び電圧−Vtyの絶対値以上の電圧が印加されると、イエロー粒子群34Yについて、表示媒体12の表示濃度に変化が発生する程度の粒子の移動が生じ始めて表示濃度に変化が生じはじめ、電圧−Vdy及び電圧Vdyの絶対値|Vdy|以上の電圧が印加されると、表示濃度に変化は生じなくなる。
次に、図5を参照して、表示媒体12に画像を表示するときの粒子移動のメカニズムを説明する。
例えば、表示媒体12に、複数種類の粒子群34として、図4を用いて説明したイエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34Cが封入されているとして説明する。
また、以下では、イエロー粒子群34Yを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つイエロー粒子群34Yの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「大電圧」と称し、マゼンタ粒子群34Mを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つマゼンタ粒子群34Mの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「中電圧」と称し、シアン粒子群34Cを構成する粒子が移動開始するために必要な電圧の絶対値より大きく、且つシアン粒子群34Cの上記最大電圧以下で基板間に印加する電圧を「小電圧」と称して説明する。
また、表示基板20側に背面基板22側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「+大電圧」、「+中電圧」、及び「+小電圧」各々と称する。また、背面基板22側に表示基板20側より高い電圧を基板間に印加する場合には、各々の電圧を、「−大電圧」、「−中電圧」、及び「−小電圧」各々と称して説明する。
図5(A)に示すように、初期状態では全ての粒子群としてのマゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yの全てが背面基板22側に位置されるとすると(白色表示状態)、この初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+大電圧」を印加させると、全ての粒子群として、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yが表示基板20側に移動する。この状態で、電圧印加を解除しても、各粒子群各々は表示基板20側に付着したまま移動せずに、マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Yによる減色混合(マゼンタと、シアンと、イエロー色の減色混合)により黒色を表示したままの状態となる。(図5(B)参照)。
次に、図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−中電圧」を印加させると、全ての色の粒子群34の内、マゼンタ粒子群34Mと、シアン粒子群34Cと、が背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yのみが付着した状態となることから、イエロー色表示がなされる(図5(C)参照)。
さらに、図5(C)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、背面基板22側に移動したマゼンタ粒子群34M及びシアン粒子群34Cの内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、イエロー粒子群34Y及びシアン粒子群34Cが付着した状態となり、イエローとシアンとの減色混合による緑色が表示される(図5(D)参照)。
また、上記図5(B)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、全ての粒子群34のシアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。このため、表示基板20側にはイエロー粒子群34Yとマゼンタ粒子群34Mが付着した状態となることから、シアンとマゼンタの加色混合による赤色表示がなされる(図5(I)参照)。
一方、図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+中電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Y)の内、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cとが付着するので、マゼンタとシアンの減色混合による青色が表示される(図5(E)参照)。
この図5(E)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−小電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mとシアン粒子群34Cの内の、シアン粒子群34Cが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、マゼンタ粒子群34Mのみが付着した状態となるので、マゼンタ色が表示される(図5(F)参照)。
この図5(F)の状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、表示基板20側に付着しているマゼンタ粒子群34Mが背面基板22側に移動する。
このため、表示基板20側には、何も付着しない状態となるため、大径着色粒子群36の色としての白色が表示される(図5(G)参照)。
また、上記図5(A)に示す上記初期状態から、表示基板20と背面基板22との間に「+小電圧」を印加させると、全ての粒子群34(マゼンタ粒子群34M、シアン粒子群34C、及びイエロー粒子群34Y)の内、シアン粒子群34Cが表示基板20側に移動する。このため、表示基板20側には、シアン粒子群34Cが付着するので、シアン色が表示される(図5(H)参照)。
さらに、上記図5(I)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
同様に、上記図5(D)に示す状態から、表示基板20と背面基板22との間に「−大電圧」を印加させると、図5(G)に示すように全ての粒子群34が背面基板22側に移動して白色表示がなされる。
このように、本実施形態では、各粒子群34に応じた電圧を基板間に印加することで、当該電圧による電界に応じて選択的に所望の粒子を移動させるので、所望の色以外の色の粒子が分散媒50中を移動することを抑制することができ、所望の色以外の色が混じる混色を抑制され、表示媒体12の画質劣化を抑制しつつ、カラー表示がなされる。なお、各粒子群34は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なれば、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧範囲が重なっていても、鮮明なカラー表示が実現できるが、当該電圧範囲が互いに異なるほうが、より混色を抑制してカラー表示が実現される。
また、シアン、マゼンタ、イエローの3色の粒子群34を分散媒50中に分散することによって、シアン、マゼンタ、イエロー、青色、赤色、緑色、及び黒色を表示することができるとともに、白色の大径着色粒子群36によって白色を表示することができ、所望のカラー表示を行うことが可能となる。
ここで、分散媒50内に分散された各色粒子群34(イエロー粒子群34Y、マゼンタ粒子群34M、及びシアン粒子群34C)の帯電特性が表示媒体12の作製時から時間の経過とともに変化すると、同一の電圧や同一の極性の電圧を表示媒体12に印加しても、所望の色を表示媒体12に表示することが困難となる場合がある。
しかしながら、本実施の形態の表示媒体12及び表示装置10によれば、表示媒体12内の粒子群34は、第1の実施の形態で説明した分散媒50中に分散されていることから、帯電特性の変化が抑制される。従って、表示媒体12内に分散された電界に応じて移動する粒子群34の帯電特性の変化が抑制され、表示媒体12の画質劣化の抑制が図れる。
また、本実施形態に係る表示装置11では、上記第1の実施形態で説明した表示装置10と同様に、粒子群34が表示基板20又は背面基板22に到達して、付着することで表示が行われる。この際、表示基板20及び背面基板22の互いの対向面を、粒子群34の帯電極性とは異なる極性で帯電させておく(帯電処理を施しておく)ことで、粒子群34を基板へ付着させ電圧印加を停止しても(非電界付与時)、粒子群34と基板との間で静電力が働き、粒子群34の粒子間反発や、粒子のイオン吸引による反電場の発生に対しても、その粒子群34の基板への付着状態が安定化する。
また、本実施の形態の表示媒体12においては、上述のように、表示基板20と背面基板との各々に処理層21及び処理層23各々が設けられていることから、処理層21及び処理層23の存在によって、表示基板20及び背面基板22の各々に付着した粒子が、付着している基板側に留まらずに、基板間に形成された電界に応じて対向面側の基板側へと容易に移動する。
このため、表示基板20と背面基板22との基板間に電界が形成されることによって、表示基板20側及び背面基板22側への粒子群34の移動が繰り返し行われた場合であっても、基板間に形成された電界に応じて粒子群34を移動させることができ、画質劣化を抑制することができる。
従って、本実施の形態の表示媒体13及び表示装置11によれば、表示基板20及び背面基板22の対向面に帯電処理が行われていることにより、電気泳動によって表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34を到達した側に保持することができ、優れた画質保持性を得ることができるとともに、表示基板20及び背面基板22各々に処理層21及び処理層23各々が設けられていることによって、表示基板20側または背面基板22側に到達した粒子群34を対向面側へと移動させる電界が基板間に形成されたときに、対向面側へと容易に移動させることができる。このため、画質劣化を抑制することができる。
以下に本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(大径着色粒子群の調製)
−分散液AAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液AAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル :53重量部
・酸化チタン1(白色顔料) (一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製) :45重量部
・シクロヘキサン:5重量部
−炭カル分散液ABの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液ABを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40重量部
・水:60重量部
−混合液ACの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液ACを調製した。
<組成>
・2%セロゲン:4.3g
・炭カル分散液AB:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液AA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液ACに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:20μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径20μmの白粒子群を得た。これを大径着色粒子群とした。
(マゼンタ粒子群の調製)
−分散液BAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液BAを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル:53質量部
・マゼンタ顔料 (カーミン6B:大日精化社製):3質量部
・帯電制御剤(COPY CHARGE PSY VP2038:クラリアントジャパン製):2質量部
−炭カル分散液BBの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液BBを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液BCの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液BCを調製した。
<組成>
・2%セロゲン水溶液:4.3g
・炭カル分散液B:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液BA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液BCに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に60℃で10時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、これを乾燥させた。得られた粒子2重量部をノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル98重量部に投入し、攪拌分散してマゼンタ粒子群の分散液を調製した。マゼンタ粒子群の粒子の体積平均粒子径は1μmであった。
このようにして作製したマゼンタ粒子群は、負帯電であった。
(シアン粒子群の調製)
−分散液CAの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液CAを調製した。
<組成>
・スチレンモノマ:53質量部
・シアン顔料 (シアニンブルー4933M:大日精化社製):3質量部
・帯電制御剤(SBT−5−0016:オリエント工業社製):2質量部
−炭カル分散液CBの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液CBを調製した。
<組成>
・炭酸カルシウム:40質量部
・水:60質量部
−混合液CCの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液CCを調製した。
<組成>
・2%セロゲン水溶液:4.3g
・炭カル分散液B:8.5g
・20%食塩水:50g
分散液CA35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液CCに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に60℃で10時間反応させ粒子を調製した。冷却後、この分散液を凍結乾燥機により−35℃、0.1Paの下で2日間でシクロヘキサンを除去した。得られた粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、これを乾燥させた。得られた粒子2重量部をノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル2重量部と共に、シリコーンオイル98重量部に投入し、攪拌分散してシアン粒子群の分散液を調製した。シアン粒子群の粒子の体積平均粒子径は1μmであった。
このようにして作製したシアン粒子群は正帯電であった。
(実施例1)
以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)
厚さ0.7mmのガラスからなる支持基板上に電極としてITOをスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。このITO/ガラス基板で構成された背面基板の電極面をn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液、酢酸0.01wt%、蒸留水1wt%の混合液に15分間浸漬し、純水でリンスした後、120℃30分間の乾燥を行った。これにより、背面基板上に処理層を形成した。
この処理層の形成された背面基板を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)にて測定したところ、L*値は93を示した。
なお、実施例においては、上記光学濃度計を用いて測定対象領域内の任意の箇所10点について測定した測定結果の平均値を、光学濃度計による測定結果として示した。
また、処理層の厚みをDektak 6M 段差計(Veeco製)にて測定したところ、50nmであった。
その後、光感光性ポリイミドワニスを用いて層を塗布した後、露光、及びウエットエッチングを行うことにより高さ100μm、幅20μmの間隙部材を形成した。
間隙部材の上部に熱融着性の接着層(図示せず)を形成した後、上記大径着色粒子群(白色粒子群)と、マゼンタ粒子群の分散液を充填した後、背面基板と同様にして作製したITO/ガラスで構成され、且つ
処理層の形成された表示基板(L*値93、厚み50nm)を、互いの処理層の形成された側の面(電極面)が対向するように背面基板に張り合わせて熱をかけて表示媒体を作製した。
このようにして表示媒体を作製した。作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、白色表示が行われるように、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加したところ、表示媒体は白色を示した。
この状態で、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)にて上記と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例2)
以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)
上記実施例1では、表示基板及び背面基板各々に処理層を設けると共に、この処理層を表示基板及び背面基板に設ける処理において、n−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例2では、このn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液に換えて、n−オクタデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
この実施例2において、処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み60nmであった。
また、実施例1と同様にして、実施例2で作製した表示媒体について、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例3)
以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)
上記実施例1及び実施例2では、表示基板及び背面基板各々に直接処理層を設けたが、本実施例3では、表示基板及び背面基板の対向面各々に帯電処理を施した後に、実施例2と同様にして処理層を設けた以外は、実施例2と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
詳細には、以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)
厚さ0.7mmのガラスからなる支持基板上に電極としてITOをスパッタリング法により50nmの厚さで成膜した。このITO/ガラス基板で構成された背面基板の電極面を、カルボキシエチルシラントリオールの4wt%水溶液に20分間浸漬し、純粋でリンスした後、120℃で30分間の乾燥を行った。これにより、背面基板の電極面は負に帯電された。
更に、この基板を、n−オクタデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液、酢酸0.01wt%、蒸留水1wt%の混合液に15分間浸漬し、純水でリンスした後、120℃30分間の乾燥を行った。これにより、背面基板上に電極処理を行い、この電極処理された対向面上に処理層を形成した。また、この背面基板と同じようにして背面基板と同一構成の表示基板を作製した。
この帯電処理された後に処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み30nmであった。
以下のようにして、上記実施形態と同様な構成の表示媒体を作製した(図1参照)
本実施例3で作製した上記背面基板の帯電処理が施された後に処理層の設けられた面に、光感光性ポリイミドワニスを用いて層を塗布した後、露光、及びウエットエッチングを行うことにより高さ100μm、幅20μmの間隙部材を形成した。
間隙部材の上部に熱融着性の接着層(図示せず)を形成した後、上記大径着色粒子群(白色粒子群)と、シアン粒子群の分散液を充填した後、本実施例3で作製した表示基板を、互いの処理層も設けられた面(電極面)が対向するように背面基板に張り合わせて熱をかけて表示媒体を作製した。
この作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され、表示媒体はシアン色を表示した。
その後、電圧印加をオフ(停止)したところ、24時間経過してもシアン粒子群は表示基板へ保持されており、媒体の表示色はシアン色のまま、変化しなかった。
さらに、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され、表示媒体は白色を表示した。
さらに、上記シアン色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は92を示した。
このため、電圧印加前と比較して、色濃度には変化はほとんどみられず、表示基板にはシアン粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例4)
上記実施例3における表示媒体の作製方法における処理層の作製において、上記実施例3では、n−オクタデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液、酢酸0.01wt%、蒸留水1wt%の混合液に15分間浸漬し、純水でリンスした後、120℃30分間の乾燥を行う処理を1回のみ行うことで処理層を形成したが、本実施例4では、この処理を6回繰り返した以外は、全て実施例3と同様の操作を行い、表示媒体を作製した。
なお、本実施例4において作製した表示媒体の、表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み200nmであった。
本実施例4で作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され、表示媒体はシアン色を表示した。
その後、電圧印加をオフ(停止)したところ、24時間経過してもシアン粒子群は表示基板へ保持されており、媒体の表示色はシアン色のまま、変化しなかった。
さらに、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され、表示媒体は白色を表示した。
さらに、上記シアン色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と比較して、色濃度には変化はみられず、表示基板にはシアン粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例5)
上記実施例1では、表示基板及び背面基板各々に処理層を設けると共に、この処理層を表示基板及び背面基板に設ける処理において、n−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例5では、このn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液に換えて、n−ドデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
本実施例5において作製した表示媒体について、処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み50nmであった。
また、実施例1と同様にして、本実施例5で作製した表示媒体について、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例6)
上記実施例1では、表示基板及び背面基板各々に処理層を設けると共に、この処理層を表示基板及び背面基板に設ける処理において、n−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例6では、このn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液に換えて、n−オクタデシルトリメトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
本実施例6において作製した表示媒体について、処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み50nmであった。
また、実施例1と同様にして、本実施例6で作製した表示媒体について、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例7)
上記実施例1では、表示基板及び背面基板各々に処理層を設けると共に、この処理層を表示基板及び背面基板に設ける処理において、n−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例7では、このn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液に換えて、n−ヘキサデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
本実施例7で作製した表示媒体について、処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み50nmであった。
また、実施例1と同様にして、本実施例7で作製した表示媒体について、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例8)
上記実施例1では、表示基板及び背面基板各々に処理層を設けると共に、この処理層を表示基板及び背面基板に設ける処理において、n−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例8では、このn−オクチルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液に換えて、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製するとともに評価を行った。
本実施例8で作製した表示媒体において、処理層の形成された表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み50nmであった。
また、実施例1と同様にして、本実施例8で作製した表示媒体について、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化はみられず、マゼンタ粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例9)
上記実施例3における表示媒体の作製方法における処理層の作製において、上記実施例3では、n−オクタデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例9では、n−オクタデシルトリエトキシシランの6wt%エタノール溶液を用いた以外は、全て実施例3と同様の操作を行い、表示媒体を作製した。
なお、本実施例9において作製した表示媒体の、表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み100nmであった。
この本実施例9で作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され、表示媒体はシアン色を表示した。
その後、電圧印加をオフ(停止)したところ、24時間経過してもシアン粒子群は表示基板へ保持されており、媒体の表示色はシアン色のまま、変化しなかった。
さらに、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され、表示媒体は白色を表示した。
さらに、上記シアン色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と比較して、色濃度には変化はみられず、表示基板にはシアン粒子群の付着がみられなかったといえる。
(実施例10)
上記実施例3における表示媒体の作製方法における処理層の作製において、上記実施例3では、n−オクタデシルトリエトキシシランの2wt%エタノール溶液を用いたが、本実施例10では、n−オクタデシルトリエトキシシランの15wt%エタノール溶液を用いた以外は、全て実施例3と同様の操作を行い、表示媒体を作製した。
なお、本実施例10において作製した表示媒体の、表示基板及び背面基板の光学濃度及び厚みを実施例1と同様にして測定したところ、L*値93、厚み150nmであった。
本実施例10で作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され、表示媒体はシアン色を表示した。
その後、電圧印加をオフ(停止)したところ、24時間経過してもシアン粒子群は表示基板へ保持されており、媒体の表示色はシアン色のまま、変化しなかった。
さらに、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、正に帯電されたシアン粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され、表示媒体は白色を表示した。
さらに、上記シアン色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)により実施例1と同様にして測定したところ、L*値は93を示した。
このため、電圧印加前と比較して、色濃度には変化はみられず、表示基板にはシアン粒子群の付着がみられなかったといえる。
(比較例1)
表示基板及び背面基板の電極面に対して、処理層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして表示媒体を作製した。
作製した表示媒体を用いて、表示基板の電極がプラス、背面基板の電極がマイナスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより、負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって表示基板へ移動するのが観察され表示媒体はマゼンタ色を表示した。
その後、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加した。これにより負に帯電されたマゼンタ粒子群が電圧印加による電界によって背面基板へ移動するのが観察され表示媒体は白色を表示した。
この状態で、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)にて上記と同様にして測定したところ、L*値は82を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化がみられ、マゼンタ粒子群の付着がみられたと推測される。
さらに、本比較例1で作製した表示媒体について、上記マゼンタ色表示及び白色表示を交互に1000回繰り替えし行った後に、白色表示が行われるように、表示基板の電極がマイナス、背面基板の電極がプラスとなるように両電極に40Vの電圧を印加したところ、表示媒体は白色を示した。
この状態で、表示基板を表示媒体から剥離して、表示基板の色濃度を処理層の形成された側から光学濃度計X-Rite MODEL404(X-Rite社製)にて上記と同様にして測定したところ、L*値は79を示した。
このため、電圧印加前と色濃度に変化がみられ、マゼンタ粒子群の付着がみられたと推測される。
実施形態に係る表示媒体及び表示装置の概略構成図である。 実施形態に係る表示媒体及び表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。 第2実施の形態に係る表示媒体及び表示装置の概略構成図である。 印加する電圧と粒子の移動量(表示濃度)との関係を模式的に示す線図である。 表示媒体の基板間へ印加する電圧態様と、粒子の移動態様との関係を模式的に示す説明図である。
符号の説明
10、11 表示装置
12、13 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
21、23 処理層
22 背面基板
34M マゼンタ粒子群
34Y イエロー粒子群
34C シアン粒子群
34 粒子群
40 表面電極
46 背面電極
50 分散媒

Claims (9)

  1. 電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入された分散媒と、
    前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、
    前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方を下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理剤によって処理することにより形成された処理層と、
    を有することを特徴とする表示媒体。
    一般式(1) R−Si(OR
    (上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
  2. 前記一対の基板の少なくとも一方に設けられ、前記粒子群とは異なる帯電極性で帯電された帯電層を有することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記帯電層は、前記一対の基板の少なくとも一方と、前記処理層との間に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の表示媒体。
  4. 前記一対の基板が表示基板と背面基板であり、少なくとも表示基板側の前記対向面に前記処理層が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の表示媒体。
  5. 前記帯電層は、少なくとも前記表示基板側の対向面に設けられた処理層と、該表示基板との間に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の表示媒体。
  6. 前記処理層の厚みが10nm以上200nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の表示媒体。
  7. 電極を有する一対の基板であって、少なくとも一方が透光性を有すると共に間隙をもって配置された一対の基板と、前記一対の基板間に封入された分散媒と、前記分散媒中に分散され、前記一対の基板間に形成された電界に応じて該分散媒中を移動する粒子群と、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に設けられ、前記一対の基板の対向面の少なくとも一方を下記一般式(1)で示されるシランカップリング剤を含む処理剤によって処理することにより形成された処理層と、を有する表示媒体と、
    前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えたことを特徴とする表示装置。
    一般式(1) R−Si(OR
    (上記一般式(1)中、Rは、炭素数7以上の1価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、炭素数4以下の1価の脂肪族炭化水素基を表す。)
  8. 前記粒子群は、互いに電界に応じて移動するために必要な電圧の絶対値が異なると共に、互いに異なる色に着色された複数種類の粒子から構成されることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記複数種類の粒子は、種類毎に電界に応じて移動するために必要な電圧範囲を有し、且つ互いに該電圧範囲の異なることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
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